JP2014082227A - 積層型ptcサーミスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】積層型PTCサーミスタにおいて、低い抵抗値であり、従来と同等の抵抗温度特性を維持しつつ、耐電圧を向上することができる積層型PTCサーミスタを提供する。
【解決手段】半導体セラミック層2と内部電極3とが交互に積層されている本体と、内部電極と電気的に接続され、前記本体の両端面にそれぞれ設けられている下地電極5とを備える積層型PTCサーミスタ8であって、内部電極に挟まれる半導体セラミックにおいて、積層方向中央部の前記半導体セラミック層の厚さ、または前記積層方向中央部の前記内部電極層に接する、前記半導体セラミック層の厚さがその他の前記半導体セラミック層よりも厚い。
【選択図】図2

Description

本発明は、積層型PTCサーミスタのような積層型チップで内部電極を有し電圧を印加することによって発熱するものを対象とする。
特許文献1に示されるような積層型PTCサーミスタは従来の単板型チップに比べて低抵抗を容易にしている。用途としては、保護したい電気回路に対して直列に接続し、過電流保護や過温度時動作停止用素子として利用される。
これらの用途に対して重要となる特性は通常運用時の消費電力が低いことや耐電圧が高いことが挙げられる。薄層多層化した積層型PTCサーミスタをより低抵抗することは、消費電力を抑えることやチップを小型化するために有効な手段である。
特許文献2〜4は、積層型PTCサーミスタに電圧を印加したときにチップの中心部分に熱集中が起こることを改善する知見である。特許文献2は機能部分である内部電極重なり部分を積層面に対して中心よりずらすことで中心部分での発熱を抑え、熱集中を改善している。
特許文献3は中心部分に同じ端子から伸びる内部電極を形成することによって、PTCとしての機能が働かない部分を形成し、中心部分の発熱を抑えている。
特許文献4は中心部分にスルーホールを形成することで中心部分の熱集中を抑え破壊が起きないようにしている。
特開平5−47508号公報 特開2005−340589公報 特開2005−294670公報 特開2004−311959公報
しかし、一方で、薄層多層化は積層PTCサーミスタの動作時、つまり、過電流が流れチップ自身の発熱によって積層型PTCサーミスタの抵抗が増加している状態では、単位体積当たりの電圧印加量が大きくなり発熱量が増加する。
積層型PTCサーミスタはチップの温度が上昇していくとやがて抵抗が上がり、また抵抗が減少するようになる。これにより、電圧印加時にチップの温度が過上昇すると熱暴走をし、半導体セラミックが融解し破壊に至る。
よって、単位体積当たりの印加電圧が大きくなると発熱量が増加するので、耐電圧の低下が起きる。この電圧を印加することによって起きる破壊は主にチップの中心部分で起きており、熱が中心部分に集中することで破壊が起きている。
特許文献2〜4はいずれも熱集中を改善することを目的としたものであるが、特許文献2では内部電極の重なり面積を狭めているためチップの低抵抗の妨げとなっている。
特許文献3ではサーミスタとして機能しないサーミスタ無効部を設けることがチップの低抵抗への妨げとなっている。
特許文献4では中心部にスルーホールがあることでチップの焼成時にスルーホールからのクラックが発生しやすくなる問題がある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、中心部分の熱集中を緩和し、耐電圧を向上することを目的とする。
このような課題は、半導体セラミック層と内部電極層を交互に積層した積層体の両端面に内部電極層とそれぞれ電気的に接続する下地電極とを備える積層型PTCサーミスタの、積層方向中央部の前記半導体セラミック層の厚さ、または前記積層方向中央部の前記内部電極層に接する、前記半導体セラミック層の厚さを、その他の前記半導体セラミック層よりも厚くすることによって達成される。
特に、その他の前記半導体セラミック層は、積層方向中央部の前記半導体セラミック層の厚さ、または前記積層方向中央部の前記内部電極層に接する、前記半導体セラミック層の厚さの50%〜90%の厚さにする。また積層方向に対して、前記内部電極層の第一層から前記内部電極層の最終層の位置に対して、前記積層方向中央部の前記半導体セラミック層の厚さ、または前記積層方向中央部の前記内部電極層に接する前記半導体セラミック層の厚さよりも薄い前記半導体セラミック層を配置する位置を0%〜40%および60%〜100%の範囲にすることによってより目的を達成することができる。
中央部の半導体セラミック層より外側に位置するその他の半導体セラミック層を薄くすることによって、積層型PTCサーミスタに電圧を印加したとき、その他の半導体セラミック層での発熱が促されるので、チップ周辺から温度が上昇するようになりチップの温度分布をより均一にすることが可能となる。
そして、中央部の半導体セラミック層より外側に位置するその他の半導体セラミック層からの発熱が中心部より大きいことによって、中心部分での熱集中が緩和され、チップ外部への放熱性も向上することから、耐電圧が向上することが可能となる。
また、中央部の半導体セラミック層の厚さを従来の層数の積層型PTCサーミスタの半導体セラミック層の厚さと同等とし、中央部の半導体セラミック層より外側に位置するその他の半導体セラミック層の厚さを薄くすることで層数の積層型PTCサーミスタよりも常温での抵抗が低くなり、消費電力の低下することが可能となる。
一般的な積層型PTCサーミスタの概略構造を示す断面図 本発明における積層型PTCサーミスタの概略構造を示す断面図 本発明における積層型PTCサーミスタの積層体構成図
図1は一般的な積層型PTCサーミスタの長手方向の断面図である。
本積層型PTCサーミスタ1は、半導体セラミック層2を有するセラミック素体の内部に内部電極層3、4が積層している。そして、セラミック素体の両端部には、内部電極層3、4と電気的に接続するように下地電極5が形成している。すなわち、内部電極層3はセラミック素体の一方のチップ端面7に、内部電極層4はセラミック素体の他方の端面に、交互に引き出されるように形成している。そして、下地電極5は内部電極層3、4と電気的に接続している。
また、下地電極5の外側には、さらに、めっきにより端子電極6が形成している。これらの端子電極6と、例えば、配線基板上の電極とがはんだ等により接合する。各端子電極6は、例えば、下地電極5側から積層形成されたNi層およびSn層を含む2層構造を有する。Ni層は、Sn層と下地電極6との接触を防止して、Snによる下地電極6の腐食を防止するバリアメタルとして機能するものであり、その厚さは例えば2μm程度である。また、Sn層は、半田の濡れ性を向上させる機能を有するものであり、その厚さは例えば4μm程度とする。
上記半導体セラミック2はBaTiOを主成分とするPTC特性を持つ素材であり、素体温度の上昇によって抵抗が大きくなる特性を持つものを指す。
内部電極層3、4を構成する内部電極材料としては、半導体セラミック層2とのオーミック接触に優れた材料が好ましく、例えばNi、Cu等の卑金属からなる単体又は合金を主成分とすることが好ましい。
積層型PTCサーミスタは上記の半導体セラミック層と内部電極3、4とが交互に積層されている機能部と最外内部電極から外側の部分に、主にBaTiO系セラミックスからなる半導体セラミックで占められる外装部とで構成する。
また、下地電極5を構成する下地電極材料としては、Ag、Ag−Pd、及びPd等の貴金属の単体及び合金、またはNi、及びCu等の卑金属の単体及び合金等を使用することができるが、内部電極層3との接続及び導通が好適なものを選べばよい。
図2は、図1における一般的な積層型PTCサーミスタと構成は同じであるが、図1のようにすべての内部電極層に挟まれる半導体セラミック層の厚さがほぼ均一ではなく、中央部の半導体セラミック層より外側に位置するその他の半導体セラミック層の厚さが薄くなっている。
図3は図2のような積層型PTCサーミスタを作製する場合の積層体の構成図であり、積層体を構成するセラミックグリーンシートの配置について示している。
図3の構造図は、本件の実施例のように厚みが同じシートで積層体を作製する場合に用いられる。
図3において、セラミックグリーンシートとは、半導体セラミックの紛体をバインダや有機溶剤と混ぜ合わせたものをシート成型したものである。
外装部10にセラミックグリーンシートを積層し、機能部に内部電極を印刷したセラミックグリーンシートを積層している。
内部電極パターンを備えたセラミックグリーンシートは内部電極が平面長手方向に対して互い違いになるように配列されており、階層が1つ違う内部電極同士が、セラミック素体の端面7に対して交互に引き出されるように積層されている。中央部において、セラミックグリーンシートを挿入することで半導体セラミック層を厚くし、中央部の半導体セラミック層より外側に位置するその他の半導体セラミック層の厚さを中央部の半導体セラミック層の厚さに比べ薄くしている。
この他にも、中央部の半導体セラミック層と中央部の半導体セラミック層より外側に位置する、その他の半導体セラミック層の厚さを制御する方法として、厚さが異なる2種類以上のセラミックグリーンシートもしくは内部電極を備えるセラミックグリーンシートを用意し、積層することによって形成してもよい。
中央部の半導体セラミック層より、外側に位置するその他の半導体セラミック層の厚さを薄くする割合は、中央部の半導体セラミック層に対して、50%〜90%とすると効果的である。90%より大きくすると効果が小さく、50%より小さくすると薄くした半導体セラミック層での発熱が大きくなるため、この部分の熱暴走によって破壊しやすくなる。
尚、実施例中で示す層間比は、(その他の半導体セラミック層の厚さ÷中央部の半導体セラミック層の厚さ)×100であり、前記の中央部の半導体セラミック層に対する中央部の半導体セラミック層より外側に位置する、その他の半導体セラミック層の厚さの割合に相当する。
中央部の半導体セラミック層より外側に位置するその他の半導体セラミック層において、中央部の半導体セラミック層の厚さより薄い半導体セラミック層を配置する位置は、積層方向に対して内部電極層の第一層の位置を0%とし、内部電極層の最終層の位置を100%としたとき、0%〜40%および60%〜100%の位置に配置することが効果的である。
実施例1−1から実施例1−6では、中央部の半導体セラミック層の厚さに対する、その他の半導体セラミック層の厚さの割合を変化させた場合の耐電圧の向上効果を示す。
(実施例1−1)
積層型PTCサーミスタ素子は内部電極層に挟まれた半導体セラミック層が10層であり、中央部の半導体セラミック層の厚さを0.05mmになるように設計した。
内部電極層に挟まれた中央部の半導体セラミック層で厚さを0.05mmにした部分は、積層方向に対して4〜7層目とした。
中央部の半導体セラミック層以外のその他の半導体セラミック層の厚さは、図2のように中央部の半導体セラミック層の厚さより薄くなるようにした。
材料の組成は、(Ba0.99Gd0.010.99(Ti0.99Nb0.01)Oとなるように原料の秤量を行い、ポットに投入した。ここでいう原料はBaCO、TiO、SrO、Gd、Nbである。さらにイオン交換水と直径10mmのジルコニアボールを加え5時間ボールミルで混合し、乾燥後、混合粉末を得た。
その後、混合粉末を大気雰囲気中で1150℃、1時間仮焼きを行った。得られた仮焼き粉にエタノールや分散剤を加え、ジルコニアボールをメディアとして、ボールミルにて平均粒径が0.5μmになるまで粉砕した。
そして、さらにバインダやn−プロパノールなどの溶媒を加えて混合し、セラミックグリーンシート用の塗料を作製した。
続いて得られた塗料をポリエチレンテレフタレート上にドクターブレード法によりシート成型し、厚さが6.6μmのグリーンシートを作製した。
このグリーンシート上に、スクリーンを用いて内部電極用ペーストであるNiペーストを印刷し、内部電極パターンを備えたグリーンシートを作製した。
次に、積層を行った。積層は上記グリーンシートのポリエチレンテレフタレートからセラミックグリーンシートを剥離し行った。
始めに、セラミックグリーンシートを30枚積層し外装を形成した後、内部電極パターンを備えたセラミックグリーンシートを1枚積層した。内部電極パターンを備えたセラミックグリーンシートは、1枚積層する毎に、間に所望の半導体セラミック層の厚さになるようにセラミックグリーンシートを8枚積層した。間に積層するセラミックグリーンシート枚数は、作製する試料の半導体セラミック層の厚さよって決まり、セラミックグリーンシート1枚あたり、焼成後5μmの厚さになることから計算して決めた。このようにして、内部電極パターンを備えたセラミックグリーンシートとセラミックグリーンシートを積層し、内部電極パターンを備えたセラミックグリーンシートを3枚積層した後、半導体セラミック層の厚さを0.05mmにするために、内部電極パターンを備えたセラミックグリーンシートの間にセラミックグリーンシートを9枚積層し、内部電極パターンを備えたセラミックグリーンシートを8枚積層した。1〜3層目の半導体セラミック層の形成と同様にして、作製する試料の設計に沿って決まる枚数のセラミックグリーンシートを間に積層し、内部電極パターンを備えたセラミックグリーンシートを11層目まで積層した。そして、さらにその上に、セラミックグリーンシートを30枚積層することで、外装を形成し仮積層体を作製した。
その後、この仮積層体を75MPaの圧力で圧着した後、2.0mm×1.0mmの寸法に切断することにより、内部電極が互いに対向する両端面から交互に露出した構造の積層体を得た。
続いて、得られた積層体を窒素雰囲気中で400℃まで加熱し脱脂を行った後、還元雰囲気中において、1150〜1250℃で2時間の焼成を行った。
そして、得られた焼結体を、大気雰囲気中にて700℃で1時間保持する再酸化処理を行った。
次に、焼結体を研磨材とともにポットに入れ、遊星ミルを用いてバレル研磨を行った。そして、イオン交換水で超音波洗浄したのち、恒温槽にて130℃で乾燥した。
これより、得られた焼結体の内部電極が露出している面の両端部に、内部電極と導通をとるためのAgZnペーストを塗布し、120℃で乾燥した。さらに、Agペーストを塗布し、恒温槽にて120℃で乾燥させてから、大気雰囲気中にて550℃で10min加熱を行い、積層方向中央部の半導体セラミック層の厚さは0.05mm、その他の半導体セラミック層の厚さは0.045mmの層間比90%の積層型PTCサーミスタ素子を作製した。
そして、作製した積層型PTCサーミスタの耐電圧試験を行い、耐電圧向上率を求めた。また、抵抗測定を行い、抵抗変化率を求めた。
耐電圧試験は、直流電源に直列に接続された端子に、積層型PTCサーミスタ素子の外部電極を挟み、6Vから0.5V毎に昇圧し、かつ各電圧において1分間印加した状態を保持する、ステップアップによる昇圧を適用することにより実施した。そして、試料となる積層型PTCサーミスタが破壊するまで昇圧し、破壊した電圧の前のステップの電圧値を、耐電圧とした。
このようにして、積層型PTCサーミスタ素子20個を治具に固定し耐電圧試験を行い耐電圧の平均値を求めた。続いて、(耐電圧の平均値)−(全ての内部電極層に挟まれた半導体セラミック層の厚さが均一である積層型PTCサーミスタの耐電圧の平均値)/(全ての内部電極層に挟まれた半導体セラミック層の厚さが均一である積層型PTCサーミスタの耐電圧の平均値)×100を耐電圧向上率とした。
抵抗測定は、室温中にて、マルチメーターに接続された端子に、積層型PTCサーミスタ素子の外部電極を挟み、抵抗値を測定した。
このようにして、積層型PTCサーミスタ素子20個を治具に固定し抵抗測定を行い抵抗値の平均値を求めた。続いて、(抵抗値の平均値)−(全ての内部電極層に挟まれた半導体セラミック層の厚さが均一である積層型PTCサーミスタの抵抗値の平均値)/(全ての内部電極層に挟まれた半導体セラミック層の厚さが均一である積層型PTCサーミスタの抵抗値の平均値)×100を抵抗変化率とした。
(実施例1−2〜1−6)
上記実施例1−1と同様に、積層方向中央部の半導体セラミック層の厚さに対する、その他の半導体セラミック層の厚さで表される、層間比を表1のように変化させ、積層型PTCサーミスタ素子を作製した。それぞれの積層型PTCサーミスタ素子各20個ずつ耐電圧試験を行い、上記の測定方法で、耐電圧向上率と抵抗変化率を求めた。
(比較例1−1)
比較例として、図1のように内部電極層に挟まれた半導体セラミック層の厚さがほぼ均一である、層間比が100%である一般的な積層型PTCサーミスタ素子である比較例1−1を作製した。結果を下記表1に示す。
結果を表1に示す。表1では、層間比が異なる積層型PTCサーミスタ素子におけるそれぞれの耐電圧向上率と抵抗変化率を示した。
Figure 2014082227
表1から分かるように層間比が50%〜90%である時に耐電圧向上率に効果があることがわかる。より効果的な範囲は、60%〜80%である。
また、抵抗変化率は層間比が小さくなる程、抵抗変化率が小さくなる。
層間比を40%にすると半導体セラミック層を薄くした部分では、耐電圧向上率が低下するが、一方で抵抗変化率は、層間比が小さくなる程、小さくなり、低抵抗を容易にし、低消費電力や小型化を容易する。
(実施例2−1〜実施例2−6)
実施例2―1〜実施例2−6では中央部の半導体セラミック層の厚さよりも薄くするその他の半導体セラミック層を配置する位置についての耐電圧向上率を示す。
実施例2―1〜実施例2−6は内部電極に挟まれる半導体セラミック層の層数を10層、層間比を80%で固定し、薄い半導体セラミック層を配置する位置を変化させた積層型PTCサーミスタである。表2の内部電極層に挟まれる薄い半導体セラミック層を配置する位置を示し、積層方向に対して内部電極層の第一層の位置を0%、内部電極層の最終層の位置を100%とし、内部電極毎の位置の間隔を(100/内部電極に挟まれる半導体セラミック層の層数)としたときの位置を示している。
比較例として内部電極層に挟まれた半導体セラミック層が10層であり、半導体セラミック層の厚さが0.05mmとほぼ均一な比較例2−1と、中央部の半導体セラミック層の厚さを0.04mmと薄くし、その他の半導体セラミック層の厚さを0.05mmとした比較例2−2を作製し、それぞれの積層型PTCサーミスタ素子各20個ずつ耐電圧試験を行い、耐電圧向上率を求めた。結果を下記表2に示した。
これらの積層型サーミスタ素子を上記実施例1−1と同様に、積層方向中央部の半導体セラミック層の厚さ、その他の半導体セラミック層の厚さ、層間比を変化させ、積層型PTCサーミスタ素子を作製した。それぞれの積層型PTCサーミスタ素子各20個ずつ耐電圧試験を行い、耐電圧向上率を求めた。結果を下記表2に示した。
表2では、層間比を80%で固定した場合の、薄い半導体セラミック層の位置を変化させた積層型PTCサーミスタ素子のそれぞれの耐電圧向上率を示した。
実施例2―1〜実施例2−6は内部電極に挟まれる半導体セラミック層の層数を10層、層間比を80%で固定し、薄い半導体セラミック層を配置する位置を変化させた積層型PTCサーミスタである。
Figure 2014082227
実施例2−1〜実施例2−6の結果から、薄い半導体セラミック層を配置する位置は、積層型PTCサーミスタの積層方向に対して、内部電極層の第一層を0%とし、内部電極層の最終層を100%としたとき、0%〜40%および60%〜100%の位置とし、薄い半導体セラミック層を少なくとも一層以上薄くすることで耐電圧が向上していることが分かる。
逆に、比較例2−2の結果から中央部の半導体セラミック層の厚さを薄くした場合、耐電圧が低下していることが分かる。
(実施例3−1、実施例3−2)
実施例3−1と実施例3−2では内部電極に挟まれる半導体セラミック層の層数が10層以外のときの耐電圧の向上効果を示す。
実施例3−1は、内部電極に挟まれる半導体セラミック層の層数を5層、層間比を80%とし、薄い半導体セラミック層を配置する位置を積層方向に対して0〜20%と80〜100%とした積層型PTCサーミスタである。
実施例3−2は内部電極に挟まれる半導体セラミック層の層数を20層、層間比を80%とし、薄い半導体セラミック層を配置する位置を積層方向に対して0〜20%と80〜100%とした積層型PTCサーミスタである。これらをそれぞれ作製し、それぞれの積層型PTCサーミスタ素子各20個ずつ耐電圧試験を行い、耐電圧向上率を求めた。結果を下記表3に示した。
(比較例3−1、比較例3−2)
比較例3−1は、内部電極層に挟まれた半導体セラミック層が5層、半導体セラミック層の厚さが0.05mmとほぼ均一な積層型PTCサーミスタである。比較例3−2は内部電極層に挟まれた半導体セラミック層が20層、半導体セラミック層の厚さが0.025mmとほぼ均一な積層型PTCサーミスタである。これらをそれぞれ作製し、それぞれの積層型PTCサーミスタ素子各20個ずつ耐電圧試験を行い、耐電圧向上率を求めた。結果を下記表3に示した。
Figure 2014082227
表3の実施例3−1と実施例3−2の結果から内部電極層に挟まれた半導体セラミック層の層数が変化しても、同様の薄い半導体セラミック層を配置する位置をもつ表2の実施例2−4と同等の耐電圧向上率を示しており、上記記載の位置の内部電極層に挟まれた半導体セラミック層の厚さを薄くすることで耐電圧の向上ができることを示している。
以上の結果から、中央部の半導体セラミック層より外側の半導体セラミック層の厚さを薄くすることで、中央部の半導体セラミック層より外側の半導体セラミック層の電圧印加による発熱を促すことができる。これにより、中央部の半導体セラミック層の熱集中を抑制し、且つ、放熱性が良くなり、耐電圧が向上している。
1 従来の積層型PTCサーミスタ
2 半導体セラミック層
3 内部電極層
4 3の内部電極層と相対する内部電極層
5 下地電極
6 端子電極
7 チップ端面
8 本発明の積層型PTCサーミスタ
10 セラミックグリーンシート
11 内部電極パターン
12 内部電極パターンを備えたセラミックグリーンシート

Claims (3)

  1. 半導体セラミック層と内部電極層を交互に積層し、前記内部電極層それぞれと電気的に接続した下地電極を前記積層体の両端面に備える積層型PTCサーミスタであって、
    前記積層方向中央部の前記半導体セラミック層の厚さ、または前記積層方向中央部の前記内部電極層に接する前記半導体セラミック層の厚さが、その他の前記半導体セラミック層よりも厚いことを特徴とする積層型PTCサーミスタ。
  2. 前記積層方向中央部の前記半導体セラミック層の厚さ、または前記積層方向中央部の前記内部電極層に接する前記半導体セラミック層の厚さに対する、その他の前記半導体セラミック層の厚さの割合が、50%〜90%であることを特徴とする請求項1に記載の積層型PTCサーミスタ。
  3. 前記積層方向に対して、前記内部電極層の第一層の位置を0%、前記内部電極層の最終層の位置を100%としたとき、
    前記積層方向中央部の前記半導体セラミック層の厚さ、または前記積層方向中央部の前記内部電極層に接する、前記半導体セラミック層の厚さよりも薄い前記半導体セラミック層を配置する位置は、0%〜40%および60%〜100%の範囲とし、配置する数は前記の範囲に少なくとも一層以上有することを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の積層型PTCサーミスタ。
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