JP2014083850A - タイヤ金型内のサイドウォールとトレッドの加硫温度を制御するための方法および装置 - Google Patents

Abstract

【課題】タイヤ金型のトレッドゾーンおよびサイドウォールゾーンの適切な温度を可能にする改良されたタイヤ金型を提供する。
【解決手段】タイヤ金型１０は、上部金型部１１と下部金型部１２とを備える。上部金型部１１および下部金型部１２は、タイヤ金型１０へのタイヤの挿入のために互いに相対的に移動可能である。上部金型部１１は上部サイドウォールリング１８を含み、下部金型部１２は下部サイドウォールリング３４を含む。下部金型部１２は、グリーンタイヤのトレッドを取り囲むための環状リングを形成するように互いに結合可能な複数のトレッドセグメント３２をさらに含む。そして、上部および下部サイドウォールリング１８，３４はそれぞれ、断熱材で満たされた内部空洞１００，１０２を含むことを特徴とする。
【選択図】 図１

Description

本発明は、概してタイヤ金型に関し、より詳しくは大型の重荷重用タイヤのためのタイヤ金型に関する。

ほとんどすべてのサイズの自動車用の空気入りタイヤの製造は、カーカスを製造するステップと、トレッドおよびサイドウォールをカーカスに取り付けるステップと、を含み、それらは加硫されていない天然ゴムで作られている。天然ゴムの加硫前のカーカスとトレッドとサイドウォールとの組合せは、“グリーンタイヤ（生タイヤ）”と呼ばれている。タイヤの製造の最終ステップは、タイヤ金型へのグリーンタイヤの挿入であり、タイヤ金型の中でタイヤを加硫するために十分高い温度までタイヤが熱せられる。それから、タイヤは金型から取り外され、製造プロセスが完了する。

自動車用タイヤの製造は、比較的軽量なグリーンタイヤに関する簡単なプロセスであるが、土壌の移動や建設作業で使用される種類の産業用または大型のオフロードタイプの乗り物用の大型のタイヤの製造は、数百ポンドの重量を持つ非常に大きなグリーンタイヤの取り扱いを含む。これら大型のタイヤのトレッドは非常に厚く大きいので、トレッドを適切に加硫するためには、タイヤのトレッド領域に対して多くの熱を移動させる必要がある。タイヤのサイドウォールはとても薄いので、厚いトレッドと比べてより少ない熱を必要とする。生じる可能性のある１つの問題は、タイヤのサイドウォールが望まれた分加硫されるが、トレッドが加硫の途中であるということである。あるいは、トレッドが望まれた分加硫されても、サイドウォールとベルトエッジは過度に加硫される可能性がある。このように、タイヤ金型のトレッドゾーンおよびサイドウォールゾーンの適切な温度を可能にする改良されたタイヤ金型を生み出すことが望まれる。

本発明に係るタイヤ金型は、上部金型部と下部金型部とを備える。上部金型部および下部金型部は、タイヤ金型へのタイヤの挿入のために互いに相対的に移動可能である。上部金型部は上部サイドウォールリングを含み、下部金型部は下部サイドウォールリングを含む。下部金型部は、グリーンタイヤのトレッドを取り囲むための環状リングを形成するように互いに結合可能な複数のトレッドセグメントをさらに含む。そして、上部および下部サイドウォールリングはそれぞれ、断熱材で満たされた内部空洞を含むことを特徴とする。

閉位置で示された本発明のタイヤ金型の側断面図である。 内部にタイヤがある状態で示された、図１のタイヤ金型の側断面図である。 内部にタイヤがない状態で示された、図１のタイヤ金型の側断面図である。

（定義）
「軸線方向の」は、図１に示されたＸ−Ｘ方向をさす。
「半径方向の」は、図１に示されたＹ−Ｙ方向をさす。

本発明の好適な実施形態の構造、動作および効果は、添付の図面に関連する以下の記載を考慮することで、より明らかになるであろう。

図１は、閉位置で示された本発明の改良されたタイヤ金型１０の側断面図を示し、一方、図２は、金型の中に取り付けられたタイヤを示す。図示されているように、金型１０は、中央開口１４を有するサイドウォール環状リング１８を含む上部部分１１を有する。サイドウォール環状リング１８は、製造を容易にするために、図示されるように２つ以上のサイドウォール部品１８ａ，１８ｂに分割されてもよい。サイドウォール部品１８ａ，１８ｂは、それぞれ、タイヤのサイドウォールを形成するための内側面１７ａ，１７ｂを含む。サイドウォール環状リング１８またはサイドウォール部品１８ａ，１８ｂは、好ましくはサイドウォール環状リング１８またはサイドウォール部品１８ａ，１８ｂの幅全体に沿って延びる内部空洞１００をさらに含む。空洞１００は、ガラス繊維、または、耐熱性ポリエステルの熱硬化性樹脂を有しガラス繊維で補強された鉱物充填シート、といった、断熱材で満たされている。使用に適した商業的に利用可能な断熱材が、ＧＬＡＳＳＴＨＲＥＭ ＨＴ、ＧＬＡＳＴＨＥＲＭ ＣＨ、または、ＧＬＡＳＴＨＥＲＭ Ｓという商品名で販売されており、オハイオ州ミドルフィールドにあるＪａｃｏ Ｐｒｏｄｕｃｔｓにて製造されている。その断熱材のＲ値は、サイドウォールとベルトエッジが過度に加硫されないことを保証するために、トレッドセグメントとサイドウォール部品の所望の温度分布を提供するように調整可能である。

金型の上部部分１１は、さらに、任意の環状ショルダーリング２０を含む。任意のショルダーリング２０は、サイドウォール部品１８ａ，１８ｂと環状作動リング２４との間に配置されている。ショルダーリング２０は、タイヤのショルダー／トレッド領域を成形するための内部成形面２１を有する。環状作動リング２４は、トレッドセグメントの外部円錐台形面３１に係合するように調整された内部円錐台形面２５を含み、金型１０が閉じている間、トレッドセグメントを調整するように機能する。

図１を再び参照すると、金型１０の下部部分１２は、中央開口３３を有する下部サイドウォールリング３４を含む。下部サイドウォールリング３４は、２以上の部品３４ａ，３４ｂに細分化されてもよい。環状の下部サイドウォールリング３４またはサイドウォール部品３４ａ，３４ｂは、好ましくは環状のサイドウォールリング３４またはサイドウォール部品３４ａ，３４ｂの幅全体に沿って延びる内部空洞１０２をさらに含む。空洞１０２は、ガラス繊維、または、耐熱性ポリエステルの熱硬化性樹脂を有しガラス繊維で補強された鉱物充填シート、といった、断熱材で満たされている。使用に適した商業的に利用可能な断熱材が、ＧＬＡＳＳＴＨＲＥＭ ＨＴ、ＧＬＡＳＴＨＥＲＭ ＣＨ、または、ＧＬＡＳＴＨＥＲＭ Ｓという商品名で販売されており、オハイオ州ミドルフィールドにあるＪａｃｏ Ｐｒｏｄｕｃｔｓにて製造されている。

任意のショルダーリング３６は、サイドウォールリング３４の半径方向外側に配置されている。任意のショルダーリング３６は、タイヤのショルダー部を形成するためのトレッド形成面３５を有する。

金型１０の下部部分１２は、さらに、成形されるグリーンタイヤの周りに円周方向に配置される複数のトレッドセグメント３２を備える。各トレッドセグメント３２は、例えばグリーンタイヤのトレッドを成形するための平らな部分と溝とを有するトレッド形成面３３を有する。トレッドセグメント３２はつなぎ合わされて、グリーンタイヤのトレッドを取り囲み成形するための環状リングを形成する。好ましくは、各トレッドセグメント３２は１つの構成品で形成され、２以上の部品に切り離されない。このため、各トレッドセグメント３２は、一方のショルダーから反対のショルダーまで、グリーンタイヤの外側トレッド面を実質的に連続して横切って延びるトレッド成形面３３を有する。各トレッドセグメント３２は、好ましくは、さらに、セグメント３２の軸線方向の外側の端部１１４，１１６に位置する空洞１１０，１１２を含む。空洞１１０，１１２は、好ましくは、タイヤのベルトエッジに隣接したトレッド面３３の近くに配置される。

本発明は、分割されたタイプの金型を使用して説明されたが、本発明は、分割された金型に限られず、他のタイプの金型に使用されてもよい。本発明は、ある好適な実施形態または複数の実施形態について示され記述されたが、ある均等な変更および修正は、この明細書と添付図面を読み理解することで当業者に見出されるであろう。

１０ タイヤ金型
１１ 上部金型部
１２ 下部金型部
１８ 上部サイドウォールリング
３４ 下部サイドウォールリング
３２ トレッドセグメント
１００ 内部空洞
１０２ 内部空洞

Claims (8)

1. 上部金型部と下部金型部とを備えるタイヤ金型であって、
   前記上部金型部および前記下部金型部は、前記タイヤ金型へのタイヤの挿入のために互いに相対的に移動可能であり、
   前記上部金型部は上部サイドウォールリングを含み、前記下部金型部は下部サイドウォールリングを含み、
   前記下部金型部は、グリーンタイヤのトレッドを取り囲むための環状リングを形成するように互いに結合可能な複数のトレッドセグメントをさらに含み、
   前記上部および下部サイドウォールリングはそれぞれ、断熱材で満たされた内部空洞を含むことを特徴とする、タイヤ金型。
2. 前記トレッドセグメントは、断熱材で満たされた内部空洞をさらに備えることを特徴とする、請求項１に記載のタイヤ金型。
3. 前記複数のトレッドセグメントは軸線方向外側端部を有し、前記断熱材で満たされた内部空洞は、各軸線方向外側端部に配置されていることを特徴とする、請求項１に記載のタイヤ金型。
4. 前記上部および下部サイドウォールリングの前記内部空洞は、前記上部および下部サイドウォールリングの内側面に隣接して配置されていることを特徴とする、請求項１に記載のタイヤ金型。
5. 前記上部および下部サイドウォールリングは２つの部品に分割されていることを特徴とする、請求項１に記載のタイヤ金型。
6. 前記上部および下部サイドウォールリングの前記内部空洞は、実質的に前記上部および下部サイドウォールリングの内側面に沿って延びていることを特徴とする、請求項１に記載のタイヤ金型。
7. 前記断熱材はガラス繊維であることを特徴とする、請求項１に記載のタイや金型。
8. 前記断熱材は、ガラス繊維で強化された鉱物充填シートであることを特徴する、請求項１に記載のタイヤ金型。

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