JP2014083823A - シリコン基板の加工方法 - Google Patents

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貴信 真鍋
Kenji Fujii
謙児 藤井
Mitsuru Senda
充 千田
Makoto Watanabe
渡辺  誠
Toshiaki Kurosu
敏明 黒須
Masataka Nagai
正隆 永井
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Abstract

【課題】レーザー加工時の加工精度バラツキの影響を抑え、貫通孔を精度よく形成する。
【解決手段】本発明の一態様は、第一の面及び該第一の面と反対側の第二の面を有するシリコン基板にレーザー光の照射によって変質部を形成してから異方性エッチングを行って凹部を形成するシリコン基板の加工方法であって、前記レーザー光の照射領域となる開口部を有するレーザーストップ層を前記第二の面に形成する工程と、前記第二の面側から前記レーザーストップ層の開口部に前記レーザー光を照射して、前記シリコン基板に変質部を形成する工程と、前記変質部が形成された前記シリコン基板に前記第二の面から前記第一の面に向けて前記異方性エッチングを施して前記凹部を形成する工程と、を有することを特徴とするシリコン基板の加工方法である。
【選択図】図4

Description

本発明は、シリコン基板の加工方法に関し、好ましくは液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
シリコン基板に貫通孔を形成する方法としては、例えば、特許文献1に記載の方法がある。特許文献1に記載の方法では、まず、シリコン基板にレーザー光を裏面側から照射し、シリコン基板の一部を変質させ、シリコン基板内部に変質部を形成する。次いで、シリコン基板裏面からエッチングを進行させて変質部を除去することで、貫通孔を形成する。
レーザーを利用したシリコン基板の加工方法としては、変質部形成の他にレーザーアブレーション加工が挙げられる。レーザーアブレーション加工は加工時のデブリ・熱の影響などにより、深さ方向の精度がばらつくという問題が生じる場合がある。これに対し、変質部を形成してからエッチングを行う方法は、レーザー光の集光により変質部を形成するため、深さ方向のばらつきは比較的安定するという利点がある。
特開2011−88107号公報
ここで、レーザー光で変質部を形成した後にシリコン基板をエッチングし、貫通孔等の凹部を形成しようとした場合、貫通孔の開口精度はシリコン基板深さ(基板厚み)方向の加工精度とシリコン基板深さ方向に垂直な面(シリコン基板面)方向の加工精度の二つに大きく依存する。
上述の特許文献1に記載の技術によれば、シリコン基板深さ方向の加工精度は比較的安定して良好である。一方、シリコン基板の面方向の加工精度については、レーザー装置の加工精度に依存することになる。換言すると、面方向の加工精度は、例えば、レーザーのアライメント精度・光学系に関する精度・加工を施すステージ精度などに依存することになる。
そのため、微細な貫通孔等の凹部を高精度に安定して形成しようとした場合、シリコン基板深さ方向に垂直な面の加工精度についても、向上させる必要がある。
そこで、本発明は、貫通孔等の凹部をシリコン基板に形成する場合に、シリコン基板の面方向の加工精度にも優れたシリコン基板の加工方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、
第一の面及び該第一の面と反対側の第二の面を有するシリコン基板にレーザー光の照射によって変質部を形成してから異方性エッチングを行って凹部を形成するシリコン基板の加工方法であって、
前記レーザー光の照射領域となる開口部を有するレーザーストップ層を前記第二の面に金属材料を用いて形成する工程と、
前記第二の面側から前記レーザーストップ層の開口部に前記レーザー光を照射して、前記シリコン基板に変質部を形成する工程と、
前記変質部が形成された前記シリコン基板に前記第二の面から前記第一の面に向けて前記異方性エッチングを施して前記凹部を形成する工程と、
を有することを特徴とするシリコン基板の加工方法である。
また、本発明の一態様は、
液体供給口を有する基板を備える液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記液体供給口を前記シリコン基板の加工方法を用いて形成する液体吐出ヘッドの製造方法である。
本発明により、貫通孔等の凹部をシリコン基板に形成する場合に、シリコン基板の面方向の加工精度にも優れたシリコン基板の加工方法を提供することができる。
好ましくは、本発明の構成によれば、レーザーストップ層により、レーザー加工中にレーザー光の照射位置がばらついても、レーザーストップ層の下側のシリコン基板はレーザー光が集光されない。そのため、レーザー光の照射位置のずれに起因して、変質部が所望の領域から逸脱して形成されることを防止することができる。これにより、後のエッチング工程において精度良く安定して貫通孔等の凹部を形成することができる。
液体吐出ヘッドの構成例を示す模式的斜視図である。 実施形態の工程を説明するための模式的な断面工程図である。 実施形態の工程を説明するための模式的な断面工程図である。 実施形態1に係るシリコン基板裏面の構成を説明するための模式的な平面図および断面図である。 実施形態2に係るシリコン基板裏面の構成を説明するための模式的な平面図および断面図である。
以下に、本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。
なお、以下の説明では、同一の機能を有する構成には図面中同一の番号を付し、その説明を省略する場合がある。
本発明に係るシリコン基板の加工方法は、シリコン基板を含んで構成される構造体、特に液体吐出ヘッド等のデバイスの製造工程において、液体吐出ヘッドのインク供給口(液体供給口)のような貫通孔をシリコン基板に形成する際に好適に用いられる。
また、本明細書では、本発明の適用例としてインクジェット記録ヘッドを例に挙げて説明するが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではなく、バイオチップ作製や電子回路印刷用途の液体吐出ヘッドにも適用できる。液体吐出ヘッドとしては、インクジェット記録ヘッドの他にも、例えばカラーフィルター製造用ヘッド等も挙げられる。
図1は、本実施形態により製造される液体吐出ヘッドの構成例を示す模式的斜視図である。
図1に示す液体吐出ヘッドは、吐出エネルギー発生素子2が所定のピッチで2列に並んで形成された基板1を有している。基板は、例えばシリコン基板である。基板1には、インク供給口(液体供給口)13が吐出エネルギー発生素子2の2つの列の間に開口するように異方性エッチングによってされている。基板1上には、各吐出エネルギー発生素子2に対応して形成された吐出口11と、インク供給口13から吐出口11に連通するインク流路(不図示)と、を構成する流路形成部材9が形成されている。吐出エネルギー発生素子2の上には、保護層として耐エッチング性を有するパッシベイション層14(不図示)が形成されている。
流路形成部材9は、液体の流路を構成する部材としても機能するものである。そのため、流路形成部材の材料には、構造材料としての高い機械的強度、下地との密着性及び耐インク性等と同時に、吐出口の微細なパターンをパターニングするための解像性が求められる。これらの特性を満足する材料としては、カチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を好適に用いることができる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物のうち分子量がおよそ900以上のもの、含ブロモビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物を用いることができる。またフェノールノボラックあるいはo−クレゾールノボラックとエピクロルヒドリンとの反応物を用いることができる。しかし、エポキシ樹脂はこれらの化合物に限定されるものではない。また、上述のエポキシ樹脂は、好ましくはエポキシ当量が2000以下、さらに好ましくはエポキシ当量が1000以下の化合物が好適に用いられる。これは、エポキシ当量が2000を越えると、硬化反応の際に架橋密度が低下し、密着性、耐インク性に問題が生じる場合があるからである。エポキシ樹脂を硬化させるための光カチオン重合開始剤としては、光照射により酸を発生する化合物を用いることができる。そのような化合物としては、特に制限されるものではないが、例えば、芳香族スルフォニウム塩、芳香族ヨードニウム塩を用いることができる。また、必要に応じて、波長増感剤として、例えば、旭電化工業(株)より市販されている「SP−100」(商品名)等を添加して用いても良い。
液体吐出ヘッドは、吐出口11が形成された面が記録媒体の記録面に対面するように配置される。そして、液体供給口13を介して液体流路内に充填されたインクに、吐出エネルギー発生素子2によって発生するエネルギーを加えることによって、吐出口11から液滴を吐出する。この液滴を記録媒体に付着させることによって記録を行う。
本実施形態では、インク供給口を形成するためのシリコン基板のエッチング工程に先立って、シリコン基板にレーザー光を照射することで、シリコン基板内部に変質部を形成しておく。
また、本明細書において、変質部とは、シリコン基板にレーザー照射を照射してアモルファス化させたシリコン部分と定義する。
(実施形態1)
本実施形態のシリコン基板の加工方法は、第一の面(表面とも称す)及び該第一の面と反対側の第二の面(裏面とも称す)を有するシリコン基板にレーザー光の照射によって変質部を形成してから異方性エッチングを行って凹部を形成する方法である。まず、レーザー光の照射領域となる開口部を有するレーザーストップ層をシリコン基板の裏面に金属材料により形成する。次に、シリコン基板の裏面側(第二の面側)から、レーザーストップ層の開口部にレーザー光を照射して、シリコン基板に変質部を形成する。次に、変質部が形成されたシリコン基板に裏面から表面に向けて異方性エッチングを施して凹部(例えば、シリコン基板の表面まで貫通する貫通孔)を形成する。
本発明の実施形態において、後述の形態で示すように、レーザーストップ層は、異方性エッチングにおけるマスクの役割も兼ねる構成を有することもできる。本実施形態1においては、異方性エッチングにおけるマスクとして機能するエッチングマスク層をレーザーストップ層とは別にシリコン基板裏面に形成する工程を有する形態について説明する。
以下に、本実施形態の加工方法についてより詳細に説明する。図2及び3は、本実施形態の加工方法を説明するための模式的な断面工程図である。
図2(a)に示すように、結晶軸(100)のシリコン基板1の表面上には、インクを吐出するエネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子2が配置されている。さらに、シリコン基板1の表面上には吐出エネルギー発生素子2の保護層として、耐エッチング性を有するパッシベイション層14が形成されている。図2(a)における符号15はシリコン基板1の裏面を示している。
吐出エネルギー発生素子2の材料としては、例えば、TaN,TaSiNが挙げられる。吐出エネルギー発生素子2の保護層として機能するパッシベイション層14の材料としては、例えばSiNが挙げられる。吐出エネルギー発生素子2は、素子駆動のための制御信号入力電極と配線を介して電気的に接続されている。本実施形態において、シリコン基板1の厚みは、例えば、625um程度あるいは725um程度である。
尚、本実施形態では、液体吐出ヘッドの一部をなすシリコン基板一単体について説明するが、実際にはウエハ単位で同様の加工を行うことができる。
次に、図2(b)に示すように、後工程でシリコン基板の裏面にレーザーストップ層を形成する際のマスクとなるマスク20をフォトリソグラフィー法によって形成する。マスク20の開口パターンがレーザーストップ層の形状を決定する。
マスク20の膜厚としては、後工程のレーザーストップ層の形成を考慮して、所望のレーザーストップ層の膜厚よりも厚く設定することが好ましい。本実施形態において、例えば、マスク20の膜厚は5μm程度である。
マスク20のパターニング精度がレーザーストップ層の形状に直接影響するため、高精度な露光装置を用いてパターニングすることが好ましい。例えば、縮小投影方式の露光装置であれば、アライメント精度が数十nm程度、レジスト解像力が数十〜数百nm程度と微細加工に好適なものが存在し、レーザーの加工バラツキ数十um程度に比べて、高精度に開口パターンを形成できる。また、縮小投影光学系は、転写するパターンの精度も等倍光学系にくらべて高いという利点もある。
マスク20の材料としては、例えば、レジストを挙げることができる。レジストとしては、例えば、東京応用化学工業(株)のPMER P−LA310PM(商品名)が挙げられる。
次に、図2(c)に示すように、シリコン基板の裏面全面にレーザーストップ層21の材料を成膜する。レーザーストップ層の材料としては、金属材料を用いる。金属材料の成膜方法は、緻密性・平滑性の観点から、真空蒸着を用いることが好ましい。
レーザーストップ層に用いる金属材料としては、加工するレーザー光の波長に対して高い反射率を示すものが好ましい。本実施形態において、変質部は、例えば、YAGレーザーの基本波(1064nm)のレーザー光により形成することができる。なお、レーザーとしてはYAGレーザーの基本波に限定されるものではなく、シリコンに対して多光子吸収を利用できるものであればよい。例えば、レーザー光として1064nmの波長を利用する場合、レーザーストップ層として用いることのできる金属材料は、例えば、Au,Ag,Cu,Al等が挙げられる。これらの金属は、波長1064nmの光に対して、90%以上の高い反射率を示す。
次に、図2(d)に示すように、マスク20を除去し、シリコン基板の裏面にレーザーストップ層21を形成する。レーザーストップ層はレーザー光の照射領域(レーザー加工領域とも称す)となる開口部を有する。
レーザーストップ層は、変質部を設ける裏面の位置を囲うように設けられ、変質部を設ける位置に応じて適宜決定することができる。
マスク20の除去に用いる現像液は、マスクの材料によって適宜選択することが望ましい。例えば、マスク20として、東京応用化学工業(株)のPMER P−LA310PM(商品名)を用いた場合、現像液は、東京応用化学工業(株)のNMD−3(商品名)を用いることができる。
この工程により、マスク20上の金属材料がマスク20と共に除去され、シリコン基板の裏面上にレーザーストップ層21が形成される。
レーザーストップ層21は、レーザー光の反射という観点から、緻密・平滑に形成されていることが好ましい。レーザー光の反射は、膜厚には依存しないため、それほど厚さを必要とせず、レーザーストップ層21の膜厚は例えば0.1μm以上2.0μm以下である。なお、レーザーストップ層の膜厚は、マスク20の膜厚や基板との密着性等を考慮して、適宜設定することができる。本実施形態においては、例えば、レーザーストップ層21の膜厚は1μm程度である。
次に、図3(a)に示すように、レーザーストップ層21が形成されたシリコン基板裏面の上に、エッチングマスク層23を形成する。
このエッチングマスク層23は後工程の異方性エッチングのマスクとして機能する。エッチングマスク層23の開口部が後工程の異方性エッチングにおけるエッチング開始面を決定する。エッチングマスク層23の開口部内にレーザーストップ層が配置される。
エッチングマスク層23の材料としては、例えば、ポリエーテルアミド樹脂を用いることができる。エッチングマスク層23の形成方法としては、まず、シリコン基板裏面にポリエーテルアミド樹脂を成膜する。成膜方法としては、溶媒で希釈した溶液を基板上に滴下して、基板を回転させて樹脂を塗り拡げるスピンコート法などが挙げられる。次いで、ベーク処理を行って溶媒を揮発させた後に、ポリエーテルアミド樹脂をパターニングするための感光性樹脂をポリエーテルアミド樹脂の上に成膜する。感光性樹脂としては、例えばポジ型のナフトキノンジアジドを含む樹脂を用いることができる。次いで、感光性樹脂を露光・現像することで感光性樹脂をパターニングし、ポリエーテルアミド樹脂のマスクを形成する。次いで、ポリエーテルアミド樹脂をマスクを用いてドライエッチングした後、感光性樹脂を剥離することでエッチングマスク層23がシリコン基板の裏面に形成される。
なお、本実施形態においては、レーザーストップ層21を形成した後にエッチングマスク層23を形成したが、先にエッチングマスク層23を形成してもよい。
次に、図3(b)に示すように、レーザーストップ層の開口部であるレーザー加工領域24からレーザー光30を照射し、シリコン基板1の内部に変質部31を形成する。
レーザー加工領域24とは、レーザーを照射するシリコン基板の裏面の領域を指す。
先述の通り、変質部の形成は、基板におけるレーザー光の多光子吸収を利用しており、レーザー光としては、例えばYAGレーザーおよびYVO4レーザーの基本波(1064nm)を用いることができる。但し、使用可能なレーザーはこれらに限定されるものではなく、変質部31が形成可能な波長の光を出力できるレーザーであればよい。
変質部31は、レーザー照射位置を走査させながら所望の領域に形成することもできる。例えば、レーザー光30を集光させて変質部31を形成する場合、フォーカス位置を変調(デフォーカス)することで、一定の深さを有する変質部31を形成できる。また、変質部31をシリコン基板裏面の特定の領域に形成する場合、レーザーの照射位置を固定して、加工物のステージを走査する手法もある。あるいは、加工物のステージを固定し、レーザーを走査させて照射する手法もある。レーザーの照射位置を変える手段としては、例えばガルバノミラーを用いた光学系の利用が考えられる。
変質部31は、シリコン基板の表面からシリコン基板の厚みの20%以内の深さの位置に変質部の底部(頂部)が配置されるように形成することが好ましい。このように変質部を形成することにより、後工程の異方性エッチングに要する時間が短くなるので好ましい。
尚、変質部を形成できるレーザーであれば、集光して変質部を形成するレーザーに限定されない。例えば、フェムト秒レーザーでもシリコンに対する多光子吸収が可能とされていることから、フェムト秒レーザーを用いてもよい。
次に、図3(c)に示すように、エッチングマスク層23をマスクとして用いてシリコン基板の裏面側から異方性エッチングを行い、インク供給口13を形成する。
より具体的には、まず、シリコン基板裏面に形成されたエッチングマスク層23の開口部におけるSiO2膜(不図示)を除去する。このSiO2膜が除去されて露出したSi面がシリコン基板1に対する異方性エッチングのエッチング開始面となる。次いで、たとえばTMAHやKOH等を含む強アルカリ溶液中にシリコン基板1を浸漬し、結晶異方性エッチングを行い、凹部としてのインク供給口を形成する。
この異方性エッチングにおいて、変質部31が形成されていないシリコン基板部分のエッチングレートに比べて変質部31のエッチングレートの方が速いため、本発明ではエッチングの加工時間を短縮できる。
本実施形態の異方性エッチングに関して、ある領域ではエッチングレートが比較的遅い(151)面を形成しながら、またある領域ではエッチングレートが比較的早い(001)、(015)面に沿ってエッチングが進行する。このような工程を経て、シリコン基板1の表面までエッチングが進行し、貫通孔のインク供給口13を形成する。
なお、本実施形態では裏面から表面まで貫通する貫通孔を形成しているが、本発明は貫通孔を形成するものに限定されるものではない。また、本実施形態では貫通孔としてのインク供給口を形成しているが、インク供給口の形態としては共通液体供給口の形態も挙げられる。
また、シリコン基板表面のインク供給口13の開口部に露出するパッシベイション層14はドライエッチングで除去することができる。
本実施形態では、レーザーストップ層21とエッチングマスク層23の間にシリコン基板が露出する開口が存在する構成となっている。この場合、異方性エッチングにおいてレーザーストップ層21の両側からエッチングが進行してレーザーストップ層22が除去される。但し、レーザーストップ層はこの構成に限定されるものではなく、異方性エッチング後にレーザーストップ層21がシリコン基板裏面に残る構成としても構わない。これはレーザーストップ層21として異方性エッチングに用いるエッチング液にエッチング耐性を有する金属材料を用い、レーザーストップ層21とエッチングマスク層23の間を開けない、あるいは狭めて形成することで達成できる。この際、レーザーストップ層21とエッチングマスク層23の間の開口部における距離は異方性エッチングの時間およびエッチング進行度を考慮して設定することが望ましい。
図4(a)は、図3(b)におけるシリコン基板裏面の構成を示す模式的平面図である。図4(b)は、図4(a)におけるA−A’線における模式的断面図である。
図4に示すように、本実施形態においては、レーザー加工領域24を囲うようにレーザーストップ層21が形成されている。レーザーストップ層21により、レーザーの照射位置が基板の面方向にずれた場合であっても、レーザー加工領域24内にのみ変質部31が形成される。レーザーストップ層21によりレーザー光が遮断されるため、レーザーストップ層21の下側のシリコン基板部分に変質部は形成されない。これにより所望の領域に変質部を高精度に形成することができる。
本実施形態において、例えば、図4(a)におけるレーザー加工領域24の短手方向の長さは500μm程度である。また、例えば、図4(a)におけるレーザー加工領域24の長手方向の長さは20mm程度である。また、例えば、図4(b)におけるレーザー加工領域24の幅は50μm程度である。
レーザーストップ層21の幅はレーザー加工時のシリコン基板面の精度バラツキをカバーできるように設定することが望ましい。例えば、レーザーのシリコン基板面の加工精度が±10μmの場合、レーザーストップ層の幅はレーザー加工領域の端部から10μm以上に亘ってレーザーストップ層が形成されるように設定することが好ましい。
本実施形態では変質部31が形成されるレーザー加工領域24がロの字となるように形成したが、レーザー加工領域24の形状はこれに限定されるものではなく、所望のインク供給口の形状(凹部形状)に応じて適宜設定できる。
ここで、レーザー加工の中でもレーザー光を集光して変質部をシリコン基板に形成する手法において、金属材料をレーザー加工のマスクとしてシリコン基板に形成することは一般的ではない。その理由の一つとしては、主な加工用途においてレーザー装置の加工精度以上の精度要求が低いことが挙げられる。
液体吐出ヘッドの液体供給口の開口部の寸法精度は液体吐出ヘッドの品質を決める重要な因子である。液体供給口の開口部の寸法精度としては、レンジで数十um程度以下に抑えることが望まれる。レーザー装置の加工精度は、アライメント精度やガルバノスキャナ等の光学系の精度を加味すると、レンジで数十um程度である。そのため、レーザー装置の加工精度に対し、要求される開口精度にマージンが少ないことが懸念される。安定的な加工を行うには、更なるレーザー加工の高精度化が求められる。
そこで、本実施形態では、レーザーストップ層の材料として、金属材料を用いる。レーザーストップ層を形成する手法の一つとして、フォトリソグラフィー技術を使用可能であり、この手法によればnmオーダーの精度でレーザーストップ層の寸法を制御可能であるため、より高精度な加工が期待できる。
(実施形態2)
図5(a)は、本実施形態2における図3(b)の工程に相当するシリコン基板裏面の構成を示す模式的平面図である。図5(b)は、図5(a)におけるB−B’線における模式的断面図である。
図5に示すように、レーザーストップ層が実施形態1におけるエッチングマスク層の役割を兼ねる構成とすることができる。例えば、Auは異方性エッチングのマスクとしても機能するため、レーザーストップ層21が異方性エッチングのマスクの役割を兼ねることができる。これにより上述のエッチングマスク層の形成工程を省略できるため、工程数の削減およびコストの削減が見込める。
尚、基本的なシリコン基板の加工方法は実施形態1に示した加工方法と同様である。
1 基板(シリコン基板)
2 吐出エネルギー発生素子
9 流路形成部材
11 吐出口(インク吐出口)
13 液体供給口(インク供給口)
14 パッシベイション層
15 基板裏面(第二の面)
20 マスク
21 レーザーストップ層
23 エッチングマスク層
24 レーザー加工領域
30 レーザー光
31 変質部

Claims (9)

  1. 第一の面及び該第一の面と反対側の第二の面を有するシリコン基板にレーザー光の照射によって変質部を形成してから異方性エッチングを行って凹部を形成するシリコン基板の加工方法であって、
    前記レーザー光の照射領域となる開口部を有するレーザーストップ層を前記第二の面に金属材料を用いて形成する工程と、
    前記第二の面側から前記レーザーストップ層の開口部に前記レーザー光を照射して、前記シリコン基板に変質部を形成する工程と、
    前記変質部が形成された前記シリコン基板に前記第二の面から前記第一の面に向けて前記異方性エッチングを施して前記凹部を形成する工程と、
    を有することを特徴とするシリコン基板の加工方法。
  2. 前記レーザーストップ層は、前記異方性エッチングにおけるマスクの役割も兼ねる請求項1に記載のシリコン基板の加工方法。
  3. さらに、前記第二の面の上に前記異方性エッチングにおけるマスクとなるエッチングマスク層を形成する工程を有する請求項1に記載のシリコン基板の加工方法。
  4. 前記凹部は前記シリコン基板の前記第二の面から前記第一の面まで貫通する貫通孔である請求項1乃至3のいずれかに記載のシリコン基板の加工方法。
  5. 前記変質部は、前記シリコン基板によるレーザー光の多光子吸収を利用して形成される請求項1乃至4のいずれかに記載のシリコン基板の加工方法。
  6. 前記レーザー光として、YAGレーザーあるいはYVO4レーザーを用いる請求項1乃至5のいずれかに記載のシリコン基板の加工方法。
  7. 前記レーザーストップ層は金属材料を用いて形成される請求項1乃至6のいずれかに記載のシリコン基板の加工方法。
  8. 前記金属材料がAu,Ag,Cu,又はAlである請求項7に記載のシリコン基板の加工方法。
  9. 液体供給口を有する基板を備える液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記液体供給口を請求項1乃至8のいずれかのシリコン基板の加工方法を用いて形成する液体吐出ヘッドの製造方法。
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