JP2014073605A - インクジェット記録材料の製造方法 - Google Patents

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貴之 森川
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Abstract

【課題】気相法シリカと、アルミナあるいはアルミナ水和物を含有するインク受容層を有するインクジェット記録材料が有する優れたインク吸収性を低下させることなく、塗布液が安定で塗布欠陥の少ないインクジェット記録材料の製造方法を提供する。
【解決手段】支持体上に気相法シリカと、アルミナあるいはアルミナ水和物を含有するインク受容層を塗設するインクジェット記録材料の製造方法であって、気相法シリカを含有する液とアルミナあるいはアルミナ水和物を含有する液をインライン混合して塗布液とし、次いでインク受容層を塗設することを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、支持体上に気相法シリカと、アルミナあるいはアルミナ水和物を含有するインク受容層を塗設するインクジェット記録材料の製造方法に関する。
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される、支持体上に非晶質シリカ等の顔料とポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク受容層を設けてなる記録材料が知られている。
例えば、特公平3−56552号公報、特開平2−188287号公報、特開平10−81064号公報、特開平10−119423号公報、特開平10−175365号公報、特開平10−203006号公報、特開平10−217601号公報、特開平11−20300号公報、特開平11−20306号公報、特開平11−34481号公報、特開2000−211235号公報等には気相法シリカを用いた記録材料が、また、特開昭62−174183号公報、特開平2−276670号公報、特開平5−32037号公報、特開平6−199034号公報等にはアルミナやアルミナ水和物を用いた記録材料が開示されている。
アルミナ、アルミナ水和物、及び気相法シリカは、一次粒子の平均粒子径が数十nm以下の超微粒子であり、高い光沢と高いインク吸収性が得られるという特徴から写真出力用途等の高画質が要求されるインクジェット記録材料に広く用いられている。一般に気相法シリカを主体とするインク受容層はインク吸収性、塗層強度に優れるものの耐滲み性に劣り、アルミナ及びアルミナ水和物を主体とするインク受容層は光沢、耐滲み性に優れるもののインク吸収性、塗層強度に劣るという課題を有している。そこで、両者を併せて用いることで互いの弱点を補いバランスのとれたインク受容層とする検討も広く行われている。
例えば、特開平5−24336号公報、特開平6−270530号公報等にインク吸収性を向上するために擬ベーマイトからなる多孔質層にシリカ粒子を導入した技術が、特開2001−1630号公報には50nm以下の気相法シリカ微粒子とアルミナ微粒子を含有するインクジェット記録材料の技術が、また、特開2003−291510号公報、特開2003−335049号公報、特開2005−262602号公報(特許文献1)、特開2012−106482号公報(特許文献2)等にシリカ微粒子とアルミナ又はアルミナ水和物の両方を含有するインク受容層に関する技術が開示されている。しかしながら、気相法シリカと、アルミナあるいはアルミナ水和物を含有する塗布液を長時間保存した場合(例えば、数千メートルの長尺の支持体に対して該塗布液を長時間に渡って塗布し続けた場合)、塗布液の粘度が変化し、塗布欠陥が生じる場合があり改善が求められていた。
特開2005−262602号公報 特開2012−106482号公報
本発明の目的は、気相法シリカと、アルミナあるいはアルミナ水和物を含有するインク受容層を有するインクジェット記録材料が有する優れたインク吸収性を低下させることなく、塗布液が安定で塗布欠陥の少ないインクジェット記録材料の製造方法を提供することである。
上記の課題は、以下の発明によって達成された。
1)支持体上に気相法シリカと、アルミナあるいはアルミナ水和物を含有するインク受容層を塗設するインクジェット記録材料の製造方法であって、気相法シリカを含有する液とアルミナあるいはアルミナ水和物を含有する液をインライン混合して塗布液とし、次いでインク受容層を塗設することを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法。
2)前記アルミナあるいはアルミナ水和物を含有する液がバインダー成分を実質的に含有しない、1)記載のインクジェット記録材料の製造方法。
本発明により、インク吸収性を低下させることなく、塗布液が安定で塗布欠陥の少ないインクジェット記録材料の製造方法を提供することができる。
本発明は気相法シリカと、アルミナあるいはアルミナ水和物を含有するインク受容層を有するインクジェット記録材料の製造方法であって、気相法シリカを含む液とアルミナあるいはアルミナ水和物を含む液をインライン混合により塗布の直前に混合することを特徴とする。気相法シリカと、アルミナあるいはアルミナ水和物は粒子の表面電位あるいは使用する分散剤等の違いにより、混合したまま長い期間経時させると凝集物の発生や塗布液の増粘等が生じる。本発明では気相法シリカを含有する液とアルミナあるいはアルミナ水和物を含有する液を塗布の直前にインライン混合することにより上記課題を解決し、生産安定性の向上に成功した。
本発明が対象とするインク受容層は、気相法シリカと、アルミナあるいはアルミナ水和物を含む。
気相法シリカは、乾式法シリカとも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって製造される。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからレオロシールとして市販されている。
本発明に用いられる気相法シリカは、平均一次粒子径が30nm以下のものが好ましい。より高い光沢を得るためには平均一次粒子径が3〜15nmでかつBET法による比表面積が200m/g以上(好ましくは250〜500m/g)の気相法シリカが好ましい。なお、本発明でいう平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径としてその平均値を求めたものである。また本発明でいうBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、すなわち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる。
気相法シリカは、カチオン性化合物の存在下で分散したものが好ましく使用できる。気相法シリカの平均二次粒子径は好ましくは500nm以下、より好ましくは10〜300nmである。分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。なお、本発明でいう平均二次粒子径とは、透過型電子顕微鏡による写真撮影で求めることができるが、簡易的にはレーザー散乱式の粒度分布計(例えば、(株)堀場製作所製LA920)を用いて、個数メジアン径として測定することができる。
気相法シリカの分散に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマー、水溶性多価金属化合物、あるいはシランカップリング剤が用いられる。これらのカチオン化合物の中でも特にカチオン性ポリマー及び水溶性多価金属化合物が好ましく、カチオン性ポリマーが特に好ましい。
本発明に用いられるカチオン性ポリマーとしては、4級アンモニウム塩、ホスホニウム基、あるいは1〜3級アミンの酸付加物を有する水溶性カチオン性ポリマーが挙げられる。例えば、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号公報、特開昭59−33176号公報、特開昭59−33177号公報、特開昭59−155088号公報、特開昭60−11389号公報、特開昭60−49990号公報、特開昭60−83882号公報、特開昭60−109894号公報、特開昭62−198493号公報、特開昭63−49478号公報、特開昭63−115780号公報、特開昭63−280681号公報、特開平1−40371号公報、特開平6−234268号公報、特開平7−125411号公報、特開平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが挙げられる。特に、ジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性及び分散液粘度の面で、これらのカチオン性ポリマーの質量平均分子量は2,000〜10万程度が好ましく、特に2,000〜3万程度が好ましい。カチオン性ポリマーの使用量は気相法シリカに対して1〜10質量%の範囲が好ましい。
水溶性金属化合物としては、例えば水溶性の多価金属塩が挙げられる。カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、チタン、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガン二水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)二水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、p−フェノールスルホン酸亜鉛、塩化チタン、硫酸チタン、乳酸チタン、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。
上記の水溶性多価金属化合物の中でも、アルミニウムもしくは周期律表4A族金属(例えばジルコニウム、チタン)からなる化合物が好ましい。特に好ましくは水溶性アルミニウム化合物である。水溶性アルミニウム化合物としては、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られており、好ましく用いられる。
前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物とは、主成分が下記の一般式1、2、または3で示され、例えば[Al(OH)153+、[Al(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al(OH)Cl6−n 一般式1
[Al(OH)AlCl 一般式2
Al(OH)Cl(3n−m) 0<m<3n 一般式3
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学工業(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市されており、各種グレードのものが容易に入手できる。
水溶性多価金属化合物の添加量は、気相法シリカに対して0.1〜10質量%の範囲が好ましい。
本発明に用いられるシランカップリング剤としては、特開2000−233572号公報に記載されており、それらの中からカチオン性のものを用いることができる。シランカップリング剤の添加量は、気相法シリカに対して0.1〜10質量%の範囲が好ましい。
本発明に用いられるアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で粉砕したものが使用できる。アルミナの平均二次粒子径は500nm以下であることが好ましく、より好ましくは20〜300nmである。
本発明に用いられるアルミナ水和物はAl・nHO(n=1〜3)の構成式で表される。本発明に使用されるアルミナ水和物はアルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。本発明に使用されるアルミナ水和物の平均二次粒子径は好ましくは500nm以下、より好ましくは20〜300nmである。
本発明に用いられる上記のアルミナあるいはアルミナ水和物の分散液を安定化させるためには、ゾルの解膠剤や粉末の分散剤として、種々の酸類が添加される。このような酸類として無機酸としては硝酸、塩酸、臭化水素酸等が挙げられ、有機酸としては乳酸、酢酸、蟻酸等が挙げられる。酸の添加量はAl換算100gに対して10〜120ミリモルが好ましく、20〜80ミリモルが特に好ましい。
本発明のインクジェット記録材料の製造方法において、気相法シリカを含有する液とアルミナあるいはアルミナ水和物を含有する液はインライン混合される。具体的には、気相法シリカやアルミナ水和物を含有する液が貯留される釜から塗布装置へ送液される経路で両者の液は混合される。インライン混合することにより、前記気相法シリカとアルミナあるいはアルミナ水和物の共存時間が短くなり、塗布液の粘度上昇を効果的に抑えることができる。混合用の装置としては、インラインミキサーやスタティックミキサーとして市販されている装置を用いることができる。例えば、Kenics社(アメリカ)製 スタティックミキサー、Sulger社(スイス)製 スタティックミキシングエレメントSMV型、晃立工業(株)製 シマザキパイプミキサー、東レ(株)製 Hi−Mixer、(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスタティックミキサーN10等がある。また、インライン動的ミキサーとしては、特開2000−271463号公報に記載のものを用いることができる。インライン混合後の塗布液は直ちに塗布されることが好ましい。具体的には、インライン混合してから塗布するまでの時間としては、5分以内が好ましく、2分以内が特に好ましい。
本発明においては気相法シリカと、アルミナあるいはアルミナ水和物を混合して用いるが、そのうち気相法シリカの比率は気相法シリカと、アルミナあるいはアルミナ水和物の総量に対して50%〜90%の範囲が好ましく、60%〜85%がより好ましい。上記範囲とすることでインク吸収性、滲み、ブロンズ等が改良される。
本発明のインク受容層の塗設に用いる塗布液は水溶性バインダーを含有することが好ましい。水溶性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸エステル系やそれらの誘導体が使用されるが、中でも完全または部分ケン化のポリビニルアルコールが好ましく、特にケン化度が80%以上のものが特に好ましい。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は500〜6000が好ましく、1000〜5000がより好ましい。
前記ポリビニルアルコールとしては、一般的なポリビニルアルコールに加え、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール及びその他ポリビニルアルコールの誘導体も含まれる。ポリビニルアルコールは1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
塗布液中における水溶性バインダーの含有量は、気相法シリカと、アルミナまたはアルミナ水和物の総量に対して3〜30質量%が好ましく、5〜25質量%が特に好ましい。特に気相法シリカと、アルミナまたはアルミナ水和物全体に対する気相法シリカの比率が70%以上の場合は、水溶性バインダー量は15質量%以上が好ましい。水溶性バインダーはインライン混合を行う液夫々に含有させてもよいが、インライン混合時の混ざりやすさの点からどちらか一方の塗布液のみに含有させることが好ましい。特に、アルミナあるいはアルミナ水和物を含む液には水溶性バインダーを実質的に含有させず、気相法シリカを含む液に全水溶性バインダーを含有させることが好ましい。これは、アルミナあるいはアルミナ水和物は気相法シリカに対して単位顔料量当たりの最適バインダー量が少ないため、全水溶性バインダーをアルミナまたはアルミナ水和物を含有する液に含有させると一時的に顔料量に対しバインダーが過剰となり塗布液の安定性を損なう場合があるためである。なお、水溶性バインダーを実質的に含有しないとは、アルミナまたはアルミナ水和物の含有量に対して2質量%未満であることを意味する。
本発明のインク受容層の塗設に用いる塗布液には水溶性バインダーとともに架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては公知の架橋剤が使用できるが、具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、米国特許第3,288,775号明細書記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号明細書記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号明細書記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号明細書記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号明細書記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号明細書記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号明細書記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸、ほう酸塩、ほう砂の如き無機架橋剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸あるいはほう酸塩が好ましい。架橋剤の添加量はインク受容層を構成する水溶性バインダーに対して、0.1〜40質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましい。
インク受容層の塗設に用いる塗布液には、さらに、界面活性剤、蛍光増白剤、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、pH調整剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
本発明のインクジェット記録材料には、上記のインク受容層に加え、さらに保護層や光沢発現層等の他の機能を有する層を設けてもよい。
本発明におけるインク受容層の乾燥塗布量としては、気相法シリカと、アルミナまたはアルミナ水和物の固形分として8〜40g/mが好ましく、10〜30g/mが特に好ましい。
本発明に用いられる支持体としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、セロファン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のフィルム、ポリオレフィン樹脂被覆紙等の非吸収性支持体、上質紙、アート紙、コート紙等の吸収性支持体等が用いられる。中でも、非吸収性支持体は高い光沢が得られる点で好ましいが、その反面、インク中の溶媒成分を吸収しない。このような非吸収性支持体上にはインク吸収性に優れる多孔質なインク受容層が好ましく用いられるが、本発明はこのような構成のインクジェット記録材料に特に有用である。これらの支持体の厚みは、約50〜300μm程度のものが好ましく使用される。
非吸収性支持体であるフィルムやオレフィン樹脂被覆紙を使用する場合に、インク受容層を設ける面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことができる。
支持体としてフィルムやオレフィン樹脂被覆紙を使用する場合、支持体はインク受容層を設ける面上に天然高分子化合物や合成樹脂を主体とする下引き層を有する支持体であることが好ましく、特にゼラチンを主体とする下引き層を有する支持体が好ましい。
下引き層の塗布量としては特に制限はないが、固形分塗布量で0.005〜2.0g/mの範囲が好ましく、0.01〜1.0g/mの範囲がより好ましく、0.02〜0.5g/mの範囲が特に好ましい。
本発明における支持体には、帯電防止、搬送性改善、カール防止などのために各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には無機及び有機の帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を適宜組み合わせて含有せしめることができる。
本発明において塗布方法は特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、バーコーティング方式等がある。上記塗布方法の中でも、特に前計量タイプであるスライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式が好ましく用いられる。
以下、本発明の実施例を示す。なお、部及び%は質量部、質量%を示す。
(実施例1)
[支持体の作製]
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5%添加し、水で希釈して0.2%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/mになるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙とした。抄造した基紙に、密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン100部の樹脂に対して、10%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、厚さ35μmになるように押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し、表面(インク受容層塗設面)とした。もう一方の面には密度0.962g/cmの高密度ポリエチレン樹脂70部と密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン樹脂30部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmとなるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し、裏面とした。
上記ポリオレフィン樹脂被覆紙の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層をゼラチンの付着量が50mg/mとなるように塗布乾燥した。
<下引き層>
ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 8部
[インクジェット記録材料の作製]
上記支持体上に、下記組成に調整したシリカ含有液1及びアルミナ水和物含有液1を、それぞれの1平方メートルあたりの湿分塗布量が175g及び20gとなるように流量設定し、インラインミキサーで混合した後、直ちにスライドビード塗布方式で下引き層上に塗布した。その後、30〜55℃の空気を順次吹き付けて乾燥し、実施例1のインクジェット記録材料を作製した。
[シリカ分散液の作製]
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、BET法による比表面積300m/g)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザー処理して、固形分濃度20質量%、平均二次粒子径は130nmの気相法シリカ分散液を作製した。
[アルミナ水和物分散液の作製]
水に解膠剤として硝酸をAl換算100gに対して25mmol添加した分散媒をディゾルバ(周速10m/s)で撹拌しながらアルミナ水和物(DISPERAL HP14、Sasol社製、平均一次粒子径14nm)を徐々に添加し、固形分濃度がAl換算で25%、平均二次粒子径が160nmのアルミナ水和物分散液を得た。
<シリカ含有液1>
シリカ分散液 (固形分として)80部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
液の濃度 12.0%
<アルミナ水和物含有液1>
アルミナ水和物分散液 (固形分として)20部
液の濃度 20.0%
(実施例2)
実施例1のシリカ含有液1及びアルミナ水和物含有液1を下記のシリカ含有液2及びアルミナ水和物含有液2に変更し、それぞれの1平方メートルあたりの湿分塗布量を81g及び114gとした以外は実施例1と同様にして実施例2のインクジェット記録材料を作製した。
<シリカ含有液2>
シリカ分散液 (固形分として)80部
液の濃度 20.0%
<アルミナ水和物含有液2>
アルミナ水和物分散液 (固形分として)20部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
液の濃度 7.7%
(実施例3)
実施例1のシリカ含有液1及びアルミナ水和物含有液1を下記のシリカ含有液3及びアルミナ水和物含有液3に変更し、それぞれの1平方メートルあたりの湿分塗布量を162g及び33gとした以外は実施例1と同様にして実施例3のインクジェット記録材料を作製した。
<シリカ含有液3>
シリカ分散液 (固形分として)80部
ほう酸 2.8部
ポリビニルアルコール 17部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
液の濃度 12.5%
<アルミナ水和物含有液3>
アルミナ水和物分散液 (固形分として)20部
ほう酸 0.2部
ポリビニルアルコール 3部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
液の濃度 14.5%
(実施例4)
実施例1のシリカ含有液1及びアルミナ水和物含有液1を下記のシリカ含有液4及びアルミナ水和物含有液4に変更し、それぞれの1平方メートルあたりの湿分塗布量を144g及び51gとした以外は実施例1と同様にして実施例4のインクジェット記録材料を作製した。
<シリカ含有液4>
シリカ分散液 (固形分として)50部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
液の濃度 10.3%
<アルミナ水和物含有液4>
アルミナ水和物分散液 (固形分として)50部
液の濃度 20.0%
(比較例1)
実施例1のシリカ含有液1及びアルミナ水和物含有液1の代わりに下記の塗布液1を用いて、1平方メートルあたりの湿分塗布量が195gとなるよう塗布した以外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録材料を作製した。
<塗布液1>
シリカ分散液 (固形分として)80部
アルミナ水和物分散液 (固形分として)20部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
塗布液の濃度 12.8%
得られた各々のシリカ含有液、アルミナ水和物含有液及び塗布液1や、これらを用いて製造されたインクジェット記録材料について下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
<塗布液安定性>
シリカ含有液、アルミナ水和物含有液及び塗布液1に関して、作製直後の40℃粘度(V0)と40℃で12時間経時後の40℃粘度(Vt)を、B型粘度計(No.2ロータ、60rpm)を用いて測定し、その比Vt/V0を下記の基準で分類し、塗布液の粘度安定性を評価した。なお、実施例1〜4についてはシリカ含有液とアルミナ水和物含有液のそれぞれについて評価し、より悪い方の結果を表に記載した。
◎;Vt/V0が1.4未満。
○;Vt/V0が1.4以上、1.6未満。
△;Vt/V0が1.6以上、1.8未満。
×;Vt/V0が1.8以上。
<表面欠陥>
長尺支持体に連続塗布した場合を想定し、調液後12時間経過後の液を用いて製造した記録材料のインク受容層塗布面を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○;表面欠陥や塗布筋が認められない。良好な塗布面を形成。
△;微小な表面欠陥や薄い筋が僅かに認められるが、実使用上問題無し。
×;凝集物に起因する微小な表面欠陥や塗布筋が多数認められる。
<インク吸収性>
市販のインクジェットプリンター(キヤノン社製PIXUS MP990)にて30℃80%RH(条件A)環境下、及び23℃50%RH(条件B)環境下でグリーンのベタ印字を行い、ベタ印字部のインク吸収の程度を目視にて観察し、下記の基準で判定した。
○;条件A、条件Bともムラが見られない。
△;条件Aではムラが確認できるが、条件Bではムラが見られない。
×;条件A、条件Bともムラが確認できる。
表1から、本発明によりインク吸収性を低下させることなく、塗布液が安定で塗布欠陥の少ないインクジェット記録材料を製造することが可能となることがわかる。

Claims (2)

  1. 支持体上に気相法シリカと、アルミナあるいはアルミナ水和物を含有するインク受容層を塗設するインクジェット記録材料の製造方法であって、気相法シリカを含有する液とアルミナあるいはアルミナ水和物を含有する液をインライン混合して塗布液とし、次いでインク受容層を塗設することを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法。
  2. 前記アルミナあるいはアルミナ水和物を含有する液がバインダー成分を実質的に含有しない、請求項1記載のインクジェット記録材料の製造方法。
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