JP2014080982A - 密閉型圧縮機及び冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高効率化を達成することができる密閉型圧縮機を提供する。
【解決手段】潤滑油を貯溜する密閉容器と、電動要素と、電動要素によって駆動される圧縮要素とを備え、圧縮要素は、圧縮室を形成するための円筒形孔部を備えるシリンダブロックと、円筒形孔部内において往復運動するピストンと、を備え、円筒形孔部は、ピストンと円筒形孔部とのクリアランスが、ピストンが上死点に位置する側から下死点に位置する側に向かって広がる隙間拡大部を有し、かつ、ピストンは、凹陥部または給油溝を有し、ピストンが下死点に位置する場合に、凹陥部または給油溝が、シリンダブロックから露出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、密閉型圧縮機及び冷凍装置に関する。
近年、地球環境保護の観点から益々省エネルギー化、省資源化の動向が加速している。例えば、家庭用冷凍冷蔵庫等の冷凍装置に使用される密閉型圧縮機については、消費電力の低減が従来以上に強く望まれている。密閉型圧縮機の効率を高め消費電力を削減する方法としては、例えば以下に示す方法がある。第1は、ピストンとシリンダとの間のクリアランス、主軸と軸受けのクリアランスに代表される摺動部の摺動損失を低減する方法である。第2は、冷媒圧縮時にピストンとシリンダとの間のクリアランスを介し、圧縮室から反圧縮室側へ高圧冷媒が漏れることによる冷媒の漏れ損失を低減する方法である。
ここで、ピストンとシリンダとの間の摺動損失を低減するとともに、ピストンとシリンダとの間のクリアランスを介した冷媒の漏れ損失を低減する方法が開示されている。その方法は、シリンダ内径寸法をシリンダの上死点側から下死点側に向かって増加する円錐台形とすることである(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上述した従来の密閉型圧縮機を説明する。
図17は特許文献1に記載の従来の密閉型圧縮機の縦断面図、図18は従来の密閉型圧縮機のピストン周りの要部断面図である。
密閉容器1の内部下方には、電動要素5が設けられている。また密閉容器1の内部上方には、圧縮要素6が設けられている。圧縮要素6は、主軸部9を介して駆動される。主軸部9には、電動要素5の回転子4が直結されている。圧縮要素6は、偏芯部10の回転運動を連結装置20を介してピストン19の往復運動に変換している。その結果、ピストン19がシリンダ16内を往復運動している。ここで偏芯部10は、主軸部9に設けられている。
また、密閉容器1の底部には潤滑油7を貯留している。この潤滑油7は、圧縮要素6の摺動部、即ち、主軸部9と主軸受18などを潤滑するために貯留されている。そして、主軸部9の下端部に設けられた遠心ポンプ11により潤滑油7を汲み上げる。先ず主軸受18との摺動部へ給油し、更に主軸部9に備えた粘性ポンプ12を介し、上方に位置する偏芯部10に給油している。
偏芯部10に給油された潤滑油7は、偏芯部10の外径に導かれ、連結装置20との摺動部を潤滑した後、末端から周囲に飛散する。この飛散した潤滑油7の一部は、往復運動するピストン19の外周とシリンダ16の内周との摺動部を潤滑すると共に、この摺動部のクリアランスをオイルシールしている。
シリンダ16の内径は、上死点側から下死点側に向かって寸法Dtから寸法Dbに増加する円錐台形状である。またピストン19の外径は、全長に亘って同一寸法の円筒形状である。
このような形状ではピストン19が下死点位置から、冷媒ガス(図示せず)を圧縮する圧縮行程の上死点側に運動する途中の状態までは、圧縮室17内の圧力はさほど上昇していない。このことから、ピストン19とシリンダ16との間のクリアランスCbは比較的
大きくても、潤滑油7によるオイルシール効果により冷媒漏れは殆ど発生しない。またクリアランスCbは比較的大きいため、ピストン19の摺動抵抗も小さい。
さらに圧縮行程が進み次第に圧縮室17内の冷媒ガス圧力が上昇し、ピストン19が上死点位置に近接する状態では、圧縮室17内の圧力は所定の吐出圧力まで上昇し高温高圧となる。このことから、潤滑油7の粘性が低下し、冷媒漏れが発生しやすい条件となる。しかし上死点側では、ピストン19とシリンダ16との間のクリアランスCtが小さくなることから潤滑油7によるオイルシール効果が得られ、冷媒漏れの発生を低減でき、高い圧縮効率を維持できる。
また他の従来例としては、ピストンの外周に給油溝を備え、ピストンとシリンダとの間への潤滑油の供給性を高めている。このことにより、ピストンとシリンダとの間のクリアランスのオイルシール性を高めている。そして圧縮された冷媒ガスが、ピストンとシリンダとの間のクリアランスを介して密閉容器内へ漏れる量を低減することにより、密閉型圧縮機の効率を高める装置がある(例えば、特許文献2参照)。
以下、図面を参照しながら上述した従来の密閉型圧縮機を説明する。
図19は特許文献2に記載の従来の密閉型圧縮機の縦断面図、図20は図19の矢印A方向から見た図、図21は特許文献2に記載の従来の密閉型圧縮機のピストン周りの要部断面図である。
図19から図21において、密閉容器31の内部の密閉容器内空間32には電動要素35と圧縮要素36とを備え、密閉容器31の下部に貯溜した潤滑油37が収容されている。ここで電動要素35は、固定子33と永久磁石(図示せず)とを内蔵した回転子34からなる。また圧縮要素36は、電動要素35によって駆動される。
シャフト38は、主軸部39と偏芯部40とを有する。給油装置38aは、遠心ポンプ41、縦孔部43、および横孔部44から構成されている。ここで、主軸部39は回転子34が圧入固定されている。偏芯部40は、主軸部39に対し偏芯して形成されている。給油装置38aは、シャフト38に形成されている。遠心ポンプ41は、一端が潤滑油37中に開口し他端が粘性ポンプ42と連通している。縦孔部43および横孔部44は、粘性ポンプ42の反対側にあり、密閉容器内空間32へと開口している。
ブロック45は、シリンダ46と主軸受48とを備えている。シリンダ46には、ピストン49が往復摺動自在に挿入されている。ピストン49の外周部には、環状の給油溝51が2本周設されている。ここで、シリンダ46は略円筒形の圧縮室47を形成している。主軸受48は、主軸部39を軸支している。ピストン49と偏芯部40との間は、連結装置50によって連結されている。
また、給油溝51は上死点(ピストンの上端面49aが矢印Bに位置する)においてシリンダ46の内周に位置し、下死点(ピストンの上端面49aが矢印Cに位置する)において切り欠き部52を介して密閉容器内空間32と連通するように配設されている。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
電動要素35の回転子34はシャフト38を回転させ、偏芯部40の回転運動が連結装置50を介してピストン49に伝えられる。このことにより、ピストン49は圧縮室47内を往復運動する。冷却システム(図示せず)からの冷媒ガスは、圧縮室47内へ吸入され、圧縮された後、再び冷却システムへ吐き出されるといった圧縮動作を繰り返す。
密閉型圧縮機が運転されると、シャフト38の回転により遠心ポンプ41内の潤滑油37は遠心力により上方へと汲み上げられる。そして粘性ポンプ42を介し各摺動部への給油を施した後、潤滑油37は縦孔部43、横孔部44から開放され、密閉容器内空間32に飛散される。このとき、放出路Kを通って飛散した潤滑油37は、切り欠き部52に位置するピストン49上部に到達する。そして、ピストン49の給油溝51上部に表面張力により油溜り37aが形成される。
油溜り37aの潤滑油37は、給油溝51全周へとまわっていき、ピストン49とシリンダ46との間のシール性を向上させ、漏れ損失を低減している。
しかしながら、上記した特許文献1記載の従来の構成では、ピストン49とシリンダ46との間のクリアランスが円錐台形となる。このことから、ピストン49とシリンダ46との間のクリアランスが円筒形状の場合と比較すると、クリアランスの空間容積が大きくなる。この結果、冷媒ガスが高圧に圧縮され所定圧力に近づくと、クリアランスに介在する潤滑油37が高圧冷媒により密閉容器内空間32内へ吹き飛ばされ易くなる。そのため、冷媒の漏れ損失を低減するためにはピストン49とシリンダ46との間のクリアランスへ、潤沢かつ確実に潤滑油37を供給することが課題であった。
一方、上記した特許文献2記載の従来の構成では、ピストン49外周に給油溝51を設けることにより、ピストン49の上死点付近まで確実に潤滑油37を供給することができる。しかしシリンダ46内径が円錐台形をなすことにより、シリンダ46が円筒形状の場合と比較すると、クリアランスの空間容積が拡大する。搬送する潤滑油37の油量を増すためには、給油溝51の容積を大きくする必要がある。
しかし、ピストン49が上死点付近にあり圧縮室47内の冷媒ガスが高温高圧になった状態では、給油溝51により搬送した潤滑油37がピストン49とシリンダ46との間のクリアランスに掻き出される。そして給油溝51の空間は、冷媒ガスが流れ込むデッドボリュームとなることから、給油溝51の容積を拡大すると再膨張損失が増大する可能性があった。
そのため、冷媒ガスが掻き出されたあとの給油溝51がデッドボリュームとなることを考慮し、デッドボリュームを抑制しつつ潤沢な給油量を確保することが課題であった。
また図22は、特許文献3に開示された冷媒圧縮が可能な圧縮部の断面図である。
円筒形孔部66は隙間拡大部67と、隙間均一部68とを持つように形成されている。またピストン73は、全長にわたって外径寸法が同一に形成されている。ここで隙間拡大部67は、ピストン73が上死点に位置する側から下死点に位置する側に向かって、内径寸法がDtからDb(>Dt)に増加している。隙間均一部68は、上死点に近接するピストン73の圧縮室65側の端部に対応する位置に、長さLの区間だけ内径寸法が軸方向に一定に形成されている。
隙間拡大部67と、隙間均一部68とにより、圧縮行程において上死点側に移行する途中の状態までは、圧縮室内で圧縮された高温、高圧の冷媒ガスが漏れるブローバイはほとんど発生しない。そして、ピストン73の摺動抵抗も小さくなる。さらに圧縮行程が進み、ピストン73が上死点位置に近接する状態では、全長にわたって隙間拡大部を形成する場合よりも、ガス圧の増大に伴う冷媒ガスのガス漏れの発生を低減することができる。
しかしながら、特許文献3に開示された従来の構成の圧縮部は、ピストン73が下死点
位置に戻ったときでも、ピストン73の全体が円筒形孔部66の内部に納まった状態にある。そのため、潤滑を必要とする円筒形孔部66とピストン73との間に潤滑油が十分に供給され難いという課題を有していた。
また、特許文献3に開示された従来の構成の圧縮部は、ピストン73が上死点位置に近接して隙間が小さくなる状態において潤滑油が押し出されてしまう。そして次に下死点位置において隙間が大きくなった際に隙間を封止する潤滑油が不足するため、ブローバイの発生が抑え難くなる。また、潤滑油の不足により摺動抵抗が増大するという課題を有していた。
特開2002−89450号公報 特開2005−307795号公報 特表平7−550833号公報
前記従来の構成では、潤沢かつ確実に潤滑油37を供給することが課題であった。また、潤滑油の不足により摺動抵抗が増大するという課題を有していた。
上記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機は、潤滑油を貯溜する密閉容器と、電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素と、を備え、前記圧縮要素は、圧縮室を形成するための円筒形孔部を備えるシリンダブロックと、前記円筒形孔部内において往復運動するピストンと、を備え、前記円筒形孔部は、前記ピストンと前記円筒形孔部とのクリアランスが、前記ピストンが上死点に位置する側から下死点に位置する側に向かって広がる隙間拡大部を有し、かつ、前記ピストンは、凹陥部または給油溝を有し、前記ピストンが下死点に位置する場合に、前記凹陥部または前記給油溝が、前記シリンダブロックから露出するものである。
本発明の密閉型圧縮機は、隙間拡大部により、ピストンと円筒形孔部とのクリアランスが広がり、粘性抵抗が低下する。
また、ピストンが下死点に位置する場合において、凹陥部または給油溝が、シリンダブロックから露出するように形成されている。これにより、シャフトの上端から飛散された潤滑油が、ピストンの外周面に形成された凹陥部または給油溝に潤沢に供給されるとともに、保持されることとなり、圧縮行程においてシリンダブロックの円筒形孔部の内周面と、ピストンの外周面とのクリアランスに供給される潤滑油も多くなる。
また、ピストンの上死点側から下死点側にかけて広がるピストンと円筒形孔部とのクリアランスを確実にオイルシールするための必要量の潤滑油を、確実に供給する。
以上より、本発明は、凹陥部または給油溝に保持された潤滑油を、ピストンとシリンダとの間のクリアランスに、潤沢に供給することができる。それにより、摺動損失を低減することができ、密閉型圧縮機の高効率化を達成することができる。
本発明の実施の形態1の密閉型圧縮機の縦断面図 同密閉型圧縮機のピストン周りの要部断面のピストンが下死点位置にある状態図 同密閉型圧縮機のピストンの拡大図 同密閉型圧縮機の給油溝近傍の拡大図 同密閉型圧縮機のピストンが下死点位置にある状態の拡大図 密閉型圧縮機のピストンが上死点位置にある状態の拡大図 同密閉型圧縮機のピストン位置と圧縮室内圧の特性図 同密閉型圧縮機の給油溝の総和容積に対する成績係数の特性図 本発明の実施の形態2の密閉型圧縮機のピストンが下死点に位置する状態の断面図 同密閉型圧縮機のピストンが上死点に位置する状態の断面図 同密閉型圧縮機のピストンが下死点に位置する圧縮部の拡大断面図 同密閉型圧縮機のピストンが上死点に位置する圧縮部の拡大断面図 本発明の実施の形態2の密閉型圧縮機のピストンの外形形状を示す平面図 図13AのX−X線断面図 本発明の実施の形態2のシリンダブロックおよびピストンの断面図 同密閉型圧縮機の効率向上の理論説明図 同密閉型圧縮機の効率向上の効果説明図 同密閉型圧縮機の軸受部と圧縮室との位置関係を示す上面の断面図 特許文献1に記載の従来の密閉型圧縮機の縦断面図 同密閉型圧縮機のピストン周りの要部断面図 特許文献2に記載の従来の密閉型圧縮機の縦断面図 図19の矢印A方向から見た図 特許文献2に記載の従来の密閉型圧縮機のピストン周りの要部断面図 特許文献3に記載の冷媒圧縮が可能な圧縮部の断面図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の密閉型圧縮機の縦断面図、図2は同密閉型圧縮機のピストン周りの要部断面のピストンが下死点位置にある状態図、図3は同密閉型圧縮機のピストンの拡大図である。
図1から図3において密閉型圧縮機は、密閉容器101内部の密閉容器内空間102に電動要素105と、圧縮要素106とを備え、密閉容器101の下部に貯溜した潤滑油107が収容されている。
密閉容器内空間102内の冷媒は、R600aである。R600aは、温暖化係数の低い自然冷媒として代表的な炭化水素系冷媒である。
電動要素105は、固定子103と永久磁石(図示せず)を内蔵した回転子104から構成されている。圧縮要素106は、電動要素105によって駆動される。
圧縮要素106は、シャフト108、シリンダブロック115、ピストン119、および給油装置108aを備えている。
シャフト108には、回転子104が圧入固定されている。またシャフト108は、主軸部109と偏芯部110とを有する。偏芯部110は、主軸部109に対して偏芯して
形成されている。
給油装置108aは、遠心ポンプ111、粘性ポンプ112、縦孔部113および横孔部114とからなる一連の通路から構成されている。ここで給油装置108aは、シャフト108に形成されている。遠心ポンプ111は、一端が潤滑油107中に開口し、他端が粘性ポンプ112の下端と連通している。縦孔部113および横孔部114は、一端が粘性ポンプ112の上端と連通し、他端が密閉容器内空間102へ開口している。
シリンダブロック115は円筒形孔部116、および主軸受118を有している。主軸受118は、主軸部109を軸支している。
円筒形孔部116には、ピストン119が往復摺動自在に挿入されており、ピストン119は、円筒形孔部116内において往復運動する。
そして、円筒形孔部116とピストン119の端面で囲われた空間である圧縮室117が形成されている。ピストン119と偏芯部110とは、連結装置120によって連結されている。
ピストン119の外周には、複数の給油溝121が設けられている。すなわち給油装置108aは、ピストン119の外周に潤滑油107を供給する。図2に示すように、ピストン119の下死点では密閉容器内空間102と給油溝121の一部とが連通している。また、それ以外の例えば上死点近傍などでは給油溝121の全てが円筒形孔部116内に位置するように配設されている。従って、給油溝121はピストン119の往復運動の過程において、少なくとも一部が円筒形孔部116外の密閉容器内空間102に位置するとともに、円筒形孔部116内に位置する場合もある。
円筒形孔部116は、ピストン119の上死点側から下死点側にかけての圧縮室117側の上端部に対応する範囲である所定範囲においてピストン119と円筒形孔部116との隙間が均一となる隙間均一部130を設けている。
その結果、圧縮室117内の冷媒ガスの圧力が、所定の圧力以上になるのに応じてピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスに対する隙間均一部130の比率を高める。このことにより冷媒ガスの漏れ損失を低減できる。
また隙間均一部130の下死点側には、下死点に向かって円筒形孔部116の内径が拡大する隙間拡大部131を設けている。
すなわちピストン119が上死点に位置するとき、ピストン119は隙間均一部130に接している。そして、隙間均一部130と隙間拡大部131とが隣接している。隙間均一部130は、ピストン119の圧縮室117側の上端部に対応する部位に形成され、圧縮室117の内径寸法が軸方向に一定である。隙間拡大部131は、隙間均一部130に隣接し、ピストン119が上死点に位置する側から下死点に位置する側に向かって円筒形孔部116の内径寸法が増大するように形成されている。そして隙間均一部130は、隙間拡大部131の上死点側に位置する。
ピストン119が下死点付近にあり、圧縮室117内の冷媒ガスの圧力が低い場合、隙間拡大部131にてピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスの粘性抵抗を低減する。ピストン119が上死点付近にあり、圧縮室117内の冷媒ガスの圧力が高い場合、隙間均一部130にてピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスを一定に保つ。このことにより、圧縮室117内から密閉容器101内への冷媒ガスの漏
れ量を抑制し、漏れ損失を低減する。
なお隙間拡大部131は、上死点に位置する側から下死点に位置する側に向かってピストン119の外径を小さくなるようにしてもよい。
ここで隙間均一部130とは、円筒形孔部116の上死点側の端部116aから円筒形孔部116の内径の変化が、従来の密閉型圧縮機の円筒形孔部の内径形状と同等である。すなわち円筒形孔部116の内径の変化は、おおよそ0.01%前後の範囲を指し、円筒形孔部116の内径が隙間均一部130よりも大きい変化率で下死点側に向かって拡大する範囲が隙間拡大部131である。
図4は、本発明の実施の形態1の密閉型圧縮機の給油溝近傍の拡大図である。
給油溝121は、2本形成されている。第一給油溝121aは、全長Dのピストン119に対してピストン119の上端面119a側に位置し、上端面119aから距離Eの位置に形成されている。第二給油溝121bは、第一給油溝121aから距離Fの位置に形成されている。つまり第一給油溝121aに対し、ピストン119の下端面119b側に別の第二給油溝121bを有する構成としている。このように、ピストン119の外周に第一給油溝121a、第二給油溝121bが凹設されている。また第二給油溝121bは、第一給油溝121aより圧縮室117と反対側に設けられている。
ここで、ピストン119の上端面119a側の第一給油溝121aは下端面119b側の第二給油溝121bよりも空間容積が小さくなるように形成されている。第一給油溝121aの空間容積と、第二給油溝121bの空間容積との比率は、以下の第1、第2のクリアランスの空間容積の比率にほぼ一致している。第1のクリアランスの空間容積は、第一給油溝121aから第二給油溝121bまでの距離Fにおけるピストン119と円筒形孔部116との間である。第2のクリアランスの空間容積は、第二給油溝121bから下端面119bまでの距離Gにおけるピストン119と円筒形孔部116との間である。
また、第一給油溝121aと第二給油溝121bとの空間容積の総和は、ピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスの空間容積と同等となるように形成している。また、第一給油溝121aと第二給油溝121bとの断面形状は、底部を略円形とした略正三角形をなしている。
なお溝部の空間容積とは、溝部がピストン119外周の延長面に囲われたことにより形成される空間の容積のことをいう。
本発明の実施の形態1では、ピストン119の直径は25mm、ピストン119の全長Dを23mm、ピストン上端面119aから第一給油溝121aまでの距離Eを4mm、第一給油溝121aと第二給油溝121bとの距離Fを4mm、第二給油溝121bから下端面119bまでの距離Gを17mmとしている。
また、第一給油溝121aの溝幅Gaは150μm、第二給油溝121bの溝幅Gbは700μmとし、クリアランスの空間容積がおよそ18mm3となるため、第一給油溝121aの空間容積は約1mm3、第二給油溝121bの空間容積は約17mm3に設定している。
また、隙間均一部130は円筒形孔部116の上死点側から約10mm設け、隙間均一部130におけるピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスCtは10μm、隙間拡大部131の下死点側のクリアランスCbは30μmとしている。
また、シリンダブロック115の円筒形孔部116の上壁に切り欠き部122が設けられている。第一給油溝121a及び第二給油溝121bは、ピストン119の下死点近傍において切り欠き部122を介して密閉容器101内と連通している。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下にその動作を説明する。
電動要素105の回転子104はシャフト108を回転させ、偏芯部110の回転運動が連結装置120を介してピストン119に伝えられる。その結果、ピストン119は円筒形孔部116内を往復運動する。これにより、冷却システム(図示せず)からの冷媒ガスは圧縮室117内へ吸入されて圧縮された後、再び冷却システムへ吐き出されるといった圧縮動作を繰り返す。
密閉型圧縮機が運転されると、シャフト108の回転により、給油機構108aの遠心ポンプ111内の潤滑油107は遠心力により上方へと汲み上げられ、粘性ポンプ112を介し各摺動部への給油が施される。その後潤滑油107は、縦孔部113、横孔部114から、放出路M、Nにて示すように密閉容器内空間102の全周方向に放出される。このとき放出される潤滑油107は、切り欠き部122から密閉容器内空間102に出たピストン119上部にも飛散するので、ピストン119の給油溝121上部には、表面張力等によって油溜り107aが形成される。
図5は、本発明の実施の形態1の密閉型圧縮機のピストンが下死点位置にある状態の拡大図である。
ピストン119が下死点付近に位置する状態では、第一給油溝121aと第二給油溝121bとは切り欠き部122を介して円筒形孔部116外に位置する。そのため、油溜り107aの潤滑油107が、毛細管現象によって第一給油溝121aと第二給油溝121bとの全周に供給される。このとき、ピストン119は円筒形孔部116の隙間拡大部131に位置している。
ピストン119が下死点から圧縮行程に入り上死点に向かって運動し始めると、第一給油溝121aと第二給油溝121bとに蓄えられた潤滑油107は、ピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスに運ばれる。
図6は、本発明の実施の形態1の密閉型圧縮機のピストンが上死点位置にある状態の拡大図である。
ピストン119が上死点近傍に至ると、第一給油溝121aと第二給油溝121bとは、円筒形孔部116の隙間均一部130に位置し、隙間均一部130へ潤滑油107を供給する。
その後、ピストン119は吸入行程に入り下死点に向かい運動し始め、上述した動作を繰り返す。
以下に、本発明の実施の形態1の構成と動作による作用および効果を説明する。
まず、ピストン119が下死点近傍に位置するときには、ピストン119は隙間拡大部131に位置するため、ピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスが比較的広い。そのため潤滑油107を介して粘性抵抗が小さいことにより、摺動損失を低く抑えることが出来る。
またこのとき、ピストン119の外周に凹設した第一給油溝121aと第二給油溝121bとが切り欠き部122の油溜り107aに位置する。そのため、ピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスに供給するための潤滑油107は、潤沢に確保することが出来る。
次に圧縮行程に入ると、ピストンが上死点に向かい運動し始める。第一給油溝121aと第二給油溝121bとに蓄えられた潤滑油107は、ピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスに供給されることにより、ピストン119の潤滑摺動が良好に保たれる。
ここで、ピストン119が上死点に向かって運動し始めると、隙間拡大部131のピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスは徐々に狭くなる。しかし、一般的な略円筒形状の円筒形孔部116に比べてクリアランスが広いため、摺動損失を低く抑えることが出来る。
図7は、本発明の実施の形態1の密閉型圧縮機のピストン位置と圧縮室内圧の特性図である。
ピストン119が上死点に近づくにつれ、圧縮室117内の冷媒ガスの圧力が徐々に高まり始める。図7に示すように、クランク角が約270°付近に至るまで、圧縮室117内の冷媒ガスの圧力はそれほど顕著に高くならない。そのためピストン119が隙間拡大部131に位置する間は、ピストン119と円筒形孔部116との間に供給された潤滑油107によりオイルシール性が保たれ、圧縮室117内の冷媒ガスが密閉容器内空間102に漏れることはない。
更に、クランク角が270°付近を越えると、ピストン119の上端面119a付近が隙間均一部130に差し掛かる。そしてピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスが最も小さくなり始め、クランク角が360°、つまりピストン119が上死点に達すると、ピストン119と円筒形孔部116との間の摺動損失は最大となる。
但し、ピストン119が上死点近傍に達すると、ピストン119に凹設した第一給油溝121aと第二給油溝121bとが隙間均一部130に位置するように構成している。そのため、摺動損失が最大となる隙間均一部130へ潤滑油107の供給が確実になされることにより、良好な潤滑摺動が維持され、摺動損失の増分を僅かに抑えることが出来る。
一方、クランク角が270°付近を越え、圧縮室117内の冷媒ガスの圧力が高くなると、ピストン119と円筒形孔部116との間に供給された潤滑油107が密閉容器内空間102へ吹き飛ばされ始める。そして冷媒ガスが、ピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスを介して第一給油溝121a近傍まで到達する。
第一給油溝121aまで到達した冷媒ガスは、第一給油溝121a内に流れ込み、第一給油溝121a内に蓄えられた潤滑油107と混合し小さな複数の渦を形成する。そして潤滑油107を、ピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスへ掻き出す。
第一給油溝121aから掻き出された潤滑油107は、ピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスをオイルシールしながら第二給油溝121bへ達し、第二給油溝121bに供給される。ここでピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスは、第一給油溝121aから第二給油溝121bに続く。
ここで、第一給油溝121aと第二給油溝121bとの距離を1mm以上、4mm以下としているため、第一給油溝121aから掻き出された潤滑油107によるオイルシール距離が確保され、第二給油溝121bに至る冷媒ガス量を低減している。
そして、第二給油溝121bに蓄えられていた潤滑油107は、第一給油溝121aと同様に、ピストン119と円筒形孔部116間に掻き出される。しかし第一給油溝121aから潤滑油107が供給され続けることにより、第二給油溝121bからピストン119の下端面119bに至るピストン119の外周をオイルシールし続けることができる。
ここで、ピストン119が上死点に達したとき、第一給油溝121aに蓄えられていた潤滑油107は掻き出される。そして第一給油溝121aの空間容積は、冷媒ガスが流れ込むデッドボリュームとなり、再膨張損失の要因となる。しかし第一給油溝121aの空間容積を、第二給油溝121bの空間容積に比べ格段に小さくし、再膨張損失を小さく抑えることが出来る。そのため、第一給油溝121aと第二給油溝121bとの空間容積が同等である場合と比較して、密閉型圧縮機の効率を更に高めることが出来る。
また、第一給油溝121aに保持される潤滑油107と第二給油溝121bに保持される潤滑油107とが、ピストン119と円筒形孔部116間に形成されるクリアランスに掻き出されオイルシール効果を生む。このことから、第一給油溝121aの空間容積と第二給油溝121bの空間容積との総和は、ピストン119と円筒形孔部116との間に形成されるクリアランスの空間容積の総和と相関関係があると推察できる。
図8は、本発明の実施の形態1の密閉型圧縮機の給油溝の総和容積に対する成績係数の特性図である。以下図8を用いて、確認実験の結果について説明する。
図8には、第一給油溝121aと第二給油溝121bとの空間容積の総和に対する成績係数の特性図を示す。成績係数(COP)は、印加入力に対する冷凍能力の比であり、一般的に効率を指し示す指標として用いられる。なお、縦軸は密閉型圧縮機の成績係数であり、横軸はピストン119に凹設した第一給油溝121aと第二給油溝121bとの空間容積の総和である。
図示している従来例の特性(破線)は、ピストン119に凹設している第一給油溝121aの空間容積と、第二給油溝121bの空間容積とを同等とした仕様の結果である。本発明の実施の形態1の特性(実線)は、第一給油溝121aの空間容積に比べ、第二給油溝121bの空間容積を17倍とした仕様の結果である。
なお第二給油溝121bの空間容積を、第一給油溝121aの空間容積の4倍以上20倍以下とするのがよい。このような容積比率の範囲は、第一給油溝121aと第二給油溝121bから下死点方向に続くピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスにより形成されるオイルシール距離にバランスよく潤滑油107を供給する。
実験条件は、冷蔵庫で運転される温度条件に近い蒸発温度−30℃、凝縮温度40℃、運転周波数は商用電源周波数としている。
図8に示すように、ピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスの空間容積が約18mm3であるのに対し、第一給油溝121aと第二給油溝121bとの空間容積の総和がおよそ10mm3以上35mm3以下の場合において、従来例も本発明の実施の形態1も共に高い成績係数が得られることを確認できた。更に、従来例と比較すると本発明の実施の形態1の場合には、更に高い成績係数が得られることが確認できた。
以下に、上記実験結果について考察する。
第一給油溝121aと第二給油溝121bとの空間容積の総和が35mm3を越えると、ピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスの空間容積に比べ、第一給油溝121aと第二給油溝121bとの空間容積の総和が大き過ぎる。そのため、クリアランスに供給する潤滑油107の量は十分確保されるものの、第一給油溝121aから潤滑油107が掻き出された後に、圧縮室117からピストン119と円筒形孔部116との間に漏れ出した冷媒ガスが第一給油溝121aに流れ込んで生じる再膨張損失が大きくなる。その結果、圧縮効率が低下し成績係数が低下すると考えられる。
一方、第一給油溝121aと第二給油溝121bとの空間容積の総和がおよそ10mm3を下回ると、成績係数が低下すると共に成績係数のばらつきが増大する。これは、第一給油溝121aと第二給油溝121bとの空間容積の総和が極端に小さくなったことにより、オイルシールをつかさどる潤滑油107がピストン119と円筒形孔部116との間に十分供給されないため、オイルシール性が低下すると推測される。
つまり、本発明の実施の形態1に示すように第一給油溝121aと第二給油溝121bとの空間容積の総和は、ピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスの空間容積の0.5倍以上2.0倍以下確保することにより最も冷媒ガスの漏れを抑えることができ、密閉型圧縮機の効率を高めることが出来ると考えられる。
更に従来例と比較し、本発明の実施の形態1において成績係数が更に高まるのは、以下の点からと考えられる。第一給油溝121aと第二給油溝121bとの空間容積の比率は、第1と第2とのクリアランスの空間容積との比率と同程度にしている。このことにより、第一給油溝121aから掻き出された潤滑油107が、ピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスの空間容積のうち距離F相当を過不足なくオイルシールする。また第二給油溝121bから掻き出された潤滑油107が、ピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスの空間容積のうち距離G相当を過不足なくオイルシールするためと考えられる。ここで第1のクリアランスの空間容積は、第一給油溝121aから第二給油溝121bまでの距離Fにおけるピストン119と円筒形孔部116との間である。第2のクリアランスの空間容積は、第二給油溝121bから下端面119bまでの距離Gにおけるピストン119と円筒形孔部116との間である。
更に、第一給油溝121aの空間容積が、第二給油溝121bの空間容積よりも小さくなる。このことにより、第一給油溝121aから潤滑油107が掻き出された後に冷媒ガスが流れ込むことによる再膨張損失を小さく抑えることが出来る。そのため、第一給油溝121aと第二給油溝121bとの空間容積が同等である場合と比較して、密閉型圧縮機の効率を更に高めることが出来ると考えられる。
以上をまとめると、第一給油溝121aと第二給油溝121bとの空間容積の総和は、ピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスの空間容積の0.5倍以上2.0倍以下が好ましい。
また、第一給油溝121aの空間容積に比べ第二給油溝121bの空間容積を大きくする。そして第一給油溝121aと第二給油溝121bとの空間容積の比率は、距離Fと距離Gとにおけるピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスの空間容積の比率と同程度にすることが成績係数の向上に対して最も効果が大きい。ここで距離Fとは、第一給油溝121aから第二給油溝121bまでの距離である。また距離Gとは、第二給油溝121bから下端面119bまでの距離である。即ち、第二給油溝121bの空間容積を、第一給油溝121aの空間容積の4倍以上20倍以下とするのがよい。
なお、本発明の実施の形態1では、冷媒にR600aを使用した。しかし、冷媒にR134aを使用する場合と同程度の冷凍能力を得るためには、両冷媒の物性値の違いからR600aを使用する密閉型圧縮機の気筒容積はR134aを使用する場合の約2倍程度の大きさが必要となる。そのため、R134aを使用する場合に比べると、ピストン119の外径、およびストロークを大きくしている。
ここで、一般にピストン119の外径を大きくすると、ピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランスの空間容積が増え、圧縮室117からの冷媒ガスの漏れ量が増大する。
しかしながら本発明の実施の形態1の密閉型圧縮機では、ピストン119に形成した第一給油溝121aと第二給油溝121bとの作用によって、ピストン119と円筒形孔部116との間のオイルシール性が安定して向上する。そのため、R600aを冷媒に使用する密閉型圧縮機において特に効果が大きいと言える。
また、本発明の実施の形態1では円筒形孔部116の内径が下死点に向かって拡大するように円筒形孔部116を加工することにより隙間拡大部131を設けている。そのため、ピストン119の外径を基準にピストン119と円筒形孔部116との間のクリアランス寸法をマッチングさせることが出来る。その結果、安定した高い効率を容易に得ることが出来るとともに、生産性にも優れている。
また、本発明の実施の形態1では溝容積が小さい方の第一給油溝121aの溝幅を100μmとしているため、一般的な切削加工にて給油溝の加工が行える。そのため、加工が容易であると共に溝形状のばらつきを小さく抑えることができ、安価に効率の高い密閉型圧縮機を提供することが出来る。
また、ピストン119が上死点近傍のとき、隙間均一部130に位置するのは、第一給油溝121aと第二給油溝121bとのいずれかであってもよい。
また、本発明の実施の形態1において給油溝121は2つ形成したものを例示したが、2つ以上あっても良く、その何れかが本願請求の範囲を満たしていれば同様の効果が得られる。
(実施の形態2)
図9は本発明の実施の形態2の密閉型圧縮機のピストンが下死点に位置する状態の断面図、図10は同密閉型圧縮機のピストンが上死点に位置する状態の断面図である。
密閉型圧縮機は、密閉容器201内に電動要素204と圧縮要素205とが収容され、密閉容器201内の底部に潤滑油206が貯溜されている。ここで電動要素204は固定子202と、回転子203とを備えている。また圧縮要素205は、電動要素204によって駆動される。そして圧縮要素205は、シャフト210、シリンダブロック214、ピストン223、連結装置226を備えている。
シャフト210は主軸部211と、偏心軸部212とを有している。また、主軸部211は回転子203の軸心に固定されている。偏心軸部212は、主軸部211と一体運動するように主軸部211の一端に偏心して形成されている。ここで主軸部211は、電動要素204によって回転駆動される。
シリンダブロック214は円筒形孔部216と、軸受部220とを有している。円筒形
孔部216は、互いに一定の位置に固定されるように配置され、略円筒形である。円筒形孔部216はピストン223が上死点に位置するとき、ピストン223の圧縮室215側の上端部に対応する部位に形成されている。
円筒形孔部216には、ピストン223が往復動可能に挿設されている。軸受部220は、シャフト210の主軸部211における偏心軸部212側の端部を軸支することによって片持ち軸受を形成している。すなわち軸受部220は、主軸部211を軸支している。
図11は本発明の実施の形態2の密閉型圧縮機のピストンが下死点に位置する圧縮部の拡大断面図、図12は同密閉型圧縮機のピストンが上死点に位置する圧縮部の拡大断面図である。
連結装置226の一端は偏心軸部212に連結され、その他端はピストンピンを介してピストン223に連結されている。なおピストンピンは、図9から図12では図示を省略している。
シャフト210の内部、および外周面には給油通路213が設けられている。給油通路213の偏心軸部212側の端部には、図示しない給油通路が偏心軸部212内部に具備されている。また、主軸部211の偏心軸部212とは反対側の端部すなわち下端部が、給油通路213に潤滑油206が所定の深さまで浸入するように延出している。
ここで円筒形孔部216は、ピストン223及びバルブプレート238と共に圧縮室215を形成するようにシリンダブロック214に設けられている。また円筒形孔部216は隙間拡大部217と、隙間均一部218とが形成されている。ピストン223は、全長にわたって外径寸法が同一に形成されている。
隙間均一部218は、円筒形孔部216の内径寸法がピストン223の軸方向に一定である。隙間拡大部217は、図12に示すようにピストン223が上死点に位置する側から、図11に示すように下死点に位置する側に向かって内径寸法がDtからDb(>Dt)に増加している。隙間均一部218は、上死点に達したピストン223の圧縮室215側の端部に対応する位置に、長さLの区間だけ内径寸法が軸方向に一定である。
図11に示すようにシリンダブロック214は、上方壁部219が切り欠かれている。これはピストン223が下死点に位置するとき、ピストン223の下端部の圧縮室215と反対側が露出するためである。なお上方壁部219とは、円筒形孔部216の周壁の一部である。
そして、シリンダブロック214から露出するピストン223の外周面には、ピストン223の径方向内側に落ち込んだ凹陥部241が互いに180度隔てた反対側にそれぞれ形成されている。すなわち凹陥部241は、ピストン223が下死点に位置するとき少なくとも一部がシリンダブロック214から露出する。
ピストン223の外周には、複数の給油溝221が設けられている。凹陥部241より圧縮室215側のピストン223の外周に第一給油溝221aを凹設するとともに、第一給油溝221aより凹陥部241側に、第一給油溝221aと同等以上の空間容積を有する第二給油溝221bを凹設している。このことにより、第一給油溝221aから潤滑油206が掻き出された後に、冷媒ガスが流れ込むことによる再膨張損失を小さく抑えることが出来る。
図12に示すように、凹陥部241はピストン223が上死点の近傍位置に到達するとき、凹陥部241すべてが円筒形孔部216内に位置するように形成されている。すなわちシリンダブロック214は、ピストン223が上死点に位置する近傍位置において、凹陥部241のすべてを圧縮室215内に位置するように形成されている。また凹陥部241の圧縮室215側の端部が、円筒形孔部216の隙間均一部218と対向する位置までの拡がりをもって形成されている。
図13Aは本発明の実施の形態2の密閉型圧縮機のピストンの外形形状を示す平面図、図13Bは図13AのX−X線断面図である。図13Aに示すように、凹陥部241は略一定の深さを有している。また凹陥部241は、ピストンピン225を略中心にして連結装置226に連結される側から上端部245に向かって周方向の幅が拡がっている。さらに凹陥部241は、上端部245側の縁部242がピストン223の圧縮室215側の上端面246に略平行かつ周方向に直線状に形成されている。
その結果、ピストン223が上死点位置に近接したとき、凹陥部241に保持された潤滑油206を隙間均一部218に広く供給することができる。そして、摺動損失を低減することができ、密閉型圧縮機の高効率化を達成できる。
また縁部242は、略30度に傾斜した断面形状を有している。このような断面形状は、隙間均一部218に潤滑油206が運ばれやすくなる。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下にその動作を説明する。電動要素204の回転子203は、シャフト210を回転させる。そして偏心軸部212の回転運動が、連結装置226を介して、ピストン223に伝えられる。これによってピストン223は、円筒形孔部216内を往復運動する。ピストン223の往復運動により、図示省略の冷却システムから冷媒ガスが圧縮室215内へ吸入され、圧縮された後、再び冷却システムに吐き出される。
給油通路213の下端部は、シャフト210の回転によりポンプ作用をするようになっている。ポンプ作用により、密閉容器201の底部の潤滑油206は、給油通路213を通って上方に汲み上げられる。潤滑油206は、シャフト210の上端より密閉容器201内の全周方向へ水平に飛散し、図13A、図13Bに示すピストンピン225、ピストン223などに供給されて潤滑を行う。
ピストン223が図11に示す下死点位置から、冷媒ガスを圧縮する圧縮行程において図12に示す上死点側に移動する途中の状態までは、圧縮室215内の圧力はそれほど上昇しない。そのためピストン223の外周面と、隙間拡大部217との隙間が比較的大きくても潤滑油206によるシール効果によりブローバイはほとんど発生せず、ピストン223の摺動抵抗も小さい。
さらに圧縮行程が進み、圧縮室215内の冷媒ガスの圧力が次第に上昇してピストン223が図12に示す上死点の近傍位置に達する直前では、圧縮室215内の圧力は上昇する。しかし、上死点側ではピストン223の外周面と隙間拡大部217との隙間が小さくなることからブローバイの発生を低減することができる。このとき隙間均一部218は、所定の吐出圧力まで増大した冷媒ガスの漏れを隙間均一部218をテーパ状にした場合よりも低減するように作用する。
また、ピストン223が下死点に位置する状態において、ピストン223の連結装置226側がシリンダブロック214から露出するように形成されている。そのため、シャフト210の上端から飛散された潤滑油206がピストン223の外周面に形成された凹陥
部241に潤沢に供給されるとともに、保持される。
これによって、圧縮行程においてシリンダブロック214の円筒形孔部216の内周面と、ピストン223の外周面との隙間に供給される潤滑油206も多くなる。そして、ピストン223が上死点の近傍位置に到達した状態において、ピストン223のすべてが円筒形孔部216内に位置するので、凹陥部241に保持された潤滑油206が円筒形孔部216から逃げ難くなる。
また、凹陥部241の圧縮室215側の端部が円筒形孔部216の隙間均一部218と対向する位置まで拡がっている。そのため、摺動抵抗が最も大きくなる隙間均一部218に対し、潤滑油206が運ばれやすくなっている。
この場合、凹陥部241はピストンピン225を略中心にして連結装置226に連結される端部から圧縮室215側の端部に向かって周方向の幅が拡がっている。そして圧縮室215側の縁部242が、周方向に直線状に形成されている。さらに縁部242は、略30度に傾斜した断面形状を有しているので、凹陥部241に保持された潤滑油206を、ピストン223と隙間均一部218との間に形成される摺動部へ供給量を増やすことができる。
この結果、シリンダブロック214とピストン223との間により多くの潤滑油206が供給される。また、潤滑油206が良好に保持され、ピストン223が上死点位置に近接した状態での摺動抵抗を軽減することができるので、高効率化を達成することができる。
次に、本発明の実施の形態1の密閉型圧縮機が、従来技術を基本とする標準的な密閉型圧縮機と比較して、効率向上の割合が顕著であることを説明する。
図14Aは本発明の実施の形態2のシリンダブロックおよびピストンの断面図、図14Bは同密閉型圧縮機の効率向上の理論説明図、図15は同密閉型圧縮機の効率向上の効果説明図である。図14Bは、本発明の実施の形態2の密閉型圧縮機による効率向上の割合を従来の密閉型圧縮機と比較するための説明図である。また図15は、本発明の実施の形態2の密閉型圧縮機による効率向上の割合を従来の密閉型圧縮機と比較するための説明図である。具体的には、ピストン223のストレート長さと効率(COP)との関係を示した特性図である。
図14Aに示すように、本発明の実施の形態2の密閉型圧縮機の圧縮部は、内径寸法が軸方向に一定である隙間均一部218及びこれに隣接して内径寸法が増大する隙間拡大部217を備えるシリンダブロック214と、外径寸法が一定のピストン223とにより構成されている。
ここで、シリンダブロック214の隙間均一部218の内径寸法(=隙間拡大部217の小径側内径寸法)をDt、隙間拡大部217の大径側内径寸法をDb、ピストン223の外径寸法をd、隙間均一部218の軸方向長さ、すなわちストレート長をL、シリンダブロック214の軸方向長さ、すなわちシリンダブロック長をL0とする。そして実機においては、シリンダブロック長L0が31mmのシリンダブロック214が組み込まれるものを対象とする。そしてストレート長Lが、それぞれ0mmから31mmの範囲において異なる複数種類のシリンダブロック214を準備し、これらのシリンダブロック214を組み込み、それぞれの効率を測定した。
なお、シリンダブロック長L0が31mmのシリンダブロック214、ストレート長L
が31mmとは、シリンダブロック214全体がストレートであり、隙間拡大部を持たない状態を示している。
一方、計算による密閉型圧縮機のシリンダブロック214として、以下の2つを想定する。第1は、シリンダブロック長L0が31mm、ストレート長Lがそれぞれ0mmから31mmの範囲において異なる複数種類のシリンダブロック214である。第2は、シリンダブロック長L0が44mm、ストレート長Lが44mmのシリンダブロック214、すなわち、隙間拡大部を持たないシリンダブロック214である。
また、シリンダブロック長44mmのシリンダブロック214では、ピストン223が下死点の位置においても、ピストン223がシリンダブロック214外に露出しない。これらのシリンダブロック214にピストン223を挿入した場合の径方向の隙間が実機と同じであれば、シリンダブロック214の軸方向位置Pと隙間ΔTとは図14Bに示す関係にある。
ここで軸方向位置Pは、シリンダブロック214の上死点側の端を基準として下死点方向に隔たる位置である。隙間ΔTは、下記(式1)にて定義される値である。
ΔT={(Dt〜Db)−d}/2 (式1)
そして隙間ΔTは位置Pの一次関数として表され、この関係が効率の計算に供される。ちなみに、図14Bにおけるシリンダブロック長L0が31mmのシリンダブロック214に対する隙間の特性は、ストレート長Lがそれぞれ0、4、8、16、24、31mmを示している。これらのシリンダブロック214が実機と同様にして組み込まれたことを想定し、密閉型圧縮機の効率を計算によって求めている。
なお、計算により密閉型圧縮機の効率を求める場合、ピストン223の外周面に潤滑油206を保持する凹陥部241を備えたもの(凹陥部有り)と、備えていないもの(凹陥部無し)とに区別して算出することができる。また、上述したシリンダブロック214のうち、シリンダブロック長が44mmのシリンダブロック214は、ピストン223が下死点に位置する状態において、凹陥部241のすべてがシリンダブロック214内に納まる型式である。シリンダブロック長が31mmのシリンダブロック214は、ピストン223が下死点に位置する状態において、凹陥部241の大部分がシリンダブロック214から露出する型式である。
ここで、
(1)シリンダブロック長L0及びストレート長Lが異なるシリンダブロック214のそれぞれと凹陥部無しのピストン223との組合せの密閉型圧縮機の効率の計算値
(2)シリンダブロック長L0及びストレート長Lが異なるシリンダブロック214のそれぞれと凹陥部241有りのピストン223との組合せの密閉型圧縮機の効率の計算値
(3)ストレート長Lが異なるシリンダブロック214のそれぞれと凹陥部241有りのピストン223との組合せの密閉型圧縮機の効率の実測値
とを、それぞれプロットし所定の計算式にて曲線近似すると、図15の線図にて示す効率特性(効率向上の効果説明図)が得られた。
図15中の点X1は、シリンダブロック長L0が44mm、ストレート長Lが44mmのシリンダブロック214、すなわち隙間拡大部を持たないシリンダブロック214と、凹陥部無しのピストン223とを組み合わせた場合の計算による効率を示している。そして、このシリンダブロック214のシリンダブロック長L0のみが順次31mmまで短縮されたとすれば、シリンダブロック214とピストン223との摺動抵抗の減少に応じ、曲線S1に示したように、効率は上昇する。
続いて、シリンダブロック長L0が31mm、ストレート長Lが31mmから0mmまで8種類に変わるシリンダブロック214と、凹陥部無しのピストン223とを組み合わせた場合における計算による効率を曲線S2に示す。曲線S2に示すように、ストレート長Lが31mmより短くなるに従って効率は上昇し、ストレート長Lが略8.3mmのとき最高の値となる。さらに、ストレート長Lがゼロに近づくに従って効率は急降下する。
次に図15中の点X2は、シリンダブロック長L0が44mm、ストレート長Lが44mmのシリンダブロック214、すなわち隙間拡大部を持たないシリンダブロック214と、凹陥部241有りのピストン223とを組み合わせた場合の計算による効率を示している。そして、このシリンダブロック214のシリンダブロック長L0のみが順次31mmまで短縮されたとすれば、シリンダブロック214とピストン223との摺動抵抗の減少に応じ、曲線S3に示したように、効率は点X3まで上昇する。
続いて、シリンダブロック長L0が31mm、ストレート長Lが31mmから0mmまで8種類に変わるシリンダブロック214と、凹陥部241有りのピストン223とを組み合わせた場合の計算による効率を曲線S4に示す。曲線S4に示すように、ストレート長Lが31mmより短くなるに従って効率は上昇し、ストレート長Lが略8.3mmのとき最高の値となる。さらに、ストレート長Lがゼロに近づくに従って効率は急降下する。点X4は、効率が最高になる位置を示している。
上述した点X2から点X3までの効率の上昇分は、ピストン223を露出させたことの効果(効果Q)である。点X3の近傍から最高の点X4までの効率の上昇分は、シリンダブロック214が隙間均一部Lと隙間拡大部217とを備えたことによる効果(効果R)である。曲線S1から曲線S3までの効率の上昇分、又は曲線S2から曲線S4までの効率の上昇分は、ピストン223が凹陥部241を備えたことによる効果(効果S)であると推測される。
一方、シリンダブロック長L0が31mm、ストレート長を31mmから略8.3mmまで5種類に変えたシリンダブロック214と、凹陥部241を備えたピストン223とを組み合わせた場合の実測による効率は曲線S5に示す。曲線S5に示すように、ストレート長Lが31mmより短くなるに従って効率は大きく上昇する。点X5はストレート長Lが31mmである場合の効率を示し、点X6はストレート長Lが略8.3mmである場合の効率を示している。点X6と点X4とを比較すると、点X6>点X4の関係にある。
上述したピストン223を露出させたことの効果Q、シリンダブロック214が隙間均一部218と隙間拡大部217とを備えたことによる効果R、ピストン223が凹陥部241を備えたことによる効果SをそれぞれCOPにより定量化すると次のようになる。
ピストン223を露出させた効果Q :約+0.006
シリンダブロック214が隙間均一部218と隙間拡大部217を
備えた効果R :約+0.009
ピストン223が凹陥部241を備えた効果S :約+0.015
これらの効率上昇分の合計値はCOPにおいて約+0.03となり、点X1から点X4までの増加分に相当する。これに対して、ストレート長Lが略8.3mmである場合の効率の実測値は、計算による効率よりも大きくなっている。点X1から点X6までの増加分はCOPにおいて約+0.04となり、計算に効率の増加と比較して30%を超える効率向上の効果が得られている。
以上の説明から明らかなように、以下の3つの技術それぞれが効率向上に寄与する。し
かし、3つの技術を組み合わせたことによる効率向上の効果は、個々の技術の効率向上分から予測される効果と比較して格段に大きくなっている。3つの技術とは、シリンダブロック214からピストン223を露出させる技術、隙間均一部218と隙間拡大部217を備えたシリンダブロック214を採用する技術、凹陥部241を備えたピストン223を採用する技術である。
すなわち、本発明の実施の形態2の密閉型圧縮機が、従来技術を基本とする標準的な密閉型圧縮機と比較して、効率向上の割合が顕著であると結論付けられる。
なお以上の説明は、円筒形孔部216及び軸受部220のそれぞれの軸心が互いに直交せず、オフセットしている構成での結果であり、具体的な構成は図16を参照して説明する。図16は、本発明の実施の形態2の密閉型圧縮機の軸受部と圧縮室との位置関係を示す上面の断面図である。
中心線250に対して、中心線251(図では点となる)は長さeだけ平行にずれている。ここで中心線250は、円筒形孔部216の軸心を示す。中心線251は、軸受部220の軸心を示す。中心線251から長さeだけ平行にずれた中心線252と、円筒形孔部216の中心線250とが互いに直交し、一般にオフセットと呼ばれる構成である。
詳細な実験結果は示していないが、オフセット量(長さe)が0mmから3mmの範囲内であれば、図15に示した試験結果と同様の結果が得られている。オフセットの有無に係わらず、上述の効率向上の割合が顕著に得られる。
なおピストン223の上死点近傍において、第一給油溝221aまたは第二給油溝221bのいずれかは、隙間均一部218に位置してもよい。その結果、ピストン223と円筒形孔部216との間のクリアランスが最も小さくなる隙間均一部218に確実に潤滑油206を供給する。このことにより潤滑摺動を維持すると共に、冷媒ガスの漏れ量を抑制する作用があるため、更に密閉型圧縮機の効率を高めることができる。
また第一給油溝221aと第二給油溝221bとの空間容積の総和を、ピストン223と円筒形孔部216とのクリアランスの全空間容積の0.5倍以上2.0倍以下の範囲としてもよい。その結果、ピストン223と円筒形孔部216との間のクリアランスの空間容積に対し、十分な量の潤滑油206を供給して冷媒の漏れを抑制できる。そして第一給油溝221aと、第二給油溝221bとの内部の潤滑油が掻き出されたあとに残るデッドボリュームを最小限に抑制し再膨張損失を低減する。そのため、更に密閉型圧縮機の効率を高めることができる。
また第二給油溝221bの空間容積を、第一給油溝221aの空間容積の4倍以上20倍以下の範囲としてもよい。これは以下の2つの空間容積の比率に応じ、第一給油溝221aと第二給油溝221bとの容積比率を定める。このことにより、第一給油溝221aと第二給油溝221bとから下死点方向に続くピストン223と円筒形孔部216との間のクリアランスにより形成されるオイルシール距離にバランスよく潤滑油206を供給できる。その結果、更に密閉型圧縮機の効率を高めることができる。ここで2つの空間容積のうちの1つは、第一給油溝221aから第二給油溝221bまでの距離におけるピストン223と円筒形孔部216との間のクリアランスの空間容積である。また2つの空間容積のうちのもう1つは、第二給油溝221bからピストン223下端までの距離におけるピストン223と円筒形孔部216との間のクリアランスの空間容積である。
また第一給油溝221aと第二給油溝221bとの空間容積の総和を、ピストン223と円筒形孔部216とのクリアランスの全空間容積の10mm3以上35mm3以下の範
囲としてもよい。第一給油溝221aと第二給油溝221bとの空間容積の総和がおよそ10mm3を下回ると、成績係数が低下すると共に成績係数のばらつきが増大する。第一給油溝221aと第二給油溝221bとの空間容積の総和が35mm3を越えると、ピストン223と円筒形孔部216との間のクリアランスの空間容積に比べ、第一給油溝221aと第二給油溝221bとの空間容積の総和が大き過ぎる。そのため、クリアランスに供給する潤滑油206の量は十分確保されるものの、第一給油溝221aから潤滑油206が掻き出された後に、圧縮室215からピストン223と円筒形孔部216との間に漏れ出した冷媒ガスが第一給油溝221aに流れ込んで生じる再膨張損失が大きくなる。
また第一給油溝221aと、第二給油溝221bとを1mm以上4mm以下離して凹設してもよい。このようにすることにより、第一給油溝221aから掻き出された潤滑油206によるオイルシール距離が確保され、第二給油溝221bに至る冷媒ガス量を低減することができる。そして、第二給油溝221bに蓄えられていた潤滑油206は、第一給油溝221aと同様に、ピストン223と円筒形孔部216との間に掻き出される。しかし第一給油溝221aから潤滑油206が供給され続けることにより、第二給油溝221bからピストン223の下端面に至るピストン223の外周をオイルシールし続けることができる。
以上のように、本発明の密閉型圧縮機は、ピストン外周の保油性を良化することによりシール性を高め、効率の高い密閉型圧縮機を提供することができる。そのため、家庭用冷蔵庫のみならず、自販機やショーケースといった他の冷凍サイクル等の用途にも適用できる。また、同様のピストン構成であるリニアコンプレッサー等の用途にも適用できる。
101,201 密閉容器
105,204 電動要素
106,205 圧縮要素
107,206 潤滑油
108a 給油装置
115,214 シリンダブロック
116,216 円筒形孔部
117,215 圧縮室
119,223 ピストン
121a 第一給油溝
121b 第二給油溝
122 切り欠き部
130,218 隙間均一部
131,217 隙間拡大部
210 シャフト
211 主軸部
212 偏心軸部
220 軸受部
226 連結装置
241 凹陥部
242 縁部

Claims (8)

  1. 潤滑油を貯溜する密閉容器と、電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素と、を備え、
    前記圧縮要素は、圧縮室を形成するための円筒形孔部を備えるシリンダブロックと、前記円筒形孔部内において往復運動するピストンと、を備え、
    前記円筒形孔部は、前記ピストンと前記円筒形孔部とのクリアランスが、前記ピストンが上死点に位置する側から下死点に位置する側に向かって広がる隙間拡大部を有し、
    かつ、前記ピストンは、凹陥部または給油溝を有し、
    前記ピストンが下死点に位置する場合に、前記凹陥部または前記給油溝が、前記シリンダブロックから露出する密閉型圧縮機。
  2. 前記円筒形孔部に切り欠き部を設け、
    前記凹陥部または前記給油溝は、前記ピストンが下死点近傍に位置する場合に、前記切り欠き部を介して前記密閉容器内と連通する請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. 前記切り欠き部は、前記円筒形孔部の上壁に設けた請求項2に記載の密閉型圧縮機。
  4. 前記隙間拡大部は、前記ピストンが上死点に位置する側から下死点に位置する側に向かって前記円筒形孔部の内径が大きくなることにより形成される、または、前記ピアストンが上死点に位置する側から下死点に位置する側に向かって前記ピストンの外径が小さくなることにより形成される請求項1から3のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  5. 前記隙間拡大部の前記ピストンの上死点側に、前記クリアランスが一定となる隙間均一部を備える請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  6. 前記隙間均一部は、前記ピストンの上死点側から下死点側にかけての所定範囲において、前記円筒形孔部の内径を均一とすることにより形成される請求項5に記載の密閉型圧縮機。
  7. 前記凹陥部または前記給油溝に、前記潤滑油を供給する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機を備えた冷凍装置。
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