JP2014079057A - 回転電機制御システム - Google Patents

回転電機制御システム Download PDF

Info

Publication number
JP2014079057A
JP2014079057A JP2012224373A JP2012224373A JP2014079057A JP 2014079057 A JP2014079057 A JP 2014079057A JP 2012224373 A JP2012224373 A JP 2012224373A JP 2012224373 A JP2012224373 A JP 2012224373A JP 2014079057 A JP2014079057 A JP 2014079057A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
current vector
vector
phase
rotor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012224373A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5626306B2 (ja
Inventor
Eiji Yamada
英治 山田
Kenji Hiramoto
健二 平本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2012224373A priority Critical patent/JP5626306B2/ja
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to US14/412,282 priority patent/US20150155810A1/en
Priority to BR112015000202A priority patent/BR112015000202A2/pt
Priority to KR1020147036290A priority patent/KR20150021541A/ko
Priority to IN11132DEN2014 priority patent/IN2014DN11132A/en
Priority to CN201380036227.5A priority patent/CN104488186A/zh
Priority to EP13785908.8A priority patent/EP2880758A2/en
Priority to PCT/IB2013/002210 priority patent/WO2014057333A2/en
Publication of JP2014079057A publication Critical patent/JP2014079057A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5626306B2 publication Critical patent/JP5626306B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/22Current control, e.g. using a current control loop
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K19/00Synchronous motors or generators
    • H02K19/02Synchronous motors
    • H02K19/10Synchronous motors for multi-phase current
    • H02K19/12Synchronous motors for multi-phase current characterised by the arrangement of exciting windings, e.g. for self-excitation, compounding or pole-changing
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/14Estimation or adaptation of machine parameters, e.g. flux, current or voltage
    • H02P21/20Estimation of torque
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P25/00Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of AC motor or by structural details
    • H02P25/02Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of AC motor or by structural details characterised by the kind of motor
    • H02P25/022Synchronous motors
    • H02P25/03Synchronous motors with brushless excitation
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P25/00Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of AC motor or by structural details
    • H02P25/02Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of AC motor or by structural details characterised by the kind of motor
    • H02P25/08Reluctance motors

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Abstract

【課題】回転電機制御システムにおいて、回転磁界を発生させる電流ベクトルへの電流パルス重畳中のロータトルクの向上を図ることである。
【解決手段】回転電機制御システムは、回転電機を制御する制御装置を含む。制御装置は、電流パルス重畳前の第1電流ベクトルI1の第1電流位相θ1と、d軸電流を増大させq軸電流を減少させた第2電流ベクトルI2の第2電流位相θ2との間にリラクタンストルク最大となる電流位相があるときに、第1電流位相θ1と第2電流位相θ2との間の中間位相θmを有する中間電流ベクトルImを設定する。中間電流ベクトルImは、第1電流ベクトルI1から第2電流ベクトルI2へ一直線状にベクトル軌跡を変化させる場合の中間位相θmでの仮想電流ベクトルImaよりも大きくする。電流ベクトルを、I1、Im、I2へ順に変化させ、Im、I1へ順に戻すことで電流パルスを生成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、回転電機制御システムに関し、特に電流ベクトルに電流パルスを重畳させる場合の制御に関する。
特許文献1には、回転磁界を発生させるステータと、ステータに対向して回転するロータとを備え、ロータはロータコイルとロータコイルに選択された極性で短絡されるダイオードとを含む電磁石型回転電機の制御装置が記載されている。この制御装置では、所定条件成立時にステータコイルに流れるステータ電流に電流パルスを重畳させる。
特開2011−41433号公報
特許文献1に記載された回転電機において、ステータ電流に電流パルスを重畳させる方法として、回転磁界を発生させる電流ベクトルのd軸電流に増大してから減少するd軸パルスを重畳させ、電流ベクトルのq軸電流に減少してから増大するq軸パルスを重畳させることが考えられる。この構成によれば、電流パルスの重畳時に過度にステータ電流を大きくすることなく、電流パルス重畳後のロータトルクの向上を図れるが、電流パルス重畳中のロータトルクの向上を図る面からは改良の余地がある。
本発明の目的は、回転電機制御システムにおいて、回転磁界を発生させる電流ベクトルへの電流パルス重畳中のロータトルクの向上を図ることである。
本発明に係る回転電機制御システムは、回転磁界を発生するステータと、前記ステータに対向配置され、ロータスロットを通ってロータコアに巻装されたロータコイルと、前記ロータコイルに接続されロータコイル電流を一方向に整流する整流部とを有し、前記各ロータコイル電流によってロータ突極が周方向に交互に異なる極性となるロータとを含む回転電機と、前記回転磁界を発生させる電流ベクトルに電流パルスを重畳させる制御装置とを備え、前記制御装置は、前記電流パルス重畳前の第1電流ベクトルと、前記第1電流ベクトルから所定の増加分でd軸電流を増加させ所定の減少分でq軸電流を減少させた第2電流ベクトルとを設定し、前記電流ベクトルとd軸正方向との間での位相を電流位相として、前記第1電流ベクトルの第1電流位相と前記第2電流ベクトルの第2電流位相との間にリラクタンストルク最大となる電流位相があるときに、前記第1電流位相と前記第2電流位相との間の中間位相を有する中間電流ベクトルであって、前記第1電流ベクトルから前記第2電流ベクトルへ一直線状にベクトル軌跡を変化させる場合の前記中間位相での仮想電流ベクトルよりも大きい前記中間電流ベクトルを設定し、前記電流ベクトルを、前記第1電流ベクトルから前記第2電流ベクトルへ変化させ、さらに前記第2電流ベクトルから前記第1電流ベクトルに戻した場合に、前記第1電流ベクトルから前記第2電流ベクトルへの変化中及び前記第2電流ベクトルから前記第1電流ベクトルの変化中への少なくとも一方で、前記電流ベクトルを前記中間電流ベクトルに変化させることで前記電流パルスを生成することを特徴とする。
本発明に係る回転電機制御システムにおいて、好ましくは、前記第1電流ベクトル及び前記第2電流ベクトルの終点は、共通の電流制御円上に設定され、前記中間電流ベクトルの終点は、前記電流制御円上、または前記電流制御円の内側で、前記第1電流ベクトルから前記第2電流ベクトルへ一直線状に変化する仮想ベクトル軌跡よりも原点に対し反対側の領域に設定される。
本発明に係る回転電機制御システムにおいて、好ましくは、前記中間電流ベクトルは、リラクタンストルク最大となる電流位相を有し、前記中間電流ベクトルの前記終点は前記電流制御円上に設定される。
本発明に係る回転電機制御システムにおいて、好ましくは、前記第1電流ベクトルの終点は第1電流制御円上に設定され、前記第2電流ベクトルの終点は前記第1電流制御円よりも大きい第2電流制御円上に設定され、前記中間電流ベクトルの終点は、前記第2電流制御円上、または前記第2電流制御円の内側で、前記第1電流ベクトルから前記第2電流ベクトルへ一直線状に変化する仮想ベクトル軌跡よりも原点に対し反対側の領域に設定される。
本発明に係る回転電機制御システムにおいて、好ましくは、前記中間電流ベクトルは、リラクタンストルク最大となる電流位相を有し、前記中間電流ベクトルの終点は前記第2電流制御円上に設定される。
本発明の回転電機制御システムによれば、回転磁界を発生させる電流ベクトルへの電流パルス重畳中に中間電流ベクトルに変化することでリラクタンストルクが大きくなる。このため、電流パルス重畳中のロータトルクの向上を図れる。
本発明の実施形態の回転電機制御システムにおいて、回転電機の周方向一部の断面と回転電機駆動部の構成とを示す図である。 図1に示した制御装置の機能ブロック図である。 本発明の実施形態において、d‐q座標系を用いて、電流パルス重畳時の電流ベクトルの変化を示す図である。 本発明の実施形態において、電流パルス重畳時のd軸電流Id及びq軸電流Iqと、ロータトルクTrとの時間的変化の1例を示す図である。 ロータ突極が1つのステータ突極に対しリラクタンストルク最大となる位相でずれた場合の回転電機の周方向一部の模式図である。 本発明の実施形態において、回転電機のリラクタンストルクと電流ベクトルの電流位相との関係を示す図である。 本発明の別の実施形態において、図3に対応する図である。 本発明の別の実施形態において、図4に対応する図である。 回転電機の別例において、ロータの周方向一部で、ロータコイルにダイオードを接続して示す回路実装図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。以下では、回転電機がモータジェネレータとしての機能を有し、ハイブリッド車両の駆動源として使用される場合を説明するが、これは例示であって、電気自動車等の他の電動車両の駆動源として使用されてもよい。また、回転電機は、単なる電動モータまたは単なる発電機の機能を持つ構成としてもよい。また、以下ではすべての図面において同様の要素には同一の符号を付して説明する。
図1は、本実施形態の回転電機制御システム10を示す図であって、回転電機12の周方向一部の断面と回転電機駆動部14の構成とを示す図である。回転電機制御システム10は、回転電機12と、回転電機駆動部14とを備える。回転電機12は、図示しないハイブリッド車両の駆動輪を駆動するモータとしての機能を有するとともに、駆動輪の回生制動によって発電する発電機としての機能を有するモータジェネレータとしての機能を有する。
回転電機12は、図示しないケースに固定されたステータ16と、ステータ16に対向配置され、回転するロータ18とを備える。ステータ16は、ステータコア20と、ステータコア20の突極に巻回されたu相、v相、w相の3相のステータコイル22u,22v,22wとを含む。ステータコア20は、電磁鋼板等の金属板の積層体等の磁性材料により形成される。ステータコア20は、周方向に複数の等間隔位置に、ロータ18へ向けて径方向内側へ突出して設けられた複数のステータ突極24と、各ステータ突極24の間に形成されたスロット26とを含む。なお、「径方向」という場合、ロータ18の回転中心軸に対し直交する放射方向をいう。また、「周方向」という場合、ロータ18の回転中心軸を中心とするロータ円周方向をいう。また、「軸方向」という場合、ロータ18の軸方向をいう。
ステータコイル22u,22v,22wは、スロット26を通って各ステータ突極24にそれぞれ集中巻きで巻回される。ステータコイル22u,22v,22wに3相のステータ電流が流れると各ステータ突極24が磁化し、ステータ16に回転磁界を発生する。
なお、ステータコイルは、ステータコア20の環状部分の周方向複数個所に複数相のステータコイルを巻回するトロイダル巻きとしてもよい。
ロータ18は、ステータ16と所定の空隙をあけて径方向内側に対向配置され、ステータ16に対し回転可能である。ロータ18の中心軸孔には図示しないケースの軸受に支持された回転軸が挿入固定される。ロータ18は、ロータコア30と、このロータコア30に巻回された複数のロータコイル32n,32sと、整流部であるダイオード34,36とを含む。
ロータコア30は、電磁鋼板等の金属板の積層体等の磁性材料により形成され、外周側に周方向等間隔の複数個所に設けられた磁極部であるロータ突極38n、38sを含む。ロータ突極38nは、後述するロータコイル32nに流れるロータコイル電流によってN極に磁化される。ロータ突極38sは、後述するロータコイル32sに流れるロータコイル電流によってS極に磁化される。ロータ突極38nとロータ突極38sとは、周方向に交互に配置される。ロータコア30の外周面の隣り合うロータ突極38n、38s間には、ロータコイル32n,32sの配置空間を形成する溝状のスロット40が形成される。
ロータコイル32n,32sは、スロット40を通ってロータ18の周方向の1つおきのロータ突極38nに集中巻きで巻装されたロータコイル32nと、ロータ突極38nと隣り合う別の1つおきのロータ突極38sにスロット40を通って集中巻きで巻装されたロータコイル32sとから構成される。周方向の1つおきのロータコイル32nは直列に接続されるとともに、一方向に短絡するように第1ダイオード34が接続される。また、周方向の別の1つおきのロータコイル32sも直列に接続されるとともに、他方向に短絡するように第2ダイオード36が接続される。
なお、ロータコイル32n、32sをすべて分離して、各ロータコイル32nに一方向に短絡するように第1ダイオードをそれぞれ接続し、各ロータコイル32sに他方向に短絡するように第2ダイオードをそれぞれ接続してもよい。また、各ロータコイル32n,32sは、ロータ突極38n,38sの周囲に複数層の複数列に整列して巻回される整列巻き型としてもよい。
この構成では、後述するようにステータ16側からロータコイル32n,32sに磁束が鎖交しステータ電流の変化に応じて誘導電流であるロータコイル電流が流れると、ロータコイル電流がダイオード34,36により一方向または他方向に整流され、ロータ突極38n、38sが所望の極性に磁化する。ロータコイル32nは、第1ダイオード34の整流方向に応じてロータ突極38nの先端にN極を形成する。ロータコイル32sは、第2ダイオード36の整流方向に応じてロータ突極38sの先端にS極を形成する。ロータ突極38n、38sが周方向に交互に配置されるので、各ロータコイル電流によってロータ突極38n、38sが周方向に交互に異なる極性であるN極及びS極となる。
以上が回転電機12の構成であり、次に回転電機駆動部14を説明する。回転電機駆動部14は、蓄電部42と、インバータ44と、制御装置46とを含む。蓄電部42は、直流電源として設けられ、二次電池により構成される。インバータ44は、複数のトランジスタ、IGBT等のスイッチング素子を含み、スイッチング素子のスイッチング動作により蓄電部42からの直流電力を、u相、v相、w相の交流電力に変換して各相のステータコイル22u,22v,22wに供給する。なお、蓄電部42とインバータ44との間に蓄電部42の電圧を昇圧してインバータ44に出力する昇圧装置を設けてもよい。
制御装置46は、CPU、メモリ等を有するマイクロコンピュータを含むもので、インバータ44のスイッチング素子のスイッチングを制御することにより回転電機12の駆動を制御する。制御装置46は、回転電機12と一体に結合した構成としてもよいが、車体等において制御装置46と回転電機12とを分離して配置する構成としてもよい。また、制御装置46は、Id‐Iq生成部47と、Id‐Iqパルス生成部48と、Idパルス重畳部50及びIqパルス重畳部52とを有する。これについて、図2を用いて詳しく説明する。
図2は、図1に示した制御装置46の機能ブロックと、電流センサ54及び回転センサ56とを示している。電流センサ54は、回転電機12のv相、w相のステータコイルに流れるステータ電流Iv,Iwを検出して、検出されたステータ電流を制御装置46に送信する。u相のステータコイルに流れるステータ電流Iuは、ステータ電流Iv,Iwの検出値から算出できるが、ステータ電流Iuを別の電流センサにより検出してもよい。
回転センサ56は、回転電機12の回転角度xを検出し、検出した回転角度xを制御装置46に送信する。回転センサ56は、レゾルバ等により構成される。また、制御装置46には、運転者のアクセルペダルの操作量に基づく目標トルクであるトルク指令値Tr*が入力される。
制御装置46は、d‐q軸ベクトル電流制御によりステータ電流を制御することで回転電機12の駆動を制御する。制御装置46は、電流指令生成部であるId‐Iq生成部47と、Idパルス重畳部50及びIqパルス重畳部52と、減算器60,62と、PI制御部64,66と、2相/3相変換部68と、PWM生成部70と、3相/2相変換部72とを含む。
Id‐Iq生成部47にはトルク指令値Tr*が入力される。Id‐Iq生成部47は、トルク指令値Tr*に基づいてステータ16に回転磁界を発生させる電流ベクトルのd軸電流指令値Id(0)及びq軸電流指令値Iq(0)を生成する。ここで、d軸とは、回転電機12の周方向に関してロータコイル32n、32sの巻回中心軸方向である磁極方向をいい、q軸とはd軸に対し電気角で90度進んだ方向をいう。例えば、図1のようにロータ18の回転方向が規定される場合、d軸方向、q軸方向はそれぞれ図1の矢印で示す関係で規定される。
Id‐Iq生成部47で生成されたd軸電流指令値Id(0)はIdパルス重畳部50に出力され、q軸電流指令値Iq(0)はIqパルス重畳部52に出力される。なお、Id‐Iq生成部47では、回転角度xの検出値から算出されるモータ回転数と、図示しない電圧センサにより検出されたインバータ44の蓄電部42側の電圧と、トルク指令値Tr*とに基づいてd軸電流指令値Id(0)及びq軸電流指令値Iq(0)を生成してもよい。
Idパルス重畳部50には、Id‐Iqパルス生成部48で生成されたIdパルスの変化分が入力される。Idパルス重畳部50は、d軸電流指令値Id(0)にIdパルスの変化分を所定タイミングで重畳させて、変化後のd軸電流指令値Id(1)を減算器60へ出力する。
Iqパルス重畳部52には、Id‐Iqパルス生成部48で生成されたIqパルスの変化分が入力される。Iqパルス重畳部52は、q軸電流指令値Iq(0)にIqパルスの変化分を所定タイミングで重畳させて、変化後のq軸電流指令値Iq(1)を減算器62へ出力する。Id‐Iqパルス生成部48については後で詳しく説明する。
減算器60には、3相/2相変換部72から電流値Idが入力される。減算器60は、変更後のd軸電流指令値Id(1)と電流値Idとの偏差を算出し、その算出した偏差をPI制御部64に出力する。
減算器62には、3相/2相変換部72から電流値Iqが入力される。減算器62は、変更後のq軸電流指令値Iq(1)と電流値Iqとの偏差を算出し、その算出した偏差をPI制御部66に出力する。
PI制御部64,66は、入力された偏差に対して予め設定されたPIゲインに基づいてPI制御を行うことでd軸電圧Vd及びq軸電圧Vqをそれぞれ算出し、その算出したd軸電圧Vd及びq軸電圧Vqを2相/3相変換部68に出力する。
2相/3相変換部68は、入力されたd軸電圧Vd及びq軸電圧Vqと、回転センサ56から受信した回転角度xとに基づいて2相/3相変換することで3相電圧Vu,Vv,Vwを算出し、3相電圧Vu,Vv,VwをPWM生成部70に出力する。
PWM生成部70は、3相電圧Vu,Vv,Vwと予め記憶された搬送波との電圧比較によって、インバータ44の各相の上下のスイッチング素子をオンオフするスイッチング制御信号を生成し、インバータ44に出力する。インバータ44は、スイッチング制御信号に応じてインバータ44の各スイッチング素子のオンオフ動作を行う。これにより回転電機12の各相ステータコイルにステータ電流Iu,Iv,Iwが流れる。
3相/2相変換部72には、電流センサ54からステータ電流Iv,Iwが入力される。3相/2相変換部72は、ステータ電流Iv,Iwと回転センサ56から受信した回転角度xとから3相/2相変換してd軸電流Id及びq軸電流Iqを算出し、d軸電流Id及びq軸電流Iqをそれぞれ減算器60,62へ出力する。このような制御装置46では、d軸及びq軸の電流値Id,Iqと、変更後のd軸電流指令値Id(1)及びq軸電流指令値Iq(1)とがそれぞれ一致するようにフィードバック制御が行われる。
ここでId‐Iqパルス生成部48を説明する。Id‐Iqパルス生成部48は、d軸電流指令Id(0)に重畳させるIdパルスを構成する複数の変化分を複数回の制御周期で分けて生成し、q軸電流指令Iq(0)に重畳させるIqパルスを構成する複数の変化分を複数回の制御周期で分けて生成する。
図3は、d‐q座標系を用いて、電流パルス重畳時の電流ベクトルの変化を示している。なお、図3の二点鎖線Pは、ロータコイル32n、32sにより形成される電磁石を概念的に示している。
Id‐Iqパルス生成部48は、電流パルス重畳前の第1電流ベクトルI1と、電流パルス重畳中の第2電流ベクトルI2とを設定している。第2電流ベクトルI2は、第1電流ベクトルI1から所定の増加分でd軸電流Idを増加させ、所定の減少分でq軸電流Iqを減少させて設定される。また、電流ベクトルとd軸正方向との間での位相を電流位相として、第1電流ベクトルI1の第1電流位相θ1と第2電流ベクトルI2の第2電流位相θ2との間にリラクタンストルク最大となる45°の電流位相θmがある。
このときに、Id‐Iqパルス生成部48は、第1電流位相θ1と第2電流位相θ2との間の中間位相として電流位相θmを有する中間電流ベクトルImを設定する。中間電流ベクトルImは、第1電流ベクトルI1から第2電流ベクトルI2へ一直線状にベクトル軌跡を変化させる場合の中間位相θmでの仮想電流ベクトルImaよりも大きくする。
Id‐Iqパルス生成部48は、電流ベクトルを第1電流ベクトルI1から第2電流ベクトルI2へ変化させ、さらに第2電流ベクトルI2から第1電流ベクトルI1に戻す。Id‐Iqパルス生成部48は、この場合に、第1電流ベクトルI1から第2電流ベクトルI2への変化中と、第2電流ベクトルI2から第1電流ベクトルI1への変化中との両方で、電流ベクトルを中間電流ベクトルImに変化させることでIdパルス及びIqパルスを生成する。
電流ベクトルI1,Im,I2の終点A,B,Cは、すべて共通の電流制御円Cr上に設定される。電流ベクトルI1,Im,I2の始点は原点Oである。中間電流ベクトルImの終点Bは、電流制御円Cr上で、電流制御円Crと、電流位相がθmであるリラクタンストルク最大位相線αとの交点に設定される。
電流ベクトルI1,Im,I2の終点は、電流パルス重畳開始時の点Aから予め設定された第1所定時間T1後に点Bに達し、次の第2所定時間T2後に点Cに達し、同様の第2所定時間T2及び第1所定時間T1で点B、点Aに順に戻る。すなわち、電流ベクトルI1,Im,I2の終点は、A→B→C→B→Aの順に変化する。A,B間及びB,C間のそれぞれで、電流ベクトルI1,Im,I2間のベクトル軌跡は直線状となる。第1電流ベクトルI1と中間電流ベクトルImとの間の移行時の第1所定時間T1は、中間電流ベクトルImと第2電流ベクトルI2との間の移行時の第2所定時間T2以下に設定する(T1≦T2)ことが好ましい。より好ましくは、T1<T2とする。電流制御円Crの大きさは、インバータ44等の部品で要求される許容電流から決定される。
このような電流ベクトルI1,Im,I2のd軸電流Id及びq軸電流Iqの変化分は、複数回の制御周期で分けられて、Id‐Iqパルス生成部48からIdパルス重畳部50及びIqパルス重畳部52に出力され、変化前のd軸電流指令Id(0)及びq軸電流指令Iq(0)に重畳されて、減算器60,62に出力される。このため、図4の上側のd軸電流Idの時間経過で示すように、d軸電流Idには、点Aに対応する重畳パルスなしの期間Taの最後から急激に増大し、点Cを上限として急激に減少するIdパルスが重畳される。なお、図4は、ロータ18が一定速度で回転する場合を示している。
また、図4の中間のq軸電流Iqの時間経過で示すように、点Aと点Bとではq軸電流Iqはあまり変化しないが、点Bから急激に減少し、点Cを下限として急激に増大するIqパルスがq軸電流Iqに重畳される。このようなIdパルス及びIqパルスの重畳は、電気的1周期の予め設定された所定タイミングで行われる。
次に、回転電機12の動作と、回転電機制御システム10の作用効果とを順に説明する。図1に示す3相のステータコイル22u,22v,22wに3相の交流電流が流れることでステータ16に回転磁界が形成される。この回転磁界は、起磁力分布として、正弦波分布だけでなく高調波成分を含んでいる。特に、集中巻きにおいては、各相のステータコイル22u,22v,22wが互いに径方向に重なり合わないので、ステータ16の起磁力分布に含まれる高調波成分の振幅レベルが増大する。例えば、3相の集中巻きの場合には、高調波成分としてステータコイル22u,22v,22wの入力電流の周波数の時間的3次で空間的2次の高調波成分の振幅レベルが増大する。このような高調波成分は空間高調波と呼ばれる。ここで、回転磁界の基本波成分がロータ18に作用すると、ステータ16とロータ18との間の磁気抵抗が小さくなるように、ロータ突極38n,38sがステータ突極24に吸引される。これによって、ロータ18にリラクタンストルクが作用する。
また、回転磁界がステータ16からロータ18に作用すると、回転磁界に含まれる高調波成分の磁束変動により、ステータ16からロータ18のスロット40内に漏れ出る漏れ磁束が発生し、その漏れ磁束が変動する。漏れ磁束の変動が大きい場合にはスロット40に配置されたロータコイル32n,32sの少なくともいずれかにロータコイル電流が発生する。ロータコイル電流が発生すると、そのロータコイル電流は、ダイオード42,44により整流されることで所定の一方向となる。そして、ダイオード42,44で整流された電流が各ロータコイル32n、32sに流れるのに応じて各ロータ突極38n、38sが磁化し、各ロータ突極38n、38sが所望の極性の磁極として機能する。この場合、ダイオード42,44の整流方向の違いにより、各ロータコイル電流により生じる磁極として、周方向においてN極とS極とが交互に配置される。
このような回転電機12では、ステータ電流Iu,Iv,Iwとロータ回転数とによってロータコイル電流の大きさが決まり、ある回転数以下ではロータ回転数が高くなるほどロータコイル電流は大きくなる。この場合、ロータトルクもロータコイル電流に応じて大きくなる。
一方、本発明と異なり、d軸電流指令Id(0)及びq軸電流パルス指令Iq(0)に電流パルスを重畳させない場合、ロータ18の低回転数領域では、ステータ16からロータコイル32n,32sに鎖交する漏れ磁束の変動周波数が低いのでロータコイル電流が小さくなり、ロータトルクも小さくなる。本発明では、図3、図4に示したようにq軸電流指令Iq(0)にIqパルスを重畳させるので、ステータ16からロータ18のスロット40内に漏れ出る漏れ磁束の変動を大きくでき、ロータコイル電流が大きくなる。しかも、d軸電流指令Id(0)にIdパルスを重畳させるので、図1のロータ18及びステータ16間のd軸方向に生成されるd軸磁路を通過する磁束の変動が大きくなる。ロータコイル32n,32sにはこの変動を妨げるようにロータコイル電流が流れる。このため、ロータコイル電流がより大きくなる。したがって、低回転数領域においてロータトルクを大きくできる。
しかも、d軸電流指令Id(0)に、Iqパルスと逆方向に変化するIdパルスを重畳させ、各電流ベクトルI1、Im、I2の終点A,B,Cをいずれも同一の電流制御円Cr上に位置させる。このため、電流ベクトルI1、Im、I2で規定されるステータ電流を、電流パルス重畳前の電流ベクトルI1が収まる電流制御円Crに収めることができる。一方、電流ベクトルIaは、d軸電流IdにのみIdパルスを重畳させ、q軸電流IqにはIqパルスを重畳しない比較例の電流ベクトルである。この電流ベクトルIaは、電流制御円Crから外側にはみ出し、ステータ電流が電流制限範囲を超えることが分かる。
さらに、制御装置46は、回転磁界を発生させる電流ベクトルへの電流パルスの重畳中に、電流位相が45°の中間位相である中間電流ベクトルImに変化させ、第1電流ベクトルI1から第2電流ベクトルI2へ一直線状にベクトル軌跡を変化させる場合の中間位相θmでの仮想電流ベクトルImaよりも中間電流ベクトルImを大きくするので、電流パルス重畳中のロータトルクを向上できる。これについて、図3から図5を用いて説明する。
図5は、回転電機12の周方向一部の模式図であり、ロータ突極38nがQ位置の1つのステータ突極24に対し45°位相がずれている。ここでの「位相」は、ロータ18のN極の中心とS極の中心との間の角度を180°と定義した場合のロータ18の電気角を表しており、これより以前で説明した「電流位相」とは異なるものである。上記の1つのステータ突極24は、ロータ突極38nの回転方向前側に位置する。これは、電流ベクトルの終点が図3のリラクタンストルク最大位相線α上に位置する場合に対応する。
図6は、本実施形態において、回転電機12のリラクタンストルクと電流ベクトルの電流位相θとの関係を示している。図6で、破線γは、電流ベクトルの終点が図3のリラクタンストルク最大位相線α上に設定される中間電流ベクトルImの中間位相θmに対応し、リラクタンストルクが最大となる。
この場合、中間電流ベクトルImは、中間位相θmでの仮想電流ベクトルImaよりも大きくなるので、リラクタンストルクが最大となる場合のステータ突極24の磁力を大きくできる。このため、図5に示すように、ロータ突極38nとステータ突極24との間で矢印δ方向に作用する磁気的吸引力を大きくして、リラクタンストルクを増大できる。このように、電流ベクトルへの電流パルス重畳中に中間電流ベクトルImに変化することで電流パルス重畳中のロータトルクの向上を図れる。
また、中間電流ベクトルImの終点Bは、第1電流ベクトルI1及び第2電流ベクトルI2の終点A,Cが位置する同一の電流制御円Cr上に設定されるので、電流パルス重畳中のステータ電流を電流パルス重畳前のステータ電流と同じ大きさに維持でき、インバータ等の部品を有効に保護できる。しかも、終点Bは、電流制御円Crとリラクタンストルク最大位相線αとの交点に位置するので、リラクタンストルクが最大となる電流位相での図5のQ位置のステータ突極24の磁力を許容電流範囲で最大にして、ロータトルクをより高くできる。
図4では、下側にd軸電流Id及びq軸電流Iqに対応するロータトルクを示している。図4で破線IdC、IqC、TrCは、比較例の場合である。この比較例は、図3で破線矢印Rで示すように、電流ベクトルの電流軌跡が終点Aから一直線状に終点Cに達し、終点Cから一直線状に終点Aに戻るように電流ベクトルを変化させる。このような比較例では、AからBへの移行時にd軸電流Idの増加するが、これを打ち消すようにロータ電流が急激に減少し0となる。また、比較例では電流パルス重畳中のリラクタンストルクの発生は小さいか、または0である。このような比較例では、電流パルス重畳中のトルク減少分が大きくなる。一方、本発明によれば、電流パルス重畳中のd軸電流Idが大きくなるが、AからBへの移行時のロータ電流が減少する場合のリラクタンストルクが増大するので、斜線部β1で示すようにロータトルクの減少分を小さくできる。また、CからAへの移行時のロータ電流増大時でも、斜線部β2で示すように、比較例に比べてリラクタンストルクの増大によりロータトルクを増大できる。
なお、回転電機12では、ロータコイル32n、32sに鎖交する磁束変動の周波数が回転数の増大に応じて増大することでロータコイル電流が大きくなり、ロータトルクが大きくなるが、図4では、この磁束変動周波数によるロータトルクの向上を考慮せず、電流パルスの重畳により発生するロータトルクのみを図示している。言い換えれば、電流パルスを重畳させない場合、図4のロータトルクは0のままである。また、実際には、ロータトルクは、パルス重畳をさせない時間Taでロータコイルの直流抵抗成分に起因して時間的にかなり緩やかに徐々に低下するが、d軸電流Id及びq軸電流Iqに繰り返し電流パルスを重畳させることで電流パルス重畳の後半でロータトルクを回復できる。
また、第1電流ベクトルI1と中間電流ベクトルImとの間の移行時の第1所定時間T1は、中間電流ベクトルImと第2電流ベクトルI2との間の移行時の第2所定時間T2以下とすれば、点AB間のd軸電流Idの変化幅を点BC間のIdの変化幅よりも大きくする場合に、点AB間のd軸電流Idを急激に変化でき、トルクの減少を小さくできる。
なお、中間電流ベクトルImの終点Bは、電流制御円Crとリラクタンストルク最大位相線αとの交点に設定している。ただし、この交点から外れた電流制御円Cr上に終点Bを設定してもよい。また、電流制御円Crの内側で、仮想電流ベクトルImaの終点を通過する点A、Cを結ぶ仮想ベクトル軌跡である直線ACよりも原点Oとは反対側の図3の斜線部である外側領域AOに終点Bを設定してもよい。例えば、終点Bは、図3の点B1、点B2、点B3のいずれか1つの位置に設定されてもよい。終点Bが点B1に設定される場合、ベクトル軌跡は点A,点B1,点Cの間で変化し、リラクタンストルク最大位相線α上でも外側領域AOを通過する。このため、比較例に比べてリラクタンストルクの増大によりロータトルクを向上できる。終点Bが点B2、点B3に設定される場合も同様である。
なお、電流ベクトルの第1電流ベクトルI1から第2電流ベクトルI2への変化中と、第2電流ベクトルI2から第1電流ベクトルI1への変化中との一方のみで中間電流ベクトルImに変化させてもよい。この場合も、中間電流ベクトルImに変化させる場合にロータトルクを向上できる。
また、制御装置46は、回転電機12の予め設定された所定回転数以下でのみ、d軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqに電流パルスを重畳させてもよい。
図7は、本発明の別の実施形態において、図3に対応する図であり、図8は、図4に対応する図である。本実施形態では、上記の図1から図6の実施形態において、図2のId‐Iqパルス生成部48は、d‐q座標系で、第1電流制御円である連続通電許可制御円Cr1と、連続通電許可制御円Cr1よりも大きい第2電流制御円である瞬時通電許可制御円Cr2とを設定し、電流パルス重畳前及び電流パルス重畳中の電流ベクトルを設定している。
この場合、第1電流ベクトルI1の終点Aは連続通電許可制御円Cr1上に設定され、第2電流ベクトルI2の終点Cは瞬時通電許可制御円Cr2上に設定される。また、中間電流ベクトルImの終点Bは、瞬時通電許可制御円Cr2上で、瞬時通電許可制御円Cr2とリラクタンストルクが最大となる中間位相θmでのリラクタンストルク最大位相線αとの交点に設定される。このため、中間電流ベクトルImは、リラクタンストルク最大となる45°の電流位相を有する。
電流ベクトルI1,Im,I2の終点は、電流パルス重畳開始時の点Aから予め設定された第1所定時間T1後に点Bに達し、次の第2所定時間T2後に点Cに達し、同様の第2所定時間T2及び第1所定時間T1で点B、点Aに順に戻る。このような構成でも、リラクタンストルク最大位相線α上の中間電流ベクトルImが仮想電流ベクトルImaよりも大きくなることで、リラクタンストルクを増大でき、電流パルス重畳中のロータトルクを向上できる。しかも、連続通電許可制御円Cr1の外側に瞬時通電許可制御円Cr2を設定し、パルス重畳時の電流ベクトルIm,I2の終点B,Cを瞬時通電許可制御円Cr2上に設定している。瞬時通電許可制御円Cr2は、インバータ等の部品保護のために短時間通電の許容電流の最大範囲を規定するもので、図3の電流制御円Crよりも大きく設定できる。このため、中間電流ベクトルIm及び第2電流ベクトルI2を第1電流ベクトルI1よりも大きくでき、パルス重畳中のロータトルクを図1から図6の構成の場合に比べて大きくできる。図7、図8の構成によっても、電流パルス重畳時にステータ電流が過度に大きくなることを防止できる。
なお、中間電流ベクトルImの終点Bは、瞬時通電許可制御円Cr2とリラクタンストルク最大位相線αとの交点に設定している。ただし、この交点から外れた瞬時通電許可制御円Cr2上に終点Bを設定してもよい。また、瞬時通電許可制御円Cr2の内側で、第1電流ベクトルI1から第2電流ベクトルI2へ一直線状に変化する仮想ベクトル軌跡である直線ACよりも原点Oに対して反対側の領域AO1に終点Bを設定してもよい。この領域AO1のd軸電流は、第1電流ベクトルI1のd軸電流よりも大きくなる。その他の構成及び作用は、図1から図6の場合と同様である。
なお、上記の各実施形態では、回転電機12の各ロータ突極38n、38sにロータコイルが1つずつのみ巻装された場合を説明したが、図9のロータコイルの配置構成を有する回転電機の制御に本発明を適用してもよい。図9は、回転電機の別例において、ロータ18の周方向一部で、ロータコイル74n、74s、76n、76sにダイオード34,36を接続して示している。ロータコイル74nは、誘導コイルとしてロータ突極38nの径方向外方の先端側に巻回され、ロータコイル74sは、同様にロータ突極38sに巻回される。
ロータコイル76nは、共通コイルとしてロータ突極38nの径方向内方の根元側に巻回され、ロータコイル76sは、同様にロータ突極38sに巻回される。ロータコイル74nの一端は、ロータコイル74sの一端に、第1ダイオード34及び第2ダイオード36を介して接続される。両方のダイオード34,36は、互いに順方向を逆向きにして接続点Fで接続される。
ロータコイル76sの一端は接続点Fに接続され、ロータコイル76sの他端はロータコイル76nの一端に接続される。ロータコイル76nの他端は接続点Gで2つのロータコイル74n、74sの他端に接続される。
この構成でも、ステータ側からロータコイル74n,74sに磁束が鎖交してロータコイル電流が流れることで、ロータ突極38nの先端にN極が形成され、ロータ突極38sの先端にS極が形成される。なお、ロータで、すべてのN極のロータコイル74nを直列接続して1つのN極の直列接続の誘導コイルとし、すべてのS極のロータコイル74sを直列接続して1つのS極の直列接続の誘導コイルとして扱ってもよい。この場合、すべてのN極のロータコイル76nを直列接続して1つのN極の直列接続の共通コイルとし、すべてのS極のロータコイル76sを直列接続して1つのS極の直列接続の共通コイルとして扱う。その上で、図9の接続関係を用いることでロータ全体で2つのダイオードを共用することができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。例えば、ステータコイルはステータに集中巻きで巻線する場合を説明したが、ステータで高調波成分を含む回転磁界を生成できるのであればステータにステータコイルを分布巻きで巻線する構成としてもよい。
10 回転電機制御システム、12 回転電機、14 回転電機駆動部、16 ステータ、18 ロータ、20 ステータコア、22u,22v,22w ステータコイル、24 ステータ突極、26 スロット、30 ロータコア、32n,32s ロータコイル、34 第1ダイオード、36 第2ダイオード、38n、38s ロータ突極、40 スロット、42 蓄電部、44 インバータ、46 制御装置、47 Id‐Iq生成部、48 Id‐Iqパルス生成部、50 Idパルス重畳部、52 Iqパルス重畳部、54 電流センサ、56 回転センサ、60,62 減算器、64,66 PI制御部、68 2相/3相変換部、70 PWM制御部、72 3相/2相変換部、74n、74s、76n、76s ロータコイル。

Claims (5)

  1. 回転磁界を発生するステータと、前記ステータに対向配置され、ロータスロットを通ってロータコアに巻装されたロータコイルと、前記ロータコイルに接続されロータコイル電流を一方向に整流する整流部とを有し、前記各ロータコイル電流によってロータ突極が周方向に交互に異なる極性となるロータとを含む回転電機と、
    前記回転磁界を発生させる電流ベクトルに電流パルスを重畳させる制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記電流パルス重畳前の第1電流ベクトルと、
    前記第1電流ベクトルから所定の増加分でd軸電流を増加させ所定の減少分でq軸電流を減少させた第2電流ベクトルとを設定し、
    前記電流ベクトルとd軸正方向との間での位相を電流位相として、
    前記第1電流ベクトルの第1電流位相と前記第2電流ベクトルの第2電流位相との間にリラクタンストルク最大となる電流位相があるときに、
    前記第1電流位相と前記第2電流位相との間の中間位相を有する中間電流ベクトルであって、前記第1電流ベクトルから前記第2電流ベクトルへ一直線状にベクトル軌跡を変化させる場合の前記中間位相での仮想電流ベクトルよりも大きい前記中間電流ベクトルを設定し、
    前記電流ベクトルを、前記第1電流ベクトルから前記第2電流ベクトルへ変化させ、さらに前記第2電流ベクトルから前記第1電流ベクトルに戻した場合に、前記第1電流ベクトルから前記第2電流ベクトルへの変化中及び前記第2電流ベクトルから前記第1電流ベクトルへの変化中の少なくとも一方で、前記電流ベクトルを前記中間電流ベクトルに変化させることで前記電流パルスを生成することを特徴とする回転電機制御システム。
  2. 請求項1に記載の回転電機制御システムにおいて、
    前記第1電流ベクトル及び前記第2電流ベクトルの終点は、共通の電流制御円上に設定され、
    前記中間電流ベクトルの終点は、前記電流制御円上、または前記電流制御円の内側で、前記第1電流ベクトルから前記第2電流ベクトルへ一直線状に変化する仮想ベクトル軌跡よりも原点に対し反対側の領域に設定されることを特徴とする回転電機制御システム。
  3. 請求項2に記載の回転電機制御システムにおいて、
    前記中間電流ベクトルは、リラクタンストルク最大となる電流位相を有し、前記中間電流ベクトルの前記終点は前記電流制御円上に設定されることを特徴とする回転電機制御システム。
  4. 請求項1に記載の回転電機制御システムにおいて、
    前記第1電流ベクトルの終点は第1電流制御円上に設定され、
    前記第2電流ベクトルの終点は前記第1電流制御円よりも大きい第2電流制御円上に設定され、
    前記中間電流ベクトルの終点は、前記第2電流制御円上、または前記第2電流制御円の内側で、前記第1電流ベクトルから前記第2電流ベクトルへ一直線状に変化する仮想ベクトル軌跡よりも原点に対し反対側の領域に設定されることを特徴とする回転電機制御システム。
  5. 請求項4に記載の回転電機制御システムにおいて、
    前記中間電流ベクトルは、リラクタンストルク最大となる電流位相を有し、前記中間電流ベクトルの終点は前記第2電流制御円上に設定されることを特徴とする回転電機制御システム。
JP2012224373A 2012-10-09 2012-10-09 回転電機制御システム Expired - Fee Related JP5626306B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012224373A JP5626306B2 (ja) 2012-10-09 2012-10-09 回転電機制御システム
BR112015000202A BR112015000202A2 (pt) 2012-10-09 2013-09-24 sistema de controle de máquina elétrica rotativa e método de controle de máquina elétrica rotativa
KR1020147036290A KR20150021541A (ko) 2012-10-09 2013-09-24 회전전기기계제어시스템 및 회전전기기계제어방법
IN11132DEN2014 IN2014DN11132A (ja) 2012-10-09 2013-09-24
US14/412,282 US20150155810A1 (en) 2012-10-09 2013-09-24 Rotary electric machine control system and rotary electric machine control method
CN201380036227.5A CN104488186A (zh) 2012-10-09 2013-09-24 旋转电机控制系统和旋转电机控制方法
EP13785908.8A EP2880758A2 (en) 2012-10-09 2013-09-24 Rotary electric machine control system and rotary electric machine control method
PCT/IB2013/002210 WO2014057333A2 (en) 2012-10-09 2013-09-24 Rotary electric machine control system and rotary electric machine control method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012224373A JP5626306B2 (ja) 2012-10-09 2012-10-09 回転電機制御システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014079057A true JP2014079057A (ja) 2014-05-01
JP5626306B2 JP5626306B2 (ja) 2014-11-19

Family

ID=49517539

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012224373A Expired - Fee Related JP5626306B2 (ja) 2012-10-09 2012-10-09 回転電機制御システム

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20150155810A1 (ja)
EP (1) EP2880758A2 (ja)
JP (1) JP5626306B2 (ja)
KR (1) KR20150021541A (ja)
CN (1) CN104488186A (ja)
BR (1) BR112015000202A2 (ja)
IN (1) IN2014DN11132A (ja)
WO (1) WO2014057333A2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104852668A (zh) * 2015-05-15 2015-08-19 苏州德锐朗智能科技有限公司 一种直线开关磁阻电机位置控制系统
WO2018101158A1 (ja) * 2016-12-02 2018-06-07 梨木 政行 モータとその制御装置
CN108155730B (zh) * 2016-12-06 2022-02-25 松下电器产业株式会社 铁芯和电机
JP7128456B2 (ja) * 2017-01-16 2022-08-31 政行 梨木 モータ
KR20200110443A (ko) * 2018-01-31 2020-09-23 아틀라스 콥코 인더스트리얼 테크니크 에이비 슬롯리스 동기식 영구 자석 모터

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010110079A (ja) * 2008-10-29 2010-05-13 Denso Corp 界磁巻線型同期機の制御装置及び制御システム
JP2011041433A (ja) * 2009-08-18 2011-02-24 Toyota Central R&D Labs Inc 回転電機駆動システム
WO2011102114A1 (ja) * 2010-02-16 2011-08-25 パナソニック株式会社 同期電動機駆動システム
JP2012170256A (ja) * 2011-02-15 2012-09-06 Toyota Motor Corp 回転電機駆動システム

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5167631B2 (ja) * 2006-11-30 2013-03-21 株式会社デンソー モータの制御方法及びそれを利用するモータ制御装置
DE112010006059B4 (de) * 2010-12-08 2020-08-13 Denso Corporation Spannungswandlungssteuervorrichtung für mehrere Motoren
JP5718668B2 (ja) * 2011-02-15 2015-05-13 トヨタ自動車株式会社 回転電機駆動システム
JP2012196095A (ja) * 2011-03-17 2012-10-11 Toyota Motor Corp 回転電機システム
JP5409680B2 (ja) * 2011-03-23 2014-02-05 トヨタ自動車株式会社 回転電機システム
JP2012222941A (ja) * 2011-04-07 2012-11-12 Toyota Motor Corp 回転電機

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010110079A (ja) * 2008-10-29 2010-05-13 Denso Corp 界磁巻線型同期機の制御装置及び制御システム
JP2011041433A (ja) * 2009-08-18 2011-02-24 Toyota Central R&D Labs Inc 回転電機駆動システム
WO2011102114A1 (ja) * 2010-02-16 2011-08-25 パナソニック株式会社 同期電動機駆動システム
JP2012170256A (ja) * 2011-02-15 2012-09-06 Toyota Motor Corp 回転電機駆動システム

Also Published As

Publication number Publication date
KR20150021541A (ko) 2015-03-02
WO2014057333A3 (en) 2014-09-12
IN2014DN11132A (ja) 2015-09-25
WO2014057333A2 (en) 2014-04-17
JP5626306B2 (ja) 2014-11-19
CN104488186A (zh) 2015-04-01
WO2014057333A8 (en) 2014-12-04
BR112015000202A2 (pt) 2017-06-27
EP2880758A2 (en) 2015-06-10
US20150155810A1 (en) 2015-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5781785B2 (ja) 回転電機駆動システム
JP5718668B2 (ja) 回転電機駆動システム
JP5827026B2 (ja) 回転電機及び回転電機駆動システム
US20120256510A1 (en) Rotary electric machine
JP6579379B2 (ja) 界磁巻線型同期機駆動システム
JP6711326B2 (ja) 回転電機の駆動システム
US11283385B2 (en) Motor system provided with both motor having multiple-phase stator windings and control device controlling the motor
JP5626306B2 (ja) 回転電機制御システム
JP2018093695A (ja) モータとその制御装置
US11283384B2 (en) Motor system provided with both motor having multiple-phase stator windings and control device controlling the motor
JP5135794B2 (ja) モータ制御方法
JP2015006103A (ja) 回転電機
JP2009296835A (ja) モータ制御装置
JP6381662B2 (ja) 電力変換装置およびその制御方法、電動パワーステアリングの制御装置
JP5623346B2 (ja) 回転電機駆動システム
JP6590457B2 (ja) 車両駆動制御装置及び車両駆動制御方法
JP2014082829A (ja) 回転電機制御システム
JP2014166074A (ja) 磁石レス巻線界磁モータの駆動回路
JP2014166022A (ja) 回転電機制御システム
JP5879821B2 (ja) モータ制御装置及びモータ制御方法
JP2013110942A (ja) 回転電機及び回転電機制御システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140827

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140902

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140915

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5626306

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees