JP2014082471A - 処理液供給装置、基板処理装置、処理液供給方法および基板処理方法 - Google Patents

処理液供給装置、基板処理装置、処理液供給方法および基板処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】処理対象物の帯電防止または除電を図りつつ、当該処理対象物に処理液を供給できる処理液供給装置および処理液供給方法を提供すること。基板の帯電防止または除電を図りつつ、当該基板に、処理液を用いた処理を施すことができる基板処理装置および基板処理方法を提供することである。
【解決手段】基板処理装置1は、基板Wを水平姿勢に保持して回転させるスピンチャック4と、スピンチャック4に保持されている基板Wの表面(上面)に対向して配置されて、基板Wの表面に水の一例としてのDIW(脱イオン水)を供給するとともに、基板Wの表面に軟X線を照射するための一体型ヘッド6とを備えている。一体型ヘッド6は、鉛直方向に延びる水ノズル61と、水ノズル61に向けて横向きに軟X線を照射するための軟X線照射ユニット62とを一体的に備えた構成である。水ノズル61には、DIW供給源からのDIWが供給される水供給配管13が接続されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、処理液供給装置、基板処理装置、処理液供給方法および基板処理方法に関する。処理液を用いた処理の対象物(処理対象物)には、基板や収容器等が含まれる。処理対象物として用いられる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、OLED(有機エレクトロルミネッセンス)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などの基板が含まれる。
半導体装置や液晶表示装置の製造工程では、半導体ウエハや液晶表示パネル用ガラス基板などの基板の表面に処理液を供給して、その基板の表面を処理液で洗浄する処理などが行われる。
たとえば、基板を1枚ずつ処理する枚葉式の洗浄処理を実施する基板処理装置は、複数本のチャックピンで基板をほぼ水平に保持しつつ、その基板を回転させるスピンチャックと、このスピンチャックによって回転される基板の表面に処理液を供給するための処理液ノズルとを備えている。
基板の処理に際しては、スピンチャックによって基板が回転される。そして、ノズルから回転中の基板の表面に薬液が供給される。基板の表面上に供給された薬液は、基板の回転による遠心力を受けて、基板の表面上を周縁に向けて流れる。これによって、基板の表面の全域に薬液が行き渡り、基板の表面に対する薬液による処理が達成される。そして、この薬液による処理後には、基板に付着した薬液を純水で洗い流すためのリンス処理が行われる。すなわち、処理液ノズルからスピンチャックによって回転されている基板の表面に純水が供給されて、その純水が基板の回転による遠心力を受けて拡がることにより、基板の表面に付着している薬液が洗い流される。このリンス処理後は、スピンチャックによる基板の回転速度が上昇されて、基板に付着している純水を振り切って乾燥させるスピンドライ処理が行われる。
特開2005−191511号公報
ところが、このような従来の基板処理装置では、リンス処理時に、回転状態の基板の表面と純水との間に接触分離が生じ、基板が流動帯電することがあった。基板がガラス基板やシリコンウエハである場合には、基板が正に帯電する。基板が電荷を帯びると、その電荷の放電が生じたときに、基板の表面に形成されるデバイスの破壊を生じるおそれがある。
洗浄処理(リンス処理)時における帯電防止の課題は、処理対象物が基板である場合に限られず、処理対象物が収容器等である場合にも共通する課題である。
そこで、この発明の目的は、処理対象物の帯電防止または除電を図りつつ、当該処理対象物に処理液を供給できる処理液供給装置および処理液供給方法を提供することである。
また、この発明の他の目的は、基板の帯電防止または除電を図りつつ、当該基板に、処理液を用いた処理を施すことができる基板処理装置および基板処理方法を提供することである。
前記の目的を達成するための請求項1に記載の発明は、吐出口(53;202A;216;276;306A;409A;531A)から処理液を吐出して、この処理液を処理対象物(W;232;262;602)に供給するための処理液供給装置(100;200;220;230;250;260;300;310;400;500;600)であって、処理液が内部を流通可能な第1配管(51;51A,204;222;307;312;410;533)であって、当該内部が前記吐出口に連通する第1配管と、前記第1配管内に存在する処理液に、X線を照射するX線照射手段(62;203;223;309;319;412;534)とを含む、処理液供給装置である。
なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符合を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を実施形態に限定する趣旨ではない。
この構成によれば、第1配管内に存在している処理液にX線が照射される。また、第1配管の内部に連通する吐出口から吐出された処理液が処理対象物に供給される。処理液のうちX線が照射される部分(以下、「処理液の照射部分」という。)では、水分子の励起により当該水分子から電子が放出され、その結果、水分子の正イオンと電子とが混在するプラズマ状態が形成される。
吐出口から吐出された処理液は、処理対象物に供給され、当該処理対象物に接液する。以下、吐出口から吐出される処理液が、吐出口と処理対象物との間で液状に繋がっている場合について考える。この場合、処理対象物と処理液の照射部分とが、処理液を介して繋がっている。
このとき、処理対象物が正に帯電すると、処理液の照射部分と、正に帯電している処理対象物との間の電位差で、処理液の照射部分からの電子が、処理対象物に接液している処理液に向けて、液状に繋がっている処理液を伝って移動する。これにより、処理対象物に接液している処理液が多量の電子を有するようになるので、正に帯電している処理対象物が除電される。
一方、処理対象物が負に帯電すると、処理対象物からの電子が、処理液の照射部分の正イオンに向けて、液状に繋がっている処理液を伝って移動する。これにより、負に帯電している処理対象物が除電される。
したがって、処理液の供給時における処理対象物の帯電の発生を防止できる。
また、処理液の供給前から処理対象物が正または負に帯電している場合にも、前述した原理により、液状に繋がっている処理液を介して、当該処理対象物を除電できる。
以上により、処理対象物の帯電防止または除電を図りつつ、当該処理対象物に処理液を供給することができる。
なお、本明細書および特許請求の範囲において「X線」とは0.001nm〜10nm程度の波長を有する電磁波をいい、波長が比較的長い「軟X線」(0.1nm〜10nm程度)と、波長が比較的短い「硬X線」(0.001nm〜0.1nm程度)とを含む趣旨である。
請求項2に記載の発明は、前記第1配管は、その管壁に開口(52;52A)を有し、前記開口は、X線が透過可能な材料を用いて形成された窓部材(71)にて閉塞されており、前記X線照射手段は、前記第1配管内に存在している処理液に、前記窓部材を介してX線を照射する、請求項1に記載の処理液供給装置である。
この構成によれば、X線が透過可能な材料を用いて、窓部材が形成されている。そして、X線照射手段から照射されたX線は、窓部材を介して、前記第1配管内に存在する処理液に照射される。これにより、処理液の照射部分において、水分子の正イオンと電子とが混在するプラズマ状態を、良好に形成できる。
請求項3に記載のように、前記窓部材は、ベリリウムまたはポリイミド樹脂を用いて形成されていてもよい。
ベリリウムのような原子量の小さい物質であれば、透過力の弱いX線でも透過できる。したがって、ベリリウムを用いて窓部材を形成することにより、窓部材をX線に透過させることができる。
また、窓部材がポリイミド樹脂を用いて形成される場合、窓部材にX線を透過させることができる。また、ポリイミド樹脂は化学安定性に優れているので、窓部材を長期にわたって使用し続けることができる。
また、窓部材における処理液が存在する側の壁面は、親水性であることが好ましい。この場合、当該壁面と処理液との間に気泡が混入するのを、抑制または防止することができる。これにより、第1配管に存在する処理液に対してX線を良好に照射することができる。
請求項4に記載のように、前記窓部材における処理液が存在する側の壁面(71B)は、皮膜(38)によりコーティングされていてもよい。これにより、照射窓を保護することができる。とくに、窓部材が耐酸性の劣るベリリウムを用いて形成されている場合、窓部材を酸性の処理液から良好に守ることができる。
この皮膜は、親水性材料を用いて形成されていることが好ましい。この場合、当該皮膜と処理液との間に気泡が混入するのを、抑制または防止することができる。これにより、第1配管に存在する処理液に対してX線を良好に照射することができる。
この場合、請求項5に記載のように、前記皮膜は、ポリイミド樹脂、ダイヤモンドライクカーボン、フッ素樹脂および炭化水素樹脂のうちの1つ以上の材質を含む皮膜であってもよい。
請求項6記載の発明は、前記X線照射手段は、前記窓部材に対向して配置される照射窓(35)を有し、X線を発生するとともに、発生したX線を前記照射窓から照射するX線発生器(25)を含む、請求項2〜5のいずれか一項に記載の処理液供給装置である。
この構成によれば、X線発生器によって発生されたX線が、X線発生器の照射窓から第1配管内を流通している処理液に照射される。
請求項7に記載の発明は、前記X線照射手段は、前記X線発生器の周囲を、当該X線発生器と間隔を空けて取り囲むカバー(26)と、前記カバーの内部に気体を供給する気体供給手段(27,37)とをさらに含む、請求項6に記載の処理液供給装置である。
この構成によれば、X線発生器の駆動により当該X線発生器が発熱するおそれがある。カバー内に気体を供給することにより、X線発生器を冷却し、X線発生器の周囲雰囲気の昇温を抑制することができる。
請求項8に記載のように、前記第1配管は、前記吐出口に向けて処理液が内部を流通する処理液配管(51;51A;204;307;410;533)を含み、前記X線照射手段(62;203;309;412;534)は、前記第1配管内を流通している処理液に前記X線を照射していてもよい。
また、請求項9に記載のように、前記吐出口に向けて処理液が内部を流通する処理液配管(204;307)をさらに含み、前記第1配管は、前記処理液配管から分岐する分岐配管(222;312)を含んでいてもよい。この場合、分岐配管に存在する処理液に前記X線が照射される。
また、請求項10に記載の発明は、前記吐出口に配置され、当該吐出口から吐出される処理液が伝って流れることが可能な繊維状物質(65)をさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の処理液供給装置である。
この構成によれば、吐出口から吐出される処理液が繊維状物質を伝って流れるので、吐出口からの処理液の吐出流量が少流量である場合でも、吐出口から吐出される処理液の態様を、当該吐出口と前記処理対象物との双方に繋がる連続流状とすることができる。したがって、簡単な構成で、処理対象物と処理液の照射部分とを処理液を介して繋げることができる。
吐出口からの処理液の吐出により、処理対象物に処理液の液膜が形成される場合、繊維状物質の先端は、当該処理液の液膜または処理対象物に接触していてもよい。この場合、吐出口から吐出される処理液の態様を、前記のような連続流状に維持し易い。
請求項11記載の発明は、前記第1配管における前記X線の照射位置(52;52A)よりも、処理液流通方向の下流側に配置された電極(56)と、前記電極に対して電圧を印加する電源(57)とをさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の処理液供給装置である。
この構成によれば、第1配管内に存在している処理液に対するX線の照射に併せて、電源が電極に対し電圧を印加する。電極への電圧の印加により、電極に、正電荷や負電荷を発生させることができる。
電極に正電荷を発生させることにより、処理液の照射部分(プラズマ状態)に存在する電子が、電極の正電荷に引っ張られて電極に向けて移動する。これにより、基板側に向かう電子の移動を促進させることができる。
請求項12に記載のように、前記電極は、前記第1配管の先端部に配置されていてもよい。
この構成によれば、電極が第1配管の先端部に配置されている。そのため、処理液の照射部分(プラズマ状態)に存在する電子が、電極の正電荷に引っ張られて、第1配管の先端部まで移動する。すなわち、多量の電子を、第1配管の先端部まで引っ張ることができる。これにより、基板側に向かう電子の移動をより一層促進させることができる。
請求項13に記載の発明は、前記第1配管において、前記X線の前記照射位置における処理液の有無を検出するための処理液検出手段(101)と、前記照射位置に処理液が存在するときには、前記X線照射手段によるX線の照射を実行するとともに、前記照射位置に処理液が存在しないときには、前記X線照射手段によるX線の照射を行わないX線照射制御手段(40)とをさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の処理液供給装置である。
第1配管におけるX線の照射位置に処理液が存在しない状態でX線が照射されると、当該X線が第1配管外に漏れるおそれがある。
この構成によれば、第1配管におけるX線の照射位置に処理液が存在しないときには、当該X線の照射位置に対するX線の照射が禁止される。これにより、第1配管外へのX線の漏れを抑制または防止できる。
請求項14に記載の発明は、基板(W)を保持する基板保持手段(4;402;504)と、請求項1〜13のいずれか一項に記載の処理液供給装置(100;200;220;230;250;260;300;310;400;500;600)とを含み、前記吐出口から吐出された処理液を前記基板の主面に供給する、基板処理装置(1;201;211;221;231;251;261;301;311;401;501)である。
この構成によれば、処理液供給装置の第1配管内に存在している処理液にX線が照射される。また、第1配管の内部に連通する吐出口から吐出された処理液が基板の主面に供給される。処理液の照射部分では、水分子の励起により当該水分子から電子が放出され、その結果、水分子の正イオンと電子とが混在するプラズマ状態が形成される。
吐出口から吐出された処理液は、基板の主面に供給され、当該基板の主面に接液する。以下、吐出口から吐出される処理液が、吐出口と基板の主面との間で液状に繋がっている場合について考える。この場合、基板の主面と処理液の照射部分とが、処理液を介して繋がっている。
このとき、基板が正に帯電すると、処理液の照射部分と、正に帯電している基板との間の電位差で、処理液の照射部分からの電子が、基板に接液している処理液に向けて、液状に繋がっている処理液を伝って移動する。これにより、基板に接液している処理液が多量の電子を有するようになるので、正に帯電している基板が除電される。
これにより、処理液との接触分離による基板の帯電を生じない。したがって、処理液の供給時における基板の帯電の発生を防止できる。
また、処理液の供給前から基板が正に帯電している場合にも、前述した原理により、液状に繋がっている処理液を介して、当該処理対象物を除電できる。その結果、基板の帯電に起因するデバイス破壊を防止できる。
以上により、基板の帯電防止または除電を図りつつ、当該基板に、処理液を用いた処理を施すことができる。
請求項15に記載の発明は、前記基板保持手段は、基板を水平姿勢に保持しつつ、鉛直な所定の回転軸線(C)周りに回転させる基板保持回転手段(4)を含み、前記基板処理装置は、前記基板保持回転手段の周囲を包囲する筒状の液受け部材(17)をさらに含み、前記処理液供給装置は、前記吐出口に向けて処理液が内部を流通する処理液配管(204;307)をさらに含み、前記処理液供給装置の前記第1配管は、前記処理液配管から分岐する分岐配管(222;312)を含み、前記分岐配管は、前記液受け部材に向けて処理液を吐出するための液受け用吐出口(224A;313A)を有する、請求項14に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、液受け用吐出口から液受け部材に向けて処理液を吐出させながら、分岐配管内を流通している処理液に対し、X線照射手段からX線を照射させる。分岐配管内における処理液の照射部分では、水分子の正イオンと電子とが混在するプラズマ状態が形成される。
液受け用吐出口から吐出された処理液は、液受け部材に供給され、当該液受け部材に接液する。液受け用吐出口から吐出される処理液が、液受け用吐出口と液受け部材との間で液状に繋がっている場合には、液受け部材と処理液の照射部分とが、処理液を介して繋がっている。
このとき、液受け部材が正に帯電していると、処理液の照射部分と、正に帯電している液受け部材との間の電位差で、処理液の照射部分からの電子が、液受け部材に接液している処理液に向けて、液状に繋がっている処理液を伝って移動する。これにより、液受け部材に接液している処理液が多量の電子を有するようになるので、正に帯電している液受け部材が除電される。
一方、液受け部材が負に帯電していると、液受け部材からの電子が、処理液の照射部分の正イオンに向けて、液状に繋がっている処理液を伝って移動する。これにより、負に帯電している液受け部材が除電される。
したがって、基板の帯電防止や除電だけではなく、液受け部材の帯電の発生防止を図ることができる。
請求項16に記載の発明は、前記基板保持手段は、基板を水平姿勢に保持しつつ、鉛直な所定の回転軸線(C)周りに回転させる基板保持回転手段(402)を含み、前記基板保持回転手段は、前記基板の下面の少なくとも一部と接触して、当該基板を水平姿勢に支持する支持部材(405,406)を有し、前記支持部材は多孔質材料を用いて形成されており、前記吐出口から吐出された処理液が前記支持部材に供給される、請求項14または15に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、支持部材に供給された処理液は、当該支持部材の内部に含浸される。支持部材の内部に含浸されている処理液が、支持部材から染み出して、支持部材上に処理液の液膜を形成する。この処理液の液膜が基板の下面(下側の主面)に接液することにより、基板の下面が処理される。
このとき、吐出口から吐出される処理液が、当該吐出口と支持部材との双方に繋がる連続流状をなしている場合、支持部材の内部に含浸されている処理液を介して吐出口と基板の下面とが液状に繋がっており、そのため、基板の下面と処理液の照射部分とが、処理液を介して繋がっている。
これにより、基板の帯電防止や除電を図りつつ、当該基板の下面に処理液を用いた処理を施すことができる。
請求項17に記載の発明は、前記基板保持手段は、前記基板を保持しながら、当該基板を所定の搬送方向(X)に向けて搬送する基板保持搬送手段(504)を含む、請求項14に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、吐出口から吐出された処理液が、基板保持搬送手段によって搬送される基板の主面(上側の主面(上面))に供給され、当該基板の主面(上面)に接液する。
吐出口から吐出される処理液が、吐出口と基板の主面との間で液状に繋がっている場合について考える。この場合、基板の主面と処理液の照射部分とが、処理液を介して繋がっている。
このとき、基板が正に帯電すると、処理液の照射部分と、正に帯電している基板との間の電位差で、処理液の照射部分からの電子が、基板に接液している処理液に向けて、液状に繋がっている処理液を伝って移動する。これにより、基板に接液している処理液が多量の電子を有するようになるので、正に帯電している基板が除電される。
この場合、請求項18に記載のように、前記基板保持搬送手段は、前記基板を、前記搬送方向に沿い、かつ水平面に対し傾斜する姿勢に保持しつつ搬送されていることが好ましい。
この構成によれば、基板が傾斜姿勢に保持されているので、吐出口から吐出された処理液は基板上を傾斜面に沿って流れる。そのため、処理液が基板上に滞留することがないから、処理液の重量によって、基板の所定の一箇所に荷重が集中するのを防止または抑制できる。また、処理液は基板上をスムーズに流れるから、広範囲に広がる処理液の液膜を基板の上面に形成することができる。これにより、基板の広範囲において、帯電防止や除電を図ることができる。
請求項19に記載の発明は、処理液供給装置(100;200;220;230;250;260;300;310;400;500;600)の吐出口(53;202A;216;306A;409A;531A)から処理液を吐出させ、この処理液を処理対象物(W;232;262;602)に供給する処理液供給方法であって、前記吐出口を、前記処理対象物に対向して配置する対向配置工程と、前記吐出口に連通する第1配管(51;51A;204;222;307;312;410;533)の内部に存在する処理液にX線を照射するX線照射工程と、前記X線照射工程と並行して、前記吐出口から処理液を吐出させる処理液吐出工程とを含み、前記処理液吐出工程では、前記吐出口と前記処理対象物との間で処理液が液状に繋がっている、処理液供給方法である。
この方法によれば、第1配管内に存在している処理液にX線が照射される。また、第1配管の内部に連通する吐出口から吐出された処理液が処理対象物に供給される。処理液のうちX線が照射される部分では、水分子の励起により当該水分子から電子が放出され、その結果、水分子の正イオンと電子とが混在するプラズマ状態が形成される。
吐出口から吐出される処理液は、吐出口と処理対象物との間で液状に繋がっている。この場合、処理対象物と処理液の照射部分とが、処理液を介して繋がっている。
このとき、処理対象物が正に帯電すると、処理液の照射部分と、正に帯電している処理対象物との間の電位差で、処理液の照射部分からの電子が、処理対象物に接液している処理液に向けて、液状に繋がっている処理液を伝って移動する。これにより、処理対象物に接液している処理液が多量の電子を有するようになるので、正に帯電している処理対象物が除電される。
一方、処理対象物が負に帯電すると、処理対象物からの電子が、処理液の照射部分の正イオンに向けて、液状に繋がっている処理液を伝って移動する。これにより、負に帯電している処理対象物が除電される。
したがって、処理液の供給時における処理対象物の帯電の発生を防止できる。
また、処理液の供給前から処理対象物が正または負に帯電している場合にも、前述した原理により、液状に繋がっている処理液を介して、当該処理対象物を除電できる。
以上により、処理対象物の帯電防止または除電を図りつつ、当該処理対象物に処理液を供給することができる。
この場合、請求項20に記載のように、前記処理液吐出工程では、前記吐出口から吐出される処理液が、当該吐出口と前記処理対象物との双方に繋がる連続流状をなしていることが好ましい。この場合、処理対象物と処理液の照射部分とを処理液を介して、簡単に繋げることができる。
前記処理対象物は、請求項21に記載のように内部を液が流通する第2配管(232;262)であってもよいし、請求項22に記載のように物品を収容するための収容器(602)であってもよい。
請求項23に記載の発明は、処理液供給装置(100;200;220;230;250;260;300;310;400;500)の吐出口(53;202A;216;306A;409A;531A)から吐出される処理液を用いて基板(W)を処理する基板処理方法であって、前記吐出口を、基板保持手段(4;402;504)に保持されている基板の主面に対向して配置する対向配置工程と、前記吐出口に連通する第1配管(51;51A,204;222;307;312;410;533)の内部に存在する処理液にX線を照射するX線照射工程と、前記X線照射工程と並行して、前記吐出口から処理液を吐出させる処理液吐出工程とを含み、前記処理液吐出工程では、前記吐出口と前記基板の主面との間で処理液が液状に繋がっている、基板処理方法である。
この方法によれば、第1配管内に存在している処理液にX線が照射される。また、第1配管の内部に連通する吐出口から吐出された処理液が基板の主面に供給される。処理液のうちX線が照射される部分では、水分子の励起により当該水分子から電子が放出され、その結果、水分子の正イオンと電子とが混在するプラズマ状態が形成される。
吐出口から吐出された処理液は、基板の上面に供給され、当該基板の上面に接液する。吐出口から吐出される処理液は、吐出口と基板の主面との間で液状に繋がっている。この場合、基板の主面と処理液の照射部分とが、処理液を介して繋がっている。
このとき、基板が正に帯電すると、処理液の照射部分と、正に帯電している基板との間の電位差で、処理液の照射部分からの電子が、基板に接液している処理液に向けて、液状に繋がっている処理液を伝って移動する。これにより、基板に接液している処理液が多量の電子を有するようになるので、正に帯電している基板が除電される。
これにより、処理液との接触分離による基板の帯電を生じない。したがって、処理液の供給時における基板の帯電の発生を防止できる。
また、処理液の供給前から基板が正に帯電している場合にも、前述した原理により、液状に繋がっている処理液を介して、当該処理対象物を除電できる。その結果、基板の帯電に起因するデバイス破壊を防止できる。
以上により、基板の帯電防止または除電を図りつつ、当該基板に、処理液を用いた処理を施すことができる。
この場合、請求項24に記載のように、前記処理液吐出工程では、前記吐出口から吐出される処理液が、当該吐出口と前記基板の主面との双方に繋がる連続流状をなしていることが好ましい。これにより、基板の主面と処理液の照射部分とを処理液を介して、簡単に繋げることができる。
請求項25に記載の発明は、前記基板は、前記基板保持手段によって水平姿勢に保持されており、前記対向配置工程は、前記吐出口を、前記基板保持手段に保持されている基板の上面に対向するように配置する工程を含む、請求項23または24に記載の基板処理方法である。
この方法によれば、吐出口から吐出された処理液は、基板の上面に供給され、当該基板の上面に接液する。吐出口から吐出される処理液が、吐出口と基板上面との間で液状に繋がっており、処理対象物と処理液の照射部分とが、処理液を介して繋がっている。そのため、基板の上面が正に帯電すると、処理液の照射部分と、正に帯電している基板の上面との間の電位差で、処理液の照射部分からの電子が、基板の上面に接液している処理液に向けて、液状に繋がっている処理液を伝って移動する。これにより、基板の上面に接液している処理液が多量の電子を有するようになるので、正に帯電している基板の上面を除電できる。
請求項26に記載の発明は、前記基板は、前記基板保持手段によって水平姿勢に保持されており、前記対向配置工程は、前記吐出口を、前記基板保持手段に保持されている基板の下面に対向するように配置する工程を含み、前記基板処理方法は、前記処理液吐出工程に並行して実行され、前記基板を、鉛直な所定の回転軸線(C)まわりに回転させる基板回転工程と、前記処理液吐出工程および前記基板回転工程に並行して、前記基板の上面に処理液を供給する上面処理液供給工程とをさらに含む、請求項23または24に記載の基板処理方法である。
この方法によれば、吐出口から吐出された処理液は、基板の下面に供給され、当該基板の下面に接液する。基板の下面に接液した処理液は、基板の下面を伝って周縁部へと拡がり、基板の下面の全域に処理液の液膜が形成される。基板の下面の周縁部に至った処理液は、基板の周端面を回り込んで基板の上面の周縁部に至る。
また、基板の上面に処理液が供給される。基板に供給された処理液は、基板の回転による遠心力を受けて、基板の上面を周縁部に向けて拡がり、これにより、基板の上面の全域に処理液の液膜が形成される。そして、基板下面側から回り込んできた処理液が、基板上面側の処理液の液膜に合流し、その結果、基板上面側の処理液の液膜と、基板下面側の処理液の液膜とが繋がるようになる。
これにより、基板の上面と基板の下面の双方が、処理液の照射部分を処理液を介して繋がるようになる。ゆえに、基板の上下両面の帯電防止や除電を図ることができる。
請求項27に記載の発明は、前記処理液吐出工程の終了後に実行される液切り処理または乾燥処理に並行して実行され、前記基板の主面にX線を照射する第2X線照射工程をさらに含む、請求項23〜26のいずれか一項に記載の基板処理方法である。
この方法によれば、液切り処理または乾燥処理により、基板の主面から処理液が除去される。処理液が除去された直後の基板の主面にX線が照射される。これにより、基板の帯電防止および除電を、より一層確実に達成できる。
本発明の第1実施形態に係る基板処理装置の構成を示す図である。 図1に示す一体型ヘッドの図解的な縦断面図である。 図1に示す基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。 図1に示す基板処理装置において実行される処理例を示す工程図である。 水ノズル内への軟X線の照射状態を示す図解的な断面図である。 基板にリンス処理を施している状態を示す図である。 図4に示す処理例の変形例を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る一体型ヘッドの構成を模式的に示す図である。 図8の切断面線IX−IXから見た断面図である。 本発明の第3実施形態に係る一体型ヘッドの構成を説明するための図である。 本発明の第4実施形態に係る基板処理装置の構成を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る基板処理装置の構成を示す図である。 本発明の第5実施形態における処理液の吐出について説明する図である。 本発明の第6実施形態に係る基板処理装置の構成を示す図である。 本発明の第7実施形態に係る基板処理装置の構成を示す図である。 本発明の第8実施形態に係る基板処理装置の構成を示す図である。 本発明の第9実施形態に係る基板処理装置の構成を示す図である。 本発明の第10実施形態に係る基板処理装置の構成を示す図である。 図18に示す基板処理装置において、リンス処理時のDIWの流れを示す図である。 本発明の第11実施形態に係る基板処理装置の構成を示す図である。 図20に示す水供給ユニットがカップ上部の傾斜部にDIWを供給している状態を示す図である。 本発明の第12実施形態に係る基板処理装置の構成を示す図である。 図22に示す水供給ユニットが外筒部にDIWを供給している状態を示す図である。 本発明の第13実施形態に係る基板処理装置の構成を示す図解的な斜視図である。 図24に示すコロ搬送ユニットの構成を示す斜視図である。 図24に示す水供給ユニットが基板にDIWを供給している状態を示す断面図である。 図24に示す軟X線照射装置が、基板の上面に軟X線を照射している状態を示す断面図である。 本発明の第14実施形態に係る基板処理装置の構成を示す図である。 図28に示す基板収容器の構成を示す斜視図である。 除電試験に用いられる試験装置を説明するための図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板処理装置1の構成を示す図である。
基板処理装置1は、基板(処理対象物)Wの一例としての円形の半導体ウエハ(シリコンウエハ)の表面(処理対象面)に処理液(薬液および水)による処理を施すために用いられる枚葉式の装置である。この実施形態では、薬液処理後に行われる基板Wのリンスのために水が用いられる。
基板処理装置1は、隔壁(図示しない)により区画された処理室3内に、基板Wを水平姿勢に保持して回転させるスピンチャック(基板保持回転手段)4と、基板Wの上面(上側の主面。表面)に、水の一例としてのDIW(脱イオン水:deionized water)を供給し、かつ基板Wに供給する前のDIWに軟X線を照射するための水供給ユニット(処理液供給装置)100と、スピンチャック4に保持されている基板Wの上面に薬液を供給するための薬液ノズル7とを備えている。
スピンチャック4として、たとえば挟持式のものが採用されている。具体的には、スピンチャック4は、スピンモータ8と、このスピンモータ8の駆動軸と一体化されたスピン軸9と、スピン軸9の上端にほぼ水平に取り付けられた円板状のスピンベース10と、スピンベース10の周縁部の複数箇所にほぼ等間隔で設けられた複数個の挟持部材11とを備えている。これにより、スピンチャック4は、複数個の挟持部材11によって基板Wを挟持した状態で、スピンモータ8の回転駆動力によってスピンベース10を回転させることにより、その基板Wを、ほぼ水平な姿勢を保った状態で、スピンベース10とともに鉛直な回転軸線Cまわりに回転させることができる。
なお、スピンチャック4としては、挟持式のものに限らず、たとえば基板Wの裏面を真空吸着することにより、基板Wを水平な姿勢で保持し、さらにその状態で鉛直な回転軸線まわりに回転することにより、その保持した基板Wを回転させることができる真空吸着式のもの(バキュームチャック)が採用されてもよい。
スピンチャック4は、カップ(液受け部材)17内に収容されている。カップ17は、カップ下部18と、カップ下部18の上方に昇降可能に設けられたカップ上部19とを備えている。
カップ下部18は、中心軸線が回転軸線Cと一致する有底円筒状をなしている。カップ下部18の底面には、排気口(図示しない)が形成されており、基板処理装置1の稼働中は、常時、カップ17内の雰囲気が排気口から排気されている。
カップ上部19は、カップ下部18と中心軸線を共通とする円筒状の円筒部20と、この円筒部20の上端から円筒部20の中心軸線に近づくほど高くなるように傾斜する傾斜部21とを一体的に備えている。カップ上部19には、カップ上部19を昇降(上下動)させるためのカップ昇降ユニット22が結合されている。カップ昇降ユニット22により、カップ上部19は、円筒部20がスピンベース10の側方に配置される位置と、傾斜部21の上端がスピンベース10の下方に配置される位置とに移動される。
カップ上部19およびカップ下部18は、それぞれ、樹脂材料(たとえばPTFE(poly tetra-fluoro ethylene))を用いて形成されている。
薬液ノズル7は、たとえば、連続流の状態で薬液を吐出するストレートノズルであり、スピンチャック4の上方で、その吐出口を基板Wの回転中心付近に向けて固定的に配置されている。薬液ノズル7には、薬液供給源からの薬液が供給される薬液供給管15が接続されている。薬液供給管15の途中部には、薬液ノズル7からの薬液の供給/供給停止を切り換えるための薬液バルブ16が介装されている。
また、薬液ノズル7は、スピンチャック4に対して固定的に配置されている必要はなく、たとえば、カップ17上方において水平面内で揺動可能なアームに取り付けられて、このアームの揺動により基板Wの表面における薬液の着液位置がスキャンされる、いわゆるスキャンノズルの形態が採用されてもよい。
なお、薬液としては、基板Wの表面に対する処理の内容に応じたものが用いられる。たとえば、基板Wの表面からパーティクルを除去するための洗浄処理を行うときは、APM(ammonia-hydrogen peroxide mixture:アンモニア過酸化水素水混合液)などが用いられる。また、基板Wの表面から酸化膜などをエッチングするための洗浄処理を行うときは、フッ酸やBHF(Bufferd HF)、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)などが用いられ、基板Wの表面に形成されたレジスト膜を剥離するレジスト剥離処理や、レジスト剥離後の基板Wの表面にポリマーとなって残留しているレジスト残渣を除去するためのポリマー除去処理を行うときは、SPM(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸過酸化水素水混合液)やAPM(ammonia-hydrogen peroxide mixture:アンモニア過酸化水素水混合液)などのレジスト剥離液やポリマー除去液が用いられる。金属汚染物を除去する洗浄処理には、フッ酸やHPM(hydrochloric acid/hydrogen peroxide mixture:塩酸過酸化水素水混合液)やSPM(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸過酸化水素水混合液)などが用いられる。
水供給ユニット100は、スピンチャック4の上方に対向して配置された一体型ヘッド6を有している。一体型ヘッド6は、水の一例としてのDIWを吐出するための水ノズル(処理液ノズル)61と、水ノズル61内を流通する水に軟X線を照射するための軟X線照射ユニット(X線照射手段)62とを一体的に備えた構成である。軟X線照射ユニット62は、水ノズル61に取り付けられている。水ノズル61は、たとえば、連続流の状態で薬液を吐出するストレートノズルであり、その吐出口53を下方に向けた状態で配置されている。水ノズル61には、DIW供給源からのDIWが供給される水供給配管13が接続されている。水供給配管13の途中部には、水ノズル61からのDIWの供給/供給停止を切り換えるための水バルブ14が介装されている。軟X線照射ユニット62については後述する。
図2は、一体型ヘッド6の図解的な縦断面図である。
一体型ヘッド6の水ノズル61は、鉛直方向に延びる丸管状(円筒状)の第1ノズル配管51を有している。第1ノズル配管51は、たとえば塩ビ(poly-vinyl-chloride)や、PTFE(poly tetra-fluoro ethylene)、PFA(perfluoro-alkylvinyl-ether-tetrafluoro-ethlene-copolymer)などの樹脂材料を用いて形成されている。第1ノズル配管51の先端部(下端部)には、丸型の吐出口53が開口している。第1ノズル配管51には、途中部の管壁に、たとえば円形の第1開口52が形成されている。第1ノズル配管51には、第1開口52を塞ぐように軟X線照射ユニット62が取り付けられている。一体型ヘッド6は、スピンチャック4による基板Wの回転軸線Cの上方で、その吐出口53を下方(基板Wの回転中心付近)に向けて固定的に配置されている。
第1ノズル配管51の先端部には、円環状の電極56が外嵌固定されている。この電極56には、電源57(図3参照)によって装置グラウンドに対する電圧が印加され、これによって電極56付近を通過する処理液に対して電界が印加されるようになっている。
軟X線照射ユニット62は、軟X線発生器(X線発生器)25と、軟X線発生器25の周囲を取り囲むように覆うたとえば塩ビ(poly-vinyl-chloride)製のカバー26と、カバー26の内部に気体を供給するための気体ノズル(気体供給手段)27とを備え、横向きに軟X線を照射する。カバー26は、軟X線発生器25の周囲を、軟X線発生器25と間隔を空けて取り囲む横長の矩形箱状のものであり、鉛直板状の横壁26Aにおいて、軟X線発生器25の次に述べる照射窓35に対向する部分に、第1開口52と同径を有するたとえば円形の第2開口28を形成している。軟X線照射ユニット62は、カバー26の第2開口28が、第1ノズル配管51の第1開口52に一致し、かつ横壁26Aが第1ノズル配管51の外周に密着するように、ノズル配管51に取り付けられる。
第2開口28は、円板状の窓部材71によって閉塞されている。窓部材71は、カバー26の内側から第2開口28を閉塞する。窓部材71により、第2開口28だけでなく、第1開口52も閉塞される。窓部材71の材料として、透過力の弱い軟X線が透過し易いように原子量の小さい物質が使用され、たとえばベリリウム(Be)が採用されている。窓部材71の厚みは、たとえば0.3mm程度に設定されている。
軟X線発生器25は、第1ノズル配管51を通る処理液を電離させるために用いられる軟X線を射出(放射)する。軟X線発生器25は、ケース体29と、軟X線を発生させるための左右に長い軟X線管30と、軟X線管30に高電圧を供給する高電圧ユニット31とを備えている。ケース体29は、その内部に、軟X線管30および高電圧ユニット31を収容する横長の矩形筒状のものであり、導電性および熱伝導性を有する材料(たとえばアルミニウム等の金属材料)を用いて形成されている。
高電圧ユニット31は、たとえば−9.5kVという高電位の駆動電圧を軟X線管30に入力する。高電圧ユニット31には、カバー26に形成された貫通孔42を通してカバー26外に引き出された給電線43を介して電源(図示しない)からの電圧が供給されている。
軟X線管30は、ガラス製または金属製の円筒形状の真空管からなり、管方向が水平となるように配置されている。軟X線管30の一端部(開口端部。図2に示す左端部)は円形開口41を形成している。軟X線管30の他端部(図2に示す右端部)は閉じており、ステム32となっている。軟X線管30内には、陰極であるフィラメント33と、陽極であるターゲット36とが対向するように配置されている。軟X線管30は、フィラメント33およびフォーカス34を収容している。具体的には、ステム32に、カソードとしてのフィラメント33が配置されている。フィラメント33は、高電圧ユニット31と電気的に接続されている。フィラメント33は円筒状のフォーカス34によって取り囲まれている。
軟X線管30の開口端部は、鉛直姿勢をなす板状の照射窓35によって閉塞されている。照射窓35はたとえば円板状をなし、銀ロウ付けによって軟X線管30の開口端部の壁面に固定されている。照射窓35の材料として、透過力の弱い軟X線が透過し易いように原子量の小さい物質が使用され、たとえばベリリウム(Be)が採用されている。照射窓35の厚みは、たとえば0.3mm程度に設定されている。照射窓35は、窓部材71の内面71Aに対向して、当該窓部材71と微小の間隔を空けて配置されている。
照射窓35の内面35Aには、金属製のターゲット36が蒸着によって形成されている。ターゲット36には、タングステン(W)やタンタル(Ta)等の原子量の大きく融点の高い金属が用いられる。
高電圧ユニット31からの駆動電圧が陰極であるフィラメント33に印加されることにより、フィラメント33が電子を放出する。フィラメント33から放出された電子は、フォーカス34で収束されて電子ビームとなり、ターゲット36に衝突することによって軟X線が発生する。発生した軟X線は照射窓35から横方向(図2に示す左方)に向けて射出(放射)され、窓部材71および第1開口52を通して第1ノズル配管51の内部を照射する。照射窓35からの軟X線の照射角(照射範囲)は、図5に示すように広角(たとえば130°)である。照射窓35から第1ノズル配管51の内部に照射される軟X線は、その波長がたとえば0.13〜0.4nmである。
窓部材71の外表面(閉塞窓における処理液が流通する側の壁面)71Bの全域は、親水性皮膜(皮膜)38によって被覆されている。親水性皮膜38は、たとえばポリイミド樹脂皮膜である。窓部材71の外表面71Bを親水性皮膜38で覆ったのは、耐酸性の劣るベリリウム製の窓部材71を、水等の処理液に含まれる酸から守るためのものである。親水性皮膜38の膜厚は、50μm以下であり、とくに10μm程度であることが好ましい。親水性皮膜38が親水性を有しているので、皮膜38とDIWとの間に気泡が混入するのを、抑制または防止することができる。これにより、照射窓35からの軟X線を、第1ノズル配管51を流通しているDIWに対して良好に照射できる。
気体ノズル27の吐出口は、カバー26の上壁に開口している。気体ノズル27には気体バルブ(気体供給手段)37を介して気体供給源(図示しない)からの気体が供給されている。気体ノズル27が吐出する気体として、CDA(低湿度の清浄空気)や窒素ガスの不活性ガスを例示できる。気体ノズル27から吐出された気体は、カバー26の内部に供給される。軟X線発生器25の駆動により当該軟X線発生器25が発熱するおそれがあるが、カバー26の内部に気体を供給することにより、軟X線発生器25を冷却し、軟X線発生器25の周囲雰囲気の昇温を抑制できる。
図3は、基板処理装置1の電気的構成を示すブロック図である。基板処理装置1は、さらに、マイクロコンピュータを含む構成の制御装置(X線照射制御手段)40を備えている。制御装置40には、カップ昇降ユニット22、スピンモータ8、高電圧ユニット31、薬液バルブ14、水バルブ16、電源57 、気体バルブ37等が制御対象として接続されている。
なお、カバー26内の熱を逃がすために、基板処理装置1に電源が投入されている間、気体バルブ37は常に開放されている。
図4は、基板処理装置1において実行される基板Wの処理例を示す工程図である。この処理例では、薬液処理の実行後、リンス処理が実行される。図1、図3および図4を参照しながら、基板処理装置1における基板Wの処
理について説明する。
基板Wの処理に際して、搬送ロボット(図示しない)によって、未処理の基板Wが処理室3内に搬入されて(ステップS1)、その表面を上方に向けた状態でスピンチャック4に受け渡される。
スピンチャック4に基板Wが保持された後、制御装置40はスピンモータ8を制御して、スピンチャック4による基板Wの回転を開始させる(ステップS2)。基板Wの回転速度が所定の液処理速度(たとえば500rpm)まで上げられ、その後、その液処理速度に維持される。
基板Wの回転速度が液処理速度に達すると、制御装置40は薬液バルブ16を開いて、薬液ノズル7から基板Wの上面の回転中心に向けて薬液を吐出する。基板上面Wの上面に供給された薬液は、基板Wの回転による遠心力を受けて、基板Wの周縁に向けて流れる(基板Wの全域へと拡がる)。これにより、基板Wの表面の全域に薬液による処理が施される(S3:薬液処理)。
薬液の供給開始から所定の薬液処理時間が経過すると、制御装置40は薬液バルブ16が閉じ、薬液ノズル7からの薬液の供給を停止する。
また、制御装置40は水バルブ14を開いて、回転状態にある基板Wの上面の回転中心に向けて、一体型ヘッド6の水ノズル61からDIWを吐出する(ステップS4)。
水バルブ14を開成してから所定時間(たとえば2秒間)経過すると、軟X線照射タイミングになる。この所定時間は、第1ノズル配管51の内部に十分にDIWが充たされてから、軟X線の照射が開始されるように設けられている。軟X線照射タイミングになると、制御装置40は高電圧ユニット31を制御して、軟X線照射ユニット62の軟X線発生器25に軟X線を発生させて、この軟X線を、照射窓35から窓部材71を介して、第1ノズル配管51の内部に向けて照射させる(ステップS5)。これにより、第1ノズル配管51内を流通しているDIWに、軟X線が照射される。
図5は、水ノズル61内への軟X線の照射状態を示す図解的な断面図である。
リンス処理中は、水ノズル61の第1ノズル配管51内を流通しているDIWに軟X線が照射される。また、吐出口53から吐出された処理液が基板Wの上面に供給される。第1ノズル配管51内のDIWのうち軟X線が照射される部分(第1ノズル配管51内の第1開口52に対向する部分。図5に示す網掛け部分。以下、「DIWの照射部分54」という。)では、水分子の励起により当該水分子から電子が放出される。その結果、多量の電子と、水分子の多量の正イオンとが混在するプラズマ状態が、DIWの照射部分54に形成される。
図6は、基板Wにリンス処理を施している状態を示す図である。
基板Wの上面に供給されたDIWは、基板Wの回転による遠心力を受けて、基板Wの周縁部に向けて流れる(基板Wの全域へと拡がる)。これにより、基板Wの上面の全域に、当該上面に接液するDIWの液膜63が形成される。DIWの液膜63によって、基板Wの上面に付着している薬液が洗い流される。
リンス処理中における、水ノズル61に対するDIWの供給流量は、比較的大流量(たとえば0.5〜2.0L/min)に設定されている。そのため、水ノズル61の吐出口53から吐出されるDIWの態様が、吐出口53と基板Wの上面のDIWの液膜63との双方に繋がる連続流状をなしており、また、第1ノズル配管51内では、DIWが液密状態にある。このとき、DIWの液膜63とDIWの照射部分54とが、DIWを介して繋がっている。
図5および図6に示すように、基板Wが正に帯電すると、DIWの照射部分54と、正に帯電している基板Wとの間の電位差で、DIWの照射部分54からの電子が、基板Wの上面のDIWの液膜63に向けて、連続流状のDIWを伝って移動する。これにより、基板Wの上面のDIWの液膜63が多量の電子を有するようになるので、正に帯電している基板Wが除電される。
これにより、回転状態の基板WにDIWが供給されても、処理液との接触分離による基板の帯電を生じない。したがって、リンス処理時における基板Wの帯電を防止できる。また、リンス処理前から基板Wが帯電していても、その基板Wに帯びた電荷を除去(すなわち、除電)できる。その結果、基板Wの帯電に起因するデバイス破壊を防止できる。
以上により、基板Wの帯電防止または除電を図りつつ、当該基板Wにリンス処理を施すことができる。
また、軟X線の照射によってDIWの液性は変化しないので、炭酸水等の酸性の処理液を用いて基板Wを処理する場合とは異なり、基板W上のデバイスに悪影響を与えるおそれがない。
また、軟X線照射ユニット62による軟X線の照射に併せて、電源57の電極56に対し印加する。この場合、電極56は正電荷に帯電されることが好ましい。この場合、電極56の正電荷によって、軟X線の照射によりDIWの照射部分54中に発生した電子は、電極56側に引っ張られ、電極56のある第1ノズル配管51(水ノズル61)の先端部まで移動するようになる。すなわち、多量の電子を、水ノズル61の吐出口53に向けて引っ張ることができる。これにより、基板W側への電子の移動を促進させることができる。
図1、図3および図4に示すように、DIWの供給開始から所定のリンス時間が経過すると、制御装置40は、水バルブ14を閉じてDIWを供給停止し(ステップS6)、かつ高電圧ユニット31を制御して、軟X線照射ユニット62の照射窓35からの軟X線の照射を停止させる(ステップS7)。また、制御装置40は、軟X線照射ユニット62からの軟X線の照射停止に併せて、電極56への電界の印加も停止する。
その後、制御装置40は、スピンモータ8を制御して、基板Wの回転速度をスピンドライ回転速度(たとえば2500rpm)に上昇させる。これにより、リンス処理後の基板Wの上面に付着しているDIWが遠心力で振り切られて乾燥される(S8:スピンドライ(乾燥処理))。
スピンドライが所定の乾燥時間にわたって行われると、スピンチャック4の回転が停止される。その後、処理済の基板Wが搬送ロボット(図示しない)によって処理室3から搬出される(ステップS9)。
以上により第1実施形態によれば、水ノズル61の第1ノズル配管51内を流通しているDIWに軟X線が照射される。これにより、多量の電子と、水分子の多量の正イオンとが混在するプラズマ状態が、DIWの照射部分54に形成される。これらの電子が、連続流状のDIWを伝ってDIWの液膜63に移動し、その結果、当該DIWの液膜63が多量の電子を有するようになる。そのため、回転状態の基板WにDIWが供給されても、DIWとの接触分離による基板Wの帯電を生じない。したがって、リンス処理時における基板Wの帯電を防止できる。また、リンス処理前から基板Wが帯電していても、その基板Wに帯びた電荷を除去(すなわち、除電)できる。その結果、基板Wの帯電に起因するデバイス破壊を防止できる。
また、軟X線の照射によってDIWの液性は変化しないので、炭酸水等の酸性の処理液を用いて基板Wを処理する場合とは異なり、基板W上のデバイスに悪影響を与えるおそれがない。
図7は、図4に示す処理例の変形例を説明するためのフローチャートである。
図7に示す変形例では、前述の軟X線照射タイミングになったとき、第1ノズル配管51の第1開口52付近にDIWが存在するときには、軟X線照射ユニット62による軟X線の照射を実行し、第1ノズル配管51の第1開口52付近にDIWが存在しないときには、軟X線照射ユニット62による軟X線の照射を行わない。以下、具体的に説明する。
図1に二点鎖線で示すように、水供給ユニット100では、水ノズル61の第1ノズル配管51に、第1ノズル配管51内のDIWの存否を所定の水検出位置102で検出するための液検出センサ(処理液検出手段)101が配置されている。水検出位置102は、第1ノズル配管51の流通方向に関し、第1開口(開口、軟X線の照射位置)52(図2参照)と同じ位置かあるいは第1開口52に近い位置に設定されている。
液検出センサ101は、たとえば静電容量型のセンサによって構成されており、第1ノズル配管51の外周壁(図示しない)に直付け配置または近接配置されている。液検出センサ101は、水検出位置102の周囲の第1ノズル配管51内のDIWの存否を検出し、その検出結果に応じた信号を出力するものである。第1ノズル配管51の第1開口52付近にDIWが存在するとき、DIWが検出され、一方、第1ノズル配管51の第1開口52付近にDIWが存在しないとき、DIWが検出されないことになる。
また、液検出センサ101として、光学式(例えば発光ダイオードと受光素子を組み合わせ、気体と液体の屈折率差を利用した)センサや導電率センサが採用されても良い。
前述の軟X線照射タイミングになったとき(ステップS11でYES)、制御装置40は、液検出センサ101の検出出力を参照して、第1開口52付近にDIWがあるか否か(液ありか液なしか)を調べる(ステップS12)。第1開口52付近にDIWがある場合には(ステップS12でYES)、制御装置40は、軟X線照射ユニット62によるX線照射を開始する(ステップS13)。一方、第1開口52付近にDIWが存在しない場合(ステップS12でNO)や、軟X線照射タイミングになっていない場合(ステップS11でNO)には、軟X線照射ユニット62によるX線照射が開始されないまま、その後図7の処理がリターンされる。
この場合、第1開口52付近にDIWが存在しないときには、第1開口52に対する軟X線の照射が禁止される。これにより、第1ノズル配管51外への軟X線の漏れを抑制または防止できる。
なお、液検出センサ101は、水供給ユニット100と同等の構成が採用される水供給ユニット230,250,600(図15(a),15(b)、図16、図28参照)においても採用可能である。この場合、図7に示す処理を実行できる。
図8は、本発明の第2実施形態に係る一体型ヘッド6Aの構成を模式的に示す図である。図9は、図8の切断面線IX−IXから見た断面図である。
一体型ヘッド6Aが、第1実施形態に係る一体型ヘッド6と共通する部分には、図1〜図6の場合と同一の参照符号を付し説明を省略する。一体型ヘッド6Aが一体型ヘッド6と相違する主たる点は、水ノズル61に、先端部が扁平状をなす第1ノズル配管51Aを用いた点である。先端部を除く領域の第1ノズル配管51Aは、第1ノズル配管51と同様、丸管状(円筒状)を有している。また、第1ノズル配管51Aは第1ノズル配管51と同様、鉛直方向に延び、また塩ビ(poly-vinyl-chloride)や、PTFE(poly tetra-fluoro ethylene)、PFA(perfluoro-alkylvinyl-ether-tetrafluoro-ethlene-copolymer)などの樹脂材料を用いて形成されている。
第1ノズル配管51Aの先端部には、その断面略長方形の扁平部151が形成されている。扁平部151は、丸管を熱成形により変形させたものである。一対の平坦壁部152,153間の幅W1はたとえば5〜10mm程度に設定されている。一方の平坦壁部152には、第1ノズル配管51Aの途中部には、たとえば円形の第3開口(開口、X線の照射位置)52Aが形成されている。第1ノズル配管51Aには、第3開口52Aを塞ぐように軟X線照射ユニット62が取り付けられている。具体的には、軟X線照射ユニット62は、カバー26Aの第2開口28が、第1ノズル配管51Aの第3開口52Aに一致し、かつ横壁26Aが第1ノズル配管51Aの外周に密着するように、第1ノズル配管51Aに取り付けられている。
扁平部151の幅W1は、扁平部151にDIWが満たされている状態で、軟X線照射ユニット62の照射窓35から照射される軟X線が、他方の平坦壁部153まで届く程度の幅に設定されている。そのため、軟X線照射ユニット62からの軟X線が、第1ノズル配管51Aの扁平部151を流通するDIWの全てに照射される。これにより、DIWの照射部分54を広範囲に保つことができるから、基板Wの上面のDIWの液膜63に含まれる電子の量を、より一層増やすことができる。これにより、DIWとの接触分離による基板Wの帯電の発生をより確実に抑制することができ、また、リンス処理前から基板Wが帯電していても、その基板Wをより確実に除電できる。
図10(a),10(b)は、本発明の第3実施形態に係る一体型ヘッド6Bの構成を説明するための図である。図10(a)は、リンス処理中における一体型ヘッド6Bの要部の断面図を示し、図10(b)は、図10(a)を下方から見た図である。
一体型ヘッド6Bでは、水ノズル61の第1ノズル配管51の吐出口53に、多数本の紐状繊維を束ねて構成した繊維束(繊維状物質)65が取り付けられている。繊維束65は、第1ノズル配管51の長手方向に沿う中心軸線を有する円柱状をなしている。第1ノズル配管51の吐出口53からの繊維束65の突出長さは、スピンチャック4に保持された基板Wと吐出口53との間の間隔と同程度に設定されている。
リンス処理時には、第1ノズル配管51の吐出口53から吐出されるDIWは、繊維束65に含まれる多数本の繊維を伝って下方に向けて流れる。繊維束65の先端は、基板Wの上面に形成されるDIWの液膜63に接触し、当該液膜63中を漂っている。繊維束65が、吐出口53からDIWの液膜63までDIWを良好に導くので、吐出口53から吐出されるDIWの態様を、吐出口53とDIWの液膜63との双方に繋がる連続流状に維持し易い。
そして、吐出口53からのDIWの吐出流量が少流量である場合でも、吐出口53から吐出されるDIWの態様を、前記の連続流状に維持できる。これにより、DIWの消費量を低減しつつ、基板Wの帯電防止や基板Wの除電を図ることができる。なお、リンス処理時において、繊維束65の先端が、液膜63だけでなく、基板Wの上面に接触していてもよい。
なお、第1ノズル配管51A(図8参照)の先端部に、繊維束65を設けることも可能である。また、水供給ユニット100と同等の構成が採用される水供給ユニット230,250,600(図15(a),15(b)、図16、図28参照)において、第1ノズル配管51の先端部に、繊維束65を設けることも可能である。
また、第3実施形態において、水ノズル61の第1ノズル配管51の吐出口53に取り付けられる繊維状物質として、多数本の紐状繊維を束ねて構成した繊維束65を例に挙げて説明したが、繊維状物質は、多数本の紐状繊維を束ねて構成するものに限られるものではなく、たとえば1本の太い紐状繊維から構成されていてもよいし、紐状ではなく布状の繊維によって構成されていてもよい。
図11は、本発明の第4実施形態に係る基板処理装置201の構成を示す図である。
第4実施形態において、第1実施形態と共通する部分には、図1〜図6の場合と同一の参照符号を付し説明を省略する。基板処理装置201では、第1実施形態に係る水供給ユニット100(図1参照)に代えて、ノズルと軟X線照射ユニットとが別個に設けられた水供給ユニット(処理液供給装置)200が設けられている。
水供給ユニット200は、水ノズル202と、水ノズル202に対し、DIW供給源からのDIW(水の一例)を供給する水供給配管(処理液配管)204と、水供給配管204内に存在しているDIWに軟X線を照射するための軟X線照射ユニット(X線照射手段)203とを含む。軟X線照射ユニット203は、水供給配管204に取り付けられている。
水ノズル202は、丸管状(円筒状)のノズル配管を有しており、水供給配管204の先端に取り付けられている。水ノズル202は、連続流の状態で液を吐出するストレートノズルによって構成されていて、その吐出口202Aを、基板Wの上面中央部に向けた状態で、処理室3内に固定的に配置されている。水ノズル202は、第1開口52(図2参照)が形成されていない点を除いて、第1実施形態の水ノズル61(図2参照)と同等の構成を採用している。すなわち、水ノズル202のノズル配管の先端部には、円環状の電極56が外嵌固定されており、かつ電極56には、電源57(図3参照)によって装置グラウンドに対する電圧が印加されるようになっている。
水供給配管204は、丸管状(円筒状)をなしている。水供給配管204は、塩ビ(poly-vinyl-chloride)や、PTFE(poly tetra-fluoro ethylene)、PFA(perfluoro-alkylvinyl-ether-tetrafluoro-ethlene-copolymer)などの樹脂材料を用いて形成されている。水供給配管204の途中部の管壁には、開口(図示しない)が形成されている。
軟X線照射ユニット203は、第1実施形態に係る軟X線照射ユニット62(図2参照)と同等の構成を採用している。軟X線照射ユニット203は、水供給配管204の開口を塞ぐように水供給配管204に取り付けられている。具体的には、軟X線照射ユニット203のカバーの開口(軟X線照射ユニット62のカバー26の第2開口28(図2参照)に相当する開口)が水供給配管204の前記の開口に一致し、かつ軟X線照射ユニット203のカバーの壁面(軟X線照射ユニット62のカバー26の横壁26A(図2参照)に相当)が水供給配管204の外周に密着している。軟X線照射ユニット203の高電圧ユニット(第1実施形態に係る軟X線照射ユニット62の高電圧ユニット31(図2参照)に相当)は、制御装置40(図3参照)に接続されている。
水供給配管204には、水供給配管204を開閉するための水バルブ205が介装されている。水バルブ205が開かれると、水供給配管204から水ノズル202にDIWが供給され、また、水バルブ205が閉じられると、水供給配管204から水ノズル202へのDIWの供給が停止される。水バルブ205は、制御装置40(図3参照)に接続されている。
基板処理装置201では、図4に示す処理例の場合と同様の処理が実施される。リンス処理(図4のステップS4〜S6)では、制御装置40(図3参照)は、水バルブ205を開く。これにより、水供給配管204を流通するDIWが水ノズル202に供給される。水ノズル202の吐出口202Aから、回転状態にある基板Wの上面の回転中心に向けて、DIWが吐出される。
また、水バルブ205の開成後所定時間経過して軟X線照射タイミングになると、制御装置40は、軟X線照射ユニット203の高電圧ユニットを制御して、軟X線照射ユニット203の軟X線発生器(第1実施形態に係る軟X線照射ユニット62の軟X線発生器25(図2参照)に相当)に軟X線を発生させて、この軟X線を、水供給配管204の内部に向けて照射させる。これにより、水供給配管204内を流通しているDIWに、軟X線が照射される。
基板Wの上面に供給されたDIWは、基板Wの回転による遠心力を受けて、基板Wの周縁に向けて流れる(基板Wの全域へと拡がる)。これにより、基板Wの上面の全域にDIWの液膜が形成される。DIWの液膜によって、基板Wの上面に付着している薬液が洗い流される。
リンス処理中における、水ノズル202に対するDIWの供給流量は、比較的大流量(たとえば0.5〜2.0L/min)に設定されている。そのため、水ノズル202の吐出口202Aから吐出されるDIWの態様が、吐出口202Aと基板Wの上面のDIWの液膜との双方に繋がる連続流状の態様をなしている。また、水ノズル202のノズル配管内および水供給配管204内では、DIWが液密状態にある。
リンス処理中に、水供給配管204内を流通しているDIWに軟X線が照射されると、水供給配管204内におけるDIWの照射部分(図5に示す、第1実施形態に係るDIWの照射部分54と同等の部分)において、水分子の励起により当該水分子から電子が放出される。その結果、多量の電子と、水分子の多量の正イオンとが混在するプラズマ状態が、水供給配管204内におけるDIWの照射部分に形成される。DIWの照射部分は、基板Wの上面に形成されたDIWの液膜と、DIWを介して繋がっている。
基板Wが正に帯電すると、水供給配管204内におけるDIWの照射部分と、正に帯電している基板Wとの間の電位差で、水供給配管204内におけるDIWの照射部分からの電子が、基板Wの上面のDIWの液膜に向けて、連続流状のDIWを伝って移動する。これにより、基板Wの上面のDIWの液膜が多量の電子を有するようになる。
以上により、第4実施形態においても、第1実施形態で述べた作用効果と同等の作用効果を奏する。
図12は、本発明の第5実施形態に係る基板処理装置211の構成を示す図である。
基板処理装置211が、第4実施形態に係る基板処理装置201と共通する部分には、図11の場合と同一の参照符号を付し説明を省略する。基板処理装置211が基板処理装置201と相違する点は、水ノズル202(図11参照)に代えて、複数の吐出口216を有する水ノズル212を設けた点である。
水ノズル212は、丸管状(円筒状)のノズル配管からなる本体部213と、本体部213の先端部に、水平方向に並んで配置された複数(図12ではたとえば3つ)の吐出口部215と、本体部213の内部空間と個々の吐出口部215の内部空間とを連通する連通部214とを含む。個々の吐出口部215は、吐出口216を有している。個々の吐出口部215は、連続流の状態で液を吐出するストレートノズルによって構成されている。各吐出口部215には、電極56が外嵌固定されている。水ノズル212は、複数の吐出口216を、基板Wの上面中央部に向けた状態で、処理室3内に固定的に配置されている。水ノズル212の本体部213に、水供給配管204が接続されている。
リンス処理中は、水ノズル212にDIW(水の一例)が供給され、水ノズル212の各吐出口216から、DIWが吐出される。リンス処理中には、基板Wの上面の全域にDIWの液膜が形成される。また、リンス処理中には、図12に示すように、個々の吐出口216から吐出されるDIWの態様が、吐出口216Aと基板Wの上面のDIWの液膜との双方に繋がる連続流状の態様をなしている。また、水ノズル212のノズル配管内および水供給配管204内では、DIWが液密状態にある。
ところで、基板処理装置211では、少なくとも1つの吐出口216から吐出されるDIWの態様が、当該吐出口216と基板Wの上面のDIWの液膜との双方に繋がる連続流状をなしていればよい。換言すると、水ノズル212のノズル配管内と、基板Wの上面のDIWの液膜とが、少なくとも1本の連続流64A(図13参照)によって繋がっていればよい。
具体的には、図13に示すように、複数の吐出口216のうち1つの吐出口216Aにおいて、当該吐出口216と基板Wの上面のDIWの液膜との双方に繋がる連続流状をなしているが、その他の吐出口216B,216Cでは連続流状をなしていない場合を考える。このとき、吐出口216Bや吐出口216Cからは、DIWが液滴の態様で吐出されているか、あるいはDIWが吐出されていない。
図13に示すような場合であっても、水ノズル212のノズル配管内と、基板Wの上面のDIWの液膜とが、少なくとも1本の連続流64Aによって繋がっている。そのため、基板Wが正に帯電すると、水供給配管204内におけるDIWの照射部分からの電子が、基板Wの上面のDIWの液膜63に向けて、この1本の連続流64Aを伝って移動する。これにより、基板Wの帯電防止や基板Wの除電を図ることができる。
図14は、本発明の第6実施形態に係る基板処理装置221の構成を示す図である。
基板処理装置221が、第4実施形態に係る基板処理装置201と共通する部分には、図11の場合と同一の参照符号を付し説明を省略する。基板処理装置221では、水供給ユニット200に代えて、水供給ユニット(処理液供給装置)220が設けられている。
水供給ユニット220は、水ノズル202と、水供給配管204と、水供給配管204の途中部から分岐する第1分岐配管(分岐配管)222と、第1分岐配管222内に存在しているDIW(水の一例)に軟X線を照射するための軟X線照射ユニット(X線照射手段)223とを含む。軟X線照射ユニット223は、第1分岐配管222に取り付けられている。すなわち、水供給ユニット220では、水供給配管204ではなく第1分岐配管222に、軟X線照射ユニット223が取り付けられている。
第1分岐配管222は、水供給配管204において水バルブ205よりも上流側の部分から分岐している。第1分岐配管222は、丸管状(円筒状)をなし、塩ビ(poly-vinyl-chloride)や、PTFE(poly tetra-fluoro ethylene)、PFA(perfluoro-alkylvinyl-ether-tetrafluoro-ethlene-copolymer)などの樹脂材料を用いて形成されている。第1分岐配管222の途中部には、第1分岐配管222を開閉するための分岐バルブ225が介装されている。分岐バルブ225は、制御装置40(図3参照)に接続されている。第1分岐配管222には、分岐バルブ225よりも上流側の所定部分の管壁に開口(図示しない)が形成されている。
第1分岐配管222の下流端には、第1カップ用ノズル224が取り付けられている。第1カップ用ノズル224は、連続流の状態で液を吐出するストレートノズルによって構成されていて、その吐出口(液受け用吐出口)224Aを、カップ上部19の外壁(たとえば傾斜部21の上面)に向けた状態で、処理室3内におけるカップ上部19の上方に、固定的に配置されている。
軟X線照射ユニット223は、第1実施形態に係る軟X線照射ユニット62(図2参照)と同等の構成を採用している。軟X線照射ユニット223は、第1分岐配管222の開口を塞ぐように第1分岐配管222に取り付けられている。具体的には、軟X線照射ユニット223のカバーの開口(軟X線照射ユニット62のカバー26の第2開口28(図2参照)に相当)が第1分岐配管222の前記の開口に一致し、かつ軟X線照射ユニット223のカバーの壁面(軟X線照射ユニット62のカバー26の横壁26A(図2参照)に相当)が第1分岐配管222の外周に密着している。軟X線照射ユニット223の高電圧ユニット(第1実施形態に係る軟X線照射ユニット62の高電圧ユニット31(図2参照)に相当)は、制御装置40(図3参照)に接続されている。
分岐バルブ225が閉じられた状態で水バルブ205を開くと、水供給配管204から水ノズル202にDIWが供給されて、水ノズル202の吐出口202AからDIWが吐出される。水バルブ205が閉じられた状態で分岐バルブ225を開くと、第1分岐配管222から第1カップ用ノズル224にDIWが供給されて、第1カップ用ノズル224の吐出口224AからDIWが吐出される。
ところで、カップ昇降ユニット22によりカップ上部19が昇降するため、カップ17(とくにカップ上部19)が帯電していることが考えられる。そのため、基板Wに対する処理の実行に先立って、カップ上部19を除電する必要がある。
基板処理装置221では、図4に示す処理例の場合と同様の処理が実施されるが、図4のステップS1の基板Wの搬入に先立って、カップ17に対して除電が行われる。具体的には、制御装置40は、軟X線照射ユニット223の高電圧ユニットを制御して、軟X線照射ユニット223の軟X線発生器(第1実施形態に係る軟X線照射ユニット62の軟X線発生器25(図2参照)に相当)に軟X線を発生させて、この軟X線を、第1分岐配管222の内部に向けて照射させる。これにより、第1分岐配管222に存在しているDIWに、軟X線が照射される。
また、制御装置40は、水バルブ205を閉じながら分岐バルブ225を開く。これにより、第1分岐配管222を流通するDIWは第1カップ用ノズル224に供給される。第1カップ用ノズル224の吐出口224Aから、カップ上部19の傾斜部21の上面に向けてDIWが吐出される。供給されたDIWは、傾斜部21の上面を伝って下方に向けて流れる。そのため、傾斜部21の上面には、DIWの液膜が形成される。このとき、第1カップ用ノズル224に対するDIWの供給流量は、比較的大流量(たとえば0.5〜2.0L/min)に設定されている。そのため、第1カップ用ノズル224の吐出口224Aから吐出されるDIWの態様が、吐出口224Aと傾斜部21の上面のDIWの液膜との双方に繋がる連続流状の態様をなしている。また、第1カップ用ノズル224のノズル配管内および第1分岐配管222内では、DIWが液密状態にある。
カップ上部19が正に帯電しているときには、第1分岐配管222内におけるDIWの照射部分と、正に帯電しているカップ上部19との間の電位差で、第1分岐配管222内におけるDIWの照射部分からの電子が、傾斜部21の上面のDIWの液膜に向けて、連続流状のDIWを伝って移動する。これにより、傾斜部21の上面のDIWの液膜が多量の電子を有するようになるので、正に帯電しているカップ上部19のうち、DIWの液膜に接する部分が除電される。
一方、カップ上部19が負に帯電しているときには、カップ上部19からの電子が、第1分岐配管222内におけるDIWの照射部分の正イオンに向けて、連続流状のDIWを伝って移動する。そのため、負に帯電しているカップ上部19のうち、DIWの液膜に接する部分が除電される。
カップ上部19に対する除電が行われた後、未処理の基板Wが処理室3に搬入され、スピンチャック4に受け渡される。
スピンチャック4に基板Wが保持された後、制御装置40はスピンモータ8を制御して、スピンチャック4による基板Wの回転を開始させる(図4のステップS2)。基板Wの回転速度が所定の液処理速度(たとえば500rpm)まで上げられ、その後、その液処理速度に維持される。
リンス処理(図4のステップS4〜S6)では、制御装置40(図3参照)は、分岐バルブ225を閉じつつ水バルブ205を開く。
また、水バルブ205の開成後所定時間経過して軟X線照射タイミングになると、制御装置40は、軟X線照射ユニット223の高電圧ユニットを制御して、軟X線照射ユニット223の軟X線発生器に軟X線を発生させて、この軟X線を、第1分岐配管222の内部に向けて照射させる。これにより、第1分岐配管222内を流通しているDIWに、軟X線が照射される。
水ノズル202の吐出口202Aから、回転状態にある基板Wの上面の回転中心に向けて、DIWが吐出される。リンス処理中には、基板Wの上面の全域にDIWの液膜が形成される。水ノズル202の吐出口202Aから吐出されるDIWの態様が、吐出口202Aと基板Wの上面のDIWの液膜との双方に繋がる連続流状の態様をなしている。また、水ノズル202のノズル配管内、水供給配管204内および第1分岐配管222内では、DIWが液密状態にある。
リンス処理中に、第1分岐配管222内に存在しているDIWに軟X線が照射されると、第1分岐配管222内におけるDIWの照射部分(図5に示す、第1実施形態に係るDIWの照射部分54と同等)において、水分子の励起により当該水分子から電子が放出される。その結果、多量の電子と、水分子の多量の正イオンとが混在するプラズマ状態が、第1分岐配管222内におけるDIWの照射部分に形成される。DIWの照射部分は、基板Wの上面に形成されたDIWの液膜と、DIWを介して繋がっている。
基板Wが正に帯電すると、第1分岐配管222内におけるDIWの照射部分と、正に帯電している基板Wとの間の電位差で、第1分岐配管222内におけるDIWの照射部分からの電子が、基板Wの上面のDIWの液膜に向けて、水供給配管204および連続流状のDIWの双方を伝って移動する。これにより、基板Wの上面のDIWの液膜が多量の電子を有するようになる。
以上により、第6実施形態では、第1実施形態で述べた作用効果と同等の作用効果に加えて、カップ上部19の除電を良好に行える作用効果を奏することができる。
また、X線照射ユニット223の窓部材の外表面(窓部材71の外表面71B(図2参照)に相当)から親水性皮膜(親水性皮膜38(図2参照)に相当)が剥がれると、当該窓部材に含まれるベリリウムがDIW等の処理液に溶け出すおそれがある。このような場合であっても、X線照射ユニット223が第1分岐配管222に設けられているので、そのようなベリリウムを含むDIWは、水ノズル202ではなく第1カップ用ノズル224に供給される。これにより、ベリリウムを含むDIWが基板Wに供給されるのを、確実に防止できる。
第1〜第6実施形態では、水ノズル61,202から吐出されるDIW(水の一例)を用いて、リンス処理時における基板Wの帯電防止や除電を図る場合を説明したが、水ノズル61,202から吐出されるDIW(水の一例)を用いて、内部を処理液が流通する第2ノズル配管(第2配管)232,262の除電を図る場合を、次に述べる第7〜第9実施形態に係る基板処理装置231,251,261において説明する。
図15(a),15(b)は、本発明の第7実施形態に係る基板処理装置231の構成を示す図である。
基板処理装置231が、第1実施形態に係る基板処理装置1と相違する点は、スピンチャック4に保持されている基板Wに処理液を供給するための第2ノズル配管232を備える点、および水供給ユニット230によって第2ノズル配管232に水の一例としてのDIWを供給する点である。水供給ユニット230は、水供給ユニット100(図1参照)と同等の構成を採用しているので、水供給ユニット100の場合と同一の参照符号を付して説明を省略している。図15(a),15(b)には、水供給ユニット230に関連する構成のみを記載し、その他の部分の図示は省略する。図15(a)は、第2ノズル配管232が、次に述べる待機ポッド237に収容された状態を示す断面図であり、図15(b)は、図15(a)の切断面線B−Bから見た断面図である。
第2ノズル配管232は、水平方向に延びる円筒状の水平部233と、この水平部233の先端から垂下する円筒状の垂下部234とを一体的に備えている。第2ノズル配管232は、塩ビ(poly-vinyl-chloride)や、PTFE(poly tetra-fluoro ethylene)、PFA(perfluoro-alkylvinyl-ether-tetrafluoro-ethlene-copolymer)などの樹脂材料によって形成されている。
第2ノズル配管232の内部には処理液流通路235が形成されている。処理液流通路235は、垂下部234の下端において、吐出口236として円形状に開口している。第2ノズル配管232には、処理液供給源からの処理液(薬液や水)が、処理液バルブ(図示しない)を介して供給されている。この処理液バルブが開かれると、第2ノズル配管232の水平部233の上流端に処理液が供給される。第2ノズル配管232に導入された処理液は、処理液流通路235を流通した後、吐出口236から吐出される。
第2ノズル配管232は、カップ17(図1参照)の側方でほぼ鉛直に延びた支持軸(図示しない)によって支持されており、この支持軸に回転力を入力して当該支持軸を回動させることにより、スピンチャック4(図1参照)の上方で第2ノズル配管232を揺動させることができる。すなわち、第2ノズル配管232は、スキャンノズルとしての形態を有している。基板W(図1参照)に対する処理液の供給が行われないときには、第2ノズル配管232は、カップ17(図1参照)の側方に設置されたホームポジションに退避している。基板W(図1参照)に対する処理液の供給時には、第2ノズル配管232は、基板Wの上方へと移動させられる。
図15(a),15(b)に示すように、基板処理装置231は、ホームポジションにある第2ノズル配管232を収容するための樋状の待機ポッド237を含む。待機ポッド237は、第2ノズル配管232の長手方向に沿う断面略矩形のポッド本体238を有している。ポッド本体238の上面には、第2ノズル配管232の長手方向に沿って延びる液溜め溝239が形成されている。液溜め溝239は、長手方向の両端を除く、長手方向の全域に亘って形成されている。液溜め溝239は、断面略U字状をなしている。液溜め溝239の幅および深さは、第2ノズル配管232を収容可能なサイズに設定されている。
ポッド本体238の長手方向の両端には、それぞれ端壁240が設けられている。各端壁240には、第2ノズル配管232とほぼ整合する丸孔からなる挿通孔241が形成されている。液溜め溝239の底部には、廃液配管242が接続されている。廃液配管242の途中部には、廃液配管242を開閉するための廃液バルブ243が介装されている。第2ノズル配管232がホームポジションにあるときには、第2ノズル配管232が液溜め溝239に収容配置される。このとき、第2ノズル配管232は、両方の端壁240の挿通孔241を挿通している。
水供給ユニット230の水ノズル61は、その吐出口53を液溜め溝239に向けた状態で、待機ポッド237の上方に固定的に配置されている
第2ノズル配管232がホームポジションに配置された状態で、廃液バルブ243が閉じられた状態で、水供給ユニット230の水ノズル61からDIWが吐出される。これにより、待機ポッド237の液溜め溝239にDIWが溜められる。そして、液溜め溝239に溜められたDIWによって、第2ノズル配管232(の水平部233)の周方向の全域が浸漬される。
第2ノズル配管232がホームポジションにある期間(待機時)中は、水ノズル61から吐出されるDIWの吐出は続行される。このときにおける、水ノズル61に対するDIWの供給流量は、比較的大流量(たとえば0.5〜2.0L/min)に設定されている。そのため、水ノズル61の吐出口53から吐出されるDIWの態様が、吐出口53と液溜め溝239に溜められたDIWとの双方に繋がる連続流状の態様をなしている。すなわち、吐出口53から吐出されるDIWが、吐出口53と第2ノズル配管232の外周壁との間で液状に繋がっている。第1ノズル配管51内では、DIWが液密状態にある。
また、第2ノズル配管232がホームポジションにある期間(待機時)中は、水ノズル61(第1ノズル配管51)の内部に、軟X線照射ユニット62からの軟X線が照射される。第1ノズル配管51内に存在しているDIWに軟X線が照射される結果、DIWの照射部分54(図5参照)において、多量の電子と、水分子の多量の正イオンとが混在するプラズマ状態が形成される。このとき、DIWの照射部分54と、第2ノズル配管232の外周壁に接液しているDIWとが、DIWを介して繋がっている。
ところで、第2ノズル配管232に対する処理液の供給停止中には、第2ノズル配管232の内部(とくに水平部233)に処理液が残留している。このとき、第2ノズル配管232の外周壁が正または負に帯電すると、誘導帯電により、第2ノズル配管232内の残留処理液までもが、正または負に帯電するおそれがある。このような帯電状態にある処理液が基板Wに供給されると、基板Wまでもが電荷を帯びてしまい、その電荷の放電が生じたときに、基板Wの上面に形成されるデバイスの破壊を生じるおそれがある。
第2ノズル配管232が正に帯電しているときには、DIWの照射部分54(図5参照)と、正に帯電している第2ノズル配管232の外周壁との間の電位差で、DIWの照射部分54(図5参照)からの電子が第2ノズル配管232の外周壁に向けて、連続流状のDIW、および液溜め溝239に溜められたDIWを伝って移動する。これにより、正に帯電している第2ノズル配管232の外周壁が除電される。
一方、第2ノズル配管232が負に帯電しているときには、第2ノズル配管232の外周壁からの電子が、DIWの照射部分54(図5参照)の正イオンに向けて、連続流状のDIWを伝って移動する。これにより、負に帯電している第2ノズル配管232が除電される。
図16は、本発明の第8実施形態に係る基板処理装置251の構成を示す図である。
基板処理装置251が、第7実施形態に係る基板処理装置231(図15(a),15(b)参照)と相違する点は、液溜め溝239に溜められたDIWに第2ノズル配管232を浸漬するのではなく、水供給ユニット(処理液供給装置)250の水ノズル61の吐出口53からのDIWを、第2ノズル配管232の外周壁に直接供給することにより、第2ノズル配管232を除電するようにした点である。水供給ユニット250は、次に述べる移動ユニット252の構成を除き、水供給ユニット100(図1参照)と同等の構成を採用している。そのため、水供給ユニット100の場合と同一の参照符号を付して説明を省略している。水供給ユニット250では、一体型ヘッド6に、当該一体型ヘッド6を水平方向に移動させるための移動ユニット252が結合されている。移動ユニット252はボールナットやモータを用いて構成されており、制御装置40(図3参照)に制御対象として接続されている。
第2ノズル配管232がホームポジションにある期間(待機時)中は、制御装置40は、水ノズル61(第1ノズル配管51)にDIW(水の一例)を供給するとともに、水ノズル61(第1ノズル配管51)の内部に軟X線照射ユニット62からの軟X線を照射する。一体型ヘッド6の水ノズル61から吐出されるDIWは、第2ノズル配管232の外周壁に供給され、第2ノズル配管232の外周壁を伝って下方に流れ落ちる。
このときにおける、水ノズル61に対するDIWの供給流量は、比較的大流量(たとえば0.5〜2.0L/min)に設定されている。そのため、水ノズル61の吐出口53から吐出されるDIWの態様が、吐出口53と第2ノズル配管232の外周壁との双方に繋がる連続流状の態様をなしている。第1ノズル配管51内では、DIWが液密状態にある。
また、第2ノズル配管232がホームポジションにある期間(待機時)中は、水ノズル61(第1ノズル配管51)の内部に、軟X線照射ユニット62からの軟X線が照射される。第1ノズル配管51内に存在しているDIWに軟X線が照射される結果、DIWの照射部分54(図5参照)において、多量の電子と、水分子の多量の正イオンとが混在するプラズマ状態が形成される。このとき、DIWの照射部分54と、第2ノズル配管232の外周壁に接液しているDIWとが、DIWを介して繋がっている。
第2ノズル配管232が正に帯電しているときには、DIWの照射部分54(図5参照)と、正に帯電している第2ノズル配管232との間の電位差で、DIWの照射部分54(図5参照)からの電子が、第2ノズル配管232におけるDIWの接液位置に向けて、連続流状のDIWを伝って移動する。これにより、第2ノズル配管232におけるDIWの着液部位が除電される。
一方、第2ノズル配管232が負に帯電しているときには、第2ノズル配管232からの電子が、DIWの照射部分54(図5参照)の正イオンに向けて、連続流状のDIWを伝って移動する。これにより、第2ノズル配管232におけるDIWの着液部位が除電される。
そして、制御装置40は、移動ユニット252を制御して、第2ノズル配管232(水平部233)の外周壁におけるDIWの着液部位を、第2ノズル配管232の長手方向に沿って一方向移動または往復移動させる。これにより、除電される第2ノズル配管232の位置を、第2ノズル配管232(水平部233)の長手方向に沿って移動させることができ、ゆえに、第2ノズル配管232(水平部233)の外周壁の略全域を良好に除電できる。
図17(a),17(b)は、本発明の第9実施形態に係る基板処理装置261の構成を示す図である。
基板処理装置261は、第1実施形態に係る水供給ユニット100(図1参照)に代えて水供給ユニット(処理液供給装置)260を備える点で、第1実施形態に係る基板処理装置1(図1参照)と相違しており、その他の構成は、基板処理装置1と共通している。図17(a),17(b)には、水供給ユニット260に関連する構成のみを記載し、その他の部分の図示は省略する。図17(a)は、次に述べる第2ノズル配管262および第3ノズル配管272の縦断面図であり、図17(b)は、図17(a)の切断面線B1−B1から見た断面図である。
水供給ユニット260は、第2ノズル配管262と、第3ノズル配管272とを備えている。第2ノズル配管262および第3ノズル配管272は、第3ノズル配管272内に第2ノズル配管262が挿通されることにより二重配管構造を形成している。
第2ノズル配管262は、水平方向に延びる円筒状の水平部263と、この水平部263の先端から垂下する円筒状の垂下部264とを一体的に備えている。第2ノズル配管262は、塩ビ(poly-vinyl-chloride)や、PTFE(poly tetra-fluoro ethylene)、PFA(perfluoro-alkylvinyl-ether-tetrafluoro-ethlene-copolymer)などの樹脂材料によって形成されている。
第2ノズル配管262の内部には処理液流通路265が形成されている。処理液流通路265は、垂下部264の下端において、吐出口266として円形状に開口している。第2ノズル配管262には、処理液供給源からの処理液(薬液または水)が、処理液バルブ(図示しない)を介して供給されている。
水供給ユニット260は、第4実施形態に係る水供給ユニット200(図11参照)の構成の一部を含む。すなわち、水供給ユニット260は、水供給配管204と、軟X線照射ユニット203と、水バルブ205を含む。水供給配管204が第3ノズル配管272に対し、DIW供給源からのDIW(水の一例)を供給する点を除き、軟X線照射ユニット203および水供給配管204は、第4実施形態で説明した通りの構成であるので、詳細な説明は省略する。
第3ノズル配管272は、水平方向に延びる円筒状の水平部273と、この水平部273の先端から垂下する円筒状の垂下部274とを一体的に備えている。第3ノズル配管272は、塩ビ(poly-vinyl-chloride)や、PTFE(poly tetra-fluoro ethylene)、PFA(perfluoro-alkylvinyl-ether-tetrafluoro-ethlene-copolymer)などの樹脂材料によって形成されている。第3ノズル配管272の水平部273内を、第2ノズル配管262の水平部263が挿通し、第3ノズル配管272の垂下部274の管壁を貫通して、その下流端が第2ノズル配管262の垂下部264に接続されている。第3ノズル配管272の内壁と第2ノズル配管262の外壁との間の空間には、水流通路275が形成されている。水流通路275は、垂下部274の下端において、吐出口276として円環状に開口している。
基板Wに対して処理液を用いた処理液処理を施す際には、前記の処理液バルブが開かれる。処理液バルブが開かれると、第2ノズル配管262の水平部263の上流端に、処理液が供給される。第2ノズル配管262に導入された処理液は、処理液流通路265を流通した後、吐出口266から吐出される。処理液の供給停止タイミングになると、前記の処理液バルブが閉じられるが、その後、第2ノズル配管262の内部(とくに水平部263)に処理液が残留する。
基板Wに対してDIWを供給する際には、水バルブ205が開かれる。第3ノズル配管272の水流通路275の上流端に、DIWが供給される。第3ノズル配管272に導入されたDIWは、水流通路275を流通した後、吐出口276から吐出される。DIWの供給停止タイミングになると、水バルブ205が閉じられるが、その後も、第3ノズル配管272の内壁と第2ノズル配管262の外壁との間の空間にDIWが残留する。
ところで、第2ノズル配管262の外周壁が正または負に帯電すると、誘導帯電により、第2ノズル配管262内の残留処理液までもが、正または負に帯電するおそれがある。このような帯電状態にある処理液が基板Wに供給されると、基板Wまでもが電荷を帯びてしまい、その電荷の放電が生じたときに、基板Wの上面に形成されるデバイスの破壊を生じるおそれがある。
このような第2ノズル配管262の外周壁の帯電メカニズムとしては、まず、第3ノズル配管272の外周壁が先に帯電し、次いで、第2ノズル配管262の外壁と第3ノズル配管272の内壁との間の残留DIWを介して第2ノズル配管262の外周壁が帯電することが考えられる。
基板処理装置261では、第3ノズル配管272により基板WにDIWを供給しないとき(つまり、リンス処理時以外)であっても、軟X線照射ユニット203による、水供給配管204の内部への軟X線の照射を続行している。
このとき、第2ノズル配管262の外壁と第3ノズル配管272の内壁との間に残留するDIWと、水供給配管204内に存在しているDIWとが液密状態で(連続流の形で)繋がっている。
第3ノズル配管272が正に帯電しているときには、水供給配管204内におけるDIWの照射部分と、正に帯電している第3ノズル配管272との間の電位差で、水供給配管204内におけるDIWの照射部分からの電子が、水供給配管204内のDIWおよび第2ノズル配管262の外壁と第3ノズル配管272の内壁との間に残留するDIWを伝って、第3ノズル配管272に向けて移動する。これにより、正に帯電している第3ノズル配管272が除電される。
一方、第3ノズル配管272が負に帯電しているときには、第3ノズル配管272からの電子が、水供給配管204内におけるDIWの照射部分の正イオンに向けて、水供給配管204内のDIWおよび第2ノズル配管262の外壁と第3ノズル配管272の内壁との間に残留するDIWを伝って移動する。これにより、第3ノズル配管272が除電される。
すなわち、第3ノズル配管272の除電が達成されるので、第2ノズル配管262が帯電することがない。
また、仮に、第2ノズル配管262が正に帯電しているときには、水供給配管204内におけるDIWの照射部分からの電子が、水供給配管204内のDIWおよび第2ノズル配管262の外壁と第3ノズル配管272の内壁との間に残留するDIWを伝って、第2ノズル配管262に向けて移動する。仮に、第2ノズル配管262が負に帯電しているときには、第2ノズル配管262からの電子が、水供給配管204内におけるDIWの照射部分の正イオンに向けて、水供給配管204内のDIWおよび第2ノズル配管262の外壁と第3ノズル配管272の内壁との間に残留するDIWを伝って移動する。つまり、仮に、第2ノズル配管262が帯電したとしても、このように、第2ノズル配管262の除電を達成できる。
図18は、本発明の第10実施形態に係る基板処理装置301の構成を示す図である。
第10実施形態において、第1実施形態と共通する部分には、図1〜図6の場合と同一の参照符号を付し説明を省略する。基板処理装置301は、基板Wの下面に対してDIW(水の一例)を供給するための水供給ユニット(処理液供給装置)300を備える点、および基板Wの上面に対し、水供給ユニット100(図1参照)に代えて水ノズル302でDIW(水の一例)を供給する点の主に2点において、第1実施形態に係る基板処理装置1(図1参照)と相違している。
水ノズル302は、連続流の状態で液を吐出するストレートノズルによって構成されていて、その吐出口を、基板Wの上面中央部に向けた状態で、処理室3内に固定的に配置されている。水ノズル302には、DIW供給源からDIWが供給される水供給配管303が接続されている。水供給配管303には、水供給配管303を開閉するための水バルブ304が介装されている。
基板処理装置301では、スピン軸9は中空軸とされている。スピン軸9の内部には、下側処理液供給管305が非接触状態で挿通されている。
水供給ユニット300は、下側処理液供給管305と、下側処理液供給管305の上端に取り付けられた下面ノズル306と、下側処理液供給管305に対し、DIW供給源からのDIWを供給する水供給配管(処理液配管)307と、水供給配管307内に存在しているDIWに軟X線を照射するための軟X線照射ユニット(X線照射手段)309とを含む。軟X線照射ユニット309は、水供給配管307に取り付けられている。下面ノズル306は、その吐出口306A(図19参照)が、挟持部材11により支持された基板Wの下面中央部に近接するように配置されている。
下側処理液供給配管305に、水供給配管307が接続されている。これにより、下側処理液供給配管305から下面ノズル306にDIWを供給して、下面ノズル306の吐出口306A(図19参照)から基板Wの下面中央部に向けてDIWを吐出させることができる。
水供給配管307は、丸管状(円筒状)をなしている。水供給配管307は、塩ビ(poly-vinyl-chloride)や、PTFE(poly tetra-fluoro ethylene)、PFA(perfluoro-alkylvinyl-ether-tetrafluoro-ethlene-copolymer)などの樹脂材料を用いて形成されている。水供給配管307の途中部の管壁には、開口(図示しない)が形成されている。
軟X線照射ユニット309は、第1実施形態に係る軟X線照射ユニット62(図2参照)と同等の構成を採用している。軟X線照射ユニット309は、水供給配管307の開口を塞ぐように水供給配管307に取り付けられている。具体的には、軟X線照射ユニット309のカバーの開口(軟X線照射ユニット62のカバー26の第2開口28(図2参照)に相当)が水供給配管307の前記の開口に一致し、かつ軟X線照射ユニット309のカバーの壁面(軟X線照射ユニット62のカバー26の横壁26A(図2参照)に相当)が水供給配管307の外周に密着している。軟X線照射ユニット309の高電圧ユニット(第1実施形態に係る軟X線照射ユニット62の高電圧ユニット31(図2参照)に相当)は、制御装置40(図3参照)に接続されている。
水供給配管307には、水供給配管307を開閉するための水バルブ308が介装されている。水バルブ308は、制御装置40(図3参照)に接続されている。
基板処理装置301では、図4に示す処理例の場合と同様の処理が実施される。
リンス処理(図4のステップS4〜S6)では、制御装置40(図3参照)は、水バルブ304を開く。これにより、水ノズル302から、基板Wの上面中央部に向けてDIWが吐出される。また、制御装置40(図3参照)は、水バルブ308を開く。これにより、水供給配管307を流通するDIWが下面ノズル306に供給される。下面ノズル306の吐出口306Aから、基板Wの下面中央部に向けて上向きにDIWが吐出される。
水バルブ308の開成後所定時間経過して軟X線照射タイミングになると、制御装置40は、軟X線照射ユニット309の高電圧ユニットを制御して、軟X線照射ユニット309の軟X線発生器(第1実施形態に係る軟X線照射ユニット62の軟X線発生器25(図2参照)に相当)に軟X線を発生させて、この軟X線を、水供給配管307の内部に向けて照射させる。これにより、水供給配管307内を流通しているDIWに、軟X線が照射される。
図19は、基板処理装置301におけるリンス処理のDIWの流れを示す図である。
基板Wの上面中央部に供給されたDIWは、基板Wの回転による遠心力を受けて、基板Wの上面上を、中央部から周縁部に向けて拡がる。これにより、基板Wの上面の全域にDIWの液膜が形成される。DIWの液膜によって、基板Wの上面に付着している薬液が洗い流される。
一方、基板Wの下面中央部に供給されたDIWは、基板Wの回転による遠心力を受けて、基板Wの下面を伝って回転半径外方側へと拡がり、基板Wの下面周縁部321に至る。そのため、基板Wの下面の全域にDIWの液膜が形成される。このとき、下面周縁部321に達したDIWは、基板Wの周端面322を回り込んで基板Wの上面周縁部323に至る。そして、基板Wの上面を伝ってきたDIWと、基板Wの周端面322から回り込んだDIWとが、図19に示すように、基板Wの上面周縁部323において合流するようになる。そのため、基板Wの上面に形成されるDIWの液膜と、基板Wの下面に形成されるDIWの液膜とが互いに繋がった状態になる。
リンス処理時における、下面ノズル306に対するDIWの供給流量は、比較的大流量(たとえば0.5〜2.0L/min)に設定されている。そのため、下面ノズル306の吐出口306Aから吐出されるDIWの態様が、吐出口306Aと基板Wの下面に形成されるDIWの液膜との双方に繋がる連続流状の態様をなしている。前述のように基板Wの上面に形成されるDIWの液膜と、基板Wの下面に形成されるDIWの液膜が互いに繋がっているので、吐出口306Aから吐出されるDIWが、基板Wの下面に形成されるDIWの液膜だけでなく、基板Wの上面に形成されるDIWの液膜とも液状に繋がっている。また、下面ノズル306のノズル配管内、下側処理液供給管305内、水供給配管307内で、DIWが液密状態にある。
リンス処理中に、水供給配管307内に存在しているDIWに軟X線が照射されると、水供給配管307内におけるDIWの照射部分(図5に示す、第1実施形態に係るDIWの照射部分54と同等)において、水分子の励起により当該水分子から電子が放出される。その結果、多量の電子と、水分子の多量の正イオンとが混在するプラズマ状態が、水供給配管307内におけるDIWの照射部分に形成される。DIWの照射部分は、基板Wの下面に形成されたDIWの液膜および基板Wの上面に形成されたDIWの液膜と、それぞれ、DIWを介して繋がっている。
基板Wの下面が正に帯電とすると、水供給配管307内におけるDIWの照射部分と、正に帯電している基板Wとの間の電位差で、水供給配管307内におけるDIWの照射部分からの電子が、基板Wの上面および下面のDIWの液膜に向けて、下側処理液供給管305、水供給配管307および連続流状のDIWを伝って移動する。これにより、基板Wの下面および上面に形成されているDIWの液膜が、それぞれ多量の電子を有するようになる。
以上により、基板Wの上下両面に同時リンス処理を施す場合において、回転状態の基板Wの上下面にDIWが供給されても、DIWとの接触分離による基板Wの帯電を生じないから、リンス処理時における基板Wの帯電を防止できる。また、リンス処理前から基板Wが帯電していても、その基板Wに帯びた電荷を除去(すなわち、除電)できる。その結果、基板Wの帯電に起因するデバイス破壊を防止できる。
図20は、本発明の第11実施形態に係る基板処理装置311の構成を示す図である。
基板処理装置311が、第10実施形態に係る基板処理装置301と共通する部分には、図18の場合と同一の参照符号を付し説明を省略する。基板処理装置311では、水供給ユニット300(図18参照)に代えて、水供給ユニット(処理液供給装置)310が設けられている。また、軟X線照射装置314が、処理室3内に配置されている。第11実施形態では、これらの点が第10実施形態と相違している。
水供給ユニット310は、下側処理液供給管305と、下面ノズル306と、水供給配管307と、水供給配管307の途中部から分岐する第2分岐配管(分岐配管)312と、第2分岐配管312内に存在しているDIW(水の一例)に軟X線を照射するための軟X線照射ユニット(X線照射手段)319とを含む。軟X線照射ユニット319は、第2分岐配管312に取り付けられている。
第2分岐配管312は、水供給配管307における水バルブ308よりも上流側の部分から分岐している。第2分岐配管312は、丸管状(円筒状)をなし、塩ビ(poly-vinyl-chloride)や、PTFE(poly tetra-fluoro ethylene)、PFA(perfluoro-alkylvinyl-ether-tetrafluoro-ethlene-copolymer)などの樹脂材料を用いて形成されている。第2分岐配管312の途中部には、第2分岐配管312を開閉するための分岐バルブ318が介装されている。分岐バルブ318は、制御装置40(図3参照)に接続されている。第2分岐配管312には、分岐バルブ318よりも上流側の所定部分の管壁に開口(図示しない)が形成されている。
第2分岐配管312の下流端には、第2カップ用ノズル313が取り付けられている。第2カップ用ノズル313は、連続流の状態で液を吐出するストレートノズルによって構成されていて、その吐出口313A(図21参照。液受け用吐出口)を、カップ上部19の内壁(たとえば傾斜部21の下面)に向けた状態で、たとえばスピンチャック4の外壁に、固定的に配置されている。
軟X線照射ユニット319は、第1実施形態に係る軟X線照射ユニット62(図2参照)と同等の構成を採用している。軟X線照射ユニット319は、第2分岐配管312の開口を塞ぐように第2分岐配管312に取り付けられている。具体的には、軟X線照射ユニット319のカバーの開口(軟X線照射ユニット62のカバー26の第2開口28(図2参照)に相当)が第2分岐配管312の前記の開口に一致し、かつ軟X線照射ユニット319のカバーの壁面(軟X線照射ユニット62のカバー26の横壁26A(図2参照)に相当)が第2分岐配管312の外周に密着している。軟X線照射ユニット319の高電圧ユニット(第1実施形態に係る軟X線照射ユニット62の高電圧ユニット31(図2参照)に相当)は、制御装置40(図3参照)に接続されている。
分岐バルブ318が閉じられた状態で水バルブ308を開くと、水供給配管307から、下側処理液供給管305を介して下面ノズル306にDIWが供給されて、下面ノズル306の吐出口306AからDIWが吐出される。水バルブ308が閉じられた状態で分岐バルブ318を開くと、第2分岐配管312から第2カップ用ノズル313にDIWが供給されて、第2カップ用ノズル313の吐出口313AからDIWが吐出される。
軟X線照射装置314は、照射窓316を有する軟X線発生器315を内蔵している。照射窓316で発生する軟X線が、軟X線照射装置314の外部に射出(放射)されるようになっている。照射窓316からの軟X線の照射角(照射範囲)はたとえば130°であり、照射窓316から照射される軟X線は、その波長がたとえば0.13〜0.41nmである。軟X線発生器315は、軟X線照射ユニット309に含まれる軟X線発生器25(図2参照)と同等の構成を採用しており、照射窓316が照射窓35(図2参照)に相当する。軟X線照射装置314は、照射窓316がカップ上部19の傾斜部21の上面に対向するように、カップ上部19の上方に配置されている。
基板処理装置311では、図4に示す処理例の場合と同様の処理が実施されるが、図4のステップS1の基板Wの搬入に先立って、カップ17に対して除電が行われる。
第11実施形態は、カップ17に対して除電を行う点で第6実施形態の場合と共通しているが、カップ上部19へのDIWの供給だけでなく、このDIWの供給に並行して軟X線照射装置314から軟X線を照射してカップ17を除電している点で第6実施形態の場合と相違している。
具体的には、制御装置40は、軟X線照射ユニット319の高電圧ユニットを制御して、軟X線照射ユニット319の軟X線発生器(第1実施形態に係る軟X線照射ユニット62の軟X線発生器25(図2参照)に相当)に軟X線を発生させて、この軟X線を、第2分岐配管312の内部に向けて照射させる。また、制御装置40は、水バルブ308を閉じながら分岐バルブ318を開く。これにより、第2分岐配管312を流通したDIWが第2カップ用ノズル313の吐出口313A(図21参照)から吐出される。
図21は、図20に示す水供給ユニット310がカップ上部19の傾斜部21にDIWを供給している状態を示す図である。
図21に示すように、吐出口313Aから吐出されたDIWは、カップ上部19の傾斜部21の下面に供給され、傾斜部21の下面を伝って下方に向けて流れる。そのため、傾斜部21の下面には、DIWの液膜が形成される。
このとき、第2カップ用ノズル313に対するDIWの供給流量は、比較的大流量(たとえば0.5〜2.0L/min)に設定されている。そのため、第2カップ用ノズル313の吐出口313Aから吐出されるDIWの態様が、吐出口313Aと傾斜部21の下面のDIWの液膜との双方に繋がる連続流状の態様をなしている。また、第2カップ用ノズル313のノズル配管内および第2分岐配管312内では、DIWが液密状態にある。
カップ上部19が正に帯電しているときには、第2分岐配管312内におけるDIWの照射部分と、正に帯電しているカップ上部19との間の電位差で、第2分岐配管312内におけるDIWの照射部分からの電子が、傾斜部21の下面のDIWの液膜に向けて、連続流状のDIWを伝って移動する。これにより、傾斜部21の下面のDIWの液膜が多量の電子を有するようになるので、正に帯電しているカップ上部19のうち、DIWの液膜に接する部分が除電される。
一方、カップ上部19が負に帯電しているときには、カップ上部19からの電子が、第2分岐配管312内におけるDIWの照射部分の正イオンに向けて、連続流状のDIWを伝って移動する。そのため、負に帯電しているカップ上部19のうち、DIWの液膜に接する部分が除電される。
また、制御装置40は、軟X線照射装置314の高電圧ユニットを制御して、軟X線照射装置314の軟X線発生器315に軟X線を発生させて、この軟X線を、カップ上部19の傾斜部21の上面に照射させる。カップ上部19の傾斜部21は処理中に基板Wの周囲に配置される部材であるが、軟X線照射装置314からの軟X線の照射により、傾斜部21の帯電防止および除電を達成できる。
カップ上部19に対する除電が行われた後、未処理の基板Wが処理室3に搬入され、スピンチャック4に受け渡される。
スピンチャック4に基板Wが保持された後、制御装置40はスピンモータ8を制御して、スピンチャック4による基板Wの回転を開始させる(図4のステップS2)。基板Wの回転速度が所定の液処理速度(たとえば500rpm)まで上げられ、その後、その液処理速度に維持される。
リンス処理(図4のステップS4〜S6)では、制御装置40(図3参照)は、分岐バルブ318を閉じつつ水バルブ308を開く。また、水バルブ308の開成後所定時間経過して軟X線照射タイミングになると、制御装置40は、軟X線照射ユニット319の高電圧ユニットを制御して、軟X線照射ユニット319の軟X線発生器に軟X線を発生させて、この軟X線を、第2分岐配管312の内部に向けて照射させる。これにより、下面ノズル306から、基板Wの下面中央部に向けてDIWが吐出される。
基板Wの下面中央部に供給されたDIWは、第10実施形態の場合と同様、基板Wの下面を伝って回転半径外方側へと拡がり、基板Wの周端面322(図19参照)を回り込んで基板Wの上面周縁部に至る。そして、基板Wの上面を伝ってきたDIWと、基板Wの周端面322から回り込んだDIWとが、基板Wの上面周縁部において合流し、その結果、基板Wの上面全域に形成されるDIWの液膜と、基板Wの下面全域に形成されるDIWの液膜とが互いに繋がった状態になる。
また下面ノズル306の吐出口306Aから吐出されるDIWの態様が、吐出口306Aと基板Wの下面に形成されるDIWの液膜との双方に繋がる連続流状の態様をなしている。基板Wの上面に形成されるDIWの液膜と、基板Wの下面に形成されるDIWの液膜が互いに繋がっているので、吐出口306Aから吐出されるDIWが、基板Wの下面に形成されるDIWの液膜だけでなく、基板Wの上面に形成されるDIWの液膜とも液状に繋がっている。また、下面ノズル306のノズル配管内、下側処理液供給管305内、水供給配管307内および第2分岐配管312内で、DIWが液密状態にある。
リンス処理中に、第2分岐配管312内に存在しているDIWに軟X線が照射されると、第2分岐配管312内におけるDIWの照射部分(図5に示す、第1実施形態に係るDIWの照射部分54と同等)において、水分子の励起により当該水分子から電子が放出される。その結果、多量の電子と、水分子の多量の正イオンとが混在するプラズマ状態が、第2分岐配管312内におけるDIWの照射部分に形成される。DIWの照射部分は、基板Wの下面に形成されたDIWの液膜および基板Wの上面に形成されたDIWの液膜と、それぞれ、DIWを介して繋がっている。
基板Wが正に帯電すると、第2分岐配管312内におけるDIWの照射部分と、正に帯電している基板Wとの間の電位差で、第2分岐配管312内におけるDIWの照射部分からの電子が、基板Wの上面および下面のDIWの液膜に向けて、下側処理液供給管305、水供給配管307、第2分岐配管312および連続流状のDIWを伝って移動する。これにより、基板Wの上面および下面のDIWの液膜が多量の電子を有するようになる。
以上により、第11実施形態においても、第10実施形態で述べた作用効果と同等の作用効果に加えて、カップ上部19の除電を良好に行えるという作用効果を奏することができる。
軟X線照射ユニット319の窓部材の外表面(窓部材71の外表面71B(図2参照)に相当)から親水性皮膜(親水性皮膜38(図2参照)に相当)が剥がれると、当該窓部材に含まれるベリリウムが処理液(たとえば、DIW等の水)に溶け出すおそれがある。このような場合であっても、軟X線照射ユニット319が第2分岐配管312に設けられているので、そのようなベリリウムを含むDIWは、下面ノズル306ではなく第2カップ用ノズル313に供給される。これにより、ベリリウムを含むDIWが基板Wに供給されるのを、確実に防止できる。
なお、前述の説明では、軟X線照射装置314による軟X線の照射を、基板Wの搬入に先立って実行するものと説明したが、基板Wの搬入前だけでなく、スピンドライ(図4のステップS8)時にも軟X線照射装置314による軟X線の照射を行うようにしてもよい。この場合、基板Wの表面(上面)に軟X線を照射することが好ましく、これにより、処理液が振り切られた直後の基板Wの表面に軟X線が照射されるから、基板Wの帯電防止および除電を、より一層確実に達成できる。
なお、第11実施形態の構成として、第10実施形態の構成と比較して、第2カップ用ノズル313を含む構成の水供給ユニット310と軟X線照射装置314との2つを設けたが、第10実施形態の構成に加え、水供給ユニット310および軟X線照射装置314の一方のみが設けられた構成であってもよい。
図22は、本発明の第12実施形態に係る基板処理装置401の構成を示す図である。
第12実施形態において、第10実施形態と共通する部分には、図18および図19の場合と同一の参照符号を付し説明を省略する。基板処理装置401は、スピンチャック4に代えてスピンチャック(基板保持回転手段)402を備える点、およびスピンチャック402を介して基板Wの下面にDIW(水の一例)を供給する点の主に2点において、第10実施形態に係る基板処理装置301(図18参照)と相違している。基板処理装置401は、水供給ユニット(処理液供給装置)400を備えている。
スピンチャック402は、挟持式のものである。具体的には、スピンチャック402は、スピンモータ403と、このスピンモータ403の駆動軸と一体化されたスピン軸(支持部材)404と、スピン軸404の上端にほぼ水平に取り付けられた円板状のスピンベース(支持部材)405と、スピンベース405の周縁部の複数箇所にほぼ等間隔で設けられた複数個の挟持部材406とを備えている。
スピン軸404は、樹脂や鋼材等を用いて形成された内軸部407と、多孔質材料を用いて形成された外筒部408とを含み、内軸部407を外筒部408に挿通した状態で一体化している。すなわち、内軸部407の外周が外筒部408に密着状態で包囲されている。
スピンベース405は、多孔質材料を用いて形成されている。スピンベース405の下面405Bには、外筒部408の上端面が密着状態で接続されている。
挟持部材406は鋼材等を用いて形成されている。複数の挟持部材406により基板Wを挟持した状態で、基板Wの下面の全域がスピンベース405の上面に接触するように、挟持部材406の諸元や、スピンベース405の高さ方向の厚みが、それぞれ設定されている。
スピン軸404の外筒部408やスピンベース405の材質である多孔質材料は、たとえばPVA(polyvinyl alcohol)製のスポンジであり、多数の空孔を有している。多孔質材料の空孔は、DIW(水の一例)が通過可能な大きさ(たとえば、0.05〜100μmの径)を有している。そのため、多孔質材料の空孔を介してDIWを通過させることが可能であり、ゆえに、外筒部408の内部やスピンベース405の内部を、DIWを移動させることが可能である。
なお、多孔質材料の原材料としては、PVAの他に、ウレタン樹脂、フッ素系樹脂(PTFE(poly tetra-fluoro ethylene))、PEEK(polyether-ether-ketone)、PVC(poly-vinyl chloride)、およびPFA(perfluoro-alkylvinyl-ether-tetrafluoro-ethlene-copolymer)を例示できる。
水供給ユニット400は、水ノズル409と、水ノズル409に対し、DIW供給源からのDIW(水の一例)を供給する水供給配管(処理液配管)410と、水供給配管410内に存在しているDIWに軟X線を照射するための軟X線照射ユニット(X線照射手段)412とを含む。軟X線照射ユニット412は、水供給配管410に取り付けられている。
水ノズル409は、丸管状(円筒状)のノズル配管を有しており、水供給配管410の先端に取り付けられている。水ノズル409は、連続流の状態で液を吐出するストレートノズルによって構成されていて、その吐出口409Aを、スピン軸404の外筒部408に向けた状態で、処理室3内に固定的に配置されている。
水供給配管410は、丸管状(円筒状)をなしている。水供給配管410は、塩ビ(poly-vinyl-chloride)や、PTFE(poly tetra-fluoro ethylene)、PFA(perfluoro-alkylvinyl-ether-tetrafluoro-ethlene-copolymer)などの樹脂材料を用いて形成されている。水供給配管410の途中部の管壁には、開口(図示しない)が形成されている。
軟X線照射ユニット412は、第1実施形態に係る軟X線照射ユニット62(図2参照)と同等の構成を採用している。軟X線照射ユニット412は、水供給配管410の開口を塞ぐように水供給配管410に取り付けられている。具体的には、軟X線照射ユニット412のカバーの開口(軟X線照射ユニット62のカバー26の第2開口28(図2参照)に相当)が水供給配管410の前記の開口に一致し、かつ軟X線照射ユニット412のカバーの壁面(軟X線照射ユニット62のカバー26の横壁26A(図2参照)に相当)が水供給配管410の外周に密着している。軟X線照射ユニット412の高電圧ユニット(第1実施形態に係る軟X線照射ユニット62の高電圧ユニット31(図2参照)に相当)は、制御装置40(図3参照)に接続されている。
水供給配管410には、水供給配管410を開閉するための水バルブ411が介装されている。水バルブ411は、制御装置40(図3参照)に接続されている。水バルブ411が開かれると、水供給配管410から水ノズル409にDIWが供給され、水バルブ411が閉じられると、水ノズル409へのDIWの供給が停止される。
図23は、水供給ユニット400が外筒部408にDIWを供給している状態を示す図である。
基板処理装置401では、図4に示す処理例の場合と同様の処理が実施される。
リンス処理(図4のステップS4〜S6)では、制御装置40(図3参照)は、水バルブ304を開く。これにより、水ノズル302の吐出口302Aから、基板Wの上面中央部に向けてDIWが吐出される。基板Wの上面中央部に供給されたDIWは、基板Wの回転による遠心力を受けて、基板Wの上面上を、中央部から周縁部に向けて拡がる。これにより、基板Wの上面の全域にDIWの液膜が形成される。DIWの液膜によって、基板Wの上面に付着している薬液が洗い流される。
リンス処理(図4のステップS4〜S6)では、制御装置40(図3参照)は、水バルブ304の開成に併せて、水バルブ411を開く。これにより、水供給配管410を流通するDIWが水ノズル409に供給される。水ノズル409の吐出口409Aから、スピン軸404の外筒部408に向けて横向きにDIWが吐出される。
外筒部408の外周面に供給されたDIWは、外筒部408の内部に浸透し、外筒部408の内部を通って、スピンベース405の下面405Bに供給される。スピンベース405の下面405Bに供給されたDIWは、スピンベース405の内部に浸透し、外筒部408の内部を通って、スピンベース405の上面405Aに供給される。スピンベース405の内部に含浸されているDIWが上面405Aから染み出し、図23に示すように、上面405AにDIWの液膜が形成される。このDIWの液膜が基板Wの下面に接液されることにより、基板Wの下面に付着している薬液がDIWによって洗い流されていく。これにより、基板Wの下面の全域にリンス処理を施すことができる。
水ノズル409は、その吐出口409Aが、外筒部408の外周面と微小な間隔S1を隔てて配置されている。また、リンス処理中における、水ノズル61に対するDIWの供給流量は、比較的大流量(たとえば0.5〜2.0L/min)に設定されている。そのため、水ノズル409の吐出口409Aから吐出されるDIWの態様が、吐出口409Aとスピン軸404の外筒部408の外周面との双方に繋がる連続流状をなしている。そのため、吐出口409Aから吐出されるDIWが、基板Wの下面に形成されるDIWの液膜に液状に繋がっている。また、水ノズル409のノズル配管内および水供給配管410内で、DIWが液密状態にある。
水バルブ411の開成後所定時間経過して軟X線照射タイミングになると、制御装置40は、軟X線照射ユニット412の高電圧ユニットを制御して、軟X線照射ユニット412の軟X線発生器(第1実施形態に係る軟X線照射ユニット62の軟X線発生器25(図2参照)に相当)に軟X線を発生させて、この軟X線を、水供給配管410の内部に向けて照射させる。これにより、水供給配管410内を流通しているDIWに、軟X線が照射される。
リンス処理中に、水供給配管410内を流通しているDIWに軟X線が照射されると、水供給配管410内におけるDIWの照射部分(図5に示す、第1実施形態に係るDIWの照射部分54と同等)において、水分子の励起により当該水分子から電子が放出される。その結果、多量の電子と、水分子の多量の正イオンとが混在するプラズマ状態が、水供給配管410内におけるDIWの照射部分に形成される。DIWの照射部分は、基板Wの下面に形成されたDIWの液膜と、DIWを介して繋がっている。
基板Wの下面が正に帯電しているとすると、水供給配管410内におけるDIWの照射部分と、正に帯電している基板Wの下面との間の電位差で、水供給配管410内におけるDIWの照射部分からの電子が、基板Wの下面に接液しているDIWの液膜に向けて、連続流状のDIWを伝って移動する。これにより、基板Wの下面に接液しているDIWの液膜が多量の電子を有するようになる。
以上により、第12実施形態においても、第10実施形態で述べた作用効果と同等の作用効果を奏する。
以上、第1〜第12実施形態では、本発明を、円形の基板Wを処理するための枚葉型の基板処理装置1,201,211,221,231,251,261,301,311,401に適用する場合を例に挙げて説明したが、本発明は、角形(シート状)の基板を処理するための基板搬送型の基板処理装置に本発明を適用することもできる。
図24は、本発明の第13実施形態に係る基板処理装置501の構成を示す図解的な斜視図である。基板処理装置501は、基板Wの一例としての角形の液晶表示装置用ガラス基板の表面(処理対象面)を、水等の処理液を用いて洗浄するために用いられる装置である。処理対象となる角形の基板の一辺の長さは、例えば数十cm〜2m程度の範囲であり、その板厚は0.5〜1.2mm程度である。
以下、次に述べる、基板Wの搬送方向に沿う水平方向をX方向とし、X方向に直交する水平方向をY方向とし、上下方向をZ方向とする。
基板処理装置501は、基板WをX方向に沿って搬送するためのコロ搬送ユニット504(基板保持搬送手段)と、コロ搬送ユニット504によって搬送されている基板Wの表面に処理液としてのDIW(水の一例)を供給する水供給ユニット(処理液供給装置)500と、コロ搬送ユニット504によって搬送されている基板Wの表面に不活性ガスの一例としての窒素ガスを吹き付けるガスナイフノズル519と、コロ搬送ユニット504によって搬送されている基板Wの表面に軟X線を照射する軟X線照射装置512とを含む。
基板処理装置501は、基板Wの表面にDIWを供給して、基板Wの表面に洗浄処理を施すための洗浄処理室502と、基板Wの表面に付着したDIWを液切りする液切り処理を施すための液切り室503とを含む。洗浄処理室502および液切り室503は、互いに隣接して配置されている。洗浄処理室502内には、コロ搬送ユニット504の上方に、供給ユニット500が配置されている。液切り室503内には、コロ搬送ユニット504の上方に、ガスナイフノズル519および軟X線照射装置512が搬送方向にこの順で配置されている。
コロ搬送ユニット504は、洗浄処理室502の内部空間と、液切り室503の内部空間との間を跨るように、左右方向に延びた状態で配置されている。洗浄処理室502の上流側の側壁に形成された基板搬入口523から搬入された基板Wは、コロ搬送ユニット504により搬送させられ、洗浄処理室502と液切り室503とを仕切る仕切り壁521に形成された基板通過口522を介して、液切り室503に移される。そして、コロ搬送ユニット504により液切り室503内を搬送させられ、液切り室503の下流側の側壁に形成された基板搬出口524から搬出させられる。
基板Wは、その表面を上方に向けてコロ搬送ユニット504上に載置される。基板WをX方向に沿って搬送することにより、基板Wの表面が、水供給位置P1および不活性ガス噴射位置P2によって順次走査される。これにより、基板Wの表面において、まずDIWが供給され、その後所定の時間だけ遅れて窒素ガスが噴射される。
図25は、コロ搬送ユニット504の構成を示す斜視図である。
コロ搬送ユニット504は、搬送コロ505が、X方向にほぼ等ピッチで並設されている。各搬送コロ505は、駆動ユニット(図示しない)の駆動により同一方向に同期回転されるようになっている。
各搬送コロ505は、X方向に直交する面(Y−Z面)内で、水平面に対し傾斜したコロ軸515を備える。そのため、コロ搬送ユニット504により実現される搬送路は、水平面に対して全体的にY方向に傾斜している。基板Wは、傾斜姿勢を保ちながら搬送される。なお、基板Wの水平面に対する傾斜角度α(図26参照)は、たとえば約5°に設定されている。
各搬送コロ505は、たとえば、コロ軸515の左右両側部にコロ軸515と同伴回転可能に外嵌された左右一対の側部ローラ516と、コロ軸515の中央部に設けられた中央ローラ517とを含む、いわゆる部分支持型搬送コロである。
個々の各側部ローラ516は、外方側部に、側部ローラ516と一体的に設けられた鍔部516Aを有している。鍔部516Aは、搬送される基板Wの横ずれを防止するとともに、下側の鍔部516Aによって基板Wが傾斜面に沿って滑落するのを防止している。また、各ローラ516,517には、ゴム等からなるOリング(図示しない)が外嵌されており、このOリングの滑り止め作用により、基板Wの滑落をより確実に防止している。
図24に示すように、水供給ユニット500は、洗浄処理室502内に配置された複数(図24では、たとえば3つ)の水ノズル531と、個々の水ノズル531にDIWを供給するための水供給配管(処理液配管)533と、個々の水供給配管533の上流端が接続される水集合配管532とを含む。複数の水ノズル531は、X方向に沿ってたとえば等間隔を隔てて配置されている。各水ノズル531は、その吐出口531Aを、コロ搬送ユニット504によって搬送される基板Wの上部に対向する位置で下に向けた状態で、固定的に配置されている。水集合配管532は、DIW供給源からのDIW(水の一例)を、複数の水供給配管533にDIWを供給するための配管である。各水ノズル531の先端部には、円環状の電極56が外嵌固定されており、かつ電極56には、電源57(図3参照)によって装置グラウンドに対する電圧が印加されるようになっている。
図24に示すように、水供給ユニット500は、さらに、水集合配管532内に存在しているDIWに軟X線を照射するための軟X線照射ユニット(X線照射手段)534を含む。軟X線照射ユニット534は、水集合配管532に取り付けられている。
水集合配管532は、丸管状(円筒状)をなし、たとえば塩ビ(poly-vinyl-chloride)を用いて形成されている。水集合配管532の途中部には、水集合配管532を開閉するための集合バルブ535が介装されている。水集合配管532には、集合よりも下流側の所定部分の管壁に開口(図示しない)が形成されている。
図24に示すように、軟X線照射ユニット534は、第1実施形態に係る軟X線照射ユニット62(図2参照)と同等の構成を採用している。軟X線照射ユニット534は、水集合配管532の開口を塞ぐように水集合配管532に取り付けられている。具体的には、軟X線照射ユニット534のカバーの開口(軟X線照射ユニット62のカバー26の第2開口28(図2参照)に相当)が水集合配管532の前記の開口に一致し、かつ軟X線照射ユニット534のカバーの壁面(軟X線照射ユニット62のカバー26の横壁26A(図2参照)に相当)が水集合配管532の外周に密着している。軟X線照射ユニット534の高電圧ユニット(第1実施形態に係る軟X線照射ユニット62の高電圧ユニット31(図2参照)に相当)は、制御装置40(図3参照)に接続されている。集合バルブ535が開かれると、水集合配管532から個々の水供給配管533にDIWが供給されて、各水ノズル531の吐出口531AからDIWが吐出される。
図24に示すように、ガスナイフノズル519は、基板Wの上面に付着しているDIWを吹き飛ばすために、コロ搬送ユニット504によって搬送される基板Wの上面に不活性ガスの一例としての窒素ガスを噴射するためのノズルである。不活性ガスの他の例として、CDA(低湿度の清浄空気)を挙げることができる。ガスナイフノズル519は、Y方向に長いスリット噴射口519Aを先端に有し、コロ搬送ユニット504によって搬送される基板WのY方向全幅にわたる範囲に窒素ガスを供給できるものである。ガスナイフノズル519は、スリット噴射口519Aが基板Wの上面に微小間隔を隔てて対向するように、液切り室503内に固定的に配置されている。
ガスナイフノズル519には、窒素ガス供給源からの窒素ガスが、不活性ガスバルブ511を介して供給されている。ガスナイフノズル519は、窒素ガスをY方向に沿う帯状に噴射する。
基板Wの上面に対する、ガスナイフノズル519のスリット噴射口519Aからの不活性ガスの吹付け方向は、鉛直方向に対し、基板Wの搬送方向と逆方向(図24に示す左側)に傾斜している。その傾斜角度θ(図27参照)は、たとえば20°〜70°の範囲内である。
図24に示すように、軟X線照射装置512は、照射窓514を有する軟X線発生器513を内蔵している。照射窓514で発生する軟X線が、軟X線照射装置512の外部に射出(放射)されるようになっている。照射窓514からの軟X線の照射角(照射範囲)はたとえば130°であり、照射窓514から照射される軟X線は、その波長がたとえば0.13〜0.41nmである。軟X線発生器513は、軟X線照射ユニット534に含まれる軟X線発生器25(図2参照)と同等の構成を採用しており、照射窓514が照射窓35(図2参照)に相当する。軟X線照射装置512は、コロ搬送ユニット504によって搬送される基板Wの上方において、ガスナイフノズル519よりも下流側に配置されている。具体的には、軟X線照射装置512は、不活性ガス噴射位置P2に照射窓514が対向するように配置されている。
図26は、水供給ユニット500が基板WにDIWを供給している状態を示す断面図である。図27は、軟X線照射装置512が、基板Wの上面に軟X線を照射している状態を示す断面図である。
図26および図27に示すように、各吐出口531Aから吐出されたDIWは、基板Wの上面の水供給位置P1に供給され、基板Wの上面を傾斜面に沿って流れる。これにより、基板Wの上面にDIWの液膜が形成される。また、各水ノズル531に対するDIWの供給流量は、比較的大流量(ガラス基板の大きさや洗浄程度に応じて例えば1〜数十L/min)に設定されている。そのため、各吐出口531Aから吐出されるDIWが、水ノズル531の吐出口531Aと、基板Wの上面のDIWの液膜との双方に繋がる連続流の態様をなしている。また、水ノズル531のノズル配管内、水集合配管532内および水供給配管533内では、DIWが液密状態にある。
一連の処理中は、水集合配管532の内部に、軟X線照射ユニット534からの軟X線が照射される。水集合配管532内に存在しているDIWに軟X線が照射されると、水集合配管532内におけるDIWの照射部分(図5に示す、第1実施形態に係るDIWの照射部分54と同等)において、水分子の励起により当該水分子から電子が放出される。その結果、多量の電子と、水分子の多量の正イオンとが混在するプラズマ状態が、水集合配管532内におけるDIWの照射部分に形成される。DIWの照射部分は、基板Wの上面に形成されたDIWの液膜と、DIWを介して繋がっている。
基板Wが正に帯電すると水集合配管532内におけるDIWの照射部分と、正に帯電している基板Wとの間の電位差で、水集合配管532内におけるDIWの照射部分からの電子が、基板Wの上面のDIWの液膜に向けて、連続流状のDIWを伝って移動する。これにより、基板Wの上面のDIWの液膜が多量の電子を有するようになる。
これにより、DIWを用いた処理によって、基板Wの帯電を防止できる。また、洗浄処理前から基板Wが帯電していても、その基板Wに帯びた電荷を除去(すなわち、除電)できる。その結果、基板Wの帯電に起因するデバイス破壊を防止できる。
また、不活性ガス噴射位置P2では、ガスナイフノズル519のスリット噴射口519Aからの窒素ガスが、基板Wの上面に形成されるDIWの液膜(DIWの連続流を介して吐出口531Aと繋がっている液膜)に吹き付けられる。また、不活性ガス噴射位置P2において、基板Wの上面には、軟X線照射装置512の軟X線発生器513で発生された軟X線が照射される。
窒素ガスの吹付けにより、基板Wの上面からDIWが吹き飛ばされ、基板Wの上面に付着したDIWが除去される。そして、不活性ガス噴射位置P2において、軟X線が照射される。基板Wの上面におけるDIWが切れた(吹き飛ばされた)直後の部分に軟X線が照射されるので、基板Wの帯電防止および除電を、より一層確実に達成できる。
第13実施形態において、洗浄処理室502内で水(たとえばDIW)を用いて基板Wを処理する場合を例に挙げて説明したが、洗浄処理室502内で薬液および水を用いた処理を用いて基板Wを処理することもできる。この場合、図24に二点鎖線で示すように、水供給ユニット500よりも上流側に、薬液ノズル506が配置される。薬液ノズル506には、薬液バルブ508を介して薬液供給源からの薬液が供給されるようになっている。つまり、水供給位置P1よりも上流側に、薬液供給位置P0が設定される。
第13実施形態において、基板Wを傾斜姿勢で搬送するコロ搬送ユニット504を例に挙げて説明したが、コロ搬送ユニット504は、基板Wを水平姿勢に保ちつつ搬送するものであってもよい。
また、第13実施形態の基板処理装置501は、基板Wの上面(上側の主面)を洗浄するものを例に挙げて説明したが、基板の両面に洗浄処理を施すタイプの基板処理装置にも本願発明を適用できる。この場合、洗浄処理室502および液切り室503において、コロ搬送ユニット504の下方側にも、水供給ユニット500およびガスナイフノズル519をそれぞれ配置し、水供給位置P1において、下方側の水供給ユニット500によって基板Wの下面にDIWを供給するとともに、不活性ガス噴射位置P2において、下方側のガスナイフノズル519によって、基板Wの下面に窒素ガスを噴射する。
第1〜第13実施形態では、処理対象物が基板Wとする基板処理装置1,201,211,221,231,251,261,301,311,401,501に搭載される処理液供給ユニット100,200,220,230,250,260,300,310,400,500を例に挙げて説明したが、本発明は、基板W以外を処理対象物とする処理ユニットにも適用できる。以下、処理対象物を基板収容器(収容器)602とし、処理対象物を洗浄液(処理液)を用いて洗浄するための収容器洗浄装置601を例に挙げて説明する。
図28は、本発明の第14実施形態に係る物品洗浄装置601の構成を示す図である。図29は、基板収容器602の構成を示す斜視図である。
図29に示すように、基板収容器602は、基板Wを密閉した状態で収容する容器である。基板収容器602の一例として、FOSB(Front Opening Shipping Box)を挙げることができる。FOSBは、専ら、半導体ウエハメーカから半導体装置メーカに、基板Wを納入するために用いられる。FOSBは、未処理の複数枚の基板Wを収容し、これらの基板Wの清浄度を維持しつつ、基板Wへの損傷を防止する。
図28に示すように、物品洗浄装置601は、基板収容器602の収容器本体603を載置するための載置台607と、基板収容器602に対して洗浄液の一例としてのDIWを供給する水供給ユニット(処理液供給装置)600を備えている。水供給ユニット600は、第1実施形態に係る水供給ユニット100(図1参照)と同等の構成を採用している。そのため、図28には同一の参照符号を付し、説明を省略する。水供給ユニット600の水ノズル61は、載置台607に載置された収容器本体603の上方で、その吐出口53を下方に向けて配置されている。
基板収容器602は、側方に開口603Aを有する有底箱状の収容器本体603と、収容器本体603の開口603Aを開閉するための蓋604(図28では、蓋604の閉状態を示している)と、収容器本体603の内壁に取り付けられた多段の収容器支持棚606と、蓋604に取り付けられた多段の蓋支持棚605とを含む。開口603Aを介して収容器本体603の内部に対し、基板Wの出し入れが行われる。収容器本体603および蓋604は、それぞれ、たとえば塩ビ(poly-vinyl-chloride)等の樹脂材料を用いて形成されている。収容器本体603は、略立方形状の外郭形状を有し、図28に示すように、開口側が底部側に比べてやや大径を有していてもよい。この場合、収容器本体603の上面は傾斜面を有している。
洗浄処理では、水供給ユニット600から基板収容器602の収容器本体603の外壁に対してDIWが供給される。具体的には、水バルブ14が開かれ、水供給配管13を流通するDIWが水ノズル61に供給される。これにより、水ノズル61の吐出口53から、収容器本体603の外壁の上面に向けて下向きにDIWが吐出される。また、制御装置40は、軟X線発生器25(図2参照)に軟X線を発生させて、この軟X線を、水ノズル61の第1ノズル配管51の内部に向けて照射させる。これにより、第1ノズル配管51内を流通しているDIWに、軟X線が照射される。
収容器本体603の外壁の上方の側面に供給されたDIWは、傾斜面からなる当該上方の側面および底面を伝って流下する。これにより、収容器本体603の外壁にDIWの液膜が形成される。この液膜によって、収容器本体603の外壁に付着している汚れやゴミなどが洗い流される。
洗浄処理中に、第1ノズル配管51内に存在しているDIWに軟X線が照射されると、第1ノズル配管51内におけるDIWの照射部分54(図5参照)において、水分子の励起により当該水分子から電子が放出される。その結果、多量の電子と、水分子の多量の正イオンとが混在するプラズマ状態が、DIWの照射部分54に形成される。
洗浄処理中における、水ノズル61に対するDIWの供給流量は、比較的大流量(基板収容器602の大きさ等に応じてたとえば1〜10L/min)に設定されている。そのため、水ノズル61の吐出口53から吐出されるDIWの態様が、吐出口53と収容器本体603の外壁との双方に繋がる連続流状の態様をなしている。そのため、収容器本体603の外壁にDIWの液膜が形成される。この液膜によって、収容器本体603の外壁に形成された液膜63とDIWの照射部分54とが、DIWを介して繋がっている。また、水ノズル61のノズル配管内では、DIWが液密状態にある。
収容器本体603の外壁が正に帯電しているとすると、DIWの照射部分54と、正に帯電している基板Wの下面との間の電位差で、DIWの照射部分54からの電子が、基板Wの下面に接液しているDIWの液膜に向けて、連続流状のDIWを伝って移動する。これにより、収容器本体603の外壁に接液しているDIWの液膜が多量の電子を有するようになる。
このとき、DIWの液膜63とDIWの照射部分54とが、DIWを介して繋がっている。
以上により、第14実施形態によれば、洗浄処理時における収容器本体603の帯電を防止できる。また、洗浄処理前から収容器本体603が帯電していても、その収容器本体603に帯びた電荷を除去(すなわち、除電)できる。
なお、第14実施形態では、収容器本体603を洗浄する場合を例に挙げて説明したが、蓋604や、支持棚605,606を洗浄する場合にも、同様に洗浄方法を採用することにより、蓋604や支持棚605,606の除電を図りつつ、蓋604や支持棚605,606に洗浄処理を施すことができる。
また、基板収容器602として、FOSBを例に挙げて説明したが、専ら、半導体ウエハメーカの工場内で基板Wを搬送するために用いられ、基板Wを密閉した状態で収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)を挙げることもできる。その他、基板収容器602として、FOUP(Front Opening Unified Pod)や、SMIF(Standard Mechanical Interface)ポッド、OC(Open Cassette)等の他の形態の基板収容器を例示することもできる。
また、収容器は、基板Wを収容するものに限られず、収容器として、CD、DVD、ブルーディスク等の円盤状のメディアを収容するメディア収容器や、レンズ、ミラー、回折格子等の光学部品を収容する部品収容器を、処理対象物とすることができる。
次に、軟X線照射ユニットを内蔵する水供給ユニットからのDIW(水の一例)の供給によって、シリコンウエハ、ガラス基板、収容器等の処理対象物を除電できることを確認するための除電試験を行った。この除電試験の内容および結果について、以下説明する。
図30は、除電試験に用いられる試験装置651を説明するための図である。
試験装置651は、樹脂製の有底状の容器652と、容器652内で、帯電体Eを保持する帯電体保持台653と、帯電体保持台653に保持されている帯電体Eに対して、処理液を供給するための水供給ユニット654と、帯電体保持台653に保持されている帯電体Eを帯電させつつ、当該帯電体Eの帯電量を計測するための帯電プレートモニタ655と、帯電プレートモニタ655にて計測された帯電量を記録するためのレコーダ656とを含む。帯電プレートモニタ655は、帯電体Eと導通する金属プレート671を有している。帯電プレートモニタ655の一例としてイオンシステムズ社製CPM210を例示でき、また、レコーダ656の一例として日置電機株式会社製HIOKI8841を例示できる。
水供給ユニット654は、水ノズル661と、水ノズル661内を流通するDIW(水の一例)に軟X線を照射するための軟X線照射ユニット662と、水ノズル661に対し、DIWタンク670からのDIWを供給する水供給配管663とを含む。軟X線照射ユニット662は、水供給配管663に取り付けられている。水供給配管663には、水供給配管663の開閉および開度を調節するためのバルブ664が介装されている。
水ノズル661は、電離チャンバ665と、電離チャンバ665内にDIWを流入させるための入口666Aを有する流入口部666と、電離チャンバ665内を流通したDIWの出口667Aを有する流出口部667とを有する。電離チャンバ665は矩形扁平状に形成されており、電離チャンバ665の内部空間は、流通方向の長さ約100mm×流通方向の幅約5mm×流通方向の奥行約60mm の矩形空間に設定されている。
軟X線照射ユニット662は、第1実施形態に係る軟X線照射ユニット62と同等の構成を採用している。軟X線照射ユニット662は、第1実施形態に係る軟X線発生器25(図2参照)に相当する軟X線発生器を有している。この軟X線発生器として軟X線イオナイザー(L9490。浜松ホトニクス(株)製)を例示できる。軟X線照射ユニット662において、第2開口28(図2参照)に相当する丸型開口の直径はたとえば17mmである。
この除電試験では、計測対象の帯電体Eとして、角形の金属板(130mm×93 mm×厚み1mm)が用いられる。基板保持台653は、帯電体Eを、水平面に対し所定角度傾斜する傾斜姿勢に保持する。帯電体Eが基板保持台653によって保持された状態では、基板保持台653に含まれるPTFE(poly tetra-fluoro ethylene)製のブロック668により、帯電体Eが容器652と絶縁されている。帯電体Eの上端部と、出口667Aとの間の間隔は、たとえば55mmである。
この試験装置651において、以下の手順で実験を行う。
第1工程:バルブ664を調節して、水ノズル661の出口667AからDIW(この場合、導電率:1μS/cm以下)を、液滴状(非連続流状)で滴下させる。液滴状とは、液滴と次の液滴とが繋がらない状態をいう。
第2工程:帯電プレートモニタ655の金属プレート671を介して帯電体Eを帯電させ、軟X線照射ユニット662の軟X線発生器をオン/オフさせて、そのときに帯電体Eの電位が+/-4.5kV →+/-3.5kVまで減衰する時間(除電時間)を、帯電プレートモニタ655と、レコーダ656とを用いて計測した。
第3工程:次いで、バルブ664を調節して、水ノズル661の出口667AからDIWを一定流量(0.77L/minまたは0.08L/min)で連続流状(液柱状に流れている状態)で流下させる。このとき、水ノズル661の高さを可変とし、水ノズル661の出口667Aから帯電体Eの上端までの距離が、55mm、1000mmおよび3000mmである場合をそれぞれ計測
した。距離が1000mmおよび3000mmの場合は、コイル状に巻回されたφ6×4mm塩化ビニールチューブを水ノズル661の先端に取り付けた。
第4工程:帯電プレートモニタ655の金属プレート671を介して容器652内の帯電体Eを帯電させ、軟X線発生器をオン/オフさせて、そのときに帯電体Eの電位がが+/-1kV →+/-0.1kVまで減衰する時間(除電時間)を、帯電プレートモニタ655と、レコーダ656とを用いて計測した。この実験結果を、表1〜表3に示す。
Figure 2014082471
DIWを液滴状に滴下した場合の実験結果を表1に示す。表1に示すように、軟X線発生器のオン/オフに拘らず、帯電体Eの電位が+/-4.5kV → +/-3.0kVまで減衰する時間(除電時間)がほぼ一定であった。表1に示す実験結果から、DIWを液滴状に滴下した場合は、帯電体Eがほとんど除電されていないことがわかる。
Figure 2014082471
DIWを連続流状に流下させた場合の実験結果を表2に示す。表2に示すように、DIWの流量が0.774L/minのときおよび0.08L/minのときの双方において、軟X線発生器のオンにより帯電体Eの電位が+/-1kV → +/-0.1kVまで減衰する時間(除電時間)が短くなった。この場合の除電時間は1秒間強である。表2に示す実験結果から、DIWを連続流状に流下させた場合には、除電性能が向上することがわかる。
Figure 2014082471
DIWを連続流状に流下させさせながら、水ノズル661の出口から帯電体Eまでの距離の影響を変化させた場合の実験結果を表3に示す。表3に示すように、水ノズル661の出口から帯電体Eまでの距離が長くなるに従って、帯電体Eの電位が+/-1kV → +/-0.1kVまで減衰する時間(除電時間)が僅かに長くなるが、この距離が3000mmの場合であっても1〜2秒間で除電できる。このことから、水ノズル661の出口から帯電体Eまでの距離は、除電性能に大きな影響を及ぼさないことがわかる。
これらの実験結果から、軟X線照射ユニットを内蔵する水供給ユニットからのDIWの供給によって処理対象物を除電する除電原理は以下のように推定される。すなわち、軟X線照射により励起された水分子から電子が放出され、この照射部分は、軟X線により励起された水分子の正イオンと電子が混在したプラズマ状態になっている。
処理対象物が正に帯電しているときは、DIWの照射部分と帯電している処理対象物との間の電位差で、電離部の電子が正に帯電している処理対象物に向かって移動し、正に帯電している処理対象物は除電される。また、処理対象物が負に帯電しているときは、帯電している処理対象物から電離部の正イオンに向かって電子が移動し、負に帯電している処理対象物は除電される。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。
第1〜第8、第13および第14実施形態において、水ノズル61,202,212,531のノズル配管の先端部にそれぞれ電極56(図1、図8、図10(a)、図11、図12、図14、図15(a)、図16、図24および図28参照)が設けられているとして説明したが、この電極56をノズル配管に設けない構成であってもよい。この場合、電源57(図3参照)も省略される。
逆に、第12実施形態の水ノズル409の先端部や第6および第11実施形態のカップ用ノズル224,313の先端部に電極56を設け、電極56に、電源57(図3参照)によって装置グラウンドに対する電圧が印加されるようになってもよい。
また、図4、図18、図22、図24、図14、図20に二点鎖線で示すように、第4、第10、第12および第13実施形態の水供給配管204,307,410,533や第6および第11実施形態の分岐配管222,312に、液検出センサ(処理液検出手段)101が配置されていてもよい。液検出センサ101は、水供給配管204,307,410,533や分岐配管222,312内の所定の水検出位置102でのDIWの存否を検出するためのセンサである。この場合、水検出位置102は、水供給配管204,307,410,533や分岐配管222,312に形成される開口(軟X線が照射される開口)と同じ位置あるいは近い位置に設定されている。また、この場合には、図7の処理と同等の処理を実行することもできる。
また、第4、第5、第12および第13実施形態において、水ノズル202,212,409,531の吐出口202A,216,409A,531Aならびに第6および第11実施形態のカップ用ノズル224,313の吐出口224A,313Aに、第3実施形態に係る繊維状物質をそれぞれ設けることもできる。
また、第6および第11実施形態では、分岐配管222,312の先端に設けられたノズル224,313からのDIWを用いてカップ17の除電を行うとしたが、このようなノズル224,313からのDIWを用いて、第2ノズル配管232(図15(a),15(b)参照)の除電を行うようにしてもよい。
また、第6および第11実施形態において、分岐配管222,312に軟X線照射ユニット223,319を配置するとして説明したが、軟X線照射ユニット223,319が水供給配管204,307にそれぞれ配置されていてもよい。
また、第7、第8および第14実施形態に係る水供給ユニット230,250,600 では、第1実施形態に係る水供給ユニット100と同等の構成を採用するとして説明したが、第4実施形態に係る水供給ユニット200(図1参照)、第5実施形態に係る水供給ユニット220と同等の構成を採用することもできる。
また、第10〜第12実施形態において、水ノズル302から基板Wの上面に水を供給するとして説明したが、水ノズル302に代えて、第1〜第3実施形態に係る水供給ユニット100(図1参照)や、第4実施形態に係る水供給ユニット200(図1参照)、第5実施形態に係る水供給ユニット220を採用することもできる。
また、第10〜第12実施形態において、基板Wに両面リンスを施す場合を例に挙げて説明したが、第10〜第12実施形態において、基板Wの下面のみをリンス処理するようにしてもよい。この場合、図18、図20および図22に示す構成から、水ノズル302、水供給配管303および水バルブ304をそれぞれ取り除いた構成を採用することが可能である。
また、第11実施形態に係る軟X線照射装置314を、第1〜第10および第12実施形態において、処理室3内に配置することもできる。この場合、軟X線照射装置314からの軟X線がカップ上部19に照射されるようになっていてもよい。
また、第1〜第12および第14実施形態において、1つのノズル61,202,212,306,409から処理対象物(基板Wや基板収容器602、第2ノズル配管232)に、DIW(水の一例)を供給する場合を例に挙げて説明したが、複数のノズルからDIWを供給するようにしてもよい。この場合、第13実施形態の水供給ユニット500のように、ノズル61,202,212,306,409にDIWを供給するための複数の水供給配管の上流端が水集合配管に接続されており、かつ当該水集合配管内に存在しているDIWに、軟X線照射ユニットからの軟X線が照射されるようになっていることが好ましい。
また、第1〜第14実施形態では、たとえば、窓部材71の外表面71Bを覆う親水性皮膜38として、親水性を有するDLC(Diamond Like Carbon)皮膜や、親水性を有するフッ素樹脂皮膜、炭化水素樹脂皮膜などを用いることができる。
また、窓部材71を、ポリイミド樹脂を用いて形成することもできる。この場合、窓部材71に軟X線を透過させることができる。また、ポリイミド樹脂は化学安定性に優れているので、窓部材71を長期にわたって使用し続けることができる。この場合、外表面71Bを親水性皮膜38で覆う必要はない。
前述の第1〜第14実施形態では、軟X線が照射され、かつ吐出口から吐出される水の一例としてDIWを挙げたが、DIWに限らず、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水および希釈濃度(たとえば、10ppm〜100ppm程度)の塩酸水のいずれか水として採用することもできる。
また、軟X線が照射され、かつ吐出口から吐出される処理液として、薬液(希釈薬液)を採用することもできる。この場合、薬液としては、所定濃度に希釈されたフッ酸、BHF(Bufferd HF)、APM(ammonia-hydrogen peroxide mixture:アンモニア過酸化水素水混合液)、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)、アンモニア水、HPM(hydrochloric acid/hydrogen peroxide mixture:塩酸過酸化水素水混合液)等を用いることができる。
さらには、処理液を供給しつつ、基板Wの表面や周縁部をブラシやスクラバで洗浄する処理において、処理液の供給と並行して、第1配管内を流通する処理液に軟X線を照射することもできる。
また、第1〜第14実施形態においては、X線のなかでも比較的波長が長い「軟X線」を照射するものをX線照射手段として用いたが、これに限らず、比較的波長が短い「硬X線」(0.001nm〜0.1nm)を用いることもできる。この場合、装置のオペレータ等の人体に対する安全のため、例えば装置のオペレータ側の面を相当の厚みを有する鉛板で覆うなど、X線の装置外への漏洩を遮蔽する遮蔽構造を設けるか、あるいはX線照射時におけるオペレータの装置周辺への立ち入りを禁止するなどの対応をとることが望ましい。なお、各実施形態にある軟X線を照射するものを用いれば、硬X線を照射するものとくらべ、装置が小型で安価ですみ、また人体等に対する遮蔽も比較的容易である。
なお、基板Wとして、半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板を例に挙げて説明したが、基板Wにはその他に、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、OLED(有機エレクトロルミネッセンス)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などの基板が含まれる。また、基板の材質としては、シリコンやガラスの他、SiC、石英、サファイヤ、プラスチック、セラミック等を例示することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 基板処理装置
4 スピンチャック(基板保持回転手段)
6 一体型ヘッド
6A 一体型ヘッド
6B 一体型ヘッド
17 カップ(液受け部材)
25 軟X線発生器(X線発生器)
26 カバー
27 気体ノズル(気体供給手段)
35 照射窓
37 気体バルブ(気体供給手段)
38 親水性皮膜(皮膜)
40 制御装置(X線照射制御手段)
51 第1ノズル配管(処理液配管)
51A 第1ノズル配管(処理液配管)
52 第1開口(開口、X線の照射位置)
52A 第3開口(開口、X線の照射位置)
53 吐出口
56 電極
57 電源
61 水ノズル(処理液ノズル)
62 軟X線照射ユニット(X線照射手段)
65 繊維束(繊維状物質)
71 窓部材
71B 外表面(閉塞窓における処理液が流通する側の壁面)
100 水供給ユニット(処理液供給装置)
101 液検出センサ(処理液検出手段)
200 水供給ユニット(処理液供給装置)
201 基板処理装置
202A 吐出口
203 軟X線照射ユニット(X線照射手段)
204 水供給配管(処理液配管)
211 基板処理装置
216 吐出口
220 水供給ユニット(処理液供給装置)
221 基板処理装置
222 第1分岐配管(分岐配管)
224A 吐出口(液受け用吐出口)
230 水供給ユニット(処理液供給装置)
231 基板処理装置
232 第2ノズル配管(第2配管)
250 水供給ユニット(処理液供給装置)
251 基板処理装置
260 水供給ユニット(処理液供給装置)
261 基板処理装置
262 第2ノズル配管(第2配管)
276 吐出口
300 水供給ユニット(処理液供給装置)
301 基板処理装置
306A 吐出口
307 水供給配管(処理液配管)
309 軟X線照射ユニット(X線照射手段)
310 水供給ユニット(処理液供給装置)
311 基板処理装置
312 第2分岐配管(分岐配管)
313A 吐出口(液受け用吐出口)
400 水供給ユニット(処理液供給装置)
401 基板処理装置
402 スピンチャック(基板保持回転手段)
404 スピン軸(支持部材)
405 スピンベース(支持部材)
409A 吐出口
410 水供給配管(処理液配管)
412 軟X線照射ユニット(X線照射手段)
500 水供給ユニット(処理液供給装置)
501 基板処理装置
504 コロ搬送ユニット(基板保持搬送手段)
531A 吐出口
533 水供給配管(処理液配管)
534 軟X線照射ユニット(X線照射手段)
600 水供給ユニット(処理液供給装置)
602 基板収容器(収容器)
C 回転軸線
W 基板

Claims (27)

  1. 吐出口から処理液を吐出して、この処理液を処理対象物に供給するための処理液供給装置であって、
    処理液が内部を流通可能な第1配管であって、当該内部が前記吐出口に連通する第1配管と、
    前記第1配管内に存在する処理液に、X線を照射するX線照射手段とを含む、処理液供給装置。
  2. 前記第1配管は、その管壁に開口を有し、
    前記開口は、X線が透過可能な材料を用いて形成された窓部材にて閉塞されており、
    前記X線照射手段は、前記第1配管内に存在している処理液に、前記窓部材を介してX線を照射する、請求項1に記載の処理液供給装置。
  3. 前記窓部材は、ベリリウムまたはポリイミド樹脂を用いて形成されている、請求項2記載の処理液供給装置。
  4. 前記窓部材における処理液が存在する側の壁面は、皮膜によりコーティングされている、請求項2または3に記載の処理液供給装置。
  5. 前記皮膜は、ポリイミド樹脂、ダイヤモンドライクカーボン、フッ素樹脂および炭化水素樹脂のうちの1つ以上の材質を含む皮膜である、請求項4に記載の処理液供給装置。
  6. 前記X線照射手段は、前記窓部材に対向して配置される照射窓を有し、X線を発生するとともに、発生したX線を前記照射窓から照射するX線発生器を含む、請求項2〜5のいずれか一項に記載の処理液供給装置。
  7. 前記X線照射手段は、
    前記X線発生器の周囲を、当該X線発生器と間隔を空けて取り囲むカバーと、
    前記カバーの内部に気体を供給する気体供給手段とをさらに含む、請求項6に記載の処理液供給装置。
  8. 前記第1配管は、前記吐出口に向けて処理液が内部を流通する処理液配管を含み、
    前記X線照射手段は、前記第1配管内を流通している処理液に前記X線を照射する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の処理液供給装置。
  9. 前記処理液供給装置は、前記吐出口に向けて処理液が内部を流通する処理液配管をさらに含み、
    前記第1配管は、前記処理液配管から分岐する分岐配管を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の処理液供給装置。
  10. 前記吐出口に配置され、当該吐出口から吐出される処理液が伝って流れる繊維状物質をさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の処理液供給装置。
  11. 前記第1配管における前記X線の照射位置よりも、処理液流通方向の下流側に配置された電極と、
    前記電極に対して電圧を印加する電源とをさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の処理液供給装置。
  12. 前記電極は、前記第1配管の先端部に配置されている、請求項11に記載の処理液供給装置。
  13. 前記第1配管において、前記X線の前記照射位置における処理液の有無を検出するための処理液検出手段と、
    前記照射位置に処理液が存在するときには、前記X線照射手段によるX線の照射を実行するとともに、前記照射位置に処理液が存在しないときには、前記X線照射手段によるX線の照射を行わないX線照射制御手段とをさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の処理液供給装置。
  14. 基板を保持する基板保持手段と、
    請求項1〜13のいずれか一項に記載の処理液供給装置とを含み、
    前記吐出口から吐出された処理液を前記基板の主面に供給する、基板処理装置。
  15. 前記基板保持手段は、基板を水平姿勢に保持しつつ、鉛直な所定の回転軸線周りに回転させる基板保持回転手段を含み、
    前記基板処理装置は、前記基板保持回転手段の周囲を包囲する筒状の液受け部材をさらに含み、
    前記処理液供給装置は、前記吐出口に向けて処理液が内部を流通する処理液配管をさらに含み、
    前記処理液供給装置の前記第1配管は、前記処理液配管から分岐する分岐配管を含み、
    前記分岐配管は、前記液受け部材に向けて処理液を吐出するための液受け用吐出口を有する、請求項14に記載の基板処理装置。
  16. 前記基板保持手段は、基板を水平姿勢に保持しつつ、鉛直な所定の回転軸線周りに回転させる基板保持回転手段を含み、
    前記基板保持回転手段は、前記基板の下面の少なくとも一部と接触して、当該基板を水平姿勢に支持する支持部材を有し、
    前記支持部材は多孔質材料を用いて形成されており、
    前記吐出口から吐出された処理液が前記支持部材に供給される、請求項14または15に記載の基板処理装置。
  17. 前記基板保持手段は、前記基板を保持しながら、当該基板を所定の搬送方向に向けて搬送する基板保持搬送手段を含む、請求項14に記載の基板処理装置。
  18. 前記基板保持搬送手段は、前記基板を、前記搬送方向に沿い、かつ水平面に対し傾斜する姿勢に保持しつつ搬送する、請求項17に記載の基板処理装置。
  19. 処理液供給装置の吐出口から処理液を吐出させ、この処理液を処理対象物に供給する処理液供給方法であって、
    前記吐出口を、前記処理対象物に対向して配置する対向配置工程と、
    前記吐出口に連通する第1配管の内部に存在する処理液にX線を照射する第1X線照射工程と、
    前記第1X線照射工程と並行して、前記吐出口から処理液を吐出させる処理液吐出工程とを含み、
    前記処理液吐出工程では、前記吐出口と前記処理対象物との間で処理液が液状に繋がっている、処理液供給方法。
  20. 前記処理液吐出工程では、前記吐出口から吐出される処理液が、当該吐出口と前記処理対象物との双方に繋がる連続流状をなしている、請求項19に記載の処理液供給方法。
  21. 前記処理対象物は、内部を液が流通する第2配管である、請求項19または20に記載の処理液供給方法。
  22. 前記処理対象物は、物品を収容するための収容器である、請求項19または20に記載の処理液供給方法。
  23. 処理液供給装置の吐出口から吐出される処理液を用いて基板を処理する基板処理方法であって、
    前記吐出口を、基板保持手段に保持されている基板の主面に対向して配置する対向配置工程と、
    前記吐出口に連通する第1配管の内部に存在する処理液にX線を照射する第1X線照射工程と、
    前記第1X線照射工程と並行して、前記吐出口から処理液を吐出させる処理液吐出工程とを含み、
    前記処理液吐出工程では、前記吐出口と前記基板の主面との間で処理液が液状に繋がっている、基板処理方法。
  24. 前記処理液吐出工程では、前記吐出口から吐出される処理液が、当該吐出口と前記基板の主面との双方に繋がる連続流状をなしている、請求項23に記載の基板処理方法。
  25. 前記基板は、前記基板保持手段によって水平姿勢に保持されており、
    前記対向配置工程は、前記吐出口を、前記基板保持手段に保持されている基板の上面に対向するように配置する工程を含む、請求項23または24に記載の基板処理方法。
  26. 前記基板は、前記基板保持手段によって水平姿勢に保持されており、
    前記対向配置工程は、前記吐出口を、前記基板保持手段に保持されている基板の下面に対向するように配置する工程を含み、
    前記基板処理方法は、
    前記処理液吐出工程に並行して実行され、前記基板を、鉛直な所定の回転軸線まわりに回転させる基板回転工程と、
    前記処理液吐出工程および前記基板回転工程に並行して、前記基板の上面に処理液を供給する上面処理液供給工程とをさらに含む、請求項23または24に記載の基板処理方法。
  27. 前記処理液吐出工程の終了後に実行される液切り処理または乾燥処理に並行して実行され、前記基板の主面にX線を照射する第2X線照射工程をさらに含む、請求項23〜26のいずれか一項に記載の基板処理方法。
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