JP2014082472A - 処理液処理装置および処理液処理方法 - Google Patents

処理液処理装置および処理液処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】処理対象物の帯電防止または除電を図りつつ、当該処理対象物に、処理液を用いた処理を施すことができる処理液処理装置および処理液処理方法を提供すること。
【解決手段】基板処理装置1は、処理液を貯留し、その処理液中に処理対象物である基板Wを浸漬させる処理槽2と、処理槽2に貯留されている処理液を循環させる循環機構5とを含む。循環機構5は、処理槽2内に配置された循環ノズル13と、循環ノズル13に接続された分岐配管16とを含む。複数の分岐配管16のうちの1つには、軟X線照射ユニット17が取り付けられている。分岐配管16の内部は、処理槽2内に連通している。
【選択図】図1

Description

この発明は、基板、収容器、光学部品等の処理対象物に、処理液を用いた処理を施すための処理液処理装置および処理液処理方法に関する。処理液処理装置および処理液処理方法の処理対象物となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、OLED(有機エレクトロルミネッセンス)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などの基板が含まれる。
半導体装置や液晶表示装置などの製造工程では、半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板などの基板に処理液を供給して、当該基板を処理する基板処理装置が用いられる。
たとえば、半導体ウエハ等の基板に対して薬液を用いた処理を施す基板処理装置には、複数枚の基板に対して一括して処理を施すバッチ式のものがある。
たとえば特許文献1には、バッチ型の基板処理装置は、たとえば、薬液が貯留された薬液処理槽および水が貯留されたリンス処理槽を含む複数の処理槽を備えている(たとえば特許文献1参照)。複数枚の基板に対して一括して処理が行われる場合には、薬液処理槽およびリンス処理槽に基板が順次浸漬されていく。
特開2011−77135号公報
リンス処理槽におけるリンス処理において基板に帯電が生じるおそれがある。基板がシリコンウエハやガラス基板である場合には、基板が正に帯電する。一連の処理後の基板が電荷を帯びていると、その電荷の放電が生じたときに、基板の表面に形成されるデバイスの破壊を生じるおそれがある。また、処理槽への搬入前から処理対象物が帯電している場合にも、同様の問題が生じるおそれがある。したがって、基板の帯電防止および除電を図りつつリンス処理(処理液を用いた処理)を行うことが求められている。
処理液を用いた処理における帯電防止および除電は、処理対象物が基板である場合に限られず、処理対象が収容器や他の光学部品等である場合にも共通する課題である。
そこで、この発明の目的は、処理対象物の帯電防止または除電を図りつつ、当該処理対象物に、処理液を用いた処理を施すことができる処理液処理装置および処理液処理方法を提供することである。
前記の目的を達成するための請求項1に記載の発明は、処理液中に処理対象物(W;L;602)を浸漬して処理を行う処理液処理装置(1;201;301;401)であって、処理液を貯留し、その処理液中に処理対象物を浸漬させる処理槽(2)と、前記処理槽に貯留された処理液、または処理液が内部を流通可能な配管(16;19;423)であって、当該内部が前記処理槽内に連通する配管内に存在する処理液に、X線を照射するX線照射手段(17;217;317;417)とを含む、処理液処理装置である。
なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符合を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を実施形態に限定する趣旨ではない。
この構成によれば、処理槽に貯留されている処理液、または内部が前記処理槽内に連通する配管内に存在している処理液にX線が照射される。当該処理液のうちX線が照射される部分(以下、「処理液の照射部分」という。)では、水分子の励起により当該水分子から電子が放出され、その結果、水分子の正イオンと電子とが混在するプラズマ状態が形成される。
処理槽に貯留されている処理液にX線が照射される場合、処理槽に貯留されている処理液に浸漬されている処理対象物と処理液の照射部分とが、処理槽に貯留されている処理液を介して繋がっている。このとき、処理対象物が正に帯電すると、処理液の照射部分と、正に帯電している処理対象物との間の電位差で、処理液の照射部分からの電子が処理対象物に向けて、処理槽に貯留されている処理液を介して移動する。これにより、処理対象物に多量の電子が供給される結果、正に帯電している処理対象物が除電される。一方、処理対象物が負に帯電すると、処理対象物からの電子が、処理液の照射部分の正イオンに向けて、処理槽に貯留されている処理液を介して移動する。これにより、処理対象物から電子が除去される結果、負に帯電している処理対象物が除電される。
また、前記配管内に存在している処理液にX線が照射される場合、処理槽に貯留されている処理液に浸漬されている処理対象物と処理液の照射部分とが、処理槽に貯留されている処理液および配管内の処理液を介して繋がっている。このとき、処理対象物が正に帯電すると、処理液の照射部分と、正に帯電している処理対象物との間の電位差で、処理液の照射部分からの電子が処理対象物に向けて、処理槽に貯留されている処理液および配管内の処理液を介して移動する。これにより、処理対象物に多量の電子が供給される結果、正に帯電している処理対象物が除電される。一方、処理対象物が負に帯電すると、処理対象物からの電子が、処理液の照射部分の正イオンに向けて、処理槽に貯留されている処理液および配管内の処理液を介して移動する。これにより、処理対象物から電子が除去される結果、負に帯電している処理対象物が除電される。
また、処理液への浸漬の前から処理対象物が正または負に帯電している場合にも、前述した原理により、処理槽内の処理液や配管内の処理液を介して、当該処理対象物を除電できる。
以上により、処理対象物の帯電防止または除電を図りつつ、当該処理対象物に、処理液を用いた処理を施すことができる。
なお、本明細書および特許請求の範囲において「X線」とは0.001nm〜10nm程度の波長を有する電磁波をいい、波長が比較的長い「軟X線」(0.1nm〜10nm程度)と、波長が比較的短い「硬X線」(0.001nm〜0.1nm程度)とを含む趣旨である。
また、本明細書および特許請求の範囲において「処理対象物」には、基板、収容器、光学部品等が含まれる。
請求項2に記載の発明は、前記配管の管壁または前記処理槽の壁は、開口(52;321;421)を有し、前記開口は、X線が透過可能な材料を用いて形成された窓部材(71)にて閉塞されており、前記X線照射手段は、前記窓部材を介してX線を照射する、請求項1に記載の処理液処理装置である。
この構成によれば、X線が透過可能な材料を用いて、窓部材が形成されている。そして、X線照射手段から照射されたX線は、窓部材を介して、前記配管内に存在する処理液に照射される。これにより、処理液の照射部分において、水分子の正イオンと電子とが混在するプラズマ状態を、良好に形成できる。
請求項3に記載のように、前記窓部材は、ベリリウムまたはポリイミド樹脂を用いて形成されていてもよい。
ベリリウムのような原子量の小さい物質であれば、透過力の弱いX線でも透過できる。したがって、ベリリウムを用いて窓部材を形成することにより、窓部材をX線に透過させることができる。
また、窓部材がポリイミド樹脂を用いて形成される場合、窓部材にX線を透過させることができる。また、ポリイミド樹脂は化学安定性に優れているので、窓部材を長期にわたって使用し続けることができる。
また、窓部材における処理液が存在する側の壁面は、親水性であることが好ましい。この場合、当該壁面と処理液との間に気泡が混入するのを、抑制または防止することができる。これにより、配管に存在する処理液に対してX線を良好に照射することができる。
請求項4に記載のように、前記窓部材における処理液が存在する側の壁面(71B)は、皮膜(38)によりコーティングされていてもよい。これにより、照射窓を保護することができる。とくに、窓部材が耐酸性の劣るベリリウムを用いて形成されている場合、窓部材を酸性の処理液から良好に守ることができる。
この皮膜は、親水性材料を用いて形成されていることが好ましい。この場合、当該皮膜と処理液との間に気泡が混入するのを、抑制または防止することができる。これにより、配管に存在する処理液に対してX線を良好に照射することができる。
この場合、請求項5に記載のように、前記皮膜は、ポリイミド樹脂、ダイヤモンドライクカーボン、フッ素樹脂および炭化水素樹脂のうちの1つ以上の材質を含む皮膜であってもよい。
請求項6記載の発明は、前記X線照射手段は、前記窓部材に対向して配置される照射窓(35)を有し、X線を発生するとともに、発生したX線を前記照射窓から照射するX線発生器(25)を含む、請求項2〜5のいずれか一項に記載の処理液処理装置である。
この構成によれば、X線発生器によって発生されたX線が、X線発生器の照射窓から配管内を流通している処理液に照射される。
請求項7に記載の発明は、前記X線照射手段は、前記X線発生器の周囲を、当該X線発生器と間隔を空けて取り囲むカバー(26)と、前記カバーの内部に気体を供給する気体供給手段(27,37)とをさらに含む、請求項6に記載の処理液処理装置である。
この構成によれば、X線発生器の駆動により当該X線発生器が発熱するおそれがある。カバー内に気体を供給することにより、X線発生器を冷却し、X線発生器の周囲雰囲気の昇温を抑制することができる。
この発明の一実施形態では、請求項8に記載のように、前記配管は、前記処理槽内と連通し、前記処理槽内に処理液を供給するための処理液供給配管(16)を含み、前記X線照射手段は、前記処理液供給配管を流通している処理液に前記X線を照射してもよい。
この発明の他の実施形態では、請求項9に記載のように、前記処理槽は、処理液を貯留し、その処理液中に処理対象物を浸漬させる内槽(7)と、前記内槽から溢れる処理液を回収する外槽(8)とを含み、前記配管は、前記外槽に回収された処理液が流通するオーバーフロー配管(19)を含み、前記X線照射手段は、前記オーバーフロー配管内を流通している処理液に前記X線を照射してもよい。
この発明のさらに他の実施形態では、請求項10に記載のように、前記処理槽は、処理液を貯留し、その処理液中に処理対象物を浸漬させる内槽(307;407)と、前記内槽から溢れる処理液を回収する外槽(8)とを含み、前記X線照射手段は、前記内槽に貯留されている処理液に前記X線を照射してもよい。
この発明のさらに他の実施形態では、請求項11に記載のように、前記処理槽は、処理液を貯留し、その処理液中に処理対象物を浸漬させる内槽(7)と、前記内槽から溢れる処理液を回収する外槽(8)とを含み、前記配管は、前記内槽内に内部が連通する配管(16,423)を含んでいてもよい。
前記の課題を解決するための請求項12に記載の発明は、処理槽(2)に貯留された処理液中に処理対象物(W;L;602)を浸漬させる処理対象物浸漬工程(S4)と、前記処理対象物浸漬工程に並行して、前記処理槽に貯留された処理液、または処理液が内部を流通可能な配管(16;19;423)であって、当該内部が前記処理槽内に連通する配管内に存在する処理液に、X線を照射するX線照射工程(S5)とを含む、処理液処理方法である。
この方法によれば、請求項1に関連して記載した作用効果と同等の作用効果を奏する。
前記の課題を解決するための請求項13に記載の発明は、処理槽に貯留された処理液中に処理対象物を浸漬して処理を行うための処理液処理方法であって、前記処理槽に貯留された処理液中に処理対象物を浸漬させる処理対象物浸漬工程(S4)と、前記処理対象物浸漬工程に並行して、前記処理槽内に向けて吐出口から処理液を吐出させる処理液吐出工程と、前記処理液吐出工程に並行して、前記吐出口に連通する配管の内部に存在する処理液にX線を照射するX線照射工程(S5)とを含み、前記処理液吐出工程では、前記吐出口と前記処理槽に溜められている処理液の液面との間で処理液が液状に繋がっている、処理液処理方法である。
この方法によれば、配管内に存在している処理液にX線が照射される。また、配管の内部に連通する吐出口から吐出された処理液が処理対象物に供給される。処理液のうちX線が照射される部分では、水分子の励起により当該水分子から電子が放出され、その結果、水分子の正イオンと電子とが混在するプラズマ状態が形成される。
吐出口から吐出される処理液は、処理液の液面との間で液状に繋がっている。この場合、処理対象物と処理液の照射部分とが、処理液を介して繋がるようになる。
このとき、処理対象物が正に帯電すると、処理液の照射部分と、正に帯電している処理対象物との間の電位差で、処理液の照射部分からの電子が処理対象物に向けて、液状に繋がっている処理液および処理槽に貯留されている処理液を介して移動する。これにより、処理対象物に多量の電子が供給される結果、正に帯電している処理対象物が除電される。一方、処理対象物が負に帯電すると、処理対象物からの電子が、処理液の照射部分の正イオンに向けて、液状に繋がっている処理液および処理槽に貯留されている処理液を介して移動する。これにより、処理対象物から電子が除去される結果、負に帯電している処理対象物が除電される。
以上により、処理対象物の帯電防止または除電を図りつつ、当該処理対象物に、処理液を用いた処理を施すことができる。
本発明の第1実施形態に係る処理液処理装置が適用された基板処理装置の構成を示す図である。 図1に示す分岐配管および軟X線照射ユニットの構成をそれぞれ示す図解的な断面図である。 図1に示す基板処理装置において実行される基板処理の処理例を示す工程図である。 図1に示す分岐配管内への軟X線の照射状態を示す図解図である。 本発明の第2実施形態に係る処理液処理装置が適用された基板処理装置の構成を示す図である。 処理液が内槽の上端部からオーバーフローしている状態を示す模式的な断面図である。 本発明の第3実施形態に係る処理液処理装置が適用された基板処理装置の構成を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る処理液処理装置が適用された基板処理装置の構成を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る処理液処理装置が適用された基板処理装置の構成を示す図である。 本発明の第6実施形態に係る処理液処理装置が適用された基板処理装置の構成を示す図である。 本発明の第7実施形態に係る処理液処理装置が適用された基板処理装置の構成を示す図である。 本発明の第8実施形態に係る処理液処理装置が適用された物品洗浄装置の構成を示す図である。 本発明の第9実施形態に係る処理液処理装置が適用された物品洗浄装置の構成を示す図である。 図12に示す基板収容器の構成を示す斜視図である。 除電試験に用いられる試験装置を説明するための図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る処理液処理装置が適用された基板処理装置1の構成を示す図である。
基板処理装置1は、たとえば、複数枚の基板Wに対し、一括して処理液処理(洗浄処理)を施すバッチ式の基板処理装置である。基板処理装置1は、処理液を貯留する処理槽2と、処理槽2に処理液を供給する処理液ノズル3と、処理槽2に貯留されている処理液に基板Wを浸漬させるリフター4と、処理槽2に貯留されている処理液を循環させる循環機構5と、基板処理装置1に備えられた各機器やバルブを制御する制御装置6とを含む。
処理槽2は、上向きに開いた上部開口を有する内槽7および外槽8を含む二重槽構造を有している。内槽7は、処理液を貯留し、複数枚の基板Wを収容可能に構成されている。外槽8は、内槽7の上部開口の外側面に設けられており、その上縁の高さが内槽7の上縁の高さよりも高く設定されている。
内槽7の底壁には排液バルブ20が介装されている。排液バルブ20は、ピストン(図示しない)が進退移動を行うことによって内槽7の底壁の一部を開閉するいわゆるピストンバルブによって構成されている。ピストン(図示しない)の後退により、内槽7の底面の一部が離脱して内槽7の底面に排液口が形成され、これにより、処理液が急速に排液されるようになっている。すなわち、処理槽2はQDR(クイック・ダンプ・リンス)機能を備えている。内槽7の底部から排出された処理液は、廃液装置へと送られ、処理されるようになっている。
処理液ノズル3は、処理液バルブ9が介装された処理液配管10に接続されている。処理液ノズル3は、多数の微細な吐出口(図示しない)を有し、たとえば液を液滴の態様で吐出するシャワーノズルによって構成されている。制御装置6が処理液バルブ9を開くと、処理液ノズル3からシャワー状に吐出された処理液が、内槽7内に供給される。そして、内槽7の上縁から処理液が溢れると、溢れた処理液は、外槽8によって受け止められ、回収される。
処理液として、水や希釈薬液が採用される。水としては、DIW(脱イオン水)、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水および希釈濃度(たとえば、10ppm〜100ppm程度)の塩酸水のいずれかを採用することもできる。希釈薬液としては、所定濃度に希釈されたフッ酸、BHF(Bufferd HF)、APM(ammonia-hydrogen peroxide mixture:アンモニア過酸化水素水混合液)、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)、アンモニア水、HPM(hydrochloric acid/hydrogen peroxide mixture:塩酸過酸化水素水混合液)等を用いることができる。
リフター4によって保持されている基板Wは、内槽7に貯留されている処理液に浸漬される。
リフター4は、水平に延びる複数の保持棒11を含む。複数枚の基板Wは、紙面の奥手前方向に複数枚の基板Wを整列した状態で、複数の保持棒11によって各基板Wの下縁が当接されて起立姿勢(鉛直姿勢)で保持される。
リフター4は、昇降機構22を含む。昇降機構22は、リフター4に保持されている基板Wが内槽7内に位置する処理位置(図1に示す位置)と、リフター4に保持されている基板Wが内槽7の上方に位置する退避位置(図示しない)との間でリフター4を昇降させる。したがって、昇降機構22によってリフター4が処理位置に移動させられることにより、リフター4に保持されている複数枚の基板Wが処理液に浸漬される。これにより、基板Wに対する処理液を用いた処理が施される。
循環機構5は、処理槽2から排出された処理液を再び処理槽2に導く循環配管12と、循環配管12の下流側の端部にそれぞれ接続された複数の循環ノズル13と、循環配管12から循環ノズル13に処理液を送る循環ポンプ14とを含む。循環配管12は、上流側の端部が外槽8の底部に接続された帰還配管(オーバーフロー配管)19と、帰還配管19の下流側の端部から複数に分岐する分岐配管(処理液供給配管)16とを含む。各分岐配管16の先端に、循環ノズル13が取り付けられている。各循環ノズル13は、一または複数の吐出口を有し、内槽7内に向けて処理液を吐出する。帰還配管19には、上流側から順に、循環ポンプ14、フィルタ15、循環バルブ21が介装されている。フィルタ15は、循環配管12を流れる処理液をろ過するフィルタ15であり、循環バルブ21は帰還配管19を開閉するためのバルブである。
複数の分岐配管16のうちの少なくとも1つ(この実施形態では1つ)には、軟X線照射ユニット(X線照射手段)17が取り付けられている。軟X線照射ユニット17は、分岐配管16内に存在している処理液に軟X線を照射するためのユニットである。
図2Aは、分岐配管16および軟X線照射ユニット17の構成をそれぞれ示す図解的な断面図である。
分岐配管16は、たとえば塩ビ(poly-vinyl-chloride)や、PTFE(poly tetra-fluoro ethylene)、PFA(perfluoro-alkylvinyl-ether-tetrafluoro-ethlene-copolymer)などの樹脂材料を用いて形成されている。分岐配管16には、途中部の管壁に、たとえば円形の第1開口52が形成されている。分岐配管16には、第1開口52を塞ぐように軟X線照射ユニット17が取り付けられている。
軟X線照射ユニット17は、軟X線発生器(X線発生器)25と、軟X線発生器25の周囲を取り囲むように覆うたとえば塩ビ(poly-vinyl-chloride)製のカバー26と、カバー26の内部に気体を供給するための気体ノズル(気体供給手段)27とを備え、横向きに軟X線を照射する。カバー26は、軟X線発生器25の周囲を、軟X線発生器25と間隔を空けて取り囲む横長の矩形箱状のものであり、鉛直板状の横壁26Aにおいて、軟X線発生器25の次に述べる照射窓35に対向する部分に、第1開口52と同径を有するたとえば円形の第2開口28を形成している。軟X線照射ユニット17は、カバー26の第2開口28が、分岐配管16の第1開口52に一致し、かつ横壁26Aが分岐配管16の外周に密着するように、分岐配管16に取り付けられる。
第2開口28は、円板状の窓部材71によって閉塞されている。窓部材71は、カバー26の内側から第2開口28を閉塞する。窓部材71により、第2開口28だけでなく、第1開口52も閉塞される。窓部材71の材料として、透過力の弱い軟X線が透過し易いように原子量の小さい物質が使用され、たとえばベリリウム(Be)が採用されている。窓部材71の厚みは、たとえば0.3mm程度に設定されている。
軟X線発生器25は、分岐配管16を通る処理液を電離させるために用いられる軟X線を射出(放射)する。軟X線発生器25は、ケース体29と、軟X線を発生させるための左右に長い軟X線管30と、軟X線管30に高電圧を供給する高電圧ユニット31とを備えている。ケース体29は、その内部に、軟X線管30および高電圧ユニット31を収容する横長の矩形筒状のものであり、導電性および熱伝導性を有する材料(たとえばアルミニウム等の金属材料)を用いて形成されている。
高電圧ユニット31は、たとえば−9.5kVという高電位の駆動電圧を軟X線管30に入力する。高電圧ユニット31には、カバー26に形成された貫通孔42を通してカバー26外に引き出された給電線43を介して電源(図示しない)からの電圧が供給されている。
軟X線管30は、ガラス製または金属製の円筒形状の真空管からなり、管方向が水平となるように配置されている。軟X線管30の一端部(開口端部。図2Aに示す左端部)は円形開口41を形成している。軟X線管30の他端部(図2Aに示す右端部)は閉じており、ステム32となっている。軟X線管30内には、陰極であるフィラメント33と、陽極であるターゲット36とが対向するように配置されている。軟X線管30は、フィラメント33およびフォーカス34を収容している。具体的には、ステム32に、カソードとしてのフィラメント33が配置されている。フィラメント33は、高電圧ユニット31と電気的に接続されている。フィラメント33は円筒状のフォーカス34によって取り囲まれている。
軟X線管30の開口端部は、鉛直姿勢をなす板状の照射窓35によって閉塞されている。照射窓35はたとえば円板状をなし、銀ロウ付けによって軟X線管30の開口端部の壁面に固定されている。照射窓35の材料として、透過力の弱い軟X線が透過し易いように原子量の小さい物質が使用され、たとえばベリリウム(Be)が採用されている。照射窓35の厚みは、たとえば0.3mm程度に設定されている。照射窓35は、窓部材71の内面71Aに対向して、当該窓部材71と微小の間隔を空けて配置されている。
照射窓35の内面35Aには、金属製のターゲット36が蒸着によって形成されている。ターゲット36には、タングステン(W)やタンタル(Ta)等の原子量の大きく融点の高い金属が用いられる。
高電圧ユニット31からの駆動電圧が陰極であるフィラメント33に印加されることにより、フィラメント33が電子を放出する。フィラメント33から放出された電子は、フォーカス34で収束されて電子ビームとなり、ターゲット36に衝突することによって軟X線が発生する。発生した軟X線は照射窓35から横方向(図2Aに示す左方)に向けて射出(放射)され、窓部材71および第1開口52を通して分岐配管16の内部を照射する。照射窓35からの軟X線の照射角(照射範囲)は、図3に示すように広角(たとえば130°)である。照射窓35から分岐配管16の内部に照射される軟X線は、その波長がたとえば0.13〜0.4nmである。
窓部材71の外表面(閉塞窓における処理液が流通する側の壁面)71Bの全域は、親水性皮膜(皮膜)38によって被覆されている。親水性皮膜38は、たとえばポリイミド樹脂皮膜である。窓部材71の外表面71Bを親水性皮膜38で覆ったのは、耐酸性の劣るベリリウム製の窓部材71を、水等の処理液に含まれる酸から守るためのものである。親水性皮膜38の膜厚は、50μm以下であり、とくに10μm程度であることが好ましい。親水性皮膜38が親水性を有しているので、皮膜38とDIWとの間に気泡が混入するのを、抑制または防止することができる。これにより、照射窓35からの軟X線を、分岐配管16を流通しているDIWに対して良好に照射できる。
気体ノズル27の吐出口は、カバー26の上壁に開口している。気体ノズル27には気体バルブ(気体供給手段)37を介して気体供給源(図示しない)からの気体が供給されている。気体ノズル27が吐出する気体として、CDA(低湿度の清浄空気)や窒素ガスの不活性ガスを例示できる。気体ノズル27から吐出された気体は、カバー26の内部に供給される。軟X線発生器25の駆動により当該軟X線発生器25が発熱するおそれがあるが、カバー26の内部に気体を供給することにより、軟X線発生器25を冷却し、軟X線発生器25の周囲雰囲気の昇温を抑制できる。
図1に示すように、制御装置6はマイクロコンピュータを含む構成を有し、予め定められたプログラムに従って、昇降機構22および循環ポンプ14等の動作を制御する。さらに、制御装置6は、処理液バルブ9、排液バルブ20等の開閉動作を制御する。
図2Bは、基板処理装置1において実行される基板処理の処理例を示す工程図である。図1、図2Aおよび図2Bを参照しながら、基板処理の処理例について説明する。
処理槽2にて基板Wの処理を行っていないときであっても、循環機構5において、処理液の循環が継続して行われている。すなわち、処理液の交換や装置メンテナンス等の特定の状況を除き、処理槽2内には常時処理液が貯留されており、処理液は処理槽2内で滞留せずに循環配管12を通って循環している。このような循環の際には、循環バルブ21が開放されている。その結果、外槽8から流出した処理液が循環配管12を通って、循環ノズル13から内槽7の内部に供給される。内槽7の内部が処理液で満たされている状態にて循環ノズル13からさらに処理液が供給されることにより、余った処理液が内槽7の上端部からオーバーフローして外槽8に流れ込む。そして、外槽8から流出した処理液が循環配管12を通って循環ノズル13から内槽7の内部に供給される。
基板浸漬処理の開始に伴って、循環バルブ21が閉じられかつ循環ポンプ14の駆動が停止させられるとともに、排液バルブ20が開かれて、内槽7に貯留されていた処理液が急速に排液される(ステップS1)。
内槽7から処理液を排液して、内槽7内が空になった後、制御装置6は、リフター4を制御して、受渡位置にて受け取った複数枚の基板Wを内槽7の内部の処理位置にまで降下させる。これにより、基板Wが処理槽2内に投入される(ステップS2)。基板Wは、空となっている内槽7の内部に保持される。
未処理の基板Wが空の処理槽2に投入されて処理位置に保持された後、制御装置6は、処理液バルブ9を開放して、処理液ノズル3から処理液をシャワー状に吐出する(ステップS3)。このとき、排液バルブ20は開かれたままであり、排液口(図示しない)が開放されているため、汚染物質を含んだ処理液は溜められない。
その後、予め定めるシャワー洗浄時間が過ぎると、制御装置6は、排液バルブ20を閉じる。このとき、処理液ノズル3からの処理液の吐出は継続されているので、内槽7に処理液が溜められる。これにより、基板Wが処理液に浸漬される基板浸漬処理が実行される。
内槽7に処理液が満タンに溜められると、制御装置6は処理液バルブ9を閉じて、処理液ノズル3からの処理液の吐出を停止する。また、制御装置6は、循環ポンプ14の駆動を開始させるとともに、循環バルブ21を開く。これにより、処理液は処理槽2内で滞留せずに循環配管12を通って循環する(ステップS4)。具体的には、外槽8から流出した処理液が循環配管12を通って循環ノズル13から内槽7の内部に供給される。内槽7の内部が処理液で満たされている状態にて循環ノズル13からさらに処理液が供給されることにより、余った処理液が内槽7の上端部からオーバーフローして外槽8に流れ込む。そして、外槽8から流出した処理液が循環配管12を通って循環ノズル13から内槽7の内部に供給される。循環する処理液がフィルタ15を通過するときにパーティクル等の汚染物質は除去される。このため、循環ノズル13からは汚染物質が取り除かれた清浄な処理液が内槽7内に向けて吐出される。この状態で、循環ノズル13のノズル配管内および分岐配管16内では、処理液が液密状態にある。
また、制御装置6は、高電圧ユニット31(図2A参照)を制御して、軟X線照射ユニット17の軟X線発生器25(図2A参照)に軟X線を発生させて、この軟X線を、照射窓35(図2A参照)から窓部材71を介して、分岐配管16の内部に向けて照射させる(ステップS5)。これにより、分岐配管16内を流通している処理液に、軟X線が照射される。
図3は、図1に示す分岐配管16内への軟X線の照射状態を示す図解図である。
基板浸漬処理に並行して、分岐配管16内を流通している処理液に軟X線が照射される。分岐配管16内の処理液のうち軟X線が照射される部分(分岐配管16内の第1開口52に対向する部分。図3に示す網掛け部分(以下、「処理液の照射部分54」という))では、水分子の励起により当該水分子から電子が放出される。その結果、多量の電子と、水分子の多量の正イオンとが混在するプラズマ状態が、処理液の照射部分54に形成される。
この場合、前述のように循環ノズル13のノズル配管内および分岐配管16内で処理液が液密状態であるので、内槽7に貯留されている処理液に浸漬されている基板Wと処理液の照射部分54とが、内槽7に貯留されている処理液および分岐配管16内の処理液を介して繋がっている。このとき、基板Wが正に帯電すると、処理液の照射部分54と、正に帯電している基板Wとの間の電位差で、処理液の照射部分54からの電子が基板Wに向けて、内槽7に貯留されている処理液および分岐配管16内の処理液を介して移動する。これにより、基板Wに多量の電子が供給される結果、正に帯電している基板Wが除電される。
また、処理液への浸漬の前から基板Wが正に帯電している場合にも、同様の原理により、内槽7内の処理液や分岐配管16内の処理液を介して当該基板Wを除電できる。
図2Bに示すように、浸漬処理の開始から予め定める浸漬処理時間が経過すると、制御装置6は、軟X線照射ユニット17からの軟X線の照射を停止させる(ステップS6)。
その後、処理済みの基板Wが内槽7から搬出される(ステップS7)。基板Wの搬出は、複数の基板Wを一括保持するリフター4が内槽7の内部の処理位置から上方の受渡位置にまで上昇されることによって行われる。受渡位置に上昇した複数の基板Wからなるロットは次工程の処理槽へと搬送される。
そして、引き続いて処理を行う後続の基板Wが存在している場合、ステップS1に戻って前述の一連の処理が繰り返し実行される。
以上により、第1実施形態によれば、処理液の浸漬処理時における基板Wの帯電を防止できる。また、浸漬処理前から基板Wが帯電していても、その基板Wに帯びた電荷を除去(すなわち、除電)できる。その結果、基板Wの帯電に起因するデバイス破壊を防止できる。
図4は、本発明の第2実施形態に係る処理液処理装置が適用された基板処理装置201の構成を示す図である。
第2実施形態において、第1実施形態と共通する部分には、図1〜図3の場合と同一の参照符号を付し説明を省略する。第2実施形態に係る基板処理装置201が、第1実施形態に係る基板処理装置1と相違する点は、軟X線照射ユニット(X線照射手段)217が、帰還配管19における循環ポンプ14よりも上流側に介装されている点である。軟X線照射ユニット217は、帰還配管19に取り付けられている。
帰還配管19は、丸管状(円筒状)をなしており、塩ビ(poly-vinyl-chloride)や、PTFE(poly tetra-fluoro ethylene)、PFA(perfluoro-alkylvinyl-ether-tetrafluoro-ethlene-copolymer)などの樹脂材料を用いて形成されている。帰還配管19の途中部には、循環ポンプ14よりも上流側の管壁に、開口(図示しない)が形成されている。
軟X線照射ユニット217は、第1実施形態に係る軟X線照射ユニット17(図2A参照)と同等の構成を採用している。軟X線照射ユニット217は、帰還配管19の開口を塞ぐように帰還配管19に取り付けられている。具体的には、軟X線照射ユニット217のカバーの開口(軟X線照射ユニット17のカバー26の第2開口28(図2A参照)に相当する開口)が帰還配管19の前記の開口に一致し、かつ軟X線照射ユニット217のカバーの壁面(軟X線照射ユニット17のカバー26の横壁26A(図2A参照)に相当)が帰還配管19の外周に密着している。軟X線照射ユニット217の高電圧ユニット(第1実施形態に係る軟X線照射ユニット17の高電圧ユニット31(図2A参照)に相当)は、制御装置6に接続されている。
基板処理装置201では、図2Bに示す処理例の場合と同様の処理が実施される。基板浸漬処理(図2BのステップS4〜S6)では、処理液は処理槽2内で滞留せずに循環配管12を通って循環している。内槽7の内部が処理液で満たされている状態で循環ノズル13からさらに処理液が供給されることにより、余った処理液が内槽7の上端部からオーバーフローして(溢れて)外槽8に流れ込む。
図5は、処理液が内槽7の上端部からオーバーフローしている状態を示す模式的な断面図である。
外槽8は、内槽7の外周を取り囲む円環板状の底壁81と、底壁81の外周縁から鉛直上方に向けて立ち上がる立上壁82とを有している。底壁81の周方向のたとえば一箇所には、底壁81を厚み方向に貫通する貫通孔より構成されるオーバーフロー口83が形成されている。オーバーフロー口83に、帰還配管19の上流側端部が接続されている。
基板浸漬処理(図2BのステップS4〜S6)において、循環ノズル13からの処理液の供給が断続的に続行されるから、帰還配管19内が処理液で液密状態にされる。また、図5に示すように、処理液の液塊80が内槽7の上端部を乗り越える状態が常時続くから、内槽7に貯留されている処理液と外槽8に貯留されている処理液とが、このような処理液の液塊80によって常時繋がっている。
基板浸漬処理に並行して、帰還配管19内を流通している処理液に、軟X線照射ユニット217から軟X線が照射される(図2BのステップS5)。
帰還配管19内の処理液のうち軟X線が照射される部分(処理液の照射部分。図3に示す、第1実施形態に係る処理液の照射部分54と同等の部分)では、水分子の励起により当該水分子から電子が放出される。その結果、多量の電子と、水分子の多量の正イオンとが混在するプラズマ状態が、処理液の照射部分に形成される。
この場合、前述のように帰還配管19内で処理液が液密状態であり、かつ内槽7に貯留されている処理液と外槽8に貯留されている処理液とが処理液の液塊80によって常時繋がっているので、内槽7に貯留されている処理液に浸漬されている基板Wと処理液の照射部分とが、内槽7に貯留されている処理液、外槽8に貯留されている処理液、および帰還配管19内の処理液を介して繋がっている。このとき、基板Wが正に帯電すると、処理液の照射部分と、正に帯電している基板Wとの間の電位差で、処理液の照射部分からの電子が基板Wに向けて、内槽7に貯留されている処理液および帰還配管19内の処理液を介して移動する。これにより、基板Wに多量の電子が供給される結果、正に帯電している基板Wが除電される。
以上により、第2実施形態においても、第1実施形態で述べた作用効果と同等の作用効果を奏する。
図6は、本発明の第3実施形態に係る処理液処理装置が適用された基板処理装置301の構成を示す図である。
第3実施形態において、第1実施形態と共通する部分には、図1〜図3の場合と同一の参照符号を付し説明を省略する。第3実施形態に係る基板処理装置301が、第1実施形態に係る基板処理装置1と相違する点は、内槽7に代えて、略箱状の第1膨出部分318を有する内槽307を備えた点、および軟X線照射ユニット(X線照射手段)317が第1膨出部分318の壁に取り付けられている点である。
第1膨出部分318は、内槽307の円筒状の周壁307Aから、水平に沿って外方に向けて膨出しており、内槽307の周壁307Aと一体的に形成されている。第1膨出部分318の上壁または下壁(図6では上面)には、開口321が形成されている。
軟X線照射ユニット317は、第1実施形態に係る軟X線照射ユニット17(図2A参照)と同等の構成を採用している。軟X線照射ユニット317は、第1膨出部分318の開口321を塞ぐように取り付けられている。具体的には、軟X線照射ユニット317のカバーの開口(軟X線照射ユニット17のカバー26の第2開口28(図2A参照)に相当する開口)が第1膨出部分318の開口321に一致し、かつ軟X線照射ユニット317のカバーの壁面(軟X線照射ユニット17のカバー26の横壁26A(図2A参照)に相当)が第1膨出部分318の上壁に密着している。軟X線照射ユニット317の高電圧ユニット(第1実施形態に係る軟X線照射ユニット17の高電圧ユニット31(図2A参照)に相当)は、制御装置6に接続されている。
基板処理装置301では、図2Bに示す処理例の場合と同様の処理が実施される。基板浸漬処理(図2BのステップS4〜S6)では、内槽307内に処理液が溜められ、これにより、第1膨出部分318内が処理液により液密状態になる。
基板浸漬処理に並行して、第1膨出部分318内の処理液に、軟X線照射ユニット317から軟X線が照射される(図2BのステップS5)。
第1膨出部分318内の処理液のうち軟X線が照射される部分(処理液の照射部分。図3に示す、第1実施形態に係る処理液の照射部分54と同等の部分)では、水分子の励起により当該水分子から電子が放出される。その結果、多量の電子と、水分子の多量の正イオンとが混在するプラズマ状態が、処理液の照射部分に形成される。
この場合、内槽307に貯留されている処理液に浸漬されている基板Wと処理液の照射部分とが、内槽307に貯留されている処理液を介して繋がっている。このとき、基板Wが正に帯電すると、処理液の照射部分と、正に帯電している基板Wとの間の電位差で、処理液の照射部分からの電子が基板Wに向けて、内槽307に貯留されている処理液を介して移動する。これにより、基板Wに多量の電子が供給される結果、正に帯電している基板Wが除電される。
以上により、第3実施形態においても、第1実施形態で述べた作用効果と同等の作用効果を奏する。
図7は、本発明の第4実施形態に係る処理液処理装置が適用された基板処理装置401の構成を示す図である。
第4実施形態において、第1実施形態と共通する部分には、図1〜図3の場合と同一の参照符号を付し説明を省略する。第4実施形態に係る基板処理装置401が、第1実施形態に係る基板処理装置1と相違する点は、内槽7に代えて、底部に略箱状の第2膨出部分418を有する内槽407を備えた点、および第2膨出部分418に接続された配管423に、軟X線照射ユニット(X線照射手段)417が取り付けられている点である。
なお、図7では、基板処理装置401は、循環機構5(図1参照)と同等の構成の循環機構を備えているが、その図示を省略している。
第2膨出部分418は、内槽407の底壁407Aから、水平に沿って外方に向けて膨出しており、内槽407の底壁407Aと一体的に形成されている。第2膨出部分418の下壁の所定位置には、排液バルブ420が介装されている。排液バルブ420は排液バルブ20(図1参照)と同等の構成を有する。すなわち、第2膨出部分418はQDR(クイック・ダンプ・リンス)設置用の部分である。内槽407の底部から排出された処理液は、廃液装置または回収装置へと送られ、処理されるようになっている。
第2膨出部分418のたとえば上壁には、配管423の一端が接続されている。配管423の内部は、第2膨出部分418の内部と連通している。第2膨出部分418における配管423の接続位置は、第2膨出部分418における排液バルブ420の配設位置と平面視において異なる位置であることが望ましい。
配管423は、丸管状(円筒状)をなしており、塩ビ(poly-vinyl-chloride)や、PTFE(poly tetra-fluoro ethylene)、PFA(perfluoro-alkylvinyl-ether-tetrafluoro-ethlene-copolymer)などの樹脂材料を用いて形成されている。配管423の途中部には、開口421が形成されている。
軟X線照射ユニット417は、第1実施形態に係る軟X線照射ユニット17(図2A参照)と同等の構成を採用している。軟X線照射ユニット417は、配管423の開口421を塞ぐように配管423に取り付けられている。具体的には、軟X線照射ユニット417のカバーの開口(軟X線照射ユニット17のカバー26の第2開口28(図2A参照)に相当する開口)が配管423の開口421に一致し、かつ軟X線照射ユニット417のカバーの壁面(軟X線照射ユニット17のカバー26の横壁26A(図2A参照)に相当)が配管423の外周に密着している。軟X線照射ユニット417の高電圧ユニット(第1実施形態に係る軟X線照射ユニット17の高電圧ユニット31(図2A参照)に相当)は、制御装置6に接続されている。
基板処理装置401では、図2Bに示す処理例の場合と同様の処理が実施される。基板浸漬処理(図2BのステップS4〜S6)では、内槽407内に処理液が溜められ、これにより、第2膨出部分418内や配管423内も、処理液により液密状態になる。
基板浸漬処理に並行して、配管423内を流通している処理液に、軟X線照射ユニット417から軟X線が照射される(図2BのステップS5)。
配管423内の処理液のうち軟X線が照射される部分(処理液の照射部分。図3に示す、第1実施形態に係る処理液の照射部分54と同等の部分)では、水分子の励起により当該水分子から電子が放出される。その結果、多量の電子と、水分子の多量の正イオンとが混在するプラズマ状態が、処理液の照射部分に形成される。
この場合、前述のように配管423内で処理液が液密状態であり、また第2膨出部分418内も処理液により液密とされているので、内槽407に貯留されている処理液に浸漬されている基板Wと処理液の照射部分とが、内槽407(第2膨出部分418を含む)に貯留されている処理液および配管423内の処理液を介して繋がっている。このとき、基板Wが正に帯電すると、処理液の照射部分と、正に帯電している基板Wとの間の電位差で、処理液の照射部分からの電子が基板Wに向けて、配管423内の処理液および内槽407に貯留されている処理液を介して移動する。これにより、基板Wに多量の電子が供給される結果、正に帯電している基板Wが除電される。
以上により、第4実施形態においても、第1実施形態で述べた作用効果と同等の作用効果を奏する。
図8は、本発明の第5実施形態に係る処理液処理装置が適用された基板処理装置501の構成を示す図である。
第5実施形態において、第1実施形態と共通する部分には、図1〜図3の場合と同一の参照符号を付し説明を省略する。第5実施形態に係る基板処理装置501が、第1実施形態に係る基板処理装置1と相違する点は、循環機構5(図1参照)を設けずに、外槽8から流出した処理液がドレイン配管519を通って廃液または回収される点、および処理液ノズル3(図1参照)に代えて、処理液ノズル561を設けた点である。処理液ノズル561には、処理液ノズル561内を流通する処理液に軟X線を照射するための軟X線照射ユニット562が取り付けられている。処理液ノズル561は、たとえば、連続流の状態で液を吐出するストレートノズルであり、その吐出口553を内槽7の内部に向けた状態で配置されている。処理液ノズル561には、処理液供給源からの処理液が供給される処理液配管513が接続されている。処理液配管513の途中部には、処理液ノズル561からの処理液の供給/供給停止を切り換えるための処理液バルブ514が介装されている。
処理液ノズル561は、鉛直方向に延びる丸管状(円筒状)のノズル配管551を有している。ノズル配管551は、たとえば塩ビ(poly-vinyl-chloride)や、PTFE(poly tetra-fluoro ethylene)、PFA(perfluoro-alkylvinyl-ether-tetrafluoro-ethlene-copolymer)などの樹脂材料を用いて形成されている。ノズル配管551の先端部(下端部)には、丸型の吐出口553が開口している。ノズル配管551には、途中部の管壁に、たとえば円形の開口552が形成されている。
軟X線照射ユニット562は、第1実施形態に係る軟X線照射ユニット17(図2A参照)と同等の構成を採用している。軟X線照射ユニット562は、ノズル配管551の開口552を塞ぐようにノズル配管551に取り付けられている。具体的には、軟X線照射ユニット562のカバーの開口(軟X線照射ユニット17のカバー26の第2開口28(図2A参照)に相当する開口)が開口552に一致し、かつ軟X線照射ユニット562のカバーの壁面(軟X線照射ユニット17のカバー26の横壁26A(図2A参照)に相当)がノズル配管551の外周に密着している。軟X線照射ユニット562の高電圧ユニット(第1実施形態に係る軟X線照射ユニット17の高電圧ユニット31(図2A参照)に相当)は、制御装置6に接続されている。
基板処理装置501では、処理槽502に処理液が溜められた後、リフター4により基板Wが一括して処理槽502内に投入される。その後、基板浸漬処理(図2BのステップS4〜S6)が実行される。但し、基板処理装置501には循環機構5(図1参照)が設けられていないので、基板浸漬処理では、処理槽502に貯留されている処理液は循環されない。その代わりに、基板浸漬処理中において、処理液ノズル561からの処理液の供給が断続的に続行される。基板浸漬処理では、処理液ノズル561の吐出口553から吐出される処理液の態様が、吐出口553と内槽7に貯留されている処理液の液面との双方に繋がる連続流状の態様をなしており、また、処理液ノズル561のノズル配管551内では、処理液が液密状態にある。
基板浸漬処理に並行して、ノズル配管551内を流通している処理液に、軟X線照射ユニット562から軟X線が照射される(図2BのステップS5)。
ノズル配管551内の処理液のうち軟X線が照射される部分(処理液の照射部分。図3に示す、第1実施形態に係る処理液の照射部分54と同等の部分)では、水分子の励起により当該水分子から電子が放出される。その結果、多量の電子と、水分子の多量の正イオンとが混在するプラズマ状態が、処理液の照射部分に形成される。
この場合、前述のように、ノズル配管551内で処理液が液密状態であり、かつ吐出口553から吐出される処理液の態様が、吐出口553と内槽7に貯留されている処理液の液面との双方に繋がる連続流状の態様をなしているので、内槽7に貯留されている処理液に浸漬されている基板Wと処理液の照射部分とが、内槽7に貯留されている処理液、前記の連続流状の処理液およびノズル配管551内の処理液を介して繋がっている。このとき、基板Wが正に帯電すると、処理液の照射部分と、正に帯電している基板Wとの間の電位差で、処理液の照射部分からの電子が基板Wに向けて、ノズル配管551内の処理液、前記の連続流状の処理液および内槽7に貯留されている処理液を介して移動する。これにより、基板Wに多量の電子が供給される結果、正に帯電している基板Wが除電される。
以上により、第5実施形態においても、第1実施形態で述べた作用効果と同等の作用効果を奏する。
なお、第5実施形態では、ノズル配管551内を流通している処理液に軟X線照射ユニット562から軟X線を照射する場合を例に挙げて説明したが、ノズル配管551内に内部が連通する配管に軟X線照射ユニット562を設け、当該配管内を流通している処理液に軟X線照射ユニット562からの軟X線を照射させるようにしてもよい。
図9は、本発明の第6実施形態に係る処理液処理装置が適用された基板処理装置601の構成を示す図である。
第6実施形態において、第1実施形態と共通する部分には、図1〜図3の場合と同一の参照符号を付し説明を省略する。第6実施形態に係る基板処理装置601が、第1実施形態に係る基板処理装置1と相違する点は、循環機構5(図1参照)を設けずに、外槽8から流出した処理液がドレイン配管519を通って廃液または回収される点、および外槽8に向けて処理液を吐出する処理液ノズル561を設けた点である。
処理液ノズル561は、たとえば、連続流の状態で液を吐出するストレートノズルであり、その吐出口553を外槽8の内部に向けた状態で配置されている。処理液ノズル561には、処理液ノズル561内を流通する処理液に軟X線を照射するための軟X線照射ユニット562が取り付けられている。処理液ノズル561および軟X線照射ユニット562に関する一連の構成は第5実施形態の場合と同一であるので、第5実施形態の場合と同一参照符号を付して説明を省略する。
基板処理装置601では、図2Bに示す処理例の場合と同様の処理が実施される。但し、基板処理装置601には循環機構5(図1参照)が設けられていないので、基板浸漬処理(図2BのステップS4〜S6)中に、処理槽502に貯留されている処理液が循環されない。その代わりに、基板浸漬処理中において、処理液ノズル3からの処理液の供給が断続的に続行される。内槽7の内部が処理液で満たされている状態で処理液ノズル3からさらに処理液が供給されることにより、余った処理液が内槽7の上端部からオーバーフローして(溢れて)外槽8に流れ込む。このとき、処理液の液塊(図5の処理液の液塊80と同様の液塊)が内槽7の上端部を乗り越える状態が常時続くから、内槽7に貯留されている処理液と外槽8に貯留されている処理液とが、処理液の液塊によって常時繋がっている。
基板浸漬処理に並行して、処理液バルブ514が開かれて、処理液ノズル561の吐出口553から処理液が外槽8の内部に向けて吐出される。処理液ノズル561の吐出口553から吐出される処理液の態様は、吐出口553と外槽8に貯留されている処理液の液面との双方に繋がる連続流状の態様をなしている。このとき、処理液ノズル561のノズル配管551内では、処理液が液密状態にある。
また、基板浸漬処理に並行して、ノズル配管551内を流通している処理液に、軟X線照射ユニット562から軟X線が照射される(図2BのステップS5)。
ノズル配管551内の処理液のうち軟X線が照射される部分(処理液の照射部分。図3に示す、第1実施形態に係る処理液の照射部分54と同等の部分)では、水分子の励起により当該水分子から電子が放出される。その結果、多量の電子と、水分子の多量の正イオンとが混在するプラズマ状態が、処理液の照射部分に形成される。
この場合、ノズル配管551内で処理液が液密状態であり、吐出口553から吐出される処理液の態様が、吐出口553と外槽8に貯留されている処理液の液面との双方に繋がる連続流状の態様をなしており、かつ内槽7に貯留されている処理液と外槽8に貯留されている処理液とが処理液の液塊によって常時繋がっているので、内槽7に貯留されている処理液に浸漬されている基板Wと処理液の照射部分とが、内槽7に貯留されている処理液、外槽8に貯留されている処理液、前記の連続流状の処理液およびノズル配管551内の処理液を介して繋がっている。このとき、基板Wが正に帯電すると、処理液の照射部分と、正に帯電している基板Wとの間の電位差で、処理液の照射部分からの電子が基板Wに向けて、ノズル配管551内の処理液、前記の連続流状の処理液、外槽8に貯留されている処理液および内槽7に貯留されている処理液を介して移動する。これにより、基板Wに多量の電子が供給される結果、正に帯電している基板Wが除電される。
以上により、第6実施形態においても、第1実施形態で述べた作用効果と同等の作用効果を奏する。
また、軟X線照射ユニット562の窓部材の外表面(窓部材71の外表面71B(図2A参照)に相当)から親水性皮膜(親水性皮膜38(図2参照)に相当)が剥がれると、当該窓部材に含まれるベリリウムが処理液に溶け出すおそれがある。このような場合であっても、ベリリウムを含む処理液がドレイン配管519を介して排液されるので、これにより、ベリリウムを含む処理液が基板Wに供給されるのを確実に回避することができる。
図10は、本発明の第7実施形態に係る処理液処理装置が適用された基板処理装置701の構成を示す図である。
第7実施形態において、第5実施形態と共通する部分には、図8の場合と同一の参照符号を付し説明を省略する。第7実施形態に係る基板処理装置701が、第5実施形態に係る基板処理装置501と相違する点は、複数枚の基板Wを一括して保持するカセット702ごと複数枚の基板Wを処理槽502内に浸漬させた点である。図10では図示していないが、基板処理装置701には、第5実施形態のリフター4や昇降機構22などの構成が設けられている。このリフター4によって、複数枚の基板Wが一括して保持されたカセット702が保持され、昇降される。
カセット702は、たとえば塩ビ(poly-vinyl-chloride)や、PTFE(poly tetra-fluoro ethylene)、PFA(perfluoro-alkylvinyl-ether-tetrafluoro-ethlene-copolymer)などの樹脂材料を用いて形成されている。
基板処理装置701では、処理槽502に処理液が溜められた後、複数枚の基板Wおよびカセット702が処理槽502内に投入される。その後、基板浸漬処理(図2BのステップS4〜S6)が実行される。
基板浸漬処理中には、第5実施形態の場合と同様、処理液ノズル561からの処理液の供給が断続的に続行される。基板浸漬処理では、処理液ノズル561の吐出口553から吐出される処理液の態様が、吐出口553と内槽7に貯留されている処理液の液面との双方に繋がる連続流状の態様をなしており、また、処理液ノズル561のノズル配管551内では、処理液が液密状態にある。
また、基板浸漬処理に並行して、ノズル配管551内を流通している処理液に、軟X線照射ユニット562から軟X線が照射される(図2BのステップS5)。ノズル配管551内の処理液のうち軟X線が照射される部分(処理液の照射部分。図3に示す、第1実施形態に係る処理液の照射部分54と同等の部分)に、前述のプラズマ状態が、処理液の照射部分に形成される。
この場合、前述のように、ノズル配管551内で処理液が液密状態であり、かつ吐出口553から吐出される処理液の態様が、吐出口553と内槽7に貯留されている処理液の液面との双方に繋がる連続流状の態様をなしているので、内槽7に貯留されている処理液に浸漬されている基板Wやカセット702と、処理液の照射部分とが、内槽7に貯留されている処理液、前記の連続流状の処理液およびノズル配管551内の処理液を介して繋がっている。このとき、基板Wやカセット702が正に帯電すると、処理液の照射部分と、正に帯電している基板Wやカセット702との間の電位差で、処理液の照射部分からの電子が基板Wやカセット702に向けて、ノズル配管551内の処理液、前記の連続流状の処理液および内槽7に貯留されている処理液を介して移動する。これにより、基板Wに多量の電子が供給される結果、正に帯電している基板Wが除電される。
また、カセット702の材質によっては、カセット702が負に帯電することも考えられるが、この場合、カセット702からの電子が、内槽7に貯留されている処理液、前記の連続流状の処理液およびノズル配管551内の処理液を介して、処理液の照射部分の正イオンに向けて移動する。これにより、カセット702から電子が除去される結果、負に帯電しているカセット702が除電される。
以上により、第7実施形態においても、第1実施形態で述べた作用効果と同等の作用効果を奏する。
また、処理液の浸漬処理時におけるカセット702の帯電をも防止できる。また、浸漬処理前からカセット702が帯電していても、その基板Wに帯びた電荷を除去(すなわち、除電)できる。
第1〜第7実施形態では、処理対象物を基板Wとする基板処理装置1,201,301,401,501,601に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、基板W以外を処理対象物とする処理液処理装置(物品洗浄装置)にも適用できる。
図11は、本発明の第8実施形態に係る処理液処理装置が適用された物品洗浄装置801の構成を示す図である。
物品洗浄装置801は、たとえばレンズLなどの光学部品を処理対象物とし、光学部品を、処理液(洗浄液)を用いて洗浄するための装置である。物品洗浄装置801は、処理槽502にレンズLを浸漬させることにより、当該レンズLを洗浄する。複数個のレンズLがカセット802に一括して収容された状態で、処理槽502内に浸漬される。物品洗浄装置801には、処理槽502に貯留されている処理液に超音波振動を発生させる超音波発生装置(図示しない)が設けられている。
超音波発生装置(図示しない)を設ける点を除いて、物品洗浄装置801の概略構成は、第7実施形態に係る基板処理装置701の構成と同等であるので、第8実施形態において、第7実施形態と共通する部分には、図10の場合と同一の参照符号を付し説明を省略する。
物品洗浄装置801では、レンズLおよびカセット802が処理槽502内に投入された後、処理槽502に処理液が溜められる。これにより、レンズLおよびカセット802が処理液に浸漬され、このような浸漬処理が予め定める期間の間続行されることによりレンズLが洗浄される。
浸漬処理中には、第5実施形態の場合と同様、処理液ノズル561からの処理液の供給が断続的に続行される。浸漬処理では、処理液ノズル561の吐出口553から吐出される処理液の態様が、吐出口553と内槽7に貯留されている処理液の液面との双方に繋がる連続流状の態様をなしており、また、処理液ノズル561のノズル配管551内では、処理液が液密状態にある。
また、浸漬処理に並行して、ノズル配管551内を流通している処理液に、軟X線照射ユニット562から軟X線が照射される(図2BのステップS5)。ノズル配管551内の処理液のうち軟X線が照射される部分(処理液の照射部分。図3に示す、第1実施形態に係る処理液の照射部分54と同等の部分)に、前述のプラズマ状態が、処理液の照射部分に形成される。
この場合、前述のように、ノズル配管551内で処理液が液密状態であり、かつ吐出口553から吐出される処理液の態様が、吐出口553と内槽7に貯留されている処理液の液面との双方に繋がる連続流状の態様をなしているので、内槽7に貯留されている処理液に浸漬されているレンズLやカセット802と、処理液の照射部分とが、内槽7に貯留されている処理液、前記の連続流状の処理液およびノズル配管551内の処理液を介して繋がっている。このとき、レンズLやカセット802が正に帯電すると、処理液の照射部分と、正に帯電しているレンズLやカセット802との間の電位差で、処理液の照射部分からの電子がレンズLやカセット802に向けて、ノズル配管551内の処理液、前記の連続流状の処理液および内槽7に貯留されている処理液を介して移動する。これにより、基板Wに多量の電子が供給される結果、正に帯電しているレンズLが除電される。
また、カセット802の材質によっては、カセット802が負に帯電することも考えられるが、この場合、カセット802からの電子が、内槽7に貯留されている処理液、前記の連続流状の処理液およびノズル配管551内の処理液を介して、処理液の照射部分の正イオンに向けて移動する。これにより、カセット802から電子が除去される結果、負に帯電しているカセット802が除電される。
以上により、第8実施形態によれば、処理液の浸漬処理時におけるレンズLの帯電を防止できる。また、浸漬処理前からレンズLが帯電していても、そのレンズLに帯びた電荷を除去(すなわち、除電)できる。
なお、前述の説明では複数個のレンズLがカセット802に収容された状態で処理液に浸漬されるとして説明したが、レンズLが直接(カセット802に収容されずに)処理液に浸漬されるようになっていてもよい。
また、光学部品としてレンズL(図11参照)を例に挙げて説明したが、ミラー、回折格子等の光学部品を収容する部品収容器を処理対象とすることができる。光学部品以外の部品を洗浄対象(処理対象)とすることもできる。
また、第8実施形態に係る物品洗浄装置801において、第1〜第4および第6実施形態の場合と同様の構成が採用されていてもよい。この場合、第1〜第4および第6実施形態で説明したものと同様の処理が施される。すなわち、処理槽2に貯留されている処理液に光学部品(レンズL)等の部品が浸漬され、それと並行して、当該処理槽2に貯留された処理液、または内部が処理槽2内に連通する配管16,19,423内に存在する処理液に、軟X線ユニット17,217,317,417からの軟X線が照射される。
図12は、本発明の第9実施形態に係る処理液処理装置が適用された物品洗浄装置901の構成を示す図である。
物品洗浄装置901は、たとえば基板収容器(収容器)602を処理対象物とし、基板収容器602を、処理液(洗浄液)を用いて洗浄するための装置である。物品洗浄装置901は、処理槽502に基板収容器602を浸漬させることにより、当該基板収容器602を洗浄する。
図13は、基板収容器602の構成を示す斜視図である。
図13に示すように、基板収容器602は、基板Wを密閉した状態で収容する容器である。基板収容器602の一例として、FOSB(Front Opening Shipping Box)を挙げることができる。FOSBは、専ら、半導体ウエハメーカから半導体装置メーカに、基板Wを納入するために用いられる。FOSBは、未処理の複数枚の基板Wを収容し、これらの基板Wの清浄度を維持しつつ、基板Wへの損傷を防止する。
基板収容器602は、側方に開口603Aを有する有底箱状の収容器本体603と、収容器本体603の開口603Aを開閉するための蓋604と、収容器本体603の内壁に取り付けられた多段の収容器支持棚606と、蓋604に取り付けられた多段の蓋支持棚605とを含む。開口603Aを介して収容器本体603の内部に対し、基板Wの出し入れが行われる。収容器本体603および蓋604は、それぞれ、たとえば塩ビ(poly-vinyl-chloride)等の樹脂材料を用いて形成されている。
図12に示すように物品洗浄装置901の概略構成は、第7実施形態に係る基板処理装置701の構成と同等であるので、第9実施形態において、第7実施形態と共通する部分には、図10の場合と同一の参照符号を付し説明を省略する。
基板処理装置901では、基板収容器602(収容器本体603)が処理槽502内に投入された後、処理槽502に処理液が溜められる。これにより、基板収容器602が処理液に浸漬され、このような浸漬処理が予め定める期間の間続行されることにより基板収容器602が洗浄される。
浸漬処理中には、第7実施形態の場合と同様、処理液ノズル561からの処理液の供給が断続的に続行される。浸漬処理では、処理液ノズル561の吐出口553から吐出される処理液の態様が、吐出口553と内槽7に貯留されている処理液の液面との双方に繋がる連続流状の態様をなしており、また、処理液ノズル561のノズル配管551内では、処理液が液密状態にある。
また、浸漬処理に並行して、ノズル配管551内を流通している処理液に、軟X線照射ユニット562から軟X線が照射される(図2BのステップS5)。ノズル配管551内の処理液のうち軟X線が照射される部分(処理液の照射部分。図3に示す、第1実施形態に係る処理液の照射部分54と同等の部分)に、前述のプラズマ状態が、処理液の照射部分に形成される。
この場合、前述のように、ノズル配管551内で処理液が液密状態であり、かつ吐出口553から吐出される処理液の態様が、吐出口553と内槽7に貯留されている処理液の液面との双方に繋がる連続流状の態様をなしているので、内槽7に貯留されている処理液に浸漬されている基板収容器602と、処理液の照射部分とが、内槽7に貯留されている処理液、前記の連続流状の処理液およびノズル配管551内の処理液を介して繋がっている。このとき、基板収容器602が正に帯電すると、処理液の照射部分と、正に帯電している基板収容器602との間の電位差で、処理液の照射部分からの電子が基板収容器602に向けて、ノズル配管551内の処理液、前記の連続流状の処理液および内槽7に貯留されている処理液を介して移動する。これにより、基板Wに多量の電子が供給される結果、正に帯電している基板収容器602(収容器本体603)が除電される。
また、基板収容器602の材質によっては、基板収容器602が負に帯電することも考えられるが、この場合、基板収容器602からの電子が、内槽7に貯留されている処理液、前記の連続流状の処理液およびノズル配管551内の処理液を介して、処理液の照射部分の正イオンに向けて移動する。これにより、基板収容器602から電子が除去される結果、負に帯電している基板収容器602が除電される。
以上により、第9実施形態によれば、処理液の浸漬処理時における基板収容器602の帯電を防止できる。また、浸漬処理前から基板収容器602が帯電していても、その基板収容器602に帯びた電荷を除去(すなわち、除電)できる。
なお、図12では、基板収容器602のうち収容器本体603を洗浄する場合を例に挙げて説明したが、蓋604や、支持棚605,606を洗浄する場合にも、同様に洗浄方法を採用することにより、蓋604や支持棚605,606の除電を図りつつ、蓋604や支持棚605,606に洗浄処理を施すことができる。
また、基板収容器602として、FOSBを例に挙げて説明したが、専ら、半導体ウエハメーカの工場内で基板Wを搬送するために用いられ、基板Wを密閉した状態で収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)を挙げることもできる。その他、基板収容器602として、SMIF(Standard Mechanical Interface)ポッドや、OC(Open Cassette)等の他の形態の基板収容器を例示することもできる。
また、収容器は、基板Wを収容するものに限られず、CD、DVD、ブルーディスク等の円盤状のメディアを収容するメディア収容器や、レンズL(図11参照)、ミラー、回折格子等の光学部品を収容する部品収容器を処理対象とすることができる。
また、第9実施形態に係る物品洗浄装置901において、第1〜第4および第6実施形態の場合と同様の構成が採用されていてもよい。この場合、第1〜第4および第6実施形態で説明したものと同様の処理が施される。すなわち、処理槽2に貯留されている処理液に基板収容器602等の収容器が浸漬され、それと並行して、当該処理槽2に貯留された処理液、または内部が処理槽2内に連通する配管16,19,423内に存在する処理液に、軟X線ユニット17,217,317,417からの軟X線が照射される。
次に、軟X線が照射された処理液(たとえば水)の供給によって、シリコンウエハ、ガラス基板、収容器等の処理対象物を除電できることを確認するための除電試験を行った。この除電試験の内容および結果について、以下説明する。
図14は、除電試験に用いられる試験装置651を説明するための図である。
試験装置651は、樹脂製の有底状の容器652と、容器652内で、帯電体Eを保持する帯電体保持台653と、帯電体保持台653に保持されている帯電体Eに対して、処理液を供給するための水供給ユニット654と、帯電体保持台653に保持されている帯電体Eを帯電させつつ、当該帯電体Eの帯電量を計測するための帯電プレートモニタ655と、帯電プレートモニタ655にて計測された帯電量を記録するためのレコーダ656とを含む。帯電プレートモニタ655は、帯電体Eと導通する金属プレート671を有している。帯電プレートモニタ655の一例としてイオンシステムズ社製CPM210を例示でき、また、レコーダ656の一例として日置電機株式会社製HIOKI8841を例示できる。
水供給ユニット654は、処理液ノズル661と、処理液ノズル661内を流通するDIW(処理液の一例)に軟X線を照射するための軟X線照射ユニット662と、処理液ノズル661に対し、DIWタンク670からのDIWを供給する処理液配管663とを含む。軟X線照射ユニット662は、処理液配管663に取り付けられている。処理液配管663には、処理液配管663の開閉および開度を調節するためのバルブ664が介装されている。
処理液ノズル661は、電離チャンバ665と、電離チャンバ665内にDIWを流入させるための入口666Aを有する流入口部666と、電離チャンバ665内を流通したDIWの出口667Aを有する流出口部667とを有する。電離チャンバ665は矩形扁平状に形成されており、電離チャンバ665の内部空間は、流通方向の長さ約100mm×流通方向の幅約5mm×流通方向の奥行約60mm の矩形空間に設定されている。
軟X線照射ユニット662は、第1実施形態に係る軟X線照射ユニット17と同等の構成を採用している。軟X線照射ユニット662は、第1実施形態に係る軟X線発生器25(図2参照)に相当する軟X線発生器を有している。この軟X線発生器として軟X線イオナイザー(L9490。浜松ホトニクス(株)製)を例示できる。軟X線照射ユニット662において、第2開口28(図2参照)に相当する丸型開口の直径はたとえば17mmである。
この除電試験では、計測対象の帯電体Eとして、角形の金属板(130mm×93 mm×厚み1mm)が用いられる。基板保持台653は、帯電体Eを、水平面に対し所定角度傾斜する傾斜姿勢に保持する。帯電体Eが基板保持台653によって保持された状態では、基板保持台653に含まれるPTFE(poly tetra-fluoro ethylene)製のブロック668により、帯電体Eが容器652と絶縁されている。帯電体Eの上端部と、出口667Aとの間の間隔は、たとえば55mmである。
この試験装置651において、以下の手順で実験を行う。
第1工程:バルブ664を調節して、処理液ノズル661の出口667AからDIW(この場合、導電率:1μS/cm以下)を、液滴状(非連続流状)で滴下させる。液滴状とは、液滴と次の液滴とが繋がらない状態をいう。
第2工程:帯電プレートモニタ655の金属プレート671を介して帯電体Eを帯電させ、軟X線照射ユニット662の軟X線発生器をオン/オフさせて、そのときに帯電体Eの電位が+/-4.5kV →+/-3.5kVまで減衰する時間(除電時間)を、帯電プレートモニタ655と、レコーダ656とを用いて計測した。
第3工程:次いで、バルブ664を調節して、処理液ノズル661の出口667AからDIWを一定流量(0.77L/minまたは0.08L/min)で連続流状(液柱状に流れている状態)で流下させる。このとき、処理液ノズル661の高さを可変とし、処理液ノズル661の出口667Aから帯電体Eの上端までの距離が、55mm、1000mmおよび3000mmである場合をそれぞれ計測した。距離が1000mmおよび3000mmの場合は、コイル状に巻回されたφ6×4mm塩化ビニールチューブを処理液ノズル661の先端に取り付けた。
第4工程:帯電プレートモニタ655の金属プレート671を介して容器652内の帯電体Eを帯電させ、軟X線発生器をオン/オフさせて、そのときに帯電体Eの電位がが+/-1kV →+/-0.1kVまで減衰する時間(除電時間)を、帯電プレートモニタ655と、レコーダ656とを用いて計測した。この実験結果を、表1〜表3に示す。
Figure 2014082472
DIWを液滴状に滴下した場合の実験結果を表1に示す。表1に示すように、軟X線発生器のオン/オフに拘らず、帯電体Eの電位が+/-4.5kV → +/-3.0kVまで減衰する時間(除電時間)がほぼ一定であった。表1に示す実験結果から、DIWを液滴状に滴下した場合は、帯電体Eがほとんど除電されていないことがわかる。
Figure 2014082472
DIWを連続流状に流下させた場合の実験結果を表2に示す。表2に示すように、DIWの流量が0.774L/minのときおよび0.08L/minのときの双方において、軟X線発生器のオンにより帯電体Eの電位が+/-1kV → +/-0.1kVまで減衰する時間(除電時間)が短くなった。この場合の除電時間は1秒間強である。表2に示す実験結果から、DIWを連続流状に流下させた場合には、除電性能が向上することがわかる。
Figure 2014082472
DIWを連続流状に流下させさせながら、処理液ノズル661の出口から帯電体Eまでの距離を変化させた場合の実験結果を表3に示す。表3に示すように、処理液ノズル661の出口から帯電体Eまでの距離が長くなるに従って、帯電体Eの電位が+/-1kV → +/-0.1kVまで減衰する時間(除電時間)が僅かに長くなるが、この距離が3000mmの場合であっても1〜2秒間で除電できる。このことから、処理液ノズル661の出口から帯電体Eまでの距離は、除電性能に大きな影響を及ぼさないことがわかる。
これらの実験結果から、軟X線照射ユニットが照射されているDIWの供給によって処理対象物を除電する除電原理は以下のように推定される。すなわち、軟X線照射により励起された水分子から電子が放出され、この照射部分は、軟X線により励起された水分子の正イオンと電子が混在したプラズマ状態になっている。
処理対象物が正に帯電しているときは、DIWの照射部分と帯電している処理対象物との間の電位差で、電離部の電子が正に帯電している処理対象物に向かって移動し、正に帯電している処理対象物は除電される。また、処理対象物が負に帯電しているときは、帯電している処理対象物から電離部の正イオンに向かって電子が移動し、負に帯電している処理対象物は除電される。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。
第1〜第7実施形態において、基板浸漬処理の後に処理槽2内の全ての処理液を排出し、処理液ノズル3から基板Wに処理後のシャワーリンスを行うようにしてもよい。この場合、浸漬処理後もなお基板Wに付着したままとなっている汚染物質を洗い流すことができる。
基板Wに再付着することは防止される。
また、第1〜第5実施形態において、図1、図4および図6に破線で示すように、循環機構5の循環配管12(帰還配管19)の途中部に、循環配管12を流れる処理液を加熱するためのヒータ25が介装されていてもよい。
また、第2〜第5実施形態において、循環機構5(図1参照)を設けない構成とすることもできる。この場合、処理槽2に貯留されている処理液は循環されず、外槽8に回収された処理液は、廃液または回収される。
また、第6〜第9実施形態において、循環機構5(図1参照)を設けた構成とすることもできる。この場合、処理槽2に貯留されている処理液が循環され、外槽8に回収された処理液は、再び処理槽2内へと供給される。
また、第8および第9実施形態では、浸漬処理に並行して、処理液に浸漬されている処理対象物をブラシで擦って洗浄する処理を並行して実行することもできる。
また、第1および第3〜第9実施形態において、外槽8は必須のものではない。とくに、処理槽2に貯留されている処理液を循環させない場合には、外槽8の構成を省くこともできる。
また、第1〜第9実施形態では、たとえば、窓部材71の外表面71Bを覆う親水性皮膜38として、親水性を有するDLC(Diamond Like Carbon)皮膜や、親水性を有するフッ素樹脂皮膜、炭化水素樹脂皮膜などを用いることができる。
また、窓部材71を、ポリイミド樹脂を用いて形成することもできる。この場合、窓部材71に軟X線を透過させることができる。また、ポリイミド樹脂は化学安定性に優れているので、窓部材71を長期にわたって使用し続けることができる。この場合、外表面71Bを親水性皮膜38で覆う必要はない。
また、第1〜第9実施形態においては、X線のなかでも比較的波長が長い「軟X線」を照射するものをX線照射手段として用いたが、これに限らず、比較的波長が短い「硬X線」(0.001nm〜0.1nm)を用いることもできる。この場合、装置のオペレータ等の人体に対する安全のため、例えば装置のオペレータ側の面を相当の厚みを有する鉛板で覆うなど、X線の装置外への漏洩を遮蔽する遮蔽構造を設けるか、あるいはX線照射時におけるオペレータの装置周辺への立ち入りを禁止するなどの対応をとることが望ましい。なお、各実施形態にある軟X線を照射するものを用いれば、硬X線を照射するものとくらべ、装置が小型で安価ですみ、また人体等に対する遮蔽も比較的容易である。
また、第5〜第9実施形態において、軟X線照射ユニット562による軟X線の照射に併せて、電源557の電極556に対し電圧を印加するようにしてもよい。この場合、たとえば電極556は正電荷に帯電されることが好ましい。この場合、電極556の正電荷によって、軟X線の照射により処理液の照射部分中に発生した電子は、電極556側に引っ張られ、電極556のあるノズル配管551の先端部まで移動するようになる。すなわち、多量の電子を、処理液ノズル561の吐出口553に向けて引っ張ることができる。これにより、基板W側への電子の移動を促進させることができる。
なお、基板Wとして、半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板を例に挙げて説明したが、基板Wにはその他に、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、OLED(有機エレクトロルミネッセンス)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などの基板が含まれる。また、基板の材質としては、シリコンやガラスの他、SiC、石英、サファイヤ、プラスチック、セラミック等を例示することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 基板処理装置(処理液処理装置)
2 処理槽
7 内槽
8 外槽
16 分岐配管(処理液供給配管)
17 軟X線照射ユニット(X線照射手段)
19 帰還配管(オーバーフロー配管)
25 軟X線発生器(X線発生器)
26 カバー
27 気体ノズル(気体供給手段)
35 照射窓
37 気体バルブ(気体供給手段)
38 親水性皮膜(皮膜)
52 開口
71 窓部材
71B 外表面(壁面)
201 基板処理装置(処理液処理装置)
217 軟X線照射ユニット(X線照射手段)
301 基板処理装置(処理液処理装置)
307 内槽
317 軟X線照射ユニット(X線照射手段)
321 開口
401 基板処理装置(処理液処理装置)
407 内槽
417 軟X線照射ユニット(X線照射手段)
421 開口
423 配管
602 基板収容器(処理対象物)
L レンズ(処理対象物)
W 基板(処理対象物)

Claims (13)

  1. 処理液中に処理対象物を浸漬して処理を行う処理液処理装置であって、
    処理液を貯留し、その処理液中に処理対象物を浸漬させる処理槽と、
    前記処理槽に貯留された処理液、または処理液が内部を流通可能な配管であって、当該内部が前記処理槽内に連通する配管内に存在する処理液に、X線を照射するX線照射手段とを含む、処理液処理装置。
  2. 前記配管の管壁または前記処理槽の壁は、開口を有し、
    前記開口は、X線が透過可能な材料を用いて形成された窓部材にて閉塞されており、
    前記X線照射手段は、前記窓部材を介してX線を照射する、請求項1に記載の処理液処理装置。
  3. 前記窓部材は、ベリリウムまたはポリイミド樹脂を用いて形成されている、請求項2記載の処理液処理装置。
  4. 前記窓部材における処理液が存在する側の壁面は、皮膜によりコーティングされている、請求項2または3に記載の処理液処理装置。
  5. 前記皮膜は、ポリイミド樹脂、ダイヤモンドライクカーボン、フッ素樹脂および炭化水素樹脂のうちの1つ以上の材質を含む皮膜である、請求項4に記載の処理液処理装置。
  6. 前記X線照射手段は、前記窓部材に対向して配置される照射窓を有し、X線を発生するとともに、発生したX線を前記照射窓から照射するX線発生器を含む、請求項2〜5のいずれか一項に記載の処理液処理装置。
  7. 前記X線照射手段は、
    前記X線発生器の周囲を、当該X線発生器と間隔を空けて取り囲むカバーと、
    前記カバーの内部に気体を供給する気体供給手段とをさらに含む、請求項6に記載の処理液処理装置。
  8. 前記配管は、前記処理槽内と連通し、前記処理槽内に処理液を供給するための処理液供給配管を含み、
    前記X線照射手段は、前記処理液供給配管を流通している処理液に前記X線を照射する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の処理液処理装置。
  9. 前記処理槽は、処理液を貯留し、その処理液中に処理対象物を浸漬させる内槽と、 前記内槽から溢れる処理液を回収する外槽とを含み、
    前記配管は、前記外槽に回収された処理液が流通するオーバーフロー配管を含み、
    前記X線照射手段は、前記オーバーフロー配管内を流通している処理液に前記X線を照射する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の処理液処理装置。
  10. 前記処理槽は、処理液を貯留し、その処理液中に処理対象物を浸漬させる内槽と、 前記内槽から溢れる処理液を回収する外槽とを含み、
    前記X線照射手段は、前記内槽に貯留されている処理液に前記X線を照射する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の処理液処理装置。
  11. 前記処理槽は、処理液を貯留し、その処理液中に処理対象物を浸漬させる内槽と、 前記内槽から溢れる処理液を回収する外槽とを含み、
    前記配管は、前記内槽内に内部が連通する配管を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の処理液処理装置。
  12. 処理槽に貯留された処理液中に処理対象物を浸漬させる処理対象物浸漬工程と、
    前記処理対象物浸漬工程に並行して、前記処理槽に貯留された処理液、または処理液が内部を流通可能な配管であって、当該内部が前記処理槽内に連通する配管内に存在する処理液に、X線を照射するX線照射工程とを含む、処理液処理方法。
  13. 処理槽に貯留された処理液中に処理対象物を浸漬させる処理対象物浸漬工程と、
    前記処理対象物浸漬工程に並行して、前記処理槽内に向けて吐出口から処理液を吐出させる処理液吐出工程と、
    前記処理液吐出工程に並行して、前記吐出口に連通する配管の内部に存在する処理液にX線を照射するX線照射工程とを含み、
    前記処理液吐出工程では、前記吐出口と前記処理槽に溜められている処理液の液面との間で処理液が液状に繋がっている、処理液処理方法。
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