JP2014090587A - 間接活線工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 切断した高圧引下線縁線の充電部、取外した引下線用コネクタ、引下線用コネクタを取外した高圧線の充電部を防護し、絶縁する。
【解決手段】 切断された高圧引下線縁線27の一方の充電部27cを挿入可能な絶縁材からなるキャップ状の絶縁キャップ20と、切断された高圧引下線縁線27の他方の充電部27cを挿入可能、又は取外された引下線用コネクタ28を収容可能な絶縁材からなる袋状の絶縁袋25と、引下線用コネクタ28が取外された高圧線の充電部を被覆可能な絶縁材からなるシート状の絶縁カバー16と、絶縁キャップ20及び絶縁カバー16が取付けられる絶縁材からなる第1クリップ2と、絶縁袋25が取付けられる絶縁材からなる第2クリップ7と、第1クリップ2と前記クリップ7とを分離可能に連結する絶縁材からなる連結部材15とを備え、第1クリップ2と第2クリップ7とを分離した状態で、第1クリップ2を高圧線に取付け、第2クリップ7を引下用絶縁電線に取付ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、間接活線工具に関し、特に、間接活線工法による高圧引下線縁線の切断、接続作業、及び引下用コネクタの取付け、取外しの作業に有効な間接活線工具に関する。
従来、間接活線工法による高圧引下線縁線の切断、接続作業、及び引下線用コネクタの取付け、取外し等の作業においては、高圧引下線縁線の充電部を露出させることになるため、高圧引下線縁線が風等によって振れることにより地絡、短絡等の事故を起こすおそれがある。このため、各種の間接活線工具を用いて、地絡、短絡等事故の発生を防止する必要がある。
間接活線工具の例が特許文献1〜4に記載されている。特許文献1に記載の間接活線工具は、有底筒体のキャップ本体の開口端にラッパ状の挿入口を連設し、挿入口に長手方向を向く複数の切れ込みによる複数の分割片を形成したキャップ本体と、キャップ本体の外周側に摺動可能に設けられた筒状のスリーブとを備えたものである。
このような構成の間接活線工具によれば、高圧引下線縁線の先端部を挿入口からキャップ本体内に挿入させて、スリーブをキャップ本体の外周面を開口端の方向に摺動させて、複数の分割片で高圧引下線縁線を締め付けることにより、キャップ本体を高圧引下線縁線の先端部に固定することができ、キャップ本体で高圧引下線縁線の充電部を防護することができる。
また、特許文献2に記載の間接活線工具は、有底筒体の開口端にラッパ状の挿入口を連設したキャップ本体と、開閉自在な一対の把持部を有するクリップ状の把持部材とを備えたものであって、把持部材の一方の把持部をキャップ本体の有底筒体に固着させ、他方の把持部を有底筒体に設けた開口窓を通じて有底筒体の内部に突入可能に構成したものである。
このような構成の間接活線工具によれば、高圧引下線縁線の先端部を挿入口からキャップ本体内に挿入させ、把持部材の他方の把持部を開口窓を通じて有底筒体の内部に突入させることにより、高圧引下線縁線の先端部にキャップ本体を固定することができ、キャップ本体で高圧引下線縁線の充電部を防護することができる。
また、特許文献3に記載の間接活線工具は、電線支持物の腕金を把持することにより姿勢を保持するクリップと、クリップに紐を介して連結されるとともに、引下線の先端部を絶縁止めするキャップと、高圧引下線縁線の先端部を絶縁止めしたキャップを支持するクリップとを備えたものである。
このような構成の間接活線工具によれば、クリップにより電線支持物の腕金を挟み、この状態でキャップの内部に高圧引下線縁線の先端部を挿入して、クリップでキャップを挟み込むことにより、高圧引下線縁線の先端部の充電部を防護した状態で腕金に支持することができる。
また、特許文献4に記載の間接活線工具は、円筒状の絶縁棒と、絶縁棒の一端部に設けられた高圧線を把持するための高圧線把持部と、絶縁棒の他端部に設けられた高圧引下線縁線を把持するための絶縁把持部とを備えたものである。
このような構成の間接活線工具によれば、高圧線把持部で高圧線を把持し、絶縁把持部で高圧引下線縁線を把持し、この状態で高圧引下線縁線を切断することにより、切断した高圧引下線縁線を高圧線から離れた位置に保持することができる。
特開平9−74635号公報 特開平9−65530号公報 特開2007−295726号公報 特開2011−10527号公報
ところで、特許文献1〜3に記載の間接活線工具は、途中から切断した高圧引下線縁線の充電部の防護、及び引下線用コネクタを取外した状態の高圧引下線縁線の充電部の防護には適用できるが、引下線用コネクタを取付けたままの状態の高圧引下線縁線の充電部の防護には適用できない。また、特許文献1、2に記載の間接活線工具は、充電部を防護した状態の高圧引下線縁線を保持する手段を備えていないため、何らかの手段によって工事が完了するまでの間、高圧引下線縁線を保持しなければならない。さらに、特許文献4に記載の間接活線工具は、高圧引下線縁線の充電部を防護し、絶縁する機能を備えていないため、何らかの方法で防護し、絶縁するか、或いは、露出している充電部に接触しないように細心の注意を払う必要がある。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、途中から切断した高圧引下線縁線の充電部、引下線用コネクタを取外した状態の高圧引下線縁線の充電部、及び引下線用コネクタを取付けたままの状態で高圧引下線縁線の充電部を防護し、絶縁することができるとともに、切断した高圧引下線縁線、及び取外した高圧引下線縁線を工事が完了するまでの間、保持し続けることができ、さらに、間接活線工法による各種の作業の効率を高めることができる、間接活線工具を提供することを目的とする。
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、本発明は、高圧線と引下用絶縁電線との間に接続される高圧引下線縁線の切断、接続作業、又は前記高圧引下線縁線を前記高圧線に接続する引下線用コネクタの取付け、取外し作業に用いられ、切断された前記高圧引下線縁線の充電部を防護し、絶縁する、又は、取外された前記引下線用コネクタ、及び前記引下線用コネクタが取外された前記高圧線の充電部を防護し、絶縁する間接活線工具であって、切断された前記高圧引下線縁線の一方の充電部を挿入可能な絶縁材からなるキャップ状の絶縁キャップと、切断された前記高圧引下線縁線の他方の充電部を挿入可能、又は取外された前記引下線用コネクタを収容可能な絶縁材からなる袋状の絶縁袋と、前記引下線用コネクタが取外された前記高圧線の充電部を被覆可能な絶縁材からなるシート状の絶縁カバーと、前記絶縁キャップ及び前記絶縁カバーが取付けられる絶縁材からなる第1クリップと、前記絶縁袋が取付けられる絶縁材からなる第2クリップと、前記第1クリップと前記クリップとを分離可能に連結する絶縁材からなる連結部材とを備え、前記第1クリップと前記第2クリップとを分離した状態で、前記第1クリップを前記高圧線に取付け、前記第2クリップを前記引下用絶縁電線に取付けることを特徴とする。
本発明の間接活線工具によれば、高圧引下線縁線の切断、接続の作業においては、切断された高圧引下線縁線の一方の充電部を絶縁キャップ内に挿入し、切断された高圧引下線縁線の他方の充電部を絶縁袋内に挿入することにより、切断された高圧引下線縁線の両充電部を防護し、絶縁することができる。また、この状態で、第1クリップを高圧線に取り付け、第2クリップを引下線用絶縁電線に取付けることにより、切断された高圧引下線縁線の一方の充電部を高圧線側に保持し、切断された高圧引下線縁線の他方の充電部を引下用絶縁電線に保持することができる。
また、引下線用コネクタの取付け、取外し作業においては、取外された引下線用コネクタを絶縁袋内に収容し、引下線用コネクタが取外された高圧線の充電部を絶縁カバーで被覆し、第1クリップを高圧線に取り付けることにより、引下線用コネクタが取付けられた状態で高圧引下線縁線の充電部を防護し、絶縁し、引下線用コネクタが取外された高圧線の充電部を防護し、絶縁することができる。また、この状態で、第2クリップを引下線用絶縁電線に取付けることにより、引下線用コネクタが取付けられた状態の高圧引下線縁線を引下用絶縁電線に保持することができる。
また、本発明において、前記絶縁キャップの内面には、挿入された前記高圧引下線縁線の抜けを防止するヒダが設けられている。
本発明の間接活線工具によれば、絶縁キャップの内面のヒダにより、絶縁キャップ内に挿入された高圧引下線縁線が絶縁キャップ内から抜けるのを防止することができ、切断された高圧引下線縁線の一方の充電部を防護し、絶縁した状態で高圧線側に保持し続けることができる。
また、本発明において、前記絶縁カバーの内面には、前記絶縁カバーが前記高圧線の充電部からずれるのを防止する滑り止め部と、前記絶縁カバーの垂れ下がり、及び広がりを防止する滑り止めが設けられている。
本発明の間接活線工具によれば、絶縁カバーの内面の滑り止め部により、絶縁カバーが高圧線上を移動するのを防止できる。また、絶縁カバーの内面の滑り止めにより、絶縁カバーの垂れ下がり、及び広がりを防止することができる。従って、引下線用コネクタが取外された高圧線の充電部を絶縁カバーで防護し、絶縁し続けることができる。
また、本発明において、前記絶縁カバーには、前記絶縁カバーを水平状態に保つ芯材が設けられている。
本発明の間接活線工具によれば、絶縁カバーの芯材により、絶縁カバーを水平状態に保つことができるので、絶縁カバーにより高圧線の充電部を被覆する作業を行う場合に、被覆する作業を効率よく行うことができる。
以上、説明したように、本発明の間接活線工具によれば、切断した高圧引下線縁線の充電部、引下線用コネクタを取外した状態の高圧引下線縁線の充電部、及び引下線用コネクタを取付けたままの状態で高圧引下線縁線の充電部を防護し、絶縁することができる。また、切断した高圧引下線縁線、及び取外した高圧引下線縁線を工事が完了するまでの間、保持し続けることができる。従って、間接活線工法による各種の作業の効率を高めることができる。
本発明による間接活線工具の一実施の形態を示した平面図であって、第1クリップと第2クリップとを連結した状態を示した説明図である。 図1の第1クリップと第2クリップとを分離した状態を示した説明図である。 図1のA矢視図である。 図1のB矢視図である。 絶縁キャップの断面図である。 絶縁カバーの断面図である。 図6のC矢視図である。 高圧引下線縁線の切断箇所を示した説明図である。 切断した高圧引下線縁線に間接活線工具を取付けた状態を示した説明図である。 図9の間接活線工具の第1クリップと第2クリップとを分離し、第1クリップを高圧線に取付け、第2クリップを引下用絶縁電線に取付けた状態を示した説明図である。 図10のA部の拡大図である。 図10のB部の拡大図である。 高圧引下線縁線の取外し箇所を示した説明図である。 図13の引下線用コネクタカバーを取外した状態を示した説明図である。 図14の引下線用コネクタを取外した状態を示した説明図である。 第1クリップを高圧線に取付け、第2クリップを引下用絶縁電線に取付けた状態を示した説明図である。 図16のA部の拡大図である。 図16のB部の拡大図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図7には、本発明による間接活線工具の一実施の形態が示されている。本実施の形態の間接活線工具1は、図8〜図18に示すように、間接活線工法による高圧引下線縁線27の取付け、取外し工事において、高圧引下線縁線27の切断、接続、引下線用コネクタ28の取付け、取外し等の作業を行う場合に適用され、切断した高圧引下線縁線27の充電部27c、又は高圧線26から取外した高圧引下線縁線27の充電部27cを防護し、絶縁するのを有効なものである。
本実施の形態の間接活線工具1は、図1及び図2に示すように、第1クリップ2と、第2クリップ7と、第1クリップ2と第2クリップ7とを分離可能に連結する連結部材15と、第1クリップ2に設けられる絶縁カバー16と、第1クリップ2に設けられる絶縁キャップ20と、第2クリップ7に設けられる絶縁袋25とから構成されている。
第1クリップ2、第2クリップ7、及び連結部材15は、合成樹脂等の絶縁材から形成され、絶縁カバー16及び絶縁袋25は、合成樹脂等の絶縁シートから形成され、絶縁キャップ20は、合成樹脂、合成ゴム等の絶縁材から形成されている。
第1クリップ2は、図3に示すように、一対の帯板状のクリップ部材2a、2bをX状に交差させて、両クリップ部材2a、2bを交差部で連結軸3によって回動自在に連結したものであって、交差部の上方の部分で一対の柄4a、4bからなる柄部4が構成され、交差部の下方の部分で一対の挟み5a、5bからなる挟み部5が構成されている。
連結軸3の周囲には、挟み部5の両挟み5a、5bを閉じる方向に付勢し、柄部4の両柄4a、4bを開く方向に付勢するばね(図示せず)が設けられ、このばねの付勢力に抗して柄部4の両柄4a、4bを閉じる方向に回動させることにより、挟み部5の両挟み5a、5bを開く方向に回動させることができる。
挟み部5の両挟み5a、5bの内面側には、高圧線26の充電部26aを防護し,絶縁するための絶縁カバー16が取り付けられている。
絶縁カバー16は、図6及び図7に示すように、長方形状の絶縁シートを二つ折りに折り曲げてV字状に形成したものであって、山折り線16aが水平方向を向くように、山折り線16aから一方の縁16bまでの間が一方の挟み5aの内面に接合され、山折り線16aから他方の縁16cまでの間が他方の挟み5bの内面に接合されている。
挟み部5の両挟み5a、5bを閉じる方向又は開く方向に回動させることにより、絶縁カバー16を山折り線16aを中心としてV字の間隔を狭める方向、又はV字の間隔を広げる方向に変形させることができる。
絶縁カバー16の複数箇所には、山折り線16aと平行をなすように芯材17が一体に設けられ、これらの芯材17により、絶縁カバー16を水平に保った状態でV字の間隔を狭める方向、又はV字の間隔を広げる方向に変形させることができる。
絶縁カバー16の山折り線16aの内面側には、絶縁カバー16の長手方向に所定の間隔ごとに複数の突起18aを一体に設けて構成した滑り止め部18が設けられ、この滑り止め部18の複数の突起18aを高圧線26に接触させることにより、絶縁カバー16が高圧線26上で移動するのが防止される。突起18aは合成ゴム等の柔軟性を有する材料から形成される。
絶縁カバー16の両縁16b、16cの内面側には、絶縁カバー16の全長に亘るように網目状の滑り止め19a、19bがそれぞれ設けられ、これらの滑り止め19a、19bを互いに接触させることにより、絶縁カバー16の両縁16b、16cが垂れ下がったり、広がったりするのを防止できる。
なお、滑り止め19a、19bの代わりに、フックとループとからなる面ファスナを用い、フックを一方の縁16bの内面側に貼り付け、ループを他方の縁16cの内面側に貼り付け、フックとループとを互いに係合させることにより、絶縁カバー16の両縁16b、16cが垂れ下がったり、広がったりするのを防止してもよい。
挟み部5の両挟み5a、5bの内面側の絶縁カバー16よりも連結軸3寄りの部分には、途中から切断した高圧引下線縁線27の充電部27c、又は高圧線26から取り外し、引下用コネクタ28を防護し,絶縁するための絶縁袋25が取り付けられている。
絶縁キャップ20は、図5に示すように、先端が閉塞されたテーパ筒状のテーパ部21と、テーパ部21の後端に連設された筒状のストレート部22とから構成されるものであって、ストレート部22の外面が挟み部5の両挟み5a、5bの内面側に取り付けられている。
絶縁キャップ20のストレート部22には、上下に長手方向を向く切れ目22a、22bがそれぞれ設けられ、これらの切れ目22a、22bによって絶縁キャップ20のストレート部22が左右に2つに分割されている。この左右に分割されたストレート部22の左半部が一方の挟み5aの内面に取り付けられ、右半部が他方の挟み5bの内面に取り付けられている。これにより、挟み部5の両挟み5a、5bを閉じる方向又は開く方向に回動させることにより、両挟み5a、5bに追従して絶縁キャップ20のストレート部22の両半部間を閉じる方向、又は両半部間を広げる方向に変形させることができる。
絶縁キャップ20のテーパ部21及びストレート部22の内面には、絶縁キャップ20の中心線を中心として左右に対称となるように、かつ、中心線に対して所定の角度で傾斜するように、複数のC形板状のヒダ23が長手方向に所定の間隔ごとに設けられ、これらのヒダ23によって絶縁キャップ20の内部から高圧引下線縁線27が抜け出るのが防止される。なお、ヒダ23は、C形板状に限らず、高圧引下線縁線27が抜け出るのを防止できる形状であればよい。
第2クリップ7は、図3に示すように、一対のクリップ部材7a、7bをX状に交差させて、両クリップ部材7a、7bを交差部で連結軸8によって回動自在に連結したものであって、交差部の下方の部分で一対の柄9a、9bから柄部9が構成され、交差部の上方の部分で一対の挟み10a、10bからなる挟み部10が構成されている。
連結軸8の周囲には、挟み部10の両挟み10a、10bを閉じる方向に付勢し、柄部9の両柄9a、9bを開く方向に付勢するばね(図示せず)が設けられ、このばねの付勢力に抗して柄部9の両柄9a、9bを閉じる方向に回動させることにより、挟み部10の両挟み10a、10bを開く方向に回動させることができる。
挟み部10の両挟み10a、10bの内面側の連結軸8寄りの部分には、袋状に形成した絶縁袋25の口部25aが適宜の手段によって固定され、挟み部10の両挟み10a、10bを閉じる方向又は開く方向に回動させることにより、絶縁袋25の口部25aを閉じる方向、又は広がる方向に変形させることができる。絶縁袋25は、高圧引下線縁線27を高圧線26に取り付ける引下線用コネクタ28を挿入可能な大きさに形成されている。
挟み部10の両挟み10a、10bの内面側の先端側、及び連結軸8寄りの部分には、内面が凹面12a、13aに形成された電線支持部12、13が設けられ、これらの電線支持部12、13によって高圧引下線縁線27が挟持されるようになっている。
第1クリップ2の挟み部5の一方の挟み5aの先端には連結孔6が設けられるとともに、第2クリップ7の挟み部10の一方の挟み10aには連結孔11が設けられ、両連結孔6、11間に丸棒状の連結部材15が着脱可能に取り付けられている。なお、連結部材15の一端を一方の連結孔6又は11に固定し、他端を他方の連結孔11又は6に着脱可能に構成してもよい。
次に、上記のように構成した本実施の形態の間接活線工具の使用方法について説明する。
(1)高圧引下線縁線の切断施工
図8に示すように、間接活線工法による高圧引下線縁線27の取付け、取外しの工事において、高圧引下線縁線27を切断、接続する場合には、図9に示すように、間接活線工具1の第1クリップ2と第2クリップ7とを連結部材15で連結し、この状態で、切断した高圧引下線縁線27の高圧線26側の縁線27aの充電部27cを第1クリップ2の絶縁キャップ20内に挿入し、変圧器側の縁線27bの充電部27cを第2クリップ7の絶縁袋25内に挿入する。
次に、図10〜図12に示すように、第1クリップ2と第2クリップ7とを分離し、絶縁ヤットコ32を用いて第1クリップ2の柄部4の両柄4a、4bを挟み、両柄4a、4bを閉じる方向に回動させることにより、挟み部5の両挟み5a、5bを広げる方向に回動させ、絶縁カバー16をV字を広げる方向に変形させ、この状態で絶縁カバー16を高圧線26に被せる。そして、絶縁ヤットコ32を柄部4から外すことにより、第1クリップ2の挟み部5の両挟み5a、5bを閉じる方向に回動させ、絶縁カバー16をV字を閉じる方向に変形させることにより、絶縁カバー16で高圧線26を防護し、絶縁するとともに、第1クリップ2の挟み部5の両挟み5a、5b間で高圧線26を挟み込む。これにより、第1クリップ2の絶縁キャップ16内に高圧線26側の縁線27aの充電部27cを挿入した状態で、その縁線27aを高圧線26側に保持することができる。
次に、絶縁ヤットコ32を用いて第2クリップ7の柄部9の両柄9a、9bを挟み、両柄9a、9bを閉じる方向に回動させることにより、挟み部10の両挟み10a、10bを広げる方向に回動させ、この状態で両挟み10a、10b間に引下用絶縁電線31を挿通させ、絶縁ヤットコ32を柄部9から外すことにより、第2クリップ7の挟み部10の両挟み10a、10bを閉じる方向に回動させ、第2クリップ7の挟み部10の両挟み10a、10b間で引下用絶縁電線31を挟み込む。これにより、第2クリップ7の絶縁袋25内に変圧器側の縁線27bの充電部27cを挿入した状態で、その縁線27bを引下用絶縁電線31側に保持することができる。
そして、この状態で各種の作業を行い、作業の終了後に高圧線26側から第1クリップ2を取り外し、引下用絶縁電線31側から第2クリップ7を取り外し、第1クリップ2の絶縁キャップ20内から高圧線26側の縁線27aを引き抜き、第2クリップ7の絶縁袋25内から変圧器側の縁線27bを引き抜き、両縁線27a、27bの充電部27cをスリーブ(図示せず)によって接合し、適宜の絶縁処理を施すことにより、高圧引下線縁線27の切断した縁線27a、27bの充電部27c同士を接続する。
(2)引下線用コネクタの取外し
図13に示すように、間接活線工法による高圧引下線縁線27の取付け、取外しの工事において、高圧引下線縁線27を引下線用コネクタ28を取り外すことにより、高圧線26から取外す場合には、まず、図14に示すように、高圧線26から引下線用コネクタカバー30を取外して引下線用コネクタ28を露出させる。そして、図15に示すように、引下線用コネクタ28のねじ29を緩めることにより、引下線用コネクタ28を高圧線26から取外し、高圧線26の充電部26aを露出させる。
次に、図16〜図18に示すように、間接活線工具の第1クリップ2と第2クリップ7とを分離し、絶縁ヤットコ32を用いて第1クリップ2の柄部4の両柄4a、4bを挟み、両柄4a、4bを閉じる方向に回動させることにより、挟み部5の両挟み5a、5bを広げる方向に回動させ、絶縁カバー16をV字を広げる方向に変形させ、この状態で絶縁カバー16を高圧線26の充電部26aに被せる。そして、絶縁ヤットコ32を柄部4から外すことにより、第1クリップ2の挟み部5の両挟み5a、5bを閉じる方向に回動させて、絶縁カバー16をV字を閉じる方向に変形させることにより、絶縁カバー16で高圧線26の充電部26aを防護し、絶縁し、この状態で第1クリップ2の挟み部5の両挟み5a、5b間で高圧線26を挟み込む。
次に、絶縁ヤットコ32を用いて第2クリップ7の柄部9の両柄9a、9bを挟み、両柄9a、9bを閉じる方向に回動させることにより、挟み部10の両挟み10a、10bを広げる方向に回動させ、絶縁袋25の口部25aを広げる。そして、この絶縁袋25内に口部25aから、引下線用コネクタ28が取付けられた状態の高圧引下線縁線27を挿入し、第2クリップ7の挟み部10の両挟み10a、10b間に引下用絶縁電線31を挿通させ、絶縁ヤットコ32を柄部9から外すことにより、第2クリップ7の挟み部10の両挟み10a、10bを閉じる方向に回動させて、絶縁袋25の口部25aを閉じる方向に変形させることにより、絶縁袋25内に高圧引下線縁線27を挿入した状態に保持するとともに、挟み部10の両挟み10a、10b間で引下用絶縁電線31を挟み込む。これにより、第2クリップ7の絶縁袋25内に、引下線用コネクタ28を取付けた高圧引下線縁線27を挿入し、この状態で高圧引下線縁線27を引下用絶縁電線31に保持することができる。
そして、この状態で各種の作業を行い、作業の終了後に引下用絶縁電線31から第2クリップ7を取り外し、第2クリップ7の絶縁袋25から高圧引下線縁線27を引き抜き、第1クリップ2を高圧線26から取り外し、高圧引下線縁線27の引下線用コネクタ28を高圧線26の充電部26aに取付け、高圧引下線縁線27を高圧線26に取付、引下線用コネクタ28の周囲を防護し、絶縁するための引下線用コネクタカバー30を取付ける。
上記のように構成した本実施の形態の間接活線工具1にあっては、間接活線工法による高圧引下線縁線27の取付け、取外しの工事において、高圧引下線縁線27の切断、接続、引下線用コネクタ28の取付け、取外しの作業を行う場合に、切断した高圧引下線縁線27の一方、他方の縁線27a、27bの充電部27cを防護し、絶縁した状態で高圧線26側又は引下用絶縁電線31側に保持することができる。また、引下線用コネクタ28を取付けたままの状態で高圧引下線縁線27の充電部27cを防護し、絶縁することができるとともに、高圧線26から取外した高圧引下線縁線27を引下用絶縁電線31に保持することができる。さらに、引下線用コネクタ28を取外し、露出した状態の高圧線26の充電部26aを防護し、絶縁することができる。
従って、本実施の形態の間接活線工具1を用いることにより、間接活線工法による各種の作業を効率よく行うことができ、各種の作業の効率を高めることができる。
また、絶縁キャップ20には、複数のヒダ23が設けられ、絶縁袋25の口部25aは第2クリップ7の挟み部10で閉じられているので、切断した高圧引下線縁線27の一方、他方の縁線27a、27bの充電部27cが絶縁キャップ20及び絶縁袋25から抜け出ることはなく、また、引下線用コネクタ28を取付けた状態の高圧引下線縁線27の充電部27cが絶縁袋25から抜け出ることはない。また、絶縁カバー16の内面には、複数の突起18aからなる滑り止め部18が設けられ、絶縁カバー16の両縁16b、16cの内面には、滑り止め19a、19bが設けられているので、高圧線26の充電部26aを防護している絶縁カバー16が充電部26aから移動して充電部26aが露出するようなことはなく、また、絶縁カバー16が垂れ下がったり、絶縁カバー16の両縁16b、16cが広がったりするようなことはない。従って、各種の作業における地絡、短絡事故の発生を防止することができ、作業者の安全を確保することができる
なお、前記の説明においては、第1クリップ2で高圧線26を挟み込むことにより、第1クリップ2を高圧線26に保持したが、第1クリップ2にフックを設けて、フックを高圧線26に引っ掛けることにより、第1クリップ2を高圧線26に保持するように構成してもよい。
また、第2クリップ7で引下用絶縁電線31を挟み込むことにより、第2クリップ7を引下用絶縁電線31に保持したが、第2クリップ7にフックを設けて、フックを引下用絶縁電線31に引っ掛けることにより、第2クリップ7を引下用絶縁電線31に保持するように構成してもよい。
また、色分けした複数種類(例えば、赤、白、青の3種類)の間接活線工具1を用意しておくことにより、相ごとに異なる色の間接活線工具を用いることができ、相を間違えて高圧引下線縁線を接続するのを防止できる。
1 間接活線工具
2 第1クリップ
2a、2b クリップ部材
3 連結軸
4 柄部
4a、4b 柄
5 挟み部
5a、5b 挟み
6 連結孔
7 第2クリップ
7a、7b クリップ部材
8 連結軸
9 柄部
9a、9b 柄
10 挟み部
10a、10b 挟み
11 連結孔
12 電線支持部
12a 凹面
13 電線支持部
13a 凹面
15 連結部材
16 絶縁カバー
16a 山折り線
16b 一方の縁
16c 他方の縁
17 芯材
18 滑り止め部
18a 突起
19a、19b 滑り止め
20 絶縁キャップ
21 テーパ部
22 ストレート部
22a 切れ目
22b 切れ目
23 ヒダ
25 絶縁袋
25a 口部
26 高圧線
26a 充電部
27 高圧引下線縁線
27a 一方の縁線
27b 他方の縁線
27c 充電部
28 引下線用コネクタ
29 ねじ
30 引下線用コネクタカバー
31 引下用絶縁電線
32 絶縁ヤットコ
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、本発明は、高圧線と引下用絶縁電線との間に接続される高圧引下線縁線の切断、接続作業、又は前記高圧引下線縁線を前記高圧線に接続する引下線用コネクタの取付け、取外し作業に用いられ、切断された前記高圧引下線縁線の充電部を防護し、絶縁する、又は、取外された前記引下線用コネクタ、及び前記引下線用コネクタが取外された前記高圧線の充電部を防護し、絶縁する間接活線工具であって、切断された前記高圧引下線縁線の一方の充電部を挿入可能な絶縁材からなるキャップ状の絶縁キャップと、切断された前記高圧引下線縁線の他方の充電部を挿入可能、又は取外された前記引下線用コネクタを収容可能な絶縁材からなる袋状の絶縁袋と、前記引下線用コネクタが取外された前記高圧線の充電部を被覆可能な絶縁材からなるシート状の絶縁カバーと、前記絶縁キャップ及び前記絶縁カバーが取付けられる絶縁材からなる第1クリップと、前記絶縁袋が取付けられる絶縁材からなる第2クリップと、前記第1クリップと前記第2クリップとを分離可能に連結する絶縁材からなる連結部材とを備え、前記第1クリップと前記第2クリップとを分離した状態で、前記第1クリップを前記高圧線に取付け、前記第2クリップを前記引下用絶縁電線に取付けることを特徴とする。

Claims (4)

  1. 高圧線と引下用絶縁電線との間に接続される高圧引下線縁線の切断、接続作業、又は前記高圧引下線縁線を前記高圧線に接続する引下線用コネクタの取付け、取外し作業に用いられ、切断された前記高圧引下線縁線の充電部を防護し、絶縁する、又は、取外された前記引下線用コネクタ、及び前記引下線用コネクタが取外された前記高圧線の充電部を防護し、絶縁する間接活線工具であって、
    切断された前記高圧引下線縁線の一方の充電部を挿入可能な絶縁材からなるキャップ状の絶縁キャップと、切断された前記高圧引下線縁線の他方の充電部を挿入可能、又は取外された前記引下線用コネクタを収容可能な絶縁材からなる袋状の絶縁袋と、前記引下線用コネクタが取外された前記高圧線の充電部を被覆可能な絶縁材からなるシート状の絶縁カバーと、前記絶縁キャップ及び前記絶縁カバーが取付けられる絶縁材からなる第1クリップと、前記絶縁袋が取付けられる絶縁材からなる第2クリップと、前記第1クリップと前記クリップとを分離可能に連結する絶縁材からなる連結部材とを備え、
    前記第1クリップと前記第2クリップとを分離した状態で、前記第1クリップを前記高圧線に取付け、前記第2クリップを前記引下用絶縁電線に取付けることを特徴とする間接活線工具。
  2. 前記絶縁キャップの内面には、挿入された前記高圧引下線縁線の抜けを防止するヒダが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の間接活線工具。
  3. 前記絶縁カバーの内面には、前記絶縁カバーが前記高圧線の充電部からずれるのを防止する滑り止め部と、前記絶縁カバーの垂れ下がり、及び広がりを防止する滑り止めが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の間接活線工具。
  4. 前記絶縁カバーには、前記絶縁カバーを水平状態に保つ芯材が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の間接活線工具。
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