JP2015019139A - 圧電素子の製造方法 - Google Patents

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Ryota Kawai
良太 河合
敦哉 高橋
Atsuya Takahashi
敦哉 高橋
泰生 藤本
Yasuo Fujimoto
泰生 藤本
道雄 木下
Michio Kinoshita
道雄 木下
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Abstract

【課題】 電極膜のリフトオフ工程において、フォトレジスト膜上の電極膜をフォトレジスト膜とともに確実に除去する。
【解決手段】 基板41上の一部に耐食膜51が形成され、耐食膜51上にフォトレジスト膜53が形成された構造体に対して、耐食膜51で覆われていない基板41の露出部分をエッチングする。続いて、フォトレジスト膜53で覆われている耐食膜51をサイドエッチングする。続いて、基板41の露出部分上及びフォトレジスト膜53上に電極膜56を形成する。続いて、フォトレジスト膜53上に形成された電極膜56をフォトレジスト膜53とともに除去する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、電子機器などに用いられる圧電素子を製造する方法に関し、詳しくはリフトオフ法を用いた製造方法に関する。以下、圧電素子の一例として水晶振動素子を採り上げる。
水晶振動子は、コンピュータ、携帯電話又は小型情報機器等の電子機器に搭載され、基準信号源やクロック信号源として用いられる。水晶振動子の内部には、水晶振動素子が含まれている。その水晶振動素子の一例として、音叉型屈曲水晶振動素子(以下、単に「振動素子」という。)について説明する。
この振動素子は、基部と、基部から延設された二本の振動腕部と、振動腕部に設けられた溝部と、を備えている。この溝部内に電極を形成するには、溝部内を含めて振動腕部全体に電極膜を付けて、溝部内をフォトレジスト膜で覆い、余分な電極膜をエッチングで除去することにより、フォトレジスト膜で覆った溝部内に電極膜を残す、という方法が一般的である(例えば特許文献1参照)。ところが、昨今の振動素子の小型化に伴い、溝部もますます狭くなり、溝部内をフォトレジスト膜で覆うことが難しくなってきている。
これとは逆に、溝部内の外をフォトレジスト膜で覆い、溝部内及びフォトレジスト膜上を含めて振動腕部全体に電極膜を付けて、フォトレジスト膜とともに余分な電極膜を除去することにより、フォトレジスト膜で覆わなかった溝部内に電極膜を残す、という方法も知られている(例えば特許文献2参照)。この方法はリフトオフ法と呼ばれる。このリフトオフ法は、溝部内をフォトレジスト膜で覆わなくても溝部内に電極を形成できるので、振動素子の更なる小型化にも対応できる技術として期待されている。以下、リフトオフ法を用いた振動素子の製造方法を、関連技術1の製造方法として説明する。
図11及び図12は、本関連技術1の製造方法における各工程を示す断面図である。以下、図11及び図12に基づき、本関連技術1の製造方法について説明する。
本関連技術1の製造方法は、次の工程を含む。
<1>.圧電効果を有する基板101上の一部に耐食膜102が形成され、耐食膜102上にフォトレジスト膜103が形成された構造体100に対して(図11[A])、耐食膜102で覆われていない基板101の露出部分をエッチングする基板エッチング工程(図11[B])。
<2>.基板エッチング工程(図11[B])の後に、基板101の露出部分上及びフォトレジスト膜103上に電極膜108を形成する電極膜形成工程(図11[C])。
<3>.電極膜形成工程(図11[C])の後に、フォトレジスト膜103上に形成された電極膜108を、フォトレジスト膜103とともに除去するリフトオフ工程(図12[D])。
以上の各工程について、更に詳しく説明する。
まず、図11[A]に示すように、水晶Z板からなる基板101の上にクロムからなる耐食膜102を成膜し、その上にフォトレジスト膜103を塗布し、フォトレジスト膜103を露光及び現像し、これをマスクとして耐食膜102をエッチングすることにより、構造体100を得る。
続いて、図11[B]に示すように、耐食膜102をマスクとして基板101をエッチングする。このとき、振動腕部となる領域104の外形を貫通するまでエッチングするとともに、溝部となる領域105を一定の深さにエッチングする。溝部パターンは、特に図示しないが、エッチングレートを小さくするためのエッチング抑制パターンとなっている。
続いて、図11[C]に示すように、基板101の露出部分上フォトレジスト膜103上に、スパッタリング又は蒸着により電極膜108を形成する。なお、この工程におけるフォトレジスト膜103は、前工程におけるフォトレジスト膜を剥離し、再び露光及び現像したものである。その理由は、振動腕部ではエッチング面と電極形成面が一致するものの、基部などではそれらが一致しないからである。
続いて、図12[D]に示すように、フォトレジスト膜103上に形成された電極膜108を、フォトレジスト膜103とともに除去する。この方法は、リフトオフ法と呼ばれる。
最後に、図12[E]に示すように、フォトレジスト膜103が除去されたことにより露出した耐食膜102を、エッチングにより除去する。これにより、振動腕部112a及び溝部113aに励振電極122a,122bが形成され、振動素子が完成する。
特許第3729249号公報 特許第4060699号公報
しかしながら、関連技術1の製造方法では、次のような問題があった。
図11[B]に示すように、基板101、耐食膜102及びフォトレジスト膜103において電極膜108が形成される面は、基板101の側面方向にて平ら(面一)になっている。これにより、図11[C]に示すように、基板101の露出部分上の電極膜108とフォトレジスト膜103上の電極膜108とは、耐食膜102上で繋がってしまう。特にスパッタリングのようにステップカバレージの良好な成膜方法では、この傾向が強く現れる。そうなると、フォトレジスト膜103に剥離液が到達しにくくなり、フォトレジスト膜103に剥離液が到達したとしても、基板101の露出部分上の電極膜108からフォトレジスト膜103上の電極膜108を切り離す力が必要になる。
その結果、図12[D]に示すリフトオフ工程において、フォトレジスト膜103上に形成された電極膜108をフォトレジスト膜103とともに除去しようとしても十分にできないことから、電極間の短絡等が発生して、歩留まりが低下する。
そこで、本発明の目的は、電極膜のリフトオフ工程においてフォトレジスト膜上の電極膜をフォトレジスト膜とともに確実に除去し得る、圧電素子の製造方法を提供することにある。
本発明に係る圧電素子の製造方法は、
圧電効果を有する基板上の一部に耐食膜が形成され、この耐食膜上にフォトレジスト膜が形成された構造体に対して、前記耐食膜で覆われていない前記基板の露出部分をエッチングする基板エッチング工程と、
この基板エッチング工程の後に、前記フォトレジスト膜で覆われている前記耐食膜をサイドエッチングする耐食膜サイドエッチング工程と、
この耐食膜サイドエッチング工程の後に、前記基板の露出部分上及び前記フォトレジスト膜上に電極膜を形成する電極膜形成工程と、
この電極膜形成工程の後に、前記フォトレジスト膜上に形成された前記電極膜を前記フォトレジスト膜とともに除去するリフトオフ工程と、
を含む。
本発明によれば、フォトレジスト膜で覆われている耐食膜をサイドエッチングすることにより、基板の露出部分とフォトレジスト膜との間で耐食膜が後退して凹部を形成するので、基板の露出部分上及びフォトレジスト膜上に凹部を跨ぐように電極膜を形成すると、電極膜がその凹部で分断される。したがって、フォトレジスト膜上の電極膜と基板の露出部分上の電極膜とが繋がらないので、フォトレジスト膜上の電極膜をフォトレジスト膜とともに確実に除去できる。
実施形態1の製造方法で得られる振動素子を示す斜視図である。 図1におけるII−II線断面図である。 図1の振動素子を素子搭載部材に実装した状態を示す概略断面図である。 実施形態1の製造方法における各工程を示す断面図であり、図4[A]、図4[B]、図4[C]の順に工程が進行する。 実施形態1の製造方法における各工程を示す断面図であり、図5[D]、図5[E]、図5[F]の順に工程が進行する。 実施形態1の製造方法における各工程を示す断面図であり、図6[G]、図6[H]の順に工程が進行する。 実施形態1の製造方法における各工程を示す断面図であり、図7[I]、図7[J]の順に工程が進行する。 実施形態2の製造方法における各工程を示す断面図であり、図8[A]、図8[B]、図8[C]の順に工程が進行する。 実施形態2の製造方法における各工程を示す断面図であり、図9[D]、図9[E]、図9[F]の順に工程が進行する。 実施形態2の製造方法における各工程を示す断面図であり、図10[G]、図10[H]の順に工程が進行する。 関連技術1の製造方法における各工程を示す断面図であり、図11[A]、図11[B]、図11[C]の順に工程が進行する。 関連技術1の製造方法における各工程を示す断面図であり、図12[D]、図12[E]の順に工程が進行する。
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については同一の符号を用いる。また、図面に描かれた形状は、当業者が理解しやすいように描かれているため、実際の寸法及び比率とは必ずしも一致していない。
図1は、実施形態1の製造方法で得られる振動素子を示す斜視図である。図2は、図1におけるII−II線断面図である。図3は、図1の振動素子を素子搭載部材に実装した状態を示す概略断面図である。以下、これらの図面に基づき説明する。
本実施形態1の振動素子10は、基部11と、基部11から延設された二本の振動腕部12a,12bと、振動腕部12a,12bのそれぞれに設けられた溝部13a,13bと、を備えている。
振動腕部12a,12bは、それぞれ基部11から同じ方向に延設されている。基部11及び振動腕部12a,12bは、水晶片15からなる。振動素子10は、水晶片15の他に、パッド電極21a,21b、励振電極22a,22b、周波数調整用金属膜23a,23b、配線パターン24a,24bなども備えている。
図1に示すように、水晶の結晶は三方晶系であり、水晶の頂点を通る結晶軸をZ軸(光軸)、Z軸に垂直な平面内の稜線を結ぶ三つの結晶軸をX軸(電気軸)、X軸及びZ軸に直交する座標軸をY軸(機械軸)とする。ここで、これらのX軸、Y軸及びZ軸からなる座標系をX軸を中心として±5度の範囲で回転させたときの回転後のY軸及びZ軸を、それぞれY’軸及びZ’軸とする。この場合、本実施形態1では、二本の振動腕部12a,12bの延設方向がY’軸の方向であり、二本の振動腕部12a,12bの並ぶ方向がX軸の方向である。
次に、振動素子10の構成について更に詳しく説明する。
基部11は、平面視略四角形の平板となっている。水晶片15は、基部11と振動腕部12a,12bとが一体となって音叉形状をなしており、成膜技術、フォトリソグラフィ技術、ウェットエッチング技術などにより製造される。
溝部13aは、振動腕部12aの表裏面に二本ずつ、基部11との境界部分から振動腕部12aの先端に向って、振動腕部12aの長さ方向と平行に所定の長さで設けられる。同様に、溝部13bは、振動腕部12bの表裏面に二本ずつ、基部11との境界部分から振動腕部12bの先端に向って、振動腕部12bの長さ方向と平行に所定の長さで設けられる。なお、溝部13a,13bは、本実施形態1では振動腕部12aの表裏面に二本ずつ及び振動腕部12bの表裏面に二本ずつ設けられているが、それらの本数に制限はなく、例えば振動腕部12aの表裏面に一本ずつ及び振動腕部12bの表裏面に一本ずつ設けてもよく、また、表裏のどちらか片面にのみ設けてもよい。
振動腕部12aには、水晶を挟んで対向する平面同士が同極となるように、両側面に励振電極22aが設けられ、表裏面の溝部13aの内側に励振電極22bが設けられる。同様に、振動腕部12bには、水晶を挟んで対向する平面同士が同極となるように、両側面に励振電極22bが設けられ、表裏面の溝部13bの内側に励振電極22aが設けられる。したがって、振動腕部12aにおいては両側面に設けられた励振電極22aと溝部13a内に設けられた励振電極22bとが異極同士となり、振動腕部12bにおいては両側面に設けられた励振電極22bと溝部13b内に設けられた励振電極22aとが異極同士となる。
基部11には、パッド電極21a,21bと、パッド電極21a,21bと励振電極22a,22bの間を電気的に接続する配線パターン24a,24bと、が設けられる。パッド電極21a、励振電極22a、周波数調整用金属膜23a及び配線パターン24aは、互いに電気的に導通している。パッド電極21b、励振電極22b、周波数調整用金属膜23b及び配線パターン24bも、互いに電気的に導通している。
振動素子10は、パッド電極21a,21b及び導電性接着剤31を介して、素子搭載部材32側のパッド電極33に固定されると同時に電気的に接続される。
次に、振動素子10の動作を説明する。音叉型の振動素子10を振動させる場合、パッド電極21a,21bに交番電圧を印加する。印加後のある電気的状態を瞬間的に捉えると、振動腕部12aの表裏の溝部13aに設けられた励振電極22bはプラス電位となり、振動腕部12aの両側面に設けられた励振電極22aはマイナス電位となり、プラスからマイナスに電界が生じる。このとき、振動腕部12bの表裏の溝部13bに設けられた励振電極22aはマイナス電位となり、振動腕部12bの両側面に設けられた励振電極22bはプラス電位となり、振動腕部12aに生じた極性とは反対の極性となり、プラスからマイナスに電界が生じる。この交番電圧で生じた電界によって、振動腕部12a,12bに伸縮現象が生じ、所定の共振周波数の屈曲振動モードが得られる。
図4乃至図7は、本実施形態1の製造方法における各工程を示す断面図である。以下、図1乃至図9に基づき、本実施形態1の製造方法について説明する。
振動腕部12aと振動腕部12bとは対称的に同じ構造である。そこで、図4乃至図7では、図1におけるIV−IV線断面において、振動腕部12aのみの製造工程を示す。
本実施形態1の製造方法は、次の工程を含む。
<1>.圧電効果を有する基板41上の一部に耐食膜51が形成され、耐食膜51上にフォトレジスト膜53が形成された構造体40(図5[E])に対して、耐食膜51で覆われていない基板41の露出部分をエッチングする基板エッチング工程(図5[F])。
<2>.基板エッチング工程(図5[F])の後に、フォトレジスト膜53で覆われている耐食膜51をサイドエッチングする耐食膜サイドエッチング工程(図6[G])。
<3>.耐食膜サイドエッチング工程(図6[G])の後に、基板41の露出部分上及びフォトレジスト膜53上に電極膜56を形成する電極膜形成工程(図6[H])。
<4>.電極膜形成工程(図6[H])の後に、フォトレジスト膜53上に形成された電極膜56をフォトレジスト膜53とともに除去するリフトオフ工程(図7[I])。
次に、上記各工程及び本実施形態1の製造方法に含まれる他の工程について、更に詳しく説明する。
まず、図4[A]に示すように、水晶Z板などの基板41を用意する。
続いて、図4[B]に示すように、基板41の上に金属からなる耐食膜51を形成する。耐食膜51は、後述する水晶のエッチング液に対して耐性を有する。本実施形態1では、耐食膜51としてクロムを用いる。その成膜方法は、スパッタリングや蒸着を用いる。
続いて、図4[C]に示すように、耐食膜51の上にフォトレジスト膜53を形成する。フォトレジスト膜53は、ネガ型でもポジ型でもどちらでもよく、例えばスピンコート法によって形成される。ネガ型のフォトレジストは、露光されると現像液に対して溶解性が低下し、現像後に露光部分が残る。これに対して、ポジ型のフォトレジストは、ネガ型とは逆に、露光されると現像液に対して溶解性が増大し、現像後に露光部が除去される。
続いて、図5[D]に示すように、耐食膜51に形成されることになるマスク45のパターンをフォトレジスト膜53に露光及び現像する。このパターンは、外形パターン及び溝部パターンである。ただし、溝部パターンは、特に図示しないが、エッチングレートを小さくするためのエッチング抑制パターンとなっている。
続いて、図5[E]に示すように、マスク45に覆われていないクロムの露出面を、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸の混合液でエッチングする。
続いて、図5[F]に示すように、マスク45に覆われていない基板41すなわち水晶の露出面を、バッファードフッ酸(HF+NH4F)を用いエッチングする。このとき、溝部となる領域46はエッチング抑制パターンによって貫通しないように一定の深さまでエッチングし、振動腕部となる領域44は外形の外側を完全に抜くようにエッチングする。
続いて、図6[G]に示すように、フォトレジスト膜53で覆われている耐食膜51をサイドエッチングする。つまり、クロムを側面から、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸の混合液でエッチングする。これにより、基板41の露出部分とフォトレジスト膜53との間で耐食膜51が後退することにより、凹部52が形成される。なお、この工程におけるフォトレジスト膜53は、前工程におけるフォトレジスト膜を剥離し、再び露光及び現像したものである。その理由は、振動腕部ではエッチング面と電極形成面が一致するものの、基部などではそれらが一致しないからである。そのような問題がなければ、この工程におけるフォトレジスト膜53として、前工程におけるフォトレジスト膜をそのまま用いてもよい。
続いて、図6[H]に示すように、基板41の露出部分上及びフォトレジスト膜53上に電極膜56を形成する。電極膜56は、例えばクロム又はチタンの単層膜や、その上にパラジウム又は金を形成した積層膜などであり、スパッタリングや蒸着で成膜する。基板41の露出部分上及びフォトレジスト膜53上に凹部52を跨ぐように電極膜56が形成されるので、電極膜56は凹部52で分断され電極膜561と電極膜562とに分けられる。
続いて、図7[I]に示すように、フォトレジスト膜53上に形成された電極膜562を、フォトレジスト膜53とともに除去する。換言すると、基板41の表裏に形成されたマスク45と、その上に形成された電極膜56とを、剥離する。これは、フォトレジストを溶解する剥離液(例えばアセトン)に、これらを浸すことにより除去できる。ただし、マスク45の下にある耐食膜51は残る。この電極形成方法がリフトオフ法である。このとき、フォトレジスト膜53上の電極膜562と基板41の露出部分上の電極膜561とは、凹部52で分断されて繋がっていない。そのため、剥離液はフォトレジスト膜53に容易に到達し、しかも、電極膜561から電極膜562を切り離す力も不要であることから、電極膜562をフォトレジスト膜53とともに確実に除去できる。
最後に、図7[J]に示すように、フォトレジスト膜53が除去されたことにより露出した耐食膜51を、前述のエッチングによって除去する。これにより、振動腕部12a及び溝部13aに励振電極22a,22bが形成される。このとき、図1に示すように、パッド電極21a,21b、周波数調整用金属膜23a,23b及び配線パターン24a,24bも形成され、振動素子10が完成する。その後、振動素子10は周波数調整工程へ移行する。
次に、本実施形態1の製造方法の作用及び効果について説明する。
本実施形態1によれば、フォトレジスト膜53で覆われている耐食膜51をサイドエッチングすることにより、基板41の露出部分とフォトレジスト膜53との間で耐食膜51が後退して凹部52を形成するので、基板41の露出部分上及びフォトレジスト膜53上に凹部52を跨ぐように電極膜56を形成すると、電極膜56が凹部52で分断される。したがって、フォトレジスト膜53上の電極膜562と基板41の露出部分上の電極膜561とは繋がらないので、フォトレジスト膜53上の電極膜562をフォトレジスト膜53とともに確実に除去できる。
図8乃至図10は、実施形態2の製造方法における各工程を示す断面図である。以下、図8乃至図10に基づき、本実施形態2の製造方法について説明する。
実施形態1では、振動腕部における基板エッチングのマスク(耐食膜のパターン)とリフトオフのマスク(フォトレジスト膜のパターン)とが同じであるので、振動腕部において基板のエッチング部分にのみ電極膜が形成される。
これに対し、本実施形態2では、振動腕部における基板エッチングのマスクとリフトオフのマスクとが異なるので、振動腕部において基板のエッチング部分以外にも電極膜が形成される。そのため、本実施形態2の製造方法は、実施形態1の製造方法と比べて、次の特徴を有する。
<1>.フォトレジスト膜54は、耐食膜51上の一部に形成されている(図8[A])。
<2>.基板エッチング工程(図8[B])と耐食膜サイドエッチング工程(図9[E])との間に、フォトレジスト膜54で覆われていない耐食膜51の露出部分をエッチングする耐食膜エッチング工程(図8[C])を更に含む。
<3>.耐食膜エッチング工程(図8[C])と耐食膜サイドエッチング工程(図9[E])とが、連続的な一つの工程からなる、としてもよい。
次に、上記工程及び本実施形態2の製造方法に含まれる他の工程について、更に詳しく説明する。
実施形態1の図4[A]から図5[E]までの工程は、本実施形態2でも同じである。
続いて、図5[E]に示すフォトレジスト膜53を除去した後、図8[A]に示すように、新たなフォトレジスト膜54を塗布し、フォトレジスト膜54を露光及び現像することにより、構造体47を得る。構造体47では、フォトレジスト膜54が耐食膜51上の一部に形成されていることにより、基板エッチングのマスク(耐食膜51のパターン)とリフトオフのマスク(フォトレジスト膜54のパターン)とが異なる。
続いて、図8[B]に示すように、耐食膜51に覆われていない基板41すなわち水晶の露出面を、バッファードフッ酸(HF+NH4F)を用いエッチングする。このとき、実施形態1と同様に、溝部となる領域46はエッチング抑制パターンによって貫通しないように一定の深さまでエッチングし、振動腕部となる領域44は外形の外側を完全に抜くようにエッチングする。
続いて、図8[C]に示すように、フォトレジスト膜54で覆われていない耐食膜51の露出部分を、エッチングすることにより除去する。具体的には、図8[B]に示す構造体を、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸の混合液に浸す。
続いて、図9[D]に示すように、耐食膜51で覆われていない基板41の表面のみをエッチングする。すなわち、バッファードフッ酸(HF+NH4F)を用いて軽くエッチングすることにより、水晶の露出面を洗浄する。
続いて、図9[E]に示すように、フォトレジスト膜54で覆われている耐食膜51をサイドエッチングすることにより、凹部52を形成する。このときも、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸の混合液を用いる。
なお、図8[D]の工程を省略できる場合は、耐食膜エッチング工程(図8[C])と耐食膜サイドエッチング工程(図9[E])とを、連続的な一つの工程としてもよい。つまり、図8[B]に示す構造体をエッチング液に浸すと、まずフォトレジスト膜54で覆われていない耐食膜51の主面がエッチングによって消滅し(耐食膜エッチング工程)、更にそのまま浸し続けると、フォトレジスト膜54で覆われている耐食膜51の側面のサイドエッチングが進んで凹部52が形成される(耐食膜サイドエッチング工程)。
続いて、図9[F]に示すように、基板41の露出部分上及びフォトレジスト膜54上に、例えばスパッタリングにより電極膜56を形成する。このとき、基板41の露出部分上及びフォトレジスト膜54上に凹部52を跨ぐように電極膜56が形成されるので、電極膜56は凹部52で分断されて電極膜561と電極膜562とに分けられる。
続いて、図10[G]に示すように、フォトレジスト膜54上に形成された電極膜562を、フォトレジスト膜54とともに除去する。このとき、フォトレジスト膜54上の電極膜562と基板41の露出部分上の電極膜561とは繋がっていないので、電極膜562をフォトレジスト膜54とともに確実に除去できる。
最後に、図10[H]に示すように、フォトレジスト膜54が除去されたことにより露出した耐食膜51を、前述のエッチングによって除去する。これにより、振動腕部12a及び溝部13aに励振電極22a,22bが形成される。このとき、本実施形態2では、基板エッチングのマスクとリフトオフのマスクとが異なるので、基板41のエッチング部分以外にも電極膜56が形成される。図10[H]に示す例では、同じ面の二本の溝部13a,13aを跨ぐように、電極膜56からなる励振電極22bが形成される。
次に、本実施形態2の製造方法の作用及び効果について説明する。
(1)基板エッチング工程(図8[B])と耐食膜サイドエッチング工程(図9[E])との間に、フォトレジスト膜54で覆われていない耐食膜51の露出部分をエッチングする耐食膜エッチング工程(図8[C])を更に含むことにより、電極膜562をフォトレジスト膜54とともに確実に除去でき、更に、基板41のエッチング部分以外にも電極膜56を形成できる。
(2)耐食膜エッチング工程(図8[C])と耐食膜サイドエッチング工程(図9[E])とを、連続的な一つの工程とする場合は、工程数の増加を抑えることができる。
(3)実施形態1では、図7[J]に示すように、同じ面の二本の溝部13a,13aの励振電極22bが分離されている。これに対し、本実施形態2では、図10[H]に示すように、同じ面の二本の溝部13a,13aの励振電極22bが接続されている。したがって、本実施形態2によれば、励振電極22bの抵抗値が減少するので、クリスタルインピーダンスの低減に寄与できる。
なお、本実施形態2におけるその他の構成、作用及び効果は、実施形態1のそれらと同様である。
以上、上記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
本発明は、リフトオフによって電極を形成する圧電素子であればどのようなものにでも利用でき、例えば水晶やセラミックスからなる圧電素子や、音叉型屈曲振動子、厚みすべり振動子、ジャイロセンサなどのセンサ素子にも利用可能である。
10 振動素子
11 基部
12a,12b 振動腕部
13a,13b 溝部
15 水晶片
21a,21b パッド電極
22a,22b 励振電極
23a,23b 周波数調整用金属膜
24a,24b 配線パターン
31 導電性接着剤
32 素子搭載部材
33 パッド電極
40,47 構造体
41 基板
44 振動腕部となる領域
45 マスク
46 溝部となる領域
51 耐食膜
52 凹部
53,54 フォトレジスト膜
56,561,562 電極膜
100 構造体
101 基板
102 耐食膜
103 フォトレジスト膜
104 振動腕部となる領域
105 溝部となる領域
108 電極膜
112a 振動腕部
113a 溝部
122a,122b 励振電極

Claims (3)

  1. 圧電効果を有する基板上の一部に耐食膜が形成され、この耐食膜上にフォトレジスト膜が形成された構造体に対して、前記耐食膜で覆われていない前記基板の露出部分をエッチングする基板エッチング工程と、
    この基板エッチング工程の後に、前記フォトレジスト膜で覆われている前記耐食膜をサイドエッチングする耐食膜サイドエッチング工程と、
    この耐食膜サイドエッチング工程の後に、前記基板の露出部分上及び前記フォトレジスト膜上に電極膜を形成する電極膜形成工程と、
    この電極膜形成工程の後に、前記フォトレジスト膜上に形成された前記電極膜を前記フォトレジスト膜とともに除去するリフトオフ工程と、
    を含む圧電素子の製造方法。
  2. 前記フォトレジスト膜は、前記耐食膜上の一部に形成され、
    前記基板エッチング工程と前記耐食膜サイドエッチング工程との間に、前記フォトレジスト膜で覆われていない前記耐食膜の露出部分をエッチングする耐食膜エッチング工程を、
    更に含む請求項1記載の圧電素子の製造方法。
  3. 前記耐食膜エッチング工程と前記耐食膜サイドエッチング工程とが連続的な一つの工程からなる、
    請求項2記載の圧電素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010050941A (ja) * 2008-08-21 2010-03-04 Kyocera Kinseki Hertz Corp 音叉型屈曲水晶振動素子及び水晶振動子並びに水晶発振器

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