JP2014090082A - 撓み量検出装置及び撓み量検出方法 - Google Patents

撓み量検出装置及び撓み量検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板の撓みに起因した搭載不良を改善することにより、安定した搭載動作を行うこと。
【解決手段】ノズル(21)に保持された電子部品(P)を基板(W)の部品搭載位置に搭載する際に、当該基板(W)の撓み量を検出する撓み量検出装置(9)は、基板(W)の部品搭載位置における電子部品(P)の搭載前画像と搭載中画像とを取得する撮像装置(8)と、搭載前画像と搭載中画像とから、電子部品の搭載中の基板の撓み量を検出する撓み量検出部(31)とを備えている。撮像装置(8)は、ノズル(21)によって電子部品(P)が基板(W)の部品搭載位置に押し当てられた状態を搭載中画像として取得する。
【選択図】図3

Description

本発明は、実装装置による基板に対する電子部品の搭載時に、基板の撓み量を検出する撓み量検出装置及び撓み量検出方法に関する。
一般に、実装装置を用いて基板に電子部品を搭載する際には、電子部品の搭載状態が検査されている。電子部品の搭載状態の検査方法として、電子部品の搭載前後における部品搭載位置の画像を取得して、両画像を比較して電子部品の搭載状態を確認する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の検査方法では、電子部品の搭載前後の部品搭載位置の画像の差分像を生成し、差分像の特徴値、例えば重心、面積、回転等を基準値と比較することによって部品の確認が行われる。不良部品が発生した場合にはエラーが出力され、不良個所が再加工されることで搭載不良が防止される。
また、電子部品の搭載状態の検査方法として、ノズルによる一連の動作を複数回に分けて撮像する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載の検査方法では、ノズルによるピックアップ動作中に複数のタイミングで撮像され、ノズルによる搭載動作中に複数のタイミングで撮像される。そして、搭載不良が発生した場合には、オペレータが吸着工程及び搭載工程の全画像を観察することで、どの工程の撮像タイミングで不具合が発生しているかが確認される。
特許第4201711号公報 特許第4865492号公報
上記した特許文献1に記載の検査方法では、不良部品の有無を確認して不良基板の生成を防止することができるが、不良基板の発生原因を改善することはできない。この点、特許文献2に記載の検査方法では、ピックアップ動作及び搭載動作の全画像を保存しておくことで、搭載不良の発生原因を解析することが可能である。しかしながら、この検査方法では電子部品の吸着状態に起因した搭載不良の発生タイミングを突き止めることができるが、基板の撓みに起因した搭載不良を改善することはできない。すなわち、電子部品の搭載時のノズルの押し込みによる基板の撓みが考慮されておらず、安定した搭載動作を行うことができないという不具合が生じていた。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、基板の撓みに起因した搭載不良を改善することにより、安定した搭載動作を行うことができる撓み量検出装置及び撓み量検出方法を提供することを目的とする。
本発明の撓み量検出装置は、ノズルに保持された電子部品を基板に搭載する際に、当該基板の撓み量を検出する撓み量検出装置であって、前記基板の部品搭載位置を含む領域を斜め上方から撮像して前記部品搭載位置における前記電子部品を搭載する前の搭載前画像と前記ノズルによって前記電子部品が前記基板の部品搭載位置に押し当てられて前記部品搭載位置が下方に移動した状態の搭載中画像とを取得する画像取得部と、前記搭載前画像と前記搭載中画像とから、前記電子部品の搭載中の前記基板の撓み量を検出する撓み量検出部とを備えることを特徴とする。
本発明の撓み量検出方法は、ノズルに保持された電子部品を基板に搭載する際に、当該基板の撓み量を検出する撓み量検出方法であって、前記基板の部品搭載位置を含む領域を斜め上方から撮像して前記部品搭載位置における前記電子部品を搭載する前の搭載前画像と前記ノズルによって前記電子部品が前記基板の部品搭載位置に押し当てられて前記部品搭載位置が下方に移動した状態の搭載中画像とを取得するステップと、前記搭載前画像と前記搭載中画像とから、前記電子部品の搭載中の前記基板の撓み量を検出するステップとを有することを特徴とする。
これらの構成によれば、電子部品の搭載時にノズルの押し込みよる基板の撓み量が検出され、基板の撓みに起因した搭載不良を解析することができる。この場合、撓み量が大きな箇所をバックアップピンで裏側から支持することで、電子部品の搭載時に基板を安定した状態に保つことができ、電子部品を適切に搭載できる。また、撓み量が大きな箇所でのノズルの搭載動作を低速にすることで、電子部品の跳ね上がりを防止できる。さらに、基板が大きく撓んだ電子部品については、搭載後の詳細検査を実施することにより、不良の発見を促進できる。
また本発明の上記撓み量検出装置において、前記撓み量検出部は、前記搭載前画像と前記搭載中画像とから前記基板の撓み量を算出して、前記基板の撓み量が許容範囲外の場合に警告を発する。この構成によれば、基板の撓み量が許容範囲外の場合に、オペレータに対して搭載不良の解析を促すことができる。
また本発明の上記撓み量検出装置において、前記撓み量検出部は、前記電子部品毎に前記基板の撓み量を蓄積して、統計的に前記許容範囲を決定する。この構成によれば、電子部品毎に適切な許容範囲を決定することができる。
また本発明の上記撓み量検出装置において、前記撓み量検出部は、前記搭載前画像と前記搭載中画像とから前記基板の平面方向の撓み成分を前記基板の撓み量として検出する。この構成によれば、複雑な算出処理を行うことなく、基板の撓み量を容易に検出することができる。
また本発明の上記撓み量検出装置において、前記撓み量検出部は、前記基板の撓み量を前記ノズルの駆動制御にフィードバックする。この構成によれば、基板の各部品搭載位置においてノズルの動作条件が適切に設定されるため、安定した搭載動作を行うことができる。
本発明によれば、電子部品の搭載位置における基板の撓み量を検出することで、基板の撓みに起因した搭載不良を改善して、安定した搭載動作を行うことができる。
本実施の形態に係る実装装置の斜視図である。 本実施の形態に係る移載ヘッドの斜視図である。 本実施の形態に係る撓み量検出装置の模式図である。 本実施の形態に係る撓み量の検出処理の説明図である。 本実施の形態に係るテンプレート画像及びサーチ画像を示す模式図である。 本実施の形態に係る撓み量の検出処理のフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る実装装置の斜視図である。図2は、本実施の形態に係る移載ヘッドの斜視図である。なお、以下においては、本発明の撓み量検出装置を電子部品の実装装置に適用する場合について説明するが、この構成に限定されない。本発明の撓み量検出装置を他の加工装置に適用してもよい。
図1に示すように、実装装置1は、パーツフィーダ3から供給された電子部品P(図5参照)を、移載ヘッド4によって基板Wに搭載するように構成されている。実装装置1の基台2の中央には、X軸方向に沿って搬送路5が配設されている。搬送路5は、X軸方向の一端側から部品実装前の基板Wを移載ヘッド4の下方に搬入し、部品搭載後の基板WをX軸方向の他端側から搬出する。また、基台2上には、搬送路5を挟んだ両側に多数のパーツフィーダ3が横並びに配置されている。
各パーツフィーダ3にはテープリール13が着脱自在に装着され、テープリール13には多数の電子部品Pをパッケージングしたキャリアテープが巻回されている。各パーツフィーダ3は、テープリール13の回転によって移載ヘッド4にピックアップされる受け渡し位置に向けて、順番に電子部品Pを繰り出している。移載ヘッド4の受け渡し位置では、キャリアテープから表面のカバーテープが剥離され、キャリアテープのポケット内の電子部品Pが外部に露出される。
基台2上には、移載ヘッド4をX軸方向及びY軸方向に移動させる移載ヘッド移動機構6が設けられている。移載ヘッド移動機構6は、基台2の四隅に立設された支柱部15により支持されており、基台2上面から所定の高さで移載ヘッド4をX軸方向及びY軸方向に移動させる。移載ヘッド移動機構6は、支柱部15上に支持されたY軸方向に平行なY軸テーブル16及びスライドガイド17と、Y軸テーブル16及びスライドガイド17上に支持されたX軸方向に平行なX軸テーブル18とを有している。X軸テーブル18には、移載ヘッド4がX軸方向に移動可能に支持されている。
移載ヘッド移動機構6は、不図示のモータによってX軸テーブル18に沿って移載ヘッド4をX軸方向に移動させる。また、移載ヘッド移動機構6は、不図示のモータによってX軸テーブル18と共に移載ヘッド4をY軸テーブル16及びスライドガイド17に沿ってY軸方向に移動させる。このような構成により、移載ヘッド4は、基板Wの上方を水平移動され、パーツフィーダ3から供給された電子部品Pを保持して、基板Wの所望の位置に移載することが可能となっている。
また、基台2上においてパーツフィーダ3から基板Wに向かう移載ヘッド4の移動経路には、高精度の部品認識を行う撮像装置7が設けられている。撮像装置7は、移載ヘッド4に保持された電子部品Pを下側から撮像する。移載ヘッド4が電子部品Pを保持した状態を撮像装置7で撮像することにより、電子部品Pの種別、電子部品Pの位置ズレ等が検査される。
図2に示すように、移載ヘッド4は、電子部品Pを吸着可能な複数のノズル21を有している。各ノズル21は、ノズルシャフト22の先端に着脱自在に設けられている。ノズルシャフト22は、θモータ23によってZ軸回りに回転され、Z軸モータ24によってZ軸方向に昇降移動される。移載ヘッド4は、各ノズル21を各軸個別に駆動させることにより、パーツフィーダ3から複数の電子部品Pを吸着できるように構成されている。なお、移載ヘッド4のノズル21は、パーツフィーダ3から電子部品Pを取り出し可能であればよく、例えば、グリッパーノズルで構成されていてもよい。
また、移載ヘッド4には、撮像装置8及び不図示のハイトセンサが設けられている。撮像装置8は、前記移載ヘッド4に設けられた複数のノズル21のうち、1個のノズル21に対して1台の撮像装置8、もしくは複数のノズル21に対して1台の撮像装置8が配置され、ノズル21が下降してパーツフィーダの受け渡し位置に送り出された電子部品Pを吸着する前、吸着後の各画像、及び吸着した前記電子部品Pを基板Wの部品搭載位置に搭載する前、搭載中、搭載後の各画像を撮像する。搭載中とは、ノズル21によって基板Wの部品搭載位置に電子部品Pが押し当てられた状態であり、基板Wがノズル21の押圧により撓んで前記部品搭載位置が下方に移動している。この場合、撮像装置8は、パーツフィーダ3の受け渡し位置に送り出された電子部品Pや基板Wの部品搭載位置を含む領域を斜め上方から撮像するように構成されている。また、ハイトセンサは、電子部品Pや基板Wに向けて光を照射し、反射光を受光することで高さ測定する。撮像装置8の撮像画像及びハイトセンサの測定結果に基づいて、移載ヘッド4の駆動が制御される。
また、実装装置1には、上記した撮像画像や測定結果を取得して、各種処理を実行するプロセッサや、各種メモリ等が設けられている。メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の一つ又は複数の記憶媒体で構成される。このように構成された実装装置1においては、ノズル21による吸着位置や基板Wに対する部品搭載位置の位置ズレだけでなく、電子部品Pの搭載時の基板Wの撓み量を検出して、この基板Wの撓みを考慮した駆動制御を行っている。
以下、図3を参照して、基板の撓み量を検出する撓み量検出装置について詳細に説明する。図3は、本実施の形態に係る撓み量検出装置の模式図である。なお、本実施の形態に係る撓み量検出装置は一例を示すものであり、この構成に限定されない。撓み量検出装置は、基板の部品搭載位置を撮像した電子部品の搭載前画像と搭載中画像とから、基板の撓み量を検出可能であれば、どのような構成でもよい。
図3に示すように、撓み量検出装置9は、実装装置1を統括制御するメイン制御装置11と通信可能に接続されており、基板Wの部品搭載位置を撮像する撮像装置8と、撮像画像に基づいて基板Wの撓み量を検出する撓み量検出部31とを備えている。撮像装置8は、基板Wの部品搭載位置を斜め上方から撮像し、電子部品Pの搭載前画像及び搭載中画像を取得する。ここで、搭載前画像とは、基板Wの部品搭載位置に電子部品Pが搭載される前の画像である(図5参照)。搭載中画像とは、ノズル21によって基板Wの部品搭載位置に電子部品Pが押し当てられた状態の画像である(図5参照)。
撓み量検出部31は、メイン制御装置11からの各種指令を受けて、撮像装置8から取得した撮像画像に基づいて基板Wの撓み量を検出する。この撓み量検出部31は、搭載前画像及び搭載中画像を記憶する画像記憶部32、搭載前画像及び搭載中画像に基づいて基板Wの撓み量を検出する検出処理部33、基板Wの撓みの検出結果を蓄積する蓄積部34、警告部品を解析する蓄積データ処理部35を有している。また、撓み量検出部31には、各部の処理を実行するプロセッサ36が設けられている。
画像記憶部32は、撮像装置8から各電子部品Pの搭載前画像及び搭載中画像を取得して書き換え可能に記憶する。この場合、搭載前画像及び搭載中画像は、電子部品Pの種別や基板Wの部品搭載位置等に関連付けられて記憶されている。検出処理部33は、テンプレート画像生成処理部33a、サーチ画像生成処理部33b、テンプレートマッチング処理部33c、XYズレ量算出処理部33d、撓み量判定処理部33e、警告処理部33f等の各種処理部を含んでいる。
撓み量検出部31においては、テンプレート画像生成処理部33aにて画像記憶部32から搭載前画像が読み出され、搭載前画像から所定の圧縮率でテンプレート画像が生成される。また、サーチ画像生成処理部33bにて画像記憶部32から搭載中画像が読み出され、搭載中画像からテンプレート画像と同一の圧縮率でサーチ画像が生成される。そして、テンプレートマッチング処理部33cにて、サーチ画像に対してテンプレート画像でテンプレートマッチングが行われ、最も相関値が高かった位置座標が特定される。
テンプレートマッチングによって位置座標が特定されると、XYズレ量算出処理部33dにて、位置座標からサーチ画像のXY方向のズレ量がそれぞれ算出される。このXY方向のズレ量は、基板Wの撓み量がXY方向の各成分となって表れたものである。このため、XYズレ量算出処理部33dでは、Z方向のズレ量ではなく、XY方向のズレ量を基板Wの撓み量として算出している。そして、撓み量判定処理部33eにてXY方向のズレ量が許容範囲外か否かが判定され、許容範囲外の場合に警告処理部33fにて電子部品P(部品搭載位置)に警告が出力される。
蓄積部34は、電子部品P毎に撓み量検出部31で検出された基板Wの撓み量を蓄積する。基板Wの撓み量は、電子部品Pの種別、基板Wの部品搭載位置、警告の有無等に関連付けられて記憶される。蓄積データ処理部35は、蓄積部34を参照して警告の出ている電子部品Pを抽出して、基板Wに対する搭載状態の検査や蓄積データの解析を実施する。このように、本実施の形態では、電子部品P毎に基板Wの撓み量が蓄積されるため、基板Wの撓みに起因した搭載不良を解析して、これを改善することが可能になっている。
図4及び図5を参照して、基板の撓み量の検出処理について説明する。図4は、本実施の形態に係る撓み量の検出処理の説明図である。図5は、本実施の形態に係るテンプレート画像及びサーチ画像を示す模式図である。なお、図4Aは電子部品の搭載動作を側方から見た図、図4Bは電子部品の搭載動作を斜め上方から見た図である。また、図4では、初期位置における基板を仮想線、最下位置における基板を実線で示している。
図4Aに示すように、電子部品Pの搭載時には、ノズル21の先端に保持された電子部品Pが基板Wの部品搭載位置の真上に搬送される。そして、ノズル21がZ軸方向に下降することで、ノズル21の先端に保持された電子部品Pが基板Wの部品搭載位置に押し当てられる。これにより、基板Wの部品搭載位置の半田41(図5参照)上に電子部品Pが載置され、基板Wに対して電子部品Pが搭載される。このとき、ノズル21によって基板Wが下方に押し込まれることで、基板Wが初期位置L1から最下位置L2まで撓んでいる。また、撮像装置8が基板Wを斜め上方から撮像しているため、基板Wの撓み量に応じて撮像画像の中心位置が位置ズレする。
具体的には、図4Bに示すように、基板Wの撓み量に応じて撮像装置8の撮像範囲がXY方向に位置ズレする。このように、基板Wの撓み量は、Z軸方向だけでなく、X軸方向及びY軸方向の各成分としても表れる。よって、初期位置L1から最下位置L2に撓む際の基板WのXY方向のズレ量を求めることで、基板Wの撓み量の大きさを推定することができる。そこで、本実施の形態では、電子部品Pが搭載される前に、初期位置L1にある基板Wを撮像して撮像前画像を取得し、電子部品Pの搭載中に、最下位置L2にある基板Wを撮像して搭載中画像を取得する。そして、搭載前画像及び搭載中画像の差分からXY方向のズレ量を算出している。
搭載中画像は、ノズル21がストローク終端に到達したタイミングで撮像される。なお、搭載中画像は、ノズル21のストローク終端への到達タイミングによりも僅かに遅れて撮像されてもよい。これにより、ノズル21による押し込み量よりも基板Wの撓み量が大きく、ノズル21がストローク終端に到達してから、僅かに遅れて基板Wが最下位置L2まで撓む場合にも最下位置L2において搭載中画像を撮像できる。また、搭載中画像は、厳密に最下位置L2で撮像される構成に限定されない。搭載中画像は、基板Wの撓み量を検出可能な範囲であれば、最下位置L2の手前で撮像されてもよい。
図5の図示左側に示すように、搭載前画像が撮像されると、搭載前画像からテンプレート画像が生成される。テンプレート画像は、搭載前画像を所定の圧縮率で圧縮して生成される。また、図5の図示右側に示すように、搭載中画像が撮像されると、搭載中画像からサーチ画像が生成される。サーチ画像は、搭載中画像をテンプレート画像と同じ圧縮率で圧縮して生成される。なお、サーチ画像のサイズはテンプレート画像のサイズ以上であることが好ましい。また、テンプレート画像及びサーチ画像には、既に搭載された電子部品Pや半田41等の周辺情報が含まれている。
このように生成されたテンプレート画像及びサーチ画像に対して、両画像に含まれる周辺情報を用いてテンプレートマッチングが実施される。なお、マッチングの処理速度を上げるために、ピラミッド構造化したテンプレートマッチングが実施されてもよい。この場合、テンプレート画像及びサーチ画像について複数の圧縮率で圧縮して、サーチ階層を増加させる。また、サーチ階層の増加によるマッチング精度の低下を抑えるために、サーチ画像からノズル21の表示領域を除外して処理してもよい。
テンプレートマッチング処理により、搭載前画像に対する搭載中画像のXY方向のズレ量が算出される。このときのXY方向のズレ量は、基板Wの撓み量のXY方向の撓み成分だけでなく、基板Wの部品搭載位置に対する電子部品Pの位置ズレも含んでいる。このため、予めZ軸方向の違いから想定されるXY方向のズレ量を記憶しておくようにする。これにより、XY方向のズレ量が、Z軸方向の違いから想定されるXY方向のズレ量と異なる場合に、基板Wの撓みだけでなく基板Wの部品搭載位置に対する電子部品Pの位置ズレが発生していることを特定することができる。
このようにして算出されたXY方向のズレ量は、基板Wの撓み量として許容範囲外か否かが判定される。基板Wの撓み量が許容範囲外の場合には、電子部品Pの部品搭載位置の基板Wの撓み量が異常であることが警告される。また、基板Wの撓み量は、電子部品Pの種別、基板Wの部品搭載位置、警告の有無等に関連付けられて電子部品P毎に記憶される。このため、警告が発せられた電子部品Pについて基板Wに対する搭載状態を検査することができ、基板Wの撓みに起因した搭載不良を解析して改善することができる。
例えば、警告が発生された電子部品Pの部品搭載位置から基板W内の撓みの分布図を作成し、撓み量が大きな位置をバックアップピンで裏側から支持する。これにより、電子部品Pの搭載時に基板Wを安定した状態で保つことができる。なお、撓みの分布図は、オペレータが手動で作成してもよいし、撓み量検出装置9が基板Wの撓み量と部品搭載位置から自動で作成してもよい。また、警告が発生された電子部品Pについて、基板Wの撓み量をノズル21のZ軸制御にフィードバックして、電子部品Pの搭載時に基板Wからの跳ね上がりを防止することもできる。
図3及び図6を参照して、基板の撓み量の検出処理の流れについて説明する。図6は、本実施の形態に係る撓み量の検出処理のフローチャートである。なお、図6は、撓み量の検出処理の一例を示すものであり、この構成に限定されない。
図6に示すように、撮像装置8によって搭載前画像及び搭載中画像が取得される(ステップS01)。この場合、撮像装置8が基板Wの部品搭載位置の上方に位置付けられ、撮像装置8によって電子部品Pの搭載前画像が撮像される。さらに、ノズル21が下降して電子部品Pが基板Wに押し当てられ、撮像装置8によって電子部品Pの搭載中画像が撮像される。次に、搭載前画像からテンプレート画像が生成され(ステップS02)、搭載中画像からサーチ画像が生成される(ステップS03)。なお、上記したようにサーチ画像のサイズはテンプレート画像のサイズ以上であることが好ましい。
次に、テンプレート画像とサーチ画像とにテンプレートマッチング処理が実施される(ステップS04)。これにより、テンプレート画像とサーチ画像とにおいて最も相関値が高かった位置座標が特定される。次に、テンプレートマッチングの処理結果として特定された位置座標に基づいて、テンプレート画像(撮像前画像)に対するサーチ画像(撮像中画像)のXY方向のズレ量が算出される(ステップS05)。このXY方向のズレ量は、基板Wの撓み量のXY方向成分を示している。
次に、XY方向のズレ量が許容範囲内か否かが判定される(ステップS06)。この場合、X方向及びY方向のズレ量がそれぞれ個別に判定されてもよいし、X方向及びY方向のズレ量の合成したズレ量が判定されてもよい。XY方向のズレ量が許容範囲外の場合には(ステップS06でNo)、部品搭載位置の撓み量が異常であることが警告され(ステップS07)、XY方向のズレ量が基板Wの撓み量として蓄積される(ステップS08)。一方、XY方向のズレ量が許容範囲内の場合には(ステップS06でYes)、警告されることなくXY方向のズレ量が基板Wの撓み量として蓄積される(ステップS08)。
蓄積された基板Wの撓み量は、警告の有無と共に電子部品Pの各種データや部品搭載位置に関連付けられる。このため、警告された電子部品Pついては、オペレータに搭載不良の解析を促すことができる。また、蓄積されたデータを電子部品Pの種別毎に集計して、統計的に許容範囲が決定されてもよい。例えば、ステップ06において、蓄積されたデータから作成した正規分布を用いて、XY方向のズレ量が3σに入る場合には許容範囲内と判定され、XY方向のズレ量が3σに入らない場合には許容範囲外と判定される。
以上のように、本実施の形態に係る撓み量検出装置によれば、電子部品Pの搭載時にノズル21の押し込みよる基板Wの撓み量が検出され、基板Wの撓みに起因した搭載不良を解析することができる。この場合、撓み量が大きな箇所をバックアップピンで裏側から支持することで、電子部品Pの搭載時に基板を安定した状態に保つことができ、電子部品Pを適切に搭載できる。また、撓み量が大きな箇所でのノズル21の搭載動作を低速にすることで、電子部品Pの跳ね上がりを防止できる。さらに、基板Wが大きく撓んだ電子部品Pについては、搭載後の詳細検査を実施することにより、不良の発見を促進できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状等については、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、本実施の形態では、基板Wの撓み量として、XY方向のズレ量を算出したが、この構成に限定されない。基板Wの撓み量として、XY方向のズレ量からZ方向のズレ量を算出してもよい。
また、本実施の形態では、基板Wの撓み量が許容範囲外の場合に警告する構成としたが、警告方法は特に限定されない。例えば、音声報知、表示報知、発光報知の少なくとも1つを用いて警告してもよい。
また、本実施の形態では、全ての部品搭載位置における基板Wの撓み量が蓄積される構成としたが、この構成に限定されない。警告を受けた部品搭載位置に関する基板Wの撓み量だけが蓄積されてもよい。
以上説明したように、本発明は、基板の撓みに起因した搭載不良を改善することにより、安定した搭載動作を行うことができるという効果を有し、特に、実装装置に適用される撓み量検出装置及び撓み量検出方法に有用である。
1 実装装置
4 移載ヘッド
8 撮像装置(画像取得部)
9 撓み量検出装置
21 ノズル
31 撓み量検出部
32 画像記憶部
33 検出処理部
34 蓄積部
33a テンプレート画像生成処理部
33b サーチ画像生成処理部
33c テンプレートマッチング処理部
33d XYズレ量算出処理部
33e 量判定処理部
33f 警告処理部

Claims (6)

  1. ノズルに保持された電子部品を基板に搭載する際に、当該基板の撓み量を検出する撓み量検出装置であって、
    前記基板の部品搭載位置を含む領域を斜め上方から撮像して前記部品搭載位置における前記電子部品を搭載する前の搭載前画像と前記ノズルによって前記電子部品が前記基板の部品搭載位置に押し当てられて前記部品搭載位置が下方に移動した状態の搭載中画像とを取得する画像取得部と、
    前記搭載前画像と前記搭載中画像とから、前記電子部品の搭載中の前記基板の撓み量を検出する撓み量検出部とを備えることを特徴とする撓み量検出装置。
  2. 前記撓み量検出部は、前記搭載前画像と前記搭載中画像とから前記基板の撓み量を算出して、前記基板の撓み量が許容範囲外の場合に警告を発することを特徴とする請求項1に記載の撓み量検出装置。
  3. 前記撓み量検出部は、前記電子部品毎に前記基板の撓み量を蓄積して、統計的に前記許容範囲を決定することを特徴とする請求項2に記載の撓み量検出装置。
  4. 前記撓み量検出部は、前記搭載前画像と前記搭載中画像とから前記基板の平面方向の撓み成分を前記基板の撓み量として検出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の撓み量検出装置。
  5. 前記撓み量検出部は、前記基板の撓み量を前記ノズルの駆動制御にフィードバックすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の撓み量検出装置。
  6. ノズルに保持された電子部品を基板に搭載する際に、当該基板の撓み量を検出する撓み量検出方法であって、
    前記基板の部品搭載位置を含む領域を斜め上方から撮像して前記部品搭載位置における前記電子部品を搭載する前の搭載前画像と前記ノズルによって前記電子部品が前記基板の部品搭載位置に押し当てられて前記部品搭載位置が下方に移動した状態の搭載中画像とを取得するステップと、
    前記搭載前画像と前記搭載中画像とから、前記電子部品の搭載中の前記基板の撓み量を検出するステップとを有することを特徴とする撓み量検出方法。
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