JP2015091052A - 圧電素子の製造方法 - Google Patents

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Takahiro Oga
孝宏 尾賀
井上 憲司
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Abstract

【課題】 外形パターンと溝部パターンとのアライメント誤差の影響を無くすことにより特性を改善し得る圧電素子の製造方法を提供する。【解決手段】 振動腕部の外形を含む振動部拡大領域42を覆う第一のマスク43を用いて基板41をエッチングした後に、溝部を除く振動腕部となる領域44を覆うとともにエッチング抑制パターン52となる第二のマスク45を用いて基板41を更にエッチングして振動腕部の外形及び溝部を同時に形成する。【選択図】 図7

Description

本発明は、電子機器などに用いられる圧電素子の製造方法に関する。以下、圧電素子の一例として水晶振動素子を採り上げる。
コンピュータ、携帯電話又は小型情報機器等の電子機器には、電子部品の一つとして水晶振動子又は水晶発振器が搭載されている。この水晶振動子又は水晶発振器は、基準信号源やクロック信号源として用いられる。そして、水晶振動子や水晶発振器の内部には、水晶振動素子が含まれている。その水晶振動素子の一例として、音叉型屈曲水晶振動素子について説明する。以下、音叉型屈曲水晶振動素子を「振動素子」と略称し、振動素子の製造方法を単に「製造方法」という。
一般に、振動素子は、二本の振動腕部と、各振動腕部に設けられた溝部と、を備えている。図17[A]に、そのうちの一本の振動腕部112aと、振動腕部112aの一方の面に形成された二本の溝部113aとについて、平面形状を示す。ここで、特許文献1に開示された従来技術の製造方法について、図13乃至図17に基づき説明する。
まず、図13[D]に示すように、水晶Z板からなる基板101の表面及び裏面にクロムからなる耐食膜102を形成し、耐食膜102の上にフォトレジスト膜103aを形成し、振動腕部となる領域104及び基部となる領域106にのみにフォトレジスト膜103aが残るようにフォトレジスト膜103aの一部を除去することにより、外形パターニングを行う。
続いて、図13[E]に示すように、図13[D]でフォトレジスト膜103aが形成されていない部分の耐食膜102を、エッチングにより除去する。したがって、耐食膜102が除去された部分には、基板101が表れることになる。
続いて、図13[F]に示すように、図13[E]で残っていたフォトレジスト膜103aを全て除去する。
続いて、図14[G]に示すように、耐食膜102も含めた基板101の全面にフォトレジスト膜103bを形成する。
続いて、図14[H]に示すように、フォトレジスト膜103bの一部を除去する。このとき、振動腕部となる領域104及び基部となる領域106以外の部分のフォトレジスト膜103bを除去するだけでなく、溝部となる領域105のフォトレジスト膜103bも除去することにより、溝部パターニングを行う。
続いて、図14[I]に示すように、外形エッチングを行う。すなわち、水晶Z板からなる基板101において、振動腕部となる領域104及び基部となる領域106のみを残してエッチングする。
続いて、図15[J]に示すように、溝部となる領域105の耐食膜102を除去する。
続いて、図15[K]に示すように、溝部エッチングを行う。すなわち、水晶Z板からなる基板101において、溝部となる領域105を一定の深さにエッチングする。
続いて、図15[L]に示すように、耐食膜102及びフォトレジスト膜103bを全て除去する。
続いて、図16[M]に示すように、基板101の表裏全面に電極膜108を形成する。
続いて、図16[N]に示すように、電極膜108の全面に電着法によりフォトレジスト膜103cを形成し、電極パターンを露光及び現像する。このとき、基部となる領域106では、パッド電極となる領域107がフォトレジスト膜103cで覆われる。なお、溝部となる領域105のように微細な凹凸にまでフォトレジスト膜103cを形成するには、電着法を用いる必要がある。
最後に、図16[O]に示すように、フォトレジスト膜103cで覆われていない電極膜108をエッチングにより除去し、その後フォトレジスト膜103cも除去する。これにより、振動腕部112a及び溝部113aに励振電極122a,122bが形成され、基部111にパッド電極121bが形成され、振動素子が完成する。
特許第3729249号公報
国立天文台編、「理科年表 平成17年」、丸善株式会社、平成16年11月30日発行、p.492
従来技術の製造方法には、次のような問題があった。
図13[D]に示す外形パターニングの工程では、フォトマスク(図示せず)に描かれた外形パターンをフォトレジスト膜103aに露光する。図14[H]に示す溝部パターニングの工程では、フォトマスク(図示せず)に描かれた溝部パターンをフォトレジスト膜103bに露光する。図17[A]は、外形パターンの中心線201と溝部パターンの中心線202とが一致した場合である。この場合は、所望の特性の振動素子が得られる。なお、フォトマスクとは、例えばガラス基板にクロムなどで所定のパターンが描かれたものであり、ガラスマスクとも呼ばれる。
一方、図17[B]は、外形パターンの中心線201と溝部パターンの中心線202とがずれた場合の一例である。中心線201に対して中心線202が図において右方向にアライメント誤差Sだけずれており、溝部113aを含めた振動腕部112aが左右非対称となっている。このような構造の振動素子では、左右の振動バランスが崩れることにより、振動漏れが生じてクリスタルインピーダンスが増加したり、主振動モード以外の他の振動モードによるスプリアス発振が発生したりする。
近年、振動素子がますます小型化することにより、このようなアライメント誤差の影響もますます深刻な問題になっている。
そこで、本発明の目的は、外形パターンと溝部パターンとのアライメント誤差の影響を無くすことにより特性を改善し得る、圧電素子の製造方法を提供することにある。
本発明に係る製造方法は、
振動部とこの振動部に設けられた溝部とを備える圧電素子を製造する方法であって、
圧電効果を有する基板の上に、前記振動部の外形を含む当該振動部を拡大した領域からなる振動部拡大領域を覆う第一のマスクを形成する第一のマスク形成工程と、
この第一のマスクの上に、前記溝部を除く前記振動部となる領域を覆うとともに前記溝部内のエッチング抑制パターンとなる第二のマスクを形成する第二のマスク形成工程と、
この第二のマスク形成工程の後に、前記第一のマスクを用いて前記基板をエッチングすることにより、前記振動部拡大領域の外形を形成する第一の基板エッチング工程と、
この第一の基板エッチング工程の後に、前記第二のマスクを用いて前記第一のマスクをエッチングするマスクエッチング工程と、
このエッチングされた前記第一のマスクを用いて前記基板をエッチングすることにより、前記エッチング抑制パターンによって前記溝部のエッチングを抑制しつつ前記振動部の外形及び前記溝部を形成する第二の基板エッチング工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、振動部の外形を含む振動部拡大領域を覆う第一のマスクを用いて基板をエッチングした後に、溝部を除く振動部となる領域を覆う第二のマスクを用いて基板を更にエッチングして振動部の外形及び溝部を同時に形成することにより、第二のマスクの元となるフォトマスクには外形パターンと溝部パターンとが一枚に描かれているので、これらのパターン間でアライメント誤差は発生せず、しかも第一のマスクのパターンと第二のマスクのパターンとの位置ずれは振動部拡大領域で吸収できるので、これらのアライメント誤差の影響も無くすことができ、圧電素子の特性の向上及び歩留まりの向上を達成できる。これに加え、溝部内にエッチング抑制パターンを形成することにより、振動部の外形及び溝部をエッチングによって同時に形成する際に溝部のエッチングレートを小さくでき、その分エッチング時間を長くしても溝部の貫通を避けられるので、外形のエッチング残渣を低減でき、更に一層、圧電素子の特性の向上及び歩留まりの向上を達成できる。
実施形態1の製造方法で得られる振動素子を示す斜視図である。 図1におけるII−II線縦断面図である。 図1の振動素子を素子搭載部材に実装した状態を示す概略断面図である。 実施形態1の製造方法における各工程を示す断面図であり、図4[A]、図4[B]、図4[C]の順に工程が進行する。 実施形態1の製造方法における各工程を示す断面図であり、図5[D]、図5[E]、図5[F]の順に工程が進行する。 実施形態1の製造方法における各工程を示す断面図であり、図6[G]、図6[H]、図6[I]の順に工程が進行する。 実施形態1の製造方法における各工程を示す断面図であり、図7[J]、図7[K]、図7[L]の順に工程が進行する。 実施形態1の製造方法における各工程を示す断面図であり、図8[M]、図8[N]、図8[O]の順に工程が進行する。 実施形態1の製造方法における各工程を示す断面図であり、図9[P]、図9[Q]の順に工程が進行する。 実施形態1の製造方法におけるエッチング抑制パターンの一例を示す平面図である。 実施形態1で得られる振動素子の一部を示す平面図であり、図11[A]は第一のマスクの振動腕部における中心線と第二のマスクの振動腕部における中心線とが一致した場合であり、図11[B]は第一のマスクの振動腕部における中心線と第二のマスクの振動腕部における中心線とがずれた場合の一例である。 図12[B1]は実施形態2の製造方法における第一のマスク形成工程の一部を示す断面図であり、図12[K1]は実施形態2の製造方法におけるマスクエッチング工程の一部を示す断面図であり、図12[K2]は比較例の製造方法におけるマスクエッチング工程の一部を示す断面図である。 従来技術の製造方法における各工程を示す断面図であり、図13[D]、図13[E]、図13[F]の順に工程が進行する。 従来技術の製造方法における各工程を示す断面図であり、図14[G]、図14[H]、図14[I]の順に工程が進行する。 従来技術の製造方法における各工程を示す断面図であり、図15[J]、図15[K]、図15[L]の順に工程が進行する。 従来技術の製造方法における各工程を示す断面図であり、図16[M]、図16[N]の順に工程が進行する。 従来技術で得られる振動素子の一部を示す平面図であり、図17[A]は外形パターンの中心線と溝部パターンの中心線とが一致した場合であり、図17[B]は外形パターンの中心線と溝部パターンの中心線とがずれた場合の一例である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については同一の符号を用いる。また、図面に描かれた形状は、当業者が理解しやすいように描かれているため、実際の寸法及び比率とは必ずしも一致していない。
図1は、実施形態1の製造方法で得られる振動素子を示す平面図である。図2は、図1におけるII−II線縦断面図である。図3は、図1の振動素子を素子搭載部材に実装した状態を示す概略断面図である。以下、これらの図面に基づき説明する。
本実施形態1の振動素子10は、基部11と、基部11から延設された振動部としての二本の振動腕部12a,12bと、振動腕部12a,12bのそれぞれに設けられた溝部13a,13bと、を備えている。
振動腕部12a,12bは、それぞれ基部11から同じ方向に延設されている。基部11及び振動腕部12a,12bは、水晶振動片15を構成する。振動素子10は、水晶振動片15の他に、パッド電極21a,21b、励振電極22a,22b、周波数調整用金属膜23a,23b、配線パターン24a,24bなども備えている。
次に、振動素子10の構成について更に詳しく説明する。
基部11は、平面視略四角形の平板となっている。水晶振動片15は、基部11と振動腕部12a,12bとが一体となって音叉形状をなしており、成膜技術、フォトリソグラフィ技術、ウェットエッチング技術により製造される。
溝部13a,13bは、振動腕部12aの表裏面に二本ずつ及び振動腕部12bの表裏面に二本ずつ、基部11との境界部分から振動腕部12a,12bの先端に向って、振動腕部12a,12bの長さ方向と平行に所定の長さで設けられる。なお、溝部13a,13bは、本実施形態1では振動腕部12aの表裏面に二本ずつ及び振動腕部12bの表裏面に二本ずつ設けられているが、それらの本数に制限はなく、例えば振動腕部12aの表裏面に一本ずつ及び振動腕部12bの表裏面に一本ずつ設けてもよく、また、表裏のどちらか片面にのみ設けてもよい。
振動腕部12aには、水晶を挟んで対向する平面同士が同極となるように、両側面に励振電極22aが設けられ、表裏面の溝部13aの内側に励振電極22bが設けられる。同様に、振動腕部12bには、水晶を挟んで対向する平面同士が同極となるように、両側面に励振電極22bが設けられ、表裏面の溝部13bの内側に励振電極22aが設けられる。したがって、振動腕部12aにおいては両側面に設けられた励振電極22aと溝部13a内に設けられた励振電極22bとが異極同士となり、振動腕部12bにおいては両側面に設けられた励振電極22bと溝部13b内に設けられた励振電極22aとが異極同士となる。
基部11には、パッド電極21a,21bと、パッド電極21a,21bと励振電極22a,22bの間を電気的に接続する配線パターン24a,24bと、が設けられる。パッド電極21a、励振電極22a、周波数調整用金属膜23a及び配線パターン24aは、互いに電気的に導通している。パッド電極21b、励振電極22b、周波数調整用金属膜23b及び配線パターン24bも、互いに電気的に導通している。
振動素子10は、パッド電極21a,21b及び導電性接着剤31を介して、素子搭載部材32側のパッド電極33に固定されると同時に電気的に接続される。
水晶の結晶は三方晶系である。水晶の頂点を通る結晶軸をZ軸、Z軸に垂直な平面内の稜線を結ぶ三つの結晶軸をX軸、X軸及びZ軸に直交する座標軸をY軸とする。ここで、これらのX軸、Y軸及びZ軸からなる座標系をX軸を中心として±5度の範囲で回転させたときの回転後のY軸及びZ軸を、それぞれY’軸及びZ’軸とする。この場合、本実施形態1では、二本の振動腕部12a,12bの延設方向がY’軸の方向であり、二本の振動腕部12a,12bの並ぶ方向がX軸の方向である。
次に、振動素子10の動作を説明する。音叉型の振動素子10を振動させる場合、パッド電極21a,21bに交番電圧を印加する。印加後のある電気的状態を瞬間的に捉えると、振動腕部12aの表裏の溝部13aに設けられた励振電極22bはプラス電位となり、振動腕部12aの両側面に設けられた励振電極22aはマイナス電位となり、プラスからマイナスに電界が生じる。このとき、振動腕部12bの表裏の溝部13bに設けられた励振電極22aはマイナス電位となり、振動腕部12bの両側面に設けられた励振電極22bはプラス電位となり、振動腕部12aに生じた極性とは反対の極性となり、プラスからマイナスに電界が生じる。この交番電圧で生じた電界によって、振動腕部12a,12bに伸縮現象が生じ、所定の共振周波数の屈曲振動モードが得られる。
図4乃至図10は、本実施形態1の製造方法における各工程を示す断面図又は平面図である。以下、図1乃至図3に図4乃至図10を加えて、本実施形態1の製造方法について説明する。
振動腕部12aと振動腕部12bとは対称的に同じ構造であり、基部11の振動腕部12a側と振動腕部12b側とも対称的に同じ構造である。そこで、図4乃至図9では、図1におけるIV−IV線縦断面において、振動腕部12a側のみ、及び、基部11の振動腕部12a側のみの製造工程を示す。また、図10では、振動腕部12a側の一方の平面のみを示す。
本実施形態1の製造方法は、次の工程を含む。
圧電効果を有する基板41の上に、振動腕部12aの外形を含む振動腕部を拡大した領域からなる振動部拡大領域42を覆う第一のマスク43を形成する第一のマスク形成工程(図4[A]〜図5[F])。
第一のマスク43の上に、溝部を除く振動腕部となる領域44を覆うとともに溝部内のエッチング抑制パターン52となる第二のマスク45を形成する第二のマスク形成工程(図6[G]〜図6[H])。
第二のマスク形成工程(図6[G]〜図6[H])の後に、第一のマスク43を用いて基板41をエッチングすることにより、振動部拡大領域42の外形を形成する第一の基板エッチング工程(図7[J])。
第一の基板エッチング工程(図7[J])の後に、第二のマスク45を用いて第一のマスク43をエッチングするマスクエッチング工程(図7[K])。
エッチングされた第一のマスク43を用いて基板41をエッチングすることにより、エッチング抑制パターン52によって溝部13aのエッチングを抑制しつつ振動腕部12aの外形及び溝部13aを形成する第二の基板エッチング工程(図7[L])。
また、第一のマスク形成工程(図4[A]〜図5[F])では、基板41上に耐食膜51を成膜しパターン化することにより耐食膜51からなる第一のマスク43を形成し、第二のマスク形成工程(図6[G]〜図6[H])では、耐食膜51上にポジ型のフォトレジスト膜54のパターンを形成することによりフォトレジスト膜54からなる第二のマスク45を形成するようにしてもよい。この場合、本実施形態1の製造方法は、更に次の工程を含むようにしてもよい。
第二のマスク形成工程(図6[G]〜図6[H])の後かつ第一の基板エッチング工程(図7[J])の前に、フォトレジスト膜54の一部を露光することにより、フォトレジスト膜54に潜像部分55を形成する潜像形成工程(図6[I])。
マスクエッチング工程(図7[K])又は第二の基板エッチング工程(図7[L])の後に、潜像部分55を現像する潜像現像工程(図8[M])。
潜像現像工程(図8[M])及び第二の基板エッチング工程(図7[L])の後に、基板41及び耐食膜51の露出部分上並びにフォトレジスト膜54上に電極膜56を形成する電極膜形成工程(図8[O])。
フォトレジスト膜54上に形成された電極膜56をフォトレジスト膜54とともに除去するリフトオフ工程(図9[P])。
フォトレジスト膜54が除去されたことにより露出した耐食膜51を除去する耐食膜除去工程(図9[Q])。
なお、電極膜形成工程(図8[O])の前に、潜像部分55が除去されたことにより露出した耐食膜51を除去する工程(図8[N])を入れてもよい。
ここで、フォトレジスト膜54はポジ型のフォトレジストからなる。ネガ型のフォトレジストは、露光されると現像液に対して溶解性が低下し、現像後に露光部分が残る。これに対して、ポジ型のフォトレジストは、ネガ型とは逆に、露光されると現像液に対して溶解性が増大し、現像後に露光部が除去される。
次に、上記各工程について、更に詳しく説明する。
まず、図4[A]に示すように、水晶Z板などの基板41を用意する。
続いて、図4[B]に示すように、基板41の上に耐食膜51を形成する。耐食膜51は、水晶のエッチング液に対して耐食性を有する金属からなり、単一層でも複数層でもよい。
続いて、図4[C]に示すように、耐食膜51の上にフォトレジスト膜53を形成する。フォトレジスト膜53は、ネガ型でもポジ型でもどちらでもよく、例えばスピンコート法によって形成される。
続いて、図5[D]に示すように、耐食膜51に形成されることになる第一のマスク43(図5[F])のパターンをフォトレジスト膜53に露光及び現像する。このパターンは、振動部拡大領域42及び基部拡大領域47のパターンであり、外形パターンよりも一回り大きい。
続いて、図5[E]に示すように、現像したフォトレジスト膜53を用いて耐食膜51をエッチングする。例えば、専用のエッチング液を用いたウェットエッチングで、フォトレジスト膜53に覆われていない耐食膜51を除去する。
続いて、図5[F]に示すように、残ったフォトレジスト膜53を剥離することにより、耐食膜51からなる第一のマスク43を形成する。
続いて、図6[G]に示すように、耐食膜51の上にフォトレジスト膜54を形成する。フォトレジスト膜54は、ポジ型であり、例えばスピンコート法によって形成される。
続いて、図6[H]に示すように、フォトレジスト膜54からなる第二のマスク45のパターンをフォトレジスト膜54に露光及び現像する。このパターンは、溝部13aを除く振動腕部となる領域44及び基部となる領域48であり、振動部拡大領域42及び基部拡大領域47よりも一回り小さく、かつ、エッチング抑制パターン52を除き溝部となる領域46が抜けている。
このとき、耐食膜51上に残されるフォトレジスト膜54すなわち第二のマスク45は、図10に示す平面形状となる。図10に示すVIh−VIh線断面が、図6[H]に示す振動腕部側に相当する。図10に示すように、溝部となる領域46に形成されたエッチング抑制パターン52は、第一溝面となる部分131から第二溝面となる部分132へ向けて突き出る突起状である。ここで、溝部13a内の対向する主な二面のうち、−X軸方向を法線とする面を第一溝面と呼び、+X軸方向を法線とする面を第二溝面と呼ぶことにする。
図10では、複数のエッチング抑制パターン52が、第一溝面となる部分131にY’軸方向に一定間隔で設けられる。突起状のエッチング抑制パターン52は、Y’軸から時計回りに60°の方向に突き出ているが、これに限らず、例えばY’軸から時計回りに120°の方向に突き出てもよく、又はY’軸から時計回りに90°の方向に突き出てもよい。また、エッチング抑制パターン52の形状は、平行四辺形状に限らず、例えば長方形状、正方形状、三角形状、半円状など、エッチングを抑制できればどのような形状でもよい。
続いて、図6[I]に示すように、フォトレジスト膜54の一部を露光することにより、潜像部分55を形成する。潜像部分55は、電極となる領域49に相当する。電極となる領域49には、図9[Q]に示すパッド電極21bとなる領域に加え、図1に示すパッド電極21a及び配線パターン24a,24bとなる領域も含まれる。この工程での露光は、同じフォトレジスト膜54に対する二回目の露光、すなわち「二重露光」である。
続いて、図7[J]に示すように、第一のマスク43に覆われていない基板41すなわち水晶の露出面を、バッファードフッ酸(HF+NH4F)を用いて完全に抜くことにより、振動部拡大領域42及び基部拡大領域47の外形を形成する。
続いて、図7[K]に示すように、第二のマスク45に覆われていない第一のマスク43すなわち耐食膜51を前述の混合液でエッチングする。
続いて、図7[L]に示すように、エッチングされた第一のマスク43に覆われていない基板41すなわち水晶の露出面を、バッファードフッ酸(HF+NH4F)を用いエッチングする。このとき、溝部となる領域46はエッチング抑制パターン52によって貫通を防ぎつつ一定の深さまでエッチングし、振動腕部となる領域44及び基部となる領域48は外形の外側を完全に抜くようにエッチングする。
つまり、エッチング抑制パターン52がエッチング液の流れを妨げるように作用するので、溝部となる領域46のエッチングレートは振動腕部となる領域44及び基部となる領域48のエッチングレートよりも小さくなる。また、エッチング抑制パターン52は、このエッチング工程が終了するまでにほとんどが消滅する。なぜなら、第一のマスク43の下からのアンダーエッチングによって、エッチング抑制パターン52を支持する部分の基板41が失われるからである。
続いて、図8[M]に示すように、潜像部分55を現像する。これにより、電極となる領域49は、潜像部分55が除去されて、耐食膜51が露出する。なお、図7[L]の工程と図8[M]の工程とは、順番を入れ替えてもよい。
続いて、図8[N]に示すように、潜像部分55が除去されたことにより露出した耐食膜51を、前述のエッチングによって除去する。これにより、電極となる領域49は、耐食膜51が除去されて、基板41が露出する。なお、この工程は必ずしも必要ではない。この工程を省略した場合は、電極となる領域49に耐食膜51が残っているため、パッド電極21bが耐食膜51と電極膜56との積層膜となる。
続いて、図8[O]に示すように、基板41の露出部分上及びフォトレジスト膜54上に電極膜56を形成する。電極膜56は、例えばクロム又はチタンの単層膜や、その上にパラジウム又は金を形成した積層膜などであり、例えばスパッタリングや蒸着で成膜する。
続いて、図9[P]に示すように、フォトレジスト膜54上に形成された電極膜56を、フォトレジスト膜54とともに除去する。換言すると、基板41の表裏に形成された第二のマスク45と、その上に形成された電極膜56とを、剥離する。これは、フォトレジストを溶解する液(例えばアセトン)に、これらを浸すことにより容易に除去できる。ただし、第二のマスク45の下にある耐食膜51は残る。この電極形成方法がリフトオフ法である。
最後に、図9[Q]に示すように、フォトレジスト膜54が除去されたことにより露出した耐食膜51を、前述のエッチングによって除去する。これにより、振動腕部12a及び溝部13aに励振電極22a,22bが形成され、基部11にパッド電極21bが形成される。このとき、図1に示すように、パッド電極21a及び配線パターン24a,24bも形成され、振動素子10が完成する。なお、周波数調整用金属膜23a,23bは、周波数調整用金属膜23a,23bとなる領域に潜像部分55を形成することによりパッド電極21b等と同じように形成してもよいし、例えば別途メタルマスク及び蒸着で形成してもよい。
次に、本実施形態1の製造方法の作用及び効果について説明する。
(1)本実施形態1では、振動腕部12aの外形を含む振動部拡大領域42を覆う第一のマスク43を用いて基板41をエッチングした後に、溝部13aを除く振動腕部12aとなる領域44を覆う第二のマスク45を用いて基板41を更にエッチングして振動腕部12aの外形及び溝部13aを同時に形成する(図7[J]〜図7[L])。つまり、第二のマスク45の元となるフォトマスクには外形パターンと溝部パターンとが一枚に描かれているので、これらのパターン間にアライメント誤差は発生しない。しかも、振動部拡大領域42を設けたため第一のマスク43のパターンと第二のマスク45のパターンとの位置ずれの影響も無くすことができ、振動素子10の特性の向上及び歩留まりの向上を達成できる。これに加え、溝部13a内にエッチング抑制パターン52を形成することにより、振動腕部12aの外形及び溝部13aをエッチングによって同時に形成する際に溝部13aのエッチングレートを小さくでき、その分エッチング時間を長くしても溝部13aの貫通を避けられるので、外形のエッチング残渣を低減でき、更に一層、振動素子10の特性の向上及び歩留まりの向上を達成できる。
換言すると、本実施形態1では、第一の基板エッチング工程(図7[J])において、振動腕部12aの外形を最終的な寸法よりも大きく形成し、第二の基板エッチング工程(図7[L])において、エッチング抑制パターン52を用いて振動腕部12aに溝部13aを形成すると同時に、振動腕部12aの外形を最終的な寸法に形成している。そのため、本実施形態1によれば、第一の基板エッチング工程において振動腕部12aの外形のエッチングに十分な時間をかけられるのでエッチング残渣を小さくでき、かつ、第二の基板エッチング工程においても振動腕部12aの外形のエッチングに十分な時間をかけられるのでエッチング残渣を更に小さくできる。
つまり、溝部13aのエッチング時に、エッチング抑制パターン52が溝部13aのエッチングを抑制するので、エッチング時間が伸びる。これにより、第一の基板エッチング工程で取りきれなかった残渣を除去することができるので、振動腕部12aの残渣によるアンバランスや傾斜がなくなり、平行電界が得られやすくなり振動効率が向上する。
図11を加えて更に詳しく説明する。図5[D]に示す第一のマスク43のパターニングの工程では、フォトマスク(図示せず)に描かれた振動部拡大領域42のパターンをフォトレジスト膜53に露光する。図6[H]に示す第二のマスク45のパターニングの工程では、フォトマスク(図示せず)に描かれた溝部13aを除く振動腕部12aとなる領域44のパターンをフォトレジスト膜54に露光する。図11[A]は、第一のマスク43の振動腕部12aにおける中心線431と第二のマスク45の振動腕部12aにおける中心線451とが一致した場合である。この場合は、当然のことながら所望の特性の振動素子10が得られる。
一方、図11[B]は、第一のマスク43の振動腕部12aにおける中心線431と第二のマスク45の振動腕部12aにおける中心線451とがずれた場合の一例である。中心線431に対して中心線451が図において右方向にアライメント誤差Sだけずれているものの、溝部113aを含めた振動腕部12aは左右対称となるので、この場合でも所望の特性の振動素子10が得られる。これは、振動部拡大領域42の上にこれよりも一回り小さい振動腕部12aとなる領域44が形成されるため、振動部拡大領域42の上で領域44がずれたとしても所望の形状の振動腕部12aが得られるからである。
(2)したがって、図11[A]に示す振動部拡大領域42の大きさと溝部13aを除く振動腕部12aとなる領域44の大きさとの差Dは、第一のマスク形成工程(図5[D])における露光時の第一のマスク43のパターンと第二のマスク形成工程(図6[H])おける露光時の第二のマスク45のパターンとの位置ずれ(アライメント誤差S)よりも大きいことが望ましい。つまり、D≧Sであれば振動腕部12aは所望の形状を保つが、D<Sとなると(S−D)の分だけ、振動腕部12aの形状が欠けることになるので、振動素子10の特性が劣化することになる。なお、図11ではわかりやすくするために一軸方向の位置ずれのみ示しているが、実際の位置ずれは全方向に発生するので、差Dも全方向に設けることが望ましい。もちろん、基部11にも差Dを設けてもよい。
(3)ただし、差Dは大きればよいというものでもない。つまり、振動部拡大領域42は、第二の基板エッチング工程(図7[L])において溝部13aが形成される時間内に振動腕部12aとなる領域44までエッチングされる大きさであることが望ましい。第二の基板エッチング工程(図7[L])において差Dに相当する基板41は除去されるが、差Dが大きすぎると、エッチングに時間がかかりすぎて、溝部13aが貫通してしまうからである。
ここで一例を述べれば、振動腕部12aとなる領域44の幅(図において左右方向)が50μmであれば、振動部拡大領域42の幅は55μmであり、差Dは2.5μmである。このとき、アライメント誤差Sは少なくとも1μm程度である。以上、振動部拡大領域42と振動腕部となる領域44との関係について説明したが、基部拡大領域47と基部となる領域48との関係についても同様である。
(4)突起状のエッチング抑制パターン52がZ’軸を中心としてY’軸から時計回りに60±5度又は120±5度(好ましくは60度又は120度)の方向に突き出る場合は、エッチング抑制パターン52の主な面がX面からなるので、更にエッチング残渣が生じにくい。なぜなら、X面はY面に比べてエッチングレートが大きいからである。したがって、この場合のエッチング抑制パターン52下の水晶は、ウェットエッチング工程(図7[L])において大部分がアンダーエッチングによって消滅する。
(5)従来技術では、外形エッチング後にフォトレジスト膜103cに電極パターンを露光及び現像して電極を形成していた(図16[M][N][O])。これに対し、本実施形態1では、外形エッチング前にフォトレジスト膜54に電極パターンを露光して潜像部分55を形成し(図6[I])、外形エッチング後に潜像部分55を現像し(図8[M])、外形エッチング時のフォトレジスト膜54を使用してリフトオフにより電極を形成する(図8[O]及び図9[P])。より詳しく言えば、外形用のパターンを形成したフォトレジスト膜54の一部を露光して潜像部分55を形成しておき(図6[I])、溝部13a用の耐食膜51のパターンを形成し(図7[K])、その後に潜像部分55を現像することにより(図8[M])、溝部13aのエッチング時に潜像部分55によって保護された領域49に(図7[L])、パッド電極21bを形成できる(図9[Q])。
したがって、本実施形態1によれば、外形エッチング後の露光が不要になるので、外形エッチング後の露光によって生じる諸問題を全て解決できる。例えば、外形エッチング前は一枚の基板41が多数の振動片に分離されていないので、露光などの位置合わせを必要とする工程を全て外形エッチング前に実施することにより、振動片の揺動に起因する露光精度の低下などを防止できる。また、露光装置へ搬送する際の振動によって振動片が脱落することも、防止できる。
詳しく言えば、外形エッチング工程(図7[J])の後は、一枚の基板41が多数の水晶振動片15に分離されて、各水晶振動片15の一部がフレーム(図示せず)に固定されている状態になる。そのため、外形エッチング工程(図7[J])の後の基板41を不用意に取り扱うと、水晶振動片15がフレームから脱落するおそれがある。そこで、本実施形態1のように、フォトレジスト膜54の一部を露光する工程(図6[I])を外形エッチング工程(図7[J])の前に行うことにより、その後に行う場合に比べて、露光の作業性を改善できる。
(6)本実施形態1では、ウェットエッチングを用いているが、ドライエッチングを用いることもできる。ただし、基板41が水晶からなる場合は、エッチングレートが大きいウェットエッチングが望ましい。
図12[B1]は実施形態2の製造方法における第一のマスク形成工程の一部を示す断面図であり、図12[K1]は実施形態2の製造方法におけるマスクエッチング工程の一部を示す断面図であり、図12[K2]は比較例の製造方法におけるマスクエッチング工程の一部を示す断面図である。以下、図1乃至図11に図12を加えて、実施形態2の製造方法を説明する。
本実施形態2では、次の構成が実施形態1と異なる。
第一に、図12[B1]に示すように、耐食膜51は、基板41上に接する第一層511と、第一層511上に接し第一層511のイオン化傾向よりも小さいイオン化傾向を有する第二層512とからなる。
第二に、図12[K1]に示すように、マスクエッチング工程(図7[K])では、フォトレジスト膜54で覆われていない第二層512を除去した後、第二層512上の全てのフォトレジスト膜54を残したまま第一層511をウェットエッチングで除去する。また、第一のマスク形成工程(図5[E])でも同様に、フォトレジスト膜53で覆われていない第二層512を除去した後、第二層512上の全てのフォトレジスト膜53を残したまま第一層511をウェットエッチングで除去してもよい。
次に、上記各工程について、更に詳しく説明する。
まず、図4[A]に示すように、水晶Z板などの基板41を用意する。続いて、図12[B1]に示すように、基板41の上に、第一層511及び第二層512からなる耐食膜51を形成する。本実施形態2では、第一層511としてクロムを用い、第二層512として金を用い、その成膜方法としてスパッタリングや蒸着を用いる。クロムは金よりも基板41に対する密着性がよく、金はクロムよりも水晶のエッチング液に対する耐食性がよい。つまり、耐食膜51は、クロムの第一層511及び金の第二層512の両方の利点を兼ね備え、密着性及び耐食性に優れている。
その後、図4[C]から図7[J]まで、実施形態1と同様の工程が続く。続いて、図12[K1]に示すように、フォトレジスト膜54に覆われていない金からなる第二層512を、例えばヨウ素及びヨウ化カリウムの混合液でエッチングする。この混合液ではクロムはエッチングされない。そして、図7[K]に示すように、フォトレジスト膜54及び第二層512に覆われていないクロムからなる第一層511を、例えば硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸の混合液でエッチングする。この混合液では金はエッチングされない。その後、図7[L]から図9[Q]まで、実施形態1と同様の工程が続く。
一方、図12[K2]に示す比較例では、図12[K1]に示すように、フォトレジスト膜54に覆われていない金からなる第二層512を、例えばヨウ素及びヨウ化カリウムの混合液でエッチングした後、図12[K2]に示すように、フォトレジスト膜54を除去する。そして、この状態で、第二層512に覆われていないクロムからなる第一層511を、例えば硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸の混合液でエッチングする。
ここで、クロム(Cr)の標準電極電位は−0.424[V]であり、金(Au)の標準電極電位は+1.52[V]又は+1.83[V]である。つまり、クロムのイオン化傾向が金のイオン化傾向よりも大きい。このような金属の組み合わせにおいて、比較例の図12[K2]に示す状態でクロムの第一層511をウェットエッチングしようとすると、いわゆる「電蝕」が発生することにより、クロムの第一層511が異常にエッチングされるので、エッチング精度が低下する。「電蝕」とは、「電気化学的腐蝕」の略称であり、二種の異なる金属が同時に電解質溶液(エッチング液)に接触したとき、金属間の電位差によってイオン化傾向の大きい金属から小さい金属に電子が移動することにより、電荷を失った金属原子がイオンとして溶液中に溶け出すことで金属が腐食する現象をいう。
これに対して、本実施形態2によれば、イオン化傾向の大きい第一層511上にイオン化傾向の小さい第二層512が積層された構造の耐食膜51において、第一層511をウェットエッチングする際に、第二層512上の全てがフォトレジスト膜54で覆われている。そのため、第一層511のエッチング液に第二層512が実質的に接触しないので、電蝕の発生によるエッチング精度の低下を抑制できる。
また、第一層511及び第二層512の金属の種類は、イオン化傾向の大小関係を満たせばどのような組み合わせでもよい。例えば、第一層511をチタン(Ti:標準電極電位−1.63[V])、第二層512を白金(Pt:標準電極電位+1.188[V])としてもよい。本明細書で言う標準電極電位は、25℃かつpH=0の水溶液中における標準水素電極を基準にしたものである(非特許文献1参照)。
なお、本実施形態2におけるその他の構成、作用及び効果は、実施形態1のそれらと同様である。
次に、実施形態3の製造方法について説明する。本実施形態3は、実施形態1と共通する部分が多いので、以下図1乃至図10に基づき説明する。
本実施形態3において、第一のマスク形成工程(図4[A]〜図5[E])では、耐食膜51をパターン化する際に使用するフォトレジスト膜53がポジ型のフォトレジストからなる。そして、レジスト溝部パターン形成工程(図6[H])では、第一のマスク形成工程(図4[A]〜図5[E])で使用したフォトレジスト膜53を剥離することなくそのまま使用する。すなわち、図6[H]の工程以降は、フォトレジスト膜54をフォトレジスト膜53に置き換えた状態で、図9[Q]の工程まで進められる。そのため、フォトレジスト膜53には、全部で三回の露光及び現像、すなわち「三重露光」が施される。
本実施形態3によれば、フォトレジスト膜53を剥離する工程(図5[F])及びフォトレジスト膜54を塗布する工程(図6[G])が不要になるので、実施形態1に比べて製造工程を簡素化できる。
なお、本実施形態3におけるその他の構成、作用及び効果は、実施形態1のそれらと同様である。
以上、上記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
本発明は、基部と振動部と溝部とを備える圧電素子であればどのようなものにでも利用でき、例えば水晶やセラミックスからなる圧電素子や、音叉型屈曲振動子、厚みすべり振動子、ジャイロセンサなどのセンサ素子にも利用可能である。
10 振動素子
11 基部
12a,12b 振動腕部
13a,13b 溝部
131 第一溝面となる部分
132 第二溝面となる部分
15 水晶振動片
21a,21b パッド電極
22a,22b 励振電極
23a,23b 周波数調整用金属膜
24a,24b 配線パターン
31 導電性接着剤
32 素子搭載部材
33 パッド電極
41 基板
42 振動部拡大領域
43 第一のマスク
431 第一のマスクの振動腕部における中心線
44 振動腕部となる領域
45 第二のマスク
451 第二のマスクの振動腕部における中心線
46 溝部となる領域
47 基部拡大領域
48 基部となる領域
49 電極となる領域
51 耐食膜
511 第一層
512 第二層
52 エッチング抑制パターン
53 フォトレジスト膜
54 フォトレジスト膜
55 潜像部分
56 電極膜
111 基部
112a,112b 振動腕部
113a 溝部
121b パッド電極
122a,122b 励振電極
101 基板
102 耐食膜
103a フォトレジスト膜
103b フォトレジスト膜
103c フォトレジスト膜
104 振動腕部となる領域
105 溝部となる領域
106 基部となる領域
107 パッド電極となる領域
108 電極膜
201 外形パターンの中心線
202 溝部パターンの中心線

Claims (6)

  1. 振動部とこの振動部に設けられた溝部とを備える圧電素子を製造する方法であって、
    圧電効果を有する基板の上に、前記振動部の外形を含む当該振動部を拡大した領域からなる振動部拡大領域を覆う第一のマスクを形成する第一のマスク形成工程と、
    この第一のマスクの上に、前記溝部を除く前記振動部となる領域を覆うとともに前記溝部内のエッチング抑制パターンとなる第二のマスクを形成する第二のマスク形成工程と、
    この第二のマスク形成工程の後に、前記第一のマスクを用いて前記基板をエッチングすることにより、前記振動部拡大領域の外形を形成する第一の基板エッチング工程と、
    この第一の基板エッチング工程の後に、前記第二のマスクを用いて前記第一のマスクをエッチングするマスクエッチング工程と、
    このエッチングされた前記第一のマスクを用いて前記基板をエッチングすることにより、前記エッチング抑制パターンによって前記溝部のエッチングを抑制しつつ前記振動部の外形及び前記溝部を形成する第二の基板エッチング工程と、
    を含むことを特徴とする圧電素子の製造方法。
  2. 前記振動部拡大領域の大きさと前記振動部となる領域の大きさとの差は、
    前記第一のマスク形成工程で形成される前記第一のマスクのパターンと前記第二のマスク形成工程で形成される前記第二のマスクのパターンとの位置ずれよりも大きい、
    請求項1記載の圧電素子の製造方法。
  3. 前記振動部拡大領域は、前記第二の基板エッチング工程において前記溝部が形成される時間内に前記振動部となる領域までエッチングされる大きさである、
    請求項1又は2記載の圧電素子の製造方法。
  4. 前記第一のマスク形成工程では、前記基板上に耐食膜を成膜しパターン化することにより当該耐食膜からなる前記第一のマスクを形成し、
    前記第二のマスク形成工程では、前記耐食膜上にポジ型のフォトレジスト膜のパターンを形成することにより当該フォトレジスト膜からなる前記第二のマスクを形成し、
    更に、前記第二のマスク形成工程の後かつ前記第一の基板エッチング工程の前に、前記フォトレジスト膜の一部を露光することにより、当該フォトレジスト膜に潜像部分を形成する潜像形成工程と、
    前記マスクエッチング工程又は前記第二の基板エッチング工程の後に、前記潜像部分を現像する潜像現像工程と、
    この潜像現像工程及び前記第二の基板エッチング工程の後に、前記基板及び前記耐食膜の露出部分上並びに前記フォトレジスト膜上に電極膜を形成する電極膜形成工程と、
    前記フォトレジスト膜上に形成された前記電極膜を前記フォトレジスト膜とともに除去するリフトオフ工程と、
    前記フォトレジスト膜が除去されたことにより露出した前記耐食膜を除去する耐食膜除去工程と、
    を含む請求項1乃至3のいずれか一つに記載の圧電素子の製造方法。
  5. 前記耐食膜は、前記基板上に接する第一層と、この第一層上に接し当該第一層のイオン化傾向よりも小さいイオン化傾向を有する第二層とからなり、
    前記第一のマスク形成工程及び前記マスクエッチング工程の少なくとも一方では、前記フォトレジスト膜で覆われていない前記第二層を除去した後、前記第二層上の全ての前記フォトレジスト膜を残したまま前記第一層をウェットエッチングで除去する、
    請求項4記載の圧電素子の製造方法。
  6. 前記第一層はクロムからなり、前記第二層は金からなり、前記基板は水晶からなり、
    前記第一の基板エッチング工程及び前記第二の基板エッチング工程ではウェットエッチングが用いられる、
    請求項5記載の圧電素子の製造方法。
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