JP2014086142A - 電気化学素子用セパレータ - Google Patents
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Abstract
本発明は、電気化学素子に内部短絡が発生するのを防止でき、容量維持率に優れる電気化学素子を調製できる、電気化学素子用セパレータの提供を目的とする。
【解決手段】
本発明の電気化学素子用セパレータは、スラリー中で無機粒子とポリオレフィン系樹脂粒子が分散する組み合わせの、無機粒子とポリオレフィン系樹脂粒子が付与された電気化学素子用セパレータである。
そのため、本発明の電気化学素子用セパレータは、無機粒子が不均一に存在する部分が生じるのを防ぐことができるため、電気化学素子に内部短絡が発生するのを防止できる。
また、ポリオレフィン系樹脂粒子が付与されてなる電気化学素子用セパレータであるため、容量維持率に優れる電気化学素子を調製できる。
【選択図】図1
Description
そのため、電気化学素子を構成する電気化学素子用セパレータには、耐熱性を有することで収縮または溶融し難くて、電気化学素子に内部短絡が発生するのを防止できると共に、熱暴走を防止できる性能が求められている。
また、電池用セパレータに例えばポリオレフィン系樹脂粒子などの熱溶融性微粒子を添加することで、シャットダウン性能を付与できることが開示されている。
しかし、このようにして調製した電気化学素子用セパレータを用いて組み立てられた電気化学素子にも、なお内部短絡が発生することがあった。
つまり、電気化学素子用セパレータに前記凝集物が存在している場合には、電気化学素子用セパレータに無機粒子の存在しない部分、あるいは、無機粒子の少ない部分(以降、無機粒子が不均一に存在する部分、と称する)が生じる。そして、無機粒子が不均一に存在する部分において電気化学素子用セパレータは収縮または溶融し易いことから、前記電気化学素子用セパレータを備える電気化学素子は内部短絡し易いと考えられた。
特に、内部短絡し易いという問題は、イオン通過性支持体として不織布や織物あるいは編物などの布帛を用いてなる、電気化学素子用セパレータにおいて、顕著に発生し易い傾向があった。この理由として、布帛の表面は多孔性フィルムなどよりも凹凸が多く、無機粒子が不均一に存在する部分が生じ易いためであると考えられた。
しかしながら、上述のようにして調製された電気化学素子用セパレータを備える電気化学素子は、内部短絡を発生し難いものではあったが、繰り返し充放電した際に容量維持率が低下し易い傾向があった。
「無機粒子とポリオレフィン系樹脂粒子を混合してなるスラリーを、イオン通過性支持体に付与することで調製した電気化学素子用セパレータであり、前記無機粒子と前記ポリオレフィン系樹脂粒子は前記スラリー中で分散する、電気化学素子用セパレータ。」
である。
更に、本発明の電気化学素子用セパレータは、スラリー中で前記無機粒子と前記ポリオレフィン系樹脂粒子が分散する組み合わせの、無機粒子とポリオレフィン系樹脂粒子(以降、本発明の無機粒子とポリオレフィン系樹脂粒子、と称することがある)が付与された電気化学素子用セパレータである。
本発明者らは、スラリー中で分散する組み合わせの無機粒子とポリオレフィン系樹脂粒子は、凝集物を形成し難いことを見出した。そのため、本発明の電気化学素子用セパレータは、無機粒子が不均一に存在する部分が生じるのを防ぐことができるため、電気化学素子に内部短絡が発生するのを防止できる。特に、イオン通過性支持体として不織布や織物あるいは編物などの布帛を用いた場合であっても、電気化学素子に内部短絡が発生するのを効果的に防止できる。
また、本発明者らは、ポリオレフィン系樹脂粒子が付与されてなる電気化学素子用セパレータを用いることで、容量維持率に優れる電気化学素子を調製できることを見出した。
また、後述するようにイオン通過性支持体が熱可塑性樹脂を含んでいる場合には、無機粒子は前記熱可塑性樹脂と共に、イオン通過性支持体の微孔を閉塞することで、電気化学素子用セパレータのシャットダウン性能を向上させる働きを発揮することもできる。
特に無機粒子として、無機粒子を調製可能な原料の粉塵雲を、例えば空気、酸素、塩素、窒素などの反応ガス雰囲気下で爆燃させ、無機粒子を製造する方法(例えば、特開昭60−255602号公報に開示の方法など)により得られる、無機粒子(以降、爆燃無機粒子と称する)を用いるのが好ましい。
また、リチウムイオン二次電池など非水系電解液を用いてなる電気化学素子用セパレータを調製する場合、イオン通過性支持体に担持する無機粒子として爆燃無機粒子を用いるのが好ましい。爆燃無機粒子中に存在する水分量は少ないことが知られており、非水系電解液に水分が混入することで生じる、電気化学素子の機能低下を防ぐことができる。
そのため、無機粒子の粒子径は、3μm以下であるのが好ましく2μm以下であるのがより好ましく、1μm以下であるのが最も好ましい。なお、無機粒子の粒子径の下限値は、適宜調製するものであり限定されるべきものではないが、0.1μm以上であるのが現実的である。
そのため、無機粒子の粒子径分布は(D50/2)以上(D50×2)以下の範囲内にあるのが好ましい。なお、本発明でいう粒子の粒子径分布は前述した動的光散乱法で測定し、測定強度から得られた粒子径測定データから求める。
ポリオレフィン系樹脂粒子を構成するポリオレフィン系樹脂の種類は限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテンなどを挙げることができる。
また、分子量が1万〜5万の範囲のポリオレフィン系樹脂を用いるのが好ましく、分子量が2万〜3万の範囲のポリオレフィン系樹脂を用いるのがより好ましい
このようなポリオレフィン系樹脂Aの粒子として、例えば、ユニチカ株式会社製の変性ポリオレフィン樹脂水性分散体(アローベース(登録商標)、SA−1200、SB−1200、SE−1200、SB−1010など)中に分散しているアニオン変性ポリオレフィン系樹脂粒子などを挙げることができ、ポリオレフィン系樹脂Bの粒子として、例えば、ユニチカ株式会社製のカチオン変性ポリオレフィン樹脂水性分散体(アローベース(登録商標)、CB−1200、CD−1200など)中に分散している変性ポリオレフィン系樹脂粒子などを挙げることができる。
そのため、ポリオレフィン系樹脂粒子の粒子径(D50)は、500nm以下であるのが好ましく、300nm以下であるのがより好ましく、200nm以下であるのが最も好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂粒子の粒子径(D50)の下限値も特に限定されるべきものではなく、適宜調整すべきものであるが、10nm以上であるのが現実的である。
そして、これら例示以外の有機樹脂も使用可能であり、例示以外の樹脂も含め、2種以上の有機樹脂を用いても良い。
特に、イオン通過性支持体がポリオレフィン系樹脂のみから構成されている場合に、上述の効果が効果的に発揮されるものとなり最も好ましい。
また、前記熱可塑性樹脂の融点は、適宜調整されるべきものであり限定されるものではないが、シャットダウン性能を有する電気化学素子用セパレータが求められている場合には、160℃以下であるのが好ましく、150℃以下であるのがより好ましく、140℃以下であるのが最も好ましい。
なお、本発明でいう融点とは、JIS K7121に規定されている示差熱分析に供することで得られる、示差熱分析曲線(DTA曲線)における融解ピークの頂点の温度をいう。
耐熱成分として、上述した熱可塑性樹脂よりも融点あるいはガラス転移温度が高い有機ポリマーや、例えばガラス繊維などの無機繊維を挙げることができる。
なお、熱可塑性樹脂を含んでなる繊維と熱可塑性樹脂を含まない繊維を混合して、布帛を調製しても構わない。
なお、繊維ウエブを加熱処理する方法として、例えば、加熱ローラ、熱風ドライヤ、熱風乾燥機、電気炉、ヒートプレート、赤外線加熱乾燥器など、公知の装置へ供する方法を挙げることができる。
2.イオン通過性支持体をスラリー中へ浸漬する方法、
3.泡立てたスラリーをイオン通過性支持体の一方の主面あるいは両主面へ付着させる方法、
4.既知のコーティング方法(例えば、グラビアロールを用いたキスコーティング法、ダイコーティング法など)を用いて、スラリーをイオン通過性支持体の一方の主面あるいは両主面へ塗工する方法、などの公知の方法から適宜選択することができる。
1.調製したスラリーを目視で確認し、凝集物が存在しているかどうかを確認する。
スラリー中に凝集物が存在する場合には、スラリー中で本発明の無機粒子とポリオレフィン系樹脂粒子が分散しないことを意味している。また、スラリー中に凝集物が存在していな場合には、スラリー中で本発明の無機粒子とポリオレフィン系樹脂粒子が分散することを意味している。
2.目視により凝集物が存在していないことを確認したスラリーの粘度を測定する。
そのため、目視によって凝集物が存在していないことを確認したスラリーのうち、スラリー中に凝集物が存在していると疑われるものに対しては、以下に説明する(粘度の測定方法)に供することで、スラリー中で本発明の無機粒子とポリオレフィン系樹脂粒子が分散するか否かを判断する。
調製したスラリー2mlを、粘度計(Thermo scientific社製RheoStress6000、プレート形状:直径が60mmのコーン型、測定温度:25℃、ギャップ:0.103mm)へ供し、得られた応力(N)の値を以下の式に代入することでスラリーの粘度(Pas)を算出する。
・せん断速度(1/s)=プレート速度(m/s)×ギャップ(m)
・シアストレス(Pa)=応力(N)/プレート面積(m2)
・粘度(Pas)=シアストレス(pa)/せん断速度(1/s)
そして、プレート速度を10−7(m/s)から10−1(m/s)に加速させた間の粘度変化の挙動と、その後プレート速度を10−1(m/s)から10−7(m/s)に減速させた間の粘度変化の挙動を測定する。
そのため、電気化学素子用セパレータの厚さは、10μm〜80μmであるのが好ましく、20μm〜60μmであるのがより好ましく、20μm〜40μmであるのが最も好ましい。なお、本発明では、厚さとは厚さ測定器(デジマチック標準外側マイクロメータ(MCC−MJ/PJ)1/1000mm、(株)ミツトヨ)により計測した、500g荷重時測定値の5点の厚さの算術平均値をいう。
芯成分がポリプロピレン(融点:170℃)、鞘成分がポリエチレン(融点:135℃)の芯鞘型複合繊維(繊度:0.8dtex、繊維長:10mm)70質量%と、ポリプロピレン極細繊維(融点:160℃、繊維径:2μm、繊維長:2mm)30質量%とを混合し、湿式抄造法により繊維ウエブを調製した。
その後、前記繊維ウエブに温度140℃の熱風で10秒間処理した後、80℃のロールカレンダーに供することで、湿式不織布(微孔の直径:11μm、厚さ:26μm、目付:10g/m2)を調製した。
無機粒子としてシリカ粒子(株式会社アドマテックス社製、品番:SO−C2、粒子径(D50):450nm、形状:真球状の形状)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電気化学素子用セパレータ(厚さ:30μm、目付:26g/m2)を製造した。なお、目視で確認したところスラリー中に凝集物は形成されていなかった。
無機粒子としてシリカ粒子(株式会社アドマテックス社製、品番:SO−C6、粒子径(D50):2000nm、形状:真球状の形状)を粉砕して調製した、粉砕シリカ粒子(粒子径(D50):1000nm、形状:不定形形状)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電気化学素子用セパレータ(厚さ:30μm、目付:26g/m2)を製造した。なお、目視で確認したところスラリー中に凝集物は形成されていなかった。
ポリエチレンテレフタレート繊維(融点:220℃、繊度:0.8dtex、繊維長:10mm)70質量%と、低融点ポリエチレンテレフタレート繊維(融点:170℃、繊度:0.8dtex、繊維長:10mm)30質量%とを混合し、湿式抄造法により繊維ウエブを調製した。
その後、前記繊維ウエブに温度200℃の熱風で10秒間処理して、湿式不織布(微孔の直径:14μm、厚さ:20μm、目付:10g/m2)を調製した。
このようにして調製した湿式不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電気化学素子用セパレータ(厚さ:27μm、目付:26g/m2)を製造した。
無機粒子としてアルミナ粒子(株式会社アドマテックス社製、品番:AO−802、D50=800nm、形状:真球状の形状)97質量%と、ポリオレフィン系樹脂粒子の分散液(ユニチカ株式会社製、品番:CB−1200、融点:102℃、粒子径(D50):90nm、分散液に占めるポリオレフィン系樹脂の固形分質量:23質量%)3質量%を純水に混合して、固形分濃度が55質量%のスラリーを用意した。なお、目視で確認したところスラリー中に凝集物は形成されていなかった。
そして、調製したスラリーを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電気化学素子用セパレータ(厚さ:30μm、目付:35g/m2)を製造した。
無機粒子としてアルミナ粒子(昭和電工株式会社製、品番:AL−45−A、粒子径(D50):700nm、形状:不定形形状)を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、電気化学素子用セパレータ(厚さ:35μm、目付:35g/m2)を製造した。なお、目視で確認したところスラリー中に凝集物は形成されていなかった。
無機粒子としてシリカ粒子(株式会社アドマテックス社製、品番:SO−C1、粒子径(D50):250nm、形状:真球状の形状)97質量%と、SBR粒子(日本ゼオン株式会社製、品番:BM−400、粒子径(D50):120nm)3質量%を純水に混合して、固形分濃度が50質量%のスラリーを調製した。なお、目視で確認したところスラリー中に凝集物は形成されていなかった。
そして、調製したスラリーを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電気化学素子用セパレータ(厚さ:30μm、目付:26g/m2)を製造した。
無機粒子としてアルミナ粒子(株式会社アドマテックス社製、品番:AO−802、粒子径(D50):800nm、形状:真球状の形状)97質量%と、SBR樹脂粒子(日本ゼオン株式会社製、品番:BM−400、粒子径(D50):120nm)3質量%を純水に混合して、固形分濃度が50質量%のスラリーを調製した。なお、目視で確認したところスラリー中に凝集物が形成され沈殿していた。
そして、調製したスラリーを用いてコーティングを行おうとしたところ、コーティング中にスラリー中で凝集物が形成されてコーティングは不可能であった。そのため、比較例2では電気化学素子用セパレータを製造することができなかった。
無機粒子としてシリカ粒子(株式会社アドマテックス社製、品番:SO−C1、粒子径(D50):250nm、形状:真球状の形状)97質量%と、ポリオレフィン系樹脂粒子の分散液(ユニチカ株式会社製、品番:CB−1200、融点:102℃、粒子径(D50):90nm、分散液に占めるポリオレフィン系樹脂の固形分質量:23質量%)3質量%を純水に混合して、固形分濃度が50質量%のスラリーを調製した。なお、目視で確認したところスラリー中に凝集物が形成され沈殿していた。
そして、上述のようにして調製したスラリーをホモジナイザーに供することで、沈殿していた凝集物を物理的に砕きスラリー中に微細化して拡散させた。なお、ホモジナイザー処理を行ったスラリーを目視で確認したところ、スラリー中に凝集物の存在が確認できなかった。
このようにして調製したスラリーを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電気化学素子用セパレータ(厚さ:30μm、目付:26g/m2)を製造した。
そして、比較例3で使用したスラリーについて、スラリーを静止状態からせん断速度を増加させた間の粘度変化の挙動をまとめたグラフを、図3に図示する。また、比較例3で使用したスラリーについて、スラリーを高いせん断速度から静止状態へせん断速度を減少させた間の粘度変化の挙動をまとめたグラフを、図4に図示する。
図3−4から比較例3で使用したスラリーの粘度を測定した結果、プレート速度を加速させている間の粘度変化の挙動と、プレート速度を減速させている間の粘度変化の挙動が異なる態様の挙動を示した。そのため、比較例3で使用した無機粒子とポリオレフィン系樹脂粒子の組み合わせは、せん断速度を変化させた際にスラリー中で凝集物を形成し易い組み合わせであり、すなわちスラリー中で分散しない組み合わせであることが判明した。
1.正極の作製
スピネルマンガン酸リチウム(LiMn2O4)粉末87質量%と、アセチレンブラック6質量%とを混合し、そこに、N−メチル−2−ピロリドン溶液に溶解されたポリフッ化ビニリデン(PVdF)溶液(呉羽化学株式会社製、#1120、PVdF濃度:12質量%)を、PVdFの乾燥質量割合が7質量%となるように添加して混合液を得た。その後、得られた混合液の粘度が2000cpとなるように混合液へN−メチル−2−ピロリドン溶液を加えて脱泡撹拌機で撹拌することで、正極材ペーストを用意した。
得られた正極材ペーストを、アルミ箔(厚さ:20μm)の一方の主面に塗布した後、80℃で2時間加熱し、その後減圧下にて温度150℃で6時間加熱することで塗布された正極材ペーストからN−メチル−2−ピロリドンを除去した。
そして、ロールプレス機を用いて線圧200Kgで、乾燥処理後の正極材ペーストを塗布したアルミ箔をプレスすることで、正極シート(厚さ:90μm)を調製した。
天然黒鉛粉末と、N−メチル−2−ピロリドン溶液に溶解されたポリフッ化ビニリデン(PVdF)溶液(呉羽化学株式会社製、#9130、PVdF濃度:13質量%)を、混合割合が90%と10%(PVdFの乾燥質量)となるように添加した後、N−メチル−2−ピロリドン溶液を加えながら適宜粘度を調整し脱泡撹拌機で撹拌することで負極材ペーストを用意した。
得られた負極材ペーストを、銅箔(厚さ:15μm)の一方の主面に塗布した後、80℃で2時間乾燥後、温度150℃の減圧下で6時間加熱することで塗布された負極材ペーストからN−メチル−2−ピロリドンを除去した。
そして、ロールプレス機を用いて線圧200Kgで、乾燥処理後の負極材ペーストを塗布した銅箔をプレスすることで、負極シート(厚さ:70μm)を調製した。
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比率が(50:50)となるように混合して調製した混合溶媒に、LiPF6を1モル/Lの濃度となるように溶解させて、非水系電解質溶液を調製した。
採取した各々の試験片を、上述のようにして調製した非水系電解質溶液に浸漬した。
次いで、正極シートの正極材ペーストを塗布した主面側に、電解液に含浸した試験片を積層すると共に、負極シートの負極材ペーストを塗布した主面側へ電解液に浸漬した試験片が面するようにして積層することで、各試験片を用いてなるリチウムイオン二次電池(2030型コインセル)を作製した。
上述のようにして作成した、各リチウムイオン二次電池を室温(25℃)で一日放置してから、5時間かけて終止電圧4.2Vまで定電流で充電を行った後、5時間かけて定電流放電を行った。この充放電を1サイクルとして10サイクル行った。
その後、5時間かけて終止電圧4.2Vまで定電流で充電してから充電電流値が0.02mAになるまで定電圧充電をし、1/4時間かけて3.0Vまで放電した。この充放電を1サイクルとして5サイクル行った。
上述のようにして充放電を行った、各リチウムイオン二次電池における、第1回目サイクル時の放電容量に対する第15回目サイクル時の放電容量の割合を百分率に換算することで、容量維持率(%)を算出した。
この理由として、比較例3では凝集物が形成されたスラリーを湿式不織布に付与して電気化学素子用セパレータを製造したことで、電気化学素子用セパレータにシリカ粒子が不均一に存在する部分が生じたためであると考えられた。
また、比較例3に係る電気化学素子用セパレータを用いて調製したリチウムイオン二次電池については、内部短絡が発生したことで正極と負極が結線された状態となったことから、以下に説明するセル抵抗(Ω)の測定を行わなかった。
上述した(高率放電特性の測定方法)に供した後の各リチウムイオン二次電池を、室温(25℃)から5℃/minの昇温速度で200℃まで加熱した。そして、室温(25℃)時と200℃時における、各リチウムイオン二次電池に±0.01V(1KHz)の交流電流を流した際の、正極と負極間の抵抗値(セル抵抗値(Ω))を測定した。
なお、リチウムイオン二次電池を室温(25℃)から200℃に加熱した際に、セル抵抗(Ω)の値が上昇した場合、前記リチウムイオン二次電池を構成している電気化学素子用セパレータの微孔が、溶融したポリオレフィン系イオン通気性支持体によって閉塞して、イオンを通過しにくい状態(シャットダウン性能が発揮されている状態)となったことを意味する。
そして、前記セル抵抗(Ω)の上昇値が大きいほど、電気化学素子用セパレータはより優れたシャットダウン性能を備えていることを意味する。
以上から、本発明の電気化学素子用セパレータは、電気化学素子に内部短絡が発生するのを防止でき、容量維持率に優れる電気化学素子を調製できる、電気化学素子用セパレータである。
つまり、実施例1に係る電気化学素子用セパレータは実施例4に係る電気化学素子用セパレータよりも、25℃から200℃まで加熱した際のセル抵抗(Ω)の上昇値が大きいため、より優れたシャットダウン性能を備えた電気化学素子用セパレータであることが判明した。
この理由として、実施例1に係る電気化学素子用セパレータは、ポリオレフィン系樹脂を含むイオン通気性支持体を備えているためであると考えられた。
Claims (1)
- 無機粒子とポリオレフィン系樹脂粒子を混合してなるスラリーを、イオン通過性支持体に付与することで調製した電気化学素子用セパレータであり、前記無機粒子と前記ポリオレフィン系樹脂粒子は前記スラリー中で分散する、電気化学素子用セパレータ。
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