JP2009050189A - 抗癌剤の有効性予測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】癌治療における抗癌剤の有効性を抗癌剤投与前に予測/判定する方法、特に胃癌及び膵臓癌治療における抗癌剤の有効性を抗癌剤投与前に予測/判定する方法を提供すること。
【解決手段】抗癌剤投与前の胃癌又は膵臓癌患者から採取された癌細胞について、全遺伝子網羅型マイクロアレイを用いて遺伝子発現の解析を行い、遺伝子発現量と実際に抗癌剤治療を行なったときの効果との関係を鋭意検討した結果、抗癌剤の効果が認められた症例群(PR群)と認められなかった症例群(non−PR群)における遺伝子発現の程度を比較した結果、発現の差が認められる遺伝子が、胃癌においては5番染色体上に、膵臓癌においては1番染色体上に偏って存在すること、さらに、これらの遺伝子のPR群における発現レベルは、いずれもnon−PR群での発現レベルと比較して有意に低いことを確認した。
【選択図】なし

Description

本発明は癌治療における抗癌剤の有効性を抗癌剤投与前に予測/判定する方法、特に胃癌や膵臓癌治療における抗癌剤の有効性を抗癌剤投与前に予測/判定する方法に関するものである。
抗癌剤による化学治療は、外科手術ならびに放射線照射とともに主要な癌治療法の一つであり、種々の癌に対する多数の抗癌剤が開発されている。化学療法に使用される抗癌剤は、主にアルキル化剤、抗生物質、体謝拮抗剤、生物学的薬剤、ホルモン剤、および植物由来薬剤の6つの範疇に分類することができる。これらの薬剤はいずれも、なんらかの形で細胞の分裂/増殖調節機構に影響を及ぼすことにより、癌細胞の増殖阻害又はアポトーシス誘導などの作用を示すと考えられている。抗癌剤は癌細胞のような増殖能の高い細胞の殺細胞効果を目的としてはいるが、その作用は癌細胞に選択的なものではなく、正常細胞、特に細胞増殖能の高い骨髄細胞等にも大きなダメージを与え、その結果、多くの患者で重い副作用が見られる。それにも関わらず、抗癌剤を単独投与した際の効果は概ね30%程度であるとされており、現時点での化学療法は効果と比較して副作用が高いといわれている。
さらに、抗癌剤の作用は癌細胞の特性に依存しており、その効果は個人により大きく異なることから、効果が見られるかどうかは実際に抗癌剤を投与した後でなければ判定できないのが現状である。このため、現在の化学療法は抗癌剤投与後の治療効果を見ながら試行錯誤的に行われており、結果として効果のない抗癌剤の投与による無駄な治療が行われる上、薬剤の副作用による苦痛を患者に与えている場合もある。これらのことから、化学療法開始前に抗癌剤の有効性を予測/判定することが可能となれば、治療方針を立てる上で非常に有益である。
従来、抗癌剤の有効性の予測に関しては、生体から採取した組織の性質を判定する組織性質判定装置であって、前記組織から調製した試料に含まれる第1サイクリン依存性キナーゼの活性を反映する第1データを取得する第1データ取得手段と、前記第1サイクリン依存性キナーゼの発現量を反映する第2データを取得する第2データ取得手段と、前記第1データ及び第2データより得られる第1の値に基づいて組織の性質に関する情報を取得する解析手段とを備え、癌の悪性度の判断、または、精度の高い抗癌剤治療の有効性の予測を行うために有用な組織性質判定装置(例えば、特許文献1参照)や、抗がん剤を少なくとも一度投与した生体から採取した腫瘍細胞のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)の活性値、発現量、及び活性値と発現量との比からなる群より選択される少なくとも1つのパラメータと、選択されたパラメータに対応する閾値とを比較する工程(第1比較工程);及び得られた比較結果(第1比較結果)に基づいて、前記生体に対する前記抗がん剤治療の有効性を予測する工程;を含む抗がん剤治療の有効性予測方法(例えば、特許文献2参照)が知られている。
また、抗癌剤感受性予測の対象となる試料についてhRFIの発現を検討する工程と、検討して得られたhRFIの発現から抗癌剤感受性を予測する工程とを含む、抗癌剤感受性予測方法(例えば、特許文献3参照)や、乳癌における術後補助ホルモン療法における治療有効性を有する薬物を選別するにあたり、メニンを治療効果判定マーカーとして使用することを特徴とする治療薬選別法又は治療効果予測法(例えば、特許文献4参照)や、被験細胞のBCRPの遺伝子多型を同定することを特徴とする被験細胞の抗癌剤に対する感受性の判定法(例えば、特許文献5参照)や、スペルミジン/スペルミンN1 −アセチルトランスフェラーゼを誘導するポリアミン同族体を含む抗癌剤を用いて、化学療法に対する哺乳動物の腫瘍タイプの応答性を予測するための方法であって、前記方法が、(a)生検を行い、腫瘍細胞を得る工程、(b)前記腫瘍細胞又は腫瘍組織を培養中に導入する工程、(c)培養中の前記腫瘍細胞に対して治療的に有効な量の前記ポリアミン同族体を投与する工程、及び(d)前記ポリアミン同族体に曝された前記腫瘍細胞中のスペルミジン/スペルミンN1 −アセチルトランスフェラーゼの誘導のレベルを検出する工程を含むことを特徴とする、化学療法に対する哺乳動物の腫瘍タイプの応答性を予測するための方法(例えば、特許文献6参照)が知られている。
そしてまた、抗癌活性剤を投与することにより癌について処置されている患者の応答のモニター方法であって、(a)該抗癌活性剤での処置前に該患者から採取した第一の生物学的サンプル中の1種以上の遺伝子又は遺伝子産物の発現のレベルを測定する段階;(b)該抗癌活性剤での処置後に該患者から採取した少なくとも第二の生物学的サンプル中の1種以上の遺伝子又は遺伝子産物の発現のレベルを測定する段階;および(c)第二の生物学的サンプル中の1種以上の遺伝子又は遺伝子産物の発現のレベルを、第一の生物学的サンプル中の1種以上の遺伝子又は遺伝子産物の発現のレベルと比較する段階を含んでなり;かつ、第一の生物学的サンプル中の1種以上の遺伝子又は遺伝子産物の発現のレベルに比較した第二の生物学的サンプル中の1種以上の遺伝子又は遺伝子産物の発現のレベルの変化が、該抗癌活性剤での処置の有効性を示すモニター方法(例えば、特許文献7参照)や、被験者から得られた生物試料において、PTK7ポリペプチドを検出する、および/または定量するステップを含む、被験者における癌のスクリーニングおよび/または診断または予後を予測する、および/または癌療法の有効性をモニタリングする方法(例えば、特許文献8参照)が知られている。
さらに、癌であることがわかっているか、またはその疑いのある患者の癌治療の有効性を診断、予測、またはモニターする方法であって、a)抗体-EphA2結合に適する条件下で、前記患者の細胞を、EphA2アゴニスト抗体、EphA2癌細胞表現型阻害抗体、露出EphA2エピトープ抗体、またはEphA2を3×10-3s-1未満のKoffで結合する抗体であるEphA2抗体と接触させること、b)EphA2抗体の前記細胞への結合を測定すること、を含み、EphA2抗体の結合レベルが対照よりも高く検出されることにより患者が癌であることが示される方法(例えば、特許文献9参照)や、該検体をI型インターフェロン投与後の該患者から採取するかまたは該測定前にI型インターフェロンでインビトロ処理し、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4により規定されるアミノ酸配列のコード配列または天然に存在するその変異体または対応するmRNAの該患者の細胞検体中レベルを測定することからなるI型インターフェロンで治療する患者の反応性の予測方法(例えば、特許文献10参照)や、固形癌細胞が抗癌剤タキソール感受性であるか否かを判定する方法であって、固形癌細胞のcyclin B1遺伝子発現を測定し、タキソール非感受性固形癌細胞よりもcyclin B1遺伝子発現の多い細胞をタキソール感受性細胞と判定することを特徴とする方法(例えば、特許文献11参照)が知られている。
特開2007−74975号公報 特開2007−37540号公報 特開2005−341862号公報 特開2004−101356号公報 特開2003−199585号公報 特開平6−62896号公報 特表2007−513635号公報 特表2006−507243号公報 特表2006−507013号公報 特表2004−508820号公報 特開2005−237253号公報
本発明の課題は、癌治療における抗癌剤の有効性を抗癌剤投与前に予測/判定する方法、特に胃癌及び膵臓癌治療における抗癌剤の有効性を抗癌剤投与前に予測/判定する方法を提供することにある。
本発明者らは、抗癌剤投与前の胃癌又は膵臓癌患者から採取された癌細胞について、全遺伝子網羅型マイクロアレイを用いて遺伝子発現の解析を行い、遺伝子発現量と実際に抗癌剤治療を行なったときの効果との関係を鋭意検討した結果、抗癌剤の腫瘍縮小効果が認められた症例群(CR+PR群)と認められなかった症例群(SD+PD群)における遺伝子発現の程度を比較した結果、発現の差が認められる遺伝子が、胃癌においては5番染色体上に、膵臓癌においては1番染色体上に偏って存在すること、さらに、これらの遺伝子のPR群における発現レベルは、いずれもSD+PD群での発現レベルと比較して有意に低いことを確認した。以上の結果から、本発明者らは、胃癌患者では5番染色体上の遺伝子発現レベルを指標として、膵臓癌患者では1番染色体上の遺伝子発現レベルを指標として、抗癌剤の有効性の予測/判定が行えることを見い出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、
(1)胃癌治療における抗癌剤の有効性を抗癌剤投与前に予測する方法であって、癌患者より採取された胃癌細胞の5番染色体長腕領域に含まれる遺伝子の発現レベルを測定し、発現レベルの多寡と抗癌剤の有効性とが逆相関関係にあることを指標として前記癌患者における抗癌剤の有効性を予測することを特徴とする抗癌剤の有効性予測方法や、
(2)5番染色体長腕領域が、ヒト染色体5q11.2、5q12.1、5q12.3、5q13.3、5q14.1、5q14.2、5q14.3、5q15、5q15−q21、5q15−q22、5q22.2、5q22.3、5q23、5q23.1、5q23.3、5q23−q31、5q31、5q31.1、5q31.3、及び5q33.1領域から選択される1又は2以上の領域であることを特徴とする上記(1)記載の抗癌剤の有効性予測方法や、
(3)5番染色体長腕領域に含まれる遺伝子が、GPBP1、SOAT1、FLJ90709、mimitin、YIPF5、ERBB2IP、MAST4、RASA1、COL4A3BP、CCNH、TBCA、MGC23909、ARRDC3、MGC33214、LYSMD3,ELL2、RIOK2、CHD1、APC,SRP19、DCP2、TMED7,CAMLG、GPX3、SNX2、TNFAIP8、KIAA1961、UBE2B、AFF4、C5orf15、ZCCHC10、PPP2CA、SRA1、及びSLC36A1から選択される1又は2以上の遺伝子であることを特徴とする上記(1)記載の抗癌剤の有効性予測方法や、
(4)5番目染色体長腕領域に含まれる遺伝子の発現レベルの測定値を、予め決定した発現レベルの閾値と比較し、前記発現レベルの測定値が前記閾値より低い場合に抗癌剤が有効であると評価することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか記載の抗癌剤の有効性予測方法や、
(5)5番染色体長腕領域に含まれる1又は2以上の遺伝子がコードするmRNA発現量を測定することにより発現レベルを測定することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載の抗癌剤の有効性予測方法や、
(6)ノーザンハイブリダイゼーション法、RT−PCR法、リアルタイムPCR法、又はDNAマイクロアレイ法によりmRNA発現量を測定することを特徴とする上記(5)記載の抗癌剤の有効性予測方法や、
(7)5番染色体長腕領域に含まれる1又は2以上の遺伝子がコードするタンパク質の発現量を測定することにより発現レベルを測定することを特徴とする上記(1)〜(4)いずれか記載の抗癌剤の有効性予測方法や、
(8)ウエスタンブロット法又はELISA法によりタンパク質発現量を測定することを特徴とする上記(7)記載の抗癌剤の有効性予測方法や、
(9)5番目染色体長腕領域ゲノムDNAの少なくとも一部の欠損の有無を検出することにより発現レベルを測定することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載の抗癌剤の有効性予測方法や、
(10)アレイCGH(Comparative genomic hybridization)法、DNA FISH(DNA fluorescence in situ hybridization)法、LOH(loss of heterozygosity)解析法、又はサザンハイブリダイゼーション法により、5番目染色体長腕領域ゲノムDNAの少なくとも一部の欠損の有無を検出することを特徴とする上記(9)記載の抗癌剤の有効性予測方法や、
(11)抗癌剤が、5−FU、シスプラチン、又はイリノテカンであることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれか記載の抗癌剤の有効性予測方法に関する。
また本発明は、
(12)ヒト染色体5q11.2、5q12.1、5q12.3、5q13.3、5q14.1、5q14.2、5q14.3、5q15、5q15−q21、5q15−q22、5q22.2、5q22.3、5q23、5q23.1、5q23.3、5q23−q31、5q31、5q31.1、5q31.3、及び5q33.1領域から選択される1又は2以上の領域の一部の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするプローブを含む、抗癌剤の有効性予測用判定キットや、
(13)GPBP1、SOAT1、FLJ90709、mimitin、YIPF5、ERBB2IP、MAST4、RASA1、COL4A3BP、CCNH、TBCA、MGC23909、ARRDC3、MGC33214、LYSMD3,ELL2、RIOK2、CHD1、APC,SRP19、DCP2、TMED7,CAMLG、GPX3、SNX2、TNFAIP8、KIAA1961、UBE2B、AFF4、C5orf15、ZCCHC10、PPP2CA、SRA1、及びSLC36A1から選択される1又は2以上の遺伝子をコードする塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするプローブを含む、抗癌剤の有効性予測用判定キットに関する。
さらに本発明は、
(14)膵臓癌治療における抗癌剤の有効性を抗癌剤投与前に予測する方法であって、癌患者より採取された膵臓癌細胞の1番染色体長腕領域に含まれる遺伝子の発現レベルを測定し、発現レベルの多寡と抗癌剤の有効性とが逆相関関係にあることを指標として前記癌患者における抗癌剤の有効性を予測することを特徴とする抗癌剤の有効性予測方法や、
(15)1番染色体長腕領域が、ヒト染色体1q12、1q21.2、1q21.3、1q22、1q22−q25、1q23.3、1q24.1、1q24.2、1q25、1q25.1、1q25.2−q25.3、1q25.3、1q32.1、1q32.3、1q41−42.2、1q42.12、1q42.2、及び1q44領域から選択される1又は2以上の領域であることを特徴とする上記(14)記載の抗癌剤の有効性予測方法や、
(16)1番染色体長腕領域に含まれる遺伝子が、RBM8A、PSMD4、TARSL1、SNAPAP、SNX27、RIT1、TMCO1、UHMK1、POGK、SFT2D2、SCYL1BP、C1orf27、PLA2G4A、TPR、XPR1、ACBD6、STX6、CAMSAP1、TIMM17A、C1orf75、NVL、DEGS1、TTC13、及びC1orf21から選択される1又は2以上の遺伝子であることを特徴とする上記(14)記載の抗癌剤の有効性予測方法や、
(17)1番目染色体長腕領域に含まれる遺伝子の発現レベルの測定値を、予め決定した発現レベルの閾値と比較し、前記発現レベルの測定値が前記閾値より低い場合に抗癌剤が有効であると評価することを特徴とする上記(14)〜(16)のいずれか記載の抗癌剤の有効性予測方法や、
(18)1番染色体長腕領域に含まれる1又は2以上の遺伝子がコードするmRNA発現量を測定することにより発現レベルを測定することを特徴とする上記(14)〜(17)のいずれか記載の抗癌剤の有効性予測方法や、
(19)ノーザンハイブリダイゼーション法、RT−PCR法、リアルタイムPCR法、又はDNAマイクロアレイ法によりmRNA発現量を測定することを特徴とする上記(18)記載の抗癌剤の有効性予測方法や、
(20)1番染色体長腕領域に含まれる1又は2以上の遺伝子がコードするタンパク質の発現量を測定することにより発現レベルを測定することを特徴とする上記(14)〜(17)いずれか記載の抗癌剤の有効性予測方法や、
(21)ウエスタンブロット法又はELISA法によりタンパク質発現量を測定することを特徴とする上記(20)記載の抗癌剤の有効性予測方法や、
(22)1番目染色体長腕領域ゲノムDNAの少なくとも一部の欠損の有無を検出することにより発現レベルを測定することを特徴とする上記(14)〜(17)のいずれか記載の抗癌剤の有効性予測方法や、
(23)アレイCGH(Comparative genomic hybridization)法、DNA FISH(DNA fluorescence in situ hybridization)法、LOH(loss of heterozygosity)解析法、又はサザンハイブリダイゼーション法により、1番目染色体長腕領域ゲノムDNAの少なくとも一部の欠損の有無を検出することを特徴とする上記(22)記載の抗癌剤の有効性予測方法や、
(24)抗癌剤が、Gemcitanineであることを特徴とする上記(14)〜(23)のいずれか記載の抗癌剤の有効性予測方法に関する。
また本発明は、
(25)ヒト染色体1q12、1q21.2、1q21.3、1q22、1q22−q25、1q23.3、1q24.1、1q24.2、1q25、1q25.1、1q25.2−q25.3、1q25.3、1q32.1、1q32.3、1q41−42.2、1q42.12、1q42.2、及び1q44領域から選択される1又は2以上の領域の一部の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするプローブを含む、抗癌剤の有効性予測用判定キットや、
(26)RBM8A、PSMD4、TARSL1、SNAPAP、SNX27、RIT1、TMCO1、UHMK1、POGK、SFT2D2、SCYL1BP、C1orf27、PLA2G4A、TPR、XPR1、ACBD6、STX6、CAMSAP1、TIMM17A、C1orf75、NVL、DEGS1、TTC13、及びC1orf21から選択される1又は2以上の遺伝子をコードする塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするプローブを含む、抗癌剤の有効性予測用判定キットに関する。
胃癌患者や膵臓癌患者由来の癌細胞の特定領域に存在する遺伝子の発現量を調べることにより、化学治療開始前に前記患者における抗癌剤の有効性を予測/判定することが可能になる。
本発明の胃癌治療における抗癌剤の有効性を抗癌剤投与前に予測(判定)する方法としては、胃癌患者より採取された胃癌細胞の5番染色体長腕領域に含まれる遺伝子の発現レベルを測定し、発現レベルの多寡と抗癌剤の有効性とが逆相関関係にあることを指標として前記癌患者における抗癌剤の有効性を予測する抗癌剤の有効性予測方法であれば特に制限されず、より具体的には、胃癌細胞の5番染色体長腕領域に含まれる遺伝子の発現レベルの測定値を、予め決定した発現レベルの閾値と比較し、前記発現レベルの測定値が前記閾値より低い場合に抗癌剤が有効であると評価する抗癌剤の有効性予測方法を好適に例示することができる。また、上記抗癌剤としては、5−FU、TS−1、シスプラチン、イリノテカン等を挙げることができる。
上記5番染色体長腕領域としては、ヒト染色体5q11.2、5q12.1、5q12.3、5q13.3、5q14.1、5q14.2、5q14.3、5q15、5q15−q21、5q15−q22、5q22.2、5q22.3、5q23、5q23.1、5q23.3、5q23−q31、5q31、5q31.1、5q31.3、及び5q33.1領域から選択される1又は2以上の領域を挙げることができるが、中でも、5q15、5q23−q31の領域を好適に挙げることができる。
また、上記5番染色体長腕領域に含まれる遺伝子としてより具体的には、GPBP1、SOAT1、FLJ90709、mimitin、YIPF5、ERBB2IP、MAST4、RASA1、COL4A3BP、CCNH、TBCA、MGC23909、ARRDC3、MGC33214、LYSMD3,ELL2、RIOK2、CHD1、APC,SRP19、DCP2、TMED7,CAMLG、GPX3、SNX2、TNFAIP8、KIAA1961、UBE2B、AFF4、C5orf15、ZCCHC10、PPP2CA、SRA1、及びSLC36A1から選択される1又は2以上の遺伝子を挙げることができるが、中でも、ELL2、UBE2Bを好適に挙げることができる。
本発明の膵臓癌治療における抗癌剤の有効性を抗癌剤投与前に予測(判定)する方法としては、膵臓癌患者より採取された膵臓癌細胞の1番染色体長腕領域に含まれる遺伝子の発現レベルを測定し、発現レベルの多寡と抗癌剤の有効性とが逆相関関係にあることを指標として前記癌患者における抗癌剤の有効性を予測する抗癌剤の有効性予測方法であれば特に制限されず、より具体的には、膵臓癌細胞の1番染色体長腕領域に含まれる遺伝子の発現レベルの測定値を、予め決定した発現レベルの閾値と比較し、前記発現レベルの測定値が前記閾値より低い場合に抗癌剤が有効であると評価する抗癌剤の有効性予測方法を好適に例示することができる。また、上記抗癌剤としては、Gemcitanine(ゲムシタビン、商品名 ジェムザール)を挙げることができる。
上記1番染色体長腕領域としては、ヒト染色体1q12、1q21.2、1q21.3、1q22、1q22−q25、1q23.3、1q24.1、1q24.2、1q25、1q25.1、1q25.2−q25.3、1q25.3、1q32.1、1q32.3、1q41−42.2、1q42.12、1q42.2、及び1q44領域から選択される1又は2以上の領域を挙げることができるが、中でも、1q22、1q25.2−q25.3の領域を好適に挙げることができる。
また、上記1番染色体長腕領域に含まれる遺伝子としてより具体的には、RBM8A、PSMD4、TARSL1、SNAPAP、SNX27、RIT1、TMCO1、UHMK1、POGK、SFT2D2、SCYL1BP、C1orf27、PLA2G4A、TPR、XPR1、ACBD6、STX6、CAMSAP1、TIMM17A、C1orf75、NVL、DEGS1、TTC13、及びC1orf21から選択される1又は2以上の遺伝子を挙げることができるが、中でも、ACBD6、RIT1を好適に挙げることができる。
上記発現レベルの測定方法としては、ヒト5番染色体長腕領域やヒト1番染色体長腕領域に含まれる1又は2以上の遺伝子がコードするmRNA発現量を測定する方法や、ヒト5番染色体長腕領域やヒト1番染色体長腕領域に含まれる1又は2以上の遺伝子がコードするタンパク質の発現量を測定する方法の他、便宜上ヒト5番目染色体長腕領域やヒト1番染色体長腕領域のゲノムDNAの少なくとも一部の欠損の有無を検出することにより発現レベルを測定(調査)する方法を挙げることができる。
上記mRNAの発現量の測定方法としては、ノーザンハイブリダイゼーション法、RT−PCR法、FISH法、リアルタイムPCR法、コンペティティブPCR法又はDNAマイクロアレイ法を挙げることができる。これらの方法に用いられるプローブやプライマーは、ヒト5番染色体長腕領域に含まれる遺伝子の配列情報に基づいて適宜設計し、適当なオリゴヌクレオチド合成装置を用いて適宜作製することができる。
上記ノーザンハイブリダイゼーション法におけるハイブリダイゼーションは、例えばモレキュラー・クローニング、ア・ラボラトリーマニュアル(Molecular cloning,A laboratorymanual)、第2版、第9.52−9.55頁(1989)に記載の方法で行うことができる。また、使用されるプローブの標識化に用いられる標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質、ランタニド元素、スピン試薬などを挙げることができる。放射性同位元素としては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔H〕、〔14C〕、〔32P〕、〔33P〕、〔35S〕、〔59Fe〕などが用いられる。上記酵素としては、安定で比活性の大きなものが好ましく、例えば、β−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などを用いることができ、蛍光物質としては、例えば、シアニン蛍光色素(例、Cy2、Cy3、Cy5、Cy5.5、Cy7(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)など)、フルオレスカミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどを用いることができ、発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどを用いることができる。
上記RT−PCR法は、当業者において周知の技術を用いて容易に行なうことができる。具体的には、検査対象胃癌細胞中のヒト5番染色体長腕領域に含まれる遺伝子の転写産物であるmRNA又はその断片に対して相補的な一本鎖DNAを合成し、該DNA又はその断片を特異的に増幅することができるプライマーにより該DNA又はその断片をPCR増幅した後、増幅産物を電気泳動などで検出することができる。RT−PCR法については、例えば、Ishikawaら, J.Clin. Oncol., 28:723-728, 1998などを参照して行なうこともできる。また、FISH(Fluorescent in situ hybridization)法により、検査対象胃癌細胞中のヒト5番染色体長腕領域に含まれる遺伝子の転写状態を検出することができる。
上記リアルタイムPCR法としては、例えば、細胞内のトータルRNAやmRNAから逆転写酵素を用いてcDNAを合成し、このcDNAを鋳型に目的領域をPCRで増幅し、リアルタイムモニタリング用試薬を用いて増幅産物の生成過程をリアルタイムでモニタリングし、解析する方法があげられる。前記リアルタイムモニタリング試薬としては、例えば、SYBRGreenI(登録商標:MolecularProbes社製)や、TaqMan(登録商標:Applied Biosystems社製)プローブ等があげられる。リアルタイムPCR法は、微量のRNAであっても簡便にmRNAを検出又は定量することができるので特に好ましく挙げられる。
また、定量的PCRとして知られている上記コンペティティブPCR法としては、例えば、細胞内のトータルRNAやmRNAから逆転写酵素を用いてcDNAを合成し、このcDNAとDNAコンペティターとを同一チューブ内で反応させる方法や、さらに前記逆転写反応時にmRNAとともにRNAコンペティターを加えて反応させる方法等があげられる。またコンペティターのプライマー配列以外の内部配列としては、例えば、増幅目的mRNAの配列と相同配列でもよく、非相同な配列でもよい。
上記マイクロアレイ(マイクロチップ)法に用いられる、マイクロアレイやマイクロチップは、プローブが支持体上の定められた領域に固定されているアレイ又はチップであり、アレイ又はチップの支持体としては、ハイブリダイゼーションに使用可能なものであればよく、例えばガラス、シリコン、プラスチックなどの基板や、ニトロセルロース膜、ナイロン膜等を好適に用いることができる。マイクロアレイやマイクロチップの製造方法は特に制限されず、例えば、以下に示す文献に記載されたような当業者に公知の任意の方法で製造することが出来る(DNAマイクロアレイ実戦マニュアル、林崎良英 監修(羊土社);DNA Microarrays -A Practical Approach-, Edited by Mark Schene, Oxford University Press 1999;Lockhart DJ, Dong H, Byrne MC, Follettie MT, Gallo MV, Chee MS, Mittmann M, Wang C, Kobayashi M, Horton H, Brown EL. Expression monitoring by hybridization to high-density oligonucleotide arrays;Nat Biotechnol. 1996 Dec;14(13):1675-80;Wodicka L, Dong H, Mittmann M, Ho MH, Lockhart DJ. Genome-wide expression monitoring in Saccharomyces cerevisiae;Nat Biotechnol. 1997 Dec;15(13):1359-67)。
マイクロアレイやマイクロチップに用いるプローブは、DNAであってもよいし、RNAであってもよいが、プローブの安定性に優れていることからDNAプローブであることが好ましい。マイクロアレイやマイクロチップを用いることにより、ヒト5番染色体長腕領域に含まれる遺伝子を非常に簡便に検出又は定量することができる。胃癌細胞からmRNAを調製し、該mRNAを鋳型とした逆転写反応を行う際に、適切な標識を付したプライマーや標識ヌクレオチドを使用することにより、標識されたcRNAを得ることができる。この標識化cRNAとマイクロアレイやマイクロチップ表面上に固定されたプローブとの間でハイブリダイゼーションを行わせ、ヒト5番染色体長腕領域に含まれる1又は2以上の遺伝子がコードするmRNA発現量を測定することができる。ハイブリダイゼーションは公知の方法で実施すればよく、その条件は使用するマイクロアレイ(マイクロチップ)や標識cDNAに適したものを適宜選択すればよい。例えば、モレキュラー・クローニング、ア・ラボラトリーマニュアル(Molecular cloning,A laboratorymanual)、第2版、第9.52−9.55頁(1989)に記載を参考にしてハイブリダイゼーション条件を選択することができる。上記標識化cDNAの作製に用いられる標識物質としては、前述した放射性同位元素、蛍光物質、化学発光物質、発光団を有する物質等の物質を用いることができる。
上記タンパク質の発現量の測定方法としては、ウエスタンブロット法又はELISA法を好適に例示することができる。
上記ウエスタンブロット法は、タンパク質をSDSを含むポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)で分画し、ニトロセルロースフィルターに移し、これを抗体により検出する方法である。フィルターへ付着したタンパク質はこれらタンパク質に対する抗体をプローブとすることによって同定できる。抗体検出には標識化二次抗体法を用いる。ゲルからフィルターへのトランスファーは多くの場合エレクトロブロッティングによって行うことができる。5番染色体長腕領域に含まれる1又は2以上の遺伝子がコードするタンパク質に対する抗体はモノクローナル抗体のほかポリクローナル抗体でもよく、これら抗体は常法により作製することができる。
上記ELISA法は、サンドイッチ法(非競合法)と競合法の二つに大別される。サンドイッチ法は、マイクロプレートのウェルやプラスチックチューブなどの固相に、あらかじめ目的物質(5番染色体長腕領域や1番染色体長腕領域に含まれる遺伝子がコードするタンパク質)に対する抗体を結合させておき、これにサンプルを添加してサンプル中の目的物質を抗原抗体反応により固相に結合させ、夾雑物を洗い流した後、酵素標識した第二の抗体を添加すると再度抗原抗体反応が起こり、固相化抗体−目的物質−酵素標識抗体のサンドイッチ構造が構築される。ここで遊離の酵素標識抗体を洗い流し、発色基質を添加すると、サンドイッチ構造の量(すなわちサンプル中の目的物質量)に比例して生起する発色反応により目的物質量を定量することができる。また競合法は、あらかじめ目的物質に対する抗体を結合させた固相に、サンプルと酵素標識抗原を添加して抗原抗体複合体を形成させ、固相に結合しなかった酵素標識抗原を洗い流した後に発色基質を添加し、生成した発色物質の吸光度を吸光度計で測定することによりサンプル中の目的物質量を定量することができる。
上記ヒト5番目染色体長腕領域やヒト1番染色体長腕領域のゲノムDNAの少なくとも一部の欠損の有無を検出する方法としては、アレイCGH(Comparative genomic hybridization)法、DNA FISH(DNA fluorescence in situ hybridization)法、LOH(loss of heterozygosity)解析法、又はサザンハイブリダイゼーション法等を挙げることができる。
上記アレイCGH法は、スライドガラス上にヒトゲノムDNA断片(BACクローン)を高密度にスポットしたゲノムDNAアレイ(BACアレイ)を作製し、このアレイに対して蛍光標識した癌細胞DNAと正常DNAを競合ハイブリダイズさせ、スポット毎の蛍光シグナルを解析することで、癌細胞で生じている染色体コピー数の増加・欠失領域を同定するものである。
アレイCGH法は異常の有無を調べたいゲノム領域に相当するDNA配列(BACクローン、PCR産物、合成オリゴDNAなど;以後プローブDNAと呼ぶ)を固相(スライドグラス、ガラスや金属、樹脂性の板状チップ、マイクロビーズ、繊維状担体など)に共有結合や非共有結合等により固定化したもの(以後プローブアレイと呼ぶ)を用いる。例えばアミノシランで表面をコーティングしたスライドガラス上に、精製したBACクローンDNAをクローンごとにスポットして固定化したものを用いることができる。DNAはBACベクターにゲノムDNAが挿入されたもの、それを超音波等でさらに短いDNAに断片化したもの、PCR等によりBACクローンDNAの一部あるいは全体を増幅させたものなどが考えられる。BACマイクロアレイは市販のものを入手することも可能である(例えば、Macrogen社のGenomArray(商標)、米国Spectral Genomics社のSpectralChip(商標)等)。
アレイCGH法を用いる場合、調べたい対象の癌細胞由来DNA(被検DNA)および対照として正常細胞由来DNA(対照DNA)を用いる。癌細胞DNAは手術摘出腫瘍組織、病理組織切片、生検(バイオプシー)により得た組織などから一般的な手法により抽出精製する。例えば市販のDNA精製キットなどが簡便である。RNAやたんぱく質などの夾雑物はできるだけ除去することが望ましい。また、癌組織内に混在する正常間質細胞等をマイクロダイセクション法などで除いたほうが異常領域の検出感度が高くなる。得られるDNAが微量の場合には、PCR法などで増幅してから用いることも可能である。使用するDNA量としては、アレイの大きさや実験形態にもよるが、スライドグラス上の22mmx40mmのエリアにアレイ化されていて、蛍光標識法を適用する場合、0.1〜1.0μgのDNAを用いるのが適当である。
検出のために、被検DNAおよび対照DNAに対して、それぞれ異なる標識物質により標識を行う。蛍光色素による直接標識、放射性同位元素、間接標識のための試薬、異なる物理的・光学的特性を有する粒子などを用いることができる。蛍光による直接標識法では、サンプルDNAをテンプレートとしてrandom primer法やnick translation法を用いれば、蛍光標識テストDNAおよび蛍光標識対照DNAを合成できる。Cy3−dCTPあるいはCy5−dCTPなどの蛍光標識核酸を用いてrandom primer法をを適用した場合、鎖長100〜500bpのCy5標識被検DNAおよびCy3標識対照DNAを得ることができる。
上記DNA FISH法とは、クローン化された遺伝子やDNA断片を非アイソトープ化合物で標識後、スライドグラス上の染色体DNAとハイブリダイゼーションし、その分子雑種形成部位を蛍光シグナルとして直接染色体上に検出する方法である。具体的には、間期細胞核あるいは分裂期染色体展開標本に対し、蛍光標識したプローブDNA(調べたいゲノム領域に相当するDNA配列を有するBACクローン、PCR産物など)をハイブリダイズさせ、それにより得られる蛍光シグナルの数量を蛍光顕微鏡下で計数する手法である。サンプルとしては癌組織病理切片、組織塊を分散処理して調製した細胞などを用い、一般的なFISH法に準じてハイブリダイゼーションを行えばよい。請求項に記しているゲノム領域に相当するDNA配列を蛍光標識したDNAプローブを調製し、サンプル標本に対してハイブリダイゼーションを行い、その後蛍光顕微鏡により蛍光色素のシグナルスポットを計数する。調べたい対象領域と同一染色体上のセントロメア近傍領域(αサテライト配列)に対するプローブを異なる蛍光で標識し、同時にハイブリダイゼーションを行うと、コピー数異常をより正確に評価することが可能となる。
上記LOH解析法は、例えばジーンスキャン解析、サザンブロット法を用いたRFLP法や,PCR−RFLP法、PCR法を用いた一本鎖DNA高次構造多型解析法〔PCR−SSCP(single-stranded conformation polymorphism)〕 法等により行うことができる(バイオマニュアルシリーズ1,遺伝子工学の基礎技術,山本 雅編,羊土社(1993)等)。
例えば、SSCP法によりLOHの解析を行う場合、解析する遺伝子多型部位を含む近傍の遺伝子を、PCR法を用いて増幅し、得られたPCR産物を、1本鎖に変性後、非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行う。その結果、配列の違いを1本鎖DNAにおける高次構造の差異による移動度の変化として解析することができる。このような解析の結果、遺伝子検体由来細胞及び/又は正常細胞に由来するDNAのピークやバンドが、両方のアレル由来の数を示す場合には、その個体は、その遺伝子多型において「ヘテロ接合性」であるが、遺伝子検体のDNA由来のピークやバンドが、2つのアレル由来のシグナル強度のバランスが崩れた場合、ヘテロ接合性の消失とみなし、LOHと判定する。
上記サザンハイブリダイゼーション法は、DNAを制限酵素で切断し、熱変性させたDNAを電気泳動で分画し、ニトロセルロースやナイロンなどの膜へ拡散もしくは吸引によってブロット(転写)し、これをプローブにより検出する方法である。転写した核酸はUVもしくは煮沸によりメンブレン上に固定する。その後ラベルしたプローブとハイブリダイズさせ目的のDNAの存在を検出する。プローブのラベルにはリンの放射性同位体の他、ディゴキシジェニン(DIG)アルカリフォスタファーゼ付加などが用いられる。これらプローブは常法により作製することができる。
本発明の胃癌用の抗癌剤の有効性予測用判定キットとしては、ヒト染色体5q11.2、5q12.1、5q12.3、5q13.3、5q14.1、5q14.2、5q14.3、5q15、5q15−q21、5q15−q22、5q22.2、5q22.3、5q23、5q23.1、5q23.3、5q23−q31、5q31、5q31.1、5q31.3、及び5q33.1領域から選択される1又は2以上の領域の一部の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするプローブを含むキットや、GPBP1、SOAT1、FLJ90709、mimitin、YIPF5、ERBB2IP、MAST4、RASA1、COL4A3BP、CCNH、TBCA、MGC23909、ARRDC3、MGC33214、LYSMD3,ELL2、RIOK2、CHD1、APC,SRP19、DCP2、TMED7,CAMLG、GPX3、SNX2、TNFAIP8、KIAA1961、UBE2B、AFF4、C5orf15、ZCCHC10、PPP2CA、SRA1、及びSLC36A1から選択される1又は2以上の遺伝子をコードする塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするプローブを含むキットであれば特に制限されず、かかるプローブとしては、上記の遺伝子のセンス鎖又はアンチセンス鎖と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする10〜100-mer、好ましくは10〜50-mer、より好ましくは15〜30-merの塩基長を有するプローブ用のヌクレオチドを好ましく例示することができる。また、抗癌剤の有効性予測用判定キットとして、ヒト5番染色体長腕領域に含まれる1又は2以上の遺伝子がコードするタンパク質に特異的に結合する分子を備えたキットを例示することができる。ヒト5番染色体長腕領域に含まれる1又は2以上の遺伝子がコードするタンパク質に特異的に結合する分子としては、かかるタンパク質に特異的に結合する抗体やアプタマー等を好ましく例示することができる。また、これらのキットには、ハイブリダイズ試薬、洗浄剤等他の試薬を含んでいてもよい。これらのキットを用いることにより、胃癌治療における抗癌剤の有効性を抗癌剤投与前に予測することができる。
本発明の膵臓癌用の抗癌剤の有効性予測用判定キットとしては、ヒト染色体1q12、1q21.2、1q21.3、1q22、1q22−q25、1q23.3、1q24.1、1q24.2、1q25、1q25.1、1q25.2−q25.3、1q25.3、1q32.1、1q32.3、1q41−42.2、1q42.12、1q42.2、及び1q44領域から選択される1又は2以上の領域の一部の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするプローブを含むキットや、RBM8A、PSMD4、TARSL1、SNAPAP、SNX27、RIT1、TMCO1、UHMK1、POGK、SFT2D2、SCYL1BP、C1orf27、PLA2G4A、TPR、XPR1、ACBD6、STX6、CAMSAP1、TIMM17A、C1orf75、NVL、DEGS1、TTC13、及びC1orf21から選択される1又は2以上の遺伝子をコードする塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするプローブを含むキットであれば特に制限されず、かかるプローブとしては、上記の遺伝子のセンス鎖又はアンチセンス鎖と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする10〜100-mer、好ましくは10〜50-mer、より好ましくは15〜30-merの塩基長を有するプローブ用のヌクレオチドを好ましく例示することができる。また、抗癌剤の有効性予測用判定キットとして、ヒト1番染色体長腕領域に含まれる1又は2以上の遺伝子がコードするタンパク質に特異的に結合する分子を備えたキットを例示することができる。ヒト1番染色体長腕領域に含まれる1又は2以上の遺伝子がコードするタンパク質に特異的に結合する分子としては、かかるタンパク質に特異的に結合する抗体やアプタマー等を好ましく例示することができる。また、これらのキットには、ハイブリダイズ試薬、洗浄剤等他の試薬を含んでいてもよい。これらのキットを用いることにより、脾臓癌治療における抗癌剤の有効性を抗癌剤投与前に予測することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[胃癌患者からの検体の採取]
5−FU(TS−1,メソトレキセート/5−FUを含む)またはシスプラチン・イリノテカン併用療法による抗癌剤治療前の、原発巣又は転移巣を有する切除不能胃癌患者で、かつ、文書でインフォームド・コンセントの得られた胃癌患者41例より検体を採取した。内視鏡生検を用いた検体の採取は抗癌剤投与前に行われ、癌患者41例の胃癌部からそれぞれ一ヶ所採取した。検体は連結可能匿名化を行った後、−80℃で凍結保存した。その後、41患者のうち、30例は5−FUによる、11例はシスプラチン・イリノテカン併用による抗癌剤治療が行われた。その結果、9例において抗癌剤の効果が認められ(抗癌剤効果あり群:CR例+PR例)、32例においては抗癌剤の効果が認められなかった(抗癌剤効果なし群:SD例+PD例)。抗癌剤治療効果の判定法は、RECIST 判定規準に従って行った。(固形がんの治療効果判定のための新ガイドライン RECISTガイドライン−日本語訳JCOG版−)(CR:Complete Response、PR:Partial Response、SD:Stable Disease、PD:Progressive disease)。
[マイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析]
実施例1の41検体の各々からトータルRNAを抽出し、各トータルRNA試料中の全遺伝子のmRNA量を測定した。各検体につき2μgのトータルRNAを、Affymetrix社製の全遺伝子型マイクロアレイ(GeneChip Human Genome U133 Plus 2.0 Array)による遺伝子発現解析に用いた。マイクロアレイによる解析には、Affymetrix社製のプローブを用い、同社のプロトコール(Expression Analysis Technical Manual)に準じて行った。
マイクロアレイデータの解析はBRB ArrayTools(developed by Dr. Richard Simon and Amy Peng Lam)を用い、CR+PR群とSD+PD群間での各遺伝子発現レベルの差について検討した。マイクロアレイのデータから得られた全遺伝子の発現値を中央値により正規化した後、2群間の差をT検定により検定した。その結果、194プローブで2群間の有意な差(p<0.005)が認められた。194プローブに対応する163遺伝子の染色体上の位置を調べた結果、163遺伝子のうち34遺伝子(45プローブ)が5番染色体上の遺伝子であった。結果を図1に示す。この結果は、期待値5%に対して4倍の21%の遺伝子が5番染色体上の遺伝子に偏っていることを示している。また、表1に示すように、この5番染色体上の34遺伝子の各発現値の平均を比較した結果、34の全遺伝子においてCR+PR群(抗癌剤の効果が認められた群)の値が、SD+PD群(抗癌剤の効果が認められなかった群)よりも低いことが明らかとなった。さらに、46遺伝子の全発現値の平均を出し、Mann−WhitneyのU検定により解析した結果においても、CR+PR群(抗癌剤の効果が認められた群)の値は、SD+PD群(抗癌剤の効果が認められなかった群)よりも有意に(p<0.001)低いことが明らかとなった。
[胃癌被検サンプルの値の判定方法]
マイクロアレイのシグナル値をlog2変換し、各症例における5番染色体の45遺伝子の発現平均値を求めた。その値に対し、6プローブ(212581_x_at,213453_x_at,217398_x_at,AFFX−HUMGAPDH/M33197_3_at,AFFX−HUMGAPDH/M33197_5_at,AFFX−HUMGAPDH/M33197_M_at)のグリセルアルデヒド三リン酸脱水素酵素(GAPD)の平均値で割り、正規化(Normalization)を行った。CR+PR群(抗癌剤の効果が認められた群)の値が、SD+PD群(抗癌剤の効果が認められなかった群)における正規化後の45遺伝子発現平均値の2群間比較をT−TESTにより検定した結果、CR+PR群の値は、SD+PD群よりも有意に(p=0.004)低いことが明らかとなった。さらに、SD+PD群の正規化後の45遺伝子発現平均値における、25%四分位点は0.64615であった。この値を閾値とし、これより低い場合は化学療法効果あり、高いと効果なしとすると、41例中31例(76%)の正答率であった。
Figure 2009050189
[膵臓癌患者からの検体の採取]
Gemcitabineによる抗癌剤治療前の、原発巣又は転移巣を有する膵臓癌患者で、かつ、文書でインフォームド・コンセントの得られた癌患者34例より検体を採取した。超音波下経皮的針生検による検体の採取は抗癌剤投与前に行われ、癌患者34例の膵臓癌部からそれぞれ一ヶ所採取した。検体は連結可能匿名化を行った後、−80度で凍結保存した。その後、34患者はGemcitabineによる抗癌剤治療が行われ、その結果、13例において抗癌剤の効果が認められ(抗癌剤効果あり群:CR例+PR例)、21例においては抗癌剤の効果が認められなかった(抗癌剤効果なし群:SD例+PD例)。抗癌剤治療効果の判定法は、RECIST 判定規準に従って行った。(固形がんの治療効果判定のための新ガイドライン RECISTガイドライン−日本語訳JCOG版−)(CR:Complete Response、PR:Partial Response、SD:Stable Disease、PD:Progressive disease)。
[マイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析]
実施例3の34検体からトータルRNAを抽出し、各トータルRNA試料中の全遺伝子のmRNA量を測定した。各検体につき2μgのトータルRNAを、Affymetrix社製の全遺伝子型マイクロアレイ(GeneChip Human Genome U133 Plus 2.0 Array)による遺伝子発現解析に用いた。マイクロアレイによる解析には、Affymetrix社製のプローブを用い、同社のプロトコール(Expression Analysis Technical Manual)に準じて行った。
マイクロアレイデータの解析はBRB ArrayTools(developed by Dr. Richard Simon and Amy Peng Lam)を用い、CR+PR群とSD+PD群間での各遺伝子発現レベルの差について検討した。マイクロアレイのデータから得られた全遺伝子の発現値を中央値により正規化した後、2群間の差をT検定により検定した。その結果、88プローブで2群間の有意な差(p<0.005)が認められた。88プローブに対応する84遺伝子の染色体上の位置を調べた結果、84遺伝子のうち24遺伝子(25プローブ)が1番染色体上の遺伝子であった。結果を図2に示す。この結果は、期待値11%に対して3倍の33%の遺伝子が1番染色体上の遺伝子に偏っていることを示している。
Figure 2009050189
[膵癌被検サンプルの値の判定方法]
マイクロアレイのシグナル値をlog2変換し、各症例における1番染色体長腕の25遺伝子の発現平均値を求めた。その値に対し、6プローブ(212581_x_at,213453_x_at,217398_x_at,AFFX−HUMGAPDH/M33197_3_at,AFFX−HUMGAPDH/M33197_5_at,AFFX−HUMGAPDH/M33197_M_at)のグリセルアルデヒド三リン酸脱水素酵素(GAPD)の平均値で割り、正規化(Normalization)を行った。CR+PR群(抗癌剤の効果が認められた群)の値が、SD+PD群(抗癌剤の効果が認められなかった群)における正規化後の28遺伝子発現平均値の2群間比較をT−TESTにより検定した結果、CR+PR群の値は、SD+PD群よりも有意に(p=0.00006)低いことが明らかとなった。さらに、SD+PD群の正規化後の25遺伝子発現平均値における、25%四分位点は0.6836であった。この値を閾値とし、これより低い場合は化学療法効果あり、高いと効果なしとすると、27例中34例 (87%)の正答率であった。
胃癌化学療法感受性解析で特定された遺伝子の染色体上の位置を示す図である。 膵臓癌化学療法感受性解析で特定された遺伝子の染色体上の位置を示す図である。

Claims (26)

  1. 胃癌治療における抗癌剤の有効性を抗癌剤投与前に予測する方法であって、癌患者より採取された胃癌細胞の5番染色体長腕領域に含まれる遺伝子の発現レベルを測定し、発現レベルの多寡と抗癌剤の有効性とが逆相関関係にあることを指標として前記癌患者における抗癌剤の有効性を予測することを特徴とする抗癌剤の有効性予測方法。
  2. 5番染色体長腕領域が、ヒト染色体5q11.2、5q12.1、5q12.3、5q13.3、5q14.1、5q14.2、5q14.3、5q15、5q15−q21、5q15−q22、5q22.2、5q22.3、5q23、5q23.1、5q23.3、5q23−q31、5q31、5q31.1、5q31.3、及び5q33.1領域から選択される1又は2以上の領域であることを特徴とする請求項1記載の抗癌剤の有効性予測方法。
  3. 5番染色体長腕領域に含まれる遺伝子が、GPBP1、SOAT1、FLJ90709、mimitin、YIPF5、ERBB2IP、MAST4、RASA1、COL4A3BP、CCNH、TBCA、MGC23909、ARRDC3、MGC33214、LYSMD3,ELL2、RIOK2、CHD1、APC,SRP19、DCP2、TMED7,CAMLG、GPX3、SNX2、TNFAIP8、KIAA1961、UBE2B、AFF4、C5orf15、ZCCHC10、PPP2CA、SRA1、及びSLC36A1から選択される1又は2以上の遺伝子であることを特徴とする請求項1記載の抗癌剤の有効性予測方法。
  4. 5番目染色体長腕領域に含まれる遺伝子の発現レベルの測定値を、予め決定した発現レベルの閾値と比較し、前記発現レベルの測定値が前記閾値より低い場合に抗癌剤が有効であると評価することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の抗癌剤の有効性予測方法。
  5. 5番染色体長腕領域に含まれる1又は2以上の遺伝子がコードするmRNA発現量を測定することにより発現レベルを測定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の抗癌剤の有効性予測方法。
  6. ノーザンハイブリダイゼーション法、RT−PCR法、リアルタイムPCR法、又はDNAマイクロアレイ法によりmRNA発現量を測定することを特徴とする請求項5記載の抗癌剤の有効性予測方法。
  7. 5番染色体長腕領域に含まれる1又は2以上の遺伝子がコードするタンパク質の発現量を測定することにより発現レベルを測定することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の抗癌剤の有効性予測方法。
  8. ウエスタンブロット法又はELISA法によりタンパク質発現量を測定することを特徴とする請求項7記載の抗癌剤の有効性予測方法。
  9. 5番目染色体長腕領域ゲノムDNAの少なくとも一部の欠損の有無を検出することにより発現レベルを測定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の抗癌剤の有効性予測方法。
  10. アレイCGH(Comparative genomic hybridization)法、DNA FISH(DNA fluorescence in situ hybridization)法、LOH(loss of heterozygosity)解析法、又はサザンハイブリダイゼーション法により、5番目染色体長腕領域ゲノムDNAの少なくとも一部の欠損の有無を検出することを特徴とする請求項9記載の抗癌剤の有効性予測方法。
  11. 抗癌剤が、5−FU、シスプラチン、又はイリノテカンであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか記載の抗癌剤の有効性予測方法。
  12. ヒト染色体5q11.2、5q12.1、5q12.3、5q13.3、5q14.1、5q14.2、5q14.3、5q15、5q15−q21、5q15−q22、5q22.2、5q22.3、5q23、5q23.1、5q23.3、5q23−q31、5q31、5q31.1、5q31.3、及び5q33.1領域から選択される1又は2以上の領域の一部の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするプローブを含む、抗癌剤の有効性予測用判定キット。
  13. GPBP1、SOAT1、FLJ90709、mimitin、YIPF5、ERBB2IP、MAST4、RASA1、COL4A3BP、CCNH、TBCA、MGC23909、ARRDC3、MGC33214、LYSMD3,ELL2、RIOK2、CHD1、APC,SRP19、DCP2、TMED7,CAMLG、GPX3、SNX2、TNFAIP8、KIAA1961、UBE2B、AFF4、C5orf15、ZCCHC10、PPP2CA、SRA1、及びSLC36A1から選択される1又は2以上の遺伝子をコードする塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするプローブを含む、抗癌剤の有効性予測用判定キット。
  14. 膵臓癌治療における抗癌剤の有効性を抗癌剤投与前に予測する方法であって、癌患者より採取された膵臓癌細胞の1番染色体長腕領域に含まれる遺伝子の発現レベルを測定し、発現レベルの多寡と抗癌剤の有効性とが逆相関関係にあることを指標として前記癌患者における抗癌剤の有効性を予測することを特徴とする抗癌剤の有効性予測方法。
  15. 1番染色体長腕領域が、ヒト染色体1q12、1q21.2、1q21.3、1q22、1q22−q25、1q23.3、1q24.1、1q24.2、1q25、1q25.1、1q25.2−q25.3、1q25.3、1q32.1、1q32.3、1q41−42.2、1q42.12、1q42.2、及び1q44領域から選択される1又は2以上の領域であることを特徴とする請求項14記載の抗癌剤の有効性予測方法。
  16. 1番染色体長腕領域に含まれる遺伝子が、RBM8A、PSMD4、TARSL1、SNAPAP、SNX27、RIT1、TMCO1、UHMK1、POGK、SFT2D2、SCYL1BP、C1orf27、PLA2G4A、TPR、XPR1、ACBD6、STX6、CAMSAP1、TIMM17A、C1orf75、NVL、DEGS1、TTC13、及びC1orf21から選択される1又は2以上の遺伝子であることを特徴とする請求項14記載の抗癌剤の有効性予測方法。
  17. 1番目染色体長腕領域に含まれる遺伝子の発現レベルの測定値を、予め決定した発現レベルの閾値と比較し、前記発現レベルの測定値が前記閾値より低い場合に抗癌剤が有効であると評価することを特徴とする請求項14〜16のいずれか記載の抗癌剤の有効性予測方法。
  18. 1番染色体長腕領域に含まれる1又は2以上の遺伝子がコードするmRNA発現量を測定することにより発現レベルを測定することを特徴とする請求項14〜17のいずれか記載の抗癌剤の有効性予測方法。
  19. ノーザンハイブリダイゼーション法、RT−PCR法、リアルタイムPCR法、又はDNAマイクロアレイ法によりmRNA発現量を測定することを特徴とする請求項18記載の抗癌剤の有効性予測方法。
  20. 1番染色体長腕領域に含まれる1又は2以上の遺伝子がコードするタンパク質の発現量を測定することにより発現レベルを測定することを特徴とする請求項14〜17いずれか記載の抗癌剤の有効性予測方法。
  21. ウエスタンブロット法又はELISA法によりタンパク質発現量を測定することを特徴とする請求項20記載の抗癌剤の有効性予測方法。
  22. 1番目染色体長腕領域ゲノムDNAの少なくとも一部の欠損の有無を検出することにより発現レベルを測定することを特徴とする請求項14〜17のいずれか記載の抗癌剤の有効性予測方法。
  23. アレイCGH(Comparative genomic hybridization)法、DNA FISH(DNA fluorescence in situ hybridization)法、LOH(loss of heterozygosity)解析法、又はサザンハイブリダイゼーション法により、1番目染色体長腕領域ゲノムDNAの少なくとも一部の欠損の有無を検出することを特徴とする請求項22記載の抗癌剤の有効性予測方法。
  24. 抗癌剤が、Gemcitanineであることを特徴とする請求項14〜23のいずれか記載の抗癌剤の有効性予測方法。
  25. ヒト染色体1q12、1q21.2、1q21.3、1q22、1q22−q25、1q23.3、1q24.1、1q24.2、1q25、1q25.1、1q25.2−q25.3、1q25.3、1q32.1、1q32.3、1q41−42.2、1q42.12、1q42.2、及び1q44領域から選択される1又は2以上の領域の一部の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするプローブを含む、抗癌剤の有効性予測用判定キット。
  26. RBM8A、PSMD4、TARSL1、SNAPAP、SNX27、RIT1、TMCO1、UHMK1、POGK、SFT2D2、SCYL1BP、C1orf27、PLA2G4A、TPR、XPR1、ACBD6、STX6、CAMSAP1、TIMM17A、C1orf75、NVL、DEGS1、TTC13、及びC1orf21から選択される1又は2以上の遺伝子をコードする塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするプローブを含む、抗癌剤の有効性予測用判定キット。
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