JP6279386B2 - 水晶振動素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば基準信号源やクロック信号源に用いられる水晶振動素子、及びその製造方法に関する。以下、水晶振動素子の一例として、音叉型屈曲水晶振動素子(以下「振動素子」と略称する。)について説明する。
図8は、関連技術1の振動素子を示す斜視図である。以下、この図面に基づき説明する。
本関連技術1の振動素子210は、基部211と、振動腕部212a,212bと、切れ込み部216a,216bとを備えている。このような構造の振動素子210は、例えば特許文献1に開示されている。
基部211は、上面241側及び下面242側から見て四角形状であり、下面242が導電性接着剤231によって素子搭載部材(図示せず)に固定される。振動腕部212a,212bは、基部211から延設され、それぞれ溝部213a,213bが形成されている。切れ込み部216a,216bは、基部211の上面241から下面242までを貫いており、基部211の対向側面にそれぞれ形成されている。
基部211及び振動腕部212a,212bは、水晶振動片215からなる。振動素子210は、水晶振動片215の他に、パッド電極221a,221b、励振電極222a,222b、周波数調整用金属膜223a,223b、配線パターン224a,224bなども備えている。
ここで、切れ込み部216a,216bは、導電性接着剤231の付着面積を増やすことにより、導電性接着剤231と振動素子210との接着強度を高めている。
WO2006/114936号公報
しかしながら、関連技術1の振動素子210には、次のような問題があった。
例えば導電性接着剤231の供給量が多くなった場合などに、導電性接着剤231が表面張力によって切れ込み部216a,216bを這い上がって上面241に達することがあった。上面241に達した導電性接着剤231は、配線パターン224a,224bをショートさせたり、実装時の吸着ピンを介して他の振動素子の配線をショートさせたりする原因となる。
近年、振動素子10の小型化の進展に伴い、切れ込み部216a,216bも微細化することにより、導電性接着剤231が這い上がりやすくなっているので、この問題もますます深刻化している。
そこで、本発明の目的は、切れ込み部における導電性接着剤の這い上がりを抑制し得る、振動素子及びその製造方法を提供することにある。
本発明に係る振動素子は、
厚さ方向に上面及び下面を有するとともに、この下面が導電性接着剤によって素子搭載部材に固定される基部と、
この基部から延設された振動部と、
前記上面と前記下面とから前記厚さ方向に窪んだ状態になるように前記基部の外周に形成された切れ込み部と、
を備えた振動素子において、
前記上面が延長された仮想的な面を延長上面とし、前記下面が延長された仮想的な面を延長下面としたとき、
前記切れ込み部内に設けられ、前記延長上面及び前記延長下面の少なくとも一方から離れた状態で突出する薄肉部を、
更に備え
前記薄肉部は薄肉部上面及び薄肉部下面を有し、
前記薄肉部上面は前記延長上面から離れた面であり、
前記薄肉部下面は前記延長下面から離れた面であり、
前記基部は、前記上面側及び下面側から見て四角形状であり、
前記切れ込み部は、前記基部の前記振動部側の反対側の頂点を含む部分に設けられた、
ことを特徴とする。
本発明に係る製造方法は、
前記振動部に前記延設方向に沿って溝部が形成された本発明に係る振動素子を製造する方法であって、
前記溝部を形成する際に、同時に前記切れ込み部及び前記薄肉部を形成する、
ことを特徴とする。
本発明によれば、切れ込み部内で突出する薄肉部を設けたことにより、切れ込み部内を這い上がろうとする導電性接着剤に対して薄肉部が障壁となるので、切れ込み部における導電性接着剤の這い上がりを抑制できる。
実施形態1の振動素子を示す斜視図である。 図2[A]は図1におけるIIa−IIa線断面図であり、図2[B]は図1におけるIIb−IIb線断面図であり、図2[C]は図1の振動素子を素子搭載部材に実装した状態を示す概略断面図である。 実施形態1の変形例における切れ込み部及び薄肉部を示す斜視図である。 実施形態2の製造方法における各工程を示す断面図であり、図4[A]、図4[B]、図4[C]の順に工程が進行する。 実施形態2の製造方法における各工程を示す断面図であり、図5[D]、図5[E]、図5[F]の順に工程が進行する。 実施形態2の製造方法における各工程を示す断面図であり、図6[G]、図6[H]、図6[I]の順に工程が進行する。 実施形態2の製造方法における各工程を示す断面図であり、図7[J]、図7[K]、図7[L]の順に工程が進行する。 関連技術の振動素子を示す斜視図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については同一の符号を用いる。また、図面に描かれた形状は、当業者が理解しやすいように描かれているため、実際の寸法及び比率とは必ずしも一致していない。
図1は、実施形態1の振動素子を示す平面図である。図2[A]は、図1におけるIIa−IIa線断面図である。図2[B]は、図1におけるIIb−IIb線断面図である。図2[C]は、図1の振動素子を素子搭載部材に実装した状態を示す概略断面図である。以下、これらの図面に基づき説明する。なお、延長上面113、延長下面114、薄肉部上面171及び薄肉部下面172については、図2[B]にのみ符合を付す。
本実施形態1の振動素子10は、基部11と、振動部としての二本の振動腕部12a,12bと、切れ込み部16a,16bと、薄肉部17a,17bとを備えている。基部11は、厚さ方向に上面111及び下面112を有するとともに、下面112が導電性接着剤31によって素子搭載部材32に固定される。振動腕部12a,12bは、基部11から延設されている。切れ込み部16a,16bは、上面111と下面112とから厚さ方向に窪んだ状態になるように、基部11の外周に形成されている。上面111が延長された仮想的な面を延長上面113とし、下面112が延長された仮想的な面を延長下面114とする。このとき、薄肉部17a,17bは、それぞれ切れ込み部16a,16b内に設けられ、延長上面113及び延長下面114の少なくとも一方から離れた状態で突出する。
薄肉部17a,17bは薄肉部上面171及び薄肉部下面172を有し、薄肉部上面171は延長上面113から離れた面であり、薄肉部下面172は延長下面114から離れた面である。基部11は、上面111側及び下面112側から見て四角形状である。切れ込み部16a,16bは、基部11の振動腕部12a,12b側の反対側の頂点11a,11bを含む部分にそれぞれ設けられている。
振動腕部12a,12bは、それぞれ基部11から同じ方向に延設され、その延設方向に沿って溝部13a,13bが設けられている。基部11及び振動腕部12a,12bは、水晶振動片15からなる。振動素子10は、水晶振動片15の他に、パッド電極21a,21b、励振電極22a,22b、周波数調整用金属膜23a,23b、配線パターン24a,24bなども備えている。
次に、振動素子10の構成について更に詳しく説明する。
基部11は、平面視略四角形の平板となっている。水晶振動片15は、基部11と振動腕部12a,12bとが一体となって音叉形状をなしており、成膜技術、フォトリソグラフィ技術、ウェットエッチング技術によって製造される。
溝部13a,13bは、振動腕部12aの表裏面に二本ずつ及び振動腕部12bの表裏面に二本ずつ、基部11との境界部分から振動腕部12a,12bの先端に向って、振動腕部12a,12bの長さ方向と平行に所定の長さで設けられる。なお、溝部13a,13bは、本実施形態1では振動腕部12aの表裏面に二本ずつ及び振動腕部12bの表裏面に二本ずつ設けられているが、それらの本数に制限はなく、例えば振動腕部12aの表裏面に一本ずつ及び振動腕部12bの表裏面に一本ずつ設けてもよく、また、表裏のどちらか片面にのみ設けてもよい。
振動腕部12aには、水晶を挟んで対向する平面同士が同極となるように、両側面に励振電極22aが設けられ、表裏面の溝部13aの内側に励振電極22bが設けられる。同様に、振動腕部12bには、水晶を挟んで対向する平面同士が同極となるように、両側面に励振電極22bが設けられ、表裏面の溝部13bの内側に励振電極22aが設けられる。したがって、振動腕部12aにおいては両側面に設けられた励振電極22aと溝部13a内に設けられた励振電極22bとが異極同士となり、振動腕部12bにおいては両側面に設けられた励振電極22bと溝部13b内に設けられた励振電極22aとが異極同士となる。
基部11には、パッド電極21a,21bと配線パターン24a,24bとが設けられる。配線パターン24aはパッド電極21aと励振電極22aとの間を電気的に接続し、配線パターン24bは、パッド電極21bと励振電極22bとの間をそれぞれ電気的に接続する。パッド電極21a、励振電極22a、周波数調整用金属膜23a及び配線パターン24aは、互いに電気的に導通している。パッド電極21b、励振電極22b、周波数調整用金属膜23b及び配線パターン24bも、互いに電気的に導通している。
振動素子10は、パッド電極21a,21b及び導電性接着剤31を介して、素子搭載部材32側のパッド電極33に固定されると同時に電気的に接続される。
水晶の結晶は三方晶系である。水晶の頂点を通る結晶軸をZ軸、Z軸に垂直な平面内の稜線を結ぶ三つの結晶軸をX軸、X軸及びZ軸に直交する座標軸をY軸とする。ここで、これらのX軸、Y軸及びZ軸からなる座標系をX軸を中心として±5度の範囲で回転させたときの回転後のY軸及びZ軸を、それぞれY’軸及びZ’軸とする。この場合、本実施形態1では、二本の振動腕部12a,12bの延設方向がY’軸の方向であり、二本の振動腕部12a,12bの並ぶ方向がX軸の方向である。
次に、振動素子10の動作を説明する。音叉型の振動素子10を振動させる場合、パッド電極21a,21bに交番電圧を印加する。印加後のある電気的状態を瞬間的に捉えると、振動腕部12aの表裏の溝部13aに設けられた励振電極22bはプラス電位となり、振動腕部12aの両側面に設けられた励振電極22aはマイナス電位となり、プラスからマイナスに電界が生じる。このとき、振動腕部12bの表裏の溝部13bに設けられた励振電極22aはマイナス電位となり、振動腕部12bの両側面に設けられた励振電極22bはプラス電位となり、振動腕部12aに生じた極性とは反対の極性となり、プラスからマイナスに電界が生じる。この交番電圧で生じた電界によって、振動腕部12a,12bに伸縮現象が生じ、所定の共振周波数の屈曲振動モードが得られる。
次に、振動素子10の作用及び効果について説明する。
(1)本実施形態1によれば、切れ込み部16a,16b内で突出する薄肉部17a,17bを設けたことにより、切れ込み部16a,16b内を這い上がろうとする導電性接着剤31に対して薄肉部17a,17bが障壁となるので、切れ込み部16a,16bにおける導電性接着剤31の這い上がりを抑制できる。
また、切れ込み部16a,16b内で突出する薄肉部17a,17bを設けたことにより、切れ込み部16a,16bだけを設けた場合に比べて、導電性接着剤31の付着面積を更に増やすことができるので、導電性接着剤31と振動素子10との接着強度を更に高めることができる。
(2)薄肉部上面171が延長上面113から離れた面であり、薄肉部下面172が延長下面114から離れた面である場合は、基部11を上下対称に形成できるので、基部11の上面111及び下面112のどちらを素子搭載部材32に接着しても同様の振動特性が得られる。したがって、上面111及び下面112を確認する手間を省けるので、実装工程を簡易化できる。
(3)関連技術1では、図8に示すように、切れ込み部216aが基部211の対向側面に設けられていることにより、導電性接着剤231の這い上がりの確認作業が−X軸方向からに限られる。これに対し、本実施形態1では、図1に示すように、切れ込み部16aが頂点11aを含む部分に設けられていることにより、導電性接着剤231の這い上がりの確認作業が−X軸方向からY’軸方向までの範囲であればどこからでも可能となる。したがって、本実施形態1によれば、切れ込み部16a,16bにおける導電性接着剤31の這い上がりの確認が容易となる。
次に、実施形態1の変形例における切れ込み部及び薄肉部を、図3に基づき説明する。
図3[A]には、変形例Aにおける切れ込み部66a及び薄肉部67aが示されている。薄肉部67aは、頂点(図1における頂点11a)に相当する部分が除去されており、平面視略三角形状の平板になっている。図1に示すように、実施形態1における薄肉部17aでは、頂点11aが尖っているため、先端が欠けるおそれがある。これに対し、変形例Aにおける薄肉部67aでは、頂点に相当する部分が除去されていることにより、先端が欠けるおそれがないので、歩留りを向上できる。
図3[B]には、変形例Bにおける切れ込み部66b及び薄肉部67bが示されている。薄肉部67bは、頂点(図1における頂点11a)に相当する部分が除去されており、平面視略三角状(三辺のうち一辺が円弧状)の平板になっている。図1に示すように、実施形態1における薄肉部17aでは、頂点11aが尖っているため、先端が欠けるおそれがある。これに対し、変形例Bにおける薄肉部67bでは、頂点に相当する部分が除去されていることにより、先端が欠けるおそれがないので、歩留りを向上できる。
図3[C]には、変形例Cにおける切れ込み部66c及び薄肉部67cが示されている。薄肉部67cは、図2[B]で言えば延長下面114と薄肉部下面172とが一致した構造である。
図3[D]には、変形例Dにおける切れ込み部66d及び薄肉部67dが示されている。薄肉部67dは、図2[B]で言えば延長上面113と薄肉部上面171とが一致した構造である。
図3[E]には、変形例Eにおける切れ込み部66e及び薄肉部67eが示されている。切れ込み部66eは、図1で言えば基部11の対向側面に形成されている。
図3[F]には、変形例Fにおける切れ込み部66f,66g及び薄肉部67f,66gが示されている。切れ込み部66f及び薄肉部67fと切れ込み部66g及び薄肉部66gとは、頂点11aを挟んで一組ずつ形成されている。
上記変形例A〜Fに示すように、切れ込み部及び薄肉部の形状、個数及び位置は任意である。
次に、実施形態1の振動素子を製造する方法を実施形態2の製造方法として説明する。図4乃至図7は、実施形態2の製造方法における各工程を示す断面図である。以下、図1及び図2に図4乃至図7を加えて、本実施形態2の製造方法について説明する。
図1に示すように、振動腕部12aと振動腕部12bとは対称的に同じ構造であり、基部11の振動腕部12a側と振動腕部12b側とも対称的に同じ構造である。そこで、図4乃至図7では、図1におけるIIa−IIa線断面及びIIb−IIb線断面において、振動腕部12a側のみ、及び、基部11の振動腕部12a側のみの製造工程を示す。
本実施形態2の製造方法は、実施形態1の振動素子10を製造する方法であって、溝部13aを形成する際に、同時に切れ込み部16a及び薄肉部17aを形成する、ことを特徴とする。以下に詳しく説明する。
まず、図4[A]に示すように、例えば水晶Z板からなる基板41の表面及び裏面に耐食膜42を形成し、耐食膜42の上にフォトレジスト膜43を形成し、振動腕部となる領域52及び基部となる領域51にのみにフォトレジスト膜43が残るようにフォトレジスト膜43の一部を除去することにより、外形パターニングを行う。耐食膜42は、水晶のエッチング液に対して耐食性を有する金属からなり、例えばクロムからなる単一層でもクロム及び金からなる複数層でもよい。フォトレジスト膜43は、例えばスピンコート法によって塗布される。
続いて、図4[B]に示すように、図4[A]でフォトレジスト膜43が形成されなかった部分の耐食膜42を、エッチングにより除去する。例えば、専用のエッチング液を用いたウェットエッチングで、フォトレジスト膜43に覆われていない耐食膜42を除去する。これにより、耐食膜42が除去された部分には、基板41が現れることになる。
続いて、図4[C]に示すように、図4[B]で残っていたフォトレジスト膜43を全て除去する。
続いて、図5[D]に示すように、耐食膜42も含めた基板41の全面にフォトレジスト膜44を形成する。
続いて、図5[E]に示すように、フォトレジスト膜44の一部を除去する。このとき、振動腕部となる領域52及び基部となる領域51以外の部分のフォトレジスト膜44を除去するだけでなく、溝部となる領域53及び切れ込み部となる領域56のフォトレジスト膜44も除去することにより、溝部及び切れ込み部パターニングを行う。
続いて、図5[F]に示すように、外形エッチングを行う。すなわち、水晶Z板からなる基板41において、振動腕部となる領域52及び基部となる領域51のみを残してエッチングする。これにより、耐食膜42に覆われていない基板41すなわち水晶の露出面を、バッファードフッ酸(HF+NH4F)を用いて完全に抜くことにより、振動腕部12a及び基部11の外形を形成する。
続いて、図6[G]に示すように、溝部となる領域53及び切れ込み部となる領域56の耐食膜42を除去する。
続いて、図6[H]に示すように、溝部及び切れ込み部エッチングを行う。すなわち、水晶Z板からなる基板41において、溝部となる領域53及び切れ込み部となる領域56を一定の深さにエッチングする。これにより、耐食膜42に覆われていない基板41すなわち水晶の露出面を、バッファードフッ酸(HF+NH4F)を用いてハーフエッチングすることにより、溝部13aと同時に切れ込み部16a及び薄肉部17aを形成する。
続いて、図6[I]に示すように、耐食膜42及びフォトレジスト膜44を全て除去する。
続いて、図7[J]に示すように、基板41の表裏全面に電極膜46を形成する。電極膜46は、例えばクロム又はチタンの単層膜や、その上にパラジウム又は金を形成した積層膜などであり、例えばスパッタリングや蒸着で成膜する。
続いて、図7[K]に示すように、電極膜46の全面に電着法によりフォトレジスト膜45を形成し、電極パターンを露光及び現像する。このとき、基部となる領域51では、電極となる領域58がフォトレジスト膜45で覆われる。なお、溝部となる領域53のように微細な凹凸にまでフォトレジスト膜45を形成するには、電着法が適している。電極となる領域58には、図7[L]に示すパッド電極21bとなる領域に加え、図1に示すパッド電極21a及び配線パターン24a,24bとなる領域も含まれる。
最後に、図7[L]に示すように、フォトレジスト膜45で覆われていない電極膜46をエッチングにより除去し、その後フォトレジスト膜45も除去する。これにより、振動腕部12a及び溝部13aに励振電極22a,22bが形成され、基部11、切れ込み部16a及び薄肉部17aにパッド電極21bが形成される。このとき、図1に示すように、パッド電極21a及び配線パターン24a,24bも形成され、振動素子10が完成する。なお、周波数調整用金属膜23a,23bは、例えば別途メタルマスク及び蒸着で形成してもよい。
本実施形態2の製造方法によれば、図6[H]に示すように、溝部13a,13bと同時に切れ込み部16a,16b及び薄肉部17a,17bを形成することにより、溝部形成時のフォトマスク(図5[E])を変更するだけで既存の工程をそのまま使用できる。
なお、本実施形態2の製造方法は、溝部13a,13bと同時に切れ込み部16a,16b及び薄肉部17a,17bを形成する工程が含まれていれば、他の工程はどのようなものであってもよい。例えば、溝部、切れ込み部及び薄肉部はエッチング抑制パターンを用いて外形と同時に形成してもよいし、電極はリフトオフ法によって形成してもよいし、フォトレジスト膜はポジ型における潜像を利用することによって塗布及び剥離の回数を減らしてもよい。本実施形態2のその他の構成、作用及び効果は、実施形態1のそれらと同様である。
以上、上記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
本発明は、基部と振動部と切れ込み部とを備える振動素子であればどのようなものにでも利用でき、例えば音叉型屈曲振動素子、厚みすべり振動素子などの他に、ジャイロセンサなどのセンサ素子にも利用可能である。
<実施形態1>
10 振動素子
11 基部
11a,11b 頂点
111 上面
112 下面
113 延長上面
114 延長下面
12a,12b 振動腕部
13a,13b 溝部
15 水晶振動片
16a,16b 切れ込み部
17a,17b 薄肉部
171 薄肉部上面
172 薄肉部下面
21a,21b パッド電極
22a,22b 励振電極
23a,23b 周波数調整用金属膜
24a,24b 配線パターン
31 導電性接着剤
32 素子搭載部材
33 パッド電極
66a,66b,66c,66d,66e,66f 切れ込み部
67a,67b,67c,67d,67e,67f 薄肉部
<実施形態2>
41 基板
42 耐食膜
43,44,45 フォトレジスト膜
46 電極膜
51 基部となる領域
52 振動腕部となる領域
53 溝部となる領域
56 切れ込み部となる領域
58 電極となる領域
<関連技術1>
210 振動素子
211 基部
241 上面
242 下面
212a,212b 振動腕部
213a,213b 溝部
215 水晶振動片
216a,216b 切れ込み部
221a,221b パッド電極
222a,222b 励振電極
223a,223b 周波数調整用金属膜
224a,224b 配線パターン
231 導電性接着剤

Claims (3)

  1. 厚さ方向に上面及び下面を有するとともに、この下面が導電性接着剤によって素子搭載部材に固定される基部と、
    この基部から延設された振動部と、
    前記上面と前記下面とから前記厚さ方向に窪んだ状態になるように前記基部の外周に形成された切れ込み部と、
    を備えた水晶振動素子において、
    前記上面が延長された仮想的な面を延長上面とし、前記下面が延長された仮想的な面を延長下面としたとき、
    前記切れ込み部内に設けられ、前記延長上面及び前記延長下面の少なくとも一方から離れた状態で突出する薄肉部を、
    更に備え
    前記薄肉部は薄肉部上面及び薄肉部下面を有し、
    前記薄肉部上面は前記延長上面から離れた面であり、
    前記薄肉部下面は前記延長下面から離れた面であり、
    前記基部は、前記上面側及び下面側から見て四角形状であり、
    前記切れ込み部は、前記基部の前記振動部側の反対側の頂点を含む部分に設けられた、
    ことを特徴とする水晶振動素子。
  2. 前記薄肉部は前記頂点に相当する部分が除去された、
    請求項記載の水晶振動素子。
  3. 前記振動部に前記延設方向に沿って溝部が形成された請求項1又は2記載の水晶振動素子を製造する方法であって、
    前記溝部を形成する際に、同時に前記切れ込み部及び前記薄肉部を形成する、
    ことを特徴とする水晶振動素子の製造方法。
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