JP2017119983A - フラップゲート - Google Patents

フラップゲート Download PDF

Info

Publication number
JP2017119983A
JP2017119983A JP2015256912A JP2015256912A JP2017119983A JP 2017119983 A JP2017119983 A JP 2017119983A JP 2015256912 A JP2015256912 A JP 2015256912A JP 2015256912 A JP2015256912 A JP 2015256912A JP 2017119983 A JP2017119983 A JP 2017119983A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
door body
arm
door
suspension
water level
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015256912A
Other languages
English (en)
Inventor
藤井 道博
Michihiro Fujii
道博 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyowa Seisakusho Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Seisakusho Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyowa Seisakusho Co Ltd filed Critical Kyowa Seisakusho Co Ltd
Priority to JP2015256912A priority Critical patent/JP2017119983A/ja
Publication of JP2017119983A publication Critical patent/JP2017119983A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Barrages (AREA)

Abstract

【課題】低水位時には扉体を懸垂する吊り位置を下流側に移動させて扉体を戸当金物より離し、扉体の上流側に土砂や流木等の塵芥が堆積しないようにし、水位の上昇時には吊り位置を素早く全閉位置として、上・下流水位の変動に対し確実に自動止水・排水を行うようにするとともに、波浪や強風による過度な揺動を防止することのできるフラップゲートを提供すること。【解決手段】扉体吊下げアーム21の先端部に吊り金具13を介して扉体1を回動自在に懸垂し、ウェイトアーム22の先端部にカウンタウェイト4を設置し、ロッドアーム23の先端部に両ロッド式油圧シリンダー3が有する伸縮ロッド32の先端部を回動自在に接続し、伸縮ロッド32は扉体1の開閉に伴って伸縮し、かつ、扉体1が閉まる方向に対しては動き易く、扉体1が開く方向に対しては動き難いフラップゲート。【選択図】図1

Description

本発明は、樋門、流水路等に逆流防止を目的として設置され、ゲート上・下流の水位変動に対応して自動開閉作動する上ヒンジ方式のフラップゲートに関する。
従来、河川堤防の樋門や流水路の出口等に、河川水の逆流防止を目的として上ヒンジ方式のフラップゲートが設置されている。
しかしながら、従来のフラップゲートは常時扉体が樋門出口を閉鎖する形態で設置されているため、上流側からの排水が少ない時は扉体の開放度が小さく、上流側に土砂や塵芥が堆積し易いという問題点があった。
この問題を解決するため、河川水位が低い時は扉体を開放状態とし、河川水位が上昇した時に扉体が樋門出口、又は流水路を閉鎖する形式のフラップゲートが開発されている。
例えば、特許文献1(実公平4−37947号公報)に記載されるフロート式フラップゲートは、水路(1)の水界(B)との連通口(2)の上部にブラケット(5)、枢支軸(6)を介してアーム(7)が設けられ、そのアーム(7)に枢支部(8)を介して支持アーム(9)が揺動可能に設けられており、支持アーム(9)によりゲート(10)が垂下揺動可能に支持されている。
そして、水界(B)の水位が低い場合には、自重によってゲート(10)は鉛直状態に維持され、連通口(2)は少し開口状態にあるようにされており、水界(B)の水位が高い場合には、ゲート(10)の下部に設けてあるフロート(11)が重心位置よりも水路側に位置しているため、その浮力によって、ゲート(10)を連通口(2)に向けて押圧するようになっている。(特に、実施例の項及び第1図を参照)。
また、特許文献2(特許第3278690号公報)に記載されるオートゲートは、支川側(1)から本川側(2)へ流水を流出させる流水路(15)端部の流出口(28E)部に、バランスウエイト(35)を備える扉体(38)を開閉可能に設けたものである。
そして、扉体(38)とバランスウエイト(35)とが水平軸(32)まわりにほぼ平衡するので扉体(38)を開放させることに基づく抵抗は殆ど発生せず、支川側(1)の流水は扉体(38)と流出口(28E)との間の隙間を通って本川側(2)へ流出し、支川側(1)の流水量が増加すると、扉体(38)が大きく開放し大量の流水を急速に本川側(2)へ流出させ、本川側(2)の水位が異常に上昇すると、水位上昇に基づく高水圧が開放した扉体(38A)の背面(図1では左側)に作用して扉体(38)を水平軸(32)まわりの反時計方向に回動させ、扉体(28)により流出口(28E)を閉塞して本川側(2)から支川側(1)への逆流を阻止するようになっている。(特に、段落0023、0039、0040及び図1を参照)。
実公平4−37947号公報 特許第3278690号公報
しかし、特許文献1に記載されているフロート式フラップゲート及び特許文献2に記載されているオートゲートは、従来のフラップゲートと比較して、波浪や強風によって扉体が簡単に揺動し易く、これにより扉体と戸当たり金物が煩雑に衝突を繰り返すことによる騒音が発生する、または扉体・水密ゴム等に損傷が発生するという問題点があった。
本発明の課題は、このような問題点を解決し、低水位時には扉体を懸垂する吊り位置を下流側に移動させて扉体を戸当金物より離し、扉体の上流側に土砂や流木等の塵芥が堆積しないようにし、水位の上昇時には吊り位置を素早く全閉位置として、上・下流水位の変動に対し確実に自動止水・排水を行うようにするとともに、波浪や強風による過度な揺動を防止することのできるフラップゲートを提供することである。
請求項1に係る発明は、流水路の出口に扉体が上部ヒンジ機構により懸垂された状態で設置され、流水路上流側からの流水に対して前記扉体が河川方向に回動して前記流水路を開放し、河川側からの逆流水に対して前記扉体が流水路方向に回動して止水するフラップゲートにおいて、前記扉体には、上縁部に吊り金具、下部にフロート室を設け、前記上部ヒンジ機構は、前記出口より下流側の上方に固定された一対のアーム軸受と、該アーム軸受に回動可能に支持されたアーム軸と、カウンタウェイトと、前記アーム軸受の近傍に固定されるロッド部材を備え、前記アーム軸には、扉体吊下げアーム、ウェイトアーム及びロッドアームが固定されており、前記扉体吊下げアームの先端部に、前記吊り金具を介して前記扉体を回動自在に懸垂し、前記ウェイトアームの先端部に、前記カウンタウェイトを設置し、前記ロッドアームの先端部に、前記ロッド部材が有する伸縮ロッドの先端部を回動自在に接続し、前記伸縮ロッドは、前記アーム軸の回動に伴って伸縮し、かつ、前記扉体を懸垂する前記扉体吊下げアームの先端部が前記流水路の上流方向に移動する回転方向のときは動き易く、前記扉体を懸垂する前記扉体吊下げアームの先端部が前記流水路の下流方向に移動する回転方向のときは動き難いことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のフラップゲートにおいて、前記扉体吊下げアームの先端部と前記吊り金具とを回動自在に接続する接続金具を備え、前記扉体吊下げアーム、前記吊り金具及び前記接続金具の少なくともひとつに、前記扉体吊下げアームと前記扉体の開き角度が所定角度以上とならないように規制する規制部材が設けてあることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のフラップゲートにおいて、前記ロッド部材は、一方向への衝撃を吸収するダンパーであることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に記載のフラップゲートにおいて、前記ロッド部材は、前記伸縮ロッドの移動速度を制御可能な油圧シリンダーであることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、ウェイトアームの先端部にカウンタウェイトを設置して扉体を懸垂する扉体吊下げアームとモーメントバランスを図っているため、アーム軸が回動し易く、河川側の水位が上昇した時に扉体の吊り下げ位置を素早く全閉位置に移動させ、河川側からの逆流水を確実に止めることができる。
また、ロッドアームの先端部に伸縮ロッドの先端部が回動自在に接続され、伸縮ロッドはアーム軸の回動に伴って伸縮し、かつ、扉体を懸垂する扉体吊下げアームの先端部が流水路の下流方向、すなわち扉体が流水路の出口から離れて開放する方向に移動する回転方向のときは動き難いようになっているため、カウンタウェイトによりアーム軸が回動し易くなっているにもかかわらず、扉体が開く方向への扉体吊下げアームの動きに制動がかかり波浪や強風による過度な揺動を防止することができる。
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明による効果に加えて、扉体吊下げアームの先端部と吊り金具とを回動自在に接続する接続金具を備え、扉体吊下げアーム、吊り金具及び接続金具の少なくともひとつに、扉体吊下げアームと扉体の開き角度が所定角度以上とならないように規制する規制部材が設けてあるため、扉体自体が波浪や強風にあおられても過度に揺れ動くことが防止される。
請求項3に係る発明によれば、請求項1又は2に係る発明による効果に加えて、ロッド部材が一方向への衝撃を吸収するダンパーであるため、簡単な構造により所期の目的を達成することができる。
請求項4に係る発明によれば、請求項1又は2に係る発明による効果に加えて、ロッド部材が伸縮ロッドの移動速度を制御可能な油圧シリンダーであるため、水位、波及び風等の状況に応じて、伸縮ロッドの動き易さや動き難さを変更することができる。
実施例1のフラップゲートの斜視図。 実施例1のフラップゲートを取り付けた流水路出口の斜視図。 実施例1のフラップゲートが浮力を受けていない時の状態を示す斜視図。 図3の状態におけるモーメントの関係を示す図。 実施例1のフラップゲートが浮力を受けている時の状態を示す斜視図。 図5の状態におけるモーメントの関係を示す図。 低水位におけるフラップゲートの様子を示す図。 水位上昇中におけるフラップゲートの様子を示す図。 高水位で上流水位≒下流水位である時のフラップゲートの様子を示す図。 図9の状態におけるモーメントの関係を示す図。 高水位で上流水位>下流水位である時のフラップゲートの様子を示す図。 図11の状態におけるモーメントの関係を示す図。 高水位で上流水位<下流水位である時のフラップゲートの様子を示す図。 高水位で下流側に波がある時のフラップゲートの様子を示す図。 両ロッド式油圧シリンダーの作動速度制御機能回路を示す図。 伸縮ロッドの伸縮時における作動速度制御機能回路の動作説明図。 実施例2の接続金具による扉体吊下げアームの先端部と吊り金具との接続関係を示す図。 実施例2の接続金具によって扉体吊下げアーム及び扉体の動きが規制される様子を示す図。 低水位において扉体の上流側への動きが規制される様子を示す図。 実施例3の両ロッド式油圧シリンダーによる作動速度制御機能回路。
以下、実施例によって本発明の実施形態を説明する。
実施例1のフラップゲートの斜視図を図1に、同フラップゲートを取り付けた流水路出口の斜視図を図2に示す。
実施例1のフラップゲートは、図1、2に示すように、扉体1と流水路Aの出口に扉体1を回動自在に懸垂する上部ヒンジ機構よりなっている。
そして、扉体1は、図1、2に示すように流水路Aの出口より少し大きい面を有する直方体形状のものであり、その流水路側になる面の周囲に水密ゴム11、下部にフロート室12、上縁部に吊り金具13が設けてある。
また、上部ヒンジ機構は、アーム軸2、両ロッド式油圧シリンダー3及びカウンタウェイト4等よりなり、アーム軸2は流水路Aの出口より下流側の上方に固定された一対のアーム軸受24に回動可能に支持され、両ロッド式油圧シリンダー3は一方のアーム軸受24より下流側の下方に油圧シリンダー軸受31によって回動可能に固定されている。
アーム軸2には、一対の扉体吊下げアーム21、ウェイトアーム22及びロッドアーム23が固定され、扉体吊下げアーム21の先端部には吊り金具13と接続金具14を介して扉体1が回動自在に懸垂してあり、ウェイトアーム22の先端部にはカウンタウェイト4が回動自在に懸垂してあり、ロッドアーム23の先端部には両ロッド式油圧シリンダー3が有する伸縮ロッド32の先端部が回動自在に接続してある。
扉体1に浮力が働かない時(流水路A内及び出口より下流側の水位が非常に低い時)においては、図3及び図4に示す位置関係でアーム軸2に発生する左回転モーメントと右回転モーメントが釣り合うようになっており、扉体1は戸当金物5から下流方向に移動した位置において懸垂された状態となる。
ここで、左回転モーメントは扉体1の総重量W1によってアーム軸2に発生する回転モーメントM1、右回転モーメントはカウンタウェイト4の重量W2によってアーム軸2に発生する回転モーメントM2であり、扉体吊下げアーム21の先端部とアーム軸2の中心との水平距離をL1、ウェイトアーム22の先端部とアーム軸2の中心との水平距離をL2(図4参照)とすれば、M1=W1×L1、M2=W2×L2となる。
また、油圧シリンダー抵抗及び軸受け摩擦抵抗による抵抗モーメントM3は、回転を妨げる方向に作用するので、右回転及び左回転に対する抵抗モーメントを同じだとすれば、扉体1とカウンタウェイト4が釣り合って静止している状態における左回転モーメントと右回転モーメントの関係を示す式(1)は次のとおりとなる。
M2−M3≦M1≦M2+M3・・・・式(1)
そして、扉体1に浮力が働かない状態でL1が大きい時(扉体1が閉鎖位置に近い時)にはM1>M2+M3となるようにしてあるので、アーム軸2は左回転して扉体吊下げアーム21の先端部を下流方向に移動させ、懸垂している扉体1を戸当金物5より下流側に移動させる。
そうすると、扉体1が出口を開放する方向へ動いてL1が小さくなり、M1=M2+M3となったところ(図3及び図4の状態)で釣り合って静止することとなる。
さらに、図3及び図4の状態から、扉体1に浮力が働く(流水路A内及び下流側の水位が高くなる)ことによってM1<M2−M3となれば、アーム軸2は右回転して扉体吊下げアーム21の先端部を上流方向に移動させ、懸垂している扉体1を戸当金物5に接近させる。
そして、流水路A内及び下流側の水位がフロート室12の上部に達した時、閉鎖位置で右回転モーメントM2’が左回転モーメントM1’と抵抗モーメントM3の和以上となるようにしてある。
すなわち、図5及び図6に示す位置関係における扉体1の重量(総重量−浮力)をW1’、扉体吊下げアーム21の先端部とアーム軸2の中心との水平距離をL1’、ウェイトアーム22の先端部とアーム軸2の中心との水平距離をL2’(図6参照)とすれば、M1’=W1’×L1’、M2’=W2×L2’となるが、流水路A内の水位ア及び下流側の水位イがフロート室12の上部を越えるとM1’≦M2’−M3となるようにしてあるので、流水路A内の水位ア及び下流側の水位イがフロート室12の上部に達すると、扉体吊下げアーム21の先端部がアームストッパー51に当接した状態で、懸垂された扉体1の4辺に設けてある水密ゴム11が戸当金物5に接し、ゲート全閉状態となる。
そして、扉体1が全閉状態に保たれている時の左回転モーメントと右回転モーメントの関係を示す式(2)は次のとおりとなる。
M1’≦M2’+M3・・・・・・・・式(2)
したがって、その後水位が下がって浮力が働かなくなり、M1’>M2’+M3となったところで、アーム軸2は左回転して扉体1が出口を開放する方向へ動くこととなる。
次に、流水路A内及び下流側の水位、流水路A内と下流側との水位差及び下流側の波や風の影響と扉体1の動きとの関係について詳しく述べる。
図7は流水路A内及び出口より下流側の水位が非常に低い時の様子を示す図であり、扉体1に浮力が働かないので、上述のとおり扉体1は戸当金物5から下流方向に移動した位置において懸垂された状態となっている。
そのため、流水路Aは開放され上流からの水流は円滑に下流方向に流れる。
また、扉体1が流下物の障害となり難いため、流木や土砂が円滑に流下され易く、流水路Aの出口付近における流木や土砂の堆積発生を抑制する。
図8は水位上昇中におけるフラップゲートの様子を示す図であり、上述のとおり扉体1に浮力が働くことによってM1<M2−M3となり、M1=M2−M3となる位置までアーム軸2が右回転(矢印aの方向に回転)して静止するが、出口からは少し離れているので、上流からの排水eは継続される。
図9は流水路A内の水位ア及び出口より下流側の水位イが高く(フロート室12の上部以上)、流水路A内と下流側との水位差がほとんどない時におけるフラップゲートの様子を示す図であり、上述のとおり扉体1に浮力が働くことによって扉体1の全閉位置においてM1’≦M2’−M3となるため、扉体1は全閉位置で静止した状態となる。
また、図10に示すように、扉体1が全閉位置にある時には浮力荷重Fは吊り芯鉛直線Sより戸当金物5側に作用するようになっている。
この作用により、浮力による回転モーメントが扉体1を戸当金物5に圧着する方向に働くので、扉体1の閉鎖状態が維持され易い。
図11は流水路A内及び出口より下流側の水位が高く、流水路A内の水位アが下流側の水位イより高い時におけるフラップゲートの様子を示す図である。
上述のとおり流水路A内及び出口より下流側の水位が上がると扉体1は一旦全閉位置で静止した状態となるが、その後流水路Aの上流から水が流れ込んで流水路A内の水位アが下流側の水位イより高くなると、水圧差により扉体1が右方向に押されて扉体吊下げアーム21の先端部を中心に左回転し、扉体1の下部が開いて排水され流水路A内と下流側との水位差Δhが小さくなるようになっている。
そして、水位差がほとんどなくなり扉体1を右方向に押す力が弱くなると、扉体1は全閉位置に戻ることとなる。
また、図12に示すように、扉体1が開放作動する時には浮力荷重Fは吊り芯鉛直線Sより下流側に作用するようになっているので、扉体1が開き易く排水時水位差Δhを早く小さくすることができる。
ただし、排水時水位差Δhが小さくなったら、扉体1が閉鎖する方向に動くようにするため、扉体重量Wgによる閉鎖方向の回転モーメントM4(Wg×L3)は、浮力Fによる開放方向の回転モーメントM5(F×L4)より常に大となるように設定されている。
なお、L3は扉体1の重心と吊り金具13の中心との水平距離、L4は浮力中心と吊り金具13の中心との水平距離である。
図13は流水路A内及び出口より下流側の水位が高く、流水路A内の水位アが下流側の水位イより低い時におけるフラップゲートの様子を示す図である。
上述のとおり浮力が働くことによって扉体1は全閉位置となり、かつ、閉鎖状態が維持され易くなっている上に、水位差水圧により扉体1は戸当金物5側に圧着されるので、確実な止水を行うことができる。
図14は流水路A内及び出口より下流側の水位が高く、下流側に波がある時におけるフラップゲートの様子を示す図である。
上述のとおり流水路A内及び出口より下流側の水位が上がると扉体1は一旦全閉位置で静止した状態となるが、下流側の波によって扉体1が開放される方向に大きな力を受ける場合がある。
しかし、後述するように両ロッド式油圧シリンダー3の伸縮ロッド32は、アーム軸2が左回転し扉体1が開く方向(伸びる方向)に対しては動き難く、逆にアーム軸2が右回転し扉体1が閉まる方向(縮む方向)に対しては動き易く制御されるようになっているので、一旦扉体1が閉まった後は扉体吊下げアーム21が開放側には回転し難く、波によって扉体1が大きな力を受けても扉体1が大きく揺れ動く現象を抑制することができる。
図15は両ロッド式油圧シリンダー3の伸縮ロッド32を、伸びる方向に対しては動き難く縮む方向に対しては動き易く制御するための、作動速度制御機能回路を示す図である。
作動速度制御機能回路は、前方油室3aに接続される前方配管3c、後方油室3bに接続される後方配管3d、前方配管3cと後方配管3dとの間に接続される流量制御部6からなり、流量制御部6は伸方向逆止弁61と伸方向流量制御弁62及び縮方向逆止弁63と縮方向流量制御弁64を並列に配置している。
図16は作動速度制御機能回路の動作を説明する図である。
図16(a)は伸縮ロッドが外力によって矢印h方向(伸びる方向)に引き出される時の動作を説明する図であり、両ロッド式油圧シリンダー3の前方油室3aから作動油が吐出され、矢印iの流れ方向で伸方向流量制御弁62、伸方向逆止弁61を通過して、後方油室3bに送油されるようになっている。
そのため、伸方向流量制御弁62の絞りによる通過流量設定で、伸縮ロッドが矢印h方向に引き出される作動速度を設定できるのである。
図16(b)は伸縮ロッドが外力によって矢印j方向(縮む方向)に押し込まれる時の動作を説明する図であり、両ロッド式油圧シリンダー3の後方油室3bから作動油が吐出され、矢印kの流れ方向で縮方向流量制御弁64、縮方向逆止弁63を通過して、前方油室3aに送油されるようになっている。
そのため、縮方向流量制御弁64の絞りによる通過流量設定で、伸縮ロッドが矢印j方向に押し込まれる作動速度を設定できるのである。
実施例2のフラップゲートにおいて、接続金具17による扉体吊下げアーム21の先端部と吊り金具13との接続関係を図17(a)及び(b)に示す。
実施例2のフラップゲートは、接続金具17、扉体1の上縁及び扉体吊下げアーム21の先端部の構造だけが異なっており、他の構成は実施例1のフラップゲートと全く同じであるので、他の部材についての説明は省略し、実施例1と変わっていない箇所については、実施例1と同じ番号を用いることとする。
実施例2の接続金具17は、上流側を長辺、下流側を短辺とした四角形状の金具であり、その上辺側と下辺側に吊りピン16を受け入れる穴を有している。
また、扉体1の上縁にある吊り金具13の上流側には扉体側支圧金物15が設置され、扉体吊下げアーム21の上流側にはアーム側支圧金物25が設置されている。
実施例2のフラップゲートは、接続金具17、扉体側支圧金物15及びアーム側支圧金物25を備え、図18(a)及び(b)に示すように接続金具17の上辺の上流側がアーム側支圧金物25に当接するので、扉体吊下げアーム21は矢印f2方向にしか回転作動できず、また、接続金具17の下辺の上流側が扉体側支圧金物15に当接するので、扉体1は矢印f1方向にしか回転作動できないようになっている。
そのため、実施例2のフラップゲートは、図19に示すように水位が低く扉体1の重量とウェイト4の重量が釣り合っている状態において、扉体1の下部が上流側に動き難く、下流側への移動も上述のとおり緩やかな速度に制御されるので、戸当金物5に対する繰り返しの激しい衝突が発生する危険性は小さくなる。
図20は実施例3のフラップゲートにおいて、両ロッド式油圧シリンダー3の伸縮ロッド32の動きを制御するための操作回路を付加した作動速度制御機能回路を示す図である。
実施例3の作動速度制御機能回路は、実施例1の作動速度制御機能回路に加えて、前方配管3cの端部に圧力計73、流量制御弁66及びパイロット付逆止弁67を設け、後方配管3dの端部に、圧力計74、ストップ弁65、流量制御弁66及びパイロット付逆止弁67を設け、パイロット付逆止弁67の端部に方向制御弁68を接続し、方向制御弁68の端部に手動油圧ポンプ69、フィルター70、リリーフ弁71及び作動油タンク72を接続したものである。
実施例3の作動速度制御機能回路は、上記のように構成されているので、ストップバルブ65を閉めて作動速度制御機能を停止した後、方向制御弁68を操作し油圧ポンプ69により圧油を供給して後方油室3bに作動油を供給すれば、伸縮ロッド32を伸長作動させることができる。
また、ストップバルブ65を閉めて作動速度制御機能を停止した後、方向制御弁68を操作し油圧ポンプ69により圧油を供給して前方油室3aに作動油を供給すれば、伸縮ロッド32を縮む方向に作動させることができる。
したがって、扉体1の開閉を遠隔操作することが可能となる。
実施例1及び2の変形例を列記する。
(1)実施例1においては、扉体1を一対の扉体吊下げアーム21の先端部に吊り金具13と接続金具14を介して回動自在に懸垂したが、扉体吊下げアーム21の先端部と吊り金具13を直接回動自在に接続しても良い。
また、吊り金具13と扉体吊下げアーム21は一対に限らず1つでも良く、3つ以上設けても良い。
(2)実施例1においては、カウンタウェイト4をウェイトアーム22の先端部に回動自在に懸垂したが、カウンタウェイト4は回動自在に懸垂せずにウェイトアーム22の先端付近に動かないように固定しても良い。
(3)実施例1においては、両ロッド式油圧シリンダー3を一方のアーム軸受24より下流側の下方に固定したが、ロッドアーム23の動きに追随できるアーム軸受24の近傍であればどこに固定しても良い。
例えば、ロッドアーム23が実施例1の位置に設置されている場合、アーム軸受24より下流側の上方であっても上流側の上方であっても良い。
(4)実施例1においては、ロッドアーム23の先端部はアーム軸2の中心より下流側に位置するようにしたが、アーム軸2の中心より上流側に位置するようにしても良い。
(5)実施例1においては、伸縮ロッド32をアーム軸2が左回転し扉体1が開く方向(伸びる方向)に対しては動き難く、逆にアーム軸2が右回転し扉体1が閉まる方向(縮む方向)に対しては動き易く制御するため、両ロッド式油圧シリンダー3を採用し、流量制御部6により伸縮ロッド32の速度を制御できるようにしたが、両ロッド式油圧シリンダー3に代えて、伸縮ロッドが伸びる方向に対しては動き難く縮む方向に対しては動き易く構成されている周知の伸長時用衝撃吸収機能を有するダンパーを採用しても良い。
なお、アーム軸2が左回転し扉体1が開く方向を縮む方向、アーム軸2が右回転し扉体1が閉まる方向を伸びる方向となるように伸縮ロッド32を配置した場合には、伸縮ロッド32が伸びる方向に対しては動き易く縮む方向に対しては動き難いものとすれば良い。
(6)実施例2においては、接続金具17を上流側が長辺、下流側が短辺の四角形状とするとともに、扉体側支圧金物15とアーム側支圧金物25を設置したが、扉体側支圧金物15やアーム側支圧金物25に代えて、接続金具17の下辺の上流側に扉体1の上縁に当接する突起、上辺の上流側に扉体吊下げアーム21の先端部に当接する突起を設けても良い。
また、接続金具は実施例1のままとし、扉体1の上縁から上方に突出して接続金具14に当接可能な突出部や扉体吊下げアーム21の先端部から下方に突出して接続金具14に当接可能な突出部を設けても良い。
1 扉体 2 アーム軸 3 両ロッド式油圧シリンダー
3a 前方油室 3b 後方油室 3c 前方配管 3d 後方配管
4 カウンタウェイト 5 戸当金物 6 流量制御部
11 水密ゴム 12 フロート室 13 吊り金具
14、17 接続金具 15 扉体側支圧金物 16 吊りピン
21 扉体吊下げアーム 22 ウェイトアーム 23 ロッドアーム
24 アーム軸受 25 アーム側支圧金物
31 油圧シリンダー軸受 32 伸縮ロッド
51 アームストッパー 61 伸方向逆止弁 62 伸方向流量制御弁
63 縮方向逆止弁 64 縮方向流量制御弁 65 ストップ弁
66 流量制御弁 67 パイロット付逆止弁 68 方向制御弁
69 手動油圧ポンプ 70 フィルター 71 リリーフ弁
72 作動油タンク 73、74 圧力計
A 流水路 e 排水 F 浮力
Δh 排水時水位差 S 吊り芯鉛直線
ア 流水路A内の水位 イ 下流側の水位
L1、L1’ 扉体吊下げアーム21の先端部とアーム軸2の中心との水平距離
L2、L2’ ウェイトアーム22の先端部とアーム軸2の中心との水平距離
L3 扉体1の重心と吊り金具13の中心との水平距離
L4 浮力中心と吊り金具13の中心との水平距離
M1、M1’ 左回転モーメント M2、M2’ 右回転モーメント
M3 抵抗モーメント M4 扉体重量Wgによる閉鎖方向の回転モーメント
M5 浮力Fによる開放方向の回転モーメント
W1 扉体1の総重量 W1’ 扉体1の重量(総重量−浮力)
W2 カウンタウェイト4の重量 Wg 扉体重量
h 伸びる方向 i、k 流れ方向 j 縮む方向

Claims (4)

  1. 流水路の出口に扉体が上部ヒンジ機構により懸垂された状態で設置され、流水路上流側からの流水に対して前記扉体が河川方向に回動して前記流水路を開放し、河川側からの逆流水に対して前記扉体が流水路方向に回動して止水するフラップゲートにおいて、
    前記扉体には、上縁部に吊り金具、下部にフロート室を設け、
    前記上部ヒンジ機構は、前記出口より下流側の上方に固定された一対のアーム軸受と、該アーム軸受に回動可能に支持されたアーム軸と、カウンタウェイトと、前記アーム軸受の近傍に固定されるロッド部材を備え、
    前記アーム軸には、扉体吊下げアーム、ウェイトアーム及びロッドアームが固定されており、
    前記扉体吊下げアームの先端部に、前記吊り金具を介して前記扉体を回動自在に懸垂し、
    前記ウェイトアームの先端部に、前記カウンタウェイトを設置し、
    前記ロッドアームの先端部に、前記ロッド部材が有する伸縮ロッドの先端部を回動自在に接続し、
    前記伸縮ロッドは、前記アーム軸の回動に伴って伸縮し、かつ、前記扉体を懸垂する前記扉体吊下げアームの先端部が前記流水路の上流方向に移動する回転方向のときは動き易く、前記扉体を懸垂する前記扉体吊下げアームの先端部が前記流水路の下流方向に移動する回転方向のときは動き難い
    ことを特徴とするフラップゲート。
  2. 前記扉体吊下げアームの先端部と前記吊り金具とを回動自在に接続する接続金具を備え、
    前記扉体吊下げアーム、前記吊り金具及び前記接続金具の少なくともひとつに、前記扉体吊下げアームと前記扉体の開き角度が所定角度以上とならないように規制する規制部材が設けてある
    ことを特徴とする請求項1に記載のフラップゲート。
  3. 前記ロッド部材は、一方向への衝撃を吸収するダンパーである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のフラップゲート。
  4. 前記ロッド部材は、前記伸縮ロッドの移動速度を制御可能な油圧シリンダーである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のフラップゲート。
JP2015256912A 2015-12-28 2015-12-28 フラップゲート Pending JP2017119983A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015256912A JP2017119983A (ja) 2015-12-28 2015-12-28 フラップゲート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015256912A JP2017119983A (ja) 2015-12-28 2015-12-28 フラップゲート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017119983A true JP2017119983A (ja) 2017-07-06

Family

ID=59272052

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015256912A Pending JP2017119983A (ja) 2015-12-28 2015-12-28 フラップゲート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017119983A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107655628A (zh) * 2017-09-29 2018-02-02 武汉船用机械有限责任公司 一种可调螺距螺旋桨轴的静平衡试验装置和方法
CN109723042A (zh) * 2019-03-14 2019-05-07 江苏建筑职业技术学院 一种排水箱涵防回淤设施
CN110185009A (zh) * 2019-06-23 2019-08-30 李孝兵 联动式翻倒闸
CN115874586A (zh) * 2023-03-03 2023-03-31 山西润潞碧水环保科技股份有限公司 一种水利设施清淤装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107655628A (zh) * 2017-09-29 2018-02-02 武汉船用机械有限责任公司 一种可调螺距螺旋桨轴的静平衡试验装置和方法
CN107655628B (zh) * 2017-09-29 2019-09-10 武汉船用机械有限责任公司 一种可调螺距螺旋桨轴的静平衡试验装置和方法
CN109723042A (zh) * 2019-03-14 2019-05-07 江苏建筑职业技术学院 一种排水箱涵防回淤设施
CN110185009A (zh) * 2019-06-23 2019-08-30 李孝兵 联动式翻倒闸
CN110185009B (zh) * 2019-06-23 2023-08-15 李孝兵 联动式翻倒闸
CN115874586A (zh) * 2023-03-03 2023-03-31 山西润潞碧水环保科技股份有限公司 一种水利设施清淤装置
CN115874586B (zh) * 2023-03-03 2023-04-28 山西润潞碧水环保科技股份有限公司 一种水利设施清淤装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017119983A (ja) フラップゲート
JP5905152B1 (ja) フラップゲート
JP5503072B1 (ja) フラップゲート
KR101355949B1 (ko) 플랩게이트
JP5333872B2 (ja) 水門
JP5503074B1 (ja) フラップゲート
KR101973393B1 (ko) 저수용 펌프일체형수문
JP6114169B2 (ja) フラップゲート
JP6901941B2 (ja) フラップゲート
JP5503075B1 (ja) フラップゲート
JP6405006B1 (ja) 津波用および高潮用フラップゲート
JP2012057322A (ja) フラップゲート
TW202018149A (zh) 油壓控制裝置
JPH11269857A (ja) フロート式フラップゲート
JP7256533B2 (ja) フラップゲート用ヒンジ装置
JP2023082566A (ja) 油圧制御装置
US1276053A (en) Drainage-gate.
RU2743585C1 (ru) Вододействующий затвор
JP5672559B2 (ja) 起伏型自動ゲート設備の油圧制御回路
KR100608336B1 (ko) 수압식 무동력 자동 수문장치와 이를 이용한 보
JP7053060B2 (ja) フラップゲート
JP2004285672A (ja) フラップゲート
JP2002348841A (ja) フラップ弁
KR101397628B1 (ko) 2중회동링크형 플랩밸브
KR200351893Y1 (ko) 수압식 무동력 자동 수문장치와 이를 이용한 보