JP2014082953A - 癌の検出方法、癌検出キット、癌治療薬のスクリーニング方法、及び癌治療薬 - Google Patents

癌の検出方法、癌検出キット、癌治療薬のスクリーニング方法、及び癌治療薬 Download PDF

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Abstract

【課題】精度の高い癌の検出方法及び癌検出キット、効率的な癌治療薬のスクリーニング方法、並びに効果的な癌治療薬を提供する。
【解決手段】miRNAの発現量を指標とした癌のバイオマーカー。miRNAの発現レベルを指標とした血管肉腫の診断マーカー。癌の検出方法は、検体における特定の塩基配列を有するmiRNAからなる群より選択される1又は2つ以上のmiRNAの発現量の増加を指標として哺乳動物の癌を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、癌の検出方法、癌検出キット、癌治療薬のスクリーニング方法、及び癌治療薬に関する。
micro−RNA(以下、「miRNA」という)は、細胞内に存在する20−25塩基ほどの1本鎖RNAであり、ノンコーディングRNAである。miRNAには多数の種類が存在し、他の遺伝子の発現を調節する機能等を有することがわかってきた。
近年、癌におけるmiRNAの発現異常が多数報告されており、miRNAを癌の診断及び治療に応用することが期待されている。特に癌の診断においては、腫瘍由来の特異的なmiRNAが、腫瘍の類症鑑別、良性・悪性の診断等に役立つ可能性を有することが報告されている。
癌の一種である血管肉腫は、発症頻度の高い癌ではないが、特にヒト以外の動物では、発見されたときにはすでに脾臓の肥大、全身への転移等を引き起こしており、手の施しようのない場合が多い。したがって、動物の血管肉腫については、特に早期発見が重要であるといえる。
miRNAの発現レベルを指標とした癌の診断方法について、いくつか報告がなされている。
非特許文献1には、血清中のmiRNA−154レベルを測定することで、ヒトの前立腺癌の診断が可能となることが記載されている。非特許文献2には、ヒトの体液(血清等)中のmiRNAレベルを測定することで、miRNAを癌のバイオマーカーとして用い得ることが記載されている。非特許文献3には、血清中のmiRNAレベルを測定することで、miRNAをヒトの各種の癌におけるバイオマーカーとして用い得ることが記載されている。非特許文献4には、血管肉腫を含むヒトの肉腫の腫瘍組織中のmiRNA発現量を評価した結果、miR−515−3p及びmiR−517cが血管肉腫の診断マーカーとして有用である可能性のあることが記載されている。
Patrick S.Mitchell et al,PNAS July 29,2008 vol.105 no.30,10513−10518 Maria Angelica Cortez et al,Nat Rev Clin Oncol.2011;8:467−477 Alton Etheridge et al,Mutat Res.2011 December 1;717(1−2):85−90 Aaron L Sarver et al,Laboratory Investigation(2010)90,753−761
しかしながら、癌の早期発見を可能とする診断方法を確立させるためには、癌とmiRNAとの関連性についてのさらなる研究が必要とされている。また、特にmiRNAの発現レベルを指標とした血管肉腫の診断マーカーについては、いまだ検討の余地が多く残されている状況にある。
そこで、本発明者らは、癌とmiRNAとの関連性について鋭意研究を重ね、miRNAの発現量を指標とした癌のバイオマーカーを新たに見出し、本発明を完成させた。本発明は、精度の高い癌の検出方法及び癌検出キット、効率的な癌治療薬のスクリーニング方法、並びに効果的な癌治療薬を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る癌の検出方法は、検体における配列番号1の塩基配列を有するmiRNA、配列番号2の塩基配列を有するmiRNA、配列番号3の塩基配列を有するmiRNA、配列番号4の塩基配列を有するmiRNA、配列番号5の塩基配列を有するmiRNA、及び配列番号6の塩基配列を有するmiRNAからなる群より選択される1又は2つ以上のmiRNAの発現量の増加を指標として哺乳動物の癌を検出することを含む。
前記癌の検出方法は、配列番号1の塩基配列を有するmiRNA、配列番号2の塩基配列を有するmiRNA、配列番号3の塩基配列を有するmiRNA、配列番号4の塩基配列を有するmiRNA、配列番号5の塩基配列を有するmiRNA、及び配列番号6の塩基配列を有するmiRNAの発現量の増加を指標としてもよい。
前記哺乳動物は、イヌ又はネコであってもよい。
前記癌は、血管肉腫であってもよい。
前記検体は、血清であってもよい。
本発明の第2の観点に係る癌検出キットは、前記癌の検出方法で用いられる。
本発明の第3の観点に係る癌治療薬のスクリーニング方法は、
被検物質の存在下及び前記被検物質の非存在下で、配列番号1の塩基配列を有するmiRNA、配列番号2の塩基配列を有するmiRNA、配列番号3の塩基配列を有するmiRNA、配列番号4の塩基配列を有するmiRNA、配列番号5の塩基配列を有するmiRNA、及び配列番号6の塩基配列を有するmiRNAからなる群より選択される1又は2つ以上のmiRNAの発現量を測定する工程と、
前記被検物質の存在下における前記群より選択される1又は2つ以上のmiRNAの発現量と、前記被検物質の非存在下における前記群より選択される1又は2つ以上のmiRNAの発現量と、を比較する工程と、
前記被検物質の存在下における前記群より選択される1又は2つ以上のmiRNAの発現量が、前記被検物質の非存在下における前記群より選択される1又は2つ以上のmiRNAの発現量より低い場合に、前記被検物質を癌治療薬と評価する工程と、
を含む。
本発明の第4の観点に係る癌治療薬は、配列番号1の塩基配列を有するmiRNA、配列番号2の塩基配列を有するmiRNA、配列番号3の塩基配列を有するmiRNA、配列番号4の塩基配列を有するmiRNA、配列番号5の塩基配列を有するmiRNA、及び配列番号6の塩基配列を有するmiRNAからなる群より選択される1又は2つ以上のmiRNAの発現量を低下させるsiRNA、shRNA、又はdsRNAを含む。
本発明によれば、精度の高い癌の検出方法及び癌検出キット、効率的な癌治療薬のスクリーニング方法、並びに効果的な癌治療薬を提供することができる。
6つのmiRNAの発現量について、正常イヌ血清と血管肉腫イヌ血清とで比較した図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(1.癌の検出方法)
本発明による癌の検出方法は、哺乳動物の癌を検出する方法であり、検体における“配列番号1の塩基配列を有するmiRNA、配列番号2の塩基配列を有するmiRNA、配列番号3の塩基配列を有するmiRNA、配列番号4の塩基配列を有するmiRNA、配列番号5の塩基配列を有するmiRNA、及び配列番号6の塩基配列を有するmiRNAからなる群より選択される1又は2つ以上のmiRNA”(以下、「本件miRNA」という)の発現量の増加を指標として哺乳動物の癌を検出することを含む。
上記の“癌”は、特に制限されることなく、血管肉腫、乳癌、肺癌、肝臓癌、メラノーマ、卵巣癌、子宮癌、膵臓癌、腎臓癌、リンパ種、骨肉腫等を含み、検出精度の観点から、血管肉腫をより好適に例示することができる。血管肉腫は、血管から発生する悪性腫瘍であり、悪性血管内皮種とも称される。上記の各種の癌には、初発の癌及び再発の癌が含まれ、検出精度の観点から、初発の癌をより好適に例示することができる。
上記の“哺乳動物”は、特に制限されることなく、イヌ、ネコ、ヒト、サル、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウシ、ブタ、ウマ、ウサギ、ヒツジ、ヤギ等を含み、好適例として、より高い精度で癌を検出する観点から、イヌ、ネコ等の愛玩動物が挙げられる。
上記の“癌を検出する”とは、癌化に向かって進行中の病変組織、及びすでに癌化している状態の病変組織の存在を感知することである。本発明の方法により癌を検出することで、癌を早期に発見することができ、また、本発明の方法により、癌の発症リスクを予測することや、癌の悪性度の程度を評価することも可能である。
上記の“配列番号1の塩基配列を有するmiRNA、配列番号2の塩基配列を有するmiRNA、配列番号3の塩基配列を有するmiRNA、配列番号4の塩基配列を有するmiRNA、配列番号5の塩基配列を有するmiRNA、及び配列番号6の塩基配列を有するmiRNA”には、配列番号1〜6に示されるヌクレオチド配列において各々1又は2個以上のヌクレオチドが欠失、置換、又は付加されたRNAからなり、かつ、癌化に向かって進行中の病変組織又はすでに癌化している状態の病変組織を有する哺乳動物の検体において発現量が増加するmiRNAも含まれる。上記の「1又は2個以上」とは、好ましくは1〜5個であり、より好ましくは1〜3個であり、さらに好ましくは1〜2個であり、最も好ましくは1個である。
イヌの検体の場合には、配列番号1の塩基配列を有するmiRNAはcfa−miR−503、配列番号2の塩基配列を有するmiRNAはcfa−miR−193b、配列番号3の塩基配列を有するmiRNAはcfa−let−7e、配列番号4の塩基配列を有するmiRNAはcfa−miR−451、配列番号5の塩基配列を有するmiRNAはcfa−miR−423a、配列番号6の塩基配列を有するmiRNAはcfa−miR−551bと称される(表1)。これらのmiRNAの各々は、miRBase(http://www.mirbase.org/)にて検索が可能である。
上記の“検体における本件miRNAの発現量の増加を指標として哺乳動物の癌を検出すること”は、具体的には、(A)検体中に含まれるmiRNAを抽出する工程と、(B)検体中の本件miRNAの発現量を測定する工程と、(C)本件miRNAの発現量の増加を指標として癌を検出する工程と、を含む。
この“検体”には、特に制限されることなく、癌の疑いのある哺乳動物又はコントロールの哺乳動物の血清、血液、唾液、腹水、尿、糞便、胃洗浄液、膵液、胆汁、生検組織、乳汁等が含まれる。検体として、例えば、血清を好適に用いることができる。本件miRNAは、癌組織から血液中に流出しても、安定的に血清中に存在しているからである。検体として血清を用いることで、高い精度で、かつ簡便に癌を検出することができる。血清以外の検体でも、例えば、前述の通り唾液、腹水、尿、糞便、胃洗浄液、膵液、胆汁、生検組織、乳汁等、癌組織での本件miRNA発現量が相対的に反映され得る検体であれば、適宜用いることができる。なお、上述の“コントロールの哺乳動物”とは、癌化に向かって進行中の病変組織やすでに癌化している状態の病変組織を有しない哺乳動物を意味する。
上記(A)工程におけるmiRNAを抽出する方法としては、哺乳動物の検体からmiRNAを含むRNAを抽出することのできる方法であれば特に制限されず、例えば、RNAzol RT試薬(Molecular Research Center社)でRNAを抽出後、miRCURY column(EXIQON社)にて精製することによって、miRNAを含むトータルRNAを抽出する方法が挙げられる。
上記(B)工程におけるmiRNAの発現量を測定する方法としては、例えば、マイクロアレイ法が挙げられる。このマイクロアレイ法としては、miRNAの発現量を測定することが可能である限り特に制限されないが、哺乳動物の検体から抽出したRNAをラベルで標識し、そのRNAを、本件miRNAに相補的な核酸配列からなるポリヌクレオチド(安定性の観点から好ましくはDNA)又はその一部からなるプローブが固定されたマイクロアレイに接触させてハイブリダイゼーションを行った後、マイクロアレイを洗浄して、マイクロアレイ上に残った本件miRNAの発現量を測定する方法を例示することができる。
上記のRNAを標識する試薬としては、特に制限されないが、例えば、miRCURY LNA microRNA Hi Power labeling kit(Hy3/Hy5 Labeling Kit)(EXIQON社)が挙げられる。
上記のポリヌクレオチドの一部の長さとしては、本発明における所定のマイクロRNAに特異的にハイブリダイズし得る限り特に制限されないが、ハイブリダイゼーションの安定性を確保する観点から、10〜100merであることが好ましく、10〜40merであることがより好ましい。なお、上記のポリヌクレオチド又はその一部は、当該技術分野において周知の方法を用いて化学合成等することにより得ることができる。
上記のポリヌクレオチド又はその一部を固定するアレイとしては、特に制限されないが、ガラス基板、シリコン基板等を例示することができる。上記のポリヌクレオチド又はその一部をアレイに固定する方法としては、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。
マイクロアレイ上に残った本件miRNAの発現量は、例えば、miRNAをスキャナ(例えば、G2505C(Agilent社))及びソフトウェア(例えば、gilent Scan Control(Agilent社))を用いてスキャンし、解析ソフトウェア(例えば、Feature Extraction 10.7.3.1(Agilent社)を用いてmiRNAの発現量を測定することで解析することができる。
また、上記(B)工程におけるmiRNAの発現量を測定する方法としては、例えば、定量PCR法(リアルタイムPCR法を含む)が挙げられる。この定量PCR法は、本件miRNAの配列を増幅し得るプライマーセットを用いる方法であり、本件miRNAの発現量を測定することが可能である限り特に制限されず、蛍光プローブ法(例えば、TaqMan(登録商標)プローブ法(FRET原理を利用したものも含む))、アガロース電気泳動法、SYBRグリーン法等の通常の定量PCR法を用いることができる。
定量PCR法におけるプライマーセットとは、本件miRNAの配列を増幅し得るプライマー(ポリヌクレオチド)の組合せを意味する。上記プライマーとしては、本件miRNAの配列を増幅し得る限り特に制限されないが、本件miRNAの配列の5’側(例えば、miRNAの配列の中央の核酸よりも5’側の配列)の一部の配列からなるプライマー(フォワードプライマー)と、本件miRNAの配列の3’側(例えば、miRNAの配列の中央の核酸よりも3’側の配列)の一部の配列に相補的な配列からなるプライマー(リバースプライマー)とからなるプライマーセットを例示することができる。なお、上記プライマーであるポリヌクレオチドのヌクレオチドの種類としては、安定性の観点からDNAであることが好ましい。
上記プライマーセット等は、その配列情報に基づき当該技術分野において周知の方法を用いて化学合成等することにより得ることができる。
また、上記(B)工程におけるmiRNAの発現量を測定する他の方法としては、本件miRNAの発現量を測定し得る方法であれば特に制限されず、例えば、ノーザンブロット法、LAMP法(Loop−Mediated Isothermal Amplification)、in situ ハイブリダイゼーション法等が挙げられ得る。
上記(C)工程において、上記のように測定された本件miRNAの発現量の増加を指標として癌を検出する。具体的には、例えば、癌の疑いのある哺乳動物の検体中の本件miRNAの発現量が、コントロールの哺乳動物(上述)由来の検体中の本件miRNAの発現量に比して高い場合に、この癌の疑いのある哺乳動物の癌を検出した、と判断することができる。また例えば、癌の疑いのある哺乳動物の検体中の本件miRNAの発現量が、検査対象となる哺乳動物の同一個体における正常組織由来の検体中の本件miRNAの発現量に比して高い場合に、この癌の疑いのある哺乳動物の癌を検出したと判断することができる。
また、上記(C)工程では、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうち少なくとも1つのmiRNAの発現増加を指標とするが、例えば、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうち任意の1つのmiRNAのみの発現増加を指標としてもよく、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうち任意の2つのmiRNAの発現増加を指標としてもよく、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうち任意の3つのmiRNAの発現増加を指標としてもよく、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうち任意の4つのmiRNAの発現増加を指標としてもよく、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうち任意の5つのmiRNAの発現増加を指標としてもよく、又は配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAすべてのmiRNAの発現増加を指標としてもよい。検出精度を高める観点から、好ましくは、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAすべてのmiRNAの発現量の増加を指標とする。
また、上記(C)工程において、本件miRNAの発現量の増加の程度については、癌の疑いのある哺乳動物の検体中の本件miRNAの発現量が、コントロールの哺乳動物(上述)由来の検体中又は検査対象となる哺乳動物の同一個体における正常組織由来の検体中の本件miRNAの発現量に比して多い場合、好ましくは1.1倍以上多い場合に、この癌の疑いのある哺乳動物の癌を検出した、と判断することができる。また、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAすべてのmiRNAの発現量の増加を指標とする場合、癌の疑いのある哺乳動物の検体中の6つのすべてのmiRNAの発現量が、コントロールの哺乳動物(上述)由来の検体中又は検査対象となる哺乳動物の同一個体における正常組織由来の検体中の本件miRNAの発現量の1.1倍以上である場合、好ましくは6つのすべてのmiRNAの発現量が1.1倍以上かつこのうち少なくとも3つのmiRNAの発現量が2倍以上である場合に、この癌の疑いのある哺乳動物の癌を検出した、と判断することができる。
本発明者らにより、癌を有する哺乳動物の検体中の本件miRNAの発現量は、コントロールの哺乳動物の検体中の本件miRNAの発現量に比して明らかに高いことが示された。したがって、本件miRNAの発現量の増加を指標とする本発明の癌の検出方法は、高い精度で癌を検出することができ、癌の早期発見にも有用である。また、検体として血清を用いる場合、高い精度で、かつ、より簡便に癌を検出することができるため、例えば、健康診断において用いることも可能である。
また、イヌ、ネコ等の愛玩動物の場合、寿命が延びたことで癌の発症率も高くなっている。特にこのような愛玩動物の血管肉腫の場合には、診断マーカーとして確立されたものは従来ほとんど存在せず、飼い主が異変を感じ受診した時には、すでに末期癌となっており予後不良である場合が多い。本発明による癌の検出方法は、血管肉腫を早期にかつ精度良く検出することができるため、イヌ、ネコ等の愛玩動物での診断に特に有用である。
(2.癌検出キット)
本発明はまた、前記の癌の検出方法で用いられる癌検出キットを提供する。
本発明による癌検出キットは、例えば、本件miRNAに相補的な核酸配列からなるポリヌクレオチド(好ましくはDNA)又はその一部からなるプローブが固定されたマイクロアレイを含む。この場合、本発明の癌検出キットには、前述のマイクロアレイの他に、例えば、検体からのRNA抽出に用いる試薬、RNAの標識に用いる試薬、ハイブリダイゼーション反応に用いる試薬、洗浄に用いる試薬等のマイクロアレイ法に用いられる他の試薬をさらに含んでいてもよい。この場合のマイクロアレイや各試薬の詳細については、前記の通りである。
また、本発明による癌検出キットは、例えば、本件miRNAの配列を増幅し得る、本件miRNAの配列の5’側の一部の配列からなるプライマー(フォワードプライマー)と、本件miRNAの配列の3’側の一部の配列に相補的な配列からなるプライマー(リバースプライマー)とからなるプライマーセットを含む。この場合、本発明の癌検出キットには、前述のプライマーセットの他に、検体からのRNA抽出に用いる試薬、ポリメラーゼ等の定量PCR反応に用いる試薬等の定量PCRに用いられる他の試薬をさらに含んでいてもよい。この場合のプライマーセットや各試薬の詳細については、前記の通りである。
本発明の癌検出キットは、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうち少なくとも1つのmiRNAの発現増加を指標とするものであり、例えば、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうち任意の1つのmiRNAのみの発現増加を指標としてもよく、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうち任意の2つのmiRNAの発現増加を指標としてもよく、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうち任意の3つのmiRNAの発現増加を指標としてもよく、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうち任意の4つのmiRNAの発現増加を指標としてもよく、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうち任意の5つのmiRNAの発現増加を指標としてもよく、又は配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAすべてのmiRNAの発現増加を指標としてもよい。検出精度を高める観点から、好ましくは、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAすべてのmiRNAの発現増加を指標とする。
本件miRNAの発現量の増加を指標とする本発明の癌検出キットは、高い精度で癌を検出することができ、癌の早期発見にも有用である。また、検体として血清を用いる場合、高い精度で、かつ、より簡便に癌を検出することができるため、例えば、健康診断において用いることも可能である。また、本発明の癌検出キットは、特にイヌ、ネコ等の愛玩動物の癌(好ましくは血管肉腫)を、早期にかつ精度良く検出することができるため、このような愛玩動物の癌(好ましくは血管肉腫)の診断において効果的に用いることができる。
(3.癌治療薬のスクリーニング方法)
本発明による癌治療薬のスクリーニング方法は、(a)被検物質の存在下及び被検物質の非存在下で、本件miRNAの発現量を測定する工程と、(b)被検物質の存在下における本件miRNAの発現量と、被検物質の非存在下における本件miRNAの発現量と、を比較する工程と、(c)被検物質の存在下における本件miRNAの発現量が、被検物質の非存在下における本件miRNAの発現量より低い場合に、該被検物質を癌治療薬と評価する工程と、を含む。
上記(a)及び(b)工程における本件miRNAの発現量の測定方法としては、前述の方法を用いることができる。
上記(a)−(c)工程における被検物質としては、特に制限されることなく、化学合成された化合物(低分子化合物を含む)、天然由来の化合物等が含まれる。
上記(a)工程において、“被検物質の存在下で本件miRNAの発現量を測定する”とは、培地中の培養細胞(例えば、癌細胞)に被検物質を添加することで被検物質を接触させ、一定時間培養後に該培養細胞における本件miRNAの発現量を測定すること;癌を発症している実験動物に被検物質を投与し、一定期間後に該実験動物における本件miRNAの発現量を測定すること等を意味する。一方、“被検物質の非存在下で本件miRNAの発現量を測定する”とは、前記と各々対応させると、被検物質を添加していない培地中で培養細胞(例えば、癌細胞)を一定時間培養し、その後該培養細胞における本件miRNAの発現量を測定すること;癌を発症している実験動物に被検物質を投与せずに、一定期間後に該実験動物における本件miRNAの発現量を測定すること等を意味する。
また、本発明の癌治療薬のスクリーニング方法は、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうちの少なくとも1つのmiRNAの発現量を用いるものであり、例えば、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうち任意の1つのmiRNAのみの発現量を用いてもよく、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうち任意の2つのmiRNAの発現量を用いてもよく、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうち任意の3つのmiRNAの発現量を用いてもよく、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうち任意の4つのmiRNAの発現量を用いてもよく、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうち任意の5つのmiRNAの発現量を用いてもよく、又は配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAすべてのmiRNAの発現量を用いてもよい。スクリーニングの精度をより高める観点から、好ましくは、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAすべてのmiRNAの発現量を用いる。
上記(c)工程において、被検物質の存在下における本件miRNAの発現量が、被検物質の非存在下における本件miRNAの発現量に対して、例えば、1.1倍以上低下した場合に、該被検物質を癌治療薬と評価することができる。また、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAすべてのmiRNAの発現量を用いる場合、被検物質の存在下における本件miRNAの発現量が、被検物質の非存在下における本件miRNAの発現量に対して、例えば、1.1倍以上、好ましくは6つのすべてのmiRNAの発現量が1.1倍以上かつこのうち少なくとも3つのmiRNAの発現量が2倍以上低下した場合に、該被検物質を癌治療薬と評価することができる。
本発明による癌治療薬のスクリーニング方法は、被検物質の存在下と非存在下との間の発現量の差が明確である本件miRNAの発現量を指標とするため、効率的に癌治療薬をスクリーニングすることができる。
(4.癌治療薬)
本発明による癌治療薬は、本件miRNAの発現量を低下させるsiRNA、shRNA、又はdsRNAを含む。
本発明の癌治療薬に含まれるsiRNA(short interfering RNA)は、約20塩基又はそれ未満の長さの二本鎖RNAであり、細胞内に導入することにより本件miRNAの発現量を低下させることができるものである。このsiRNAとしては、RNAiを引き起こし本件miRNAの発現量を低下させることができるものであれば特に制限されないが、例えば、人工的に化学合成若しくは生化学的に合成されたもの、生物体内で合成されたもの、又は約40塩基以上の二本鎖RNAが体内で分解されてできた10塩基対以上の短鎖二本鎖RNA等が挙げられる。
shRNA(short hairpin RNA)は、一本鎖RNAで部分的に回文状の塩基配列を含むことにより、分子内で二本鎖構造をとり、ヘアピンのような構造となる約20塩基対以上の分子である。このようなshRNAは、細胞内に導入された後、細胞内で約20塩基の長さに分解され、siRNAと同様にRNAiを引き起こすことができる。本発明の癌治療薬に含まれるshRNAとしては、RNAiを引き起こし本件miRNAの発現量を低下させることができるものであれば特に制限されずに用いることができる。
dsRNA(double−stranded RNA)は、細胞内で変換されてsiRNAを生成する分子のことを意味する。したがって、本発明においては上記siRNAを生成するdsRNAを使用してもよい。このdsRNAは、RNAiを引き起こし本件miRNAの発現量を低下させることができるものであれば特に制限されずに用いることができる。
本発明の癌治療薬は、医薬上許容可能な担体(例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、防腐剤、pH調整剤、矯味矯臭剤、希釈剤、注射剤用溶剤等)をさらに含んでいてもよい。また、本発明の癌治療薬は、特異的に標的組織へ送達させることを可能にする標識やナノカプセル等を含有してもよい。また、本発明の癌治療薬は、癌の治療に有効な公知の抗癌剤(例えば、フルオロウラシル、タモキシフェン、アナストロゾール、アクラルビシン、ドキソルビシン、テガフール、シクロホスファミド、イリノテカン、シタラビン、パクリタキセル、ドセタキセル、エピルビシン、カルボプラチン、シスプラチン、チオテパ、又はこれらの医薬上許容される塩等)等の他の薬効成分をさらに含んでもよく、また、投薬時にこれらの抗癌剤と併用されてもよい。
本発明の癌治療薬の投与経路としては、例えば、経口投与、非経口投与(静脈内投与、動脈内投与、皮下投与、筋肉内投与、腹腔内投与、局所投与等)が挙げられ、投与剤形としては、注射剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤、乳剤、座剤、懸濁剤噴霧剤等が例示される。具体的には、局所投与の場合、外科手術にて患部を露出し、癌組織に注射器等の手段で本発明の癌治療剤を直接投与することができ、また、非局所投与の場合、腫瘍栄養血管内投与により行うことができる。
本発明の癌治療薬の投与量及び投与回数は、目的とする作用効果、投与方法、治療期間、対象の年齢、体重、性別等により異なり、適宜選択され得る。
本発明の癌治療薬の治療効果は、例えば、投与された哺乳動物の腫瘍形成能、平均寿命、臓器浸潤能等を測定することで、評価可能である。
また、本発明の癌治療薬は、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうちの少なくとも1つのmiRNAの発現量を低下させるものであり、例えば、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうち任意の1つのmiRNAのみの発現量を低下させてもよく、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうち任意の2つのmiRNAの発現量を低下させてもよく、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうち任意の3つのmiRNAの発現量を低下させてもよく、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうち任意の4つのmiRNAの発現量を低下させてもよく、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAのうち任意の5つのmiRNAの発現量を低下させてもよく、又は配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAすべてのmiRNAの発現量を低下させてもよい。治療効果の観点から、配列番号1〜6の塩基配列を有する6つのmiRNAすべてのmiRNAの発現量を低下させる癌治療薬が好ましい。
本発明の癌治療薬は、本件miRNAの発現量を低下させるsiRNA、shRNA、又はdsRNAを含むため、癌治療において効果的に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
血管肉腫の診断マーカーを探索するために、以下の実験を行った。
(血清からRNAの抽出)
正常イヌ2頭及び血管肉腫イヌ2頭の血清から、RNAを抽出した。具体的には、RNA zol RT試薬(Molecular Research Center社)を用いて添付のプロトコールに従ってRNAを抽出し、miRCURY column(EXIQON社)を用いて添付のプロトコールに従ってRNAを精製した(正常イヌ2頭及び血管肉腫イヌ2頭の血清由来のRNAサンプルを、各々、ノーマル1,ノーマル2,血管肉腫1,血管肉腫2とする)。
(ラベリング)
RNAのラベリングには、miRCURY LNA microRNA Hi Power labeling kit(Hy3/Hy5 Labeling Kit)(EXIQON社)を用いた。以下の各操作を、添付のプロトコールに従って行った。また、ラベリングに用いた以下の試薬等は、上記kitに添付されているものである。
Hy3蛍光ラベル又はHy5蛍光ラベルにヌクレアーゼフリー水29μLを加え、また、Spike−in control RNAにヌクレアーゼフリー水30μLを加え、各々氷上に30分間置いた。
次に、CIP反応を行った。具体的には、各々のサンプルのトータルRNA250ng−1,000ngにヌクレアーゼフリー水を加え、全量で3μLとした(RNA84ng/μL以上)。その後、CIP Buffer:0.5μL、Spike−in control:1μL、及びCIP enzyme:0.5μLを加え、37℃で30分間、95℃で5分間インキュベートし、その後、氷上に2−15分間置いた。
次に、ラベリングを行った。具体的には、Labeling Buffer:3μL、DMSO:2μL、及びLabeling enzyme:1μLの溶液(全量6μL)に、前述のCIP反応溶液:5μL及び蛍光ラベル:1.5μL(サンプル:Hy3、リファレンス:Hy5)を加え、16℃で2時間、65℃で15分間インキュベートした。
次に、精製を行った。具体的には、Hy3標識RNA又はHy5標識RNAにヌクレアーゼフリー水を加えて100μLに調整し、3M NaOAc(酢酸ナトリウム)溶液10μLを加えて、よく混合させた。イソプロピルアルコール110μLを加え、20分間、4℃で遠心分離した(14,000×g)。上清を除去し、80%エタノール500μLを加え、5分間、4℃で遠心分離した(14,000×g)。その後、上清を除去し、スピードバックで3分間乾燥させた。DMSO 4μL、ヌクレアーゼフリー水 15μL、Labeling Buffer 6μLで溶離し、あらかじめ56℃に加熱しておいた“2×Hybridization Buffer”25μLを加えた。
(ハイブリダイゼーション)
ドッグmiRNAに対応するプローブ(264個)が搭載されたアレイ(miRCURY LNA array(EXIQON社);Lot#:32004−17、Array Ver.:Other v.11.0 #208214−A、grid file:miRBase 18.0及びmiRPlus(Canis Familiaris(dog))を用いて、ハイブリダイゼーションを行った。前述の反応液を95℃下に5分間置くことで変性させ、4℃で2分間、遠心分離した(12,000×g)。ハイブリダイゼーションチャンバーの溝に、前述のアレイに添付されている20×salt Buffer 30μLを加え、ギャップカバーグラス(松浪硝子工業社製、CG00044又は24×60 25PCS)でスライドをキャップした。その隙間を反応液45μLで満たし、16−20時間、56℃の水浴中でインキュベートした。
(洗浄)
翌日、あらかじめ56℃に加熱しておいた“Washing buffer A”(EXIQON社)中でスライドからギャップカバーグラスを分離させ、2分間、あらかじめ56℃に加熱しておいた“Washing buffer A”(EXIQON社)で洗浄した。その後、“Washing buffer B”(EXIQON社)中に1回投入して軽く洗浄し、2分間、“Washing buffer B”(EXIQON社)で洗浄した。その後、2分間、“Washing buffer C”(EXIQON社)で洗浄し、5分間遠心分離した(1000rpm)。
(スキャン)
miRNAのスキャンを、スキャナ;G2505C (Agilent社)、ソフトウェア;Agilent Scan Control(Agilent社)を用いて行った(Green PMT及びRed PMT:100%、スキャン解像度:10um)。
(解析)
miRNAの発現量を、ソフトウェア;Feature Extraction 10.7.3.1(Agilent社)を用いて解析した。具体的には、Hy3又はHy5のデータのレプリケートされたスポットの平均値を算出し、各々のレプリケートされたスポットのHy3/Hy5の平均値(標準化されたデータ)を算出した。
(結果)
正常イヌ血清中のmiRNA発現量と血管肉腫イヌ血清中のそれとを比較した結果を図1及び表2に示す。図1において、miRNA発現量が0.0の場合は緑色、1.0の場合は黒色、2.0の場合は赤色で示される。また、表2において、各miRNAについてのノーマル1、ノーマル2、血管肉腫1、及び血管肉腫2でのmiRNA発現量の値、並びに各miRNAについての血管肉腫1又は血管肉腫2でのmiRNA発現量の値とノーマル1及びノーマル2でのmiRNA発現量の平均値との比(血管肉腫1又は血管肉腫2/Normal−Ave)を示している。
血管肉腫イヌでは、正常イヌに比して、cfa−miR−503(配列番号1)、cfa−miR−193b(配列番号2)、cfa−let−7e(配列番号3)、cfa−miR−451(配列番号4)、cfa−miR−423a(配列番号5)、及びcfa−miR−551b(配列番号6)の発現量が顕著に高いことが示された(図1及び表2)。具体的には、cfa−miR−503(配列番号1)において、血管肉腫1ではNormal−Aveに比して7.220倍、血管肉腫2ではNormal−Aveに比して6.297倍発現量が高く、cfa−miR−193b(配列番号2)において、血管肉腫1ではNormal−Aveに比して2.238倍、血管肉腫2ではNormal−Aveに比して2.142倍発現量が高く、cfa−let−7e(配列番号3)において、血管肉腫1ではNormal−Aveに比して3.169倍、血管肉腫2ではNormal−Aveに比して4.703倍発現量が高く、cfa−miR−451(配列番号4)において、血管肉腫1ではNormal−Aveに比して1.398倍、血管肉腫2ではNormal−Aveに比して4.770倍発現量が高く、cfa−miR−423a(配列番号5)において、血管肉腫1ではNormal−Aveに比して2.415倍、血管肉腫2ではNormal−Aveに比して1.372倍発現量が高く、cfa−miR−551b(配列番号6)において、血管肉腫1ではNormal−Aveに比して2.581倍、血管肉腫2ではNormal−Aveに比して1.119倍発現量が高いことが示された。
これらのことから、上記6つのmiRNAは、イヌの血管肉腫の診断マーカーとして有用であることが明らかとなった。
以上説明したように、本発明によれば、精度の高い癌の検出方法及び癌検出キット、効率的な癌治療薬のスクリーニング方法、並びに効果的な癌治療薬を提供することができる。

Claims (8)

  1. 検体における配列番号1の塩基配列を有するmiRNA、配列番号2の塩基配列を有するmiRNA、配列番号3の塩基配列を有するmiRNA、配列番号4の塩基配列を有するmiRNA、配列番号5の塩基配列を有するmiRNA、及び配列番号6の塩基配列を有するmiRNAからなる群より選択される1又は2つ以上のmiRNAの発現量の増加を指標として哺乳動物の癌を検出することを含む、癌の検出方法。
  2. 配列番号1の塩基配列を有するmiRNA、配列番号2の塩基配列を有するmiRNA、配列番号3の塩基配列を有するmiRNA、配列番号4の塩基配列を有するmiRNA、配列番号5の塩基配列を有するmiRNA、及び配列番号6の塩基配列を有するmiRNAの発現量の増加を指標とする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の癌の検出方法。
  3. 前記哺乳動物は、イヌ又はネコである、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の癌の検出方法。
  4. 前記癌は、血管肉腫である、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の癌の検出方法。
  5. 前記検体は、血清である、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の癌の検出方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の癌の検出方法で用いられる癌検出キット。
  7. 被検物質の存在下及び前記被検物質の非存在下で、配列番号1の塩基配列を有するmiRNA、配列番号2の塩基配列を有するmiRNA、配列番号3の塩基配列を有するmiRNA、配列番号4の塩基配列を有するmiRNA、配列番号5の塩基配列を有するmiRNA、及び配列番号6の塩基配列を有するmiRNAからなる群より選択される1又は2つ以上のmiRNAの発現量を測定する工程と、
    前記被検物質の存在下における前記群より選択される1又は2つ以上のmiRNAの発現量と、前記被検物質の非存在下における前記群より選択される1又は2つ以上のmiRNAの発現量と、を比較する工程と、
    前記被検物質の存在下における前記群より選択される1又は2つ以上のmiRNAの発現量が、前記被検物質の非存在下における前記群より選択される1又は2つ以上のmiRNAの発現量より低い場合に、前記被検物質を癌治療薬と評価する工程と、
    を含む癌治療薬のスクリーニング方法。
  8. 配列番号1の塩基配列を有するmiRNA、配列番号2の塩基配列を有するmiRNA、配列番号3の塩基配列を有するmiRNA、配列番号4の塩基配列を有するmiRNA、配列番号5の塩基配列を有するmiRNA、及び配列番号6の塩基配列を有するmiRNAからなる群より選択される1又は2つ以上のmiRNAの発現量を低下させるsiRNA、shRNA、又はdsRNAを含む癌治療薬。
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