JP2014083817A - 金属蒸着層に発生するクラックを抑制しつつ、凹凸形成層の変形を抑制できる転写シート。 - Google Patents

金属蒸着層に発生するクラックを抑制しつつ、凹凸形成層の変形を抑制できる転写シート。 Download PDF

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Abstract

【課題】金型内で転写シートに樹脂を射出する工程において、金属蒸着層にクラックが入りづらい転写シートを提供することを目的する。
【解決手段】本発明の転写シート1は、基体シート2の上に転写層3を備える転写シート1において、前記転写層3が前記基体シート2の上に形成され、その形状が前記基体シート2の前記転写層3が形成される方向に対して凸形状である凸部を複数備える凹凸形成層8と、前記凹凸形成層8の上に直接形成される金属蒸着層9と、を備え、前記凹凸形成層8が、重合平均分子量72000〜77000、水酸基価8〜15mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)60〜100℃であるアクリルポリオールを含むように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は転写シートに関し、特に成型時において、金属蒸着層にクラックが発生しにくく、凹凸形成層の変形を抑制できる転写シートに関する。
転写シートを用いてプラスチック部品や外装品のような物品の表面を装飾する方法が従来から知られている。転写シートは、支持体である基体シートの片面上に転写層が設けられた構成であり、この転写層が基体シートから物品の表面に転写される。物品の表面に転写された転写層は樹脂や図柄等が積層された積層体であり、物品表面に保護被覆や装飾被覆を形成する。
例えば、特許文献1には、金属蒸着層の上に透明凹凸層が形成された転写シートが示されている。透明凹凸層は、微細な凹凸面を有しており、所定の大きさまで転写シートを伸ばしたときでも、微細な凹凸面の幅が0.2〜200μm、深さが0.1〜10μmの範囲内に収まるように構成されている。
特開2007−245725号公報
しかし、特許文献1の転写シートを用いて、加飾成形品を作成する場合、金属蒸着層側から樹脂を射出して加飾成形品を作成する。このとき、樹脂の熱圧によって、金属蒸着層は透明凹凸層に押し付けられ、透明凹凸層の形状に引き伸ばされる。その結果、金属蒸着層にクラックが発生してしまう問題ある。この問題を解決するために、透明凹凸層を柔らかくして金属蒸着層にクラックが発生するのを防止する方法が提案されている。しかし、かかる場合、透明凹凸層が上記樹脂の熱圧に耐え切れなくなり、その形状が変形してしまうという問題がある。
本発明は、転写シートを用いて加飾成形品を作成するときに、金属蒸着層にクラックが入りづらく、かつ透明凹凸層の形状が変形しない転写シートを提供することを目的する。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様の特徴は、
基体シートの上に転写層を備える転写シートにおいて、
前記転写層が、
前記基体シートの上に形成され、その形状が前記基体シートの前記転写層が形成される方向に対して凸形状である凸部を複数備える凹凸形成層と、
前記凹凸形成層の上に直接形成される金属蒸着層と、を備え、
前記凹凸形成層が、
重合平均分子量:72000〜77000、
水酸基価:8〜15mgKOH/g、
ガラス転移温度(Tg):60〜100℃、
であるアクリルポリオールを含む点にある。
このように構成すると、凹凸形成層の延伸率は、100〜200%、鉛筆硬度はB〜Hとなる。そうすると、凹凸形成層は柔軟性を備えつつも、一定の硬度を備えることになる。その結果、転写シートに樹脂を射出する工程において、樹脂の熱圧が金属蒸着層に作用しても、凹凸形成層は、その形状を保持できる一方で、金属蒸着層にかかる熱圧も吸収できる。よって、本構成の転写シートから作成される加飾成形品は、金属蒸着層でのクラックの発生が抑制され、また凹凸形成層も所望の形状を備える、意匠性に優れた加飾成形品となる。
本発明の第2態様の特徴は、
前記基体シートと前記凹凸形成層との間に保護層を備え、
前記保護層が、
重合平均分子量:70000〜75000、
水酸基価:3〜10mgKOH/g、
ガラス転移温度(Tg):80〜120℃、
であるエポキシメラミンを含む点にある。
このように構成すると、保護層が紫外線を吸収する。そうすると、加飾成形品において、保護層の下に配置される凹凸形成層に当たる紫外線の量が低減する。その結果、凹凸形成層を構成する樹脂が紫外線によって黄色く変色してしまうのを抑制することができる。よって、上記転写シートにより作成された加飾成形品は、長時間の間、高い意匠性を保持することができる。
本発明の第3態様の特徴は、
前記保護層と前記凹凸形成層との間に衝撃吸収層を備え、前記衝撃吸収層が、前記凹凸形成層を構成する樹脂と同じ樹脂から構成される点にある。
このように構成すると、金属蒸着層側から樹脂を射出して加飾成形品を作成するとき、射出される樹脂の熱圧が衝撃吸収層に吸収される。その結果、加飾成形品を作成するとき、保護層に加わる樹脂の熱圧を低減させることができる。よって、保護層にクラックが発生するのを抑制できる。
本発明の第4態様の特徴は、
前記凹凸形成層を構成する凸部が、幅方向に200μm〜1000μm、高さ方向に1μm〜30μmの大きさを備えている点にある。
このように構成すると、目視による凹凸形成層の認識が容易となり、金属蒸着層との組み合わせで凹凸形成層の意匠を立体的に表現できる。
本発明の転写シートの断面図である。 本発明の転写シートより作成される加飾成形品の断面図である。 本発明の転写シートから加飾成形品を作成するときの製造断面図である。 本発明の転写シートから加飾成形品を作成するときの製造断面図である。
下記で、本発明に係る実施形態を図面に基づいてさらに詳細に説明する。なお、本発明の実施例に記載した部位や部分の寸法、材質、形状、その相対位置などは、とくに特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎない。
[転写シート]
図1は、本発明の転写シートの断面図であり、図2は、本発明の転写シートを用いて作成される加飾成形品100の断面図である。図1に示すように、基体シート2の片面には転写層3が設けられている。転写層3は、基体シート2側から順にハードコート層4、図柄層5、保護層6、衝撃吸収層7、凹凸形成層8、金属蒸着層9、接着層10が積層された構成からなる。なお、ハードコート層4、図柄層5、保護層6、衝撃吸収層7は、基体シート2の上に全面にわたって積層され、凹凸形成層8は、接着層10側に対して凸状となるように衝撃吸収層7の上に部分的に積層されている。なお、金属蒸着層9は、衝撃吸収層7と凹凸形成層8を覆うように形成され、接着層10金属蒸着層9の上に形成されている。
転写層3を構成する層のうち各樹脂層の形成は、特に断らない限り、従来と同様の方法によって行うことができる。従来の層形成方法の例には、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
[基体シート]
基体シート2は、図柄層4などをシート上に支持する用途に従来から使用されるシート材料又はフィルム材料から構成される。フィルム材料は合成樹脂からなるシート材料をいう。合成樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などが使用できる。その他、アルミニウム箔、銅箔などの金属箔、グラシン紙、コート紙、セロハンなどのセルロース系シート、あるいは以上の各シートの複合体など、通常の転写シートの基体シートとして離型性を有するものを基体シートとして使用することができる。なお、基体シート1の厚みは、10μm〜150μmである。
[転写層]
転写層3は、基体シート2の片面に設けられ、基体シート2から被転写体の表面に転写される層をいう。転写層3は、ハードコート層4、図柄層5、保護層6、凹凸形成層7、衝撃吸収層8、金属蒸着層9、接着層10を備える。
<ハードコート層>
ハードコート層4は、図2に示すように、転写シート1を用いて作成される加飾成形品100の表面に配置され、転写層3を保護するために一定以上の硬度を有している。ハードコート層4の材質としては、シアノアクリレート系やウレタンアクリレートなどの電離放射線硬化性樹脂や、アクリル系やウレタン系などの熱硬化性樹脂が挙げられるが、特に限定されない。なお、ハードコート層4の厚みは、0.5μm〜30μmである。
<図柄層>
図柄層5は、図2に示すように、加飾成形品100において成形樹脂11の表面に配され、成形樹脂11を装飾する層である。図柄層5の材質としては、ポリビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、アルキッド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。また、金属発色させる場合には、アルミニウム、チタン、ブロンズ等の金属粒子やマイカに酸化チタンをコーティングしたパール顔料を用いることもできる。なお、図柄層5を構成するバインダーの中でも、アクリル樹脂を用いることが好ましい。図柄層5を構成するバインダーとして、アクリル樹脂を用いると、アクリル樹脂と保護層6を構成する樹脂とが相互作用し、図柄層5と保護層6との密着性が向上する。なお、図柄層5の厚みは、0.5μm〜15μmである。
図柄層5の形成方法として、特に、多色刷りや階調表現を行うには、オフセット印刷法やグラビア印刷法が適している。
<保護層>
保護層6は、転写シート1から作成される加飾成形品100において、衝撃吸収層7、凹凸形成層8、金属蒸着層9を外的要因から保護する層である。具体的には、保護層9は、衝撃吸収層7、凹凸形成層8、金属蒸着層9を衝撃や磨耗、または薬品から保護する層である。保護層6は、重合平均分子量70000〜75000であり、水酸基価3〜10mgKOH/gであり、ガラス転移温(Tg)80〜120℃であるエポキシメラミンから構成される。保護層6を構成する樹脂が、上記のように構成されると、保護層6の鉛筆硬度は、HB〜2Hとなる。
そうすると、図2に示すように、転写シート1を用いて作成される加飾成形品100において、衝撃吸収層7、凹凸形成層8、金属蒸着層9は、鉛筆硬度がHB〜2Hの保護層6によって保護される。従って、加飾成形品100は、耐摩耗性、耐衝撃性に優れ、長時間の間、金属蒸着層9の有する高い意匠性を保持できる。
また、上述のように、本発明の転写シート1から作成される加飾成形品100において、保護層6は、衝撃吸収層7、および凹凸形成層8より加飾成形品100の表面側に配置される。そうすると、保護層6を構成するエポキシメラミンによって紫外線が吸収され、保護層6の下に配置される衝撃吸収層7、および凹凸形成層8に当たる紫外線の量を低減させることができる。よって、衝撃吸収層7、および凹凸形成層8を構成する樹脂が紫外線によって黄色く変色してしまうのを抑制することができる。その結果、加飾成形品100は、長時間の間、高い意匠性を保持することができる。
また、保護層6の厚みは、0.1μm〜2.0μmである。保護層6の厚みが、上記の範囲であると保護層6自体が射出工程においてクラックを発生せず、また、衝撃吸収層7、凹凸形成層8が黄色く変色してしまうのを抑制できる。
<衝撃吸収層>
衝撃吸収層7は、転写シート1から加飾成形品100を作成する場合、転写シート1と樹脂とを一体化する工程において、上記樹脂の熱圧から保護層6を保護する層である。
なお、衝撃吸収層7の厚みは、0.1μm〜5.0μmであることが好ましい。衝撃吸収層7の厚みが、0.1μm未満であると、射出工程において樹脂の熱圧によって、衝撃吸収層7にインキ流れが発生する。反対に、衝撃吸収層7の厚みが、5.0μmを超えると、上記射出工程において衝撃吸収層7にクラックやブロッキングが発生する。
衝撃吸収層7を構成する樹脂は、凹凸形成層8を構成する樹脂と同一である。衝撃吸収層7と凹凸形成層8を構成する樹脂が、同一であれば、後述のように、樹脂の熱圧が金属蒸着層9に作用しても、かかる熱圧を衝撃吸収層7と凹凸形成層8で吸収できる。その結果、転写シート1に樹脂が射出されることで保護層6にかかる熱圧は、衝撃吸収層7や凹凸形成層8が形成されている分だけ、低減される。よって、転写シート1に樹脂が射出された場合に、樹脂の熱圧によって保護層6に発生するクラックを低減できる。
<凹凸形成層>
凹凸形成層8は、図2に示すように、転写シート1を用いて作成された加飾成形品100において、凹凸形成層8の下側に積層された金属蒸着層9を立体的に表現させて加飾成形品100の意匠性を向上させる層である。図1に示すように、凹凸形成層8は、複数の凸部から構成され、凸部1つ当たりの大きさは、幅方向に200μm〜1000μm、高さ方向に1μm〜30μmである。
なお、上記凸部の大きさが、幅方向に200μm〜1000μmであり、高さ方向に1μm〜30μmであると、目視による凹凸形成層8の認識が容易となり、金属蒸着層9との組み合わせで凹凸形成層8の意匠を立体的に表現できる。
なお、凹凸形成層8は、重合平均分子量が72000〜77000であり、水酸基価が8〜15mgKOH/gであり、ガラス転移温度(Tg)が60〜100℃であるアクリルポリオールから構成される。凹凸形成層8が上記のように構成されると、凹凸形成層8の延伸率は、100〜200%、鉛筆硬度はB〜Hとなる。そうすると、凹凸形成層8は柔軟性を備えつつも、一定の硬度を備えることになる。その結果、転写シート1に樹脂を射出する工程において、樹脂の熱圧が金属蒸着層9に作用しても、凹凸形成層8は、金属蒸着層9にかかる熱圧を吸収できる一方で、その形状も保持できるようになる。よって、転写シート1から作成される加飾成形品は、金属蒸着層9において、クラックの発生が抑制され、また凹凸形成層8も所望の形状を備える意匠性に優れた加飾成形品となる。
<金属蒸着層>
金属蒸着層9は転写層3に金属光沢の外観を付与する層である。金属蒸着層9は転写層3のシート面の全面に形成しても、一部分に形成してもよい。金属蒸着層9をシート面の一部分に形成する場合は、公知のパターニング方法を用いることができる。
金属蒸着層9は、衝撃吸収層7と凹凸形成層8の表面に金属を蒸着させて形成される。金属の蒸着は、金属を蒸発させ、金属蒸気を衝撃吸収層の表面に付着させて行うことができる。金属の種類は、表現したい金属光沢色に応じて適宜選択すればよい。
なお、金属蒸着層9に使用する金属は、アルミ、スズ、クロム、又はインジウムが好ましい。これら金属の蒸着層は、柔軟性に優れ、立体形状に対する追随性が良好なため、金属蒸着層9にクラックが発生しにくい。
金属蒸着層9の厚さは、30〜200nm、好ましくは40〜190nm、より好ましくは50〜180nmである。金属蒸着層9の厚さが30nm未満であると金属色の光沢が不十分となり、200nmを越えると金属蒸着層9に蒸着欠陥が発生し易くなる。
<接着層>
接着層10は、成形樹脂と転写シート1とを接着するための層であり、転写シート1の基体シート2とは反対の表面に形成される。接着層10は、成形樹脂の種類に適した感熱性又は感圧性のある樹脂が使用される。成形樹脂がPMMA系樹脂であれば、例えば、接着層もPMMA系樹脂を使用するとよい。成形樹脂がPC、ポリスチレン(PS)系樹脂であれば、例えば、接着層は、これらの樹脂と親和性のある、PMMA、PS、PA系樹脂を使用するとよい。なお、接着層10の厚みは、0.1μm〜20μmである。
[物品への転写方法]
以下では、本発明の転写シート1を用いて加飾成形品100を作成する方法について、説明する。図3、図4は、本発明の転写シート1を用いて加飾成形品100を作成するときの製造断面図である。なお、本発明の転写シート1を使用して加飾成形品100を作成する方法としては、熱ロール転写やインモールド成形などが挙げられる。例えば、熱ロール転写においては、図3に示すように、転写シート1の転写層3側(基体シート2の反対側)の面を被転写体20の表面に重ね、ロール転写機21、アップダウン転写機などの転写機を用いて、転写シート1の基体シート2側から熱及び圧力をかける。こうすることにより、転写シート1が被転写体20の表面に接着する。次いで、冷却後に基体シート2を剥離すると、転写層3が被転写体20の表面に転写されて、物品の表面がコーティング(装飾)される。
被転写体20の材質は、従来から転写シートによって転写されてきたもの、又は接着層の成分を工夫して転写層をその表面に接着させることができるものであれば特に限定されない。各種合成樹脂、金属、ガラス、木、紙でなる部材、これらの塗装物及び装飾物は、被転写体として用いられる
また、インモールド成形においては、図4に示すように、まず、成形用金型内に、基体シート2が金型(固定型22)の内面に接するような向きに転写シート1を送り込む。次いで、金型(固定型22、可動型23)を閉じ、溶融樹脂24が転写シート1の転写層3側(基体シート2の反対側)の面に接するように、すなわち、転写シート1が溶融樹脂24と金型(可動型23)の内面に挟まれるように、溶融樹脂24を金型内に充満させる。その結果、溶融樹脂24は成形され、同時に転写シート1は樹脂成形品の表面に接着される。樹脂成形品を冷却し、金型を開いて樹脂成形品を取り出す。最後に基体シート2を剥離すると、転写層3が樹脂成形品の表面に転写されて、樹脂成形品の表面がコーティング(装飾)される。
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[実施形態1の実施例]
〔実施例1〕
基体シートとして厚さ38μmのポリエステル樹脂フィルムを用い、基体シート上に、エポキシメラミン系離型剤をグラビア印刷法にて1μmの厚さに塗布し離型層を形成した。その後、離型層の上にポリウレタンをグラビア印刷法で塗布し、図柄層を形成した。次に、図柄層の上に、重合平均分子量:72000〜74000、水酸基価:5KOH/g、ガラス転移温度:80〜90℃であるエポキシメラミンをグラビア印刷法で塗布し、保護層を形成した。なお、保護層の厚みは、1.2μmとした。次に、保護層の上に、重合平均分子量:72000〜74000、水酸基価:10KOH/g、ガラス転移温度:70〜90℃であるアクリルポリオールをグラビア印刷法で塗布し、衝撃吸収層を形成した。なお、衝撃吸収層の厚みは、1.3μmとした。さらに、衝撃吸収層の上に、衝撃吸収層を形成するために用いた樹脂と同一の樹脂をグラビア印刷法で塗布し、凹凸形成層を形成した。なお、凹凸形成層の厚みは、1.0μmとした。次に、金属蒸着機(商品名:EWA−110、会社名:アルバック社)の中に上記シートを送りこみ、衝撃吸収層の上にスズ膜を蒸着し、金属蒸着層を形成した。なお、金属蒸着層の厚みは、0.08μmとした。最後に、金属蒸着層の上に、塩酸酢酸ビニルをグラビア印刷法で塗布することにより、接着層を形成し、転写シートを得た。
また、得られた転写シートに成形同時転写法を適用して加飾成形品を得た。そこで、転写シートについて(1)耐ブロッキング性を、加飾成形品について(2)密着性、(3)クラック、(4)インキ流れ、および(5)形状変形性の評価を行った。評価方法を以下で示し、その評価結果を表1に示す。
〔評価方法〕
(1)耐ブロッキング性
転写シートにおける転写層の耐ブロッキングについて測定した。耐ブロッキング性の測定方法は、JIS K5701−1の6.2.2に記載されている耐ブロッキング性に準拠して行った。なお、上記層の耐ブロッキング性評価は、以下のいずれかで評価した。
○:重ね合わされた複数の転写シートから、転写シートを1枚ずつ剥がし取ったとき、各転写シートは、基体シートとハードコート層との間で剥がれ、転写層の間での剥離は確認できなった。
×:重ね合わされた複数の転写シートから、転写シートを1枚ずつ剥がし取ったとき、各転写シートまたは一部の転写シートは、基体シートと接着層との間で剥がれず、転写層間での剥離を確認した。
(2)密着性
加飾成形品における図柄層、凹凸形成層、金属蒸着層、衝撃吸収層、および凹凸形成層での密着性について測定した。密着性の測定方法は、JIS K5600−5−6に記載されているクロスカット法に準拠して行った。なお、転写層間の密着性評価は以下のいずれかで評価した。
○:カットの縁が完全に滑らかでどの格子の目にも剥がれがない。
△:カットの交差点における塗膜に小さな剥がれが確認でき、その剥がれは転写層間で発生していた。剥がれは、クロスカットを行った部分の5%未満であった。
×:カットの交差点における塗膜に小さな剥がれが確認でき、その剥がれは転写層間で発生していた。剥がれは、クロスカットを行った部分の5%以上であった。
(3)クラック
キーエンス株式会社製の顕微鏡(商品名:Digital Microscope、型番:VHX−900)を用いて、加飾成形品の表面を観察した。そして、金属蒸着層と保護層に発生したクラックを測定した。
○:加飾成形品中(9cmあたり)にクラックは確認できなかった。
△:加飾成形品中(9cmあたり)に、金属蒸着層と保護層について、それぞれ1〜4μmのクラックを1〜2個確認した。
×:加飾成形品中(9cmあたり)に、金属蒸着層と保護層について、それぞれ1〜4μmのクラックを3個以上確認した。
(4)インキ流れ
キーエンス株式会社製の顕微鏡(商品名:Digital Microscope、型番:VHX−900)を用いて、加飾成形品の表面を観察した。そして、衝撃吸収層に発生したインキ流れを測定した。なお、衝撃吸収層のインキ流れについては、下記のいずれかで評価した。
○:衝撃吸収層にインキ流れは確認できなかった。
△:衝撃吸収層に直径1mm〜9mm以下のホールを1つ確認した。
×:衝撃吸収層に直径9mmを越えるホールを1つ確認した。
(5)形状変形性
キーエンス株式会社製の顕微鏡(商品名:Digital Microscope、型番:VHX−900)を用いて加飾成形品の表面を観察し、凹凸形成層の大きさを測定した。凹凸形成層における変化量については、予め測定しておいた加飾成形品の作成に使用した転写シートの凹凸形成層の大きさと、上記で測定した凹凸形成層の大きさを比較し、変形した割合R(R=転写シートに付与された凹凸形成層の表面積/加飾成形品に付与された凹凸形成層の表面積)を算出することにより求めた。なお、形状変形性の評価は、下記のいずれかで行った。
○:R=0.8以上、1以下
△:R=0.5以上、0.8未満
×:R=0.5未満
〔実施例2〜6及び比較例1〜6〕
衝撃吸収層を構成する樹脂の種類を表1、表2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして転写シートを作製した。そして、転写シート加飾成形品を作成し、各種評価をした。評価結果を表1に示す。
Figure 2014083817
Figure 2014083817
1:転写シート
2:基体シート
3:転写層
4:ハードコート層
5:図柄層
6:保護層
7:衝撃吸収層
8:凹凸形成層
9:金属蒸着層
10:接着層
11:成形樹脂
20:被転写体
21:ロール転写機
22:固定型
23:可動型
24:溶融樹脂
100:加飾成形品

Claims (4)

  1. 基体シートの上に転写層を備える転写シートにおいて、
    前記転写層が、
    前記基体シートの上に形成され、その形状が前記基体シートの前記転写層が形成される方向に対して凸形状である凸部を複数備える凹凸形成層と、
    前記凹凸形成層の上に直接形成される金属蒸着層と、を備え、
    前記凹凸形成層が、
    重合平均分子量:72000〜77000、
    水酸基価:8〜15mgKOH/g、
    ガラス転移温度(Tg):60〜100℃、
    であるアクリルポリオールを含む転写シート。
  2. 前記基体シートと前記凹凸形成層との間に保護層を備え、
    前記保護層が、
    重合平均分子量:70000〜75000、
    水酸基価:3〜10mgKOH/g、
    ガラス転移温度(Tg):80〜120℃、
    であるエポキシメラミンを含む請求項1に記載の転写シート。
  3. 前記保護層と前記凹凸形成層との間に衝撃吸収層を備え、前記衝撃吸収層が、前記凹凸形成層を構成する樹脂と同じ樹脂から構成される請求項2に記載の転写シート。
  4. 前記凹凸形成層を構成する凸部が、幅方向に200μm〜1000μm、高さ方向に1μm〜30μmである請求項1〜3に記載の転写シート。
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