JP2014084313A - プロドラッグ化合物、オリゴヌクレオチド型プロドラッグ化合物の合成用試薬、及びオリゴヌクレオチド型プロドラッグ化合物の製造方法 - Google Patents

プロドラッグ化合物、オリゴヌクレオチド型プロドラッグ化合物の合成用試薬、及びオリゴヌクレオチド型プロドラッグ化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ホスホロチオエート型アナログであってもよい合成オリゴヌクレオチドやリン酸化されたヌクレオシドに含まれるリン酸基のOH基又はSH基に対して、細胞内で脱離可能な保護基が付与された新しいプロドラッグ化合物、そのようなプロドラッグ化合物の合成用試薬、及びそのような合成用試薬を用いたオリゴヌクレオチド型プロドラッグ化合物の製造方法を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)又は(2)に示すように、ヌクレオチド又はヌクレオチドのホスホロチオエートにおけるリン酸基に対し特定構造を備えた保護基を導入する。下記一般式(1)又は(2)中、Eは酸素原子又は硫黄原子であり、Zは酸素原子又は硫黄原子である。

【選択図】なし

Description

本発明は、プロドラッグ化合物、オリゴヌクレオチド型プロドラッグ化合物の合成試薬、及びオリゴヌクレオチド型プロドラッグ化合物の製造方法に関する。
今日、DNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)といった核酸の合成法は確立されており、短鎖の核酸であるオリゴヌクレオチドの自動合成機を用いた合成も行われている。こうして得られた合成オリゴヌクレオチドは、生命化学研究や医療診断等のために日常的に用いられている。合成オリゴヌクレオチドの有用な用途の一つに、核酸医薬がある。合成オリゴヌクレオチドは、例えば、疾患の原因となるタンパク質をコードする遺伝子から転写されたmRNAと相補的な塩基配列を持つオリゴヌクレオチドを細胞内に導入することにより、このタンパク質の合成を阻害するアンチセンス法(非特許文献1を参照。)で用いられる。
また、上記のようなオリゴヌクレオチドの他に、天然のヌクレオシドに化学修飾を施した合成ヌクレオシドも核酸医薬として有用である。合成ヌクレオシドは、細胞内に導入されると、ヌクレオシドモノリン酸(ヌクレオチド)、ヌクレオシドジリン酸、そしてヌクレオシドトリリン酸となるように5’−位においてリン酸化を次々に受け、このヌクレオシドトリリン酸が天然のヌクレオシドトリリン酸に競合することで細胞内でのDNAやRNAの合成を阻害する。合成ヌクレオシドからなる核酸医薬は、このような作用を持つので、例えば、ウイルスのDNA合成を阻害しウイルスの増殖抑制に寄与する抗ウイルス剤として期待されている。ところで、合成ヌクレオシドは、細胞内でDNA等の合成を阻害するに際して、ヌクレオシドトリリン酸となるまで3回のリン酸化を受けなくてはならないが、細胞内では、最初のリン酸化を受けてヌクレオシドモノリン酸となるのに多くの時間を要する一方で、一度リン酸化を受けてヌクレオシドモノリン酸となった後では、速やかに2回目及び3回目のリン酸化を受けてヌクレオシドトリリン酸となる。このため、予めヌクレオシドに一回目のリン酸化を施したヌクレオシドモノリン酸を核酸医薬として用いることが望ましい。また、上記のような合成ヌクレオシドに加えて、オリゴヌクレオチドやリン酸化されたヌクレオシド(ヌクレオチド)におけるリン酸基に含まれるOH基がSH基に置換された、オリゴヌクレオチドやヌクレオチドのホスホロチオエートアナログもまた核酸医薬として有用であることが知られている。
こうした合成オリゴヌクレオチドやヌクレオシドモノリン酸は1ないし複数のリン酸基を持っており、これらのリン酸基は、それぞれ、解離してアニオンとなることのできるOH基を1又は2個有する。そのため、合成オリゴヌクレオチドやヌクレオシドモノリン酸は、脂溶性に乏しく、脂質膜である細胞膜を通過することができない。そこで、これらの化合物におけるリン酸基に含まれるOH基を細胞内の酵素で脱離可能な置換基で保護し、脂溶性を向上させる手法が用いられることがある。このような置換基で修飾された化合物は、細胞膜を通過した後に、細胞内の酵素により脱保護を受けることにより、核酸医薬としての活性を発現するプロドラッグとなる(例えば、非特許文献2を参照)。なお、このことは、OH基の一部又は全部がSH基で置換されたホスホロチオエートアナログでも同様である。
また、特許文献1には、細胞膜透過性を有するキャリア粒子の内部にオリゴヌクレオチドを取り込ませ、当該キャリアごとオリゴヌクレオチドを細胞内に送り込む方法が提案されている。
特開2007−106740号公報
A.M.Belikova,V.F.Zarytova,N.I.Grinrva,Tetrahedron Lett.,1967,3557−3562 P.P.Virta,H.Lonnberg,Current Medicinal Chemistry,2006,13,3441−3465
オリゴヌクレオチドを細胞内に導入する場合、上記のように適切なキャリアを用いる方法もあるが、そのようなキャリアを用いずにオリゴヌクレオチド自体に細胞膜透過性を付与することができれば、複雑なキャリアを設計する必要がなくなるので理想的である。この点で、下記式において(A1)→(B1)、及び(A2)→(B2)で示すように合成オリゴヌクレオチドやヌクレオシドモノリン酸のリン酸基に含まれるOH基に適切な保護基を結合させてこれらの化合物の脂溶性を高め、次いでこの高い脂溶性を利用してこれらの化合物を細胞内に送り込んでから保護基を脱離させて活性を発現させるという手法を用いることが望ましい。このような手法で用いられる保護基としては、非特許文献2等の文献においていくつかの例が知られているところではあるが、プロドラッグのデザインにおける自由度を高めるという観点からは、多数の有効な保護基の中から望ましい保護基を適宜選択できることが望ましい。そして、このことは、OH基の一部又は全部がSH基で置換されたホスホロチオエートアナログでも同様に当てはまる。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、合成オリゴヌクレオチドやリン酸化されたヌクレオシドに含まれるリン酸基のOH基や、これらのホスホロチオエートアナログのSH基に対して、細胞内で脱離可能な保護基が付与された新しいプロドラッグ化合物、そのようなプロドラッグ化合物の合成用試薬、及びそのような合成用試薬を用いたオリゴヌクレオチド型プロドラッグ化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、下記化学反応式のように、リン酸基のOH酸素から3個の炭素原子を介してベンゼン環を配置し、そのベンゼン環のオルト位にアシルオキシ基(−O−Acyl)を配置した化合物では、細胞内にてアシルオキシ基のエステル結合がエステラーゼ等の酵素により加水分解されてフェノール性水酸基が発現したときに、意外にも、このフェノール性水酸基の酸素原子が、リン酸基のOH酸素に結合している炭素原子と求核置換反応により結合を形成することで、この炭素原子とリン酸基のOH酸素との間の結合を切断し、リン酸基のOH基を再生させることを見出した。この反応は、S2反応であり、分子内環化反応が進行することでリン酸基が脱離する。自由に動くことのできるアルキル鎖末端の脱離基に対する求核反応の進行は通常ならば遅いと予想されるが、本発明者らは、リン酸基を脱離基とし、さらにアルキル基に修飾(アルキル化や二重結合の導入)を施すことで、実用的な速度で脱離反応が進む構造を見出した。本発明は、以上のような知見に基づいてなされたものであり、以下のものを提供する。なお、下記化学反応式は本発明の一態様に基づくものであり、下記化学反応式におけるR〜R及びnについては後述する。また、下記化学反応式と同様の化学反応はリン酸基のOH基がSH基で置換されたホスホロチオエートアナログでも生じるが、ここではリン酸基がOH基である場合を例として説明している。
(1)本発明は、ヌクレオチドとヌクレオチドとを結合させるリン酸基の一部又は全部が下記一般式(1)又は(2)に示すリン酸トリエステル構造であるオリゴヌクレオチド、
(上記一般式(1)中、Rは一価の有機基であり、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数5以下のアルキル基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、Eは酸素原子又は硫黄原子であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−であり、Zは酸素原子又は硫黄原子であり、nは0から3の整数である。上記一般式(2)中、Rは一価の有機基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、Eは酸素原子又は硫黄原子であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−であり、Zは酸素原子又は硫黄原子であり、mは0から4の整数である。)
5’−位に結合されたモノ又はポリリン酸基のOH基の少なくとも一部が下記一般式(3)又は(4)に示す基で保護されたリボヌクレオチド若しくはデオキシリボヌクレオチド、又は、
5’−位に結合されたモノ又はポリリン酸基のOH基の少なくとも一部がSH基に置換され、かつ上記OH基及び上記SH基の少なくとも一部が下記一般式(3)又は(4)に示す基で保護された、リボヌクレオチドのホスホロチオエート型アナログ若しくはデオキシリボヌクレオチドのホスホロチオエート型アナログ、からなるプロドラッグ化合物である。
(上記一般式(3)中、Rは一価の有機基であり、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数5以下のアルキル基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−基であり、nは0から3の整数である。上記一般式(4)中、Rは一価の有機基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−基であり、mは0から4の整数である。)
(2)上記一般式(1)又は(3)におけるR、R及びRがそれぞれメチル基であることが好ましい。
(3)また本発明は、下記一般式(5)又は(6)で表す構造を備えた化合物からなる、ホスホロチオエート型アナログであってもよいオリゴヌクレオチド型プロドラッグ化合物の合成用試薬でもある。
(上記一般式(5)中、Rは一価の有機基であり、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数5以下のアルキル基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、nは0から3の整数であり、Rbaseはプリン骨格又はピリミジン骨格を備えた一価の有機基であり、Rは一価の有機基であり、Xは水素原子又は水酸基であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−基であり、Zは酸素原子または硫黄原子であり、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基であって、R及びRは互いに結合して環を形成してもよく、テトラヒドロフラン環は環内のC−C結合において不飽和結合を備えてもよい。上記一般式(6)中、Rは一価の有機基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、mは0から4の整数であり、Rbaseはプリン骨格又はピリミジン骨格を備えた一価の有機基であり、Rは一価の有機基であり、Xは水素原子又は水酸基であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−基であり、Zは酸素原子または硫黄原子であり、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基であって、R及びRは互いに結合して環を形成してもよく、テトラヒドロフラン環は環内のC−C結合において不飽和結合を備えてもよい。)
(4)また本発明は、下記一般式(5)又は(6)で示す構造を備えた化合物を用いてホスホアミダイド法によるオリゴヌクレオチドの伸長を行う工程を含む、ホスホチオエート型アナログであってもよいオリゴヌクレオチド型プロドラッグ化合物の製造方法でもある。
(上記一般式(5)中、Rは一価の有機基であり、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数5以下のアルキル基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、nは0から3の整数であり、Rbaseはプリン骨格又はピリミジン骨格を備えた一価の有機基であり、Rは一価の有機基であり、Xは水素原子又は水酸基であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−基であり、Zは酸素原子または硫黄原子であり、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基であって、R及びRは互いに結合して環を形成してもよく、テトラヒドロフラン環は環内のC−C結合において不飽和結合を備えてもよい。上記一般式(6)中、Rは一価の有機基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、mは0から4の整数であり、Rbaseはプリン骨格又はピリミジン骨格を備えた一価の有機基であり、Rは一価の有機基であり、Xは水素原子又は水酸基であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−基であり、Zは酸素原子または硫黄原子であり、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基であって、R及びRは互いに結合して環を形成してもよく、テトラヒドロフラン環は環内のC−C結合において不飽和結合を備えてもよい。)
本発明によれば、合成オリゴヌクレオチドやリン酸化されたヌクレオシドに含まれるリン酸基のOH基や、これらのホスホロチオエートアナログのSH基に対して、細胞内で脱離可能な保護基が付与された新しいプロドラッグ化合物、そのようなプロドラッグ化合物の合成用試薬、及びそのような合成用試薬を用いたオリゴヌクレオチド型プロドラッグ化合物の製造方法が提供される。
以下、本発明のプロドラッグ化合物の一実施形態、オリゴヌクレオチド型プロドラッグ化合物の合成用試薬の一実施形態、及びオリゴヌクレオチド型プロドラッグの製造方法の一実施態様のそれぞれについて説明する。なお、本発明は、以下の実施形態又は実施態様に限定されるものではなく、本発明の範囲において適宜変更を加えて実施することができる。また、下記の説明では、説明を簡略化して理解を容易にするために、主としてオリゴヌクレオチドやヌクレオチドを中心に述べるが、これらのリン酸基のOH基がSH基に置換されたホスホロチオエート型アナログについても同様に本発明が適用される。さらに、本発明は、上記一般式(1)及び(2)に示すように、リン酸基のP=Oにおける酸素原子がP=Sのように硫黄に置換されてチオリン酸基となったオリゴヌクレオチドやヌクレオチドのアナログも包含するが、下記の説明では、説明を簡略化して理解を容易にするために、主としてリン酸基を有するオリゴヌクレオチドやヌクレオチドを中心に述べる。
<プロドラッグ化合物>
本発明のプロドラッグ化合物は、所定の保護基でリン酸基のOH基が保護されたオリゴヌクレオチド又はリボヌクレオチド若しくはデオキシリボヌクレオチド、及びこれらのホスホロチオエートアナログにあっては上記の保護基でSH基が保護されたものであり、細胞内でエステラーゼ等の酵素の作用を受けることにより保護基が脱離し、DNA又はRNAの合成を阻害する、mRNAと結合してタンパク質合成を阻害する、等の作用を発現する。なお、リボ(又はデオキシリボ)ヌクレオシドの5’−位にモノリン酸基が結合したものをリボ(又はデオキシリボ)ヌクレオチドと呼ぶのが一般的だが、本発明では、便宜上、リボ(又はデオキシリボ)ヌクレオシドの5’−位にポリリン酸が結合したものも含めてリボ(又はデオキシリボ)ヌクレオチドと呼ぶ。また、本明細書では、特に断りのない限り、リボヌクレオシド及びデオキシヌクレオシドをまとめてヌクレオシドとも呼び、リボヌクレオチド及びデオキシリボヌクレオチドをまとめてヌクレオチドとも呼ぶ。さらに、ヌクレオシド及びヌクレオチドは、天然のものであってもよいし、リボース環若しくはデオキシリボース環及び/又は核酸塩基に化学修飾を受けたものであってもよい。化学修飾を受けたヌクレオシド及びヌクレオチド並びにこれらからなるオリゴヌクレオチドを用いることにより、上記の阻害作用をより増大させることもできる。
[オリゴヌクレオチド]
本発明のプロドラッグ化合物として、まずは、オリゴヌクレオチドを説明する。このオリゴヌクレオチドは、ヌクレオチドとヌクレオチドとを結合させるリン酸基の一部又は全部が下記一般式(1)又は(2)に示すリン酸トリエステル構造になっていることを特徴とする。下記一般式(1)又は(2)に示す部分構造は、Zが酸素原子であればオリゴヌクレオチドを由来とするものであり、Zが硫黄原子であればオリゴヌクレオチドのホスホロチオエートアナログを由来とするものである。なお、Zが硫黄原子である場合には、正確にはリン酸エステルでなくリン酸チオエステルとなるが、本明細書ではそのようなリン酸チオエステルも含めてリン酸エステルと呼ぶ。オリゴヌクレオチドはリン酸ジエステル結合により複数のヌクレオチドがオリゴマーを形成してなるものであり、リン酸ジエステル結合を形成しているリン酸基にはフリー(エステル結合をしていない)のOH基(P−OH基)が存在する。そのため、オリゴヌクレオチドは、複数のP−OH基を持ち、特に生体内ではこのP−OH基がP−Oに解離することにより高い極性を備えており、脂質である細胞膜を通過して細胞内に入ることができない。そこで、本発明では、オリゴヌクレオチドに含まれるリン酸基の一部又は全部について、P−OH基に保護基を導入して、下記(1)又は(2)で表されるリン酸トリエステル構造とすることによりオリゴヌクレオチドの脂溶性を高めている。なお、上記のように、P−OH基は生体内で解離してP−Oとなるが、解離前及び解離後の化学種は互いに平衡関係にあるものであり、本発明の作用を考える上で両者を別の化学種として区別して扱うことに意味は無い。そこで、本明細書では、リン酸基の解離前及び解離後の化学種を含む概念としてP−OH基の用語を用いる。なお、Zが硫黄原子であるホスホロチオエートアナログについては、P−OH基に代えてP−SH基が存在する点を除いて、上記と同様に説明できる。
上記一般式(1)中、Rは一価の有機基であり、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数5以下のアルキル基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−であり、Zは酸素原子又は硫黄原子であり、nは0から3の整数である。上記一般式(2)中、Rは一価の有機基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−であり、Zは酸素原子又は硫黄原子であり、mは0から4の整数である。
上記一般式(1)又は(2)で表されるリン酸トリエステル構造は、一のヌクレオチドの5’−側と他のヌクレオチドの3’−側とを結合させるリン酸基部分の構造であり、一般式(1)又は(2)において波線を付して表された単結合が、上記一のヌクレオチドの5’−側又は他のヌクレオチドの3’−側に結合する。つまり、上記一般式(1)又は(2)で表されるリン酸トリエステル構造は、本発明のオリゴヌクレオチドの部分構造となる。本発明のオリゴヌクレオチドは、リン酸ジエステル構造の少なくとも一部が上記一般式(1)又は(2)で表されるリン酸トリエステル構造に変換されていればよく、他のリン酸ジエステル構造が、メトキシ基等の構造を備えたその他のリン酸トリエステル構造を持っていてもよいし、リン酸ジエステル構造のままであってもよい。
既に述べたように、上記一般式(1)で表されるリン酸トリエステル構造部分は、細胞内に導入された後、細胞内に存在するエステラーゼ等といった酵素の作用を受けて、下記化学反応式で示すように、リン酸ジエステル構造に変換される。なお、下記説明では、例としてQが酸素原子でありZが酸素原子である場合を説明するが、Qが硫黄原子や−NH−であったり、Zが硫黄原子であったりした場合にも同様の化学反応が生じる。
既に述べたように、酵素によりアシル基が脱離した後の反応は、分子内S2反応であり、通常であれば、酸素原子の非共有電子対に攻撃される炭素原子の隣にハロゲン等の強力な電子吸引基が存在しなければ生じない。しかしながら、本発明者らは、P−OH基の酸素原子とフェノール水酸基との間の炭素原子を5個とすることで保護基がジヒドロベンゾピラン環を形成して脱離しやすくするとともに、上記一般式(1)におけるR、R及びRという3つのアルキル基を設けることで炭素鎖の自由回転を規制して分子内S2反応を生じさせるのに適した環境となるようにすることで、収率良く上記の化学反応が生じるように工夫した。脱離基が外れた後のオリゴヌクレオチドは、リン酸ジエステル結合が回復するので、核酸医薬としての高い活性を備えるようになる。
炭素数5以下のアルキル基であるR、R及びRは、それぞれ独立にメチル基であることが好ましく、R及びnは、それぞれメチル基及び1であることが好ましい。また、Rとしては、特に限定されないが、メチル基、エチル基、プロピル基等を例示することができる。より具体的には、一般式(1)の好ましい一例として、下記一般式(1A)を挙げることができる。
(上記一般式(1A)中、Rは炭素数1〜3のアルキル基であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−であり、Zは酸素原子又は硫黄原子である。)
また、上記一般式(2)で表されるリン酸トリエステル構造部分は、細胞内に導入された後、上記と同様に細胞内に存在するエステラーゼ等といった酵素の作用を受けて、下記化学反応式で示すように、リン酸ジエステル構造に変換される。なお、下記説明では、例としてQが酸素原子でありZが酸素原子である場合を説明するが、Qが硫黄原子や−NH−であったり、Zが硫黄原子であったりした場合にも同様の化学反応が生じる。
上記一般式(1)における場合と同様、上記一般式(2)における場合も、酵素によりアシル基が脱離した後の反応は分子内S2反応である。上記一般式(2)に含まれる保護基において、本発明者らは、P−OH基の酸素原子とフェノール水酸基との間の炭素原子を5個とすることで保護基がベンゾピラン環を形成して脱離しやすくするとともに、ベンゼン環とP−OH基との間の炭素鎖の内部に不飽和結合を設けて、酸素原子の非共有電子対の攻撃を受ける炭素原子を当該酸素原子の近傍に配置することで、収率良く上記の化学反応が生じるように工夫した。この不飽和結合は、上記のような立体的配置を調節する役割を持つので、cis型であることが必要である。脱離基が外れた後のオリゴヌクレオチドは、リン酸ジエステル結合が回復するので、核酸医薬としての高い活性を備えるようになる。
上記一般式(2)中、mは0であってもよい。より具体的には、一般式(2)の好ましい一例として、下記一般式(2A)を挙げることができる。
(上記一般式(2A)中、Rは炭素数1〜3のアルキル基であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−であり、Zは酸素原子又は硫黄原子である。)
次に、本発明のオリゴヌクレオチドの製造方法について述べる。本発明のオリゴヌクレオチドの製造方法としては、上記一般式(1)又は(2)で採用された保護基を持つヌクレオシドのアミダイドを合成し、このヌクレオシドのアミダイドを用いて、DNA(RNA)自動合成機を用いたアミダイド法により合成することを好ましく挙げることができる。DNA(RNA)自動合成機を用いたアミダイド法によるオリゴヌクレオチドの合成方法は広く用いられている定法であるので、ここでの説明を省略する。
上記一般式(1)又は(2)で採用された保護基を持つヌクレオシドのアミダイド(9)を合成する方法としては、下記化学反応式に示した有機合成手順を挙げることができる。なお、下記化学反応式では、合成されるアミダイド(9)としてチミジンのホスホアミダイドを例示したが、天然の又は合成により修飾された他のヌクレオシドのホスホアミダイドでも同様の合成手順により合成できる。また、下記化学反応式では、上記一般式(1)で採用された保護基を持つアミダイド(9)の合成手順を示したが、上記一般式(2)で採用された保護基を持つアミダイドについても、下記化学反応式と同様の有機化学的手法により合成することができる。なお、Zを硫黄原子とする場合には、下記化合物(8)における末端OH基をSH基とした化合物(8’)を用いればよい。また、下記の例では、上記一般式(1)におけるQが酸素原子である場合を説明するが、Qが硫黄原子や−NH−である場合でも同様となる。
(上記化学反応式中、Rは、上記一般式(1)におけるものと同様である。)
化合物(7)は、市販の5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジンと、市販のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)及びビス(N,N−ジイソプロピルアミノ)クロロホスファンと、を無水ジクロロメタン中で作用させることで得られる。また、一般式(8)で表される化合物は、例えばRをメチル基とすれば、末端OH基の化合物及び末端SH基の化合物が下記の合成経路により合成される。なお、下記の合成経路において、TBSはtert−ブチルジメチルシリル基であり、DMAPはN,N−ジメチル−4−アミノピリジンであり、TEAはトリエチルアミンであり、Msはメシル基である。1H−テトラゾール中にて、化合物(7)と化合物(8)とをジクロロメタン中で反応させることにより、アミダイド(9)が得られる。
上記のアミダイド(9)は、5’−位がDMTr[ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル]基で保護され、3’−位にホスホアミダイド基を持つ。このアミダイド(9)を用いると、3’−位を伸長点として、下記化学式のように、オリゴヌクレオチドが合成されることになる。そのようにして合成されたオリゴヌクレオチドは、ヌクレオチドとヌクレオチドとが上記一般式(1)で示す構造により結合され、上述の保護基が結合されたホスホトリエステル構造を備えることになる。なお、下記化学式では、例示のためにチミジンのホスホアミダイドを用いたオリゴヌクレオチド合成の例を示したが、各種ヌクレオシドのホスホアミダイドを用意し、それらを所望の順序で反応させることにより任意の塩基配列を備えたオリゴヌクレオチドを合成できる。また、ホスホロチオエートアナログについても同様に合成できる。
(上記化学式中、Rは、上記一般式(1)におけるものと同様である。)
上記と同様の手法により、下記化学式のオリゴヌクレオチド、及びホスホロチオエートアナログ型であるオリゴヌクレオチドが合成できる。
(上記化学式中、Rは、上記一般式(1)におけるものと同様である。)
なお、アミダイド法によるオリゴヌクレオチドの合成では、公知のように、亜リン酸基をリン酸基に変換する際に酸化剤が用いられる。このときに用いられる酸化剤の代わりにBeaucage試薬(3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン−1,1−ジオキシド)を用いると、下記化学反応式で示すように、リン酸基のP=Oにおける酸素原子がP=Sのように硫黄に置換されてチオリン酸基となった、保護基を有するオリゴヌクレオチドのアナログが得られる。このようなアナログも本発明に含まれる。下記化学反応式では一般式(9)のアミダイドを用いてオリゴヌクレオチドを合成する経路を示したが、一般式(9’)のアミダイドを用いてオリゴヌクレオチドを合成する経路も当然に採用されうる。
(上記化学反応式中、Rは、上記一般式(1)におけるものと同様である。)
上記に示すようなチオリン酸タイプのアナログでは、細胞内で保護基が脱離する際に、下記のようにホスホロチオエートやジチオヌクレオチドといったオリゴヌクレオチドのアナログに変換される。このようなアナログは、細胞内のヌクレアーゼによる分解が抑制されるので、アンチセンス核酸として有用である。
[ヌクレオチド]
本発明のプロドラッグ化合物として、次に、ヌクレオチドを説明する。このヌクレオチドは、5’−位に結合されたモノ又はポリリン酸基のOH基の少なくとも一部が下記一般式(3)又は(4)に示す基で保護されていることを特徴とする。モノ又はポリリン酸基のOH基(P−OH基)は、生体内ではP−Oに解離することにより高い極性を備えた化合物となっており、脂質である細胞膜を通過して細胞内に入ることができない。そこで、本発明では、ヌクレオチドに含まれるP−OH基の一部又は全部に下記一般式(3)又は(4)で示す保護基を導入し、リン酸エステルとすることでヌクレオチドの脂溶性を高めている。
上記一般式(3)中、Rは一価の有機基であり、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数5以下のアルキル基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−基であり、nは0から3の整数である。上記一般式(4)中、Rは一価の有機基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−基であり、mは0から4の整数である。
理解を助けるために、チミンを例にとって本発明のヌクレオチドの一般式の一例を示すと下記一般式(3A)又は(4A)となる。下記一般式(3A)又は(4A)はあくまでも例示であり、当然のことながら、チミジル基が結合している部分は、他の核酸塩基であってもよい。このような核酸塩基としては、天然の核酸塩基に限らず、ピリミジン骨格やプリン骨格を備えた核酸塩基の類縁体であってもよい。下記一般式(3A)又は(4A)において、R〜R、Q、Z及びmは、上記一般式(3)又は(4)についてのものと同様であり、Proで示す置換基は、3’−水酸基の保護基である。このような保護基としては、アセチル基を好ましく例示できる。なお、Proで示す置換基に代えて水素原子を結合させてもよい。
なお、上記一般式(3A)及び(4A)では、一つのリン酸基に存在する二つのOH基の両方に保護基が結合されているが、いずれか片方のみに保護基が結合されてもよい。この場合、残りのP−OH基は、修飾を受けずにフリーのままでもよいし、生化学的な親和性を高めるためにP−ORの形で各種の置換基(R)を導入されてもよい。このような置換基(R)としては、アミノ基、アミド基(−CONH)、脂肪酸由来のアシル基(脂肪酸からOHを除いた残基)、アリール基等が例示される。また、上記一般式(3A)及び(4A)では、5’−水酸基にモノリン酸が結合しているが、5’−水酸基にポリリン酸が結合していてもよい。その場合、少なくとも一つのP−OH基に保護基が結合していればよい。
上記一般式(3A)及び(4A)で表されるヌクレオチドの好ましい例として、下記一般式(3B)〜(3G)、及び(4B)〜(4G)を挙げることができる。下記一般式(3B)〜(3G)において、R及びProは、上記一般式(3A)におけるものと同様であり、下記一般式(4B)〜(4G)において、R及びProは、上記一般式(4A)におけるものと同様である。
細胞内に導入されたヌクレオチドは、上記オリゴヌクレオチドの場合と同様に、細胞内にあるエステラーゼ等の酵素の作用により保護基に含まれるアシル基が脱離され、次いで、新たに生じたフェノール水酸基の酸素原子により分子内S2反応を生じて、保護基全体が脱離する。このメカニズムについては、既に説明した通りであるので、ここでの説明を省略する。脱保護されたヌクレオチドは、リン酸基に含まれるOH基が回復し、生化学的な活性を発現する。具体的には、脱保護されたヌクレオチドは、例えば、TTP(チミジン三リン酸)等のようなトリリン酸に変換され、DNA又はRNA合成を阻害する。このようなDNA又はRNA合成の阻害能力を付与するために、本発明のヌクレオチドは、リボース環若しくはデオキシリボース環及び/又は核酸塩基に化学修飾を受けたものであることが好ましい。
また、本発明のヌクレオチドは、5’−位に結合されたモノ又はポリリン酸基のOH基の少なくとも一部がSH基に置換され、かつ上記OH基及び上記SH基の少なくとも一部が下記一般式(3)又は(4)に示す基で保護されたものであってもよい。この場合、本発明のプロドラッグ化合物は、リボヌクレオチドのホスホロチオエート型アナログ若しくはデオキシリボヌクレオチドのホスホロチオエート型アナログとなる。この場合であっても、上記と同様のメカニズムにより細胞内で保護基全体が脱離してSH基やOH基が回復し、生化学的な活性を発現する。その他のことについても上記と同様であるので、ここでの説明を省略する。
次に、本発明のヌクレオチドの製造方法について、上記ヌクレオチド(3B)を例にとって説明する。本発明のヌクレオチドの製造方法としては、下記化学反応式で示すように、所望する核酸塩基に対応したヌクレオシドの5’−位をホスホアミダイド化してアミダイドを合成し、次いでこのヌクレオシドのアミダイドに化合物(8)を作用させて保護基を導入し、最後に亜リン酸エステルを酸化してリン酸エステルに変換することを例示できる。なお、下記化学反応式では、チミジンのホスホアミダイドを用いる合成方法を例示したが、天然の又は合成により修飾された他のヌクレオシドでも同様の合成手順により合成できるし、ホスホロチオエートアナログについても、末端OH基である化合物(8)の代わりに末端SH基の化合物を用いることで合成される。また、下記化学反応式では、上記一般式(3B)のヌクレオチドの合成手順を示したが、上記一般式(4B)のヌクレオチドについても、下記化学反応式と同様の有機化学的手法により合成することができる。
(上記化学式中、Rは、それぞれ独立に、上記一般式(3)におけるものと同様であり、Acは、アセチル基を示す。)
化合物(10)は、市販の3’−O−アセチルチミジンと、市販のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)及びビス(N,N−ジイソプロピルアミノ)クロロホスファンと、を無水ジクロロメタン中で作用させることで得られる。また、一般式(8)で表される化合物については、既に述べた方法で得られる。1H−テトラゾール中にて、化合物(10)と化合物(11)とをジクロロメタン中で反応させ、さらにヨウ素で酸化することにより一般式(3B)のヌクレオチドが得られる。なお、一般式(3B)のヌクレオチドにおいて、二つのRは、互いに同じでもよいし、異なってもよい。
また、本発明のヌクレオチドの合成方法として、上記の他に下記の合成ルートを挙げることができる。下記の合成ルートでは、得られたヌクレオチドにおけるリン酸トリエステルの一つがフェニル基となっている。このように、リン酸基にフェニル基が導入されたアナログは、プロドラッグ候補としてよく用いられるものである。このことは、ホスホロチオエートアナログの場合であっても同様である。なお、下記化学反応式では3’−位の水酸基に保護基(アセチル基)が結合されているが、3’−位の水酸基の反応性よりも5’−位の水酸基の反応性のほうが高いのが一般的なので、3’−位の水酸基における保護基は必ずしも必要でない。
(上記化学反応式中、Rは、それぞれ独立に、上記一般式(3)におけるものと同様であり、Acは、アセチル基である。)
上記のようにリン酸基にフェニル基が導入されたアナログとして、さらに下記の化合物を挙げることができる。
さらに、本発明のヌクレオチドの合成方法として、下記の合成ルートを挙げることができる。
(上記化学式中、Rは、それぞれ独立に、上記一般式(3)におけるものと同様であり、Acは、アセチル基である。)
なお、ヌクレオチド型のプロドラッグ化合物においても、既に述べたオリゴヌクレオチド型のプロドラッグ化合物と同様に、リン酸基のP=Oにおける酸素原子をP=Sのように硫黄に置換してチオリン酸基としてもよい。このようなアナログは、上記一般式(3B)の合成手順で示したようにアミダイドに保護基を導入して亜リン酸エステルを得た後の酸化工程にて、既に述べたオリゴヌクレオチド型のアナログと同様に、酸化剤に代えてBeaucage試薬を用いればよい。
<オリゴヌクレオチド型プロドラッグ化合物の合成用試薬>
オリゴヌクレオチド型プロドラッグ化合物の合成試薬(以下、「本発明の合成試薬」又は「合成試薬」とも呼ぶ。)も本発明の一つである。本発明の合成試薬は、上述のオリゴヌクレオチドからなるプロドラッグ化合物の製造に用いられ、下記一般式(5)又は(6)で表す構造を備えた化合物である。
上記一般式(5)中、Rは一価の有機基であり、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数5以下のアルキル基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、nは0から3の整数であり、Rbaseはプリン骨格又はピリミジン骨格を備えた一価の有機基であり、Rは一価の有機基であり、Xは水素原子又は水酸基であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−基であり、Zは酸素原子または硫黄原子であり、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基であって、R及びRは互いに結合して環を形成してもよく、テトラヒドロフラン環は環内のC−C結合において不飽和結合を備えてもよい。上記一般式(6)中、Rは一価の有機基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、mは0から4の整数であり、Rbaseはプリン骨格又はピリミジン骨格を備えた一価の有機基であり、Rは一価の有機基であり、Xは水素原子又は水酸基であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−基であり、Zは酸素原子または硫黄原子であり、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基であって、R及びRは互いに結合して環を形成してもよく、テトラヒドロフラン環は環内のC−C結合において不飽和結合を備えてもよい。
上記一般式(5)又は(6)に示す本発明の合成試薬は、既に述べた、一般式(1)又は(2)で採用された保護基を持つヌクレオシドのアミダイドである。これらの合成試薬は、DNA(RNA)自動合成機を用いたアミダイド法によりオリゴヌクレオチドを合成する際に用いられ、所望とするオリゴヌクレオチドの塩基配列に基づいて核酸塩基(上記一般式(5)又は(6)におけるRbase)の異なるものを順次使い分けながら用いられる。このようにして合成されたオリゴヌクレオチドが本発明のプロドラッグとして有用であることは既に述べた通りであるので、ここでの説明を省略する。なお、上記一般式(5)に示す合成試薬を用いた場合には、上記一般式(1)に示す部分構造を備えたオリゴヌクレオチドが得られ、上記一般式(6)に示す合成試薬を用いた場合には、上記一般式(2)に示す部分構造を備えたオリゴヌクレオチドが得られる。また、上記一般式(5)又は(6)において、Zが酸素原子であれば、オリゴヌクレオチド型プロドラッグ化合物の合成用試薬となり、Zが硫黄原子であれば、ホスホロチオエート型アナログであるオリゴヌクレオチド型プロドラッグ化合物の合成用試薬となる。
上記一般式(5)中、Rとしては炭素数1〜3のアルキル基が好ましく例示され、R〜Rとしてはメチル基が好ましく例示され、R及びRとしてはイソプロピル基が好ましく例示され、Rとしては、DMTr[ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル;別名4,4’−ジメトキシトリチル]基が好ましく例示される。Xが水素原子であれば、デオキシリボ核酸タイプであるオリゴヌクレオチドの合成試薬となり、Xが水酸基であればリボ核酸タイプのオリゴヌクレオチドの合成試薬となる。Rbaseとしては、天然の核酸塩基、又は合成により得られた、核酸塩基の類縁体が好ましく例示される。合成により得られた、核酸塩基の類縁体としては、核酸医薬の分野で種々のものが提案されているので、ここでは詳細に述べない。上記一般式(5)で示す合成試薬として、核酸塩基がチミジル基である場合を例にとり具体例を示せば、下記一般式(9)や(9’)の化合物を挙げることができる。
(上記一般式(9)及び(9’)中、R及びQは上記一般式(5)と同様であり、DMTrは4,4’−ジメトキシトリチル基を表す。)
上記一般式(6)中、Rとしては炭素数1〜3のアルキル基が好ましく例示され、R及びRとしてはイソプロピル基が好ましく例示され、Rとしては、DMTr[ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル;別名4,4’−ジメトキシトリチル]基が好ましく例示される。Xが水素原子であれば、デオキシリボ核酸タイプであるオリゴヌクレオチドの合成試薬となり、Xが水酸基であればリボ核酸タイプのオリゴヌクレオチドの合成試薬となる。Rbaseとしては、天然の核酸塩基、又は合成により得られた、核酸塩基の類縁体が好ましく例示される。合成により得られた、核酸塩基の類縁体としては、核酸医薬の分野で種々のものが提案されているので、ここでは詳細に述べない。上記一般式(6)で示す合成試薬として、核酸塩基がチミジル基である場合を例にとり具体例を示せば、下記一般式(10)や(10’)の化合物を挙げることができる。
(上記一般式(10)及び(10’)中、R及びQは上記一般式(6)と同様であり、DNTrは4,4’−ジメトキシトリチル基を表す。)
<オリゴヌクレオチド型プロドラッグ化合物の製造方法>
オリゴヌクレオチド型プロドラッグ化合物の製造方法(以下、「本発明の製造方法」とも呼ぶ。)も本発明の一つである。本発明の製造方法は、上述の合成用試薬を用いてプロドラッグ化合物であるオリゴヌクレオチドを製造するものであり、下記一般式(5)又は(6)で示す構造を備えた化合物を用いてホスホアミダイド法によるオリゴヌクレオチドの伸長を行う工程を含む、ホスホチオエート型アナログであってもよいオリゴヌクレオチド型プロドラッグ化合物の製造方法である。
上記一般式(5)中、Rは一価の有機基であり、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数5以下のアルキル基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、nは0から3の整数であり、Rbaseはプリン骨格又はピリミジン骨格を備えた一価の有機基であり、Rは一価の有機基であり、Xは水素原子又は水酸基であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−基であり、Zは酸素原子または硫黄原子であり、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基であって、R及びRは互いに結合して環を形成してもよく、テトラヒドロフラン環は環内のC−C結合において不飽和結合を備えてもよい。上記一般式(6)中、Rは一価の有機基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、mは0から4の整数であり、Rbaseはプリン骨格又はピリミジン骨格を備えた一価の有機基であり、Rは一価の有機基であり、Xは水素原子又は水酸基であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−基であり、Zは酸素原子または硫黄原子であり、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基であって、R及びRは互いに結合して環を形成してもよく、テトラヒドロフラン環は環内のC−C結合において不飽和結合を備えてもよい。
上記一般式(5)又は(6)で示す構造を備えた化合物は、上述の合成用試薬そのものであるのでここでの説明を省略する。また、本発明の製造方法は、オリゴヌクレオチドの製造方法で述べたものと同じ手順で実行できる。そのため、ここでの説明を省略する。
以下、実施例を示すことにより本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[合成例1]オリゴヌクレオチドの合成
・3’−O−{ビス(N,N,N’,N’−ジイソプロピルアミノ)ホスフィニル}−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジン(7)の合成
市販の5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジン(20)(1.75g、3.21mmol)を無水ピリジンで共沸脱水させ、さらに無水トルエンでピリジンを共沸除去した。次に、残渣を35mLの無水ジクロロメタンに溶解させ、次いでこの溶液に市販のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、1.40mL、8.03mmol)及びビス(N,N−ジイソプロピルアミノ)クロロホスファン(1.37g、5.14mmol)を順次加え、Ar雰囲気下、室温で20分間撹拌した。反応終了後、綿栓濾過を行い、ジクロロメタンで分液ロートに洗い入れた。溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濾過し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(7)を白色泡状化合物(1.44g、1.86mmol、収率58%)として得た。
化合物(7)の各物性値は、以下の通りである。
H NMR(500MHz、CDCl)δ(ppm):1.08−1.24(m,24H,イソプロピル基のCH),1.44(s,3H,5−CH),2.25−2.59(m,2H,2’,2’’−H),3.37−3.55(m,6H,5’,5’’−H,イソプロピル基のCH),3.77(s,6H,Ar−OCH),4.07(s,1H,4−H),4.49−4.66(m,1H,3’−H),6.48(dd,1H,J=5.75Hz,1’−H),6.82−6.84(t,4H,J=4.50Hz,Ar−H),7.21−7.68(m,9H,Ar−H),7.68(s,1H,6−H)
31P NMR(202MHz,CDCl)δ(ppm):116.5
・化合物(9A)の合成
化合物(7)(305mg、0.39mmol)を無水ピリジンで共沸脱水させ、さらに無水トルエンでピリジンを共沸除去した。残渣を10mLの無水ジクロロメタンに溶解させ、これに化合物(8A)(1573μL、0.39mmol)のジクロロメタン溶液(5mL)及び1H−テトラゾール(14mg、0.195mmol)を順次加え、Ar雰囲気下、室温で4時間撹拌した。化合物(8A)の合成については、後述する。反応終了後、反応溶液をジクロロメタンで分液ロートに洗い入れ、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濾過し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、GPCで精製し、化合物(9A)を白色泡状化合物(20.5mg、0.22mmol、収率55%)として得た。
化合物(9A)の各物性値は、以下の通りである。
H NMR(500MHz、CDCl)δ(ppm):0.99−1.13(m,15H,イソプロピル基のCH3,アシルγCH),1.36−1.37(d,6H,CH×2,J=1.1Hz),1.76−1.78(m,2H,アシルβCH),1.99−2.02(d,3H,Ar−CH,J=10.3Hz),2.46−2.52(m,7H,2’−H,2”−H,Ar−CH,アシルαCH),3.28−3.53(m,4H,5’−H,5”−H,−CH−),3.79(s,6H,Ar−OCH),4.12−4.16(s,1H,4’−H),4.60(s,1H,3’−H),6.39−6.42(t,1H,1’−H,J=7.0Hz),6.80−7.23(m,15H,DMTr,Ar−H,Ar−H),7.60−7.64(d,1H,6−H,J=18.3Hz),7.99(s,1H,3−NH)
・オリゴヌクレオチドの合成(1)
市販の3’−O−アセチルチミジン(12)(68.2mg、0.24mmol)及び1H−テトラゾール(43mg、0.60mmol)を無水ピリジンで共沸脱水させ、さらに無水トルエンでピリジンを共沸除去した。次に、残渣を10mLの無水アセトニトリルに溶解させ、この溶液に化合物(9A)(195mg、0.20mmol)のアセトニトリル溶液(5mL)を加え、Ar雰囲気下、室温で30分間撹拌した。その後、反応溶液にt−BuOOH(95.9μL、1.0mmol;アルドリッチ社製、tert−Butyl hydroperoxide,5.0〜6.0M solution in decane)を加え、室温で3時間撹拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチルに溶解させて、溶液を分液ロートに移した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濾過し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(13)を白色泡状化合物(175mg、0.15mmol、収率76%)として得た。
化合物(13)の各物性値は、以下の通りである。
H NMR(500MHz、CDCl)δ(ppm):0.99−1.03(m,3H,アシルγCH),1.25−1.36(m,6H,5−CH×2),1.33−1.47(m,6H,CH×2),1.74(m,2H,アシルβCH),1.86−2.13(m,8H,OAc,−CH−,Ar−CH),2.30−2.39(m,2H,2’−H,2”−H),2.46−2.54(m,5H,アシルαCH,Ar−CH),3.33−3.50(m,2H,5’−H,5”−H)3.79(s,6H,Ar−OCH),3.84−3.90(m,2H,−CH−),4.10−4.14(q,2H,4’−H×2,J=7.2Hz),4.19−4.24(m,2H,3’−H×2),6.28−6.32(m,1H,1’−H),6.39−6.45(m,1H,1’−H),6.86−6.88(m,1H,Ar−H),6.91−6.93(m,1H,Ar−H),6,82−6.84,7.24−7.40(m,13H,DMTr),7.53−7.55(d,1H,6−H,J=10.7Hz),8.70(s,1H,3−NH),8.60−8.82(s,1H,3−NH)
・オリゴヌクレオチドの合成(2)
化合物(13)(16mg、0.01mmol)に80%酢酸水溶液(3mL)を添加し、20分間静置した。その後、クロロホルム(50mL)を加え、溶液を分液ロートに移して有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濾過し、溶媒を減圧留去することで化合物(14)を白色固体(11mg、0.01mmol、収率100%)として得た。この化合物(14)は、リン酸基に本発明所定の保護基が結合されたチミンの2量体であり、本発明に係るオリゴヌクレオチドに相当する。
[実施例1]
600μLのマイクロテストチューブに、化合物(14)の0.1mM水溶液(200μL)を入れた後、SpeedVac(商品名)遠心濃縮装置により濃縮し、次いで、このマイクロテストチューブ内に195μLの200mM Tris−HCl[トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液]及びブタ肝臓エステラーゼ(PLE)(5μL、14.6units)を加え、室温で120時間静置した。反応溶液をHPLC分析したところ、出発物質である化合物(14)のピーク(流出時間;23.13分)が消失し、代わりに、化合物(15)のピーク(流出時間;9.92分)及び化合物(16)のピーク(流出時間;5.42分)が観察された。このことから、本発明に係るオリゴヌクレオチドは、細胞内のエステラーゼにより脱保護されて、ホスホトリエステル構造からホスホジエステル構造に変換されることがわかった。
なお、HPLC分析の条件は、逆相シリカゲル(ジーエルサイエンス株式会社製、Intersil ODS−3)を担体とし、下記の展開溶媒A及び展開溶媒Bの割合を変えながら混合することで、アセトニトリルの濃度を下記のように変化させた。
展開溶媒A:100mMトリエチルアンモニウムアセテート緩衝液中に5質量%のアセトニトリルを混合
展開溶媒B:アセトニトリル100%
アセトニトリル濃度の変化パターン:10%→38%(10分)→75%(10分)
[合成例2]本発明に係る保護基を備えたリン酸基が3’−位に結合されたヌクレオチドの合成
・化合物(9B)の合成
化合物(7)(600mg、0.77mmol)を無水ピリジンで共沸脱水させ、さらに無水トルエンでピリジンを共沸除去した。残渣を8mLの無水ジクロロメタンに溶解させ、これに化合物(8B)(850μL、0.85mmol)及び1H−テトラゾール(26mg、0.31mmol)を順次加え、Ar雰囲気下、室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応溶液をジクロロメタンで分液ロートに洗い入れ、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濾過し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、GPCで精製し、化合物(9B)を白色泡状化合物(267mg、収率38%)として得た。構造確認は、H−NMRにより行った。
・化合物(18)の合成
化合物(8B)(300μL、0.33mmol)及び1H−テトラゾール(106mg、1.37mmol)を無水ピリジンで共沸脱水させ、さらに無水トルエンでピリジンを共沸除去した。化合物(8B)の合成については、後述する。次に、残渣を3mLの無水ジクロロメタンに溶解させ、この溶液に化合物(9B)(253mg、0.27mmol)を加え、Ar雰囲気下、室温で1時間撹拌した。その後、反応溶液にt−BuOOHの5Mデカン溶液(270μL、1.37mmol)を加え、室温で15分間撹拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチルに溶解させて、溶液を分液ロートに移した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濾過し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(18)を白色泡状化合物(132mg、0.12mmol、収率44%)として得た。構造確認は、H−NMRにより行った。
・化合物(19)の合成
化合物(18)(130mg、0.12mmol)にメタノール(3.5mL)及び3%トリクロロ酢酸ジクロロメタン溶液(1.5mL)を添加し、室温で1時間撹拌した。その後、クロロホルム(10mL)を加え、溶液を分液ロートに移して有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で3回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濾過し、溶媒を減圧留去することで化合物(19)を白色固体(53mg、0.067mmol、収率56%)として得た。化合物(19)は、保護基を備えたリン酸基が3’−位に結合しており、細胞内でのDNA合成に供されるものではないが、これと同様の手段により、保護基を備えたリン酸基が5’−位に結合した本発明のヌクレオチドを合成することが可能である。そのような化合物もまたプロドラッグとして有用なものである。
[合成例3]化合物(8A)の合成
・4,4,5,8−テトラメチル−3,4−ジヒドロクマリン(21)の合成
2,5−ジメチルフェノール(20)をメタンスルホン酸(10mL)に溶解し、3,3−ジメチルアクリル酸メチル(7.6mL、63mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、70℃で24時間撹拌した。反応溶液に水(200mL)を加え、室温で30分間撹拌した。酢酸エチルを用いて反応溶液を分液ロートに洗い入れ、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濾過し、溶媒を減圧留去した。残渣にヘキサンを適量加えて減圧下で濃縮し、真空乾燥した。これを1日静置し、析出した結晶をヘキサンで流しながら吸引濾過し、化合物(21)を淡黄色粉末状化合物(5.03g、24.6mmol、収率43%)として得た。
化合物(21)の各物性値は、以下の通りである。
H NMR(500MHz、DMSO−d)δ(ppm):1.34(s,6H,β−(CH),2.15(s,3H,5−CH),2.41(s,3H,2−CH),2.66(s,2H,α−CH),6.82−6.83(d,1H,J=7.5Hz,H−3),7.00−7.01(d,1H,J=7.5Hz,H−4)
・3−(2’−ヒドロキシ−3’,6’−ジメチルフェニル)−3,3−ジメチルプロパノール(22)の合成
LiAlH(1.77g、46.7mmol)をテトラヒドロフラン(THF、10mL)に溶解し、0℃で撹拌した。この溶液に、0℃下で、化合物(21)(5.03g、24.6mmol)のTHF溶液(25mL)を滴下ロートで滴下して全て加えた後、反応溶液を室温へ戻し、47時間撹拌した。反応終了後、反応溶液にTHF(20mL)を加えてから飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)を加え、0℃で15分間撹拌した。反応溶液を濾過した後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタンに溶解させてから分液ロートに洗い入れ、有機層を水で2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濾過し、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=80:20)で精製し、化合物(22)を白色粉末状化合物(3.31g、15.9mmol、収率65%)として得た。
化合物(22)の各物性値は、以下の通りである。
H NMR(500MHz、DMSO−d)δ(ppm):1.48(s,6H,−C(CH),2.07−2.09(t,2H,J=4.0Hz,―CH−),2.01(s,3H,5−CH),2.38(s,3H,2−CH),3.20−3.22(t,2H,J=6.5Hz,−CH−),4.14(s,1H,OH),6.43−6.45(d,1H,J=8.0Hz,H−4),6.74−6.75(d,1H,J=8.0Hz,H−3),7.81(s,1H,1−OH)
・1−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−3−(2’−ヒドロキシ−3’,6’−ジメチルフェニル)−3,3’−ジメチルプロパノール(23)の合成
化合物(22)(3.31g、15.9mmol)にtert−ブチルジメチルシリルクロリド(2.89g、17.4mmol)を加え、これらをジクロロメタン(20mL)に溶解した。この溶液を0℃にて撹拌し、トリエチルアミン(8.5mL、63.2mmol)のジクロロメタン溶液(8.5mL)を滴下ロートで滴下して全て加えた後、室温で2時間撹拌した。その後、反応液を減圧下で濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶解させてから有機層を水で3回洗浄した。有機層を無水硫化マグネシウムで乾燥させた後、濾過し、溶媒を減圧留去して、化合物(23)を赤褐色液状化合物(5.02g、15.6mmol、収率98%)として得た。
化合物(23)の各物性値は、以下の通りである。
H NMR(500MHz、DMSO−d)δ(ppm):0.00(s,6H,Si(CH),0.88(s,9H,t−Bu),1.57(s,6H,−C(CH),2.18(s,3H,5−CH),2.21−2.24(t,2H,J=7.5Hz,−CH−),2.47(s,3H,2−CH),3.46−3.49(t,2H,J=7.5Hz,−CH−),6.51−6.53(d,1H,J=7.5Hz,H−4),6.82−6.84(d,1H,J=8.0Hz,H−3),7.91(s,1H,1−OH)
・1−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−3−(2’−ブチル−3’,6’−ジメチルフェニル)−3,3−ジメチルプロパノール(24)の合成
化合物(23)(5.02g、15.6mmol)をジクロロメタン(32mL)に溶解し、この溶液に、n−ブタン酸(2.86mL、31.2mmol)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC;4.89mL、31.2mmol)及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP;5.72g、46.7mmol)を順次加え、室温で2時間30分間撹拌した。反応終了後、反応溶液をセライトで濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=90:10)で精製し、化合物(24)を無色液状化合物(5.83g、14.8mmol、収率95%)として得た。
化合物(24)の各物性値は、以下の通りである。
H NMR(500MHz、DMSO−d)δ(ppm):0.00(s,6H,Si(CH),0.87(s,9H,t−Bu),1.04−1.05(t,3H,J=6.0Hz,γ−CH),1.46−1.52(s,6H,−C(CH),1.69−1.77(m,2H,β−CH),2.02(s,3H,5−CH),1.89−2.17(m,2H,α−CH),2.16(s,3H,2−CH),2.54−2.68(m,2H,−CHO−),3.46−3.47(m,2H,−CH−),6.97−6.99(d,1H,J=8.0Hz,H−4),7.04−7.06(d,1H,J=8.0Hz,H−3)
・3−(2’−ブチリル−3’,6’−ジメチルフェニル)−3,3−ジメチルプロパノール(8A)の合成
化合物(24)をTHF(45mL)に溶解し、この溶液にTEA(トリエチルアミン)/3HF(2.65mL、16.3mmol)を加え、室温で25時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=80:20)で精製し、化合物(8A)を無色液体化合物(3.66g、13.1mmol、収率89%)として得た。
化合物(8A)の各物性値は、以下の通りである。
H NMR(500MHz、DMSO−d)δ(ppm):0.97−0.99(m,3H,γ−CH),1.39−1.44(s,6H,−C(CH),1.64−1.69(m,2H,β−CH),1.80−1.96(m,2H,CHO),1.99(s,3H,5−CH),2.49(s,3H,2−CH),2.50−2.64(m,2H,α−CH),3.21−3.34(m,2H,−CH−),4.24−4.26(t,1H,J=5.0Hz,OH),6.91−6.93(d,1H,J=7.5Hz,H−4),6.98−7.00(d,1H,J=7.5Hz,H−3)
[合成例4]化合物(8B)の合成
・1−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−3−(2’−アセチル−3’,6’−ジメチルフェニル)−3,3−ジメチルプロパノール(25)の合成
化合物(23)(2.13g、6.61mmol)をピリジン(20mL)に溶解し、無水酢酸(700μL、7.27mmol)及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP;430mg、3.31mmol)を順次加え、室温で24時間撹拌した。反応の終了を確認した後、反応溶液を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解して、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、飽和食塩水で2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濾過し、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=95:5)で精製し、化合物(25)を淡黄色液状化合物(2.23g、6.12mmol、収率93%)として得た。
化合物(25)の各物性値は、以下の通りである。
H NMR(500MHz、DMSO−d)δ(ppm):0.00(s,6H,Si(CH),0.87(s、9H,t−Bu),1.42−1.57(s,6H,−C(CH),1.92−2.15(m,2H,CHO),2.03(s,3H,5−CH),2.34(s,3H,AcO),2.54(s,3H,2−CH),3.46(m,2H,−CH−),6.98−6.99(d,1H,J=6.0Hz,H−4),7.05−7.06(d,1H,J=6.0Hz,H−3)
・3−(2’−アセチル−3’,6’−ジメチルフェニル)−3,3−ジメチルプロパノール(8B)の合成
化合物(25)(2.19g、6.01mmol)をTHF(18mL)に溶解し、この溶液にTEA(トリエチルアミン)/3HF(1.1mL、6.61mmol)を加え、室温で23時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=70:30)で精製し、化合物(8B)を無色油状化合物(1.29g、5.19mmol、収率86%)として得た。
化合物(8B)の各物性値は、以下の通りである。
H NMR(500MHz、DMSO−d)δ(ppm):1.41−1.44(s,6H,−C(CH),1.87−2.00(m,2H,CHO),1.98(s,3H,5−CH),2.29(s,3H,AcO),2.51(s,3H,2−CH),3.22(m,2H,−CH−),4.24(t,1H,J=6.0Hz,OH),6.92−6.93(d,1H,J=6.0Hz,H−4),6.99−7.00(d,1H,J=6.0Hz,H−3)

Claims (4)

  1. ヌクレオチドとヌクレオチドとを結合させるリン酸基の一部又は全部が下記一般式(1)又は(2)に示すリン酸トリエステル構造であるオリゴヌクレオチド、
    (上記一般式(1)中、Rは一価の有機基であり、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数5以下のアルキル基であり各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、Eは酸素原子又は硫黄原子であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−であり、Zは酸素原子又は硫黄原子であり、nは0から3の整数である。上記一般式(2)中、Rは一価の有機基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、Eは酸素原子又は硫黄原子であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−であり、Zは酸素原子又は硫黄原子であり、mは0から4の整数である。)
    5’−位に結合されたモノ又はポリリン酸基のOH基の少なくとも一部が下記一般式(3)又は(4)に示す基で保護されたリボヌクレオチド若しくはデオキシリボヌクレオチド、又は、
    5’−位に結合されたモノ又はポリリン酸基のOH基の少なくとも一部がSH基に置換され、かつ前記OH基及び前記SH基の少なくとも一部が下記一般式(3)又は(4)に示す基で保護された、リボヌクレオチドのホスホロチオエート型アナログ若しくはデオキシリボヌクレオチドのホスホロチオエート型アナログ、からなるプロドラッグ化合物。
    (上記一般式(3)中、Rは一価の有機基であり、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数5以下のアルキル基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−基であり、nは0から3の整数である。上記一般式(4)中、Rは一価の有機基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−基であり、mは0から4の整数である。)
  2. 前記一般式(1)又は(3)におけるR、R及びRがそれぞれメチル基である請求項1記載のプロドラッグ化合物。
  3. 下記一般式(5)又は(6)で表す構造を備えた化合物からなる、ホスホロチオエート型アナログであってもよいオリゴヌクレオチド型プロドラッグ化合物の合成用試薬。
    (上記一般式(5)中、Rは一価の有機基であり、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数5以下のアルキル基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、nは0から3の整数であり、Rbaseはプリン骨格又はピリミジン骨格を備えた一価の有機基であり、Rは一価の有機基であり、Xは水素原子又は水酸基であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−基であり、Zは酸素原子または硫黄原子であり、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基であって、R及びRは互いに結合して環を形成してもよく、テトラヒドロフラン環は環内のC−C結合において不飽和結合を備えてもよい。上記一般式(6)中、Rは一価の有機基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、mは0から4の整数であり、Rbaseはプリン骨格又はピリミジン骨格を備えた一価の有機基であり、Rは一価の有機基であり、Xは水素原子又は水酸基であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−基であり、Zは酸素原子または硫黄原子であり、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基であって、R及びRは互いに結合して環を形成してもよく、テトラヒドロフラン環は環内のC−C結合において不飽和結合を備えてもよい。)
  4. 下記一般式(5)又は(6)で示す構造を備えた化合物を用いてホスホアミダイド法によるオリゴヌクレオチドの伸長を行う工程を含む、ホスホチオエート型アナログであってもよいオリゴヌクレオチド型プロドラッグ化合物の製造方法。
    (上記一般式(5)中、Rは一価の有機基であり、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数5以下のアルキル基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、nは0から3の整数であり、Rbaseはプリン骨格又はピリミジン骨格を備えた一価の有機基であり、Rは一価の有機基であり、Xは水素原子又は水酸基であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−基であり、Zは酸素原子または硫黄原子であり、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基であって、R及びRは互いに結合して環を形成してもよく、テトラヒドロフラン環は環内のC−C結合において不飽和結合を備えてもよい。上記一般式(6)中、Rは一価の有機基であり、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、mは0から4の整数であり、Rbaseはプリン骨格又はピリミジン骨格を備えた一価の有機基であり、Rは一価の有機基であり、Xは水素原子又は水酸基であり、Qは酸素原子、硫黄原子又は−NH−基であり、Zは酸素原子または硫黄原子であり、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基であって、R及びRは互いに結合して環を形成してもよく、テトラヒドロフラン環は環内のC−C結合において不飽和結合を備えてもよい。)
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