JP2014090298A - 水晶振動素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リフトオフ法に好適なスリットを有する振動素子において、スプリアスが発生しにくく、エッチング残渣の影響も受けにくい、振動素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】振動素子10は、基部11と、基部11から同じ方向に延設された二本の振動腕部12a,12bと、振動腕部12a,12bの間の基部11から延設された突起部13と、振動腕部12a,12bの延設方向101と異なる方向に突起部13の内側から外縁まで穿設されたスリット14a,14bと、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器などに用いられる水晶振動素子及びその製造方法に関する。
コンピュータ、携帯電話又は小型情報機器等の電子機器には、電子部品の一つとして水晶振動子又は水晶発振器が搭載されている。この水晶振動子又は水晶発振器は、基準信号源やクロック信号源として用いられる。そして、水晶振動子や水晶発振器の内部には、水晶振動素子が含まれている。その水晶振動素子の一例として、音叉型屈曲水晶振動素子(以下「振動素子」と略称する。)を採り上げる。
特許文献1に、二本の振動腕部の股にスリット入りの突起部を設けた振動素子が開示されている。このスリットは、振動腕部にリフトオフ法で電極膜を形成する際に、電極膜の短絡を防ぐ役割を果たす。この振動素子を、関連技術1の振動素子とする。図9は、関連技術1の振動素子を示す平面図である。以下、この図面に基づき説明する。
本関連技術1の振動素子80は、基部81と、基部81から同じ方向に延設された二本の振動腕部82a,82bと、振動腕部82a,82bの間の基部81から延設された突起部83と、振動腕部82a,82bの延設方向801と同じ方向に突起部83の内側から外縁まで穿設されたスリット84と、を備えている。振動腕部82a,82bには、それぞれ溝部85a,85bが穿設されている。基部81、振動腕部82a,82b及び突起部83は、水晶振動片86を構成する。振動素子80は、水晶振動片86の他に、パッド電極91a,91b、励振電極92a,92b、周波数調整用金属膜93a,93b、配線パターン94a,94bなども備えている。
突起部83の先端側には、延設方向801に沿ってスリット84が設けられている。スリット84は、突起部83の厚み方向に貫通している。このスリット84は、振動腕部82a,82bの側面に励振電極92a,92bをリフトオフ法にて形成する際に、振動腕部82aの側面の励振電極92aと振動腕部82bの側面の励振電極92bとを切り離す作用をする。
次に、このスリットの84の作用を説明するために、振動素子80の製造方法を簡単に説明する。
まず、水晶ウェハ(図示せず)の表裏に、耐食膜(図示せず)をスパッタリングにて成膜する。続いて、水晶ウェハ表裏の耐食膜上に感光性レジスト(ポジ型)を形成し、表裏の両面に音叉形状の耐食膜が残るようにその感光性レジストをパターン化(露光、現像、乾燥)し、音叉形状以外の耐食膜をエッチングで除去する。
続いて、表裏の耐食膜上に、電極の形状を決定するために再び感光性レジスト(ポジ型)をパターン化する。スリット84となる水晶部分は、耐食膜を介することなく、感光性レジストで直接覆われる。
続いて、露出している水晶部分をウェットエッチングで除去する。このとき、スリット84の形状と水晶振動片86の外形とが、同時に形成される。つまり、この感光性レジストを残した状態で、基部81と振動腕部82a,82bと突起部83とが形成される。なお、突起部83を覆う感光性レジストは、スリット84を跨いだ状態で残されている。
続いて、水晶振動片86の表裏面に露出した耐食膜を、エッチングで除去する。これにより、水晶表面を得る。
続いて、感光性レジストを残した状態の水晶振動片86の全面に、電極膜(図示せず)をスパッタリングにより形成する。このとき、突起部83を覆う感光性レジストにより、スリット84を跨いで突起部83の側面に電極膜が形成される。なぜなら、スリット84は平面の隙間が感光性レジストで覆われかつ側面の隙間も狭いので、スリット84内には電極膜が形成されないからである。
続いて、水晶振動片86の表裏に形成した感光性レジストと、その上に形成された電極膜と、を剥離する。これは、感光性レジストを溶解する液に、これらを浸すことにより実現される。このとき、スリット84を跨いでいた感光性レジストも除去されるため、感光性レジスト上の電極膜を介して接続されていた振動腕部82aの側面の励振電極92aと振動腕部82bの側面の励振電極92bとが、切断された状態となる。
最後に、感光性レジストの下で残っていた耐食膜を、エッチングにより除去する。
このようにして、水晶振動片86に電極が形成されるので、リフトオフ法を用いても、振動腕部82aの側面の励振電極92aと振動腕部82bの側面の励振電極92bとをスリット84で切断した状態にすることができる。
特開2011−151567号公報 特開2004−236008号公報
しかしながら、関連技術1の振動素子80には次のような問題があった。
振動腕部82a,82bの延設方向801に対して突起部83が長いほど又は大きいほど、スプリアスが発生しやすい。これは、スリット84付きの突起部83の形状が振動腕部82a,82bの相似形となっていることにより、寄生振動が発生しているためと考えられる。
ウェットエッチングで水晶振動片86を形成する工程では、エッチング速度の結晶軸異方性に起因するエッチング残渣が突起部83の周囲に生じやすい。その結果、左右の振動腕部82a,82bに互いに異なる大きさ及び形状で生じたエッチング残渣に、それらの中間にある突起部83のエッチング残渣が加わって、左右の振動腕部82a,82bの剛性がアンバランスになることにより、CI(Crystal Impedance)増加などの悪影響が生じる。これは、突起部83がエッチング液の流れを妨げることにより、エッチング残渣の発生を助長しているためと考えられる。
一方、特許文献2には、二本の振動腕部の股(基部)に、振動腕部の延設方向に沿ったスリットを入れた、振動素子が開示されている。以下、この振動素子を、関連技術2の振動素子という。関連技術2の振動素子におけるスリットは、リフトオフ法に用いるのでなく、エッチング異方性に起因して左右の振動腕部に剛性の違いが生じる場合に、この影響を抑制するためのものである。
このような基部にスリットを入れる構造を、関連技術1に適用してリフトオフ法で用いるには、スリットをある程度長くしなければならない。短いスリットでは、電極を切断できないからである。そうすると、次のような諸問題が発生する。
(1)スリットが基部の中心付近まで達するので、スリットが破損の起点となることにより、基部の耐衝撃性が低下する。(2)左右の振動腕部はそれぞれの振動エネルギを基部で互いに交換しているが、この交換をスリットが遮るため、CIが増加する。(3)基部上でスリットを避けて配線パターンを引き回すため、配線パターンの専有面積が増加する。
これらの諸問題を解決するには、基部をある程度大きくしなければならない。これは、昨今の振動素子の小型化の要求に反するものであり、関連技術1に関連技術2を組み合わせることは技術的に意味の無いことである。
そこで、本発明の目的は、リフトオフ法に好適なスリットを有する振動素子において、スプリアスが発生しにくく、エッチング残渣の影響も受けにくい、振動素子及びその製造方法を提供することにある。
本発明に係る振動素子は、
基部と、
この基部から同じ方向に延設された二本の振動腕部と、
これらの二本の振動腕部の間の前記基部から延設された突起部と、
前記振動腕部の延設方向と異なる方向に前記突起部の内側から外縁まで穿設されたスリットと、
を備えたものである。
本発明に係る振動素子の製造方法は、
本発明に係る振動素子を製造する方法であって、
水晶基板上に耐食膜を成膜しパターン化する第一工程と、
前記耐食膜上及び前記スリットとなる前記水晶基板の露出部分上にレジストパターンを形成する第二工程と、
前記耐食膜で覆われていない前記水晶基板の露出部分をウェットエッチングで除去することにより前記基部、前記振動腕部、前記突起部及び前記スリットからなる水晶振動片を形成する第三工程と、
前記レジストパターンで覆われていない前記耐食膜を除去する第四工程と、
前記スリット内を除く前記水晶振動片の露出部分上及び前記レジストパターン上に電極膜を形成する第五工程と、
前記レジストパターン上に形成された前記電極膜を前記レジストパターンとともに除去する第六工程と、
前記レジストパターンが除去されたことにより露出した前記耐食膜を除去する第七工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、振動腕部の延設方向と異なる方向に突起部の内側から外縁まで穿設されたスリットを備えたことにより、振動腕部の延設方向に対して突起部を短く又は小さくできる。そのため、突起部での寄生振動が小さくなるので、スプリアスの発生を抑制できる。また、突起部が短く又は小さくなる分、エッチング液の流れが良くなるので、エッチング残渣の影響も低減できる。
実施形態1の振動素子を示す平面図である。 図1における突起部周辺を示す部分拡大図である。 図1におけるIII−III線縦断面図である。 図1におけるIV−IV線縦断面の製造工程を示す断面図であり、図4[1]、図4[2]、図4[3]、図4[4]の順に工程が進行する。 図1におけるIV−IV線縦断面の製造工程を示す断面図であり、図5[5]、図5[6]、図5[7]の順に工程が進行する。 実施形態2の振動素子を示す平面図である。 図6における突起部周辺を示す部分拡大図である。 実施形態3の振動素子を示す平面図である。 関連技術1の振動素子を示す平面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)について説明する。なお、図面に描かれた形状は、当業者が理解しやすいように描かれているため、実際の寸法及び比率とは必ずしも一致していない。
図1は、実施形態1の振動素子を示す平面図である。図2は、図1における突起部周辺を示す部分拡大図である。図3は、図1におけるIII−III線縦断面図である。以下、これらの図面に基づき説明する。
本実施形態1の振動素子10は、基部11と、基部11から同じ方向に延設された二本の振動腕部12a,12bと、振動腕部12a,12bの間の基部11から延設された突起部13と、振動腕部12a,12bの延設方向101と異なる方向に突起部13の内側から外縁まで穿設されたスリット14a,14bと、を備えている。
スリット14a,14bは、振動腕部12a,12bのそれぞれから等距離にありかつ延設方向101に沿った中心線102に対して、対称に一本ずつ設けられている。スリット14a,14bの穿設方向10a,10bは、それぞれ延設方向101に対して直角である。
スリット14a,14bは、突起部13のうち、突起部13と基部11との境界に設けられている。スリット14a,14bの形状は、図示するような直線状に限らず、曲線状や折れ線状でもよい。スリット14a,14bを含めた突起部13の形状は、延設方向101が短辺となり、延設方向101に垂直な方向が長辺となる、矩形状である。
振動腕部12a,12bには、それぞれ溝部15a,15bが穿設されている。基部11、振動腕部12a,12b及び突起部13は、水晶振動片16を構成する。振動素子10は、水晶振動片16の他に、パッド電極21a,21b、励振電極22a,22b、周波数調整用金属膜23a,23b、配線パターン24a,24bなども備えている。
次に、振動素子10の構成について更に詳しく説明する。
基部11は、平面視略四角形の平板となっている。水晶振動片16は、基部11と振動腕部12a,12bとが一体となって音叉形状をなしており、成膜技術、フォトリソグラフィ技術、化学エッチング技術により製造される。
振動腕部12a,12bの長さ方向には、それぞれ溝部15a,15bを設けてもよい。それらの溝部15a,15bは、例えば振動腕部12aの表裏面に二本ずつ及び振動腕部12bの表裏面に二本ずつ、基部11との境界部分から振動腕部12a,12bの先端に向って、振動腕部12a,12bの長さ方向と平行に所定の長さで設けられる。なお、溝部15a,15bは、本実施形態1では振動腕部12aの表裏面に二本ずつ及び振動腕部12bの表裏面に二本ずつ設けられているが、それらの本数に制限はなく、例えば振動腕部12aの表裏面に一本ずつ及び振動腕部12bの表裏面に一本ずつ設けてもよく、また、表裏のどちらか片面にのみ設けてもよい。
振動腕部12aには、水晶を挟んで対向する平面同士が同極となるように、両側面に励振電極22aが設けられ、表裏面の溝部15aの内側及び当該二つの溝部15aの間に励振電極22bが設けられる。同様に、振動腕部12bには、水晶を挟んで対向する平面同士が同極となるように、両側面に励振電極22bが設けられ、表裏面の溝部15bの内側及び当該二つの溝部15bの間に励振電極22aが設けられる。したがって、振動腕部12aにおいては両側面に設けられた励振電極22aと溝部15a内に設けられた励振電極22bとが異極同士となり、振動腕部12bにおいては両側面に設けられた励振電極22bと溝部15b内に設けられた励振電極22aとが異極同士となる。
基部11には、パッド電極21a,21bと、パッド電極21a,21bと励振電極22a,22bとを電気的に接続する配線パターン24a,24bとが設けられる。パッド電極21a、励振電極22a、周波数調整用金属膜23a及び配線パターン24aは、互いに電気的に導通している。パッド電極21b、励振電極22b、周波数調整用金属膜23b及び配線パターン24bも、互いに電気的に導通している。ただし、突起部13の側面の金属膜22cはどこにも接続されない。
これらパッド電極21a,21b、励振電極22a,22b、周波数調整用金属膜23a,23b、配線パターン24a,24b及び金属膜22cは、同じ金属膜からリフトオフ法によって形成され、例えばTi層の上にPd又はAu層が設けられた積層構造となっている。
音叉型の振動素子10を振動させる場合、パッド電極21a,21bに交番電圧を印加する。印加後のある電気的状態を瞬間的に捉えると、振動腕部12aの表裏の溝部15aに設けられた励振電極22bはプラス電位となり、振動腕部12aの両側面に設けられた励振電極22aはマイナス電位となり、プラスからマイナスに電界が生じる。このとき、振動腕部12bの表裏の溝部15bに設けられた励振電極22aはマイナス電位となり、振動腕部12bの両側面に設けられた励振電極22bはプラス電位となり、振動腕部12aに生じた極性とは反対の極性となり、プラスからマイナスに電界が生じる。この交番電圧で生じた電界によって、振動腕部12a,12bに伸縮現象が生じ、所定の共振周波数の屈曲振動モードが得られる。
スリット14a,14bは、突起部13の厚み方向に貫通しており、振動腕部12a,12bの側面に励振電極22a,22bをリフトオフ法にて形成する際に、振動腕部12aの側面の励振電極22aと振動腕部12bの側面の励振電極22bとを切り離す役割を果たす。
図4及び図5は、図1におけるIV−IV線縦断面に相当する各工程での断面図である。以下、図1乃至図5に基づき、振動素子10の製造方法について説明する。
本実施形態1の製造方法は、次の第一乃至第七工程を含む。
図4[1]に示す第一工程では、水晶基板31上に、耐食膜32を成膜しパターン化する。例えば、水晶基板31の表裏に、Cr又はCr+Auなどの耐食膜32をスパッタリングにて成膜する。そして、耐食膜32上に感光性レジスト(ポジ型)を形成し、水晶基板31の表裏に音叉形状の耐食膜32が残るようにその感光性レジストをパターン化(露光、現像、乾燥)し、音叉形状以外の耐食膜32をエッチングで除去する。
図4[2]に示す第二工程では、耐食膜32上及びスリット14a,14bとなる水晶基板31の露出部分311上に、レジストパターン33を形成する。例えば、水晶基板31の表裏の耐食膜32上に電極の形状を決定するために、感光性レジスト(ポジ型)をパターン化する。
図4[3]に示す第三工程では、耐食膜32で覆われていない水晶基板31の露出部分をウェットエッチングで除去することにより、水晶振動片16を形成する。このとき、スリット14a,14bは、水晶振動片16と同時に形成され、レジストパターン33の下からアンダーエッチングによって形成される。そのため、レジストパターン33は、スリット14a,14bを跨いだ状態で少なくとも突起部13に残されている。すなわち、レジストパターン33を残した状態で、基部11と振動腕部12a,12bと突起部13とが形成される。
なお、振動腕部12a,12bに溝部15a,15bを設ける場合は、この第三工程で水晶振動片16の形状と同時に溝部15a,15bを形成してもよい。ただし、振動腕部12a,12bの表裏面に溝部15a,15bを設ける場合は、溝部15a,15bの貫通を避けるために、溝部15a,15b内にエッチング抑制パターンを形成することが望ましい。
図4[4]に示す第四工程では、レジストパターン33で覆われていない耐食膜32を、除去する。つまり、水晶振動片16の表裏面に露出した耐食膜32をエッチングで除去することにより、水晶表面を得る。
図5[5]に示す第五工程では、スリット14a,14b内を除く水晶振動片16の露出部分上及びレジストパターン33上に、電極膜34を形成する。例えば、水晶振動片16の全面に電極膜34をスパッタリングにより形成する。このとき、スリット14a,14bを跨いで突起部13を覆うレジストパターン33により、スリット14a,14bを跨いで突起部13の側面に電極膜34が形成される。ただし、スリット14a,14bは平面の隙間がレジストパターン33で覆われかつ側面の隙間も狭いので、スリット14a,14b内に電極膜34は形成されない。なお、スパッタリングの代わりに、蒸着などの成膜方法を用いてもよい。
図5[6]に示す第六工程では、レジストパターン33上に形成された電極膜34を、レジストパターン33とともに除去する。つまり、水晶振動片16の表裏に形成されたレジストパターン33と、その上に形成された電極膜34と、を剥離する。これは、感光性レジストを溶解する液(例えばアセトン)に、これらを浸すことにより容易に除去できる。ただし、レジストパターン33の下にある耐食膜32は残る。スリット14a,14bを跨いだレジストパターン33も除去されるため、振動腕部12aの側面の励振電極22aと振動腕部12bの側面の励振電極22bとはスリット14a,14bで切断された状態となる。この第六工程の電極膜形成方法は、リフトオフ法と呼ばれる。
図5[7]に示す第七工程では、レジストパターン33が除去されたことにより露出した耐食膜32を、除去する。つまり、最後まで残った耐食膜32をエッチングで除去する。
このようにして水晶振動片16に励振電極22a,22bが形成されるので、リフトオフ法を用いても、振動腕部12aの側面の励振電極22aと振動腕部12bの側面の励振電極22bとをスリット14a,14bで切断した状態に形成できる。
次に、本実施形態1の振動素子10について、関連技術1と比較した場合の作用及び効果を説明する。
本実施形態1の振動素子10によれば、振動腕部12a,12bの延設方向101と異なる方向(穿設方向10a,10b)に突起部13の内側から外縁まで穿設されたスリット14a,14bを備えたことにより、振動腕部12a,12bの延設方向101に対して突起部13を短く又は小さくできる。そのため、突起部13での寄生振動が小さくなるため、スプリアスの発生を抑制できる。また、突起部13が短く又は小さくなる分、前述の第三工程においてエッチング液の流れが良くなるので、エッチング残渣の影響も低減できる。
スリット14a,14bが中心線102に対して対称に一本ずつ設けられている場合は、次の効果を奏する。振動素子10が中心線102に対して対称となることにより、振動腕部12a,12bのバランスが良くなるので、CIが低下する。また、スリット14a,14bのどちらか一方が短絡していたとしても、他方が開放されていれば電気的に良品となるので、製造歩留まりを向上できる。
スリット14a,14bの穿設方向10a,10bがそれぞれ延設方向101に対して直角である場合は、延設方向101に対して突起部13を最も短くできるので、スプリアスの発生をより抑制できるとともに、エッチング残渣の影響もより低減できる。
図6は、実施形態2の振動素子を示す平面図である。図7は、図6における突起部周辺を示す部分拡大図である。以下、これらの図面に基づき説明する。
本実施形態2の振動素子40は、基部11と、基部11から同じ方向に延設された二本の振動腕部12a,12bと、振動腕部12a,12bの間の基部11から延設された突起部43と、振動腕部12a,12bの延設方向101と異なる方向に突起部43の内側から外縁まで穿設されたスリット44a,44bと、を備えている。
スリット44a,44bは、振動腕部12a,12bのそれぞれから等距離にありかつ延設方向101に沿った中心線102に対して、対称に一本ずつ設けられている。スリット44a,44bの穿設方向40a,40bは、それぞれ延設方向101に対して鋭角である。
スリット44a,44bは、突起部43のうち、突起部43と基部11との境界に設けられている。スリット44a,44bの形状は、図示するような直線状に限らず、曲線状や折れ線状でもよい。スリット44a,44bを含めた突起部43の形状は、延設方向101に垂直な方向が底辺となり、延設方向101に斜めな方向が二辺となる、逆二等辺三角形状である。
本実施形態2の振動素子40によれば、スリット44a,44bの穿設方向40a,40bを延設方向101に対して鋭角にしたことにより、振動腕部12a,12bの内側面とスリット44a,44bとのなす角度を鈍角にできるので(図6参照)、スリット44a,44b内及びその近傍にエッチング液が入り込みやすくなり、これによりエッチング残渣を更に低減できる。また、スリットの穿設方向を直角にした場合に比べて、スリット44a,44bを長く形成できることにより、スリット44a,44b内に入り込む電極材料を低減できるので、より確実に電極を切断できる。本実施形態2のその他の構成、作用及び効果は、実施形態1のそれらと同様である。
図8は、実施形態3の振動素子を示す平面図である。以下、この図面に基づき説明する。
本実施形態3の振動素子50では、基部11の振動腕部12a,12b側に、それぞれ切り込み部51a,51bが設けられている。切り込み部51a,51bは、振動腕部12a,12bからパッド電極21a,21b側へ、振動が漏れることを防ぐ作用がある。
関連技術1における基部の中心へ向けてスリットを入れる構造では、基部の左右に切り込み部を入れると、三方向からクラックが入りやすくなるので耐衝撃性が著しく低下する。これに対して、本実施形態3によれば、基部11の中心へ向けてスリット44a,44b入れる構造ではないので、基部11の左右に切り込み部51a,51bを入れても、スリット44a,44bに起因する耐衝撃性の低下は起こらない。本実施形態3のその他の構成、作用及び効果は、実施形態1、2のそれらと同様である。
以上、上記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
10 振動素子
101 延設方向
102 中心線
10a,10b 穿設方向
11 基部
12a,12b 振動腕部
13 突起部
14a,14b スリット
15a,15b 溝部
16 水晶振動片
21a,21b パッド電極
22a,22b 励振電極
22c 金属膜
23a,23b 周波数調整用金属膜
24a,24b 配線パターン
31 水晶基板
311 露出部分
32 耐食膜
33 レジストパターン
34 電極膜
40 振動素子
40a,40b 穿設方向
43 突起部
44a,44b スリット
50 振動素子
51a,51b 切り込み部
80 振動素子
801 延設方向
81 基部
82a,82b 振動腕部
83 突起部
84 スリット
85a,85b 溝部
86 水晶振動片
91a,91b パッド電極
92a,92b 励振電極
93a,93b 周波数調整用金属膜
94a,94b 配線パターン

Claims (5)

  1. 基部と、
    この基部から同じ方向に延設された二本の振動腕部と、
    これらの二本の振動腕部の間の前記基部から延設された突起部と、
    前記振動腕部の延設方向と異なる方向に前記突起部の内側から外縁まで穿設されたスリットと、
    を備えた水晶振動素子。
  2. 前記スリットは、前記二本の振動腕部のそれぞれから等距離にありかつ前記延設方向に沿った中心線に対して、対称に一本ずつ設けられた、
    請求項1記載の水晶振動素子。
  3. 二本の前記スリットの穿設方向はそれぞれ前記延設方向に対して直角である、
    請求項2記載の水晶振動素子。
  4. 二本の前記スリットの穿設方向はそれぞれ前記延設方向に対して鋭角である、
    請求項2記載の水晶振動素子。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の水晶振動素子を製造する方法であって、
    水晶基板上に耐食膜を成膜しパターン化する第一工程と、
    前記耐食膜上及び前記スリットとなる前記水晶基板の露出部分上にレジストパターンを形成する第二工程と、
    前記耐食膜で覆われていない前記水晶基板の露出部分をウェットエッチングで除去することにより前記基部、前記振動腕部、前記突起部及び前記スリットからなる水晶振動片を形成する第三工程と、
    前記レジストパターンで覆われていない前記耐食膜を除去する第四工程と、
    前記スリット内を除く前記水晶振動片の露出部分上及び前記レジストパターン上に電極膜を形成する第五工程と、
    前記レジストパターン上に形成された前記電極膜を前記レジストパターンとともに除去する第六工程と、
    前記レジストパターンが除去されたことにより露出した前記耐食膜を除去する第七工程と、
    を含むことを特徴とする水晶振動素子の製造方法。
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