JP2014089028A - 局所空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】結露回避制御によって結露発生を防止しつつ、それによって冷媒温度を上昇させても液バック等の問題が生じないようにできる。
【解決手段】吸込暖気温度と冷媒温度の測定値、および蒸発器6の熱交換特性(温度効率ε)とに基づいて吹出冷気温度の限界値(下限値)を算出し(S1)、この限界値が目標値(設定温度)を上回る状況になったら(S2,YES)、設定値の代わりに当該設定値よりも高い温度の内部目標値を、吹出冷気温度の目標値とする。そして、内部目標値が限界値と略同一となるように調整制御する(S3,S4,S5,S6,S7,S9)。
【選択図】図3

Description

本発明は、局所空調システムに係わる結露防止制御に関する。
例えば多数の電算機を収容している電算機室(サーバルーム等)のような発熱密度が高い空間を冷却する為の空調システムに関しては、例えば特許文献1等に開示されている空調システムが知られている。この特許文献1では、高発熱、大風量に起因するラック毎の局所的な高温発生問題を解決できる空調システムが提案されている。また、特許文献1には、結露防止制御方法が開示されている。
あるいは、複数の局所空調装置を室内の各所(各電算機収納ラックの上方等)に配置して、各局所空調装置がそれぞれ比較的狭いエリア内の冷却を行う局所空調システムが知られている。
上記特許文献1における従来の結露防止制御方法では、露点温度と冷媒温度との温度差に基づいて、冷媒圧送装置や冷熱源の出力量を調整することで結露回避を行っている。しかし、この様な方法では、冷媒圧送装置の冷媒ポンプ回転数を下げるとモータ始動トルク不足によるポンプ停止が発生する可能性があり、同様に冷熱源の冷凍機出力を下げると(コンプレッサーの回転数を下げると)コンプレッサー始動トルク不足による冷凍機停止が発生する可能性がある。
また、上記のような電算機室において局所的な冷却に用いられる局所空調装置は、特に電算機等の電子機器を収容するラック等の上方に設置される場合、結露が発生すると、その水滴が下に落ちて電算機等を濡らし、電算機等を故障させる等の重大事故に繋がる可能性がある。よって、上記ポンプ停止等の事態が生じることなく確実に結露発生を防止できる、信頼性の高い結露回避制御が行えることが望まれている。
上記問題を解決する為に、例えば特許文献2の発明が提案されている。
特許技術2の発明では、ラック上方に設置した局所冷却装置での結露発生による漏水・サーバ損傷のリスク回避の為に、冷媒ポンプユニットの三方弁により冷媒温度を上昇させて露点温度と冷媒温度の差を一定値以上に制御している。
特開2006−162248号公報 特開2010−216765号公報
上記特許文献2の手法では、露点温度に応じて冷媒温度を上昇させることで、結露発生を回避することができるが、冷媒温度を上昇させることで問題が生じる場合がある。すなわち、冷媒温度の上昇により局所冷却ユニットの吹出空気温度(冷気温度)を目標値(設定温度)に維持できなくなる可能性がある(例:冷媒温度が23℃の場合に吹出空気温度はそれ以下になり得ない)。
冷媒温度が高い状態となった場合には、膨張弁の弁開度を増加させて蒸発器への冷媒供給量を増加させても、吹出温度は目標値(設定温度)以下にはならない。しかしながら、この様な場合、通常、吹出温度を目標値に近づけようと制御するために、蒸発器に対する冷媒の供給量を増加させていくので、冷媒を過剰に供給することとなり、液冷媒が局所冷却ユニット内の蒸発器内で蒸発しきらずに戻ってきてしまう現象(いわゆる、液バック)が発生する。
液バック状態では、冷媒流量当りの冷却能力で定義されるエネルギー輸送効率の低下が生じるし、最悪の場合には本来はガス状態の冷媒が存在する復路配管内に、液冷媒が貯留してしまう状態になり、このことにより冷媒ポンプユニットの冷媒タンク内液冷媒の欠損(冷媒レベル異常)によりポンプが停止し、冷却機能が失われる可能性があるという問題がある。
本発明の課題は、結露回避制御によって結露発生を防止しつつ、それによって冷媒温度を上昇させても液バック等の問題が生じないようにでき空調システムの安定運転を維持できる局所空調システム等を提供することである。
本発明の局所空調システムは、暖気を吸気して冷却して所定エリアに冷気として吹き出す、少なくとも蒸発器を有する局所冷却ユニットであって電子機器が搭載されたラックの上方に設置される局所冷却ユニットと、該局所冷却ユニットの蒸発器に冷媒を供給する冷熱源ユニットとを有する局所空調システムにおいて、前記冷気の測定温度である吹出冷気温度が、外部から任意に設定される目標値となるように、前記蒸発器への冷媒供給量を制御する吹出温度制御手段と、前記吹出冷気温度を前記目標値に維持することが出来なくなるか否かを判定する判定手段と、該判定手段によって前記吹出冷気温度を前記目標値に維持することが出来なくなると判定された場合には、前記目標値の代わりに該目標値よりも高い温度である内部目標値を用いて、前記吹出温度制御手段に前記吹出冷気温度が該内部目標値となるように制御を行わせるモードである内部目標制御モードへと移行するモード変更手段とを有する。
本発明の局所空調システム等によれば、結露回避制御によって結露発生を防止しつつ、それによって冷媒温度を上昇させても液バック等の問題を生じさせずに空調システムの安定運転を維持できる。
本例の局所空調システムを含む全体構成の断面図である。 本例の局所空調システムの詳細構成図である。 本例の吹出空気温度の調整制御の処理フローチャート図である。 本例の結露回避制御の処理フローチャート図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1には、本例の局所空調システムを含む全体構成の断面図を示す。
図1において、例えば多数の電算機等の電子機器を収容している電算機室等のような発熱密度が高い任意の室内空間25において、複数列の機器収納用ラック1が設けられている。各機器収納用ラック1には電子機器等が収容されている。ここでは2列の機器収納用ラック1a,1bを示すが、この例に限らない。
各機器収納用ラック1の上方には冷却ユニット2(局所冷却ユニット;局所空調装置)が設けられている。ここでは2つの冷却ユニット2のみ示すが、冷却ユニット2は上記室内空間25内の各所(特に各機器収納用ラック1の上方)に設けられている。
冷却ユニット2の基本構成自体は、従来と略同様であってよく、ここでは特に詳細には説明しないが、蒸発器6、送風装置(ファン)9等を有する構成である。蒸発器6には、例えば各冷却ユニット2に共通の冷熱源ユニット18から送出される冷媒(液冷媒)が、配管を介して供給される。そして、蒸発器6内で冷媒が気化する際に周囲の熱を奪い(気化熱)、以って蒸発器6の周辺の空気等を冷却する。そして、上記の通り、液冷媒が供給過剰となると蒸発器6で蒸発しきらない現象(液バック)が発生する場合がある。
冷却ユニット2に流入する暖気は、上記蒸発器6によって冷却され、この冷却空気(冷気)が送風装置9によって所定の冷却対象局所空間(例えば機器収納用ラック1aと1bの間の空間)へと送出される。
尚、上記の通り、一台の冷熱源ユニット18が、複数台の冷却ユニット2に冷媒を供給する構成であってもよいが、この例に限らず、各冷却ユニット2それぞれに対応する冷熱源ユニット18があってもよい。つまり一台の冷熱源ユニット18が、一台の冷却ユニット2に対してのみ冷媒を供給する構成であってもよい。
図2に、本例の局所空調システムの詳細構成図を示す。これは主に上記冷却ユニット2及び冷熱源ユニット18の詳細構成を示すが、これらの詳細構成は基本的には従来と略同様であってよい。更に、冷却回路11等は、特許文献2と略同様であってよい。
ここで、図1には示していないが、局所空調システムには、冷熱源ユニット18に対して冷媒を供給する為の構成として図2に示す冷却回路11が存在している。冷熱源ユニット18に対して冷媒(例えば、冷却液や冷水等)を供給する為の構成自体は、従来から存在するが、従来と異なる点(特許文献2の構成)は、主に図2に示す構成の冷却回路11を設けたこと(特に三方弁24を設けたこと)、及びこの三方弁24の制御処理にあり、これによって、冷媒供給装置16(例えば、冷媒ポンプ)や冷熱源20の出力量を調整することなく(よって、冷媒ポンプ停止や冷凍機停止等が発生することなく)、図示の冷却回路7(特に蒸発器6)における結露発生を回避するものである。
尚、蒸発器6に供給される冷媒との混同を避ける為、本説明では、上記冷却回路11における冷媒(冷熱源20から凝縮器12に供給する冷媒)を、冷却液(冷水等)であるものとして説明するが、これは一例であり、この例に限らない。
この様に、三方弁24を設け、その制御によって結露発生を回避できるので、従来のようにモータ始動トルク不足によるポンプ停止や、コンプレッサー始動トルク不足による冷凍機停止が発生することはなく、信頼性が高い結露回避冷却運転を行うことができる。この点自体は、特許文献2と略同様であってよいが、この様な結露発生防止制御を実行することで、上述した課題が生じることになっていたが、本手法ではこの様な課題を解決できる。これについては後に説明する。
なお、ここでは一例として三方弁24を用いているが、流量を分岐(或いは混合)させ且つ流量を制御できる機構であればよく、例えばコックや制御弁の付いた二又管を複数個組み合わせて構成しても構わない。この様なものを総称して弁装置と呼ぶものとする。そして、本説明では、弁装置の一例である三方弁24を例にして説明する。
以下、上記冷却ユニット2、冷熱源ユニット18、冷却回路11の詳細構成・動作について説明するが、上記の通り、これらの構成自体は特許文献2と略同様であってよいので、簡単に説明するものとする。尚、図示の各種矢印(太線、実線、点線)のうち、太線の実線矢印は空気の流れを示し、点線の矢印は信号線を示し、細線の実線の矢印は冷媒や冷却液の流れ(及び冷媒等が流れる配管)を示す。
以下、冷却ユニット2の詳細構成・動作について説明する。
まず、冷却ユニット2は、上記電子機器等の発熱体を有する機器収納用ラック1の背面側から排出される暖気を、吸込口3とエアフィルター4を通じて吸引し、この暖気が蒸発器6や膨張弁5等から構成された冷却回路7(図上、1点鎖線で囲む部分)により冷却された冷気を、送風装置9と吹出口8を介して、ラック1正面側に送風することで発熱体を冷却するものである。
尚、一般的なことであるが、蒸発器6には上記冷熱源ユニット18から送られてくる冷媒が膨張弁5を介して流入し、この冷媒を蒸発器6内で蒸発させて蒸発潜熱を周囲から吸収することで周囲を冷却し、蒸発冷媒は冷熱源ユニット18に戻される。図上、膨張弁5の右横に示すバルブ状のものは、電磁弁であり、冷媒はこの電磁弁を介して蒸発器6に流入する。尚、蒸発器6への冷媒供給量は、例えば、この電磁弁あるいは不図示の膨張弁の弁開度を制御することで、調整することができる。但し、この例に限らず、蒸発器6への冷媒供給量は、冷媒供給装置16(例えば、冷媒ポンプ)の出力(冷媒送出量)を制御することでも、調整することができる。
ここで、冷却ユニット2は、更に、制御装置10と演算通信装置23を備える。制御装置10は、例えばマイコン等であり、予め内部メモリ等に記憶されている所定のアプリケーションプログラムを演算プロセッサが実行することにより、既存の一般的な各種制御(例えば膨張弁5の弁開度や送風装置9の送風量の制御等)を実行し、更に後述する本手法の露点回避に係わる処理の一部を実行するものであってもよい。
また、演算通信装置23は、基本的には外部との通信を行う機能部あり、図示の例では制御装置17と通信線(点線で示す)を介して通信を行う。また、演算通信装置23は、例えば不図示のMPU等を有し、後述する本手法の露点回避に係わる処理の一部を実行するものであってもよいが、この処理は制御装置10が行っても良く、その場合には演算通信装置23は(演算処理を行わない)単なる通信装置であってもよい。
また、冷却ユニット2には更に、ユニット2内の各所の温度を測定する温度計(図上、“TC”で示す)や、湿度を測定する湿度計(図上、“MC”で示す)が備えられており、各温度計/湿度計と上記制御装置10とは通信線(点線で示す)で接続されており、制御装置10は各温度計/湿度計で測定された温度データ/湿度データを随時収集している。
ここで、上記各温度計/湿度計のうち、特に本制御に関係のあるものについては参照番号を付してあり、参照番号を付したものだけ説明し、他については説明しないものとする。すなわち、まず、エアフィルタ4と蒸発器6の間の暖気吸入経路上に(蒸発器6の上流に)、温度計21と湿度計22を設けてある。これらは吸入暖気の温度と湿度を計測するものであって、以って露点温度を求める為のものである。この例に限らず、温度計21と湿度計22の代わりに(あるいはこれらに加えて更に)露点温度計を設けてもよい。
一例としては、制御装置10が、温度計21と湿度計22によって計測された(吸入暖気の)温度データ及び湿度データに基づいて、これら温度計21、湿度計22の設置箇所の(吸入暖気の)露点温度を算出する。露点温度の算出式は、よく知られているものなので、ここでは特に説明しない。また、露点温度計を用いる場合には、制御装置10は単に露点温度計で計測された露点温度データを取得するだけである。
また、図示の温度計26は、例えば、蒸発器6に流入する直前の(蒸発器入口の)冷媒の温度を計測する為の温度計である。但し、この例に限らず、例えば蒸発器6の表面温度等を計測するものであってもよい(本説明では、この場合も、計測温度を冷媒温度とみなす)。
また、図示の温度計31は、例えば、冷却ユニット2から送出される空気(冷気;吸入暖気を蒸発器6で冷却したもの)の温度を計測する為の温度計である。例えば、上記制御装置10、17などは、温度計31による計測温度(吹出冷気温度)が、上位装置(例えば指令装置19等)からの指令(上位設定値;例えばユーザが指令装置19等において任意に設定した温度など)に応じて制御を行う。この制御の一例が、上述した蒸発器6への冷媒供給量の制御であり、上記の様に弁開度や冷媒供給装置16の調整制御を行うものであるが、この例に限らない。
上記露点温度及び冷媒温度に基いて上記三方弁24の制御等を実行する。これは、後に図4のフローチャート図を参照して説明するが、この処理自体は特許文献2と略同様であってよい。
以下、図示の制御装置17、冷熱源ユニット18、冷却回路11等について説明する。
制御装置17は、図1には示していないが、本例の局所空調システム全体を制御する装置であり、冷却ユニット2、冷熱源ユニット18、冷却回路11等を制御する。制御装置17は、マイコン等を有し、予め記憶されている所定のアプリケーションプログラムをCPUが実行することで各種制御を行う。尚、従来より行われている一般的な各種制御に関しては、ここでは特に説明しない。本手法に係わる制御についてのみ説明する。
尚、制御装置17は、指令装置19からの何らかの指示に応じた制御を行う場合もある。例えば、指令装置19は、制御装置17に、冷却ユニット2の送風量と設定温度(上位設定値)の指令を出す。制御装置17は、この指令に応じて、各種制御動作を行う(上記の通り、既存の一般的な制御であり、ここでは特に説明しない)。
制御装置17は、上記従来の制御処理機能に加えて、更に後述する三方弁24の弁開度の制御処理機能を有するという特徴を有する。この特徴部分以外は従来と略同様であってよい。
また、冷熱源ユニット18は、上記の通り従来と同じであってよく、簡単に説明するならば、凝縮器12、受液器13、冷媒供給装置16を有し、また各所に温度計(図上“TC”で示す)を設けており、制御装置17はこの温度データ等に基づいて例えば冷媒供給装置16等を制御する。あるいは、各冷却ユニット2に指令を出す。
凝縮器12には上記蒸発器6からの冷媒(気体状態;蒸発冷媒と呼ぶものとする)が流入し、これを冷却・液化して液体状態の冷媒に戻す。この液体冷媒は、一旦、受液器13に貯留した後、冷媒供給装置16によって冷却ユニット2側に送り出されて、蒸発器6に流入する。
凝縮器12には、冷却回路11(図上、1点鎖線で囲む部分;尚、冷熱源20が含まれてもよい)から冷却液が供給されている。すなわち、凝縮器12には冷熱源20からの冷却液(例えば冷水等)が送出管27を介して送られてきて、この冷水によって上記蒸発冷媒の冷却・液化が行われる。これによって蒸発冷媒が冷却される一方で冷水は温められる(これを温水と呼ぶものとする)。この温水は戻り管28を介して冷熱源20に戻され、冷熱源20によって冷却されることで再び冷水となって送出管27に送出される。
但し、本システムでは戻り管28の途中に三方弁24を設けている。
以下、この三方弁24に係わる構成、及び三方弁24の制御処理について説明する。
まず、本例の三方弁24は、1方向からの流入口と2方向への流出口とを具えるタイプ(管路を分流させるタイプ)である。既に述べた通り三方弁24は戻り管28の途中に設けられおり、流入口は凝縮器12側の戻り管28に接続しており、2方向への流出口は、一方は冷熱源20側の戻り管28(ここでは図示の通り戻り管28’と記すものとする)に接続し、他方は図示の短絡管29に接続している。短絡管29の他方は、送出管27に接続している。つまり、短絡管29を介して送出管27に直接、温水等を流出可能な構造となっている。
三方弁24の上記2方向への流出口それぞれには、当然、弁が設けられており、制御装置17が、これら各弁の弁開度を調整制御できる構成となっている。
このような三方弁24を設けたことにより、凝縮器12側から戻される上記温水を、冷熱源20側と送出管27側に分配することができる。分配比率は制御装置17の制御によって自由に調整できる。すなわち、凝縮器12側から戻される上記温水を100%冷熱源20側に送ることも、100%送出管27側に送ることも、あるいは例えば50%対50%や、30%対70%等、自由に調整することができる。
冷熱源20側への分配比率を100%にした場合は、従来と同じであり、凝縮器12から戻される温水の全ては、冷熱源20に流入されて冷却されて、送出管27を介して凝縮器12に送られる。一方、冷熱源20側への分配比率が100%未満である場合(但し、0%にはしない)、凝縮器12から戻される温水の一部は、短絡管29を介してダイレクトに送出管27に送られる。つまり、この場合、凝縮器12に流入する冷水は、冷熱源20からの冷水と三方弁24からの温水との混合液となり、当然、冷熱源20側への分配比率が100%である場合に比べてその温度は高くなる。
つまり、上記構成では、三方弁24における分配比率を制御することにより(2つの流出口の各弁の弁開度を制御することにより)、凝縮器12に流入(供給)される冷水の温度を調整する(特に温度上昇させる)ことができ、この冷水によって冷却される冷媒の温度を調整する(特に温度上昇させる)ことができる。これは、特に、結露発生を回避(防止)するために冷媒の温度を上昇させるものであるが、それによって上述した問題(液バック等)が起こる場合が起こる場合がある。この問題を解決する為に、本例では例えば図3の制御を行うものであり、これについては後に説明する。
尚、冷却回路11の構成(特に三方弁24に係わる構成)は、上述した一例に限らず、例えば上記特許文献2の図5(a)、(b)、(c)、(d)等に示す構成であっても構わない。例えば、上記特許文献2の図5(d)の構成では、三方弁24は送出管27側に設けられており、凝縮器12への冷却液の流入量を減少させることができるように構成している。
以上説明したように、本例では、上記構成の三方弁24を調整・制御することで、結露発生の回避(防止)を行うことができる。
つまり、本例では、結露発生可能性ありと判定した場合には、三方弁24の弁開度調整によって、冷熱源ユニット18の凝縮器12に供給する冷却液(冷水等)の温度を上昇させる(または流量(熱交換流量)を減少させる)ことにより、冷却回路7に流入する冷媒の温度を上昇させることで、結露回避ができるので、冷媒供給装置16のポンプ回転数や冷熱源20の出力量を調整する必要なく、結露回避を行うことができ、ポンプ停止や冷凍機停止等の問題が生じることはなく、信頼性が高い結露回避冷却運転が可能となる。
しかしながら、この制御によって、上述した問題(液バック等)が起こり得るので、本手法では、例えば図3の処理によってこの問題を解決する。
図3は、本例の吹出空気温度の調整制御の処理フローチャート図である。
本手法では、状況次第では、目標値(吹出空気温度目標値;ユーザが任意に設定した温度等の上位設定値)の代わりに、下記の内部目標値を用いて、局所冷却装置(冷却ユニット2)の吹出空気温度(吹出冷気温度)の調整制御を実行するモード(内部目標制御モードというものとする)へと移行する。尚、上記目標値を用いる通常の制御状態を通常モードと呼ぶものとする。
図3の処理では、例えば、所定の条件に該当する状態となった場合(ステップS2の判定がYESの場合)、上記通常モードから上記内部目標制御モードへと移行する。内部目標制御モードでは、設定値の代わりに内部目標値を用いて、上記吹出冷気温度が内部目標値となるように制御する。内部目標値は、基本的には、目標値より高い温度となる。
また、図3の処理は定期的に(定周期で)実行され、内部目標値は、随時更新される。ここで、“内部目標値”は、例えば下記の算出式(1)により算出する。
内部目標値=目標値+オフセット値・・・(1)式
オフセット値は、例えば、予め任意に決められている所定量(後述するΔT)ずつ増減される。そして、内部目標値が、後述する限界値と略同一となるように制御する。また、例えば、「内部目標値=目標値」となったら、通常モードに戻るようにしてもよい。
上記のように、本手法では、通常モードでは上記吹出冷気温度が目標値となるように(目標値を維持するように)制御するが、所定の条件に該当する状態となった場合(例えば、上記蒸発器6への冷媒供給量の調整制御等では、上記吹出冷気温度を目標値に維持することができないと判定される場合には;例えば後述する限界値(下限値)が目標値より高い状態となったら)、上記内部目標制御モードへと移行する。上記のように、内部目標値は基本的に目標値より高い温度であるが、更に、内部目標値が限界値(下限値)と略同一となるように内部目標値を更新制御することで、蒸発器6への冷媒供給量が過剰となる事態を回避し、以って液バック状態となる事態を回避できるようにすると共に、吹出冷気温度の上昇を出来る限り抑えることができる。
尚、上記のことから、内部目標値は例えば仮の目標値等と言い換えてもよい。
以下、図3の処理について、図示の例に従って更に詳細に説明する。
まず、局所冷却ユニット(冷却ユニット2)の吸込空気温度(吸込暖気温度)、冷媒温度(蒸発器入口温度)の測定値、および蒸発器6の熱交換特性(温度効率ε)を入力する。尚、温度効率εは、例えば後述する算出式(3)等により算出したものを入力する。そして、これら入力データと例えば後述する算出式(2)等に基づいて、上記測定した温度の冷媒での吹出空気温度の限界値(下限値)を演算する(ステップS1)。
ここで、上記限界値(下限値)の演算方法について一例を説明する。
上記温度効率εは、例えば下記の算出式(2)によって算出する。
尚、本例では、上記算出式(2)における「高温流体入口温度」が上記吸込暖気温度に相当し、「低温流体入口温度」が上記冷媒温度(蒸発器入口温度)に相当する。また、算出式(2)における「高温流体出口温度」が上記吹出冷気温度に相当する。
また、上記温度効率εは、上記低温流体(冷媒など)が(例えば相変化を伴うために)温度一定の場合、熱通過率K、伝熱面積A、熱容量流量(ρCpV)、風量Vによって決まる(例えば下記の算出式(3)によって算出できる)ものとなる。
ここで、上記熱通過率K、伝熱面積Aは設計値であり事前に設定しておけばよい。また、上記熱容量流量(ρCpV)は送風量Vから計算でき(なお、ρとCpは空気の密度と比熱であり予め設定される)、例えば上位装置から冷却ユニット2の送風量設定値を取得すればよい。このようにして上記算出式(3)によって温度効率εを算出することができ、以って、上記算出式(2)における左辺の値が決まることになる。そして、算出式(2)の右辺における“高温流体入口温度”に上記局所冷却装置の吸込空気温度(暖気温度)の測定値を代入し、“低温流体入口温度”に上記冷媒温度の測定値を代入すれば、算出式(2)における“高温流体出口温度”が求められる。この“高温流体出口温度”が上記吹出空気温度の限界値(下限値)となる。尚、本例では、高温流体とは空調対象の空気(暖気)、低温流体とは冷媒を意味する。
尚、上記算出式(3)における伝熱面積Aは、冷却能力100%の状態のときの伝熱面積を意味し、蒸発器への冷媒供給量を減少させれば(弁を絞れば)伝熱面積は減少することになる。
尚、上述した一例に限るものではなく、例えば上記算出式(2)における“低温流体入口温度”として、上記冷媒温度の測定値を用いる代わりに、露点温度(その測定値等)に基づく下記の算出結果を用いるようにしてもよい。
“低温流体入口温度”=露点温度+ΔT1
ここで、ΔT1は、図4の処理でステップS13等に用いる、予め設定される定数である。つまり、従来技術の結露回避制御では、露点温度と冷媒温度との差が一定値以上(ΔT1以上)となるように制御することから、例えば冷媒温度=露点温度+ΔT1として上記算出式(2)を演算して、以って吹出空気温度(吹出冷気温度)の限界値を演算することも可能である。つまり、冷媒温度の代わりに露点温度を用いて吹出空気温度の限界値を演算することも可能である。
次に、吹出空気温度の目標値を取得して、この目標値が上記演算した限界値(下限値)未満であるか否か(目標値<限界値であるか否か)を判定する(ステップS2)。逆に言えば、限界値(下限値)が設置温度を越える(上回る)状況であるか否かを判定する。これは、吹出冷気温度の制御可否を判定するものと言える。すなわち、現在の冷媒温度で吹出冷気温度を目標値に維持することが出来るか否かを判定するものである。
もし、目標値が限界値未満(目標値<限界値)であるならば(ステップS2,YES)、これは吹出冷気温度の制御が困難(現在の冷媒温度では吹出冷気温度を目標値に維持することができない)と判定されるものであり、ここでは図示しないが、例えば、上述した内部目標制御モードへと移行することになる。そして、この場合、例えばステップS3以降の処理によって、内部目標値を調整制御する。これは、例えば、内部目標値が限界値と略同一となるように調整するものである。
すなわち、まず、内部目標値が上記限界値(下限値)未満であるか否か(内部目標値<限界値であるか否か)を判定する(ステップS3)。
ここで、内部目標値は上記(1)式で算出するものであり、後述するステップS10の処理で算出する。上記オフセット値は、0以上であるので、内部目標値は常に目標値以上(内部目標値≧目標値)となる。尚、初期であり未だステップS10の処理が1度も行われていないときには、内部目標値=目標値として判定処理するものとし、従ってステップS2の判定がYESのときにはステップS3の判定もYESとなるようにしてもよい。また、オフセット値は初期値=‘0’とする。
もし、上記ステップS3の判定がYESの場合(内部目標値<限界値である場合)、現在のオフセット値に予め設定される所定値(ΔT)を加算することで、オフセット値を増加更新する(オフセット値=オフセット値+ΔT)(ステップS4)。そして、新たなオフセット値を用いてステップS10の処理、すなわち上記(1)式により新たな内部目標値の算出処理を実行する。ステップS4→ステップS10のルートで処理した場合には、新たな内部目標値は、新たな内部目標値を算出する一つ前の内部目標値よりもΔTだけ増加する。そして、次に図3の処理実行したときに再びステップS4→ステップS10のルートで処理した場合には、新たな内部目標値は更にΔTだけ増加する。
そして、図3の処理が終了し、上記の通り、新たな内部目標値を用いて、局所冷却装置の吹出空気温度の調整制御が行われることになる。そして、所定時間後に再び図3の処理が実行されて、更に新たな内部目標値が決定されることになり、当該新たな内部目標値を用いて局所冷却装置の吹出空気温度の調整制御が行われることになる。これが繰り返されることになる。
尚、ΔTは予め設定される所定値であり、例えばΔT=1[K]とした場合には、上記処理では内部目標値は1℃ずつ増加されることになる。本例では、これは、増加のときだけでなく減少のときにも同様である(1℃ずつ減少される)が、この例に限らない。
尚、上記内部目標制御モード中における図3の処理で、例えば、ステップS2の判定がNOとなった場合には、特に図示していないが、上記通常モードに戻るようにしてもよい。
一方、ステップS3の判定がNOの場合、すなわち“内部目標値≧限界値”である場合には、続いて、“内部目標値>限界値”であるのか“内部目標値=限界値”であるのかを判定するが(ステップS6)、図示の例ではその前に現在のオフセット値が‘0’であるか否かを判定する(ステップS5)。尚、後述の通りオフセット値は負の値をとらないので、‘0’でないならば“0<オフセット値”となる。
もし、オフセット値が‘0’の場合には(ステップS5,NO)、ステップS9の処理へ移行する。尚、この場合、実質的に、「内部目標値=目標値」の状態でステップS3がNOとなったことになるので、ステップS2の判定もNOとなる状態のはずである。従って、図示していないが、この場合には通常モードに戻るようにしてもよい。
一方、もし、オフセット値が‘0’ではないならば(“0<オフセット値”)(ステップS5,YES)、上記ステップS6の処理へ移行する。
オフセット値が‘0’ではない場合(ステップS5,YES)、上記の通り“内部目標値>限界値”であるのか“内部目標値=限界値”であるのかを判定する(ステップS6)。そして、“内部目標値>限界値”である場合には(ステップS6,YES)、現在のオフセット値から所定値(ΔT)を減算することでオフセット値を減少更新する(オフセット値=オフセット値−ΔT)(ステップS7)。そして、新たなオフセット値を用いてステップS10の処理を実行する。すなわち上記(1)式により新たな内部目標値の算出処理を実行する。上述したことから、この場合には、新たな内部目標値は現在値よりも小さくなる(ΔT減少する)。尚、ステップS7で“オフセット値<0”となる場合、“オフセット値=0”とする。
一方、“内部目標値=限界値”である場合には(ステップS6,NO)、ステップS9の処理へ移行する。
ステップS9の処理は、オフセット値を現状維持とする処理である。従って、ステップS5がNOでステップS9の処理を実行する場合には、オフセット値が‘0’の状態を維持することになり、以って“内部目標値=目標値”の状態を維持することになる。また、ステップS6がNOでステップS9の処理を実行する場合には、オフセット値は現状維持となり(尚、この場合はステップS5がYESの判定なので‘0’以外となる;勿論、負の値ではない)、以って“内部目標値=限界値”の状態を維持することになる。
尚、上述したように、図示の例に限るものではなく、例えばステップS9の処理はステップS6がNOの場合のみ実行されるものとし、ステップS5がNOの場合あるいはステップS2がNOの場合には(尚、この場合、ステップS8は無くなるようにしてもよい)、通常モードに戻る処理を行うようにしてもよい(通常モードのときには通常モードを続行する)。尚、この場合、オフセット値は初期値(=0)に戻すようにしてもよい。また、尚、ステップS9の処理はオフセット値を現状維持する処理なので、オフセット値が維持されるのなら、特に設けなくても構わない。
本例では、ステップS2がYESとなる状況になったら、目標値の代わりに内部目標値を用いて吹出冷気温度が内部目標値の温度となるように制御すると共に、“内部目標値=限界値”の状態となるようにオフセット値を調整し(以って内部目標値を調整し)、“内部目標値=限界値”の状態となったらこの状態を維持する。この様にすることで、結露を回避するために冷媒温度が高い状態となっても、液バック状態にならないようにしつつ、内部目標値(この状態における実質的な吹出冷気温度の制御目標温度)が出来るだけ高くならないように抑えるように制御できる。
また、上記ステップS2の判定がNOの場合、すなわち“目標値≧限界値”である場合には、現在のオフセット値が「0<オフセット値」であるか否かを判定する(ステップS8)。そして、現在のオフセット値が‘0’である場合には(ステップS8,NO)、ステップS9の処理へ移行する。この場合には、上記ステップS5がNOの場合と略同様に、ステップS9の処理によってオフセット値が‘0’の状態を維持することになる。
一方、現在のオフセット値が「0<オフセット値」である場合には(ステップS8,YES)、ステップS7の処理を実行してステップS10の処理を実行することになる。
本手法では、上記図3の処理と共に、図4の結露回避制御処理を行うようにしてもよい。
尚、図4の処理は、特許文献2の処理と同じであってよく、以下、簡単に説明する。
図4の処理例では、まず、随時(所定時間間隔で)各種センサ等の計測データを収集している。例えば、温度計、湿度計で計測される吸入暖気の温度データ、湿度データ、蒸発器入口での冷媒の温度データ等を収集している(ステップS11)。
そして、取得した上記吸入暖気の温度データ、湿度データに基づいて、吸入暖気の露点温度を算出し(ステップS12)、この露点温度と上記冷媒温度とに基づいて、結露発生の可能性があるか否か(結露発生可能性が高いか否か)を判定する(ステップS13)。
ステップS13の処理は、例えば「冷媒温度−露点温度≦ΔT1(ΔT1;予め設定される、所定の温度差)」であるか否かを判定するものである。すなわち、冷媒温度と露点温度との温度差が、予め設定される所定値以下となったか否かを判定し、所定値以下となった場合には(ステップS13,YES)、結露発生可能性ありと判定するものである。結露発生可能性無しであれば(ステップS13,NO)、図5の処理は終了する。
そして、結露発生可能性ありと判定した場合には(ステップS13,YES)、三方弁24の弁開度調整制御を行う(ステップS14)ことによって。冷媒温度を上昇させることで、結露発生を防止するものである。
特許文献2等に記載の結露回避制御により、露点温度上昇に伴って冷媒温度を上昇させた場合、吹出空気温度の限界値(下限値)が、上位装置等から設定された吹出空気温度の目標値を上回る場合もある。この場合に、上記の冷媒温度では吹出空気温度を目標値に維持することは出来ないと判定して、目標値の代わりに仮の温度目標値(内部目標値)を用いて吹出空気温度の制御を行うモード(内部目標制御モードというものとする)に移行すると共に、内部目標値を例えば限界値(下限値)と略同一にする。
尚、上述した一例では、上記仮の温度目標値(内部目標値)の急変が吹出温度制御の外乱とならない様に、オフセット値をΔT[K]ずつ増減させる制御フローを示しているが、このフローの例に限定されるものではない。
尚、上述した制御例は、一例であり、この例に限らない。他の制御方法であってもよく、例えば他の例として下記の(A)、(B)を提案する。
(A)予め冷媒温度に関する閾値αを設定しておく。この閾値αは、例えば、「露点温度とは無関係に、冷却能力を維持するために計算で求められた冷媒温度」であり、例えば開発者等が自己の考えなどに基づいて予め計算・決定して設定しておく。
そして、露点温度上昇に伴い冷媒温度を上昇させる制御が行われている状態では、現在の冷媒温度測定値を上記閾値αと比較して、冷媒温度測定値が閾値αを越えたか否か(測定値>αか)を判定する。そして、測定値>αとなった場合には、上記目標値の代わりに上記内部目標値を用いるモードへと移行する。そして、測定値と閾値αとの差分β(=測定値−α)を算出し、内部目標値=目標値+βによって内部目標値を求めて、この内部目標値を用いて制御を行う。
(B)「この露点温度とこの風量ならば、吹出空気温度はこれ以上は下げられない」という吹出空気温度下限値を算出する為の下記の算出式(4)と定数a,b,cを、予め開発者等が考えて設定しておく。
z=ax+by+c (4)式
(x;露点温度測定値
y;風量(上位設定値)
z;吹出空気温度下限値
a、b、c;システムの性能等から開発者が任意に設定した定数
そして、運用中、例えば定期的に、露点温度測定値と風量(上位設定値)を取得して、上記算出式によって吹出空気温度下限値zを算出する。そして、算出した吹出空気温度下限値zが、吹出空気温度目標値(上位設定値)を越えた場合には、上位設定値の代わりに上記内部目標値を用いるモードへと移行する。この場合、例えば、吹出空気温度下限値zを、上記内部目標値とする。
上述した図3等に示す制御例も、上記(A)、(B)の制御例も、何れも、結露回避制御として、露点温度上昇に伴って冷媒温度を上昇させる制御が行われることを前提とする。そして、何れの場合でも、基本的には、上記冷媒温度の上昇のために、吹出冷気温度を目標値に維持することが出来なくなると判定した場合には、設置温度の代わりに内部目標値を用いるモードへと移行するものであり、これによって結露発生を防止しつつ液バック発生を未然に防ぐことができる。つまり、上記ステップS2などによって、このままでは液バックが発生する可能性があることを判定することができ、対応処理することができる。
上述した図3、図4等に示す制御例や、上記(A)、(B)の制御例は、制御装置10で実行してもよいし、制御装置17で実行してもよいし、制御装置10と制御装置17の両方で(例えば処理を分担して)実行してもよい。上記の通り、制御装置10と制御装置17は、例えばマイコン等であり、不図示の演算プロセッサやメモリ等を有しており、メモリ等に予め記憶されているアプリケーションプログラムを、演算プロセッサが読出し・実行することにより、上述した図3、図4等に示す制御例や、上記(A)、(B)の制御例の処理を実現させる。
以上、上述した何れかの制御方法により、高露点による高冷媒温度状態であっても、結露を防止しつつ空調システムを保護した安定運転を維持できる。
尚、本発明の適用対象は、図2に示すような構成の空調システムに限らず、例えば冷媒ポンプではなく圧縮機を備える構成の空調システム、すなわち一般的な冷凍サイクルの空調システム(蒸発器、圧縮機、凝縮器、膨張弁を有するもの)であっても適用可能である。この様な空調システムであっても、上記“液バック”が生じた場合には、機器の故障等の不具合を招く可能性が高くなる。
また、上記吹出温度目標を内部的にオフセットした制御中(内部目標制御モード中)は、上位装置(指令装置19等)にその旨を通知するシステムとしてもよい(あるいはランプ点灯等により報知する)。これにより、顧客側は例えば下記のようにすることができる。
・上記のモード中は、吹出空気温度が設定値通りにならないが、故障ではないことが理解できる(事前に説明しておけば露点温度が高いことが原因と理解できる)。
・これより、顧客側では、外調機に対して何等の操作を行うことで、露点温度を下げることを試みることもできる。尚、外調機とは、局所空調システムの空調対象空間(サーバルーム)等を含む建物内に対する空調システムであり、これを操作することでサーバルーム内の露点温度を変える(例えば除湿運転開始することで露点温度を下げる)ことが可能となるような空調システムである。尚、局所空調システムには除湿機能はない(結露を招くので)。
・あるいは、実露点温度に合わせて吹出温度目標を設定変更するなどの対策を速やかに実施することが可能となる。
上述した対応を行うことで、システム保護運転(上記モードによる運転)の長期化を回避することが可能である。
尚、上記露点温度演算に関しては、既に述べた通り既存技術であるが、ここで一応概略的に説明しておくならば、まず温度データに基づいて飽和水蒸気圧を算出し、更に湿度データに基づいて水蒸気分圧を算出し、これに基づいて露点温度を算出する。これら各処理の具体的な算出式等については、一般的なものであるので、ここでは特に説明しない。また、露点温度計を用いてもよい。
尚、上記制御装置10または/及び制御装置17は、特に図示しないが例えば下記の各種処理機能部を有するものと言うこともできる。
・上記吹出冷気温度が上記目標値となるように、蒸発器6への冷媒供給量を制御する吹出温度制御部;これは既存の制御部であり、且つ、上記通常モードでの動作である。上記の通り、内部目標制御モードにおいては、上記目標値の代わりに、内部目標値を用いて吹出冷気温度の調整制御を行うことになる。
・上記吹出冷気温度を目標値に維持することが出来なくなるか否かを判定する判定部;これは、例えば上記ステップS1とS2による判定処理を行う処理機能部であるが、この例に限らず、上記(A)や(B)で述べた判定を行うものであってもよい。
・上記判定部によって吹出冷気温度を目標値に維持することが出来なくなると判定された場合には、目標値の代わりに、該目標値よりも高い温度である内部目標値を用いて、上記吹出温度制御部に上記吹出冷気温度が該内部目標値となるように制御を行わせるモードである内部目標制御モードへと移行するモード変更部;尚、モード変更部は、更に、状況に応じて(例えばステップS2がNOと判定される状態になったら)上記内部目標制御モードから通常モードに戻す制御を行うものであってもよい。
・上記各種機能部に加えて、更に、吸込暖気温度と流入冷媒温度と、蒸発器6の熱交換特性(温度効率ε)とに基づいて、吹出冷気温度の下限の限界値を算出する限界値算出部を有するものであってもよい;この場合、上記判定部は、上記限界値算出部で算出された上記限界値が、目標値を上回る場合に、吹出冷気温度を目標値に維持することが出来なくなると判定するものであってよいが、この例に限らない。
・上記各種機能部に加えて、更に、内部目標制御モード中、内部目標値が限界値と略同一となるように該内部目標値を調整する内部目標値調整部を有するものであってもよい。
以上説明したように、本手法では、特に結露発生防止の為に冷媒温度を上昇させている状況下で、現在の冷媒温度では吹出空気温度(冷気温度)を目標値(設定温度)に維持できないと判定した場合には、目標値の代わりに、目標値より高い温度の内部目標値を仮の目標値とすることで、液バック等の発生を防止する。また、例えば、内部目標値を吹出空気温度の限界値(下限値)と略同一となるように調整することで、吹出空気温度の上昇を抑えつつ、液バック等の発生を防止することができる。
この様に、本手法の局所空調システムによれば、高露点による高冷媒温度状態であっても結露発生を防止しつつ空調システムを保護した安定運転を維持できるという顕著な効果を奏する。
1 機器収納用ラック
2 冷却ユニット(局所冷却装置;局所空調装置)
3 吸込口
4 エアフィルター
5 膨張弁
6 蒸発器
7 冷却回路
8 吹出口
9 送風装置
10 制御装置
11 冷却回路
12 凝縮器
13 受液器
16 冷媒供給装置
17 制御装置
18 冷熱源ユニット
19 指令装置
20 冷熱源
21 温度計
22 湿度計
23 演算通信装置
24 三方弁
25 室内空間
26 温度計
27 送出管
28 戻り管
29 短絡管
31 温度計

Claims (7)

  1. 吸気した暖気を冷却して所定エリアに冷気として吹き出し、少なくとも蒸発器を有し、電子機器が搭載されたラックの上方に設置される局所冷却ユニットと、該局所冷却ユニットの蒸発器に冷媒を供給する冷熱源ユニットとを有する局所空調システムにおいて、
    前記冷気の測定温度である吹出冷気温度が、外部から任意に設定される目標値となるように、前記蒸発器への冷媒供給量を制御する吹出温度制御手段と、
    前記吹出冷気温度を前記目標値に維持することが出来なくなるか否かを判定する判定手段と、
    該判定手段によって前記吹出冷気温度を前記目標値に維持することが出来なくなると判定された場合には、前記目標値の代わりに該目標値よりも高い温度である内部目標値を用いて、前記吹出温度制御手段に前記吹出冷気温度が該内部目標値となるように制御を行わせるモードである内部目標制御モードへと移行するモード変更手段と、
    を有することを特徴とする局所空調システム。
  2. 前記局所冷却ユニットには、前記蒸発器へ供給される前記冷媒の温度である流入冷媒温度、前記吸気する暖気の温度である吸込暖気温度、前記吹出冷気温度の各々を測定する各温度センサが備えられており、
    前記測定される前記吸込暖気温度と前記流入冷媒温度と、前記蒸発器の温度効率とに基づいて、前記吹出冷気温度の下限の限界値を算出する限界値算出手段を更に有し、
    前記判定手段は、前記限界値算出手段で算出された前記限界値が前記目標値を上回る場合に、前記吹出冷気温度を前記目標値に維持することが出来なくなると判定することを特徴とする請求項1記載の局所空調システム。
  3. 前記内部目標制御モードにおいて、前記内部目標値が前記限界値と略同一となるように該内部目標値を調整する内部目標値調整手段を更に有することを特徴とする請求項2記載の局所空調システム。
  4. 前記内部目標値調整手段は、
    前記内部目標値=前記目標値+オフセット値
    によって該内部目標値を随時算出すると共に、該オフセット値を所定量ずつ増減させることで該内部目標値を所定量ずつ増減させることによって、該内部目標値が前記限界値となるように調整制御することを特徴とする請求項3記載の局所空調システム。
  5. 前記内部目標制御モードであることを外部装置に通知または報知することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の局所空調システム。
  6. 前記流入暖気の露点温度を計測する露点温度計測手段と、
    前記局所冷却ユニットに供給される前記冷媒の温度を計測する冷媒温度計測手段と、
    前記露点温度と前記冷媒温度との温度差に基づいて、結露発生可能性ありか否かを判定する結露発生判定手段と、
    前記結露発生判定手段により結露発生可能性ありと判定された場合、前記冷媒の温度を上昇させる冷媒温度制御手段と、
    を更に有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の局所空調システム。
  7. 吸気した暖気を冷却して所定エリアに冷気として吹き出し、少なくとも蒸発器を有し、電子機器が搭載されたラックの上方に設置される局所冷却ユニットと、該局所冷却ユニットの蒸発器に冷媒を供給する冷熱源ユニットとを有すると共に、各局所冷却ユニット毎の制御装置または/及び各局所冷却ユニットと前記冷熱源ユニットを制御する全体制御装置を有する局所空調システムにおいて、
    前記各制御装置または/及び前記全体制御装置は、
    前記冷気の測定温度である吹出冷気温度が、外部から任意に設定される目標値となるように、前記蒸発器への冷媒供給量を制御する吹出温度制御手段と、
    前記吹出冷気温度を前記目標値に維持することが出来なくなるか否かを判定する判定手段と、
    該判定手段によって前記吹出冷気温度を前記目標値に維持することが出来なくなると判定された場合には、前記目標値の代わりに該よりも高い温度である内部目標値を用いて、前記吹出温度制御手段に前記吹出冷気温度が該内部目標値となるように制御を行わせるモードである内部目標制御モードへと移行するモード変更手段と、
    を有することを特徴とする局所空調システム。

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