JP2014074302A - 緩衝装置及びそれを備えたゲート - Google Patents

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Abstract

【課題】
水路の開口端に設けられたゲートの扉体が開口端に強く打ち付けられる事を防止するための緩衝装置及びそれを備えたゲートを提供する。
【解決手段】
緩衝装置20の構造は、回転軸13に設けられた板状のベーン23部分を密封するように略円筒形状のケーシング21、制御部22、蓋32、蓋33で覆われて内部は油等の粘性流体26で満たされている。制御部22には流路24が設けられ、ベーン23には流路25が設けられていて、ベーン23によって仕切られた内部空間A、内部空間Bを繋いでいる。制御部22の流路24に設けられた絞り部27にバルブ28が挿通され、バルブ28の一端に設けられた押しばね29、ばね強さ調整ねじ30と、バルブ28の他端に設けられた開度調整ねじ31を調整することによって流路24の絞り部27を任意のタイミングで閉塞し、流路24を流れる粘性流体26の流量をコントロールする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、水路に設けられるゲートの扉体が水路を開閉する際の運動を制御し、扉体が戸当りに衝突するときの衝突音の軽減や、破損を防止することのできるゲート用緩衝装置に関するものである。
近年水路等の排水樋門用のゲートとして、樋門設置時のコスト削減や景観への配慮、河川の流下断面を阻害しない等の理由から、門柱構造を持たない、いわゆる門柱レスゲートが用いられるようになってきている。門柱レスゲートには種々のものがあるが、構造が比較的単純であるフラップゲート形式を採用するものが多く見られる。
例えば、特許文献1のオートゲートのように、扉体の回動の支点となる回転軸が水路の開口端の直上になく本川よりに配置されていて、扉体と開口端とが常時わずかに開放するような構成を持つものがある。このわずかな隙間から支川の内水排除が行われる。
扉体はバランス状態を維持するためにバランスウェイトを搭載している。バランスウェイトは扉体の開放角度(開度)によって開く回転モーメントを与えたり、閉める回転モーメントを与えたりする。また、扉体支川側(内側)側壁上部にはフロートが取り付けられ、扉体の内側の水位変動に応答することができる。
ところが、特許文献1のオートゲートは通常時では前記の隙間によって良好に内水排除を行うことができるが、強風や波浪等の強い外力を瞬間的に受けた場合、開閉扉が急速な揺動運動を起こして戸当りに衝突し、騒音を発生したりゲートを損傷したりする恐れがあった。
そこで、特許文献2の樋門開閉扉装置のように、扉体の水平回転軸の端部に一体的に固定されるダンパー用回転軸と、このダンパー用回転軸の周りに粘性流体を満たすように密封する筒状ケースと、この筒状ケース内を回転方向に対して複数の空間に分ける隔壁と、前記ダンパー用回転軸の長手方向に沿って半径方向に凸設された複数の板状の抵抗翼と、この抵抗翼の厚さ方向に穿孔されており、前記ダンパー用回転軸の回転に応じて前記粘性流体を流通可能にした流通孔と、前記開閉扉が開く方向に揺動されたときに前記流通孔を開いて粘性流体を流通させて前記抵抗翼への抵抗を低減し、前記開閉扉が閉まる方向に揺動されたときに前記流通孔を閉じて粘性流体を流通させないで前記抵抗翼への抵抗を保持するように構成された逆流防止開閉蓋とを有するダンパーを設けている。
これによって、扉体の開放時と閉塞時とでダンパーの抵抗を変えることによって、特に閉塞時の抵抗を大きくすることによって扉体がゆっくりと閉まるような構成とすることで、前述の問題点である、衝突音の軽減や、ゲートの破損を防止することができる。
特開2000−328545号公報 実用新案登録第3149416号公報
ゲートに緩衝装置を設ける場合、ゲートが持つ逆流防止機能と内水排除機能、およびそれらの自動切り替え機能を妨げないためには、扉体の自由な揺動を許す必要があり、動きを単純に抑制することは好ましくない。そのため緩衝装置の特性としては、騒音や損傷の原因となりうる強風や波浪に起因する急速な揺動運動に対しては強い抵抗力を持ち、一方では長期的な水位変化に起因する騒音や損傷の原因とならない緩慢な揺動運動に対しては、できるだけ妨げとならない特性を持つ必要がある。
また、扉体に作用する外力の強さや時間的な変動の様相はゲート設置場所ごとに異なるため、ゲート設置後、外力の発生状況や開閉扉の挙動を観察し、その結果に応じて緩衝装置の効果が最大限に発揮されるよう、適切に緩衝特性を調整する必要がある。この調整作業はゲート設置場所でなされるため(屋外かつ水面上)、機器の分解等の煩雑な作業は困難であり、できるだけ容易に作業できることが望ましい。
ところが、特許文献2のダンパーには緩衝特性を調整する機構を有していないため、ゲートの設置条件に合わせた最適な緩衝特性の調整を容易に行うことができない点で改善の余地があった。
本発明は上記を鑑みてなされたものであって、ゲートに扉体の運動を抑制するための緩衝装置を備え、扉体の揺動の速度や変更タイミングを外部から調整可能にし、扉体に外力が作用して発生する揺動運動の速度を抑え、特に扉体が水路の開口端に向かって高速で揺動する際には大きな抵抗力を発生して衝突時の衝撃を軽減し、騒音や予期せぬ損傷の発生を抑えることができる緩衝装置及びそれを備えたゲートを提供することを目的とする。
上記の課題に対応するため、本発明は、以下の技術的手段を講じている。
即ち、請求項1に記載の発明は、ダンパー用回転軸の周りを粘性流体で満たして密封するための内部空間を有する筒形状のケーシングと、前記ケーシングの内部空間を分割し、前記ダンパー用回転軸に設けられて連動して回動する板状のベーンとを有する本体と、前記ベーンによって分割された前記ケーシングの内部空間の両側とそれぞれ連通する第1の流路と、前記第1の流路内に設けられた流路の開閉手段とを有する制御部と、前記ベーンに設けられた、厚さ方向に穿孔されて前記粘性流体が流通可能な第2の流路とを具備した緩衝装置である。
また、請求項2に記載の発明は、前記制御部が前記ケーシングの外壁に複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の緩衝装置である。
また、請求項3に記載の発明は、前記開閉手段は、前記第1の流路の所定の位置に流路の断面積が小さくなる絞り部が形成され、前記絞り部を開閉するための棒体の一端に傘部を有したバルブが該絞り部に挿通され、前記バルブの傘部の端面には、該バルブと前記絞り部との最大隙間量を前記緩衝装置の外部から調整可能な開度調整ねじが設けられ、前記バルブの他端には該バルブと該絞り部との隙間を広げる方向に押す押しばねが設けられ、前記押しばねには前記緩衝装置の外部から該押しばねの該バルブへの押しつけ力を調整可能なばね強さ調整ねじが設けられていることを特徴とした請求項1又は2に記載の緩衝装置である。
また、請求項4に記載の発明は、支川と本川の合流点の水路の開口端に設けられた支持金具に回転軸が軸支され、前記回転軸にアームを介して扉体が設けられ、前記扉体が揺動して前記開口端を開閉するゲートにおいて、前記回転軸に請求項1〜3のいずれか1項に記載の緩衝装置の前記ダンパー用回転軸が一体連結されたゲートであって、前記扉体が前記開口端を閉じる方向へ前記回転軸を中心に回動することによって該回転軸に連結された前記ダンパー用回転軸及び前記ベーンが連動して回動し、該ベーンが所定の回動速度に達した際に、前記開閉手段が、前記第1の流路内を移動しようとする前記粘性流体から受ける圧力によって該開閉手段が該第1の流路を閉塞し、該粘性流体を前記第2の流路のみに流通させることで、該第2の流路を流通した際の流路の抵抗により該ベーンの回動速度を抑制し、連動した該扉体の回動速度を抑制することを特徴とした緩衝装置を備えたゲートである。
本願発明の緩衝装置を水路に設けられたゲートに適用すると、ゲートに設けられた扉体が水路の開口端に向かって高速で揺動する際には、緩衝装置の第1の流路が開閉手段によって閉塞されるため、第2の流路だけを粘性流体が通過することになるので大きな抵抗力を発生して扉体の揺動速度が遅くなり、開口端との衝突時の衝撃を軽減し、騒音や予期せぬ損傷の発生を防止することができる。
また、緩衝装置の開閉手段が外部から調整可能であり、ゲートに作用する外力の強さや時間的な変動の様相はゲート設置場所ごとに異なるので、ゲート設置後、外力の発生状況や扉体の挙動を観察し、その結果に応じて緩衝装置の効果が最大限に発揮されるよう、適切に扉体の揺動の速度や変更タイミング等の緩衝特性を外部から容易に調整することができる。そのため緩衝装置は機器の分解等の煩雑な作業をせずに外部より容易に緩衝特性を調整することができるので、作業の効率化を図ることもできる。
また、緩衝装置は物理的な構造で構成可能なので、コンピュータを使用して制御する必要が無く、構造が簡単なのでメンテナンスも容易である。また、ゲートに後付けで緩衝装置を設けることも可能なので、既存のゲートを改造して緩衝装置を取り付け、上記の扉体が開口端を閉鎖する際の衝突時の衝撃を軽減し、騒音や予期せぬ損傷の発生を防止することもできる。
本発明に係る緩衝装置をフラップゲートに適用した場合の一実施形態の側面図を示す。 本発明に係る緩衝装置の一実施形態を示す。(a)は側面断面図、(b)は正面断面図を示す。 本発明に係る緩衝装置の扉体開放時の動作状態を示す。 本発明に係る緩衝装置の扉体の閉鎖時の動作状態で、扉体の閉鎖速度が遅い場合を示す。 本発明に係る緩衝装置の扉体の閉鎖時の動作状態で、扉体の閉鎖速度が速い場合を示す。(a)はバルブが絞り部を閉塞した状態、(b)は粘性流体が第2の流路を通過してゆっくりと扉体が閉鎖する状態を示す。
本発明に係る一実施形態の緩衝装置をフラップゲートに適用した場合を図1及び図2を参照して説明する。なお、緩衝装置はフラップゲートに限らずその他の門柱レスゲートにも適用可能である。図1はフラップゲート10の側面図で、フラップゲート10は、水路等の排水樋門用のゲートであり、水路の開口端16部分の支川側の内水排除の役割及び、本川側からの逆流を防止するためのものである。フラップゲート10は、回転軸13が支持金具14に軸支されていて、扉体11をアーム12を介して回転軸13を中心として揺動し、戸当り15に当接して開口端16を開閉する。また、回転軸13には緩衝装置20が設けられていて、扉体11の閉鎖時の速度や速度変更タイミング等を外部より調整可能なので、特に扉体11が開口端16を閉鎖する際の衝突時の衝撃を軽減し、騒音や予期せぬ損傷の発生を防止することができる。図2は、緩衝装置20の断面図であり、図2(a)は側面断面図、図2(b)は正面断面図となっている。
回転軸13は図1のように支持金具14によって開口端16よりも本川側上方に設けられている。また、扉体は回転軸13の垂線に対して所定の角度傾いて取り付けられていて、開口端16の下部に隙間が設けられるようになっている。これによって、本川側からの水圧が小さいときは常時開口端16が開放されているので内水排除が良好に行われるという利点がある。
そして、開口端16を閉塞する際には扉体11が略垂直となって、開口端16に設けられている戸当り15に当接して開口端16をぴったりと閉塞する。なお、本実施例では回転軸13が開口端16よりも本川側上方に設けられているがこの位置に限らず、支川側上方に設けられてもよく、開口端16が常時開放されていなくとも良い。また、本実施例に限らず、扉体を強制的に開閉する開閉機構を有したフラップゲートにも適用可能である。
緩衝装置20は回転軸13の一端に設けられて支持金具14に固定されている。緩衝装置のダンパー用回転軸は、本実施例のように回転軸13が延設されて一体となっていても良いし、回転軸13と別部材で構成されていて連結された構造でも良い。ダンパー用回転軸が別部材で構成されていると、既存のゲートに追加することも可能である。
本実施例では一端に1基の緩衝装置20を設けているがこれに限らず両端に計2基設けても良いし、回転軸の中央部付近に設けても良い。また、緩衝装置20は支持金具14以外の部材をもって固定されていても良い。
緩衝装置20の構造は図2のように、回転軸13に設けられた1枚の板状のベーン23を密封するように略円筒形状のケーシング21、制御部22、蓋32、蓋33によって構成され、内部は油等の粘性流体26で満たされている。緩衝装置20はケーシング21が支持金具14に固定され、回転軸13及びベーン23が扉体11の運動に連動して回動する構造となっている。
緩衝装置20には断面積の異なる2種類の流路24と流路25が設けられていてベーン23によって仕切られた内部空間A、内部空間Bを繋いでおり、これらの流路を流れる粘性流体26の流量および流路を通過する際の抵抗をコントロールすることにより扉体11の揺動速度を調整することができる構造となっている。特に、制御部22の流路24に設けられたバルブ28、押しばね29、ばね強さ調整ねじ30、開度調整ねじ31によって構成された流路24の開閉手段によって内部空間Aと内部空間Bとの間を流通する粘性流体26の流量をコントロールし扉体11の揺動速度や速度変更のタイミングを調整する構造となっている。
なお、当然の事ながら、緩衝装置20は回動する回転軸13を密封する構造なので、摺動部には図示しない転がり軸受けなどの軸受けや、部材間には密封するためのシール部材等が使用されている。
次に緩衝装置20の各部の構造を説明する。本体は図2のように、ケーシング21、蓋32、蓋33によって構成されて回転軸13に設けられたベーン23を囲うように密封している。ケーシング21は略円筒状でその幅は図2(b)のようにベーン23の幅に公差を持たせた幅となっており、内部空間はベーン23の回動を妨げることのないように十分な容積を有している。また、ケーシング21の上部には、制御部22が固定されている。蓋32,及び蓋33は、固定されたケーシング21と制御部22を密封している。また、蓋32及び蓋33には回転軸13を挿通するための孔が設けられている。ケーシング21は支持金具に固定されていて、ケーシング自体が回動することはない。
なお、ケーシング21、制御部22、蓋32、蓋33は本実施例では別々の部材として構成しているが、一部を一体とした構造、例えば、ケーシング21と制御部22が一体となっていたり、ケーシング21と蓋33が一体となっていても良く、製造時の工数やコストを削減できるような構成とすればよい。
回転軸13には1枚の板状のベーン23が設けられていて、ケーシング内の空間を内部空間A、Bの2つに分割する隔壁の役割をしている。ベーン23は回転軸13の半径方向に凸設されているが角度を有して設けられていても良い。
ベーン23には所定の位置に流路25が穿孔されていて粘性流体26が流通できるようになっている。流路25は図2のように1箇所設けても良いし、複数箇所設けても良く、フラップゲート10の大きさや本川の流量・流速に応じて適宜形成箇所や孔の大きさを変更したり、孔形状を長穴形状にするなどの変更をしてもよい。
密封されたケーシング21と制御部22には対応する位置に流路24が設けられている。流路24はケーシング21内の内部空間Aと内部空間Bを連通しており、流路24を粘性流体26が通過できるようになっている。流路24は流路25と同様に図2のように1箇所設けても良いし、フラップゲート10の大きさ等に応じて複数箇所設けても良い。
粘性流体26は、扉体11の揺動に応じて、つまり回転軸13に設けられたベーン23の揺動に応じて、流路24及び流路25を流通して、内部空間A及び内部空間Bを往復できるようになっている。流路24と流路25の断面積比は、流路25の方が十分小さく形成されている。
制御部22の流路24には、所定の位置に流路の断面積が小さくなる絞り部27が設けてあり、絞り部27にはバルブ28が挿通されている。バルブ28は絞り部27を開閉するためのものであり、形状は自動車のエンジンに用いられている吸排気バルブと同様なものとなっている。
バルブ28の形状は、棒状のバルブステム28aの一端に傘状または略円錐形状のバルブヘッド28b、他端にバルブステムエンド28dが形成され、バルブヘッド28b円錐部分のバルブフェース28cが図2(a)によると左方向へ移動すると絞り部27を閉塞するようになっている。
バルブヘッド28bにはバルブフェース28cと絞り部27との最大隙間を調整するための開度調整ねじ31が当接するように設けられており、図2(a)のように、外部から調整可能となっている。開度調整ねじ31をねじ込むと隙間が狭くなり、逆に緩めると隙間が広くなる。この隙間量によって絞り部27を流通する粘性流体26の圧力損失の調整を行うことができる。
バルブエンド28dには押しばね29が当接するように配置され、その押しばね29の他端には押しつけ力を調整するためのばね強さ調整ねじ30が図2(a)のように、外部から調整可能に設けられている。ばね強さ調整ねじ30をねじ込むと押しばね29が縮められて押しつけ力が高くなり、逆に緩めると押しつけ力が小さくなる。押しつけ力を高めると、バルブ28が移動しにくくなり、絞り部27を閉塞しにくくなる。
開度調整ねじ31とばね強さ調整ねじ30を調整することによって、流路24の閉塞のタイミングを調整することができる。
開度調整ねじ31を回転することにより、絞り部27とバルブ28との隙間量を調整できる。隙間量を小さくした場合は流体通過時の圧力損失が増大し、バルブ28を閉塞しようとする力も増大する。そのため、バルブ28は、隙間量が大きい場合に比べ、扉体の閉鎖速度がより低い時点で隙間を閉塞しようとする。
また、ばね強さ調整ねじ30を回転させることにより、バルブ28を押える押しばね29の押しつけ力を調整することができる。本実施例では、ばね強さ調整ねじ30をねじ込むと押しばね29が縮まっていき、押しつけ力が増大していく。
なお、ベーン23に設けられた流路25の断面積は、ケーシング21に設けられた流路24の断面積よりも十分小さい断面積となっていて、流路25を粘性流体26が流通する際の抵抗が流路24より高抵抗となる。流路24は、通過する粘性流体26の圧力つまり扉体11の閉じる速度に応じて閉塞される構造なので、扉体11が高速で閉じようとすると流路24が閉塞されて、粘性流体26は小さい断面積の流路25のみを通過することになって急激に流路通過時の抵抗が増し、その結果ベーン23の回動速度つまり扉体11の速度を減速させることができ、これにより扉体11の開口端16や戸当り15への衝突時の衝撃を大幅に軽減し、騒音や予期せぬ損傷の発生を防止することができる。
次に、緩衝装置20の動作状態を図3〜図5を参照して説明する。図3は扉体11の開放時の動作、図4は扉体11の閉鎖時の速度が遅い場合の動作、図5の(a)から(b)は扉体11の閉鎖時の速度が速い場合の動作を段階的に示したものである。なお、回転軸13及びベーン23が時計方向へ回動すると扉体11が開口端16を開放し、逆に回転軸13及びベーン23が反時計方向へ回動すると扉体11が開口端16を閉鎖する動作となる。
まず、図3の扉体11の開放時の動作について説明する。図によると扉体11が開放される場合、回転軸13とベーン23は時計方向に回動することになる。ケーシング21内の粘性流体26は内部空間Aから内部空間Bへと流路の断面積の大きい流路24を通過して移動する。なお、粘性流体26は流路25も通過して内部空間Bへ移動するが断面積が流路24に比べて十分小さく移動流量は非常に小さい。
粘性流体26が絞り部27を通過する際、バルブ28は隙間を開放する方向に圧力がかかるので、当然の事ながらバルブ28が絞り部27を閉塞することはない。また、バルブヘッド28bのバルブフェース28cは略円錐形状となっているので、スムーズに粘性流体26が通過することができる。扉体11の開放時には、バルブ28の構造により流路での抵抗を極力減らす事で支川側からの内水排除を良好に行うことができるという利点がある。なお、絞り部27とバルブ28との隙間量は開度調整ねじ31によって調整可能である。
次に、図4の扉体11の閉鎖時の速度が遅い場合の動作、つまり通常時の閉鎖の緩衝装置20の動作について説明する。図によると扉体11が閉鎖される場合、回転軸13とベーン23は反時計方向に回動することになる。ケーシング21内の粘性流体26は内部空間Bから内部空間Aへと流路の断面積の大きい流路24を通過して移動する。なお、粘性流体26は流路25も通過して内部空間Aへ移動するが断面積が流路24に比べて十分小さく移動流量は非常に小さい。
粘性流体26が流路24を通過する際、絞り部27に設けられたバルブ28のバルブヘッド28bが圧力を受けることとなる。しかしながら、バルブ28は押しばね29によって隙間を広げる方向に押されているため、粘性流体26が流路24を通過する際の流速つまりバルブヘッド28bに受ける圧力が押しばね29の押しつけ力を上回らない間はバルブ28が閉じることはなく、粘性流体26は流路24を通過していき、回転軸13とベーン23は反時計方向に回動し、扉体11が開口端16を閉鎖する。
次に、図5の扉体11の閉鎖時の速度が高速の場合の緩衝装置20の動作について説明する。扉体11の閉鎖時の速度が高速になりうるのは、強風や波浪等の強い外力を瞬間的に受けた場合等扉体11が急激に揺動する場合である。
扉体が急速に閉鎖するときはまず、図5(a)の状態となる。回転軸13とベーン23は反時計方向に急速に回動することになる。粘性流体26は内部空間Bから流路24内を高速で内部空間A側へ移動しようとする。
すると、絞り部27に設けられたバルブ28のバルブヘッド28bに粘性流体26が高速で衝突するので、バルブヘッド28bの表面にかかる圧力は急激に高くなり、バルブ28の一端に設けられた押しばね29の押しつけ力を上回って、バルブ28が絞り部27方向、図では左方向へ移動していき、最終的にはバルブ28のバルブフェース28cが絞り部27との隙間を完全に閉塞することになる。
バルブフェース28cが絞り部27との隙間を完全に閉塞すると、当然の事ながら粘性流体26は流路24を流れなくなるので、内部空間Bの内圧は高くなる。
すると、図5(b)のように、ベーン23に設けられた流路25には前記バルブ28のような閉塞手段は設けられておらず常時内部空間Aと内部空間Bが連通しているので、粘性流体26は流路の断面積の小さく流通抵抗の大きな流路25を通過して内部空間Bから内部空間Aへと移動して内部空間Bの内圧が徐々に低くなっていくことになる。
このため、ベーン23つまり扉体11は急激に減速されたのちゆっくりと反時計方向に回動し、内部空間Bの内圧が押しばね29の押しつけ力を下回ってバルブ28が開放されるまでゆっくりと開口端16を閉鎖する方向へ回動し続ける。したがって、従来のフラップゲートで問題となっていた扉体11の閉鎖時の開口端16への激突を防止することができ、衝突時の衝撃を軽減し、騒音や予期せぬ損傷の発生を防止することができる。
また、流路24の閉塞のタイミングは、開度調整ねじ31とばね強さ調整ねじ30を調整することによって調整することができる。
開度調整ねじ31を回転することにより、絞り部27とバルブ28との隙間量を調整できる。隙間量を小さくした場合は流体通過時の圧力損失が増大し、バルブ28を閉塞しようとする抵抗力も増大する。そのため、バルブ28は、隙間量が大きい場合に比べ、扉体の閉鎖速度がより低い時点で隙間を閉塞しようとする。
また、ばね強さ調整ねじ30を回転させることにより、バルブ28のバルブステムエンド28dを押える押しばね29の押しつけ力を調整することができる。本実施例では、ばね強さ調整ねじ30をねじ込むと押しばね29が縮まっていき、押しつけ力が増大して閉塞しにくくなる。
これらの調整を組み合わせることにより、抵抗力の切り替えタイミング及び抵抗力を緩衝装置外部から容易に調整することができる。
本発明の緩衝装置は、フラップゲート等の門柱レスゲートの緩衝装置としてだけでなく、ラジアルゲートや起伏ゲート等のゲートの扉体を開閉するための開閉装置が故障して扉体が急激に開閉してしまうことを防ぐための安全装置としても利用することができる。
10 フラップゲート
11 扉体
12 アーム
13 回転軸
14 支持金具
15 戸当り
16 開口端
20 緩衝装置
21 ケーシング
22 制御部
23 ベーン
24 流路
25 流路
26 粘性流体
27 絞り部
28 バルブ
28a バルブステム
28b バルブヘッド
28c バルブフェース
28d バルブステムエンド
29 押しばね
30 ばね強さ調整ねじ
31 開度調整ねじ
32 蓋
33 蓋
A 内部空間
B 内部空間

Claims (4)

  1. ダンパー用回転軸の周りを粘性流体で満たして密封するための内部空間を有する筒形状のケーシングと、
    前記ケーシングの内部空間を分割し、前記ダンパー用回転軸に設けられて連動して回動する板状のベーンとを有する本体と、
    前記ベーンによって分割された前記ケーシングの内部空間の両側とそれぞれ連通する第1の流路と、前記第1の流路内に設けられた流路の開閉手段とを有する制御部と、
    前記ベーンに設けられた、厚さ方向に穿孔されて前記粘性流体が流通可能な第2の流路と、
    を具備した緩衝装置。
  2. 前記制御部が前記ケーシングの外壁に複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の緩衝装置。
  3. 前記開閉手段は、
    前記第1の流路の所定の位置に流路の断面積が小さくなる絞り部が形成され、
    前記絞り部を開閉するための棒体の一端に傘部を有したバルブが該絞り部に挿通され、
    前記バルブの傘部の端面には、該バルブと前記絞り部との最大隙間量を前記緩衝装置の外部から調整可能な開度調整ねじが設けられ、
    前記バルブの他端には該バルブと該絞り部との隙間を広げる方向に押す押しばねが設けられ、
    前記押しばねには前記緩衝装置の外部から該押しばねの該バルブへの押しつけ力を調整可能なばね強さ調整ねじが設けられていること、
    を特徴とした請求項1又は2に記載の緩衝装置。
  4. 支川と本川の合流点の水路の開口端に設けられた支持金具に回転軸が軸支され、前記回転軸にアームを介して扉体が設けられ、前記扉体が揺動して前記開口端を開閉するゲートにおいて、
    前記回転軸に請求項1〜3のいずれか1項に記載の緩衝装置の前記ダンパー用回転軸が一体連結されたゲートであって、
    前記扉体が前記開口端を閉じる方向へ前記回転軸を中心に回動することによって該回転軸に連結された前記ダンパー用回転軸及び前記ベーンが連動して回動し、該ベーンが所定の回動速度に達した際に、
    前記開閉手段が、前記第1の流路内を移動しようとする前記粘性流体から受ける圧力によって該開閉手段が該第1の流路を閉塞し、該粘性流体を前記第2の流路のみに流通させることで、該第2の流路を流通した際の流路の抵抗により該ベーンの回動速度を抑制し、連動した該扉体の回動速度を抑制すること、
    を特徴とした緩衝装置を備えたゲート。
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