JP2014082829A - 回転電機制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】回転電機制御システムにおいて、d軸電流及びq軸電流を変化させる場合の消費電力の変動量を抑制することである。
【解決手段】回転電機制御システム10は、回転電機12と、回転電機12を制御する制御装置46とを含む。制御装置46は、Id-Iq生成部47と、Id-Iq変化量設定部48とId変更部50及びIq変更部52とを含む。Id-Iq変化量設定部48は、d軸電流指令及びq軸電流指令を変化させる場合において、少なくとも変化前のd軸電流指令及びq軸電流指令から消費電力変動量ΔPを算出し、ΔPが所定変動量ΔPreq以下となるように、d軸電流指令及びq軸電流指令の変化量を設定する。Id変更部50及びIq変更部52は、d軸電流指令変化量及びq軸電流指令変化量の設定値に応じて、d軸電流指令及びq軸電流指令を逆方向に変化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転電機制御システムに関し、特にd軸電流指令及びq軸電流指令を変化させる場合の制御に関する。
特許文献1には、ステータに対向して回転するロータを備え、ロータはロータコイルとロータコイルに選択された極性で短絡されるダイオードとを含む電磁石型回転電機の制御装置において、所定条件成立時にステータコイルに流れるステータ電流にパルス電流を重畳させることが記載されている。
特許文献2には、ベクトル制御及び弱め界磁制御を行う回転電機制御装置において、回転電機の出力トルクの変動がないようにd軸電流指令値の単位時間または一定制御周期での変化量を制限することが記載されている。
特開2011−41433号公報 特開2007−116849号公報
特許文献1に記載された回転電機において、ステータ電流にパルス電流を重畳させる方法として、d軸電流とq軸電流とに逆方向のパルス電流を重畳させ、d軸電流及びq軸電流を逆方向に変化させることが考えられる。しかしながら、d軸電流及びq軸電流の変化量の関係は回転電機の駆動時の消費電力の変動量に大きく影響する。消費電力の変動量が大きくなる場合、インバータの電流入力側に接続された部品に要求される電圧/電流変動耐圧が大きくなる。
本発明の目的は、回転電機制御システムにおいて、d軸電流及びq軸電流を変化させる場合の消費電力の変動量を抑制することである。
本発明に係る回転電機制御システムは、回転電機と、前記回転電機を制御する制御装置とを備える回転電機制御システムであって、前記回転電機制御用のd軸電流指令及びq軸電流指令を生成する電流指令生成部と、生成された前記d軸電流指令及び前記q軸電流指令を変化させる場合において、少なくとも変化前の前記d軸電流指令及び前記q軸電流指令から電流指令変化に応じた電力変動量ΔPを算出し、前記電力変動量ΔPの算出値が予め設定される所定変動量ΔPreq以下となるように、d軸電流指令変化量及びq軸電流指令変化量を設定する変化量設定部と、前記d軸電流指令変化量及び前記q軸電流指令変化量の設定値に応じて、前記d軸電流指令及び前記q軸電流指令を互いに逆方向に変化させる電流指令変更部とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る回転電機制御システムにおいて、好ましくは、前記変化量設定部は、前記電力変動量ΔPの算出値が前記所定変動量ΔPreq以下であって、かつ、前記d軸電流指令変化量が予め記憶されたd軸変化量最低値ΔId_min以上で、前記q軸電流指令変化量が予め記憶されたq軸変化量最低値ΔIq_min以上となるように、前記d軸電流指令変化量及び前記q軸電流指令変化量を設定する。
また、本発明に係る回転電機制御システムにおいて、好ましくは、前記変化量設定部は、変化前の前記d軸電流指令及び前記q軸電流指令から、前記d軸電流指令変化量及び前記q軸電流指令変化量の複数の組み合わせで前記電力変動量ΔPを算出し、前記電力変動量ΔPが前記所定変動量ΔPreq以下となる場合の1つのd軸電流指令変化量及びq軸電流指令変化量の組み合わせを、前記d軸電流指令変化上限及び前記q軸電流指令変化上限として設定する変化上限設定部と、互いに逆方向に変化するd軸パルス電流及びq軸パルス電流を生成するパルス電流生成部と、前記パルス電流生成部から入力された前記d軸パルス電流の変化量を、前記d軸電流指令変化上限に規制するd軸パルス電流規制部と、前記パルス電流生成部から入力された前記q軸パルス電流の変化量を、前記q軸電流指令変化上限に規制するq軸パルス電流規制部とを有する。
また、本発明に係る回転電機制御システムにおいて、好ましくは、前記回転電機は、ステータに対向配置され回転するロータを含み、前記ロータは、複数のスロットが形成されたロータコアと、前記スロットを通って前記ロータコアに巻装されたロータコイルと、前記ロータコイルに接続され、ロータコイル電流を一方向に整流する整流部とを含み、前記各ロータコイル電流によってロータ突極が周方向に交互に異なる極性となる。
本発明の回転電機制御システムによれば、d軸電流及びq軸電流を変化させる場合の消費電力の変動量を抑制できる。
本発明の実施形態の回転電機制御システムにおいて、回転電機の周方向一部の断面と回転電機駆動部の構成とを示す図である。 図1に示した制御装置の機能ブロック図である。 図1に示した制御装置により算出されるd軸電流指令Id、q軸電流指令Iq及び消費電力Pの時間的変化の1例を示す図である。 図2に示したId-Iq変化上限設定部でd軸電流指令変化量及びq軸電流指令変化量を設定する方法の第1例を示すフローチャートである。 図4のフローチャートで示す方法で算出される複数の仮電力変動量の算出値と、d軸電流指令変化量及びq軸電流指令変化量との関係を示す図である。 図2に示したId-Iq変化上限設定部でd軸電流指令変化量及びq軸電流指令変化量を設定する方法の第2例を示すフローチャートである。 比較例の回転電機制御システムで低速領域でロータトルクが不足することを説明するためのトルク‐回転数線図である。 本発明の実施形態において、dq座標系でステータ電流のパルス電流重畳前後での電流ベクトルを示す図である。 本発明の別の実施形態の回転電機制御システムを構成する回転電機のロータの軸方向端面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。以下では、回転電機がモータジェネレータとしての機能を有し、ハイブリッド車両の駆動源として使用される場合を説明するが、これは例示であって、電気自動車等の他の電動車両の駆動源として使用されてもよい。また、回転電機は、単なる電動モータまたは単なる発電機の機能を持つ構成としてもよい。また、以下ではすべての図面において同様の要素には同一の符号を付して説明する。
図1は、本実施形態の回転電機制御システム10を示す図であって、回転電機12の周方向一部の断面と回転電機駆動部14の構成とを示す図である。回転電機制御システム10は、回転電機12と、回転電機駆動部14とを備える。回転電機12は、図示しないハイブリッド車両の駆動輪を駆動するモータとしての機能を有するとともに、駆動輪の回生制動によって発電する発電機としての機能を有するモータジェネレータとしての機能を有する。
回転電機12は、図示しないケースに固定されたステータ16と、ステータ16に対向配置され、回転するロータ18とを備える。ステータ16は、ステータコア20と、ステータコア20の突極に巻回されたu相、v相、w相の3相のステータコイル22u,22v,22wとを含む。ステータコア20は、電磁鋼板等の金属板の積層体等の磁性材料により形成される。ステータコア20は、周方向に複数の等間隔位置に、ロータ18へ向けて径方向内側へ突出して設けられた複数のステータ突極24と、各ステータ突極24の間に形成されたスロット26とを含む。なお、「径方向」という場合、ロータ18の回転中心軸に対し直交する放射方向をいう。また、「周方向」という場合、ロータ18の回転中心軸を中心とするロータ円周方向をいう。また、「軸方向」という場合、ロータ18の軸方向をいう。
ステータコイル22u,22v,22wは、スロット26を通って各ステータ突極24にそれぞれ集中巻きで巻回される。ステータコイル22u,22v,22wに3相のステータ電流が流れると各ステータ突極24が磁化し、ステータ16に回転磁界が生成される。
なお、ステータコイルは、ステータコア20の環状部分の周方向複数個所に複数相のステータコイルを巻回するトロイダル巻きとしてもよい。
ロータ18は、ステータ16と所定の空隙をあけて径方向内側に対向配置され、ステータ16に対し回転可能である。ロータ18の中心軸孔には図示しないケースの軸受に支持された回転軸が挿入固定される。ロータ18は、ロータコア30と、このロータコア30に巻回された複数のロータコイル32n,32sと、整流部であるダイオード34,36とを含む。
ロータコア30は、電磁鋼板等の金属板の積層体等の磁性材料により形成され、外周側に周方向等間隔の複数個所に設けられた磁極部であるロータ突極38n、38sを含む。ロータ突極38nは、後述するロータコイル32nに流れるロータコイル電流によってN極に磁化される。ロータ突極38sは、後述するロータコイル32sに流れるロータコイル電流によってS極に磁化される。ロータ突極38nとロータ突極38sとは、周方向に交互に配置される。ロータコア30の外周面の隣り合うロータ突極38n、38s間には、ロータコイル32n,32sの配置空間を形成する溝状のスロット40が形成される。
ロータコイル32n,32sは、スロット40を通ってロータ18の周方向の1つおきのロータ突極38nに集中巻きで巻装されたロータコイル32nと、ロータ突極38nと隣り合う別の1つおきのロータ突極38sにスロット40を通って集中巻きで巻装されたロータコイル32sとから構成される。周方向の1つおきのロータコイル32nは直列に接続されるとともに、一方向に短絡するように第1ダイオード34が接続される。また、周方向の別の1つおきのロータコイル32sも直列に接続されるとともに、他方向に短絡するように第2ダイオード36が接続される。
なお、ロータコイル32n、32sをすべて分離して、各ロータコイル32nに一方向に短絡するように第1ダイオードをそれぞれ接続し、各ロータコイル32sに他方向に短絡するように第2ダイオードをそれぞれ接続してもよい。また、各ロータコイル32n,32sは、ロータ突極38n,38sの周囲に複数層の複数列に整列して巻回される整列巻き型としてもよい。
この構成では、後述するようにステータ16側からロータコイル32n,32sに磁束が鎖交しステータ電流の変化に応じて誘導電流であるロータコイル電流が流れると、ロータコイル電流がダイオード34,36により一方向または他方向に整流され、ロータ突極38n、38sが所望の極性に磁化する。ロータコイル32nは、第1ダイオード34の整流方向に応じてロータ突極38nの先端にN極を形成する。ロータコイル32sは、第2ダイオード36の整流方向に応じてロータ突極38sの先端にS極を形成する。ロータ突極38n、38sが周方向に交互に配置されるので、各ロータコイル電流によってロータ突極38n、38sが周方向に交互に異なる極性であるN極及びS極となる。
以上が回転電機12の構成であり、次に回転電機駆動部14を説明する。回転電機駆動部14は、蓄電部42と、インバータ44と、制御装置46とを含む。蓄電部42は、直流電源として設けられ、二次電池により構成される。インバータ44は、複数のトランジスタ、IGBT等のスイッチング素子を含み、スイッチング素子のスイッチング動作により蓄電部42からの直流電力を、u相、v相、w相の交流電力に変換して各相のステータコイル22u,22v,22wに供給する。なお、蓄電部42とインバータ44との間に蓄電部42の電圧を昇圧してインバータ44に出力する昇圧装置を設けてもよい。
制御装置46は、CPU、メモリ等を有するマイクロコンピュータを含むもので、インバータ44のスイッチング素子のスイッチングを制御することにより回転電機12の駆動を制御する。制御装置46は、回転電機12と一体に結合した構成としてもよいが、車体等において制御装置46と回転電機12とを分離して配置する構成としてもよい。また、制御装置46は、Id-Iq生成部47と、Id-Iq変化量設定部48と、Id変更部50と、Iq変更部52とを有する。これについて、図2を用いて詳しく説明する。
図2は、図1に示した制御装置46の機能ブロックと、電流センサ54及び回転センサ56とを示している。電流センサ54は、回転電機12のv相、w相のステータコイルに流れるステータ電流Iv,Iwを検出して、検出されたステータ電流を制御装置46に送信する。u相のステータコイルに流れるステータ電流Iuは、ステータ電流Iv,Iwの検出値から算出できるが、ステータ電流Iuを別の電流センサにより検出してもよい。
回転センサ56は、回転電機12の回転角度θを検出し、検出した回転角度θを制御装置46に送信する。回転センサ56は、レゾルバ等により構成される。また、制御装置46には、運転者のアクセルペダルの操作量に基づく目標トルクであるトルク指令値Trが入力される。
制御装置46は、d-q軸ベクトル電流制御によりステータ電流を制御することで回転電機12の駆動を制御する。制御装置46は、電流指令生成部であるId-Iq生成部47と、Id-Iq変化量設定部48と、Id変更部50と、Iq変更部52と、減算器60,62と、PI制御部64,66と、2相/3相変換部68と、PWM生成部70と、3相/2相変換部72とを含む。
Id-Iq生成部47にはトルク指令値Trが入力される。Id-Iq生成部47は、トルク指令値に基づいて回転電機制御用のd軸電流指令値Id(0)及びq軸電流指令値Iq(0)を生成する。ここで、d軸とは、回転電機12の周方向に関してロータコイル32n、32sの巻回中心軸方向である磁極方向をいい、q軸とはd軸に対し電気角で90度進んだ方向をいう。例えば、図1のようにロータ18の回転方向が規定される場合、d軸方向、q軸方向はそれぞれ図1の矢印で示す関係で規定される。
Id-Iq生成部47で生成されたd軸電流指令値Id(0)はId変更部50に出力され、q軸電流指令値Iq(0)はIq変更部52に出力される。なお、Id-Iq生成部47では、回転角度θの検出値から算出されるモータ回転数と、図示しない電圧センサにより検出されたインバータ44の蓄電部42側の電圧と、トルク指令値Trとに基づいてd軸電流指令値Id(0)及びq軸電流指令値Iq(0)を生成してもよい。
Id変更部50には、Id-Iq変化量設定部48からId変化量が入力される。Id変更部50は、入力されたd軸電流指令値Id(0)に、入力されたId変化量を後述する所定タイミングで重畳させて、変更後のd軸電流指令値Id(1)を減算器60へ出力する。
Iq変更部52には、Id-Iq変化量設定部48からIq変化量が入力される。Iq変更部52は、入力されたq軸電流指令値Iq(0)に、入力されたIq変化量を後述する所定タイミングで重畳させて、変更後のq軸電流指令値Iq(1)を減算器62へ出力する。Id-Iq変化量設定部48については後で詳しく説明する。
減算器60には、3相/2相変換部72から電流値Idが入力される。減算器60は、変更後のd軸電流指令値Id(1)と電流値Idとの偏差を算出し、その算出した偏差をPI制御部64に出力する。
減算器62には、3相/2相変換部72から電流値Iqが入力される。減算器62は、変更後のq軸電流指令値Iq(1)と電流値Iqとの偏差を算出し、その算出した偏差をPI制御部66に出力する。
PI制御部64,66は、入力された偏差に対して予め設定されたPIゲインに基づいてPI制御を行うことでd軸電圧Vd及びq軸電圧Vqをそれぞれ算出し、その算出したd軸電圧Vd及びq軸電圧Vqを2相/3相変換部68に出力する。
2相/3相変換部68は、入力されたd軸電圧Vd及びq軸電圧Vqと、回転センサ56から受信した回転角度θとに基づいて2相/3相変換することで3相電圧Vu,Vv、Vwを算出し、3相電圧Vu,Vv、VwをPWM生成部70に出力する。
PWM生成部70は、3相電圧Vu,Vv、Vwと予め記憶された搬送波との電圧比較によって、インバータ44の各相の上下のスイッチング素子のオンオフするスイッチング制御信号を生成し、インバータ44に出力する。インバータ44は、スイッチング制御信号に応じてインバータ44の各スイッチング素子のオンオフ動作を行う。これにより回転電機12の各相ステータコイルにステータ電流Iu,Iv,Iwが流れる。
3相/2相変換部72には、電流センサ54からステータ電流Iv,Iwが入力される。3相/2相変換部72は、ステータ電流Iv,Iwと回転センサ56から受信した回転角度θとから3相/2相変換してd軸電流Id及びq軸電流Iqを算出し、d軸電流Id及びq軸電流Iqをそれぞれ減算器60,62へ出力する。このような制御装置46では、d軸及びq軸の電流値Id,Iqと、変更後のd軸電流指令値Id(1)及びq軸電流指令値Iq(1)とがそれぞれ一致するようにフィードバック制御が行われる。
ここでId-Iq変化量設定部48を説明する。Id-Iq変化量設定部48は、Id-Iqパルス電流生成部74と、Id-Iq変化上限設定部76と、Idパルス電流規制部78及びIqパルス電流規制部80とを有する。
Id-Iqパルス電流生成部74は、d軸電流指令Id(0)に重畳させるd軸パルス電流であって、後述するIdパルス電流規制部78で大きさが規制される前のd軸パルス電流を生成する。また、Id-Iqパルス電流生成部74は、q軸電流指令Iq(0)に重畳させるq軸パルス電流であって、後述するIqパルス電流規制部80で大きさが規制される前のq軸パルス電流も生成する。「d軸パルス電流」は、現在の電流値から急激に減少した後、急激に増大する三角波のパルス状の電流である。「q軸パルス電流」は、現在の電流値から急激に増大した後、急激に減少する三角波のパルス状の電流である。Id-Iqパルス電流生成部74で生成されたd軸パルス電流及びq軸パルス電流は、Idパルス電流規制部78及びIqパルス電流規制部80に出力される。
図3は、図1に示した制御装置46により算出されるd軸電流指令Id、q軸電流指令Iq及び消費電力Pの時間的変化の1例を示す図である。図3でΔtは、d軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqに応じてインバータ44にスイッチング制御信号を出力する制御を行う場合に設定される一定制御周期である。また、Id(0)はd軸電流指令Idの変化前電流であり、Id(1)は、ある時点t1からの制御周期Δt後の時点t2でのd軸電流指令Idの変化後電流である。Iq(0)は、q軸電流指令Iqの変化前電流であり、Iq(1)は、t2でのq軸電流指令Iqの変化後電流である。ΔId、ΔIqはそれぞれd軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqの正の変化量である。
図3に示すように、d軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqには、t1からt2までのΔt間でそれぞれd軸パルス電流及びq軸パルス電流がほぼ同時に重畳されて、互いに逆方向に変化する。また、t2からt3までのΔt間でd軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqは、それぞれ元のId(0)、Iq(0)に変化して戻る。このようにd軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqが変化すると、エネルギ変化が生じて消費電力Pが変動する場合がある。この消費電力の変動量ΔPが大きくなるとインバータ44の電流入力側に接続された蓄電部42や図示しないコンデンサ等の電気部品の電流変動や電圧変動が大きくなる要因となる。このため、以下で説明するようにId-Iq変化上限設定部76で一定制御周期Δtでのd軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqの変化量の上限をそれぞれ設定する。なお、図3では、d軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqが三角波状に変化しているが、矩形波状であるステップ状または三角波以外の多角形波状に変化させてもよい。
Id-Iq変化上限設定部76には、Id-Iq生成部47から変化前のd軸電流指令Id(0)及びq軸電流指令Iq(0)が入力され、制御装置46が有する図示しない記憶部から消費電力の予め設定された所定変動量ΔPreqが入力される。Id-Iq変化上限設定部76は、Id(0),Iq(0)から電流指令変化に応じた仮消費電力変動量ΔPを算出する。具体的には、Id-Iq変化上限設定部76は、d軸電流指令の変化量ΔId及びq軸電流指令の変化量ΔIqの一方または両方を異ならせた複数の組み合わせで仮消費電力変動量ΔPを算出する。Id-Iq変化上限設定部76は、算出された仮消費電力変動量ΔPが所定変動量ΔPreq以下となる(ΔP≦ΔPreq)か否かを判定し、仮消費電力変動量ΔPが所定変動量ΔPreq以下となる場合のd軸電流指令の変化量ΔId及びq軸電流指令の変化量ΔIqの1つの組み合わせを、d軸電流指令の変化上限ΔId_fix及びq軸電流指令の変化上限ΔIq_fixとして設定する。
ここで、仮消費電力変動量ΔPは、変化前のd軸電流指令Id及びq軸電流指令iqの算出値と、変化量ΔId、ΔIqと、それぞれステータインダクタンスであるd軸インダクタンスLd及びq軸インダクタンスLqとを用いて算出される。
具体的には、次の(1)式で示すように、仮消費電力変動量ΔPは、d軸についての消費電力の変動量ΔPdと、q軸についての消費電力の変動量ΔPqとの算出値の和から算出される。
ΔP=ΔPd+ΔPq・・・(1)
また、ΔPd、ΔPqは、それぞれd軸及びq軸についてのエネルギ変化量の時間変化率と等しいので、次の(2)式、(3)式で算出される。Id(0)、Id(1)、iq(0)、iq(1)、ΔId、Δiqの意味は、図3の場合と同様である。
ΔPd={(1/2)×Ld×(Id(1))2−(1/2)×Ld×(Id(0))2}/Δt
={(1/2)×Ld×(Id(0)+ΔId)2−(1/2)×Ld×(Id(0))2}/Δt・・・(2)
ΔPq={(1/2)×Lq×(iq(1))2−(1/2)×Lq×(iq(0))2}/Δt
={(1/2)×Lq×(iq(0)−Δiq)2−(1/2)×Lq×(iq(0))2}/Δt・・・(3)
なお、(2)式及び(3)式は、d軸電流指令Idが増加し、q軸電流指令が減少する場合に対応する。また、Id-Iq変化上限設定部76では、(1)式から(3)式で算出された仮消費電力変動量ΔPが所定変動量ΔPreq以下となる場合のd軸電流指令の変化上限ΔId_fix及びq軸電流指令の変化上限ΔIq_fixの1つの組み合わせを設定し、設定されたΔId_fix,ΔIq_fixをIdパルス電流規制部78とIqパルス電流規制部80とにそれぞれ出力する。Id-Iq変化上限設定部76でΔId_fix,ΔIq_fixの1つの組み合わせを設定する方法の2例については後述する。
Idパルス電流規制部78は、Id-Iqパルス電流生成部74から入力されたd軸パルス電流の変化量の上限を、Id-Iq変化上限設定部76から入力されたΔId_fixで規制し、規制後のd軸パルス電流をId変化量としてId変更部50に出力する。また、Iqパルス電流規制部80は、Id-Iqパルス電流生成部74から入力されたq軸パルス電流の変化量の上限を、Id-Iq変化上限設定部76から入力されたΔIq_fixで規制し、規制後のq軸パルス電流をIq変化量としてIq変更部52に出力する。例えば、Id-Iqパルス電流生成部74で図3の破線αのように変化するd軸パルス電流が生成された場合に、Idパルス電流規制部78でId-Iq変化上限設定部76から入力されたΔId_fixにしたがってd軸パルス電流の変化量上限を規制して、実線βで示す規制後のd軸パルス電流をId変更部50に出力する。
Id変更部50では、Id-Iq生成部47から入力された変化前のd軸電流指令Id(0)に、電気的1周期の間の予め設定された所定タイミングで、Idパルス電流規制部78から入力された規制後のd軸パルス電流を重畳させる。また、Iq変更部52では、Id-Iq生成部47から入力された変化前のq軸電流指令Iq(0)に、上記の所定タイミングとほぼ同時期に、Iqパルス電流規制部80から入力された規制後のq軸パルス電流を重畳させる。なお、Id変更部50及びIq変更部52に、Idパルス電流規制部78及びIqパルス電流規制部80からパルス電流が入力されない場合、変化前のd軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqがそのまま減算器60,62に出力される。
次に、図2に示したId-Iq変化上限設定部76で、ΔId_fix,ΔIq_fixを設定する方法の2例を、図4から図6を用いて説明する。図4は、Id-Iq変化上限設定部76でd軸電流指令の変化量ΔId及びq軸電流指令の変化量ΔIqの組み合わせの1つを設定する方法の第1例をフローチャートで示している。このフローチャートは、Id-Iq変化上限設定部76で実行する。
まず、ステップS10(以下、ステップは単にSという。)で、ΔId、ΔIq、ΔId_fix、ΔIq_fixにそれぞれ予め設定された初期値であるΔId_max、ΔIq_max、ΔId_min、ΔIq_minを代入する。ここでΔId_max>Id_minであり、ΔIq_max>ΔIq_minである。ΔId_minは予め制御装置46の記憶部に記憶されたd軸電流変化量最低値である。ΔIq_minは同様に記憶部に記憶されたq軸電流変化量最低値である。
S12では、Id-Iq生成部47から入力されたId(0)、Iq(0)と、予め設定されたd軸インダクタンスLd-q軸インダクタンスLq及び制御周期Δtとに応じて(1)式から(3)式を用いて、仮電力変動量ΔPを算出する。S14では算出された仮電力変動量ΔPと入力された所定変動量ΔPreqとを比較して、ΔP≦ΔPreqの場合には、S16でΔId_fix、ΔIq_fixにそれぞれ現在のΔId、ΔIqを代入し
、S18に移行する。
S18では、jを予め設定された一定の電流量としてΔIdにΔId−jを代入し、S20でΔIdがΔId_min以下か否かを判定する。S20の判定結果が肯定の場合、S22に移行し、否定の場合、S12に戻ってS12からS20のステップを繰り返す。
S22ではΔIdに再びΔId_maxを代入し、S24でkを予め設定された一定の電流量としてΔIqにΔIq−kを代入し、S26でΔIqがΔIq_min以下か否かを判定する。S26の判定結果が肯定の場合、ΔId_fix,ΔIq_fixの設定処理を終了し、最終的に設定されたΔId_fix,ΔIq_fixをIdパルス電流規制部78とIqパルス電流規制部80とにそれぞれ出力する。この場合、kは、jと同じとしてもよい。例えばj、kはそれぞれ1としてもよい。一方、S26の判定結果が否定の場合、S12に戻り、S12からS26のステップを繰り返す。
このような図4のフローチャートで示すΔId_fix,ΔIq_fixの設定方法によれば、ΔIdをΔId_maxからΔId_minまで徐々にずらし、ΔIqをΔIq_maxからΔIq_minまで徐々にずらし、ΔId、ΔIqの複数の組み合わせで仮電力変動量ΔPが算出される。
図5は、図4のフローチャートで示す方法で算出される複数の仮電力変動量ΔPの算出値と、d軸電流指令及びq軸電流指令の変化量ΔId、ΔIqとの関係を示している。なお、図5では、仮電力変動量ΔPをΔPmnとしている。m、nにはそれぞれ1,2,3・・・のいずれか1つが設定される。また、ΔIdは計算初期時のΔId_maxから1つのΔIqに対応する計算終了時でのΔId_minに向かって、矢印X方向に一定電流量jの整数倍ずつ小さくなっている。また、ΔIqは計算初期時のΔIq_maxから計算終了時のΔIq_minに向かって、矢印Y方向に一定電流量kの整数倍ずつ小さくなっている。このような複数のΔId、ΔIqの組み合わせに対応して仮電力変動量ΔPmnが算出され、算出されたΔPmnが所定変動量ΔPreq以下となる場合のΔId、ΔIqがΔId_fix,ΔIq_fixとして設定される。すべての計算終了時に設定されている1つの組み合わせΔId_fix、ΔIq_fixのΔId_fix、ΔIq_fixがそれぞれIdパルス電流規制部78及びIqパルス電流規制部80に出力される。このような設定方法では、Id-Iq変化上限設定部76は、d軸電流指令の変化量の最終的な設定値ΔId_fixをΔId_min以上で設定し、q軸電流指令の変化量の最終的な設定値ΔIq_fixをΔIq_min以上で設定する。
なお、S14でΔP≦ΔPreqが成立し、S16のΔId_fix、ΔIq_fixの設定が終了した最初の時点で、ΔId_fix、ΔIq_fixの設定処理を終了し、ΔId_fix、ΔIq_fixをIdパルス電流規制部78及びIqパルス電流規制部80に出力してもよい。この場合、計算時間が短縮される。
図6は、図2に示したId-Iq変化上限設定部76でΔId_fix,ΔIq_fixを設定する方法の第2例をフローチャートで示している。この第2例の方法では、ΔIdとΔIqの積を電流積算値ΔIdqとして算出する。
まず、S30で、ΔId、ΔIq、ΔId_fix、ΔIq_fixにそれぞれ図4のS10の場合と同様に予め設定された初期値を代入するとともに、電流積算値の設定値ΔIdq_fixに予め設定された初期値であるΔId_min及びΔIq_minの積算値を代入する。そしてS32、S34で図4のS12、S14と同様にΔPの算出後、算出されたΔPがΔPreq以下か否かを判定する。S34の判定結果が肯定の場合、S36で電流積算値ΔIdqにΔIdとΔIqの積算値を代入し、S38で電流積算値ΔIdqが現在の設定値ΔIdq_fixよりも大きい場合、S40でΔIdq_fixにΔIdqを代入する。S42からS52のステップは、図4のS16からS26のステップと同様である。
この第2例の方法では、ΔId、ΔIqの複数の組み合わせでΔIdqが最大となる場合のΔId_fix、ΔIq_fixが最終的に設定され、Idパルス電流規制部78及びIqパルス電流規制部80にそれぞれ出力される。このような第2例でも、d軸電流指令の変化量の最終的な設定値ΔId_fixがΔId_min以上で設定され、q軸電流指令の変化量の最終的な設定値ΔIq_fixがΔIq_min以上で設定される。
次に、回転電機12の動作と、回転電機制御システムの作用効果とを順に説明する。図1に示す3相のステータコイル22u,22v,22wに3相の交流電流が流れることでステータ16に回転磁界が形成される。この回転磁界は、起磁力分布として、正弦波分布だけでなく高調波成分を含んでいる。特に、集中巻きにおいては、各相のステータコイル22u,22v,22wが互いに径方向に重なり合わないので、ステータ16の起磁力分布に含まれる高調波成分の振幅レベルが増大する。例えば、3相の集中巻きの場合には、高調波成分としてステータコイル22u,22v,22wの入力電流の周波数の時間的3次で空間的2次の高調波成分の振幅レベルが増大する。このような高調波成分は空間高調波と呼ばれる。ここで、回転磁界の基本波成分がロータ18に作用すると、ステータ16とロータ18との間の磁気抵抗が小さくなるように、ロータ突極38n,38sがステータ突極24に吸引される。これによって、ロータ18にリラクタンストルクが作用する。
また、回転磁界がステータ16からロータ18に作用すると、回転磁界に含まれる高調波成分の磁束変動により、ステータ16からスロット40内に漏れ出る漏れ磁束が発生し、その漏れ磁束が変動する。漏れ磁束の変動が大きい場合にはスロット40に配置されたロータコイル32n,32sの少なくともいずれかに誘導電流であるロータコイル電流が発生する。ロータコイル電流が発生すると、そのロータコイル電流は、ダイオード42,44により整流されることで所定の一方向となる。そして、ダイオード42,44で整流された電流が各ロータコイル32n、32sに流れるのに応じて各ロータ突極38n、38sが磁化し、各ロータ突極38n、38sが所望の極性の磁極として機能する。この場合、ダイオード42,44の整流方向の違いにより、各ロータコイル電流により生じる磁極として、周方向においてN極とS極とが交互に配置される。
このような回転電機12では、ステータ電流Iu,Iv,Iwとロータ回転数とによってロータコイル電流の大きさが決まり、ある回転数以下ではロータ回転数が高くなるほどロータコイル電流は大きくなる。この場合、ロータトルクもロータコイル電流に応じて大きくなる。
一方、本発明と異なり、d軸電流指令及びq軸パルス電流指令にパルス電流を重畳させない場合、ロータの低回転数領域では、ステータからロータコイルに鎖交する漏れ磁束の変動周波数が低いのでロータコイル電流が小さくなり、ロータトルクも小さくなる。図7は、比較例の回転電機制御システムで低速領域でロータトルクが不足することを説明するためのトルク‐回転数線図である。
比較例では、本発明において、d軸電流指令Id及びq軸パルス電流指令Iqにパルス電流を重畳しない。図7の実線δは比較例の特性曲線である。このような比較例では、低速領域でロータトルクが小さくなる。一方、本発明では、図2、図3に示したようにq軸電流指令Iq(0)に規制後のq軸パルス電流を重畳させるので、ステータ16からロータ18のスロット40内に漏れ出る漏れ磁束の変動を大きくでき、ロータコイル電流が大きくなる。しかも、d軸電流指令Id(0)に規制後のd軸パルス電流を重畳させるので、図1のロータ18及びステータ16間のd軸方向に生成されるd軸磁路を通過する磁束の変動が大きくなる。ロータコイルにはこの変動を妨げるようにロータコイル電流が流れる。このため、ロータコイル電流がより大きくなる。したがって、低回転数領域において、図7の斜格子部Pで示す領域内に矢印Z方向にロータトルクを大きくできる。
しかも、d軸電流指令に、q軸パルス電流と逆方向に変化するd軸パルス電流を重畳させるので、d-q軸ベクトル電流の合成電流であるステータ電流を、パルス電流を重畳させない場合の電流制限範囲に収めることができる。図8は、本実施形態において、dq座標系でステータ電流のパルス電流重畳前後での電流ベクトルを示している。電流ベクトルIは、トルク指令等から決定されるパルス電流重畳前の初期電流ベクトルの1例である。また、電流ベクトルIaは、初期電流ベクトルIにおいて、d軸電流Idに急激に増大するd軸パルス電流ΔIdを重畳させるとともに、q軸電流Iqに急激に減少するq軸パルス電流ΔIqを重畳させた場合の電流ベクトルである。パルス電流の重畳後は電流ベクトルは再びIに戻る。このようにパルス電流の重畳により電流ベクトルは変化するが、本実施形態では、初期電流ベクトルIの先端により描かれる電流制限範囲を表す電流制限円Cr内にパルス電流重畳中の電流ベクトルIaを収めることができる。一方、電流ベクトルIbは、d軸電流にのみd軸パルス電流ΔIdを重畳させ、q軸電流にはパルス電流を重畳しない比較例の電流ベクトルである。この電流ベクトルIbは、電流制限円Crからはみ出し、ステータ電流が電流制限範囲を超えることが分かる。
このような本発明によれば、d軸電流指令及びq軸電流指令を変化させる場合の消費電力変動量ΔPを、予め設定した所定変動量ΔPreq以下に抑制できる。
また、Id-Iq変化量設定部48は、消費電力変動量ΔPが所定変動量ΔPreq以下であって、かつ、d軸電流指令、q軸電流指令の変化量ΔId、ΔIqが予め記憶されたΔId_min、ΔIq_min以上となるように、ΔId、ΔIqを設定するので、記憶設定段階でΔId_min、ΔIq_minを大きく設定することで消費電力変動量ΔPを抑制しつつ電流指令の変動量ΔId、ΔIqを大きくしてロータトルクを大きくできる。なお、Id(0)、Iq(0)の大きさの変化に応じてΔId_min、ΔIq_minが、予め設定された関係式や比例定数で変化するように設定してもよい。例えば、Id(0)、Iq(0)が大きくなるのにしたがってΔId_min、ΔIq_minが増大するように設定することもできる。
また、Id-Iq変化量設定部48は、Id-Iq変化上限設定部76及びId-Iqパルス電流生成部74と、Id-Iqパルス電流生成部74から入力されたパルス電流の変化量をId-Iq変化上限設定部76で設定された変化上限に規制するIdパルス電流規制部78及びIqパルス電流規制部80とを有するので、制御装置46にパルス電流を予め設定し記憶させておけば、ΔPがΔPreq以下になるようにパルス電流を適切に規制できる。
なお、図2の回転センサ56からId変更部50及びIq変更部52に回転角度θを送信し、Id変更部50及びIq変更部52でロータ回転数が所定値以下の場合にのみ、変化前のd軸電流指令Id(0)及びq軸電流指令Iq(0)に互いに逆方向に変化するパルス電流を重畳させる構成を採用してもよい。また、図3では一定制御周期ΔtでId、Iqが最大変動量ΔId、ΔIq分変化する場合を説明したが、複数回であるN回の制御周期Δtの連続であるNΔtの時間でId,Iqを最大変動量NΔId,NΔIqまで階段状に増大または減少させてもよい。この場合もΔtでのId,Iqの変化量の関係を消費電力変動量ΔPが所定変動量ΔPreq以下となるように設定する。
また、上記の(1)式から(3)式では、d軸インダクタンスLd及びq軸インダクタンスLqを考慮して電力変動量ΔPを算出する場合を説明したが、Ld,Lqとステータコイル抵抗Rとを用いてΔPを算出してもよい。この場合、(2)式及び(3)式は、(4)式及び(5)式に置き換えられる。
ΔPd={(1/2)×Ld×(Id(0)+ΔId)2−(1/2)×Ld×(Id(0))2}/Δt+R(Id(0)+ΔId)2−R(Id(0))2・・・(4)
ΔPq={(1/2)×Lq×(iq(0)−Δiq)2−(1/2)×Lq×(iq(0))2}/Δt+R(Iq(0)−ΔIq)2−R(Iq(0))2・・・(5)
また、(4)式及び(5)式において、ステータコイル抵抗Rを考慮するが、d軸インダクタンスLd及びq軸インダクタンスLqを考慮しないで、電力変動量ΔPを算出してもよい。この場合、(4)式及び(5)式において、それぞれ右辺の第2項及び第3項の和のみからΔPd、ΔPqを算出する。
また、上記では、制御装置46は、少なくとも変化前のd軸電流指令Id(0)及びq軸電流指令Iq(0)の算出値から算出される消費電力の変動量ΔPが所定変動量ΔPreq以下となるように、d軸電流指令及びq軸電流指令の変化量の設定値ΔId_fix,ΔIq_fixを設定する場合を説明した。ただし、Id(0)及びIq(0)の算出値から算出される消費エネルギの変動量ΔEが予め設定された所定変動量ΔEreq以下となるように、ΔId_fix,ΔIq_fixを設定する構成を採用してもよい。この場合、例えば(1)式から(3)式でエネルギ変化量の時間変化率を使用するのではなく、(6)式から(8)式のエネルギ変化量の計算式を使用する。以下の各式でΔEd、ΔEqは、それぞれd軸及びq軸についてのエネルギ変化量である。
ΔE=ΔEd+ΔEq・・・(6)
ΔEd=(1/2)×Ld×(Id(1))2−(1/2)×Ld×(Id(0))2
=(1/2)×Ld×(Id(0)+ΔId)2−(1/2)×Ld×(Id(0))2・・・(7)
ΔEq=(1/2)×Lq×(iq(1))2−(1/2)×Lq×(iq(0))2
=(1/2)×Lq×(iq(0)−Δiq)2−(1/2)×Lq×(iq(0))2・・・(8)
また、上記では、ロータが、複数のロータコイルと、ロータコイルに所定方向の極性で接続されたダイオードとを含む場合を説明したが、次のようにロータがd軸電流及びq軸電流の一方または両方の変化に応じて磁極部の発生磁束が変化する可変界磁構造を有する回転電機の制御にも本発明を適用できる。
図9は、本発明の別の実施形態を構成する回転電機のロータ90の軸方向端面図である。ステータは、図1の場合と同様である。ロータ90は、周方向複数個所の磁極部92n、92sが設定されたロータコア94と、複数ずつの第1磁石96及び第2磁石98とを含む。第1磁石96は、各磁極部92n、92sに磁化方向が径方向に向くように配置される固定磁束磁石である。第2磁石98は、隣り合う磁極部の境界に、磁化方向が径方向に対し直交する方向に向くように配置される可変磁束磁石である。第1磁石96として、例えば高保磁力磁石であるネオジム磁石を採用し、第2磁石98として例えば低保磁力磁石であるアルニコ磁石を使用する。制御装置は、ステータ電流のd軸電流に、急激に増加後、急激に減少する増大パルス電流、または急激に減少後、急激に増大する減少パルス電流を重畳させる。この場合、d軸のパルス電流の重畳によって第2磁石98に印加される磁化電流を、第2磁石98の磁束密度が不可逆変化する大きさに設定する。これによって逆方向の磁束の不可逆変化を生じさせるまでは、パルス電流の重畳後に第2磁石98の磁束密度が所望値に変化したままの状態となる。このため、パルス電流の重畳により、各磁極部92n、92sの発生磁束が変化して、ロータトルクを変化させることができる。また、q軸電流指令にd軸電流とは逆方向に変化するパルス電流を重畳させ、消費電力変動量ΔPの算出値が所定変動量ΔPreq以下となるようにd軸電流変動量及びq軸電流変動量を設定するので、消費電力変動量ΔPを抑制できる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。例えば、ステータコイルはステータに集中巻きで巻線する場合を説明したが、ステータで高調波成分を含む回転磁界を生成できるのであればステータにステータコイルを分布巻きで巻線する構成としてもよい。
10 回転電機システム、12 回転電機、14 回転電機駆動部、16 ステータ、18 ロータ、20 ステータコア、22u,22v,22w ステータコイル、24 ステータ突極、26 スロット、30 ロータコア、32n,32s ロータコイル、34 第1ダイオード、36 第2ダイオード、38n、38s ロータ突極、40 スロット、42 蓄電部、44 インバータ、46 制御装置、47 Id−Iq生成部、48 Id-Iq変化量設定部、50 Id変更部、52 Iq変更部、54 電流センサ、56 回転センサ、60,62 減算器、64,66 PI制御部、68 2相/3相変換部、70 PWM制御部、72 3相/2相変換部、74 Id-Iqパルス電流生成部74、76 Id-Iq変化上限設定部76、78 Idパルス電流規制部、80 Iqパルス電流規制部。

Claims (4)

  1. 回転電機と、前記回転電機を制御する制御装置とを備える回転電機制御システムであって、
    前記回転電機制御用のd軸電流指令及びq軸電流指令を生成する電流指令生成部と、
    生成された前記d軸電流指令及び前記q軸電流指令を変化させる場合において、少なくとも変化前の前記d軸電流指令及び前記q軸電流指令から電流指令変化に応じた電力変動量ΔPを算出し、前記電力変動量ΔPの算出値が予め設定される所定変動量ΔPreq以下となるように、d軸電流指令変化量及びq軸電流指令変化量を設定する変化量設定部と、
    前記d軸電流指令変化量及び前記q軸電流指令変化量の設定値に応じて、前記d軸電流指令及び前記q軸電流指令を互いに逆方向に変化させる電流指令変更部とを有することを特徴とする回転電機制御システム。
  2. 請求項1に記載の回転電機制御システムにおいて、
    前記変化量設定部は、
    前記電力変動量ΔPの算出値が前記所定変動量ΔPreq以下であって、かつ、前記d軸電流指令変化量が予め記憶されたd軸変化量最低値ΔId_min以上で、前記q軸電流指令変化量が予め記憶されたq軸変化量最低値ΔIq_min以上となるように、前記d軸電流指令変化量及び前記q軸電流指令変化量を設定することを特徴とする回転電機制御システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の回転電機制御システムにおいて、
    前記変化量設定部は、
    変化前の前記d軸電流指令及び前記q軸電流指令から、前記d軸電流指令変化量及び前記q軸電流指令変化量の複数の組み合わせで前記電力変動量ΔPを算出し、前記電力変動量ΔPが前記所定変動量ΔPreq以下となる場合の1つのd軸電流指令変化量及びq軸電流指令変化量の組み合わせを、前記d軸電流指令変化上限及び前記q軸電流指令変化上限として設定する変化上限設定部と、
    互いに逆方向に変化するd軸パルス電流及びq軸パルス電流を生成するパルス電流生成部と、
    前記パルス電流生成部から入力された前記d軸パルス電流の変化量を、前記d軸電流指令変化上限に規制するd軸パルス電流規制部と、
    前記パルス電流生成部から入力された前記q軸パルス電流の変化量を、前記q軸電流指令変化上限に規制するq軸パルス電流規制部とを有することを特徴とする回転電機制御システム。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1に記載の回転電機制御システムにおいて、
    前記回転電機は、ステータに対向配置され回転するロータを含み、
    前記ロータは、複数のスロットが形成されたロータコアと、前記スロットを通って前記ロータコアに巻装されたロータコイルと、前記ロータコイルに接続され、ロータコイル電流を一方向に整流する整流部とを含み、前記各ロータコイル電流によってロータ突極が周方向に交互に異なる極性となることを特徴とする回転電機制御システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016048957A (ja) * 2007-06-05 2016-04-07 インターデイジタル テクノロジー コーポレーション Rrcメッセージおよび手順

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