JP2014090737A - 産業用拭き取りシート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】積層体11の少なくとも一方の表面層1を、坪量が10.0gsm〜25.0gsmの紙シートとすることで、汚れが表面層1を通り抜けやすく、汚れが中間層2に向かって浸透し、表面層1による汚れの拭き取り性が向上する。また、紙シートの積層数nを4以上とすることで、汚れの吸収力が向上する。また、表面層1と連続して1または複数の坪量が10.0gsm〜25.0gsmの紙シートが積層されているので、表面層1を通り抜けた汚れが、表面層1に連続して積層された1または複数の紙シートをさらに通り抜ける。したがって、汚れの吸収力がより向上する。
【選択図】図1
Description
ここで、開口率とは、紙シートの片面の一定面積において、貫通孔の開口面積を一定面積で除した値をいう。
また、以下の各図においては、各紙シートを認識可能な程度の大きさにするため、各紙シートの尺度は実際と異なっている。
図1および図2において、産業用拭き取りシート10は積層数n(nは4以上)で紙シートが積層された積層体11からなる。積層数nの上限は特に限定されないが、産業用拭き取りシート10が厚くなることによる使用者が直接手に触れた際のハンドリングの行いにくさや使用感の低下、製造工程での加工適性(折り畳み性等)や収納箱への包装時のトラブル、収納箱からの取り出し性の容易さで決めることができる。例えば、積層数nは8以下が好ましい。
積層体11の表面層1のうちいずれか一方、または両方が、坪量が10.0gsm〜25.0gsmの紙シートからなる。
中間層2を構成する紙シートは特に限定されないが、坪量が10.0gsm〜25.0gsmの紙シートからなる表面層1と連続して、坪量が10.0gsm〜25.0gsmの1または複数の紙シートが積層されているのが好ましい。
例えば、表面層1と連続して接して8枚の坪量が10.0gsm〜25.0gsmの紙シートが積層されているのが好ましい。
ここでの実施例および比較例の産業用拭き取りシートは、表面層も含め、同じ坪量の紙シートを複数枚積層した積層体である。各実施例および各比較例では、紙シート一枚当たりの坪量が異なるが、産業用拭き取りシートとしての総坪量は、80gsm〜110gsmとした。
表1に、実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例3の紙シート一枚当たりの坪量と積層数nと産業用拭き取りシートとしての総坪量と拭き取り性と吸水量とを示した。また、紙シートの強度と抄造方法と強度評価を合わせて示した。
◎:きわめてよく拭き取れる
○:よく拭き取れる
△:あまり拭き取れない
×:拭き残しが目立つ
なお、坪量9.0の比較例1では、製造上の安定性を欠くために強度が不安定になり、強度評価ができない場合もあった。
さらに、実施例1〜実施例7における吸水量は、300g/m2〜760g/m2であった。
観察は、SEM(Scanning Electron Microscope)を用いて行った。具体的には、アルミニウム板に紙シートを乗せ、紙シートのアルミニウム板とは反対側からEDX(Energy Dispersive X-rayspectrometry)を用いてアルミニウムのマッピングを行い、開口を観察した。開口率は、マッピングされたアルミニウムの面積を観察された面積で除した値とした。
表3に紙力増強剤の種類、添加の割合を調整して強度を向上させた実施例8(実施例3に相当)、実施例9(実施例4に相当)および比較例4(実施例2に相当)について示した。また、拭き取り性、吸水量も合わせて示した。
表1および表3の結果から、紙力増強剤の調整により、一枚当たりの坪量が14.0gsm〜19.0gsmであれば、積層数nが4以上の産業用拭き取りシートの強度および拭き取り性がより良好なことが分かった。また、強度は7.0(N/5cm)以上であれば、拭き取り時の破れが少なくなり、10.0(N/5cm)以上であればより拭き取り時の破れが少なくなる。
図5において、実施例において、吸水量は300g/m2〜760g/m2であることがわかった。
(1)産業用拭き取りシート10一枚当たりの拭き取り、吸水量が増えたので、産業用拭き取りシート10の使用枚数が削減でき、廃棄物の量も低減できる。
(2)ドレープ性がよくなり、その結果、凹凸のある対象物の汚れを効率よく拭き取れる。
(3)低坪量にしたことで、パルプの使用量を低減でき、低価格の産業用拭き取りシート10を提供できる。
(4)産業用拭き取りシート10一枚当たりの拭き取り性が向上し、吸水量が増えたので、産業用拭き取りシート10の収納をコンパクト化でき、産業用拭き取りシート10を収納した製品の積載効率を向上できる。
(5)エンボスを施すことによって、積層体11がシートとして保持される。また、表面層と中間層との間に空間が形成され、汚れのふき取り性がより向上する。
例えば、産業用拭き取りシートは、実施形態および実施例に示した積層体からなるものに限らず、所定のシートからなる表面層とは反対側に積層体を支持する基材を有していてもよい。
Claims (7)
- 紙シートの積層数が4以上である積層体を含み、
前記積層体の表面層の少なくとも一方の紙シートは、坪量が10.0gsm〜25.0gsmであり、
前記紙シートの開口率が0.7パーセント〜26.5パーセントである
ことを特徴とする産業用拭き取りシート。 - 前記積層体は、前記表面層と連続して積層されている中間層としての1または複数の紙シートを含み、
前記中間層の紙シートは、坪量が10.0gsm〜25.0gsmであり、前記紙シートの開口率が0.7パーセント〜26.5パーセントである
ことを特徴とする請求項1に記載の産業用拭き取りシート。 - 前記紙シートは、前記坪量が10.0gsm〜19.0gsmで、前記開口率が2.0パーセント〜26.5パーセントである
ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の産業用拭き取りシート。 - 前記紙シートは、前記坪量が14.0gsm〜19.0gsmで、前記開口率が2.0パーセント〜8.0パーセントである
ことを特徴とする請求項3に記載の産業用拭き取りシート。 - 前記坪量が10.0gsm〜25.0gsmの紙シートは、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂またはポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(PAE)から選ばれる一種以上の紙力増強剤を含む
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の産業用拭き取りシート。 - 前記坪量が10.0gsm〜25.0gsmの紙シートに添加される紙力増強剤の割合が、1kg/t〜20kg/tである
ことを特徴とする請求項5に記載の産業用拭き取りシート。 - 前記積層体の吸水量が、300g/m2〜760g/m2である
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の産業用拭き取りシート。
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