JP2018114645A - ゴム物品の加硫装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形モールドにより加熱されるゴム物品の部位に応じて温度を調節できるようにして、ゴム物品内の温度差を低減する。
【解決手段】ゴム物品の加硫装置は、未加硫のゴム物品を成形する成形モールド3と、成形モールド3を保持する保持体4と、保持体4を加熱する加熱手段25と、阻害部5を備えている。ゴム物品の加硫装置は、保持体4から成形モールド3に伝達される熱により、ゴム物品を加硫する。阻害部5は、成形モールド3と保持体4の間の一部に設けられて、保持体4から成形モールド3への熱の伝達を阻害する。
【選択図】 図3
【解決手段】ゴム物品の加硫装置は、未加硫のゴム物品を成形する成形モールド3と、成形モールド3を保持する保持体4と、保持体4を加熱する加熱手段25と、阻害部5を備えている。ゴム物品の加硫装置は、保持体4から成形モールド3に伝達される熱により、ゴム物品を加硫する。阻害部5は、成形モールド3と保持体4の間の一部に設けられて、保持体4から成形モールド3への熱の伝達を阻害する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、未加硫のゴム物品を成形する成形モールドを備えたゴム物品の加硫装置に関する。
ゴム物品であるタイヤの製造時には、加硫装置の成形モールドにより、未加硫のタイヤを成形しつつ、タイヤを加熱して加硫する。また、成形モールドは、一般に、1つの熱源を用いて加熱されて、タイヤに熱を伝達する。ところが、タイヤの部位毎の性状(厚み、熱源からの距離、放熱量、溝の有無)の差等に起因して、タイヤの各部位の温度に差が生じることがある。加硫中のタイヤ内の温度差が大きくなると、各部位のゴムの物性値に差が生じて、タイヤの性能に影響が生じる虞がある。
これに対し、従来、熱源の温度を変化させてタイヤを加硫するタイヤ加硫方法が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載された従来のタイヤ加硫方法では、タイヤの部位に応じて温度を調節できず、タイヤ内の温度差を低減するのは難しい。
しかしながら、特許文献1に記載された従来のタイヤ加硫方法では、タイヤの部位に応じて温度を調節できず、タイヤ内の温度差を低減するのは難しい。
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされ、その目的は、成形モールドにより加熱されるゴム物品の部位に応じて温度を調節できるようにして、ゴム物品内の温度差を低減することである。
本発明は、未加硫のゴム物品を成形する成形モールドと、成形モールドを保持する保持体と、保持体を加熱する加熱手段と、を備え、保持体から成形モールドに伝達される熱によりゴム物品を加硫するゴム物品の加硫装置である。ゴム物品の加硫装置は、成形モールドと保持体の間の一部に設けられて、保持体から成形モールドへの熱の伝達を阻害する阻害部を備える。
また、本発明は、未加硫のゴム物品を成形する成形モールドと、成形モールドを保持する保持体と、保持体を加熱する加熱手段と、を備え、保持体から成形モールドに伝達される熱によりゴム物品を加硫するゴム物品の加硫装置である。成形モールドは、ゴム物品に接触してゴム物品を成形する成形部と、成形部の一部に設けられた、成形モールドの他の部分の熱伝導特性とは異なる熱伝導特性の異特性部と、を有する。
また、本発明は、未加硫のゴム物品を成形する成形モールドと、成形モールドを保持する保持体と、保持体を加熱する加熱手段と、を備え、保持体から成形モールドに伝達される熱によりゴム物品を加硫するゴム物品の加硫装置である。成形モールドは、ゴム物品に接触してゴム物品を成形する成形部と、成形部の一部に設けられた、成形モールドの他の部分の熱伝導特性とは異なる熱伝導特性の異特性部と、を有する。
本発明によれば、成形モールドにより加熱されるゴム物品の部位に応じて温度を調節でき、ゴム物品内の温度差を低減することができる。
本発明のゴム物品の加硫装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のゴム物品の加硫装置は、未加硫のゴム物品を成形しつつ加硫して、加硫されたゴム物品を製造する。以下では、ゴム物品が環状のタイヤである場合を例にとり、複数の実施形態について説明する。従って、ゴム物品の加硫装置は、未加硫のタイヤを加硫するタイヤ加硫装置である。
本実施形態のゴム物品の加硫装置は、未加硫のゴム物品を成形しつつ加硫して、加硫されたゴム物品を製造する。以下では、ゴム物品が環状のタイヤである場合を例にとり、複数の実施形態について説明する。従って、ゴム物品の加硫装置は、未加硫のタイヤを加硫するタイヤ加硫装置である。
(第1実施形態)
図1、図2は、第1実施形態のタイヤ加硫装置1Aを示す断面図であり、タイヤ2の幅方向(タイヤ幅方向M)に切断したタイヤ加硫装置1Aとタイヤ2を示している。図1は、閉じた状態のタイヤ加硫装置1Aの一部を示し、図2は、開いた状態のタイヤ加硫装置1Aの一部を示している。
図示のように、タイヤ2は、トレッド部2Aと、トレッド部2Aのタイヤ幅方向Mの両外側に位置する一対のショルダー部2Bと、ショルダー部2Bからタイヤ2の半径方向(タイヤ半径方向H)の内側に向かって形成された一対のサイド部2Cと、サイド部2Cのタイヤ半径方向Hの内側に位置する一対のビード部2Dを有する。トレッド部2Aは、タイヤ2の外周面を含む部分であり、タイヤ2の周方向(タイヤ周方向)に沿って環状に形成されている。
図1、図2は、第1実施形態のタイヤ加硫装置1Aを示す断面図であり、タイヤ2の幅方向(タイヤ幅方向M)に切断したタイヤ加硫装置1Aとタイヤ2を示している。図1は、閉じた状態のタイヤ加硫装置1Aの一部を示し、図2は、開いた状態のタイヤ加硫装置1Aの一部を示している。
図示のように、タイヤ2は、トレッド部2Aと、トレッド部2Aのタイヤ幅方向Mの両外側に位置する一対のショルダー部2Bと、ショルダー部2Bからタイヤ2の半径方向(タイヤ半径方向H)の内側に向かって形成された一対のサイド部2Cと、サイド部2Cのタイヤ半径方向Hの内側に位置する一対のビード部2Dを有する。トレッド部2Aは、タイヤ2の外周面を含む部分であり、タイヤ2の周方向(タイヤ周方向)に沿って環状に形成されている。
タイヤ加硫装置1Aは、タイヤ2を収容する環状のモールド10と、膨張可能なブラダ11と、モールド10を開閉する開閉機構20を備えている。タイヤ加硫装置1Aは、モールド10により未加硫のタイヤ2(生タイヤ)を成形するとともに、モールド10内のタイヤ2を加熱して加硫する。
ここでは、タイヤ加硫装置1Aとモールド10に関する方向を表すときに、モールド10により成形されるタイヤ2に関する方向を用いる。タイヤ2の方向は、タイヤ幅方向M、タイヤ半径方向H、及び、タイヤ周方向である。タイヤ2の各方向に基づいて、タイヤ加硫装置1Aとモールド10の方向を表す。また、タイヤ幅方向Mは、モールド10の幅方向(モールド幅方向)に一致し、タイヤ半径方向Hは、モールド10の半径方向(モールド半径方向)に一致する。タイヤ周方向は、モールド10の周方向(モールド周方向)に一致する。
モールド10は、タイヤ2の外面を成形する外型であり、一対の環状のサイドモールド12、13(上サイドモールド12、下サイドモールド13)と、一対の環状のビードモールド14、15(上ビードモールド14、下ビードモールド15)と、複数の分割モールド16を備えている。サイドモールド12、13は、タイヤ2のサイド部2Cに接触する成形部(サイド成形部)12A、13Aを有し、成形部12A、13Aにより、サイド部2Cを成形する。ビードモールド14、15は、タイヤ2のビード部2Dに接触する成形部(ビード成形部)14A、15Aを有し、成形部14A、15Aにより、ビード部2Dを成形する。
複数の分割モールド16は、タイヤ周方向に複数に分割されたセグメントモールドであり、タイヤ2のトレッド部2Aと一対のショルダー部2Bを成形する。複数の分割モールド16は、一対のサイドモールド12、13の間で、タイヤ周方向に沿って順に配置されて、環状に組み合わされる。環状に組み合わされた状態で、複数の分割モールド16は、タイヤ2を囲む。また、複数の分割モールド16は、トレッド部2Aとショルダー部2Bに接触する成形部(トレッド・ショルダー成形部)30を有し、成形部30により、トレッド部2Aとショルダー部2Bを成形する。複数の分割モールド16により、トレッドパターンがトレッド部2Aに成形される。
タイヤ加硫装置1Aは、ブラダ11を保持する一対のクランプ部材17と、加熱されたガス(例えば、スチーム)をブラダ11内に供給する供給装置(図示せず)を備えている。一対のクランプ部材17は、タイヤ半径方向Hの内側に位置するブラダ11の両端部を保持する。ブラダ11は、タイヤ2内に配置されて、ガスにより膨張し、タイヤ2の内面に接触する。タイヤ2の加硫時に、タイヤ加硫装置1Aは、膨張したブラダ11により、タイヤ2を加圧して、タイヤ2をモールド10の成形部12A〜15A、30に押し付ける。また、ガスの熱により、タイヤ2を加硫温度に加熱して加硫する。タイヤ2の加硫後に、ブラダ11からガスが排出されて、ブラダ11が収縮する。
開閉機構20は、モールド10の上側に配置された上プレート21と、モールド10の下側に配置された下プレート22と、上プレート21に固定された円筒状のアウターリング23と、アウターリング23と複数の分割モールド16の間に配置された複数の可動部材24を有する。移動装置(図示せず)により、上プレート21が下プレート22の上方で上下方向(タイヤ幅方向M)に移動して、上プレート21と下プレート22が接近及び離間する。モールド10は、上プレート21と下プレート22の間に配置されて、上プレート21と下プレート22に連結される。具体的には、上サイドモールド12は、上プレート21に取り付けられて、上プレート21と一体に移動する。下サイドモールド13は、下プレート22に取り付けられる。
アウターリング23は、モールド10と複数の可動部材24を囲み、上プレート21と一体に移動する。複数の可動部材24は、それぞれアウターリング23の内周部(ガイド部23A)に移動可能に連結されている。アウターリング23の移動に伴い、可動部材24は、アウターリング23のガイド部23Aによりガイドされて、タイヤ半径方向Hに移動する。複数の分割モールド16は、それぞれ可動部材24に取り付けられて、可動部材24と一体にタイヤ半径方向Hに移動する。移動時には、複数の可動部材24が下プレート22の上面をスライドして、複数の可動部材24及び分割モールド16が放射状に移動する。これにより、複数の可動部材24及び分割モールド16がタイヤ周方向に接近及び離間する。
開閉機構20は、上プレート21の移動により、上サイドモールド12と下サイドモールド13を接近及び離間させる。同時に、上プレート21と一体にアウターリング23が移動して、複数の分割モールド16が接近及び離間する。これにより、開閉機構20は、モールド10を開閉する。モールド10が開くときには、上サイドモールド12と下サイドモールド13が離間し、複数の分割モールド16が離間する。モールド10が閉じるときには、上サイドモールド12と下サイドモールド13が接近し、複数の分割モールド16が接近して接触する。その状態で、複数の分割モールド16は、環状に組み合わされる。また、複数の分割モールド16は、上サイドモールド12と下サイドモールド13に接触して、上サイドモールド12と下サイドモールド13に組み合わされる。
上プレート21、下プレート22、及び、アウターリング23は、モールド10を加熱する加熱部材(上加熱部材、下加熱部材、外周加熱部材)である。タイヤ加硫装置1Aは、加熱装置(図示せず)により上プレート21、下プレート22、及び、アウターリング23を加熱して、上プレート21、下プレート22、及び、アウターリング23により、モールド10を加熱する。タイヤ2は、モールド10により加硫温度に加熱されて加硫される。
タイヤ2の加硫時には、モールド10を開いて(図2参照)、未加硫のタイヤ2をモールド10内に配置する。また、ブラダ11をタイヤ2内に配置する。続いて、モールド10を閉じて(図1参照)、タイヤ2をモールド10の内部空間18に収容する。その状態で、ブラダ11を膨張させて、ブラダ11によりタイヤ2を加圧する。タイヤ2をモールド10に押し付けて、タイヤ2の外面をモールド10により成形する。同時に、タイヤ2を加熱して、タイヤ2を加硫する。タイヤ2の加硫後に、モールド10を開いて、加硫後のタイヤ2をモールド10から取り出す。
複数の分割モールド16のそれぞれは、未加硫のタイヤ2を成形する成形モールド3と、成形モールド3を保持する保持体4を有する。成形モールド3は、成形部30を有する意匠面部材であり、タイヤ幅方向Mの外側からみて円弧状に形成されている。タイヤ2の加硫時に、複数の分割モールド16の成形モールド3が、タイヤ周方向に沿って順に配置され、環状に組み合わされて、タイヤ2を囲む。成形部30は、成形モールド3の内周部(接触部)であり、タイヤ2(ここでは、トレッド部2Aと一対のショルダー部2B)に接触して、タイヤ2を成形する。
成形モールド3の成形部30は、タイヤ2に凹部を形成する複数の凸部31を有する。成形部30は、凸部31により、タイヤ2のトレッド部2Aに凹部(例えば、溝、窪み)を形成する。また、成形モールド3は、保持体4に装着される装着部32(外周部)を有する。保持体4は、ブロック状の基部(ベースモールド)であり、可動部材24に連結される連結部40と、成形モールド3を保持する保持部41を有する。保持体4が成形モールド3に対してタイヤ半径方向Hの外側に配置され、可動部材24が保持体4に対してタイヤ半径方向Hの外側に配置される。
可動部材24は、保持体4の連結部40に接触して、保持体4に連結される。成形モールド3は、保持体4の保持部41に接触して、保持体4に保持される。その際、成形モールド3の装着部32が保持部41に接触して、成形モールド3が保持体4に装着される。保持体4は、保持部41により成形モールド3に接触して、成形モールド3を保持部41に保持する。成形モールド3は、保持体4のタイヤ半径方向Hの内側に取り付けられ、保持体4は、可動部材24のタイヤ半径方向Hの内側に取り付けられる。
タイヤ加硫装置1Aは、加熱装置によりアウターリング23を加熱して、アウターリング23により可動部材24を加熱する。保持体4及び分割モールド16は、可動部材24により加熱される。従って、加熱装置、アウターリング23、及び、可動部材24は、保持体4及び分割モールド16を加熱するタイヤ加硫装置1Aの加熱手段25である。タイヤ加硫装置1Aは、保持体4から成形モールド3に伝達される熱によりタイヤ2を加熱して加硫する。成形モールド3は、保持体4により加熱されて、成形部30に接触するタイヤ2を加熱する。
図3は、第1実施形態のタイヤ加硫装置1Aの一部を示す断面図であり、図1の一部を拡大して示している。
図示のように、タイヤ加硫装置1Aは、成形モールド3、保持体4、加熱手段25、及び、阻害部5を備えている。阻害部5は、成形モールド3と保持体4の間の一部に設けられて、保持体4から成形モールド3への熱の伝達を阻害する。ここでは、阻害部5は、成形モールド3と保持体4の間に配置された遮熱材50からなる。遮熱材50は、成形モールド3の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する低熱伝導部材であり、収容部51に収容されている。例えば、成形モールド3と保持体4は、金属(スチール、アルミニウム合金等)製であり、各種の形成加工(鋳造、機械加工、焼結、積層造形等)により形成される。また、遮熱材50は、断熱材(ゴム、グラスウール等)製であり、収容部51の形状に対応したシート状に形成される。
図示のように、タイヤ加硫装置1Aは、成形モールド3、保持体4、加熱手段25、及び、阻害部5を備えている。阻害部5は、成形モールド3と保持体4の間の一部に設けられて、保持体4から成形モールド3への熱の伝達を阻害する。ここでは、阻害部5は、成形モールド3と保持体4の間に配置された遮熱材50からなる。遮熱材50は、成形モールド3の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する低熱伝導部材であり、収容部51に収容されている。例えば、成形モールド3と保持体4は、金属(スチール、アルミニウム合金等)製であり、各種の形成加工(鋳造、機械加工、焼結、積層造形等)により形成される。また、遮熱材50は、断熱材(ゴム、グラスウール等)製であり、収容部51の形状に対応したシート状に形成される。
収容部51は、保持体4に形成された凹部からなり、保持体4の保持部41に対して保持体4内に窪む。また、収容部51は、保持体4と成形モールド3の間の一部に形成され、タイヤ周方向に沿って延びる。収容部51の成形モールド3側の開口は、成形モールド3により塞がれる。遮熱材50は、収容部51に充填されて、成形モールド3と保持体4に接触する。成形モールド3と保持体4の間で、遮熱材50及び阻害部5は、タイヤ周方向に沿って配置されて、保持体4から成形モールド3に向かう熱(熱エネルギー)の一部を遮る。
成形モールド3と保持体4の間の一部(阻害部5が設けられた部分)では、阻害部5により、成形モールド3と保持体4が接触せず、熱が保持体4から成形モールド3に間接に伝達される。これに対し、成形モールド3と保持体4の間の他の部分(阻害部5が設けられていない部分)では、成形モールド3と保持体4が接触して、熱が保持体4から成形モールド3に直接に伝達される。また、保持体4の保持部41と成形モールド3の装着部32が密着して、保持部41から装着部32に熱が伝達される。そのため、阻害部5が設けられた部分では、阻害部5が設けられていない部分に比べて、保持体4から成形モールド3への熱の伝達が阻害される。その状態で、熱は、阻害部5を介して、保持体4から成形モールド3に伝達される。
阻害部5(遮熱材50)を設ける位置は、加硫中におけるタイヤ2の部位毎の温度に基づいて設定される。例えば、温度の算出式による算出、温度のシミュレーション、又は、温度の実測により、タイヤ2の部位毎の温度を取得し、タイヤ2の温度を調節する部位(温度調節部位)を決定する。タイヤ2の温度調節部位は、例えば、温度の上昇を遅らせたい部位、又は、温度を低下させたい部位である。この場合には、タイヤ2の温度調節部位は、タイヤ2内で相対的に温度の上昇が速い部位、又は、タイヤ2内で相対的に温度が高い部位に設定される。
阻害部5は、成形モールド3内でタイヤ2の温度調節部位を成形する部分(成形モールド3の調節部)を覆うように、成形モールド3の調節部と保持体4の間に設けられる。阻害部5により、成形モールド3の調節部への熱の伝達が阻害されて、タイヤ2の温度調節部位の温度が調節される。タイヤ2の温度調節部位では、阻害部5がないときに比べて、加熱が抑制されて、温度の上昇が遅くなり、又は、温度が低下する。その結果、タイヤ2内の温度差が低減する。
ここでは、タイヤ2の温度調節部位は、トレッド部2Aの中央領域2Eである。トレッド部2Aの中央領域2Eは、トレッド部2Aのタイヤ幅方向Mの中心位置を含むトレッド部2Aのタイヤ幅方向Mの中央領域であり、一対のタイヤ2の外側領域2Fの間に位置する。タイヤ2の外側領域2Fは、トレッド部2Aのタイヤ幅方向Mの外側端部を含むトレッド部2Aのタイヤ幅方向Mの外側領域と、ショルダー部2Bからなる。タイヤ2の外側領域2Fでは、トレッド部2Aの中央領域2Eに比べて、加熱手段25からの距離が長い、ゴムの量が多い、又は、放熱による熱のロスが大きい等の理由により、温度の上昇が遅くなる傾向がある。これに伴い、トレッド部2Aの中央領域2Eでは、タイヤ2の外側領域2Fに比べて、温度の上昇が速く、温度が高くなる。
成形モールド3の調節部は、トレッド部2Aの中央領域2Eを成形する成形モールド3の中央領域33である。成形モールド3の中央領域33は、成形モールド3のタイヤ幅方向Mの中心位置を含む成形モールド3のタイヤ幅方向Mの中央領域であり、一対の成形モールド3の外側領域34の間に位置する。成形モールド3の外側領域34は、成形モールド3のタイヤ幅方向Mの外側端部を含む成形モールド3のタイヤ幅方向Mの外側領域であり、タイヤ2の外側領域2Fを成形する。トレッド部2Aの中央領域2Eは、成形モールド3の中央領域33により加熱され、タイヤ2の外側領域2Fは、成形モールド3の外側領域34により加熱される。
阻害部5は、成形モールド3の中央領域33と保持体4の間に設けられて、保持体4から成形モールド3の中央領域33への熱の伝達を阻害する。成形モールド3の中央領域33は保持体4に接触せず、熱は阻害部5を介して成形モールド3の中央領域33に伝達される。これに対し、成形モールド3の外側領域34は保持体4に接触し、熱は保持体4から成形モールド3の外側領域34に直接に伝達される。その結果、阻害部5がないときに比べて、成形モールド3の中央領域33の加熱が抑制されて、トレッド部2Aの中央領域2Eの温度(中央温度)が低下する。このように、阻害部5により、トレッド部2Aの中央温度が調節される。また、トレッド部2Aの中央温度がタイヤ2の外側領域2Fの温度(外側温度)に接近して、中央温度と外側温度の差が低減される。
以上説明したように、タイヤ加硫装置1Aでは、成形モールド3により加熱されるタイヤ2の部位に応じて温度を簡単に調節でき、タイヤ2内の温度差を低減することができる。その結果、タイヤ2の部位毎のゴムの性能を損なうことなく、タイヤ2を加硫することができる。タイヤ2内での加硫度の差、及び、タイヤ2内でのゴムの物性値の差を低減することもできる。具体的には、阻害部5がないときに比べて、トレッド部2Aの中央領域2Eにおいて、温度の上昇を抑制して、温度を低下させることができる。また、トレッド部2Aの中央領域2Eでの過加硫を防止しつつ、タイヤ2の外側領域2Fを所定の加硫度で加硫することができる。
阻害部5は、既存の分割モールド16に簡単に設けることができる。阻害部5が遮熱材50であるときには、阻害部5により、保持体4から成形モールド3への熱の伝達をより確実に阻害することができる。遮熱材50を変更することで、保持体4から成形モールド3への熱の伝達を調節することもできる。なお、阻害部5は、遮熱材50以外の熱の伝達を阻害可能な部分であってもよい。
次に、他の実施形態のタイヤ加硫装置について説明するが、他の実施形態のタイヤ加硫装置は、基本的には、第1実施形態のタイヤ加硫装置1Aと同様に構成され、同様の効果を発揮する。従って、以下では、既に説明した事項と相違する事項を説明し、既に説明した事項と同じ事項の説明は省略する。また、他の実施形態のタイヤ加硫装置に関して、第1実施形態のタイヤ加硫装置1Aが備える構成に相当する構成には、タイヤ加硫装置1Aの構成と同じ名称と符号を用いる。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態のタイヤ加硫装置1Bを示す断面図であり、図3と同様に、タイヤ加硫装置1Bの一部を示している。
図示のように、タイヤ加硫装置1Bの阻害部5は、成形モールド3と保持体4の間に形成された空洞部52である。空洞部52は、保持体4に形成された凹部からなり、保持体4の保持部41に対して保持体4内に窪む。空洞部52は、保持体4と成形モールド3の間の一部に形成され、タイヤ周方向に沿って延びる。空洞部52の成形モールド3側の開口は、成形モールド3により塞がれる。空洞部52により、保持体4から成形モールド3への熱の伝達をより簡単に阻害することができる。
図4は、第2実施形態のタイヤ加硫装置1Bを示す断面図であり、図3と同様に、タイヤ加硫装置1Bの一部を示している。
図示のように、タイヤ加硫装置1Bの阻害部5は、成形モールド3と保持体4の間に形成された空洞部52である。空洞部52は、保持体4に形成された凹部からなり、保持体4の保持部41に対して保持体4内に窪む。空洞部52は、保持体4と成形モールド3の間の一部に形成され、タイヤ周方向に沿って延びる。空洞部52の成形モールド3側の開口は、成形モールド3により塞がれる。空洞部52により、保持体4から成形モールド3への熱の伝達をより簡単に阻害することができる。
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態のタイヤ加硫装置1Cを示す断面図であり、図3と同様に、タイヤ加硫装置1Cの一部を示している。
図示のように、タイヤ加硫装置1Cの成形モールド3は、第1実施形態のタイヤ加硫装置1Aの成形モールド3よりも薄くなっている。成形モールド3は、分割モールド16の板状の表層部であり、保持体4よりも薄く形成されている。このようにすることで、成形モールド3の熱容量が小さくなり、タイヤ2への熱の伝導に対する阻害部5の影響が大きくなる。その結果、阻害部5によるタイヤ2の加熱を抑制する効果が高くなる。
図5は、第3実施形態のタイヤ加硫装置1Cを示す断面図であり、図3と同様に、タイヤ加硫装置1Cの一部を示している。
図示のように、タイヤ加硫装置1Cの成形モールド3は、第1実施形態のタイヤ加硫装置1Aの成形モールド3よりも薄くなっている。成形モールド3は、分割モールド16の板状の表層部であり、保持体4よりも薄く形成されている。このようにすることで、成形モールド3の熱容量が小さくなり、タイヤ2への熱の伝導に対する阻害部5の影響が大きくなる。その結果、阻害部5によるタイヤ2の加熱を抑制する効果が高くなる。
(第4実施形態)
図6は、第4実施形態のタイヤ加硫装置1Dを示す断面図であり、図5と同様に、タイヤ加硫装置1Dの一部を示している。
図示のように、タイヤ加硫装置1Dの成形モールド3は、第3実施形態のタイヤ加硫装置1Cの成形モールド3と同様に、保持体4よりも薄く形成されている。また、成形モールド3は、阻害部5と成形部30の間に形成された空所部35を有する。空所部35は、阻害部5と成形部30の間の成形モールド3において、成形部30を除く部分に形成される。例えば、空所部35は、成形モールド3の内部に形成される。或いは、空所部35は、成形モールド3の装着部32に対して成形モールド3内に窪む凹部であり、阻害部5側に開放された凹状に形成される。
図6は、第4実施形態のタイヤ加硫装置1Dを示す断面図であり、図5と同様に、タイヤ加硫装置1Dの一部を示している。
図示のように、タイヤ加硫装置1Dの成形モールド3は、第3実施形態のタイヤ加硫装置1Cの成形モールド3と同様に、保持体4よりも薄く形成されている。また、成形モールド3は、阻害部5と成形部30の間に形成された空所部35を有する。空所部35は、阻害部5と成形部30の間の成形モールド3において、成形部30を除く部分に形成される。例えば、空所部35は、成形モールド3の内部に形成される。或いは、空所部35は、成形モールド3の装着部32に対して成形モールド3内に窪む凹部であり、阻害部5側に開放された凹状に形成される。
ここでは、複数の空所部35が、成形モールド3の中央領域33に形成されている。また、空所部35は、阻害部5側に開放された凹部であり、成形部30の凸部31に形成されている。複数の凸部31が阻害部5とタイヤ2の間に設けられて、空所部35が複数の凸部31のそれぞれに形成される。空所部35が凸部31内に形成されて、空所部35により、凸部31が中空状に形成される。阻害部5の遮熱材50は、複数の凸部31の空所部35を覆うように配置されて、空所部35の阻害部5側の開口を塞ぐ。
阻害部5とタイヤ2の間において、空所部35により、成形モールド3が薄くなり、成形モールド3の熱容量が小さくなる。その結果、阻害部5が設けられた部分で、成形モールド3によるタイヤ2の加熱、及び、タイヤ2の温度の上昇を抑制して、タイヤ2の温度調節部位の温度をより確実に調節することができる。成形部30の凸部31に空所部35を形成することで、凸部31の熱容量を小さくして、凸部31の周辺におけるタイヤ2の温度の上昇を遅くすることができる。
(第5実施形態)
図7は、第5実施形態のタイヤ加硫装置1Eを示す断面図であり、図3と同様に、タイヤ加硫装置1Eの一部を示している。
図示のように、タイヤ加硫装置1Eは、阻害部5を備えていない。そのため、成形モールド3と保持体4の間の全体で、成形モールド3と保持体4が接触する。また、成形モールド3は、成形部30の一部に設けられた異特性部36を有する。異特性部36は、成形モールド3の他の部分(異特性部36以外の部分)とは異なる異種材からなる。成形モールド3の他の部分は、異特性部36を除いた成形モールド3の主部37である。異特性部36の熱伝導特性は、成形モールド3の主部37の熱伝導特性とは異なる。熱伝導特性は、例えば、熱伝導率、比熱、又は、密度である。
図7は、第5実施形態のタイヤ加硫装置1Eを示す断面図であり、図3と同様に、タイヤ加硫装置1Eの一部を示している。
図示のように、タイヤ加硫装置1Eは、阻害部5を備えていない。そのため、成形モールド3と保持体4の間の全体で、成形モールド3と保持体4が接触する。また、成形モールド3は、成形部30の一部に設けられた異特性部36を有する。異特性部36は、成形モールド3の他の部分(異特性部36以外の部分)とは異なる異種材からなる。成形モールド3の他の部分は、異特性部36を除いた成形モールド3の主部37である。異特性部36の熱伝導特性は、成形モールド3の主部37の熱伝導特性とは異なる。熱伝導特性は、例えば、熱伝導率、比熱、又は、密度である。
異特性部36のタイヤ2側の部分は、成形部30の一部であり、異特性部36の保持体4側の部分は、装着部32の一部である。異特性部36は、成形モールド3の成形部30から装着部32まで設けられて、タイヤ2と保持体4に接触する。異特性部36を成形モールド3の主部37に固定することで、成形モールド3が作成される。ここでは、成形モールド3の中央領域33が異特性部36であり、成形モールド3の外側領域34が成形モールド3の主部37である。異特性部36は、一対の外側領域34の間で、タイヤ周方向に沿って延びる。
異特性部36では、タイヤ2に向かう熱(熱エネルギー)の伝導が阻害されて、熱の伝導速度が遅くなる。その結果、タイヤ2の加熱が抑制されて、タイヤ2の温度の上昇が遅くなる。また、異特性部36と主部37との間で熱のロスが生じて、タイヤ2の加熱が抑制される。異特性部36により、第1実施形態のタイヤ加硫装置1Aの阻害部5と同様の効果が得られ、タイヤ2の異特性部36により加熱される部分の温度が調節される。
図8は、第5実施形態のタイヤ加硫装置1Eの異特性部36について説明するための模式図である。図8A、図8Cは、空隙38A、38Bのない異特性部36の組織を示し、図8B、図8Dは、空隙38A、38Bのある異特性部36の組織を示している。また、図8Bは、図8Aの異特性部36に空隙38Aを形成した例を示す図である。図8Cは、図8Aの一部を拡大した図であり、図8Dは、図8Cの異特性部36に空隙38Bを形成した例を示す図である。
図示のように、異特性部36に空隙38A、38Bを形成しないときには(図8A、図8C参照)、異特性部36と成形モールド3の主部37を互いに異なる材料(例えば、互いに異なる金属)で形成する。これにより、異特性部36の熱物性値(例えば、熱伝導率、比熱)と主部37の熱物性値とを異ならせて、異特性部36の熱伝導特性を主部37の熱伝導特性とは異なる熱伝導特性にする。
これに対し、図8B、図8Dに示す異特性部36は、多数の空隙38A、38Bを有する。空隙38A、38Bは、異特性部36内の全体に分散して形成される。一方の空隙38A(図8B参照)は、肉眼でみえる程度の大きさの巨視的な空隙であり、異特性部36は、巨視的な組織レベルの多数の空隙38Aを有する。異特性部36は、巨視的な空隙38Aを有する材料を用いて形成される。例えば、積層造形装置(3次元プリンタ等)を用いた粉末積層造形により、異特性部36が形成される。或いは、発泡金属を加工することで、異特性部36が形成される。
他方の空隙38B(図8D参照)は、肉眼ではみえず、顕微鏡でみえる程度の大きさの微視的な空隙であり、異特性部36は、微視的な組織レベルの多数の空隙38Bを有する。異特性部36は、微視的な空隙38Bを有する材料を用いて形成される。例えば、粉末焼結により、異特性部36が形成される。多数の空隙38A、38Bを異特性部36に形成することで、空隙38A、38Bがないときに比べて、異特性部36の密度が低下して、異特性部36の見掛け上の熱物性値が変化する。また、密度の低下に比例して、異特性部36の熱物性値(例えば、熱伝導率、比熱)が低下する。その結果、異特性部36の熱伝導特性が変化する。
空隙38A、38Bの状態を変化させることで、異特性部36の熱伝導特性を調節することができる。また、異特性部36と成形モールド3の主部37を同じ材料で形成するときでも、異特性部36の熱伝導特性を主部37の熱伝導特性とは異なる熱伝導特性にすることができる。これにより、主部37の熱伝導特性よりも異特性部36の熱伝導特性を劣化させることができる。なお、巨視的な空隙38Aのみを異特性部36に形成してもよく、微視的な空隙38Bのみを異特性部36に形成してもよい。また、空隙38A、38Bの両方を異特性部36に形成してもよい。
以上、成形モールド3によりタイヤ2のトレッド部2Aとショルダー部2Bを成形する例について説明したが、成形モールド3により、タイヤ2の他の部分を成形してもよい。また、ゴム物品がタイヤ2である場合を例にとり、タイヤ加硫装置1A〜1Eについて説明したが、ゴム物品は、タイヤ2に限定されず、他のゴム物品であってもよい。ゴム物品は、成形モールド3により成形されるゴム製の物品であり、例えば、ゴムのみからなる物品、又は、ゴムと他の部材からなる物品である。
(タイヤ2の加熱試験)
タイヤ2の温度の調節について確認するため、以上説明した各実施形態のタイヤ加硫装置を用いた各種の試験を行った。図3〜図7において、タイヤ2の幅Wtは、成形モールド3により成形される部分のタイヤ幅方向Mの幅であり、成形モールド3の厚みTは、トレッド部2Aの中心位置における厚みである。図3〜図6において、遮熱材50(阻害部5)の幅Wsは、タイヤ幅方向Mの幅であり、遮熱材50の厚みPは、トレッド部2Aの中心位置における厚みである。図7において、異特性部36の幅Wrは、タイヤ幅方向Mの幅である。
タイヤ2の温度の調節について確認するため、以上説明した各実施形態のタイヤ加硫装置を用いた各種の試験を行った。図3〜図7において、タイヤ2の幅Wtは、成形モールド3により成形される部分のタイヤ幅方向Mの幅であり、成形モールド3の厚みTは、トレッド部2Aの中心位置における厚みである。図3〜図6において、遮熱材50(阻害部5)の幅Wsは、タイヤ幅方向Mの幅であり、遮熱材50の厚みPは、トレッド部2Aの中心位置における厚みである。図7において、異特性部36の幅Wrは、タイヤ幅方向Mの幅である。
各試験において、保持体4は、炭素鋼(JIS規格:SS400)製であり、タイヤ2の幅Wtは、300mmである。また、阻害部5の遮熱材50は、ゴム製であり、タイヤ2の初期温度は、25℃である。初期温度は、タイヤ2の加熱開始時の温度である。各試験では、タイヤ加硫装置によりタイヤ2を加熱して加硫するときのタイヤ2内の温度を計測した。
図9は、タイヤ2の温度計測箇所を示す断面図である。
図示のように、試験では、タイヤ2のトレッド部2A内の8箇所(温度計測箇所S1〜S8)で温度を計測する。温度計測箇所S1〜S8は、トレッド部2Aの厚み方向の中心に位置し、トレッド部2Aの外側端部から中心位置に向かって順に設定される。温度計測箇所S1〜S3は、タイヤ2の外側領域2Fに位置し、温度計測箇所S4〜S8は、トレッド部2Aの中央領域2Eに位置する。また、温度計測箇所S8は、トレッド部2Aの中心位置に設定される。
図示のように、試験では、タイヤ2のトレッド部2A内の8箇所(温度計測箇所S1〜S8)で温度を計測する。温度計測箇所S1〜S8は、トレッド部2Aの厚み方向の中心に位置し、トレッド部2Aの外側端部から中心位置に向かって順に設定される。温度計測箇所S1〜S3は、タイヤ2の外側領域2Fに位置し、温度計測箇所S4〜S8は、トレッド部2Aの中央領域2Eに位置する。また、温度計測箇所S8は、トレッド部2Aの中心位置に設定される。
各試験では、タイヤ2の加熱開始から800秒後まで、温度計測箇所S1〜S8の温度を計測し、各計測時におけるタイヤ2内の温度差を算出する。タイヤ2内の温度差は、温度計測箇所S1〜S8の温度の最大値と最小値の差である。算出したタイヤ2内の温度差に基づいて、タイヤ2内の最大温度差を取得する。タイヤ2内の最大温度差は、タイヤ2の加熱開始から800秒後までの間におけるタイヤ2内の温度差の最大値である。以下、各試験の結果について順に説明する。
(第1〜第4試験)
まず、タイヤ加硫装置1A、1C、1D(図3、図5、図6)を用いた第1〜第4試験の結果について説明する。タイヤ加硫装置1A、1C、1Dは、遮熱材50からなる阻害部5を備えている。第1〜第4試験では、遮熱材50による遮熱率G(%)を変化させる。遮熱率Gは、タイヤ2の幅Wtに対する遮熱材50の幅Wsの割合である(G=(Ws/Wt)×100)。また、成形モールド3を3種類の材料で形成し、遮熱材50を2種類の材料で形成する。
まず、タイヤ加硫装置1A、1C、1D(図3、図5、図6)を用いた第1〜第4試験の結果について説明する。タイヤ加硫装置1A、1C、1Dは、遮熱材50からなる阻害部5を備えている。第1〜第4試験では、遮熱材50による遮熱率G(%)を変化させる。遮熱率Gは、タイヤ2の幅Wtに対する遮熱材50の幅Wsの割合である(G=(Ws/Wt)×100)。また、成形モールド3を3種類の材料で形成し、遮熱材50を2種類の材料で形成する。
図10は、第1〜第4試験で用いた材料と材質を示す表であり、成形モールド3と遮熱材50の諸元を示している。また、図10は、各材料の密度(ρ)、比熱(C)、熱伝導率(k)、及び、熱伝導特性を示している。ここでは、熱伝導特性は、温度伝導率(温度上昇係数)(k/(ρ・C))である。
図示のように、成形モールド3の材料は、アルミニウム合金(JIS規格:AC4C)、炭素鋼(JIS規格:SS400)、合金鋼(マルエージング鋼)である。熱伝導率と熱伝導特性は、アルミニウム合金、炭素鋼、合金鋼の順に低くなる。遮熱材50の材料は、2種類のゴム(第1ゴム、第2ゴム)である。熱伝導率と熱伝導特性は、第2ゴム、第1ゴムの順に低くなる。
図示のように、成形モールド3の材料は、アルミニウム合金(JIS規格:AC4C)、炭素鋼(JIS規格:SS400)、合金鋼(マルエージング鋼)である。熱伝導率と熱伝導特性は、アルミニウム合金、炭素鋼、合金鋼の順に低くなる。遮熱材50の材料は、2種類のゴム(第1ゴム、第2ゴム)である。熱伝導率と熱伝導特性は、第2ゴム、第1ゴムの順に低くなる。
(第1試験)
第1試験は、第1実施形態のタイヤ加硫装置1A(図3参照)によるタイヤ2の加熱試験である。成形モールド3の材料は、アルミニウム合金、炭素鋼、及び、合金鋼であり、成形モールド3の厚みTは、10mmである。遮熱材50の材料は、第1ゴムであり、遮熱材50の厚みPは、5mmである。成形モールド3、保持体4、及び、ブラダ11の初期温度は、160℃であり、加熱手段25による保持体4の加熱温度は、170℃である。遮熱材50による遮熱率Gは、0%(遮熱材50及び阻害部5がない状態)と、60%である。
第1試験は、第1実施形態のタイヤ加硫装置1A(図3参照)によるタイヤ2の加熱試験である。成形モールド3の材料は、アルミニウム合金、炭素鋼、及び、合金鋼であり、成形モールド3の厚みTは、10mmである。遮熱材50の材料は、第1ゴムであり、遮熱材50の厚みPは、5mmである。成形モールド3、保持体4、及び、ブラダ11の初期温度は、160℃であり、加熱手段25による保持体4の加熱温度は、170℃である。遮熱材50による遮熱率Gは、0%(遮熱材50及び阻害部5がない状態)と、60%である。
図11は、第1試験の結果を示す表であり、各試験条件におけるタイヤ2内の最大温度差(℃)と温度差の低減値(℃)を示している。遮熱率0%のときの最大温度差が、温度差の低減値の基準値である。
図示のように、阻害部5の遮熱材50を設けることで、タイヤ2の部位に応じて温度を調節して、タイヤ2内の最大温度差を低減することができる。また、成形モールド3の熱伝導特性が低くなるほど、最大温度差の低減値が大きくなり、最大温度差を低減する効果が大きくなる。
図示のように、阻害部5の遮熱材50を設けることで、タイヤ2の部位に応じて温度を調節して、タイヤ2内の最大温度差を低減することができる。また、成形モールド3の熱伝導特性が低くなるほど、最大温度差の低減値が大きくなり、最大温度差を低減する効果が大きくなる。
(第2試験)
第2試験は、第1実施形態のタイヤ加硫装置1A(図3参照)又は第3実施形態のタイヤ加硫装置1C(図5参照)によるタイヤ2の加熱試験である。成形モールド3の材料は、アルミニウム合金であり、成形モールド3の厚みTは、5mm、10mm、20mmである。遮熱材50の材料は、第1ゴムであり、遮熱材50の厚みPは、5mmである。成形モールド3、保持体4、及び、ブラダ11の初期温度は、160℃であり、加熱手段25による保持体4の加熱温度は、170℃である。遮熱材50による遮熱率Gは、0%と60%である。
第2試験は、第1実施形態のタイヤ加硫装置1A(図3参照)又は第3実施形態のタイヤ加硫装置1C(図5参照)によるタイヤ2の加熱試験である。成形モールド3の材料は、アルミニウム合金であり、成形モールド3の厚みTは、5mm、10mm、20mmである。遮熱材50の材料は、第1ゴムであり、遮熱材50の厚みPは、5mmである。成形モールド3、保持体4、及び、ブラダ11の初期温度は、160℃であり、加熱手段25による保持体4の加熱温度は、170℃である。遮熱材50による遮熱率Gは、0%と60%である。
図12は、第2試験の結果を示す表であり、各試験条件におけるタイヤ2内の最大温度差(℃)と温度差の低減値(℃)を示している。
図示のように、阻害部5の遮熱材50を設けることで、タイヤ2の部位に応じて温度を調節して、タイヤ2内の最大温度差を低減することができる。また、成形モールド3の厚みTが薄くなるほど、最大温度差の低減値が大きくなり、最大温度差を低減する効果が大きくなる。
図示のように、阻害部5の遮熱材50を設けることで、タイヤ2の部位に応じて温度を調節して、タイヤ2内の最大温度差を低減することができる。また、成形モールド3の厚みTが薄くなるほど、最大温度差の低減値が大きくなり、最大温度差を低減する効果が大きくなる。
(第3試験)
第3試験は、第1実施形態のタイヤ加硫装置1A(図3参照)又は第3実施形態のタイヤ加硫装置1C(図5参照)によるタイヤ2の加熱試験である。成形モールド3の材料は、アルミニウム合金と炭素鋼であり、成形モールド3の厚みTは、5mmである。遮熱材50の材料は、第1ゴムと第2ゴムであり、遮熱材50の厚みPは、5mmである。成形モールド3、保持体4、及び、ブラダ11の初期温度は、170℃であり、加熱手段25による保持体4の加熱温度は、180℃である。遮熱材50による遮熱率Gは、0%と60%である。
第3試験は、第1実施形態のタイヤ加硫装置1A(図3参照)又は第3実施形態のタイヤ加硫装置1C(図5参照)によるタイヤ2の加熱試験である。成形モールド3の材料は、アルミニウム合金と炭素鋼であり、成形モールド3の厚みTは、5mmである。遮熱材50の材料は、第1ゴムと第2ゴムであり、遮熱材50の厚みPは、5mmである。成形モールド3、保持体4、及び、ブラダ11の初期温度は、170℃であり、加熱手段25による保持体4の加熱温度は、180℃である。遮熱材50による遮熱率Gは、0%と60%である。
図13は、第3試験の結果を示す表であり、各試験条件におけるタイヤ2内の最大温度差(℃)と温度差の低減値(℃)を示している。
図示のように、阻害部5の遮熱材50を設けることで、タイヤ2の部位に応じて温度を調節して、タイヤ2内の最大温度差を低減することができる。
図示のように、阻害部5の遮熱材50を設けることで、タイヤ2の部位に応じて温度を調節して、タイヤ2内の最大温度差を低減することができる。
(第4試験)
第4試験は、第3実施形態のタイヤ加硫装置1C(図5参照)と第4実施形態のタイヤ加硫装置1D(図6参照)によるタイヤ2の加熱試験である。成形モールド3の材料は、合金鋼であり、成形モールド3の厚みTは、3mmである。遮熱材50の材料は、第1ゴムであり、遮熱材50の厚みPは、5mmである。第3実施形態のタイヤ加硫装置1Cでは、成形部30の凸部31に空所部35がなく、第4実施形態のタイヤ加硫装置1Dでは、成形部30の凸部31に空所部35がある。成形モールド3、保持体4、及び、ブラダ11の初期温度は、160℃であり、加熱手段25による保持体4の加熱温度は、170℃である。遮熱材50による遮熱率Gは、0%と60%である。
第4試験は、第3実施形態のタイヤ加硫装置1C(図5参照)と第4実施形態のタイヤ加硫装置1D(図6参照)によるタイヤ2の加熱試験である。成形モールド3の材料は、合金鋼であり、成形モールド3の厚みTは、3mmである。遮熱材50の材料は、第1ゴムであり、遮熱材50の厚みPは、5mmである。第3実施形態のタイヤ加硫装置1Cでは、成形部30の凸部31に空所部35がなく、第4実施形態のタイヤ加硫装置1Dでは、成形部30の凸部31に空所部35がある。成形モールド3、保持体4、及び、ブラダ11の初期温度は、160℃であり、加熱手段25による保持体4の加熱温度は、170℃である。遮熱材50による遮熱率Gは、0%と60%である。
図14は、第4試験の結果を示す表であり、各試験条件におけるタイヤ2内の最大温度差(℃)と温度差の低減値(℃)を示している。
図示のように、阻害部5の遮熱材50を設けることで、タイヤ2の部位に応じて温度を調節して、タイヤ2内の最大温度差を低減することができる。また、成形部30の凸部31に空所部35を形成することで、タイヤ2内の最大温度差が小さくなり、タイヤ2内の最大温度差を低減する効果が大きくなる。
図示のように、阻害部5の遮熱材50を設けることで、タイヤ2の部位に応じて温度を調節して、タイヤ2内の最大温度差を低減することができる。また、成形部30の凸部31に空所部35を形成することで、タイヤ2内の最大温度差が小さくなり、タイヤ2内の最大温度差を低減する効果が大きくなる。
(第5〜第7試験)
次に、第5実施形態のタイヤ加硫装置1E(図7、図8参照)を用いた第5〜第7試験の結果について説明する。タイヤ加硫装置1Eの成形モールド3は、異特性部36を有する。第5〜第7試験では、異特性部36の幅Wrと成形モールド3の材料の密度率を変化させる。異特性部36の幅Wrは、60mm、90mm、120mmである。また、成形モールド3の厚みTは、5mmである。成形モールド3、保持体4、及び、ブラダ11の初期温度は、160℃であり、加熱手段25による保持体4の加熱温度は、170℃である。成形モールド3は、4種類の材料で形成する。
次に、第5実施形態のタイヤ加硫装置1E(図7、図8参照)を用いた第5〜第7試験の結果について説明する。タイヤ加硫装置1Eの成形モールド3は、異特性部36を有する。第5〜第7試験では、異特性部36の幅Wrと成形モールド3の材料の密度率を変化させる。異特性部36の幅Wrは、60mm、90mm、120mmである。また、成形モールド3の厚みTは、5mmである。成形モールド3、保持体4、及び、ブラダ11の初期温度は、160℃であり、加熱手段25による保持体4の加熱温度は、170℃である。成形モールド3は、4種類の材料で形成する。
図15は、第5〜第7試験で用いた材料と材質を示す表であり、成形モールド3の諸元を示している。また、図15は、各材料の密度率、密度(ρ)、比熱(C)、及び、熱伝導率(k)を示している。
図示のように、成形モールド3の材料は、炭素鋼(JIS規格:SS400)、第1〜第3合金鋼(マルエージング鋼)である。密度率は、空隙38A、38Bの形成処理を行っていない材料の密度を100%としたときの密度の割合である。炭素鋼の密度率は、100%であり、第1合金鋼の密度率は、100%である。
図示のように、成形モールド3の材料は、炭素鋼(JIS規格:SS400)、第1〜第3合金鋼(マルエージング鋼)である。密度率は、空隙38A、38Bの形成処理を行っていない材料の密度を100%としたときの密度の割合である。炭素鋼の密度率は、100%であり、第1合金鋼の密度率は、100%である。
第1合金鋼の密度率100%に対して、第2合金鋼の密度率は、50%であり、第3合金鋼の密度率は、25%である。第2合金鋼と第3合金鋼は、レーザー焼結を用いた粉末積層造形により形成した。また、焼結による粉末の密度を調節し、微視的な空隙38Bを形成した。これにより、第2合金鋼と第3合金鋼を各密度率に形成した。比熱と熱伝導率は、炭素鋼、第1合金鋼、第2合金鋼、第3合金鋼の順に低くなる。
(第5試験)
図16は、第5試験の結果を示す表であり、各試験条件におけるタイヤ2内の最大温度差(℃)を示している。
図示のように、第5試験では、成形モールド3の主部37の材料は、第1合金鋼と第3合金鋼であり、異特性部36の材料は、第3合金鋼である。異特性部36を成形モールド3に設けることで、タイヤ2の部位に応じて温度を調節して、タイヤ2内の最大温度差を低減することができる。
図16は、第5試験の結果を示す表であり、各試験条件におけるタイヤ2内の最大温度差(℃)を示している。
図示のように、第5試験では、成形モールド3の主部37の材料は、第1合金鋼と第3合金鋼であり、異特性部36の材料は、第3合金鋼である。異特性部36を成形モールド3に設けることで、タイヤ2の部位に応じて温度を調節して、タイヤ2内の最大温度差を低減することができる。
(第6試験)
図17は、第6試験の結果を示す表であり、各試験条件におけるタイヤ2内の最大温度差(℃)を示している。
図示のように、第6試験では、成形モールド3の主部37の材料は、第1合金鋼と第2合金鋼であり、異特性部36の材料は、第2合金鋼である。異特性部36を成形モールド3に設けることで、タイヤ2の部位に応じて温度を調節して、タイヤ2内の最大温度差を低減することができる。
図17は、第6試験の結果を示す表であり、各試験条件におけるタイヤ2内の最大温度差(℃)を示している。
図示のように、第6試験では、成形モールド3の主部37の材料は、第1合金鋼と第2合金鋼であり、異特性部36の材料は、第2合金鋼である。異特性部36を成形モールド3に設けることで、タイヤ2の部位に応じて温度を調節して、タイヤ2内の最大温度差を低減することができる。
(第7試験)
図18は、第7試験の結果を示す表であり、各試験条件におけるタイヤ2内の最大温度差(℃)を示している。
図示のように、第7試験では、成形モールド3の主部37の材料は、炭素鋼と第1合金鋼であり、異特性部36の材料は、第1合金鋼である。異特性部36を成形モールド3に設けることで、タイヤ2の部位に応じて温度を調節して、タイヤ2内の最大温度差を低減することができる。また、図16〜図18に示すように、異特性部36の比熱と熱伝導率が低くなるほど、タイヤ2内の最大温度差が小さくなり、タイヤ2内の最大温度差を低減する効果が大きくなる。
図18は、第7試験の結果を示す表であり、各試験条件におけるタイヤ2内の最大温度差(℃)を示している。
図示のように、第7試験では、成形モールド3の主部37の材料は、炭素鋼と第1合金鋼であり、異特性部36の材料は、第1合金鋼である。異特性部36を成形モールド3に設けることで、タイヤ2の部位に応じて温度を調節して、タイヤ2内の最大温度差を低減することができる。また、図16〜図18に示すように、異特性部36の比熱と熱伝導率が低くなるほど、タイヤ2内の最大温度差が小さくなり、タイヤ2内の最大温度差を低減する効果が大きくなる。
1A〜1E・・・タイヤ加硫装置、2・・・タイヤ、2A・・・トレッド部。2B・・・ショルダー部、2C・・・サイド部、2D・・・ビード部、2E・・・中央領域、2F・・・外側領域、3・・・成形モールド、4・・・保持体、5・・・阻害部、10・・・モールド、11・・・ブラダ、12・・・上サイドモールド、12A・・・成形部、13・・・下サイドモールド、13A・・・成形部、14・・・上ビードモールド、14A・・・成形部、15・・・下ビードモールド、15A・・・成形部、16・・・分割モールド、17・・・クランプ部材、18・・・内部空間、20・・・開閉機構、21・・・上プレート、22・・・下プレート、23・・・アウターリング、23A・・・ガイド部、24・・・可動部材、25・・・加熱手段、30・・・成形部、31・・・凸部、32・・・装着部、33・・・中央領域、34・・・外側領域、35・・・空所部、36・・・異特性部、37・・・主部、38A・・・空隙、38B・・・空隙、40・・・連結部、41・・・保持部、50・・・遮熱材、51・・・収容部、52・・・空洞部。
Claims (6)
- 未加硫のゴム物品を成形する成形モールドと、成形モールドを保持する保持体と、保持体を加熱する加熱手段と、を備え、保持体から成形モールドに伝達される熱によりゴム物品を加硫するゴム物品の加硫装置であって、
成形モールドと保持体の間の一部に設けられて、保持体から成形モールドへの熱の伝達を阻害する阻害部を備えたゴム物品の加硫装置。 - 請求項1に記載されたゴム物品の加硫装置において、
阻害部は、成形モールドと保持体の間に配置された、成形モールドの熱伝導率よりも低い熱伝導率の遮熱材からなるゴム物品の加硫装置。 - 請求項1に記載されたゴム物品の加硫装置において、
阻害部は、成形モールドと保持体の間に形成された空洞部であるゴム物品の加硫装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載されたゴム物品の加硫装置において、
成形モールドは、ゴム物品に接触してゴム物品を成形する成形部と、阻害部と成形部の間に形成された空所部と、を有するゴム物品の加硫装置。 - 請求項4に記載されたゴム物品の加硫装置において、
成形部は、ゴム物品に凹部を形成する凸部を有し、
空所部は、成形部の凸部に形成されたゴム物品の加硫装置。 - 未加硫のゴム物品を成形する成形モールドと、成形モールドを保持する保持体と、保持体を加熱する加熱手段と、を備え、保持体から成形モールドに伝達される熱によりゴム物品を加硫するゴム物品の加硫装置であって、
成形モールドは、ゴム物品に接触してゴム物品を成形する成形部と、成形部の一部に設けられた、成形モールドの他の部分の熱伝導特性とは異なる熱伝導特性の異特性部と、を有するゴム物品の加硫装置。
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