JP2014077520A - 固定具、及びこれを用いた二層構造パネル体の取付構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固定具1は、取付対象2に打入される釘本体部11の頭部12に該釘本体部と同軸状に雌ねじ穴13を設けた釘部材10と、該釘部材の雌ねじ穴にねじ合わされる雄ねじ部16及び頭部17を前記釘部材と同軸状に設けたねじ部材15と、を備えており、前記釘部材の雌ねじ穴に前記ねじ部材の雄ねじ部をねじ込んだ状態で、該釘部材の頭部と該ねじ部材の頭部とによって一体的に固定具頭部18が形成される構造とされ、かつ、該ねじ部材の頭部が該釘部材の頭部よりも大径状とされている。
【選択図】図1
Description
例えば、下記特許文献1では、雌ねじ金物と雄ねじ金物とを互いに螺合させ、小屋組の屋根横部材のような相手方部材に、屋根パネルのような取り付けようとする部材を取り付ける構造とされた結合金物が提案されている。この結合金物は、雌ねじ金物に、相手方部材にねじ込まれるスクリュー部と、円盤形をした座金部とナット部とで形成された頭部と、を設け、雄ねじ金物に、頭部の座金部とボルト部とを設け、雄ねじ金物のボルト部が雌ねじ金物のナット部に螺合される構造とされている。また、スクリュー部を相手方部材にねじ込んで雌ねじ金物を相手方部材に固定し、取り付けようとする部材に形成した貫通孔に雄ねじ金物のボルト部を挿通させ、このボルト部を雌ねじ金物のナット部にねじ込んで、取り付けようとする部材を相手方部材に取り付ける構造とされている。
図1〜図3は、本実施形態に係る固定具、及びこれを用いた二層構造パネル体の取付構造の一例を模式的に示す図である。
この固定具1は、取付対象2側に配設される取付対象側部材とこの取付対象側部材の表面側に配設される表面側部材とによって二層状の構造とされた積層状体を取付対象2に取り付ける際に好適に用いられる。
このような二層状の構造とされた積層状体としては、後記するような二層構造のパネル体3に限られず、種々の構成とされた積層状体としてもよい。このような積層状体としては、取付対象2に対して積層状体として取り付けた後に、メンテナンスや交換等のために表面側部材を取付対象側部材から取り外す必要性が生じるようなものとしてもよい。例えば、壁面や天井面等に設置される取付対象側部材としてのベース部等と該ベース部を覆う表面側部材としてのカバー部等とを備えた各種配線器具や照明器具、火災報知機、インターホン等の住宅情報端末器等、その他、種々の構成とされた積層状体としてもよい。
取付対象2は、積層状体に応じたものとしてもよい。取付対象2としては、例えば、根太等の床下地や野縁等の天井下地、間柱等の壁下地等としてもよく、床面や天井面、壁面等としてもよい。
釘部材10の釘本体部11の軸方向に沿う寸法や径寸法は、積層状体の積層方向に沿う寸法や、当該釘本体部11が打入される取付対象2の構造等に応じて適宜、設定するようにしてもよい。
釘部材10の頭部12は、略円柱形状とされており、釘本体部11よりも大径状とされている。
また、この頭部12には、釘本体部11とは反対側に向けて開口するように同軸状に雌ねじ穴13が設けられている。
ねじ部材15の頭部17は、略円柱形状とされている。図例では、頭部17を、雄ねじ部16側に向けて先細り状の略円柱形状とした例を示している。
また、ねじ部材15の頭部17の雄ねじ部16とは反対側の面側に、ドライバー等の治具9の先端部が係合する係合部を設けるようにしてもよい(図3参照)。このような係合部としては、ドライバー等の治具9の先端部に応じたものとしてもよく、プラス溝(十字溝)やマイナス溝(すり割り溝)、六角形状等の凹所等の適宜のものとしてもよい。または、このような係合部に代えて、または加えて、ねじ操作可能なように、例えば、頭部17を軸方向に見て略多角形状等としたり、頭部17の外周面にローレット加工等の滑り止め処理を施したものとしたりしてもよい。
このような構成により、釘部材10の雌ねじ穴13にねじ部材15の雄ねじ部16をねじ込んだ状態では、釘部材10の頭部12とねじ部材15の頭部17とによって一体的に固定具頭部18が形成される。
また、ねじ部材15の頭部17を、釘部材10の頭部12よりも大径状としている。これにより、釘部材10の雌ねじ穴13にねじ部材15の雄ねじ部16をねじ込んで固定具頭部18を形成した状態では、ねじ部材15の頭部17と釘部材10の頭部12との間に段差部が形成されることとなる。つまり、釘本体部11側が小径状の段付の固定具頭部18が形成されることとなる。
図例では、ねじ部材15の頭部17の厚さ寸法を、釘部材10の頭部12の厚さ寸法よりも小としている。
また、この固定具1を用いた積層状体の取付構造は、図1及び図2に示すように、ねじ部材15の雄ねじ部16を釘部材10の雌ねじ穴13にねじ込んだ状態の固定具1の釘本体部11を、上記貫通孔に挿通させるように取付対象2に打入して、該積層状体を取付対象2に取り付ける構造としてもよい。
つまり、上述のように、釘部材10の雌ねじ穴13にねじ部材15の雄ねじ部16をねじ込んだ状態の固定具1の釘本体部11を、二層状の構造とされた積層状体を介して取付対象2に打ち込むことができる。これにより、取付対象側部材と表面側部材とを同時に取付対象2に取り付けることができ、作業性を向上させることができる。
また、ねじ部材15の頭部17を、釘部材10の頭部12よりも大径状としているので、ねじ部材15の頭部17と釘部材10の頭部12との間に形成された段差部によって、上記した二層状の構造とされた積層状体の表面側部材を取付対象側部材に取り付けることができる。
また、図3に示すように、当該固定具1によって取付対象2に取り付けた積層状体の表面側部材を、釘部材10からねじ部材15を取り外すことによって、メンテナンスや交換等のために容易に取り外すことができる。また、表面側部材を固定するねじ部材15がねじ合わされる対象を、取付対象2に打入される釘本体部11を設けた釘部材10としている。従って、取付対象2に打入された釘部材10からねじ部材15を取り外す際に、釘部材10が共廻りするようなことが抑制され、ねじ部材15を釘部材10からスムーズに取り外すことができる。
二層構造パネル体の取付構造は、取付対象2側に配設される取付対象側部材としてのパネル状基材4と、パネル状基材4に対して取り外し自在とされた表面側部材としての表面仕上パネル6と、からなる二層構造のパネル体3を、本実施形態に係る固定具1を用いて取り付ける構造とされている。また、二層構造パネル体の取付構造は、ねじ部材15の雄ねじ部16を釘部材10の雌ねじ穴13にねじ込んだ状態の固定具1の釘本体部11を、釘部材10の頭部12よりも大径でねじ部材15の頭部17よりも小径の表面仕上パネル6に設けられた貫通孔7に挿通させるように取付対象2に打入して、パネル体3を取付対象2に取り付ける構造としている。
本実施形態では、図1〜図3に示すように、取付対象2を根太等の床下地とし、パネル体3を床パネルとしての断熱床パネルとしている。
パネル体3を構成するパネル状基材4及び表面仕上パネル6としては、例えば、床暖房パネルや、断熱パネル、調湿パネル、防音パネル等の種々の機能を有した機能パネルとしてもよい。
なお、パネル状基材4と表面仕上パネル6とは、粘着材や面ファスナー等によって取外可能に一体的に固定されたものとしてもよい。
釘頭部収容凹所5の深さ寸法及び径寸法は、釘部材10の頭部12に応じた寸法とされている。また、本実施形態では、釘頭部収容凹所5の深さ寸法を、釘部材10の頭部12の厚さ寸法よりも小としている。
また、パネル状基材4としては、合板やLVL等の木質積層板、パーティクルボード等の木質ボード、またはインシュレーションボードやMDF(中密度繊維板)等の木質繊維板等の木質系材料から形成されたものとしてもよい。また、これら種々の木質系材料を積層した複合材料から形成されたものとしてもよい。
また、図例では、パネル状基材4を、床下地ボード等となる平板状体の取付対象2側面(裏面)側に、断熱材を固定的に設けたものとしている。この断熱材は、取付対象2に干渉しないように平板状体の四周側端部から間隔を空けてその内方側に固定的に設けられている。このような断熱材としては、例えば、発泡ウレタンや発泡ポリスチレン等の各種フォーム系(発泡系)断熱材、またはロックウールやグラスウール等の繊維系断熱材等を採用するようにしてもよい。
また、本実施形態では、表面仕上パネル6の貫通孔7の表面側に、さらにねじ部材15の頭部17を収容するねじ頭部収容凹所8を設けている。つまり、本実施形態では、表面仕上パネル6の貫通孔7の表面側に、当該貫通孔7よりも大径状のねじ頭部収容凹所8を設け、これら貫通孔7及びねじ頭部収容凹所8によって、ねじ部材15の頭部17が係止される段付状孔を一連に構成している。
このねじ頭部収容凹所8は、ねじ部材15の頭部17に応じた形状とされている。本実施形態では、このねじ頭部収容凹所8の深さ寸法を、ねじ部材15の頭部17の厚さ寸法と略同寸法としている。
つまり、本実施形態では、これらねじ頭部収容凹所8及び貫通孔7とパネル状基材4に設けられた釘頭部収容凹所5とによって固定具1の固定具頭部18を収容する一連状の収容凹所をパネル体3に形成している。
また、図例では、表面仕上パネル6の四周端部の固定具1の止着部位には断熱材を設けずに、薄平板状の桟状材を設けた態様としている。なお、この表面仕上パネル6の内部に、ヒーターや熱媒体が流通する管路等を設けた床暖房パネルとしてもよい。
まず、図1に示すように、パネル状基材4と表面仕上パネル6とからなる二層構造のパネル体3を、取付対象2に配設する。
次いで、ねじ部材15の雄ねじ部16を釘部材10の雌ねじ穴13にねじ込んだ状態の固定具1の固定具頭部18を、ハンマー等の治具9によって叩いて、パネル体3を介して固定具1の釘本体部11を取付対象2に打入する(図2も参照)。本実施形態では、このように釘本体部11を取付対象2に打入した状態では、釘部材10の頭部12が釘頭部収容凹所5に収容され、ねじ部材15の頭部17がねじ頭部収容凹所8に収容され、ねじ部材15の頭部17と表面仕上パネル6の表面とが略同一平面状となる構造とされている。
図3に示すように、取付対象2に釘本体部11が打入された固定具1の釘部材10から、ねじ部材15をドライバー等の治具9A等によって取り外し、表面仕上パネル6を、取付対象2に固定されたパネル状基材4から取り外すようにしてもよい。
また、本実施形態では、パネル状基材(取付対象側部材)4に頭部12を収容させる釘頭部収容凹所5を設け、表面仕上パネル(表面側部材)6にねじ部材15の頭部17を収容させるねじ頭部収容凹所8を設けた例を示しているが、この態様に限られない。これら釘頭部収容凹所5及び頭部収容凹所8の両方または一方を設けないようにしてもよい。釘頭部収容凹所5を設けない場合には、表面側部材に設けた貫通孔7に、釘部材10の頭部12を収容させるようにしてもよい。また、ねじ頭部収容凹所8を設けない場合には、表面側部材の表面側にねじ部材15の頭部17を露出させるようにしてもよい。また、この場合には、ねじ部材15の頭部17を、座金状の薄平板状としてもよい。
10 釘部材
11 釘本体部
12 頭部
13 雌ねじ穴
15 ねじ部材
16 雄ねじ部
17 頭部
18 固定具頭部
2 取付対象
3 パネル体
4 パネル状基材
6 表面仕上パネル
7 貫通孔
Claims (2)
- 取付対象に打入される釘本体部の頭部に該釘本体部と同軸状に雌ねじ穴を設けた釘部材と、該釘部材の雌ねじ穴にねじ合わされる雄ねじ部及び頭部を前記釘部材と同軸状に設けたねじ部材と、を備えており、
前記釘部材の雌ねじ穴に前記ねじ部材の雄ねじ部をねじ込んだ状態で、該釘部材の頭部と該ねじ部材の頭部とによって一体的に固定具頭部が形成される構造とされ、かつ、該ねじ部材の頭部が該釘部材の頭部よりも大径状とされていることを特徴とする固定具。 - 取付対象側に配設されるパネル状基材と、該パネル状基材に対して取り外し自在とされた表面仕上パネルと、からなる二層構造のパネル体を、請求項1に記載の固定具を用いて取り付ける構造であって、
前記ねじ部材の雄ねじ部を前記釘部材の雌ねじ穴にねじ込んだ状態の固定具の釘本体部を、前記釘部材の頭部よりも大径で前記ねじ部材の頭部よりも小径の前記表面仕上パネルに設けられた貫通孔に挿通させるように取付対象に打入して、前記パネル体を前記取付対象に取り付けることを特徴とする二層構造パネル体の取付構造。
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