JP2014089003A - 空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】装飾部品を前面グリルに固定する際に、複数の爪を不要とした構造によって、変形のない美しい外観を得ることができる空気調和機を提供すること。
【解決手段】筺体と、筺体の前面に取付けられる前面グリル11と、前面グリル11に備えられる装飾部品12と、前面グリル11の前面に係止される化粧パネル13とからなる空気調和機の室内機1であって、前面グリル11は、前面側に形成された溝部110を備え、装飾部品12は、溝部110に嵌め込まれる棒状の軟質材からなる押出成型品であり、化粧パネル13は、装飾部品12の一部が露出するように溝部110と装飾部品12を覆うものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、空気調和機に関し、特に前面グリルを装飾する装飾部品の固定構造に関する。
近年、空気調和機の室内機は、意匠性に高級感が求められ、室内機の前面を構成する前面グリルに光輝性を有する装飾部品を備えるようになっている。例えば、塩化ビニル樹脂などの軟質材からなる押出成型品の表面に光輝性金属蒸着層を有するフィルムを溶着した装飾部品を前面グリルの周囲に設けられた複数のツメに固定するようにした構造のものがある(例えば、特許文献1参照)。
この装飾部品は断面U字状に形成された溝を備え、前面グリルの周囲に間隔を置いて複数の爪が形成され、装飾部品の溝に複数の爪を嵌め込むことにより、装飾部品を前面グリルに容易に固定することができる。また、前面グリルに固定された装飾部品は軟質材からなるため、リサイクル時などの作業の際に、装飾部品を前面グリルの手前に引っ張ることにより、複数の爪の引っ掛かりが解除され、前面グリルから装飾部品を容易に取り外すことができる。
しかしながら、特許文献1のように構成された室内機では、軟質材からなる装飾部品を複数の爪に固定しただけであるため、装飾部品はリサイクル時などの作業で取り外しが容易な反面、複数の爪で固定された所が経年変化で部分的に変形し、前面グリルの正面から見て波のような曲線になって見栄えの悪い外観になるという問題点があった。また、装飾部品は押出成型後、前面グリルの周囲の長さに合わせ、所定の長さに切断される端部の切り口が樹脂の露出状態になっているため、装飾部品の端部の切り口を見栄え良くするのにキャップを被せて隠す必要があるという問題点があった。
特開2011−99596号公報
本発明は上記問題点に鑑み、装飾部品を前面グリルに固定する際に、複数の爪を不要とした構造によって、変形のない美しい外観を得ることができる空気調和機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の空気調和機は、筺体と、筺体の前面に取付けられる前面グリルと、前面グリルに備えられる装飾部品と、前面グリルの前面に係止される化粧パネルとからなり、前面グリルは、前面側に形成された溝部を備え、装飾部品は、溝部に嵌め込まれる棒状の軟質材からなる押出成型品であり、化粧パネルは、装飾部品の一部が露出するように溝部と装飾部品を覆うものである。
また、溝部の溝端部と、溝端部に嵌め込まれた装飾部品の端部は、露出せずに化粧パネルで覆われ、装飾部品の露出幅は一定ではなく、さらに、溝部は、屈曲部を有し、屈曲部に嵌め込まれた装飾部品の内径側が、化粧パネルによって覆われるものである。
本発明の空気調和機によれば、前面グリルに備えられた溝部に嵌め込まれた装飾部品の一部が露出するように、化粧パネルによって溝部と装飾部品を覆うようにした。これにより、装飾部品を前面グリルに固定する際に、複数の爪を不要とした構造によって、変形のない美しい外観を得ることができる。
また、本発明の空気調和機によれば、溝部の溝端部が化粧パネルで覆われるため、装飾部品の端部に被せるキャップを必要とせず、コストダウンになり、美しい外観を得ることができる。また、装飾部品の露出幅は、一定ではないため、1本の装飾部品の見る場所の違いで光輝性が強調された装飾表現を得ることができる。さらに、溝部の屈曲部に嵌め込まれた装飾部品の内径側が、化粧パネルによって覆われるため、装飾部品の内径側に発生するシワが隠せるので、外観の品質低下を防ぐことができる。
本発明による空気調和機を示す外観斜視図である。 図1におけるA矢視の丸印部を示す説明図で、(a)は正面から見た部分拡大図、(b)は(a)のD−D部分断面図である。 図1におけるB矢視の丸印部を示す説明図で、(a)は正面から見た部分拡大図、(b)は(a)の化粧パネルを取外した状態を示す図である。 図1におけるC−C部分断面図である。 図1におけるA矢視の丸印部を示す説明図で、化粧パネルを取外した状態を示す図である。 本発明による空気調和機の他の実施例を示す説明図で、(a)は図1におけるA矢視の丸印部に相当する部分拡大図、(b)は(a)のE−E部分断面図、(c)は(a)のF−F部分断面図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。本実施形態による空気調和機の室内機として、図1に示すように、壁掛型室内機1を例に挙げて説明する。なお、図2(a)、図3および図5は、室内機1を正面から見て右側角部のみを示した図であるが、左側角部も右側角部と対称な構造になっているものとして説明する。
<全体構成>
図1に示すように、室内機1は、図示しない送風ファン、熱交換器、エアフィルタなどを内部に収容した箱状の筺体10と、筺体10の前面に取付けられる前面グリル11と、前面グリル11に備えられる装飾部品12と、前面グリル11の前面に係止される化粧パネル13とを備えている。室内機1は、筺体10の上部から吸込んだ空気を熱交換器で熱交換し、送風ファンにより吹出口の風向板14で室内に吹出す構造になっている。
<前面グリル>
前面グリル11は、図1乃至図4に示すように、上下方向に比べて左右方向に長い矩形に形成され筺体10の前面を覆い、メンテナンス時には取り外し可能となっており、装飾部品12が嵌め込まれる溝部110と、化粧パネル13を取付けるための複数の係止孔118とを備えている。
溝部110は、前面グリル11の正面から見たとき、前面グリル11の正面の周囲縁部111に沿い、U字状に形成されている。溝部110は、前面グリル11の背面側に凹む断面コ字状に形成されている。また、溝部110は、断面コ字状に替えて底面が狭く開口が広い断面台形状でもよい。
溝部110は、前面グリル下部の左右方向に延在する左右延在部112と、前面グリル側面の上下方向に延在する上下延在部113と、前面グリル下部の両側角部で屈曲する下部屈曲部114と、前面グリル上部の両側角部で屈曲する上部屈曲部115と、上部屈曲部115から前面グリル11の内側に延在する上部延在部116と、上部延在部116の端に形成された溝端部117とを備えている。
係止孔118は、前面グリル11の厚さ方向に貫通した矩形状の孔であって、前面グリル11の正面から見たとき、溝部110の上下延在部113よりも内側にあり、上下延在部113と平行に上下方向に間隔を置いて形成されている。
<装飾部品>
装飾部品12は、図2(b)に示すように、断面かまぼこ状の棒状部品であり、透明フィルムの裏面に蒸着された光輝性金属蒸着層と、光輝性金属蒸着層の裏面に形成された接着層とを備えた光輝性金属蒸着フィルム120と、塩化ビニル樹脂などの押出成型品からなる軟質材の基材121とからなり、光輝性金属蒸着フィルム120の接着層と基材121の表面とを溶着することにより一体的に形成される、いわゆる光輝モールである。
装飾部品12は、前面グリル11に備えられた溝部110の全長よりも若干短い長さに形成され、両端が端部122となる。装飾部品12は、光輝性金属蒸着フィルム120の表面が前面グリル11の正面から見て露出するように前面グリル11の溝部110に沿って嵌め込まれる。装飾部品12の光輝性により室内機1の縁がメタリック調に輝き、意匠性に高級感が与えられる。
なお、装飾部品12は、断面かまぼこ状の棒状部品に替えて、図示はしないが、断面コ字状の棒状部品でもよく、この場合は、前面グリル11の溝部110の下部屈曲部114および上部屈曲部115で曲面に沿って曲げ易く嵌め込み易くなる。
<化粧パネル>
化粧パネル13は、図1乃至図3に示すように、前面側がフラットで前面グリル11の大きさよりもひとまわり小さく、上下方向に比べて左右方向に長い矩形の板状であり、周囲縁部131に沿って形成され装飾部品12を押さえる押さえ部130と、前面グリル11に備えられた係止孔118に対応する複数の係止爪137とを備えている。
押さえ部130は、化粧パネル13を前面グリル11に取付けたとき、溝部110上にはみ出すように形成され、前面グリル11の溝部110の左右延伸部112に嵌め込まれた装飾部品12を押さえる左右押さえ部132と、前面グリル11の溝部110の上下延伸部113に嵌め込まれた装飾部品12を押さえる上下押さえ部133と、化粧パネル下部の両側角部に沿い、前面グリル11の溝部110の下部屈曲部114に嵌め込まれた装飾部品12を押さえる下角部押さえ部134と、化粧パネル上部の両側角部に沿い、前面グリル11の溝部110の上部屈曲部115に嵌め込まれた装飾部品12を押さえる上角部押さえ部135と、上角部押さえ部135から化粧パネル13の内側に延びた上部押さえ部136とからなる。
係止爪137は、化粧パネル13の背面側から突出するように形成された弾性を有する爪であって、化粧パネル13の正面からみたとき、上下押さえ部133よりも内側にあり、上下押さえ部133と平行に上下方向に係止孔118と同じ間隔を置いて形成されている。すなわち、係止爪137は、前面グリル11に備えられた係止孔118に対応する位置に形成されている。
<組立>
次に、前面グリル11と化粧パネル13で装飾部品12を固定する方法について説明する。図3および図4に示すように、装飾部品12の一方の端部122を前面グリル11の一方の溝端部117から上部延在部116にかけて嵌め込む。次に、一方の上部屈曲部115、上下延在部113、下部屈曲部114の順に嵌め込む。その後、左右延在部112、反対側の下部屈曲部114、上下延在部113、上部屈曲部115の順に嵌め込み、反対側の上部延在部116から溝端部117にかけて他方の端部122を嵌め込む。
溝部110に嵌め込んだ装飾部品12の全長は、溝部110の全長よりも短く形成されているため、図3(b)のように、装飾部品12の端部122と溝端部117との間に遊び空間Sが形成される。これにより、装飾部品12は、押出成型時の収縮や膨張および押出成型後の切断時の長さのバラツキや、周囲温度の変化による収縮や膨張による長さの変化が遊び空間Sによって吸収される。
次に、図1および図4に示すように、溝部110に装飾部品12を嵌め込んだ前面グリル11の係止孔118に、化粧パネル13に備えられた係止爪137を差込むことで前面グリル11に化粧パネル13が係止される。
化粧パネル13は、図2(a)に示すように、装飾部品12が溝部110に嵌め込まれた状態で内側縁部123から中間部124までの範囲が均一な幅になるように押さえ部130で押えつける。この結果、装飾部品12は、図2(b)のように、中間部124から外側縁部125までの範囲が均一な幅で露出する露出部Pが得られる。
また、装飾部品12は、図5に示すように、光輝性金属蒸着フィルム120の素材によって、曲げた部分の内側にシワCが発生することがあるが、図2(a)に示すように、装飾部品12の内側縁部123から中間部124までの範囲が化粧パネル13の下角部押さえ部134によって押さえつけられるため、化粧パネル13の正面からシワCを覆い隠して外観の品質低下を防止できる。
そして、化粧パネル13は、図3(a)に示すように、溝部110の上部屈曲部115から延出部116と溝端部117に嵌め込まれた装飾部品12の端部122を露出せずに、化粧パネル13の上角部押さえ部135および上部押さえ部136で隠れるように覆うことで、装飾部品12の端部122に被せるキャップを必要とせずコストダウンになり、端部122の切り口が完全に覆い隠され、室内機1の使用者に不快感のない美しい外観を得ることができる。
以上説明してきた実施形態による室内機1によれば、化粧パネル13に備えられた押さえ部130によって、前面グリル11に備えられた溝部110に嵌め込まれた装飾部品12が押さえられ、溝部110が確実に保持されるとともに、均一な幅で露出するように、前面グリルに備えられた溝部110を覆うようにした。このため、装飾部品12は、前面グリル11の周囲に複数の爪を必要とせずに、溝部110に嵌め込んだ状態で保持されるので、簡単な構造によって、装飾部品12を前面グリル11に固定することができ、かつ、装飾部品12が経年変化で変形することなく、前面グリル11の正面から見て縁がメタリック調に輝く直線になって高級感のある美しい外観を保つことができる。また、装飾部品12は、室内機1の運搬や運転などの時に振動があっても、化粧パネル13に備えられた押さえ部130がストッパーの役目を果たし、溝部110から脱落するのを防止することができる。
さらに、装飾部品12は、化粧パネル13に備えられた押さえ部130によって押さえられると、装飾部品12が軟質材のため、横に広がり溝部110の側壁に密着するので、溝部110との隙間がなくなり、前面グリル11の正面から見て美しい外観を得ることができる。また、溝部110が断面台形状の場合は、溝部110の傾斜面に装飾部品12が密着するので、さらに美しい外観を得ることができる。
次に、その他の実施形態による空気調和機の室内機について図6を用いて説明する。なお、前述の実施形態と構成自体は同一であるため、同一符号を付しているが、その説明は省略する。なお、図6は、室内機1を正面から見て右側角部のみを示した図であるが、左側角部も右側角部と対称な構造になっているものとして説明する。
この室内機において前述の実施形態と相違する構造は、図6に示すように、前面パネル110の溝部110の上下延伸部113と下部屈曲部114と左右延伸部112に嵌め込まれた装飾部品12の露出幅が異なるように化粧パネル13の押さえ部130で覆われるところである。
すなわち、化粧パネル13は、図6(a)に示すように、前面グリル11に係止された状態で、前述の実施形態の化粧パネル13と比較して左右方向の幅が長く、上下方向の幅が短くなっている。このため、装飾部品12は、図6(b)に示すように、前面グリル11の上下方向に延びる装飾部品12の中間部124から外側縁部125までの範囲の露出幅W1が、図6(c)に示すように、前面グリル11の左右方向に延びる装飾部品12の中間部124から外側縁部125までの範囲の露出幅W2よりも狭くなるように設定されている。
以上説明してきた本実施形態による室内機1についても、前述の実施形態と同様な効果を得ることができる。さらに、装飾部品12を前面グリル11の溝部110に嵌め込んだ構造はそのままで、装飾部品12の露出幅W2が露出幅W1よりも広くなっているので、室内機1を前面下方から見上げたとき、左右延伸部112に嵌め込まれた装飾部品12が目立ち、室内機1の左右方向の光輝性が強調された高級感のある装飾表現を得ることができる。
1 室内機
10 筺体
11 前面グリル
110 溝部
111 周囲縁部
112 左右延在部
113 上下延在部
114 下部屈曲部
115 上部屈曲部
116 上部延在部
117 溝端部
118 係止孔
12 装飾部品
120 光輝性金属蒸着フィルム
121 基材
122 端部
123 内側縁部
124 中間部
125 外側縁部
13 化粧パネル
130 押さえ部
131 周囲縁部
132 左右押さえ部
133 上下押さえ部
134 下角部押さえ部
135 上角部押さえ部
136 上部押さえ部
137 係止爪
14 風向板
P 露出部
S 遊び空間
C シワ
W1、W2 露出幅

Claims (4)

  1. 筺体と、同筺体の前面に取付けられる前面グリルと、同前面グリルに備えられる装飾部品と、前記前面グリルの前面に係止される化粧パネルとからなる空気調和機において、
    前記前面グリルは、前面側に形成された溝部を備え、
    前記装飾部品は、前記溝部に嵌め込まれる棒状の軟質材からなる押出成型品であり、
    前記化粧パネルは、前記装飾部品の一部が露出するように前記溝部と前記装飾部品を覆うことを特徴とする空気調和機。
  2. 前記溝部の溝端部と、同溝端部に嵌め込まれた前記装飾部品の端部は、露出せずに前記化粧パネルで覆われることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記装飾部品の露出幅は、一定ではないことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  4. 前記溝部は、屈曲部を有し、同屈曲部に嵌め込まれた前記装飾部品の内径側が、前記化粧パネルによって覆われることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の空気調和機。
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