JP2014076984A - 美白剤 - Google Patents

美白剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2014076984A
JP2014076984A JP2013135294A JP2013135294A JP2014076984A JP 2014076984 A JP2014076984 A JP 2014076984A JP 2013135294 A JP2013135294 A JP 2013135294A JP 2013135294 A JP2013135294 A JP 2013135294A JP 2014076984 A JP2014076984 A JP 2014076984A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
compound
compound represented
synthesized
mmol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013135294A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Nagaoka
康夫 長岡
Hidehisa Kawahara
秀久 河原
Minoru Yamahara
年 山原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MOMOTANI JUNTENDO KK
Kansai University
Momotani Juntenkan KK
Original Assignee
MOMOTANI JUNTENDO KK
Kansai University
Momotani Juntenkan KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MOMOTANI JUNTENDO KK, Kansai University, Momotani Juntenkan KK filed Critical MOMOTANI JUNTENDO KK
Priority to JP2013135294A priority Critical patent/JP2014076984A/ja
Publication of JP2014076984A publication Critical patent/JP2014076984A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Abstract

【課題】メラニンの濃色化を比較的十分に抑制できる美白剤の提供。
【解決手段】一般式(1)で表される化合物又はその塩を含む美白剤。

(式中、Xは、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基を示し、R1は、水素原子、ホルミル基、カルボキシ基、又はアルキル基を示し、R2は、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基を示し、R3は、置換されていてもよいアルキル基を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、美白剤に関する。
従来、美白剤としては、様々なものが知られており、例えば、アルコキシサリチル酸誘導体を含むものなどが知られている。
この種の美白剤としては、具体的には例えば、4−メトキシサリチル酸カリウムを含むものが提案されている(特許文献1)。
斯かる美白剤は、例えば皮膚外用剤の構成成分として配合されて用いられる。そして、斯かる美白剤は、皮膚においてメラニンが濃色化することを抑制することができる。
しかしながら、斯かる美白剤は、メラニンの濃色化の抑制効果が必ずしも十分でないという問題がある。
特開2009−242326号公報
本発明は、上記の問題点等に鑑み、メラニンの濃色化を比較的十分に抑制できる美白剤を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る美白剤は、下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含むことを特徴とするものである。
(式中、Xは、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基を示し、R1は、水素原子、ホルミル基、カルボキシ基、又はアルキル基を示し、R2は、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基を示し、R3は、置換されていてもよいアルキル基を示す。)
本発明に係る美白剤においては、前記一般式(1)におけるXが水素原子であり、R1が水素原子、メチル基、又はホルミル基であり、R2が炭素数1〜3のアルキル基であり、R3がメチル基であることが好ましい。
本発明に係る美白剤においては、前記一般式(1)におけるXが水素原子であり、R1が水素原子、メチル基、又はホルミル基であり、R2がメチル基、エチル基、又はイソプロピル基であり、R3がメチル基であることがより好ましい。
本発明の美白剤は、メラニンの濃色化を比較的十分に抑制できるという効果を奏する。
メラニン濃色化の評価結果を表すグラフ及び写真。 メラニン濃色化の評価結果を表すグラフ及び写真。 ヒト皮膚3次元モデルを用いたメラニン濃色化の評価結果を表すグラフ。 MITFの発現に対する効果を示す写真。
以下、本発明に係る美白剤の一実施形態について説明する。
本実施形態の美白剤は、下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含むものである。
(式中、Xは、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基を示し、R1は、水素原子、ホルミル基、カルボキシ基、又はアルキル基を示し、R2は、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基を示し、R3は、置換されていてもよいアルキル基を示す。)
前記一般式(1)におけるXは、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基である。
前記置換されていてもよいアルキル基としては、F、Cl、Br、又はIなどのハロゲン元素によりHが置換されたもの、又は、Hが置換されていないもの等が挙げられる。
また、前記置換されていてもよいアルキル基としては、直鎖状のもの、又は、分岐鎖状のものが挙げられる。
前記Xの置換されていてもよいアルキル基の炭素数としては、1〜3が好ましく、1又は2がより好ましい。
前記一般式(1)におけるXとしては、メラニンの濃色化がより抑制され得るという点で、水素原子が好ましい。なお、Xが水素原子である場合には、前記一般式(1)で表される化合物が、塩の態様となり得る。
前記一般式(1)におけるR1は、水素原子、ホルミル基、カルボキシ基、又はアルキル基である。
前記R1のアルキル基の炭素数としては、1〜3が好ましい。
前記R1としては、メラニンの濃色化がより抑制され得るという点で、水素原子、メチル基、又は、ホルミル基(−CHO)が好ましい。
前記一般式(1)におけるR2は、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基である。
前記R2の置換されていてもよいアルキル基としては、F、Cl、Br、又はIなどのハロゲン元素によりHが置換されたもの、又は、Hが置換されていないもの等が挙げられる。
また、前記R2の置換されていてもよいアルキル基の炭素数としては、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。斯かる置換されていてもよいアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状であってもよい。
前記R2としては、メラニンの濃色化がより抑制され得るという点で、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、又はイソプロピル基がより好ましい。
前記一般式(1)におけるR3は、置換されていてもよいアルキル基である。
前記R3の置換されていてもよいアルキル基としては、F、Cl、Br、又はIなどのハロゲン元素によりHが置換されたもの、又は、Hが置換されていないもの等が挙げられる。
また、前記R3の置換されていてもよいアルキル基の炭素数としては、1〜3が好ましい。斯かる置換されていてもよいアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
前記R3としては、メラニンの濃色化がより抑制され得るという点で、メチル基が好ましい。
なお、前記R1、R2、及びR3のアルキル基は、全て同じ炭素数のものであってもよく、それぞれ炭素数の異なったものであってもよい。
前記一般式(1)の化合物は、塩の態様であることが好ましい。斯かる塩としては、具体的には例えば、カリウムイオンやナトリウムイオンなどのアルカリ金属イオンとの塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。
前記一般式(1)の化合物の塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、カリウム塩又はナトリウム塩がより好ましい。
なお、前記一般式(1)の化合物は、Xが水素原子のとき、又は、R1がカルボキシ基のときに、塩の態様となり得る。
具体的には、前記一般式(1)の化合物又はその塩としては、例えば、下記式(2)〜(29)に示すものが挙げられる。
前記一般式(1)の化合物としては、メラニンの濃色化がより十分に抑制され得るという点で、Xが水素原子であり、R1が水素原子又はホルミル基であり、R2及びR3が、いずれもメチル基であるものが好ましい。
また、前記一般式(1)の化合物の塩としては、メラニンの濃色化がより十分に抑制され得るという点で、Xが水素原子である化合物において該Xの部分にてカリウム塩となったものであって、R1が水素原子又はホルミル基であり、R2及びR3が、いずれもメチル基であるものが好ましい。
即ち、前記一般式(1)の化合物又はその塩としては、式(15)の化合物、式(15)の化合物の塩、式(16)の化合物、又は、式(16)の化合物の塩が好ましい。
前記美白剤における前記式(1)に示す化合物の含有量としては、特に限定されず、例えば、0.0001〜100質量%が挙げられる。
前記美白剤は、前記式(1)に示す化合物の他に、水やエタノールなどの溶媒、防腐剤、界面活性剤、油剤、増粘剤、pH調整剤、又は香料などを含んでいてもよい。
次に、前記美白剤の製造方法について説明する。
前記美白剤の製造方法は、特に限定されるものではなく、前記美白剤は、例えば、上記式(1)に示す化合物を一般的な方法によって合成することによって製造することができる。
前記美白剤は、例えば、市販されている中間体を原料として該原料を用いて一般式(1)の化合物を合成することにより製造できる。
具体的には、例えば、式(14)に示す化合物は、無水炭酸カリウムの存在下、アセトンなどの溶媒中にて、市販されている式(12)に示す化合物にヨウ化メチルを反応させて式(13)に示す化合物を得て、さらに、ジクロロメタン及び塩化チタン(IV)の存在下、式(13)に示す化合物にジクロロメチルエーテルを反応させることによって合成することができる。
さらに、例えば、合成した式(14)に示す化合物を一般的な方法によって加水分解させることにより、式(16)に示す化合物を合成することができる。
また、例えば、合成した式(16)に示す化合物を、炭酸水素カリウムの存在下、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中にてヨウ化メチルと反応させることにより、式(18)に示す化合物を合成することができる。
より具体的には、前記美白剤は、例えば、後述する実施例に記載された方法によって製造できる。
前記美白剤の製造においては、従来公知の一般的な器具又は装置を用いることができる。また、各反応過程における反応生成物を精製すべく、再結晶、クロマトグラフィー、蒸留、抽出、濃縮、ろ過などの従来公知の一般的な精製方法を採用することができる。
前記美白剤は、様々な剤型の構成成分として配合され用いられ得る。斯かる剤型としては、具体的には例えば、液剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、貼付剤、軟膏剤などが挙げられる。
また、前記美白剤は、例えば、剤型に応じ、オイル、色素、界面活性剤、香料、顔料等と組み合わせて皮膚外用組成物などに配合され、医薬品、医薬部外品、又は化粧品の用途において使用することができる。
前記美白剤は、例えば、前記式(1)に示す化合物が0.001〜20質量%となるように、上記のごとき剤型に配合されて使用される。
具体的には、前記美白剤は、例えば、前記式(1)に示す化合物が0.1〜50mMとなるように、前記一般式(1)の化合物を溶媒に溶解させることによって液剤を得て、前記一般式(1)の化合物を含む該液剤の態様で使用される。
本発明は、上記例示の美白剤に限定されるものではない。また、本発明では、一般の美白剤において採用される種々の形態を、本発明の効果を損ねない範囲で採用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明の美白剤についてさらに詳細に説明する。
上述した一般式(1)の化合物を下記のようにして合成することにより美白剤を製造した。
(実施例1)
式(12)に示す化合物(Ethyl 2,4-Dihydroxy-6-methylbenzoate)(東京化成社製の試薬)を原料として式(13)に示す化合物(Ethyl 2-hydroxy-4-methoxy-6-
methylbenzoate)を合成した。
詳しくは、式(12)に示す化合物(3.50g, 17.9mmol)と無水炭酸カリウム(1.1eq., 2.72g, 19.7mmol)とをアセトン21mlに溶解し、さらにヨウ化メチル(2.0eq, 2.2ml, 35.8mmol)を加え、65℃、環流条件下で一晩撹拌して反応液を得た。得られた反応液をひだ付き濾紙で濾過し、アセトンを減圧留去した。残渣に酢酸エチルを加え、氷冷しつつ10%塩酸を少量ずつ加え、溶液を得た。この溶液に対して酢酸エチルによる抽出操作を3回行い、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、さらに減圧濃縮することにより、式(13)に示す化合物(2.29g, 10.9mmol, 収率60.8%)を得た。式(13)に示す化合物の融点は、70.2〜73.6℃であった。
なお、反応の追跡においては、以後、特に言及しない限り、薄層クロマトグラフィー(TLC)(製品名「Silica gel 60 F」 Merck社製)を使用した。
式(13)に示す化合物を1H NMR、13C NMR、IR、質量分析(MS)によって分析した。各分析における条件は、下記の通りである。
1H NMRおよび13C NMR:分析機器 日本電子社製「JEOL EX-400」
IR:分析機器 島津製作所社製「FTIR−8400」
質量分析(MS):分析機器 Applied Biosystems社製「API3000」
実施例1で合成した化合物に対して上述した各分析を行った結果は、以下の通りである。
1H-NMR (399.65MHz, CDCl3): δ
1.41 (t, 3H, J= 7.0 Hz, CH 3 CH2),
2.51 (s, 3H, Ar-CH 3 ),
3.80 (s, 3H, Ar-OCH 3 ),
4.39 (q, 2H, J= 7.1 Hz, C(=O)O-CH 2 CH3),
6.28-6.33 (dd, 2H, J= 20.0, 2.8 Hz, Ar-H),
11.87 (s, 1H, Ar-OH);
13C-NMR (100.40 MHz, CDCl3):δ
14.26, 24.44, 55.28, 61.24, 98.73, 105.37, 111.13, 143.18, 163.83,
165.59, 171.80;
IR (CHCl3):ν(cm-1
2983.7, 2939.3, 2910.4, 2846.7, 1647.1, 1616.2, 1577.7, 1463.9, 1444.6,
1421.4, 1398.3, 1365.5, 1321.1, 1301.9, 1259.4, 1203.5, 1159.1, 1109.0,
1064.6, 1014.5, 952.8, 833.2, 804.3, 786.9, 771.5, 744.5, 732.9, 700.1, 667.3,
642.3, 601.7, 534.2;
ESI-MS m/z: 211.1 (M + H)+.
(実施例2)
実施例1で合成した式(13)に示す化合物を原料として式(14)に示す化合物(Ethyl 3-formyl-2-hydroxy-4-methoxy-6-methylbenzoate)を合成した。
詳しくは、式(13)に示す化合物(1.00g, 4.8mmol)を五酸化リン存在下、デシケーター中で減圧し乾燥させた。乾燥させたものに、アルゴン雰囲気下において、ジクロロメタン1.5mlを加え氷冷しつつ撹拌した。さらに、塩化チタン(IV)(2.2eq., 1.2ml, 10.6mmol) を少量ずつ加えて1時間撹拌した。氷冷を止め、ジクロロメチルメチルエーテル(1eq., 434μl, 4.8mmol)を少量ずつ加え、2時間撹拌した。さらに、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応をクエンチし、撹拌を止めて1時間静置して溶液を得た。この溶液に対して酢酸エチルによる抽出操作を3回行い、次いで0.1N 塩酸で2回、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で2回、飽和食塩水で2回洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧留去にて溶媒を除去した。残渣に対して酢酸エチル/n−ヘキサン混合溶媒によって再結晶操作を行い、式(14)に示す化合物(913.9mg, 3.8m mol, 収率80.0%)を得た。式(14)に示す化合物の融点は、81.1〜84.5℃であった。
実施例2で合成した化合物に対して上述した各分析を行った結果は、以下の通りである。
1H-NMR (399.65MHz, CDCl3): δ
1.39 (t, 3H, J= 7.0 Hz, CH 3 CH2),
2.38 (s, 3H, Ar-CH 3 ),
3.90 (s, 3H, Ar-OCH 3 ),
4.40 (q, 2H, J= 7.2 Hz, C(=O)O-CH 2 CH3),
6.23 (s, 1H, Ar-H),
11.87 (s, 1H, Ar-OH);
13C-NMR (100.40 MHz CDCl3):δ
14.26, 24.44, 55.28, 61.24, 98.73, 105.37, 111.13, 143.18, 163.83, 165.59,
171.80;
IR (CHCl3): ν (cm-1
3026.1, 2981.7, 2941.2, 2902.7, 2858.3, 2341.4, 1718.5, 1631.7, 1573.8,
1448.4, 1463.9, 1394.4, 1353.9, 1298.0, 1278.7, 1226.6, 1191.9, 1159.1,
1126.4, 1095.5, 1066.6, 1022.2, 920.0, 864.1, 823.5, 786.9, 771.5, 758.0,
744.5, 669.3, 599.8, 586.3, 547.7;
ESI-MS m/z: 239.3 (M + H)+.
(実施例3)
実施例1で合成した式(13)に示す化合物を原料として、式(15)に示す化合物(2-hydroxy-4-methoxy-6-methylbenzoate)を合成した。
詳しくは、式(13)に示す化合物(1.0g, 0.5mmol)に15%水酸化カリウム水溶液5mlを加え、110℃、環流条件下で1.5時間反応させ反応液を得た。反応液に10%塩酸を加え酸性化し、さらに酢酸エチルによって抽出処理を3回行った。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、減圧留去にて溶媒を除去し式(15)に示す化合物(0.33g, 1.8mmol, 収率76.6%)を得た。式(15)に示す化合物の融点は、156.3〜158.8℃であった。
実施例3で合成した化合物に対して上述した各分析を行った結果は、以下の通りである。
1H-NMR (399.65MHz, DMSO-d6): δ
2.58(s, 3H, Ar-CH 3 ),
3.82 (s, 3H, Ar-OCH 3 ),
6.33-6.35 (dd, 2H, J= 6.4, 2.4 Hz, Ar-H),
11.53 (s, 1H, Ar-OH);
13C-NMR (100.40 MHz DMSO-d6):δ
23.31, 55.36, 98.82, 106.65, 109.86, 142.51, 163.06 164.09, 173.10;
IR (KBr): ν (cm-1
3010.4, 1616.2, 1579.6, 1454.2, 1259.4, 1209.3, 1161.1, 1039.6, 785.0, 777.3,
748.3, 734.8, 667.3;
ESI-MS m/z: 183.2 (M + H)+.
(実施例4)
実施例3で合成した式(15)に示す化合物を原料として、式(17)に示す化合物(Methyl 2-hydroxy-4-methoxy-6-methylbenzoate)を合成した。
詳しくは、式(15)に示す化合物(375mg, 2.1mmol)と炭酸水素カリウム(1.2eq., 247mg, 2.5mmol)とをジメチルホルムアミド3.15mlに溶解し、室温で5分撹拌した後、ヨウ化メチル(1.5eq., 0.2ml, 3.1mmol)を加えた。環流条件下で40℃にて一晩撹拌した反応液に水を入れた。さらに、酢酸エチルによって抽出処理を3回行い、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で3回洗浄し、さらに飽和食塩水で2回洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、減圧留去にて溶媒を除去し式(17)に示す化合物(383.7mg, 1.96mmol, 収率95.0%)を得た。式(17)に示す化合物の融点は、58.8〜61.5℃であった。
実施例4で合成した化合物に対して上述した各分析を行った結果は、以下の通りである。
1H-NMR (399.65MHz, CDCl3): δ
2.49 (s, 3H, Ar-CH 3 ),
3.80 (s, 3H, Ar-OCH 3 ),
3.92 (s, 3H, C(=O)OCH 3 ),
6.28-6.33 (dd, 2H, J= 19.2, 2.8 Hz, Ar-H),
11.79 (s, 1H, Ar-OH);
13C-NMR (100.40 MHz DMSO-d6):δ
24.28, 51.76, 55.20, 98.59, 105.13, 111.07, 143.04, 163.85, 165.49, 172.15;
IR (CHCl3): ν (cm-1
3024.2, 2941.2, 2848.7, 1651.0, 1618.2, 1577.7, 1444.6, 1421.4, 1379.0,
1326.9, 1298.0, 1261.4, 1224.7, 1203.5, 1159.1, 1114.8, 1064.6, 1045.3,
952.8, 833.2, 804.3, 786.9, 777.3, 765.7, 752.2, 731.0, 700.1, 644.2;
ESI-MS m/z: 197.2 (M + H)+.
(実施例5)
実施例2で合成した式(14)に示す化合物を原料として、実施例3と同様にして、式(16)に示す化合物(3-Formyl-2-hydroxy-4-methoxy-6-methylbenzoic acid)を合成した。斯かる化合物の融点は、190.1〜192.6℃であった。
実施例5で合成した化合物に対して上述した各分析を行った結果は、以下の通りである。
1H-NMR (399.65MHz, DMSO-d6): δ
2.36 (s, 3H, Ar-CH 3 ),
3.90 (s, 3H, Ar-OCH 3 ),
6.58 (s, 1H, Ar-H),
10.20 (s, 1H, Ar-CHO);
13C-NMR (100.40 MHz DMSO-d6):δ
21.67, 56.76, 104.71, 108.75, 115.73, 148.44, 160.97, 161.34, 168.61,
193.25;
IR (KBr): ν (cm-1
3018.4, 1730.0, 1635.5, 1217.0, 783.0, 759.9, 740.6, 727.1, 684.7;
ESI-MS m/z: 209.1 (M - H)-
(実施例6)
実施例3で合成した式(16)に示す化合物を原料として、実施例4と同様にして、式(18)に示す化合物(Methyl 3-formyl-2-hydroxy-4-methoxy-6-methylbenzoate)を合成した。斯かる化合物の融点は、83.2〜85.2℃であった。
実施例6で合成した化合物に対して上述した各分析を行った結果は、以下の通りである。
1H-NMR (399.65MHz, CDCl3): δ
2.38 (s, 3H, Ar-CH 3 ),
3.91 (s, 3H, Ar-OCH 3 ),
3.92 (s, 3H, C(=O)OCH 3 ),
6.24 (s, 1H, Ar-H),
10.25 (s, 1H, Ar-CHO),
12.55 (s, 1H, Ar-OH);
13C-NMR (100.40 MHz CDCl3):δ
21.74, 52.27, 55.95, 103.37, 108.70, 114.95, 149.06, 161.91, 162.88, 167.20,
193.30;
IR (CHCl3): ν (cm-1
3024.2, 1722.3, 1631.7, 1573.8, 1463.9, 1436.9, 1394.4, 1353.9, 1298.0,
1282.6, 1224.7, 1195.8, 1126.4, 783.0, 746.4, 732.9, 669.3;
ESI-MS m/z: 225.2 (M + H)+.
(実施例7)
実施例3で合成した式(15)に示す化合物をカリウム塩とした。即ち、式(3)の化合物を合成した。
詳しくは、式(16)に示す化合物(0.1g, 0.5mmol)を五酸化リン存在下、デシケーター中で減圧し乾燥させた。乾燥させたものに無水エタノール10mlを加え、さらにカリウムt−ブトキシド(73.8mg, 0.7mmol)を加えて撹拌した。溶媒を減圧留去し、カリウム塩(112.7mg, 0.46mmol, 収率93.2%)を合成した。斯かるカリウム塩は、186.0℃で分解した。
(実施例8)
実施例7と同様にして、式(16)に示す化合物をカリウム塩とした。即ち、式(2)の化合物を合成した(33.7mg, 0.1mmol 収率95.0%)。斯かるカリウム塩は、163.9℃で分解した。
(実施例9)
式(12)に示す化合物(Ethyl 2,4-Dihydroxy-6-methylbenzoate)(東京化成社製の試薬)を原料として式(19)に示す化合物(ethyl 2-hydroxy-4-isopropoxy-6-
methylbenzoate)を合成した。
詳しくは、式(12)に示す化合物(0.20g, 1.02mmol)と無水炭酸カリウム(1.1eq., 154.8mg, 1.12mmol)とをDMF1.4mlに溶解し、さらにヨウ化イソプロピル(2.0eq, 0.2ml, 2.04mmol)を加え、90℃で一晩撹拌した。得られた反応液をひだ付き濾紙で濾過後、DMFを減圧留去した。残渣に酢酸エチルを加え、氷冷しつつ10%塩酸を少量ずつ加えた。この液に対して酢酸エチルによる抽出操作を3回行い、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、さらに減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離し(溶出溶媒:n-ヘキサン、酢酸エチル混合液)、式(19)に示す化合物(140.4mg, 0.59mmol, 収率57.8%)を得た。式(19)に示す化合物の融点は、32.8〜34.3℃であった。
実施例9で合成した化合物に対して上述した各分析を行った結果は、以下の通りである。
1H-NMR (399.65MHz, CDCl3): δ
1.23 (d, 6H, J= 6.0 Hz, (CH 3 )2CH),
1.30 (t, 3H, J= 7.2 Hz, CH 3 CH2),
2.39 (s, 3H, Ar-CH 3 ),
4.27 (q, 2H, J= 7.1 Hz, C(=O)O-CH 2 CH3),
4.46 (sep, 1H, J= 6.0 Hz, Ar-OCH(CH3)),
6.24 (d, 1H, J=2.4Hz, Ar-H
6.30 (d, 1H, J=2.4Hz, Ar-H
11.76 (s, 1H, Ar-OH);
13C-NMR (100.40 MHz, CDCl3):δ
14.41, 22.06, 24.55, 61.30, 69.99, 100.09, 105.11, 112.51, 143.33, 162.47, 165.77, 171.94;
ESI-MS m/z: 239 (M + H)+.
(実施例10)
実施例9で合成した式(19)に示す化合物を原料として式(20)に示す化合物(ethyl 3-formyl-2-hydroxy-4-isopropoxy-6-methylbenzoate)を合成した。
詳しくは、式(19)に示す化合物(108.7mg, 0.46mmol)に、アルゴン雰囲気下において、ジクロロメタン0.16mlを加え氷冷しつつ撹拌した。さらに、塩化チタン(IV)(2.2eq., 0.11ml, 1.0mmol) を少量ずつ加えて1時間撹拌した。氷冷を止め、ジクロロメチルメチルエーテル(1eq., 41.3μl, 0.46mmol)を少量ずつ加え、2時間撹拌した。さらに、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を止め、この溶液を1時間静置した。この溶液に対して酢酸エチルによる抽出操作を3回行い、ここで得られた酢酸エチル抽出液を0.1N 塩酸で2回、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で2回、飽和食塩水で2回洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧留去にて溶媒を除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n-ヘキサン、酢酸エチル混合液)で分離し、式(20)に示す化合物(13.5mg, 0.05mmol, 収率11.1%)を得た。式(20)に示す化合物は常温でオイル状であった。
実施例10で合成した化合物に対して上述した各分析を行った結果は、以下の通りである。
1H-NMR (399.65MHz, CDCl3): δ
1.38 (t, 3H, J= 7.2 Hz, CH 3 CH2),
1.39 (d, 6H, J= 6.0 Hz, (CH 3 )2CH),
2.37 (s, 3H, Ar-CH 3 ),
4.39 (q, 2H, J= 7.1 Hz, C(=O)O-CH 2 CH3),
4.69 (sep, 1H, J= 6.0 Hz, Ar-OCH(CH3)),
6.23 (d, 1H, J= x Hz, Ar-H),
10.25 (s, 1H, Ar-CHO);
12.49 (s, 1H, Ar-OH).
13C-NMR (100.40 MHz CDCl3):δ
14.23, 21.54, 21.83, 61.19, 71.32, 104.97, 109.40, 114.82, 148.39, 161.49, 161.81, 166.73, 193.62
ESI-MS m/z: 267 (M + H)+.
(実施例11)
実施例10で合成した式(20)に示す化合物を原料として、実施例3と同様の合成方法によって、式(21)に示す化合物(3-Formyl-2-hydroxy-4-isopropoxy-6-methylbenzoic acid)を得た(収量132 mg, 0.55 mmol, 収率86.8%)。斯かる化合物は、褐色の結晶物であり、融点が157.6〜159.3℃であった。
実施例11で合成した化合物に対して上述した各分析を行った結果は、以下の通りである。
1H-NMR (399.65MHz, DMSO-d6): δ
1.35 (d, 6H, J=5.8Hz, CH(CH 3 2),
2.33 (s, 3H, Ph-CH 3 ),
4.82 (sep, 1H, J=6.0Hz, CH(CH32),
6.60 (s, 1H, Ph-H),
10.20 (s, 1H, Ph-CHO);
13C-NMR (100.40 MHz DMSO-d6):δ
21.11, 21.64, 71.31, 105.91, 109.01, 115.19, 147.83, 160.40, 160.89, 167.97, 193.37;
IR (KBr): ν (cm-1
3018.3, 2358.7, 2341.4, 1731.9, 1633.5, 1213.1, 1114.7, 786.9, 767.6, 740.6, 729.0;
ESI-MS m/z: 237.1 (M−H)-.
(実施例12)
実施例7と同様にして、式(21)に示す化合物をカリウム塩とした。即ち、式(6)の化合物を合成した(収量129 mg, 0.47 mmol, 収率94.3%)。斯かるカリウム塩は、褐色の結晶物であり、201〜202℃で分解した。
実施例12で合成した化合物に対して上述した各分析を行った結果は、以下の通りである。
1H-NMR (399.65MHz, DMSO-d6): δ
1.21 (d, 6H, J=6.0Hz, CH(CH 3 2),
2.47 (s, 3H, Ph-CH 3 ),
4.60 (sep, 1H, J=6.0Hz, CH(CH32),
5.96 (s, 1H, Ph-H),
10.22 (s, 1H, Ph-CHO);
13C-NMR (100.40 MHz DMSO-d6):
22.06, 24.35, 69.84, 103.39, 111.51, 112.15, 150.38, 160.33, 171.04, 172.85, 188.47;
ESI-MS m/z: 276.6(M + H)+.
実施例9〜12における合成方法のフローを下記に示す。
(実施例13)
式(12)に示す化合物(Ethyl 2,4-Dihydroxy-6-methylbenzoate)(東京化成社製の試薬)を原料として式(22)に示す化合物(ethyl 2-hydroxy-4-ethoxy-6-methylbenzoate)を合成した。
詳しくは、式(12)に示す化合物(3.00 g, 15.3 mmol)と無水炭酸カリウム(1.1 eq, 2.33 g, 16.83 mmol)とをアセトン21 mlに溶解し、さらにヨウ化エチル(2.0 eq, 2.45 ml, 30.6 mmol)を加え、一晩加熱還流下、撹拌した。得られた反応液をひだ付き濾紙で濾過後、DMFを減圧留去した。残渣に酢酸エチルを加え、氷冷しつつ10%塩酸を少量ずつ加えた。この液に対して酢酸エチルによる抽出操作を3回行い、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、さらに減圧濃縮した。残渣を再結晶(n-ヘキサン、酢酸エチル混合液)により精製し、式(22)に示す化合物(2.04 g, 9.1 mmol, 収率59.7%)を得た。式(22)に示す化合物は、無色の針状結晶物であり、融点が54.8〜56.8℃であった。
実施例13で合成した化合物に対して上述した各分析を行った結果は、以下の通りである。
1H-NMR (399.65MHz, CDCl3): δ
1.40 (t, 3H, J=6.8Hz, Ph-OCH2CH 3 ),
1.41 (t, 3H, J=7.1Hz, C(=O)OCH2CH 3 ),
2.51 (s, 3H, Ph-CH 3 ),
4.03 (q, 2H, J=7.1Hz, Ph-OCH 2 CH3),
4.39 (q, 2H, J=7.3Hz, C(=O)OCH 2 CH3),
6.29 (d, 1H, J=14.2Hz, Ph-H),
6.30 (d, 1H, J=13.9Hz, Ph-H),
11.84 (s, 1H, Ph-OH);
13C-NMR (100.40 MHz CDCl3):
14.23, 14.58, 24.38, 61.15, 63.49, 99.15, 105.19, 111.52, 143.08, 163.21, 165.53, 171.78;
IR (CHCl3): ν (cm-1
3026.1, 1647.1, 1616.2, 1577.7, 1321.1, 1259.4, 1176.5, 777.3, 769.5, 729.0;
ESI-MS m/z: 225.1(M + H)+.
(実施例14)
実施例13で合成した式(22)に示す化合物を原料として式(23)に示す化合物(ethyl 3-formyl-2-hydroxy-4-ethoxy-6-methylbenzoate)を合成した。
詳しくは、式(22)に示す化合物(0.98 g, 4.38 mmol)に、アルゴン雰囲気下において、ジクロロメタン16 mlを加え氷冷しつつ撹拌した。さらに、塩化チタン(IV)(2.2eq., 0.10 ml, 9.64 mmol)を少量ずつ加えて1時間撹拌した。氷冷を止め、ジクロロメチルメチルエーテル(1eq., 0.39 ml, 0.46mmol)を少量ずつ加え、2時間撹拌した。さらに、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を止め、この溶液を1時間静置した。この溶液に対して酢酸エチルによる抽出操作を3回行い、ここで得られた酢酸エチル抽出液を0.1N 塩酸で2回、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で2回、飽和食塩水で2回洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧留去にて溶媒を除去した。残渣を再結晶(n-ヘキサン、酢酸エチル混合液)により精製し、式(23)に示す化合物(0.45 g, 1.79 mmol, 収率40.8%)を得た。式(23)に示す化合物は、淡黄色の針状結晶物であり、融点が82.2〜84.2℃であった。
実施例14で合成した化合物に対して上述した各分析を行った結果は、以下の通りである。
1H-NMR (399.65MHz, CDCl3): δ
1.38 (t, 3H, J=7.2Hz, Ph-OCH2CH 3 ),
1.46 (t, 3H, J=6.8Hz, C(=O)OCH2CH 3 ),
2.37 (s, 3H, Ph-CH 3 ),
4.13 (q, 2H, J=6.8Hz, Ph-OCH 2 CH3),
4.39 (q, 2H, J=7.2Hz, C(=O)OCH 2 CH3),
6.21 (s, 1H, Ph-H),
10.27 (s, 1H, Ph-OH),
12.49 (s, 1H, Ph-CHO);
13C-NMR (100.40 MHz CDCl3):
14.24, 14.46, 21.55, 61.25, 64.47, 103.94, 108.72, 115.16, 148.60, 161.71, 162.24, 166.75, 193.39;
IR (CHCl3): ν (cm-1
1716.5, 1633.5, 1388.6, 1278.7, 1226.6, 1176.5, 1161.0, 1124.4, 1031.8, 792.7, 756.0, 746.4, 729.0, 669.3;
ESI-MS m/z: 253.2(M + H)+.
(実施例15)
実施例14で合成した式(23)に示す化合物を原料として、実施例3と同様の方法で式(24)に示す化合物(3-Formyl-2-hydroxy-4-ethoxy-6-methylbenzoic acid)を合成した(収量0.32 g, 1.41 mmol, 収率80.6%)。斯かる化合物は、褐色の結晶物であり、融点が165.4〜167.8℃であった。
実施例15で合成した化合物に対して上述した各分析を行った結果は、以下の通りである。
1H-NMR (399.65MHz, DMSO-d6): δ
1.36 (t, 3H, J=7.2Hz, Ph-OCH2CH 3 ),
2.49 (s, 3H, Ph-CH 3 ),
4.17 (q, 2H, J=6.8Hz, Ph-OCH 2 CH3),
6.53 (s, 1H, Ph-H),
10.20(s, 1H, Ph-CHO);
13C-NMR (100.40 MHz, DMSO-d6):
14.31, 21.20, 64.60, 104.91, 108.37, 115.27, 147.97, 160.48, 161.63, 168.08, 192.99;
IR (CHCl3): ν (cm-1
3018.3, 1730.0, 1633.5, 1560.3, 1452.3, 1350.0, 1294.1, 1228.5, 1215.0, 1151.4, 1122.4, 802.3, 688.5;
ESI-MS m/z: 223.1(M - H)-.
(実施例16)
実施例7と同様にして、式(24)に示す化合物をカリウム塩とした。即ち、式(5)の化合物を合成した(収量178 mg, 0.68 mmol, 収率76.1%)。斯かるカリウム塩は、褐色の結晶物であり、185.4℃で分解した。
実施例16で合成した化合物に対して上述した各分析を行った結果は、以下の通りである。
1H-NMR (399.65MHz, DMSO-d6): δ
1.28 (t, 3H, J=6.8Hz, Ph-OCH2CH 3 ),
2.49 (s, 3H, Ph-CH 3 ),
4.01 (q, 2H, J=6.8Hz, Ph-OCH 2 CH3),
5.95 (s, 1H, Ph-H),
10.26 (s, 1H, Ph-CHO);
13C-NMR (100.40 MHz, DMSO-d6): δ
15.15, 24.79, 63.77, 102.37, 111.78, 112.16, 151.04, 161.33, 171.42, 173.74, 188.94;
ESI-MS m/z: 262.8(M + H)+.
実施例13〜16における合成方法のフローを下記に示す。
(実施例17)
実施例5で合成した式(16)に示す化合物をナトリウム塩とした。即ち、式(8)の化合物を合成した。
詳しくは、式(16)に示す化合物(85.4 mg, 0.4 mmol)を五酸化リン存在下、デシケーター中で減圧し乾燥させた。乾燥させたものに無水エタノール10 mlを加え、そこへナトリウムエトキシド(27.7 mg, 0.4 mmol)を加えて撹拌した。溶媒を減圧留去し、式(8)で示されるナトリウム塩(82 mg, 0.35 mmol, 収率86.7%)を合成した。斯かるナトリウム塩は、褐色の結晶物であり、214.8℃で分解した。
(実施例18)
式(25)に示す化合物(2,4-Dihydroxy-3,6-dimethylbenzoic acid)(Merck Schuchardt OHG社製の試薬)を原料として式(26)に示す化合物(methyl 2-hydroxy-4-methoxy-3,6-dimethylbenzoate)を合成した。
詳しくは、式(25)に示す化合物(0.30 g, 1.65 mmol)と無水炭酸カリウム(1.1 eq, 250 mg, 1.82 mmol)とをアセトン2.0mlに溶解し、さらにヨウ化メチル(3.0 eq, 308 μl, 4.95 mmol)を加え、一晩加熱還流下、撹拌した。得られた反応液をひだ付き濾紙で濾過後、DMFを減圧留去した。残渣に酢酸エチルを加え、氷冷しつつ10%塩酸を少量ずつ加えた。この液に対して酢酸エチルによる抽出操作を3回行い、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、さらに減圧濃縮した。残渣を再結晶(n-ヘキサン、酢酸エチル混合液)で精製し、式(26)に示す化合物(257 mg, 1.22 mmol, 収率74.3%)を得た。式(26)に示す化合物は、無色の針状結晶物であり、融点が90.9〜93.0℃であった。
実施例18で合成した化合物に対して上述した各分析を行った結果は、以下の通りである。
1H-NMR (399.65MHz, CDCl3): δ
2.08 (s, 3H, Ph-CH 3 ),
2.53 (s, 3H, Ph-CH 3 ),
3.86 (s, 3H, Ph-OCH 3 ),
3.93 (s, 3H, C(=O)O-CH 3 ),
6.28 (s, 1H, Ph-H),
11.83 (s, 1H, Ph-OH);
13C-NMR (100.40 MHz CDCl3):
7.81, 24.67, 51.81, 55.46, 105.47, 105.86, 110.85, 140.13, 161.39, 162.09, 172.57;
IR (CHCl3): ν (cm-1
3016.4, 2939.3, 1650.9, 1616.2, 1577.6, 1506.3, 1446.5, 1404.0, 1363.5, 1301.8, 1282.5, 1230.5, 1222.7, 1209.2, 1197.7, 1163.0, 1135.9, 1008.7, 806.2, 785.0, 746.4, 731.0, 671.2;
ESI-MS m/z: 211.2(M + H)+.
(実施例19)
実施例18で合成した式(26)に示す化合物を原料として、実施例3と同様の方法で式(27)に示す化合物(2-hydroxy-4-methoxy-3,6-dimethylbenzoic acid)を合成した(175 mg, 0.89 mmol, 収率81.5%)。斯かる化合物は、無色の針状結晶物であり、融点が184.6〜186.2℃であった。
実施例19で合成した化合物に対して上述した各分析を行った結果は、以下の通りである。
1H-NMR (399.65MHz, DMSO-d6): δ
1.94 (s, 3H, Ph-CH 3 ),
2.49 (s, 3H, Ph-CH 3 ),
3.89 (s, 3H, Ph-OCH 3 ),
6.46 (s, 1H, Ph-H);
13C-NMR (100.40 MHz, DMSO-d6):
7.97, 24.07, 55.64, 105.53, 106.01, 109.33, 140.41, 160.88, 161.71, 174.03;
IR (CHCl3): ν (cm-1
3016.5, 1222.8, 1207.4, 1136.0, 786.9, 765.7, 732.9, 669.3;
ESI-MS m/z: 197.1(M + H)+.
(実施例20)
実施例7と同様にして、式(27)に示す化合物をカリウム塩とした。即ち、式(9)の化合物を合成した(収量163 mg, 0.70 mmol, 収率88.9%)。斯かるカリウム塩は、淡赤色の結晶物であり、193.8℃で分解した。
実施例20で合成した化合物に対して上述した各分析を行った結果は、以下の通りである。
1H-NMR (399.65MHz, DMSO-d6): δ
1.85 (s, 3H, Ph-CH 3 ),
2.49 (s, 3H, Ph-CH 3 ),
3.69 (s, 3H, Ph-OCH 3 ),
6.01 (s, 3H, Ph-H);
13C-NMR (100.40 MHz, DMSO-d6):
9.39, 24.67, 55.83, 103.29, 108.71, 113.25, 139.59, 158.58, 164.59, 173.43;
ESI-MS m/z: 234.9(M + H)+.
実施例18〜20における合成方法のフローを下記に示す。
(実施例21)
実施例13で合成した式(14)に示す化合物を原料として式(28)に示す化合物(ethyl 2-hydroxy-4-methoxy-6-methylisophthalate)を合成した。
詳しくは、式(14)に示す化合物(500 mg, 2.10 mmol)を1M リン酸二水素ナトリウム水溶液2.5 mlに懸濁し、そこへ2-メチル-2-ブテン(2.0 eq, 445 μl, 4.2 mmol)を加えた後、80%亜塩素酸ナトリウム(1.5 eq, 356.3 mg, 3.15 mmol)を加え、常温で2時間撹拌した。反応液に10%塩酸を少量ずつ加え、この溶液を酢酸エチルで3回抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣から酢酸エチル/n-ヘキサン混合溶媒で再結晶させ、式(28)に示す化合物を得た(155.8mg, 0.61mmol, 収率29.2%)。斯かる化合物は、無色の針状結晶物であり、融点が198.5〜200.7℃であった。
実施例21で合成した化合物に対して上述した各分析を行った結果は、以下の通りである。
1H-NMR (399.65MHz, CDCl3): δ
1.39 (t, 3H, J=7.2Hz, OCH2CH 3 ,
2.37 (s, 3H, Ph-CH 3 ),
4.07 (s, 3H, Ph-OCH 3 ),
4.41 (q, 2H, J=7.6, OCH 2 CH3),
6.34 (s, 1H, Ph-H),
11.16 (br, 1H, Ph-C(=O)OH
12.61 (s, 1H, Ph-OH);
13C-NMR (100.40 MHz CDCl3): δ
14.24, 20.78, 57.16, 61.48, 99.51, 103.32, 118.21, 145.13, 158.72, 161.65, 166.76, 170.26;
IR (CHCl3): ν (cm-1
3018.4, 1693.4, 1624.0, 1577.7, 1417.6, 1276.6, 1234.4, 1199.6, 1186.1, 1116.8, 821.6, 707.8;
ESI-MS m/z: 252.8 (M - H)-.
(実施例22)
実施例21で合成した式(28)に示す化合物を原料として、実施例3と同様の方法で式(29)に示す化合物(2-hydroxy-4-methoxy-6-methylisophthalic acid)を合成し、再結晶(酢酸エチル/n-ヘキサン混合溶媒)により、精製した(収量55 mg, 0.24 mmol, 収率61.4%)。斯かる化合物は、無色の針状結晶物であり、融点が205.8〜208.2℃であった。
実施例22で合成した化合物に対して上述した各分析を行った結果は、以下の通りである。
1H-NMR (399.65MHz, DMSO-d6): δ
2.49 (s, 3H, Ph-CH 3 ),
3.82 (s, 3H, Ph-OCH 3 ),
6.54 (s, 1H, Ph-H),
12.81 (br, 1H, Ph-C(=O)OH);
13C-NMR (100.40 MHz DMSO-d6): δ
24.19, 56.79, 106.82, 108.67, 110.41, 145.02, 160.06, 161.00, 167.88, 173.27;
IR (CHCl3): ν (cm-1
3018.4, 1222.8, 1209.3, 785.0, 758.0, 734.8, 669.3;
ESI-MS m/z: 227.1 (M + H)+.
(実施例23)
実施例7と同様にして、式(29)に示す化合物をカリウム塩とした。即ち、式(11)の化合物を合成した(収量9.1mg, 0.03mmol, 収率 75.7%)。斯かるカリウム塩は、淡赤色の結晶物であり、208.1〜214.5℃で分解した。
実施例21〜23における合成方法のフローを下記に示す。
(比較例1)
試薬として市販されている4−メトキシサリチル酸に対して、実施例7における操作と同様の操作を行い、4−メトキシサリチル酸カリウム塩(以下、4MSKともいう)を得た(57.8mg, 0.28mmol, 収率94.2%)。
<メラニン濃色化の評価>
以下に示すように、B16マウスメラノーマ細胞を用いた試験、及び、ヒト皮膚3次元モデルを用いた試験によって、メラニン濃色化の評価を行った。
1.B16マウスメラノーマ細胞を用いた試験
以下に試験の詳細(試験用試薬・機器類、前培養、化合物含有増殖用培地、観察、タンパク質定量、メラニン定量)を示す。
「試験用試薬・機器類」
・牛胎児血清(FBS) EQUITECH-BIO社製
・Pen-Strep, Penicillin 10000 Units/ml , Streptomycin 10000 μg/ml GIBCO社製
・DMEM培地 GIBCO, Wako社製
・タンパク質定量用試薬セット「BCA Protein Assay Kit」Thermo scientific社製
・プレートリーダー「MICRO PLATE READER SH-1000 Lab」CORONA ELECTRIC社製
・フォルスコリン(FSK), 製品名「Coleus forskohlii」CALBIOCHEM社製
・0.4 w/v % トリパンブルー溶液 和光純薬工業社製 (生細胞カウント用の細胞染色液)
・培養細胞溶解剤 製品名「ピッカジーン LCβ・PGC-51」 東洋インキ製造社製
「前培養」
前培養に当たって、10%牛胎児血清(FBS)と、ペニシリン(20 U/ml)と、ストレプトマイシン(20 μg/ml)とを添加したDulbecco's modified Eagle's 培地(DMEM、high glucose; Sigma-Ardrich,社製)を細胞増殖用培地として調製した。この増殖用培地を6ウェルプレートに2ml/ウェルずつ加えておき、各ウェルに1.0×105cells/ウェルの濃度になるよう調製したB16マウスメラノーマ細胞(JCRB0202: JCRB細胞バンク)の懸濁液を、播種した。その後、37℃、5%CO2の培養機中で24時間前培養した。
「化合物含有増殖用培地」
増殖用培地に終濃度15μMとなるようにフォルスコリン(DMSO溶液)を添加した。(DMSOの終濃度は0.1%以下になるようにした)さらに、終濃度0.25mM、0.5mM、1mMとなるように、実施例7の化合物又は実施例8の化合物の水溶液を添加した。別途、実施例7の化合物又は実施例8の化合物に代えて、終濃度1mMとなるように比較例1の4MSK水溶液を添加した。
前培養した細胞が入った6ウェルプレートから古い培地を除去し、上記の化合物含有増殖用培地を各ウェルに2ml加えた。上記の化合物含有増殖用培地を加えてから48時間後に、再び古い培地と化合物含有増殖用培地とを交換し、さらに24時間培養した。各培地交換時には1x PBS(リン酸緩衝生理食塩水)で2回洗浄した。
「観察」
各ウェルにおける細胞の色を顕微鏡によって観察した。その後、培地を除去し各ウェルに1x PBSを1mlずつ加え細胞を洗浄した。この操作を2回行い、その後、氷冷した1x PBS 1mlを各ウェルに入れ、ピペッティングで細胞を懸濁させた。この細胞懸濁液を1.5mlサンプルチューブに移し、懸濁液の細胞数を上記と同様にして(血球計算盤を使用)測定した。また、タンパク質濃度を測定するために、細胞懸濁液50μlを別のサンプルチューブにとっておいた。細胞懸濁液1mlの入った1.5mlサンプルチューブを15,000rpmで5分間遠心分離処理し、その後、サンプルチューブを並べて細胞の色を比較しつつ観察し、写真を撮影した。
「タンパク質定量」
上記の観察における各細胞懸濁液50μlに、上述した培養細胞溶解剤を8μl入れて37℃温浴で7〜8分間インキュベートした。これを−40℃の冷凍庫に1時間静置し、その後室温で解凍した。解凍した溶液を15,000rpmで5分間遠心処理し、その上清を96ウェルプレートのウェルに25ul移し入れた。これに、上述したタンパク質定量用試薬セットのビシンコニン酸(BCA)溶液を200ul加え、シェーカーで混合後、CO2インキュベーター中で30分静置した。プレートリーダーで540nmの吸光度を読み取り、検量線からタンパク濃度を求めた。
「メラニン定量」
上記の観察において写真を撮った後のサンプルチューブからPBSを除去し、該チューブに1N NaOHを150μl添加し、細胞破片がみえなくなるまで充分に超音波で細胞を破砕した。37℃で一晩インキュベートした後、クロロホルム:メタノール(=1:1)混合液を50μl添加し、ミキサーによって混合処理した。15,000rpmで5分間、4℃で遠心処理し、上清を100μlずつ96ウェルプレートにいれ、415nmの吸光度を測定した。
上記の「1.B16マウスメラノーマ細胞を用いた試験」の結果を図1及び図2に示す。
図1は、式(15)に示す化合物のカリウム塩を用いた結果を示し、また、図2は、式(16)に示す化合物のカリウム塩を用いた結果を示す。なお、図1及び図2におけるグラフの縦軸は、タンパク質当たりの、対照(最も左側)に対するメラニン量の相対値を表す。
図1及び図2から把握できるように、フォルスコリンによるメラニンの濃色化刺激があるにもかかわらず、式(15)に示す化合物のカリウム塩(即ち、式(3)に示す化合物)、及び、式(16)に示す化合物のカリウム塩(即ち、式(2)に示す化合物)は、メラニンの濃色化を十分に抑制することができる。
2.ヒト皮膚3次元モデルを用いた試験
(1)ヒト皮膚3次元モデル
ヒト皮膚3次元モデルとして、下記の市販キットを用いた。
使用キット:ヒト皮膚3次元モデル
(正常ヒト皮膚メラニン細胞を含む正常ヒト表皮角化細胞)
製品名「MEL-300」(倉敷紡績社製)
キット内容:皮膚モデルカップ24ウェル
6ウェルプレート
PBS洗浄液
EPI-100-LLMM維持培地
Sterile Washers (別売り)
(2)評価用サンプル
フォルスコリン(FSK)(終濃度10μM)
式(16)に示す化合物のカリウム塩(終濃度2mM)
4−メトキシサリチル酸カリウム塩(4MSK)(終濃度2mM)
ビタミンC(終濃度2mM)
(3)準備
上記キットの維持培地を37℃に温め、6ウェルプレートの各ウェルに0.9 mlずつ入れた。上記の評価用サンプルを添加する1時間前に、この6ウェルプレートにMEL-300皮膚モデルカップを一つずつピンセットで移した。そして、CO2インキュベーターにて37℃、5%CO2、加湿状態でプレインキュベートした。
(4)培養
上記のキットにおいて提供されるプロトコールに従って、上記の評価用サンプルとFSKとを添加した培地中で、ヒト皮膚3次元モデル細胞を培養した。2日毎に培地交換をし、9日間培養を行なった。
ヒト皮膚3次元モデルを用いた試験の結果を図3に示す。図3には、ヒト皮膚3次元モデルにおけるフォルスコリン(FSK)刺激によるメラニン濃色化の影響が表されている。
図3において、(a)は、評価用サンプルを含む培地で9日間培養した皮膚3次元モデル、又は、評価用サンプルを含まない培地で同様に培養した皮膚3次元モデル(「ブランク」と表記 最も左側)を示す。左から2番目は、10μM FSKのみを含む培地で培養したもの、左から3番目〜5番目は、10μM FSKを含みつつ、さらに、それぞれ式(16)に示す化合物のカリウム塩、4MSK、ビタミンC(2 mM)を含む培地で同様に培養したものである。(b)は、倍率10倍の光学顕微鏡写真である。(c)は、写真の全ピクセル数に対する、暗い部分(照度0〜140)のピクセル数の割合である。
図3から把握できるように、フォルスコリンによるメラニンの濃色化刺激があるにもかかわらず、式(2)に示す化合物は、メラニンの濃色化を十分に抑制することができる。
さらに、以下のようにして、式(2)の化合物のメラニン濃色化抑制効果における、細胞内MITFの産生抑制作用について調べた。
「実験方法」
フォルスコリンの存在下または非存在下において、検体(式(2)の化合物)を加えた培養液、または、加えていない培養液で、B16細胞を培養した。その後、B16細胞を集め、細胞溶解液で処理した。得られた細胞溶解液を100℃にて5分間加熱した後、13%SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し、分離した。ゲル中のタンパク質をPVDF膜に転写させ、その膜にブロッキングを施した後、抗MITF一次抗体と抗β―アクチン抗体とで染色した。その後、ペルオキシダーゼ修飾2次抗体で一次抗体を染色し、市販の検出試薬キット(Amersham ECL Prime Western Blotting Detection Reagent「GE Healthcare, Little Chalfont, UK」)を用いて検出した。なお、β―アクチンを各細胞に一定量存在する対照タンパク質として検出した。
上記実験の結果に対する考察を以下に述べる。
チロシナーゼは、メラニン産生の鍵となる酵素である。
MITFは、チロシナーゼの産生を促進する主要な転写因子として働くため、細胞内でのMITFの産生上昇は、メラニン産生の増加に結び付く。
フォルスコリンは、アデニル酸シクラーゼの活性化物質であり、一連の細胞内シグナル伝達により、B16細胞のMITF発現の上昇をもたらす。
図4は、12時間から24時間で、フォルスコリンによって顕著にMITF発現が上昇することを示している(図4中の左から2レーン目及び3レーン目)。
一方、式(2)の化合物(500 μM)を加えた場合、このMITF発現の上昇が有意に抑制されることが示された(図4中の左から6レーン目及び7レーン目)。この結果は、式(2)の化合物のメラニン濃色化抑制効果が、細胞内MITFの産生抑制作用に起因することを示している。
<メラニン産生抑制率の評価>
式(2)、式(3)、式(5)、式(6)、式(8)、式(9)に示す化合物を用いて、それぞれの化合物のメラニン産生抑制率を評価した。
評価方法の詳細は、下記の通りである。即ち、上記の「化合物含有増殖用培地」において記載されている操作において、実施例7の化合物又は実施例8の化合物の水溶液を増殖用培地に添加する代わりに、上記の化合物の終濃度が0.1mM、0.25mM、又は0.5mMとなるように上記の化合物を増殖用培地に添加した。そして、上記の「メラニン定量」と同様の操作によって、メラニン量を定量した。メラニン産生抑制率は、B16マウスメラノーマ細胞に対して15μMのフォルスコリンを添加したときに増加するメラニン量を基準として、上記の各化合物がメラニン量を抑制する程度を%で表したものである。
メラニン産生抑制率の評価結果を表1に示す。
本発明の美白剤は、例えば、皮膚外用剤に配合され、皮膚外用剤の構成成分として好適に用いられる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含むことを特徴とする美白剤。
    (式中、Xは、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基を示し、R1は、水素原子、ホルミル基、カルボキシ基、又はアルキル基を示し、R2は、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基を示し、R3は、置換されていてもよいアルキル基を示す。)
  2. 前記一般式(1)におけるXが水素原子であり、R1が水素原子、メチル基、又はホルミル基であり、R2が炭素数1〜3のアルキル基であり、R3がメチル基である請求項1記載の美白剤。
  3. 前記一般式(1)におけるXが水素原子であり、R1が水素原子、メチル基、又はホルミル基であり、R2がメチル基、エチル基、又はイソプロピル基であり、R3がメチル基である請求項2記載の美白剤。
JP2013135294A 2012-09-19 2013-06-27 美白剤 Pending JP2014076984A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013135294A JP2014076984A (ja) 2012-09-19 2013-06-27 美白剤

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012205623 2012-09-19
JP2012205623 2012-09-19
JP2013135294A JP2014076984A (ja) 2012-09-19 2013-06-27 美白剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014076984A true JP2014076984A (ja) 2014-05-01

Family

ID=50782613

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013135294A Pending JP2014076984A (ja) 2012-09-19 2013-06-27 美白剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014076984A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111116370A (zh) * 2018-10-31 2020-05-08 中国科学院青岛生物能源与过程研究所 利用4-o-去甲基巴尔巴地衣酸合成2,4-二羟基-3,6-二甲基苯甲酸甲酯的方法
CN115010602A (zh) * 2022-04-13 2022-09-06 中南民族大学 合成橡苔的制备方法及应用

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61266497A (ja) * 1985-05-21 1986-11-26 株式会社資生堂 低接触感作原性モス油及びその製造法
JPH06122620A (ja) * 1992-05-22 1994-05-06 Shiseido Co Ltd 皮膚外用剤
JPH07285826A (ja) * 1994-04-15 1995-10-31 Mikimoto Pharmaceut Co Ltd 化粧料
JPH0967225A (ja) * 1995-08-28 1997-03-11 Sogo Yatsukou Kk 皮膚外用剤
JP2000256168A (ja) * 1999-03-10 2000-09-19 Shiseido Co Ltd 皮膚外用剤
JP2009242326A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Shiseido Co Ltd 美白液状化粧料
JP2010202562A (ja) * 2009-03-03 2010-09-16 Ogawa & Co Ltd フェノール系抗菌剤
JP2012126653A (ja) * 2010-12-13 2012-07-05 Kao Corp エンドセリン作用抑制剤及び美白剤
JP2013166731A (ja) * 2012-02-16 2013-08-29 Kao Corp エンドセリン作用抑制剤及び美白剤

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61266497A (ja) * 1985-05-21 1986-11-26 株式会社資生堂 低接触感作原性モス油及びその製造法
JPH06122620A (ja) * 1992-05-22 1994-05-06 Shiseido Co Ltd 皮膚外用剤
JPH07285826A (ja) * 1994-04-15 1995-10-31 Mikimoto Pharmaceut Co Ltd 化粧料
JPH0967225A (ja) * 1995-08-28 1997-03-11 Sogo Yatsukou Kk 皮膚外用剤
JP2000256168A (ja) * 1999-03-10 2000-09-19 Shiseido Co Ltd 皮膚外用剤
JP2009242326A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Shiseido Co Ltd 美白液状化粧料
JP2010202562A (ja) * 2009-03-03 2010-09-16 Ogawa & Co Ltd フェノール系抗菌剤
JP2012126653A (ja) * 2010-12-13 2012-07-05 Kao Corp エンドセリン作用抑制剤及び美白剤
JP2013166731A (ja) * 2012-02-16 2013-08-29 Kao Corp エンドセリン作用抑制剤及び美白剤

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
F.J. TOLEDO MARANTEほか: "Identification and Quantitation of Allelochemicals from the Lichen Lethariella canariensis: Phytotox", JOURNAL OF CHEMICAL ECOLOGY, vol. V29, N9, JPN6013044464, 2003, pages 2049 - 2071, ISSN: 0002987084 *
FRAGRANCE JOURNAL, JPN6013043640, May 2005 (2005-05-01), pages 38 - 42, ISSN: 0002987085 *

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111116370A (zh) * 2018-10-31 2020-05-08 中国科学院青岛生物能源与过程研究所 利用4-o-去甲基巴尔巴地衣酸合成2,4-二羟基-3,6-二甲基苯甲酸甲酯的方法
CN111116370B (zh) * 2018-10-31 2022-08-30 中国科学院青岛生物能源与过程研究所 利用4-o-去甲基巴尔巴地衣酸合成2,4-二羟基-3,6-二甲基苯甲酸甲酯的方法
CN115010602A (zh) * 2022-04-13 2022-09-06 中南民族大学 合成橡苔的制备方法及应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Yang et al. Synthesis of N-2 (5H)-furanonyl sulfonyl hydrazone derivatives and their biological evaluation in vitro and in vivo activity against MCF-7 breast cancer cells
PT682663E (pt) 4-hidroxibenzopiran-2-onas e 4-hidroxicicloalquil¬b|piran-2-onas uteis para o tratamento de infeccoes retrovirais
CN101842369A (zh) 用于治疗周围和中枢神经系统疾病的作为α2C拮抗剂的2,3-二氢苯并[1,4]二*英-2-基甲基衍生物
KR0185717B1 (ko) 글리시레틴산 유도체
Kromann et al. Synthesis of prenylated benzaldehydes and their use in the synthesis of analogues of licochalcone A
KR19990087526A (ko) 신규 이리도이드 유도체 및 이 유도체를 유효성분으로 하는 혈관신생저해제
WO2012094788A1 (zh) 对三联苯衍生物及其在制备抗肿瘤药物中的应用
Selka et al. Discovery of a novel 2, 5-dihydroxycinnamic acid-based 5-lipoxygenase inhibitor that induces apoptosis and may impair autophagic flux in RCC4 renal cancer cells
CA3190433A1 (en) Methods of making cholic acid derivatives and starting materials therefor
JP2014076984A (ja) 美白剤
JP5234558B2 (ja) タモキシフェン類縁体を有効成分として含有する抗ガン剤
CN103450176A (zh) 一类含2-(4-氨基苯基)苯并噻唑萘酰亚胺化合物及其应用
CN101591319A (zh) 黄酮类衍生物及其在制备药物组合物中的用途
Popsavin et al. Enantiodivergent synthesis of cytotoxic styryl lactones from d-xylose. The first total synthesis of (+)-and (−)-crassalactone C
CN101089008B (zh) 虎眼万年青osw-1皂甙的无a、b环的双环类似物、合成方法和用途
JPH08269063A (ja) ピリピロペン誘導体
Sato et al. Design, synthesis and anti-malarial activities of synthetic analogs of biselyngbyolide B, a Ca2+ pump inhibitor from marine cyanobacteria
Desideri et al. In vitro evaluation of the anti-picornavirus activities of new synthetic flavonoids
Chen et al. New cytotoxic annonaceous acetogenin mimetics having a nitrogen-heterocyclic terminal and their application to cell imaging
Romagnoli et al. Novel iodoacetamido benzoheterocyclic derivatives with potent antileukemic activity are inhibitors of STAT5 phosphorylation
Wenkert et al. Interconversions of some diterpenic constituents of Podocarpus ferrugineus
JP3418724B2 (ja) セスキテルペノイド化合物及びそれを含む医薬
CN105085220B (zh) 类查尔酮衍生物、其制备方法及其在医药上的应用
RU2500671C1 (ru) ПРОИЗВОДНОЕ 1',2',3'-ТРИМЕТОКСИБЕНЗО[4',5':4,5]-6,7-ДИГИДРОЦИКЛОГЕПТА-[3,2-f]-1H-1-МЕТИЛИНДОЛА И ЕГО ПРИМЕНЕНИЕ
Wawrzeńczyk et al. Lactones. Part 16: Lactonization of γ, δ-epoxy esters with p-toluenesulfonic acid monohydrate

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140616

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20140616

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150123

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150522