JP2014076868A - エレベータおよびエレベータの緩衝装置 - Google Patents

エレベータおよびエレベータの緩衝装置 Download PDF

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Abstract

【課題】スタンドの高さに左右されることなくガイド板を共通化でき、しかも、ガイド板をスタンドに対し簡単に固定できるエレベータを得ることにある。
【解決手段】エレベータは、昇降体から垂れ下がるとともに、その下端に折り返し部を有する変位可能な懸垂物と、昇降路の底に設けられたバッファと、昇降路の底とバッファとの間に介在されたスタンドと、を備えている。スタンドは、昇降路の底から上向きに突出された支柱と、支柱の上端に設けられ、支柱の外周面よりも支柱の径方向に沿う外側に向けて張り出すとともに、バッファの下端が締結具を介して固定された支持部材と、を含む。ガイド板がスタンドの支持部材に締結具を介して固定されている。ガイド板は、懸垂物と向かい合うように支持部材から下向きに延出されて、折り返し部を含む懸垂物の下端がスタンドと干渉し合うのを防ぐとともに、支柱よりも全長が短く形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、昇降路の底にバッファを設けたエレベータおよびバッファを支持するスタンドを備えたエレベータの緩衝装置に関する。
エレベータは、乗りかごが何らかの原因で最下階を通り過ぎた場合に、衝撃を抑えながら乗りかごを停止させるバッファを装備している。バッファは、昇降路のピットの底にスタンドを介して設置されている。スタンドは、ピットの底に対するバッファの高さを調節するための要素であり、ピットの底に固定された固定板と、固定板から上向き突出された支柱と、支柱の上端に固定された支持板と、を備えている。支持板は、支柱の周囲に張り出す四角い板であり、当該支持板の上にバッファが固定されている。
一方、乗りかごが昇降路の最下階の付近に移動されると、乗りかごから垂れ下がったテールコードやコンペンセーティングチェーンのような垂下物の下端がピットに入り込んで、スタンドと隣り合った状態となる。
このため、例えば地震等により垂下物が揺れ動いた場合に、垂下物の下端がスタンドに引っ掛かることがあり、そのままの状態で乗りかごが上昇を開始すると、垂下物が切れたり、スタンドが破損する原因となることがあり得る。
これを防止するため、従来のスタンドでは、支柱の外側にガイド板が配置されている。ガイド板は、支柱の全長に亘る長さを有する帯状の要素であって、固定板の縁部と支持板の縁部との間に跨って固定されている。このため、垂下物が揺れ動いた場合でも、垂下物の下端はガイド板に接するに止まり、垂下物の下端がスタンドに引っ掛かったり、支持板の下方に入り込むのを回避することができる。
特開2009−62180号公報
スタンドの高さは、エレベータの仕様に応じて決定されるために、スタンドの固定板と支持板との間に跨るガイド板にしても、スタンド毎に長さが異なったものとなる。
このため、従来の構成では、スタンド毎にスタンドの高さに応じた専用のガイド板を準備しなくてはならない。よって、ガイド板を製造する作業に手間を要したり、部品管理が面倒となるのを否めない。
加えて、従来では、スタンド毎に長さが異なるガイド板をスタンドの固定板および支持板に対し一つ一つ手作業で溶接しているので、ガイド板をスタンドに取り付ける作業に多大な手間と労力を要している。
本発明の目的は、スタンドの高さに左右されることなくガイド板を共通化することができ、しかも、ガイド板をスタンドに対し簡単に固定することができ、作業性に優れたエレベータおよびエレベータの緩衝装置を得ることにある。
実施形態によれば、エレベータは、昇降体から垂れ下がるとともに、その下端に折り返し部を有する変位可能な懸垂物と、昇降路の底に設けられたバッファと、昇降路の底とバッファとの間に介在されたスタンドと、を備えている。スタンドは、昇降路の底から上向きに突出された支柱と、支柱の上端に設けられ、支柱の外周面よりも支柱の径方向に沿う外側に向けて張り出すとともに、バッファの下端が締結具を介して固定された支持部材と、を含む。ガイド板がスタンドの支持部材に締結具を介して固定されている。ガイド板は、懸垂物と向かい合うように支持部材から下向きに延出されて、折り返し部を含む懸垂物の下端がスタンドと干渉し合うのを防ぐとともに、支柱よりも全長が短く形成されている。
第1の実施形態に係るエレベータを模式的に示す側面図。 昇降路のピットの底にスタンドを介してバッファを設置した状態を示す斜視図。 図2のF3−F3線に沿う断面図。 (A)は、スタンドの上にバッファを固定した状態を示す側面図。(B)は、図4(A)を矢印Bの方向から見た側面図。 スタンドの支持板にガイド板を固定した状態を一部断面で示す側面図。 バッファの平面図。 第1の実施形態で用いるガイド板の斜視図。 第2の実施形態で用いるガイド板の斜視図。 第3の実施形態で用いるガイド板の斜視図。 第4の実施形態において、スタンドの上にバッファを固定した状態を示す側面図。 第1の実施形態と関連性を有する参考例の斜視図。 第1の実施形態と関連性を有する参考例の平面図。
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態について、図1ないし図7を参照して説明する。
図1は、トラクション方式のエレベータ1を概略的に示している。図1に示すように、エレベータ1は、昇降路2の上端に機械室3を有している。昇降路2には、乗りかご4およびカウンターウエイト5が図示しないガイドレールを介して昇降動可能に支持されている。乗りかご4およびカウンターウエイト5は、昇降体の一例である。
機械室3に巻上機6が据え付けられている。巻上機6は、メインロープ7を介して乗りかご4およびカウンターウエイト5を昇降路2に吊り下げている。巻上機6は、メインロープ7を巻き上げたり巻き戻すことで、乗りかご4およびカウンターウエイト5を昇降路2に沿って昇降動させるように構成されている。
乗りかご4の底部とカウンターウエイト5の下端部との間にコンペンセーティングチェーン8が架け渡されている。コンペンセーティングチェーン8は、乗りかご4およびカウンターウエイト5から昇降路2内に垂れ下がるとともに、その下端に上向きに反転されたU字状の折り返し部8aを有している。
さらに、乗りかご4の底部にテールコード9が接続されている。テールコード9は、乗りかご4と昇降路2に設置された制御盤との間を電気的に接続する電線の束であって、乗りかご4の底部から昇降路2内に垂れ下がっている。テールコード9は、その下端に上向きに反転されたU字状の折り返し部9aを有している。
コンペンセーティングチェーン8およびテールコード9は、昇降体から垂れ下がった懸垂物の一例であって、コンペンセーティングチェーン8の折り返し部8aおよびテールコード9の折り返し部9aは、夫々変位可能な自由端となっている。
図1に示すように、乗りかご4が建物の最下階の付近に移動された状態では、コンペンセーティングチェーン8の折り返し部8aおよびテールコード9の折り返し部9aが昇降路2の下端のピット10に入り込んでいる。ピット10は、最下階よりも下方に位置されている。
図1に示すように、昇降路2のピット10に第1のバッファ12および第2のバッファ13が設置されている。第1のバッファ12は、乗りかご2が予期せぬ原因で最下階を通り過ぎた場合に、乗りかご2を下方から受け止める非常用の安全装置である。同様に、第2のバッファ13は、カウンターウエイト5が予期せぬ原因で最下階を通り過ぎた場合に、カウンターウエイト5を下方から受け止める非常用の安全装置である。
第1のバッファ12および第2のバッファ13は、夫々スタンド14を介してピット10の底10aに起立した姿勢で支持されている。第1および第2のバッファ12,13は、互いに共通の支持構造を有するので、本実施形態では、第1のバッファ12を代表して説明する。
図2、図4および図6に示すように、第1のバッファ12は、シリンダ16およびプランジャ17を備えている。シリンダ16は、オイルが封入された筒状のシリンダボディ18と、シリンダボディ18の下端に形成された取り付け座19とを有している。取り付け座19は、四つの角部を有する四角い板であり、取り付け座19の周縁部がシリンダボディ18の周囲に張り出している。
プランジャ17は、シリンダボディ18の軸方向に移動可能にシリンダボディ18に支持されているとともに、図示しないスプリングによりシリンダボディ18の上端から突出する方向に付勢されている。さらに、プランジャ17の突出端に円盤状の緩衝ゴム20が取り付けられている。
スタンド14は、ピット10の底10aに対する第1のバッファ12の高さを調節するための要素であり、ピット10の底10aと第1のバッファ12との間に介在されている。
図2ないし図4に示すように、スタンド14は、支柱22、固定板23および支持板24を備えている。支柱22は、円筒状であり、昇降路2の高さ方向に沿う全長L1を有している。支柱22の全長L1は、エレベータ1の仕様に応じて適宜設定される。
固定板23は、支柱22の下端部に固定されている。固定板23は、四つの角部を有する四角い板であり、その外周縁部が支柱22の周囲に張り出している。支持板24は、支持部材の一例であって、支柱22の上端部に固定されている。支持板24は、四つの角部を有する四角い板であり、その外周縁部が支柱22の周囲に張り出している。本実施形態では、支持板24は、第1のバッファ12の取り付け座19と同じ大きさを有している。
スタンド14の固定板23は、ピット10の底10aに据え付けられている。具体的に述べると、本実施形態では、ピット10の底10aに一対の梁25a,25bおよび受け座26が固定されている。梁25a,25bは、乗りかご4の幅方向に水平に延びているとともに、互いに間隔を存して平行に配置されている。梁25a,25bの間は、リブ27で互いに結合されている。さらに、梁25a,25bは、ピット10の底10aで乗りかご4の昇降動を案内する一対のガイドレールの下端の間を結んでいる。
受け座26は、一方の梁25aと隣り合うようにピット10の底10aに固定されている。梁25aの上面と受け座26の上面との間に跨ってバッファ台28が固定されている。バッファ台28は、四つの角部を有する四角い板であり、スタンド14の固定板23と同じ大きさを有している。
スタンド14の固定板23は、四本のボルト29および四つのナット30を介してバッファ台28の上面に固定されている。ボルト29は、固定板23の角部およびバッファ台28の角部を貫通してバッファ台28の下方に突出されている。ナット30は、ボルト29の先端にねじ込まれて、ボルト29の頭部29aとの間で固定板23およびバッファ台28を挟み込んでいる。
これにより、スタンド14は、ピット10の底10aから乗りかご4の底部に向けて垂直に起立された姿勢でピット10の底10aに固定されている。
図2、図4および図5に示すように、第1のバッファ12の取り付け座19は、その角部を支持板24の角部と合致させた状態で支持板24の上面に重ね合わされている。さらに、取り付け座19は、四本のボルト31およびナット32を介して支持板24の上面に固定されている。
ボルト31は、雄ねじ部材の一例であって、取り付け座19の角部および支持板24の角部を貫通して支持板24の下方に突出されている。ナット32は、雌ねじ部材の一例であり、ボルト31の先端にねじ込まれて、ボルト31の頭部31aとの間で取り付け座19および支持板24を挟み込んでいる。本実施形態では、ボルト31およびナット32が互いに協働して締結具を構成している。
この結果、第1のバッファ12がスタンド14の上端に同軸状に固定されて、プランジャ17の上端に位置された緩衝ゴム20が乗りかご4の底部と向かい合っている。
図2、図4および図5に示すように、ガイド板34がスタンド14の支持板24に取り付けられている。ガイド板34は、折り返し部9aを含むテールコード9の下端がスタンド14に引っ掛かるのを防ぐための要素である。図7に示すように、本実施形態のガイド板34は、固定部35、カバー部36およびガイド部37を一体に備えている。
固定部35は、支持板24の下面に重ね合わされるとともに、隣り合う二本のボルト31が貫通する一対の通孔38a,38bを有している。カバー部36は、固定部35の縁からピット10の底10aに向けて垂直に延出されているとともに、支持板24の一側縁の全長に亘る幅寸法を有している。そのため、カバー部36は、支柱22の上部を外側から覆っている。
ガイド部37は、カバー部36の下端から支柱22に近づくように斜め下向きに延出されている。そのため、ガイド部37は、カバー部36に対し所定の角度αだけ傾いている。本実施形態のガイド部37は、支柱22に向けて先細り状に形成されている。ガイド部37の先端37aは、支柱22の外周面に近接もしくは接している。さらに、カバー部36からガイド部37の先端37aに至るガイド板34の垂直方向に沿う全長L2は、支柱22の全長L1よりも短く形成されている。
ガイド板34の固定部35を支持板24の下面に重ね合わせた状態では、ボルト31の先端が固定部35の通孔38a,38bを貫通している。ボルト31の先端にねじ込まれたナット32は、支持板24の下面との間で固定部35を挟み込んでいる。したがって、ガイド板34は、第1のバッファ12をスタンド14に固定するボルト31およびナット32を利用してスタンド14に共締めされている。
なお、第2のバッファ13を支えるスタンド14には、折り返し部8aを含むコンペンセーティングチェーン8の下端がスタンド14に引っ掛かるのを防ぐガイド板34が共締めされている。ガイド板34の構成は、第1のバッファ12を支えるスタンド14のガイド板34と同様である。
例えば地震が発生した場合、コンペンセーティングチェーン8の折り返し部8aあるいはテールコード9の折り返し部9aがスタンド14の支持板24の下方に入り込むように揺れ動くことがあり得る。この時に例えば乗りかご4が上昇を開始すると、乗りかご4に追従してテールコード9の折り返し部9aが上昇し、折り返し部9aがスタンド14の支持板24の周縁部に引っ掛かることが懸念される。
しかるに、第1の実施形態によると、ガイド板34のカバー部36が支持板24の側縁部から下向きに延出されているとともに、カバー部36の下端に支柱22に近づくように斜め下向きに延出されたガイド部37が形成されている。
このため、図5に示すように、テールコード9の折り返し部9aが支柱22に沿って上昇したとしても、折り返し部9aがガイド部37の先端37aの位置に達した時に、折り返し部9aは傾斜されたガイド部37に乗り移ることで、ガイド部37からカバー部36を経て支持板24を外れた位置に導かれる。
したがって、テールコード9の折り返し部9aは、支持板24に引っ掛かることなく滑らかにスタンド14の外に抜け出ることになる。よって、乗りかご4の上昇に基づくテールコード9の断線およびスタンド14の損傷を防止することができる。
第1の実施形態によれば、ガイド板34の全長L2は、支柱22の全長L1よりも短いので、単一のガイド板34で多種多様の長さを有するスタンド14に対応することができる。したがって、スタンド14の高さに応じた専用のガイド板を準備する必要はなく、ガイド板34を共通化することができる。よって、ガイド板34を製造する作業が容易となるとともに、部品管理が煩雑化することもない。
さらに、ガイド板34は、第1のバッファ12(第2のバッファ13)をスタンド14に固定するボルト31およびナット32を利用してスタンド14の支持板24に共締めされている。そのため、従来の溶接に比べてガイド板34をスタンド14に簡単に固定することができ、作業性が向上する。
第1の実施形態のガイド板34は、カバー部36の下端から支柱22に向けて延長されたガイド部37を有している。ガイド部37は、支柱22の全長L1がガイド板34の全長L2よりも遥かに長くて、例えばテールコード9の折り返し部9aが支柱22に沿って上昇するような場合に必須となる要素である。しかしながら、例えば支柱22の全長L1とガイド板34の全長L2との差異が極僅かである場合には、ガイド部37を省略することができる。
言い換えると、例えばカバー部36の下端がスタンド14の固定板23に対し限りなく近い位置にあって、カバー部36の下端と固定板23との間にテールコード9が入り込むことができないような場合には、ガイド部37を省略してカバー部36の下端を固定板23に対向させるようにしてもよい。
[第2の実施形態]
図8は、第2の実施形態を開示している。第2の実施形態は、ガイド板34の固定部35の構成が第1の実施形態と相違している。それ以外のガイド板34の構成は、第1の実施形態と同様である。
図8に示すように、ガイド板34の固定部35は、カバー部36の反対側に位置された一対の縁部41a,41bを有している。さらに、固定部35にボルト31が貫通する通孔42a,42bが形成されている。通孔42a,42bは、夫々固定部35の縁部41a,41bに開口するように切り欠かれた溝形状を有している。
ガイド板34を支持板24の下面に固定するには、まずナット32を緩めてナット32と支持板24の下面との間に隙間を形成する。この後、ナット32と支持板24の下面との間の隙間に固定部35の縁部41a,41bを差し込んで、通孔42a,42b内にボルト31を導く。引き続いて、ナット32を締め付ける。これにより、ナット32と支持板24の下面との間で固定部35が挟み込まれ、スタンド14に対するガイド板34の固定作業が完了する。
第2の実施形態によると、ナット32をボルト31から取り外すことなくガイド板34をスタンド14の支持板24に固定することができる。そのため、第1のバッファ12(第2のバッファ13)をスタンド14に仮止めした状態でガイド板34の固定作業および取り外し作業を実行することができる。
さらに、ガイド板34をその向きを間違えて支持板24に固定した場合でも、ナット32を緩めて固定部35の締め付けを解除するだけの作業で、ガイド板34をスタンド14から取り外すことができる。
したがって、スタンド14から第1のバッファ12(第2のバッファ13)を取り外すことなく、ガイド板34の向きを変更して支持板24の正規の位置に再度取り付けることができる。
[第3の実施形態]
図9は、第3の実施形態を開示している。第3の実施形態は、ガイド板34が一対の分割片51a,51bに分割されている点が第1の実施形態と相違しており、それ以外の構成は第1の実施形態と同様である。
図9に示すように、分割片51a,51bは、夫々固定部52、カバー部53およびガイド部54を一体に備えている。固定部52は、支持板24の角部の下面に重ね合わされるとともに、一本のボルト31が貫通する通孔55を有している。カバー部53は、固定部52の縁から下向きに垂直に延出されているとともに、支柱22に対し支柱22の径方向にずれている。ガイド部54は、カバー部53の下端から支柱に近づくように斜め下向きに延出されている。
一方の分割片51aの固定部52は、支持板24の一つの角部の下面にボルト31およびナット32を介して共締めされる。同様に、他方の分割片51bの固定部52は、支持板24の他の角部の下面にボルト31およびナット32を介して共締めされる。この結果、分割片51a,51bは、支持板24の横方向に互いに間隔を存して並ぶように支持板24に固定される。
第3の実施形態では、ガイド板34が一対の分割片51a,51bに分割され、これら分割片51a,51bが支持板24の隣り合う角部の下面に個々に固定されている。このため、例えば支持板24の大きさが変化した場合でも、分割片51a,51bを支持板24に固定することができ、分割片51a,51bを支持板24の大きさに左右されることなく共通化することができる。
この結果、支持板24の大きさに対応した各種のガイド板34を準備する必要はなく、ガイド板34の生産性を高めることができる。
[第4の実施形態]
図10は、第4の実施形態を開示している。第4の実施形態は、ガイド板34のガイド部37の形状が第1の実施形態と相違している。それ以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
図10に示すように、ガイド板34のガイド部37は、その先端から斜め下向きに一直線状に延長された延長部61を有している。延長部61は、支柱22を避けるように支柱22の径方向に沿う両側に振り分けられている。さらに、スタンド14を支柱22の径方向から見た時に、延長部61は支柱22と重なり合うような位置関係に保たれている。
第4の実施形態によると、例えばテールコード9の折り返し部9aが支柱22の外周面に突き当たる位置まで大きく揺れ動いた場合でも、折り返し部9aの上方をガイド部37の延長部61が横切っている。
このため、折り返し部9aが支柱22の外周面に沿って上昇したとしても、折り返し部9aは傾斜された延長部61によって受け止められとともに、延長部61からガイド部37およびカバー部36を経て支持板24を外れた位置に導かれる。
したがって、テールコード9の折り返し部9aがガイド部37の先端に引っ掛かるのを防止することができる。
[参考例]
図11および図12は、第1の実施形態と関連性を有する参考例を開示している。参考例では、スタンド14の上端に位置された支持板24が真円の円盤状に形成されている。支持板24の直径は、第1のバッファ12(第2のバッファ13)の取り付け座19の対角線の長さと同等もしくは対角線の長さよりも若干大きく設定されている。そのため、支持板24の円弧状に湾曲された外周縁部24aが取り付け座19を取り囲むように取り付け座19の周囲に張り出している。
このような構成によると、例えばテールコード9の折り返し部9aが支持板24の下方に入り込んだ状態でテールコード9が上昇を開始した場合、折り返し部9aが支持板24の外周縁部24aに引っ掛かろうとする。
しかるに、支持板24の外周縁部24aは、角がない滑らかな円弧状に湾曲されているので、テールコード9の折り返し部9aは、テールコード9の上昇に応じて支持板24の外周縁部24aに引っ掛かることなく外周縁部24aに沿って移動し、最終的に支持板24の外に自然に抜け出る。
したがって、第1の実施形態と同様に、テールコード9の断線およびスタンド14の損傷を防止することができる。
さらに、参考例によると、スタンド14の支持板24を円盤状に形成するのみで、テールコード9のような懸垂物の引っ掛かりを防止できる。そのため、懸垂物の引っ掛かりを防止するガイド板のような専用の構成要素が不要となる。よって、スタンド14の部品点数を削減できるとともに、スタンド14の組み立て作業を簡素化することができるといった利点がある。
参考例では、支持板を真円の円盤状としたが、例えば支持板を楕円形としても同様の効果を得ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
2…昇降路、4,5…昇降体(乗りかご、カウンターウエイト)、8,9…懸垂物(コンペンセーティングチェーン、テールコード)、8a,9a…折り返し部、10a…底、12,13…バッファ(第1のバッファ、第2のバッファ)、14…スタンド、22…支柱、24…支持部材(支持板)、31,32…締結具(ボルト、ナット)、34…ガイド板。

Claims (10)

  1. 昇降路に沿って昇降動される昇降体と、
    前記昇降体から前記昇降路の底に向けて垂れ下がるとともに、その下端に折り返し部を有する変位可能な懸垂物と、
    前記昇降路の底に設けられ、非常時に前記昇降体を受け止めるバッファと、
    前記昇降路の底から上向きに突出された支柱と、前記支柱の上端に設けられ、前記支柱の外周面よりも前記支柱の径方向に沿う外側に向けて張り出すとともに、前記バッファの下端が締結具を介して固定された支持部材と、を含み、前記昇降路の底に対する前記バッファの高さを調節するように前記昇降路の底と前記バッファとの間に介在されたスタンドと、
    前記懸垂物と向かい合うように前記支持部材から下向きに延出されて、前記折り返し部を含む前記懸垂物の下端が前記スタンドと干渉し合うのを防ぐガイド板と、を具備し、
    前記ガイド板は、前記スタンドの前記支持部材に前記締結具を介して固定されているとともに、前記支柱よりも全長が短く形成されたエレベータ。
  2. 請求項1に記載のエレベータにおいて、前記ガイド板は、前記スタンドの前記支持部材に前記締結具を介して固定された固定部と、前記支柱を外側から覆うように前記固定部から前記昇降路の底に向けて延出されたカバー部と、を含むエレベータ。
  3. 請求項2に記載のエレベータにおいて、前記ガイド板は、前記カバー部の下端から前記支柱に近づくように斜め下向きに延出されたガイド部を含むエレベータ。
  4. 請求項3に記載のエレベータにおいて、前記ガイド部は、前記スタンドを前記支柱の径方向から見た時に、前記支柱と重なり合う位置まで延長された延長部を有するエレベータ。
  5. 請求項2ないし請求項4のいずれか一項に記載のエレベータにおいて、前記締結具は、前記バッファの下端、前記支持部材および前記ガイド板の前記固定部を貫通する雄ねじ部材と、雄ねじ部材の先端にねじ込まれた雌ねじ部材と、を含むエレベータ。
  6. 請求項4に記載のエレベータにおいて、前記ガイド板の前記固定部は、前記雄ねじ部材が貫通する通孔を有し、当該通孔は、前記固定部の外周縁に開口するように切り欠かれた形状を有するエレベータ。
  7. 請求項1に記載のエレベータにおいて、前記ガイド板は、複数の分割片に分けられているとともに、各分割片は、互いに間隔を存して横方向に並ぶように前記締結具を介して前記支持部材に固定されたエレベータ。
  8. 昇降路に沿って昇降動される昇降体と、
    前記昇降体から前記昇降路の底に向けて垂れ下がるとともに、その下端に折り返し部を有する変位可能な懸垂物と、を含むエレベータに用いられる緩衝装置であって、
    前記昇降路の底から上向きに突出された支柱と、前記支柱の上端に設けられ、前記支柱の外周面よりも前記支柱の径方向に沿う外側に向けて張り出す支持部材と、を有するスタンドと、
    前記支柱の前記支持部材に締結具を介して固定され、非常時に前記昇降体を受け止めるバッファと、
    前記懸垂物と向かい合うように前記支持部材から下向きに延出され、前記折り返し部を含む前記懸垂物の下端が前記スタンドと干渉し合うのを防ぐガイド板と、を具備し、
    前記ガイド板は、前記スタンドの前記支持部材に対し前記締結具を介して固定されているとともに、前記支柱よりも全長が短く形成されたエレベータの干渉装置。
  9. 請求項8に記載のエレベータの緩衝装置において、前記ガイド板は、前記スタンドの前記支持部材に前記締結具を介して固定された固定部と、前記支柱を外側から覆うように前記固定部から前記昇降路の底に向けて延びるカバー部と、前記カバー部の下端から前記支柱に近づくように斜め下向きに延出されたガイド部と、を含むエレベータの緩衝装置。
  10. 請求項9に記載のエレベータの緩衝装置において、前記締結具は、前記バッファの下端、前記支持部材および前記ガイド板の前記固定部を貫通するボルトと、前記ボルトの先端にねじ込まれたナットと、を含むエレベータの緩衝装置。
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