JP2007077043A - ピロリン酸アナログ及びピロリン酸アナログ合成方法 - Google Patents

ピロリン酸アナログ及びピロリン酸アナログ合成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】新規骨格を有するピロリン酸アナログを合成する。
【解決手段】スクアリン酸アミドとリン酸とを縮合してスクアリルアミドホスホロアミダイト化合物を生成し、続いて、スクアリルアミドホスホロアミダイト化合物を酸化又は硫化して本スクアリン酸誘導体を生成する。このようにして合成されたスクアリン酸誘導体は、ピロリン酸アナログとなりうる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、スクアリン酸アミドとリン酸とを縮合してできるピロリン酸アナログ、及びスクアリン酸アミドとリン酸との縮合によるピロリン酸アナログ合成方法に関する。
ピロリン酸は、リン酸を脱水縮合してなる化合物であり、高いエネルギーを有し生体内ではエネルギー源として用いられる。ピロリン酸をもつ化合物としては、例えば、ヌクレオシドジリン酸、ヌクレオシドトリリン酸、サイクリックADPリボース、イソペンテニルピロリン酸などがある。これらは、天然物として自然界に存在しており、特に、生体内で重要な働きを担っている。
化学的に構造や性質が類似し、類似した化学的特性を有する化合物を類縁体又は類似体と略する。また、これらは、アナログといわれている。アナログは、その化合物自体の働き、活性等を研究する上で重要な役割を果たしている。従来、ピロリン酸化合物の類縁体(以下、ピロリン酸アナログという)として、ピロホスホン酸、ピロホスホン酸、ジホスホン酸等が紹介されている(非特許文献1参照)。また、スルファモイルリン酸(非特許文献2参照)が開示されている。また、無機ピロリン酸を模した化合物であるメチレンビスホスホン酸は、抗癌活性を有する化合物として医薬上の有用性が報告されており(非特許文献3参照)、近年、その構造類似体も多く報告されている。メチレンビスホスホン酸はまた、骨粗鬆症治療薬としても有用であるとの報告もされている(非特許文献4参照)。
ロシアン・ジャーナル・オブ・ケミストリ 2002年、28巻、p.450−454 テトラヘドロン 2004年、60巻、p.2187−2190 バイオドラッグス 2004年 18巻 p.269−278 Louis D Quin A Guide to Organophosphorus Chemistry ヴァイリーインターサイエンス 2000年 p.366
ところが、従来のピロリン酸アナログは、化学構造及び類似化学物質に限定されており、生体内におけるピロリン酸の潜在的重要性と比べれば、ピロリン酸アナログの生理活性物質としての利用は依然として不十分である。
そこで、本発明は、新規骨格を有するピロリン酸アナログ、及び新規骨格を有するピロリン酸アナログを合成することができるピロリン酸アナログ合成方法を提供することを目的とする。
スクアリン酸は、大きく分極した2つのカルボニル基とpKa1が0.54、pKa2が3.48の2価の強酸性の水酸基をもつ四員環構造の化合物である。すなわち、大きな負電荷をもつ4つの酸素が結合したシクロブテン誘導体であり、その立体的及び電気的な特性がリン酸と類似しているため、リン酸アナログとしての活性を有することが期待できる。また、分極したカルボニル基は、強い水素結合能をもち、スクアリン酸のモノ置換体も分子内に大きな電荷の偏りをもつユニークな化合物である。
そこで、本発明の発明者らは、このスクアリン酸をピロリン酸の1つのリン酸基のアナログとして用い、リン酸とスクアリン酸が結合した構造が、ピロリン酸のアナログとして機能しうることを予想した。発明者らは、その観点から化合物の合成可能性と安定性とを誠意検討したところ、スクアリルアミドとリン酸基とがP−N結合を介して脱水縮合したスクアリルアミドリン酸が安定な化合物として合成可能で、且つ様々な誘導体に誘導可能な汎用性の高いピロリン酸ミミックとなりうることを見出した。また、この過程で有用な合成中間体として亜リン酸スクアリルアミダイト化合物を見出した。また、亜リン酸スクアリルアミダイト化合物を酸により活性化することで、スクアリルアミドリン酸を合成することができることを見出した。
すなわち、本発明に係るピロリン酸アナログは、スクアリン酸アミドとリン酸とを縮合してできるスクアリン酸誘導体であり下記化学式(1)で表されることを特徴とする。
Figure 2007077043
また、化学式(1)で表されるピロリン酸アナログは、下記化学式(2)で表されるスクアリルアミドホスホロアミダイト化合物の酸化又は硫化により得られる。
Figure 2007077043
化学式(1)、(2)中、Yは、酸素原子又は硫黄原子であり、R1,R2は互いに同一か又は異なるアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を含む。或いは、R1,R2は互いに結合して5員環若しくは6員環を形成したものである。また、R3は、水素原子、リン酸保護基であり、R4は、水素原子又はアルキル基である。
そして更に、本発明に係るピロリン酸アナログは、スクアリン酸アミドとリン酸とを縮合してできるスクアリン酸骨格を有するヌクレオシド誘導体であり、下記化学式(3)で表されることを特徴とする。
Figure 2007077043
Figure 2007077043
化学式(3)中、Zは、水酸基、2−シアノエトキシ、2−(4−ニトロフェニル)エトキシ、若しくは化学式(4)で表される官能基である。化学式(3)において、R5はリン酸保護基であり、R6,R7は互いに同一か又は異なり、R6,R7は、水素原子、アシル基、置換基を有してもよいシリル基を含む。若しくはR6,R7は、互いに結合して形成されるイソプロピリデン基である。Eは、保護基を有してもよい核酸塩基である。化学式(4)において、R8、R9は、同一又は異なるアルキル基であるか又はR8とR9とが互いに結合して環状構造をなす。
また、化学式(3)で表される化合物は、下記化学式(2)で表されるスクアリルアミドホスホロアミダイト化合物を出発物質として合成される。
Figure 2007077043
化学式(2)中、Yは、酸素原子又は硫黄原子であり、R1,R2は互いに同一か又は異なるアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を含む。或いは、R1,R2は互いに結合して5員環若しくは6員環を形成したものである。また、R3は、水素原子、リン酸保護基であり、R4は、水素原子又はアルキル基である。
本発明によれば、生体内で重要な働きをするピロリン酸化合物の新規構造を有するアナログを製造することができ、医薬品、農薬、阻害剤等の化学分野で有効に活用できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の第1の実施の形態として示すピロリン酸アナログは、下記一般式(1)で表されるスクアリン酸誘導体である。
Figure 2007077043
但し、化学式(1)中、Yは、酸素原子又は硫黄原子であり、R1,R2は互いに同一か又は異なるアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を含む。或いは、R1,R2は互いに結合して5員環若しくは6員環を形成したものである。また、R3は、水素原子、リン酸保護基であり、R4は、水素原子又はアルキル基である。
上記一般式(1)において、Yは、酸素原子又は硫黄原子であるが、特に、酸素であることが好ましい。R1,R2は、同一か又は異なるアルキル基であり、R1,R2が互いに結合して5員環又は6員環を形成していてもよい。このようなR1,R2としては、例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基等があげられる。また、R1,R2が互いに結合して環状構造をとる場合、R1,R2が結合した窒素原子を含めて、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基等があげられる。
R3は、水素原子、リン酸基の保護基である。ここで、リン酸基保護基とは、一般にDNA、RNA等を合成する際にリン酸基の保護基として用いられているものであれば限定されない。好ましくは、メチル基、2−シアノエチル基、2−(4−ニトロフェニル)エチル基、2−トリメチルシリルエチル基などである。また、R4は、水素原子、アルキル基である。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基等があげられる。
このピロリン酸アナログとして機能するスクアリン酸誘導体は、下記化学式(2)で表されるスクアリルアミドホスホロアミダイト化合物を出発物質として酸化又は硫化により得られる。
Figure 2007077043
化学式(2)中、Yは、酸素原子又は硫黄原子を表し、R1,R2は互いに同一か又は異なるアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を含む。或いは、R1,R2が互いに結合して5員環若しくは6員環を形成してもよい。また、R3は、水素原子、リン酸の保護基であり、R4は、水素原子又はアルキル基である。
また、本発明の第2の実施形態として示す化合物は、下記化学式(3)で表され、スクアリン酸アミドとリン酸とを縮合してできるスクアリン酸骨格を有するヌクレオシド誘導体であり、ピロリン酸アナログとして機能する。
Figure 2007077043
但し、化学式(3)において、Zは、水酸基、2−シアノエトキシ、2−(4−ニトロフェニル)エトキシ、若しくは下記化学式(4)で表される官能基である。
Figure 2007077043
化学式(4)においてR8,R9としては、例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基等があげられる。また、R1,R2が互いに結合して環状構造をとる場合、R8,R9が結合した窒素原子を含めて、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基等があげられる。
化学式(2)において、R5はリン酸保護基を表す。リン酸保護基とは、一般にDNA、RNA等を合成する際にリン酸基の保護基として用いられているものであれば限定されない。好ましくは、メチル基、2−シアノエチル基、2−(4−ニトロフェニル)エチル基、2−トリメチルシリルエチル基などである。また、R6,R7は、同一又は異なり、水素原子、アシル基、シリル基、置換基を有するシリル基、若しくはR6,R7が互いに結合して形成されるイソプロピリデン基を表す。ここでアシル基は、炭素数2〜10の置換基を有してもよいアシル基であれば、特に限定されないが、好ましくは、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、フェノキシアセチル基、4−クロロベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基などがあげられる。
Eは、保護基を有してもよいヌクレオシド誘導体を表し、核酸塩基、保護基を有する核酸塩基を含む。核酸塩基とは、アデニン−9−イル、グアニン−9−イル、ウラシル−1−イル、チミン−1−イル、シトシン−1−イル等を表し、保護基とは、炭素数2〜10のアシル基、トリチル基、置換基を有してもよいトリチル基を示す。アシル基の例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、フェノキシアセチル基、4−クロロベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基等があげられる。また、置換基を有してもよいトリチル基の例としては、4,4’−ジメトキシトリチル基などが例示できるが、これに限定されない。
また、上記核酸塩基と保護基との組合せでなるEの具体例としては、6−N−ベンゾイルアデニン−9−イル、6−N−アセチルアデニン−9−イル、6−N−(4,4’ジメトキシトリチル)アデニン−9−イル、4−N−(4,4’−ジメトキシトリチル)シトシン−1−イル、2−N−イソブチルグアニン−9−イルがあげられるが、これらに限定されない。
本発明の実施の形態におけるピロリン酸アナログを合成する方法としては、スクアリン酸アミドとリン酸とを縮合して下記化学式(5)で表されるスクアリルアミドホスホロアミダイト化合物を生成し、続いて、スクアリルアミドホスホロアミダイト化合物を酸化又は硫化して化学式(6)で表されるスクアリン酸誘導体を生成する。このようにして合成されたスクアリン酸誘導体は、ピロリン酸アナログとなりうる。
Figure 2007077043
Figure 2007077043
化学式中、Yは、酸素原子又は硫黄原子であり、R1,R2は互いに同一か又は異なるアルキル基である。或いは、R1,R2は互いに結合して5員環若しくは6員環を形成したものである。また、R3は、水素原子、リン酸保護基であり、R4は、水素原子又はアルキル基である。
以下、本発明を、実施例を用いて詳細に説明する。なお、本発明の範囲は、以下に示す実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
2−シアノエチル−N−(2−メトキシ−3,4−ジオキシシクロブテン−1−イル)−N’,N’−ジイソプロピルホスホロアミデートの合成
既知の化合物である3−アミノ−4−メトキシシクロブテン−1,2−ジオン(0.4mmol、50.8mg)を乾燥アセトニトリル4mlに入れ、ジイソプロピルエチルアミン(0.6mmol、77.5mg)と、O−(2−シアノエチル)N,N’−ジイソプロピルクロロホスフィン(0.44mmol、104mg)とを加えて、アルゴン雰囲気下、室温で1時間攪拌した。その後、酸化剤としてtert−ブチルヒドロペルオキサイド(1.6mmol、179μL)を更に加えて1時間室温で攪拌した。反応終了後、シリカゲルクロマトグラフィ(C2OO、3g)を用いて、溶剤として1%トリエチルアミン添加クロロホルム/メタノール0%から5%の溶液を用いて精製し、80.7mgの標題化合物を得た。収率は59%であった。
標的化合物の同定
標題化合物に対して、CDClを溶媒としてH−NMR、13C−NMR、31P−NMR測定を行った。H−NMR測定の結果、δ=1.09−1.13ppm(quartet、4H)、1.22−1.25ppm(triplet、12H)、2.97−3.01(quartet、5H)にシグナルが観測された。また、13C−NMR測定の結果、δ=19.85、19.91、22.69、22.72、46.10、46.92、46.96、60.50、60.86、117.40、128.36、129.17、183.14、187.84であった。31P−NMRは、δ=5.73であった。
ESIMS計算により、C1423P[M+H] 344.1375、found344.1408であった。この結果から、標題化合物が下記化学式(7)で表される2−シアノエチル−N−(2−メトキシ−3,4−ジオキシシクロブテン−1−イル)−N’,N’−ジイソプロピルホスホロアミデートであると同定された。
Figure 2007077043
[実施例2]
○原料合成1
5’−アミノ−5’−N−(2−メトキシ−3,4−ジオキシシクロブテン−1−イル)−4−N−ジメトキシトリチル−2,3’−O−イソプロピリデン−5’−デオキシシチジンの合成
既知の化合物である5’−アミノ−4−N−ジメトキシトリチル−2’,3−O−イソプロピリデン−5’−デオキシシチジン(1.57mmol、915mg)をメタノール(10mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(0.5mmol、135μL)を加えてから、3,4−ジメトキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン(1.57mmol、223mg)を加え、室温で0.5時間攪拌した。反応溶液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィ(C−200、20g)を用いて、溶剤として1%トリエチルアミン添加クロロホルム/ヘキサン0%から50%の溶液を用いて精製し、標題化合物を得た。
標題化合物の同定
標題化合物に対して、500MHz H−NMR測定を行った結果を示す。測定は、重DMSOを用いて75℃下にて行った。H−NMR測定の結果、δ=1.26ppm(singlet、3H)、1.45ppm(multiplet、3H)、3.59−3.69ppm(2H、multiplet)、3.73ppm(singlet、6H)、4.03ppm(multiplet、1H)、4.20ppm(multiplet、2H)、4.73ppm(multiplet、1H)、4.86ppm(broad、1H)、5.64ppm(multiplet、1H)、6.83−6.84ppm(multiplet、4H)、7.14−7.27ppm(multiplet、9H)、7.44−7.46ppm(doublet、1H)、8.55ppm(broad、1H)であった。この結果から、標題化合物が下記化学式(8)で表される5’−アミノ−5’−N−(2−メトキシ−3,4−ジオキシシクロブテン−1−イル)−4−N−ジメトキシトリチル−2,3’−O−イソプロピリデン−5’−デオキシシチジンであることがわかった。
Figure 2007077043
○原料合成2
5’−アミノ−5’−N−(2−アミノ−3,4−ジオキシシクロブテン−1−イル)−4−N−ジメトキシトリチル−2’,3’−O−イソプロピリデン−5’−デオキシシチジンの合成
原料合成例1で合成した5’−アミノ−5’−N−(2−メトキシ−3,4−ジオキシシクロブテン−1−イル)−4−N−ジメトキシトリチル−2,3’−O−イソプロピリデン−5’−デオキシシチジン(1.02mg、1.46mmol)をメタノール(5mL)に溶解し、2M NH/メタノール(1.5mL)に入れ、室温で1時間攪拌した。反応終了後、ドライシリカゲルカラムクロマトグラフィ(NH、20g+5g)を用いて、溶剤としてクロロホルム/ヘキサンの0%から100%の溶液を用いて精製し、0.63mgの標的化合物を得た。収率は63%であった。
ESIMS計算、C3737[M+Na] 702.2540、found702.6455であった。この結果から、標題化合物が下記化学式(9)で表される2−シアノエチル−N−(2−メトキシ−3,4−ジオキシシクロブテン−1−イル)−N’,N’−ジイソプロピルホスホロアミデートの合成であると同定された。
Figure 2007077043
○標題化合物の合成
5’−(2−((2−シアノエトキシ)−(N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホリルアミノ−3,4−ジオキソ−シクロブテン−1−イル−アミノ)5’−デオキシ−4−N−ジメトキシトリチル−2’,3’−O−イソプロピリデンシチジンの合成
原料合成2で合成した5’−アミノ−5’−N−(2−アミノ−3,4−ジオキシシクロブテン−1−イル)−4−N−ジメトキシトリチル−2’,3’−O−イソプロピリデン−5’−デオキシシチジン(0.3mmol、204mg)を乾燥アセトニトリル(4mL)に入れ、ジイソプロピルエチルアミン(107mg、0.45mmol)、(2−シアノエトキシ)N,N’−ジイソプロピルアミノクロロホスフィン(47mg、0.36mmol)を入れてアルゴン雰囲気下室温で1時間攪拌した。その後、tert−ブチルヒドロペルオキシド(284μL、1.2mmol)を加えて1時間室温で攪拌した。反応終了後、クロロホルム(20mL)、水(20mL)で抽出し、有機層を水(20mL)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムを入れて乾燥した。その後、溶媒を留去した後、シリカゲルクロマトグラフィ(C200、10g)を用いて、溶剤として1%トリエチルアミン添加クロロホルム/メタノール0%から5%の溶液で精製し、279mgの標的化合物を得た。
標的化合物の同定
標題化合物に対して、500MHz H−NMR測定を行った結果を示す。測定は、重DMSOを用いて75℃下にて行った。H−NMR測定の結果、及び31P−NMRの測定結果、
δ=1.26ppm(singlet、3H)、1.45ppm(multiplet、3H)、3.59−3.69ppm(2H、multiplet)、3.73ppm(singlet、6H)、4.03ppm(multiplet、1H)、4.20ppm(multiplet、2H)、4.73ppm(multiplet、1H)、4.86ppm(broad、1H)、5.64ppm(multiplet、1H)、6.83−6.84ppm(multiplet、4H)、7.14−7.27ppm(multiplet、9H)、7.44−7.46ppm(doublet、1H)、8.55ppm(broad、1H)であった。この結果から、標題化合物が下記化学式(10)で表される5’−アミノ−5’−N−(2−メトキシ−3,4−ジオキシシクロブテン−1−イル)−4−N−ジメトキシトリチル−2,3’−O−イソプロピリデン−5’−デオキシシチジンであることがわかった。
Figure 2007077043
この方法により合成された5’−アミノ−5’−N−(2−メトキシ−3,4−ジオキシシクロブテン−1−イル)−4−N−ジメトキシトリチル−2,3’−O−イソプロピリデン−5’−デオキシシチジンは、ピロリン酸アナログとして機能しうる構造を有する。

Claims (7)

  1. スクアリン酸アミドとリン酸とを縮合してできるスクアリン酸誘導体であり下記化学式(1)で表されるピロリン酸アナログ。
    Figure 2007077043
    (但し、化学式(1)中、Yは、酸素原子又は硫黄原子であり、R1,R2は互いに同一か又は異なるアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を含む。或いは、R1,R2は互いに結合して5員環若しくは6員環を形成したものである。また、R3は、水素原子、リン酸保護基であり、R4は、水素原子又はアルキル基である。)
  2. 下記化学式(2)で表されるスクアリルアミドホスホロアミダイト化合物の酸化又は硫化により得られることを特徴とする請求項1記載のピロリン酸アナログ。
    Figure 2007077043
    (但し、化学式(2)中、R1,R2は互いに同一か又は異なるアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を含む。或いは、R1,R2は互いに結合して5員環若しくは6員環を形成したものである。また、R3は、水素原子、リン酸保護基であり、R4は、水素原子又はアルキル基である。)
  3. スクアリン酸アミドとリン酸とを縮合してできるスクアリン酸骨格を有するヌクレオシド誘導体であり下記化学式(3)で表されるピロリン酸アナログ。
    Figure 2007077043
    Figure 2007077043
    (但し、化学式(3)において、Zは、水酸基、2−シアノエトキシ、2−(4−ニトロフェニル)エトキシ、若しくは化学式(4)で表される官能基である。化学式(3)において、R5はリン酸保護基であり、R6,R7は互いに同一か又は異なり、R6,R7は、水素原子、アシル基、置換基を有してもよいシリル基を含む。若しくはR6,R7は、互いに結合して形成されるイソプロピリデン基である。Eは、保護基を有してもよい核酸塩基である。化学式(4)において、R8、R9は、同一又は異なるアルキル基であるか又はR8とR9とが互いに結合して環状構造をなす。)
  4. 下記化学式(2)で表されるスクアリルアミドホスホロアミダイト化合物を出発物質とすることを特徴とする請求項3記載のピロリン酸アナログ。
    Figure 2007077043
    (但し、化学式(2)中、R1,R2は互いに同一か又は異なるアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を含む。或いは、R1,R2は互いに結合して5員環若しくは6員環を形成したものである。また、R3は、水素原子、リン酸保護基であり、R4は、水素原子又はアルキル基である。)
  5. 上記ヌクレオシド誘導体は、保護基としてジメトキシトリチル基を有することを特徴とする請求項3記載のピロリン酸アナログ。
  6. 上記ヌクレオシド誘導体は、デオキシチジン誘導体であることを特徴とする請求項5記載のピロリン酸アナログ。
  7. スクアリン酸アミドとリン酸とを縮合して下記化学式(5)で表されるスクアリルアミドホスホロアミダイト化合物を生成し、
    上記スクアリルアミドホスホロアミダイト化合物を酸化又は硫化して下記化学式(6)で表されるスクアリン酸誘導体であるピロリン酸アナログを生成するピロリン酸アナログ合成方法。
    Figure 2007077043
    Figure 2007077043
    (但し、化学式中、Yは、酸素原子又は硫黄原子であり、R1,R2は互いに同一か又は異なるアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を含む。或いは、R1,R2は互いに結合して5員環若しくは6員環を形成したものである。また、R3は、水素原子、リン酸保護基であり、R4は、水素原子又はアルキル基である。)
JP2005264155A 2005-09-12 2005-09-12 ピロリン酸アナログ及びピロリン酸アナログ合成方法 Withdrawn JP2007077043A (ja)

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CN115340650B (zh) * 2022-09-07 2023-08-22 湖北省食品质量安全监督检验研究院 一种磁性方酸基功能化COFs材料、制备方法及其应用

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