JP2014073372A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定領域に遊技球が達することにより、高確率状態に移行することが確定する遊技機を、1個の大入賞口にて実現することを可能にする。
【解決手段】
大当り後に高確率状態を付与する大当りにおいては、大入賞口を確変態様にて動作させると、大入賞口に入球した遊技球は開放されたシャッターを経て確変口に到達する。大当り後に高確率状態を付与しない大当りにおいては、大入賞口を非確変態様にて動作させ、大入賞口に入球した遊技球は閉鎖されたシャッターに阻まれて確変口に到達できない。従って、大当り後に高確率状態を付与するか否かを1個の大入賞口により、実現することができる。しかも、図柄に応じて大入賞口の開閉態様を変更するので、第1図柄か第2図柄かに応じて、高確率状態となる確率を異ならせることも可能である。
【選択図】 図9

Description

本発明は、大当り中に大入賞口内部に設けられた特定領域に遊技球が入球することで大当り終了後の当り確率が設定される遊技機に関するものである。
従来、遊技機であるパチンコ機には、始動口への入球に起因して抽出された乱数値に基づいて、大当り遊技を生起するか否かを判定し、該判定が大当たりであった場合、当否判定処理内で大当り遊技終了後の遊技状態を決定(例えば、大当り終了後に大当りとなる確率が高い確率変動状態(確変状態あるいは単に確変ともいう)を付与するか否かを決定)するものが多い。
しかし、この種のパチンコ機では、確変状態を付与するか否かが大当り遊技前に既に決定されているため、大当り遊技中における遊技球の帰趨に面白みは無く、単に大量に賞球を得るための作業でしかなく、興趣に欠けた。
そこで、遊技盤に大当り遊技時に開放する大入賞口として特定領域を有するものと特定領域のない2種類の大入賞口を設けておき、大当り遊技の判定については前記乱数値に基づいて判定するが、大当り遊技終了後の遊技状態に関しては、前記特定領域の無い大入賞口を開放する大当り遊技の基本態様動作の実行後に前記特定領域を有する大入賞口を開放する条件態様動作を実行し、前記特定領域へ遊技球が入球したか否かにより確率変動を付与するか否かを決定する遊技機が提案されている(特許文献1)。
特開2006−025923号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明によれば、大入賞口が2個必要という欠点がある。近年の演出図柄表示装置(主に液晶表示装置)の大画面化や、それに伴うセンター役物の巨大化により、遊技球が転動可能な箇所が限られ、遊技球の挙動を楽しみにくくなる。また大入賞口を複数備えることにより、遊技機の構成やその制御が複雑化するという課題もある。
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、特定領域に遊技球が達することにより、高確率状態に移行することが確定する遊技機を、1個の大入賞口にて実現することを可能にすることを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の請求項1記載の遊技機は、遊技領域に設けられた第1始動口と、前記遊技領域に設けられ、前記第1始動口とは異なる第2始動口と、前記第1始動口または前記第2始動口への入賞に起因して当否乱数および図柄乱数を抽出する乱数抽出手段と、前記当否乱数に基づいて、複数のラウンドからなる大当り遊技を生起するか否かの当否判定を、通常遊技状態または該通常遊技状態よりも当選確率の高い高確率状態の何れかの遊技状態で行なう当否判定手段と、前記図柄乱数に基づいて前記大当り遊技を生起するか否かを報知する図柄を決定する図柄決定手段と、前記遊技領域に設けられ、前記大当り遊技において、前記ラウンドの発生に同期して開閉動作を行なう大入賞口と、少なくとも前記大入賞口への入球に対して賞球を払い出す払出制御装置と、前記大入賞口に入球した遊技球が到達可能な確変口と、前記大入賞口の内部から確変口に至る経路に介在して、前記ラウンドの発生に同期して該経路の開閉動作をする部材であって、当該部材が開放すると前記確変口へ遊技球が到達可能となり、当該部材が閉鎖すると前記確変口へ遊技球が到達不可能となるシャッターと、前記確変口への遊技球の到達を検出する確変口到達検出手段と、該確変口到達検出手段により前記確変口への遊技球の到達が検出されると、前記大当り遊技後を前記高確率状態とし、1回の大当り遊技において前記確変口への遊技球の到達が検出されないと前記大当り遊技後を前記通常状態とする確率制御手段と、前記大当り遊技における前記大入賞口の開閉動作の態様を決定する開閉態様決定手段とを備え、該開閉態様決定手段により決定される前記開閉動作の態様には、開放された前記大入賞口に入球した遊技球が開放された前記シャッターを経て前記確変口に入球可能な確変態様と、開放された前記大入賞口に入球した遊技球が閉鎖された前記シャッターに阻まれて前記確変口に入球不可能な非確変態様とが存在し、前記開閉態様決定手段は、前記図柄に応じ、前記確変態様および前記非確変態様の何れを前記大入賞口の開閉動作の態様にするかを決定するものである。
そして更に、前記シャッターの動作は、各ラウンドに対応する期間を前後に2分してなる許可期間と禁止期間とを有し、前記確変態様は、前記許可期間に遊技球が到達可能なタイミングで前記大入賞口が開放するものであり、前記非確変態様では、前記許可期間に遊技球が到達不可能なタイミングで大入賞口が開放するものである。
更に、前記許可期間は、前記各ラウンドに対応する期間の後半に位置し、前記確変態様は、該許可期間に対応する期間、大入賞口を開放するものである。
更に、前記確変態様は、前記各ラウンドに対応する期間の前半において開閉動作を繰り返す。
更に、前記図柄決定手段により決定された図柄の演出用の図柄を表示する演出図柄表示装置を備え、大当り遊技は当該大当り遊技を構成するラウンド数の異なるものが複数種類存在し、該複数種類の大当り遊技の中には、大当り遊技の最終ラウンドでのみ確変態様を行なう可能性のある標準大当りと、該標準大当りよりも多いラウンド数からなり、最終ラウンドでのみ確変態様を行なう可能性のある多ラウンド大当りとが存在し、更に該多ラウンド大当りでは、前記標準大当りの最終ラウンドと同じラウンドにおいて、該ラウンドに対応する期間の前半では開閉動作を繰り返し、該期間の後半では大入賞口を開放しない開放態様を行ない、前記演出図柄表示装置には、生起された大当り遊技が前記標準大当りか前記多ラウンド大当りの何れであるかが、報知されないことを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記各ラウンドは、最大時間および規定数が設定されており、当該ラウンドにおける大入賞口への入球数が前記規定数に達すると、前記最大時間の経過を待たず、且つ前記開閉態様決定手段によって決定された開閉態様に係わらず、前記大入賞口を閉鎖状態として該ラウンド中は再び大入賞口を開放せず、前記シャッターの開閉動作は、各ラウンドにおける大入賞口への入球数が前記規定数に達すると、動作を中断することを特徴とする。
請求項1に記載の遊技機においては、大当り遊技は複数のラウンドから構成されている。各ラウンドの発生に同期して大入賞口が開閉される。これは、「ラウンドの発生と共に大入賞口が開放し、ラウンドの終了と共に大入賞口が閉鎖する」という意味に限らない。ラウンドを成す期間中の定められたタイミングで大入賞口が開放し、更に定められた別のタイミングで大入賞口が閉鎖するという意味で、しかも大入賞口の開閉動作は1回のラウンド中、複数回おこなわれても構わない(ラウンド発生との同期に関しては、後述するシャッターの開閉動作も同様である)。つまり、1回のラウンドに対して最低1回、大入賞口は開閉される。そして、大入賞口に入球した遊技球が確変口に到達したことが確変口到達手段により検出されると、該大入賞口が開放されることとなった大当り遊技(単に大当りともいう)の後に、確変制御手段が高確率状態(後述する通常状態よりも当選確率の高い状態。当否抽選において当選すると大当り遊技が生起する)を発生させる。逆に大当り遊技中、遊技球が確変口に到達したことが確変口到達手段により全く検出されなかった場合は、該大当り遊技後に通常状態が発生される。大入賞口から確変口にいたる経路にはシャッターが介在しており、シャッターが開放した状態においてのみ、大入賞口に入球した遊技球は確変口に到達できる。シャッターは大入賞口と同様、ラウンドの発生に同期して開閉動作を行なう。これにより、大入賞口が開放して入球した遊技球がシャッターに到達した際に、シャッターが開放していれば、該遊技球は確変口に到達でき、シャッターが閉鎖していれば、該遊技球は確変口に到達できない。
本発明においては、大入賞口の開閉動作の態様(開閉態様。開放パターンともいう)により、大当り後に確変状態を発生させるか否かを決定する。大入賞口に入球した遊技球がシャッターに到達した際に、シャッターが開放しているような開閉態様を確変態様、該シャッターが閉鎖しているような開閉態様を非確変態様といい、これらの内、どちらの開閉態様で大入賞口を開閉させるかを開閉態様決定手段が決定する。この決定には、図柄決定手段によって決定された図柄に基づいて行なわれる。図柄は、遊技領域に設けられた第1始動口または第2始動口に入賞した際に発生された図柄乱数に基づいて決定される。なお、第1始動口への入賞に基づいて決定される図柄を第1特別図柄、第2始動口への入賞に基づいて決定される図柄を第2特別図柄といい、それぞれ複数の図柄からなり、当否抽選の結果が該図柄の違いにより遊技者に報知される。「図柄に応じて開閉態様を決定する」とは、当選を報知した図柄(当り図柄)がどの当り図柄であったかを開閉態様に反映させることだけでなく、その当り図柄が第1特別図柄であったか第2特別図柄であったかを反映させることも含む。なお、前述の当否抽選に用いられる当否乱数も、第1始動口または第2始動口に入球した際に発生される。
以上のように構成された遊技機によれば、大当り後に高確率状態を付与する大当りにおいては、該大当りを構成する複数のラウンドの内の少なくとも1個のラウンドにおいて、大入賞口を確変態様にて動作させれば良い。逆に、大当り後に高確率状態を付与しない大当りにおいては、該大当りを構成する全てのラウンドにおいて、大入賞口を非確変態様にて動作させれば良い。従って、大当り後に高確率状態を付与するか否かを1個の大入賞口により、実現することができる。しかも、図柄に応じて大入賞口の開閉態様を変更するだけでよいため、第1図柄か第2図柄かに応じて、高確率状態となる確率を異ならせる(例えば第1特別図柄では大当り後に50%の確率で高確率状態となるが、第2特別図柄では大当り後に80%の確率で高確率状態となる等)ことも可能である。なお、大入賞口の開閉態様を確変態様とするか非確変態様とするかは、図柄に応じて決定したが、これに更に、遊技状態を反映させても良い。例えば、遊技状態が高確率状態において第1特別図柄が当選したことにより発生した大当りの開閉態様と、通常状態において第1特別図柄が当選したことにより発生した大当りの開閉態様を変更しても構わない。
請求項1に反し、各ラウンドに対応する期間に、許可期間を複数設けることも考えられる。許可期間以外の期間は、確変口への入球が困難な禁止期間となるから、禁止期間は許可期間と同数存在することになる。こうすると、1つの許可期間が短くなり、たとえ開放された大入賞口に遊技球が入球しても、遊技球の挙動のバラツキなどが原因で、許可期間にシャッターを通過しない可能性が高くなる。この点、請求項2の遊技機では、前記期間中に許可期間と禁止期間が各1個しか存在しないため、許可期間を十分広く設定することが可能であり、該許可期間に合わせて大入賞口の開放時間も長く設定すれば、大入賞口に入球した遊技球が容易に確変口に到達可能となる。
なお、許可期間を長くすると必然的に禁止期間が短くなる。大当りの終了後に確変を遊技者に付与する場合にはこれでもよいが、該付与をしない場合には、大入賞口の開放時間が禁止期間の長さに合わせて短くなり(さもないと、大入賞口の開放時間中に大入賞口が開いて確変口に入球してしまう可能性が高くなる)、賞球を得にくくなってしまう。そこで、許可期間および禁止期間の長さは、各ラウンドに対応する期間の半分を目安にすると良い。こうすれば、大当りの終了後に確変を遊技者に付与したい場合の確変口への入球のし易さと、前記付与をしたくない場合の賞球の得やすさとを両立させることができる。
本発明では、大当りは複数のラウンドから成るが、確変態様にて大入賞口が動作するラウンドは1個で十分である。万が一、該ラウンドで確変口に入球しなかった場合の救済の意味で、確変態様にて大入賞口が動作する第2のラウンドが存在してもよいが、他のラウンドにおける大入賞口は非確変態様にて動作することになる。つまり、大当りを構成するラウンド数が多ければ多いほど、非確変態様にて大入賞口が動作されるラウンドが多いことになる。
仮に、許可期間が前記期間の前半に位置すると、非確変態様のラウンドでは、許可期間の間、大入賞口が閉鎖し続けることになり、遊技者は大入賞口が開くまで待たされる。しかも非確変態様のラウンドの数だけそれが繰り返されることになる。これでは、大当りが非常に間延びをした内容になりかねない。また、大入賞口が中々開かないのを見た遊技者が「大当りが終わった」と勘違いして、遊技球の発射を停止し、不利益を被る虞もある。
この点、本発明の遊技機によれば、許可期間が前記期間の後半に位置するので、非確変態様にて大入賞口が動作するラウンドも、早い時点で大入賞口を開放することができ、ラウンドを速やかに消化することができ、遊技者が前記勘違いをする心配もない。なお、ラウンドが始まっても大入賞口が中々開かないという問題点は、確変態様にて大入賞口が動作するラウンド(例えば、大入賞口が各ラウンドの後半まで開放しない態様)では存続し得るのだが、確変態様にて大入賞口が動作するラウンドは、前述のように1個存在すれば十分であるので、前記問題点が1回の大当りの最中に繰り返し発生するということはない。
本発明の遊技機のように構成すると、そのラウンドにおいて行なわれる大入賞口の動作が、確変態様か非確変態様であるかに係わらず、ラウンドの開始とともに大入賞口が動作することになる。従って、遊技者が大入賞口の開放を待ちくたびれたり、大当りが終わったと勘違いしたりすることもない。なお、従来より遊技機には大当り遊技における規定数が設定されており、各ラウンドにおける大入賞口への入球数が規定数に到達すると、直ちに大入賞口を閉鎖して次のラウンドに移行(存在しない場合は大当り遊技の終了)するように構成されているが、本発明によれば、確変態様の前半で大入賞口の開閉が繰り返されるので、1回の開放時間は短くなり、大入賞口に入球しにくくなる。従って、前記期間の前半に規定数に到達するのは難しく、確変態様で大入賞口が動作したにも拘らず、前半に規定数に到達したために後半で大入賞口が開放されず、確変口に入球させることができなかったという不利益を遊技者が被る危険を縮小することができる。
本発明の遊技機の大当りは、ラウンド数の異なるものが複数種類存在(例えば10ラウンド大当りと5ラウンド大当り)し、ラウンド数が多い方の大当り(前記例では10ラウンド大当り)を多ラウンド大当り、少ない方の大当り(前記例では5ラウンド大当り)を標準大当りという。そして何れの大当りも、最終ラウンドの大入賞口の動作が確変態様か非確変態様かによって確変が付与されるか否かが決まる。そして多ラウンド大当りでは、標準大当りの最終ラウンドと同じラウンド(前記例では5ラウンド)において、該ラウンドに対応する期間の前半では開閉動作を繰り返し、後半では大入賞口を開放しない開放態様を行なう。
こうすると、多ラウンド大当りでは、標準大当りの最終ラウンドと同じラウンド(前記例では5ラウンド)において、確変態様と同様(全く同じでも良い)の態様(この態様を偽装態様と呼ぶことにする)にて大入賞口が動作する。演出図柄表示装置では、その大当り遊技が標準大当りか多ラウンド大当りかが報知されないので、専ら演出図柄表示装置を見ている遊技者は、多ラウンド大当りにおいて偽装態様が行なわれると、「これは標準大当りだ」と誤解をする可能性ある。そして、ラウンド数が少ないことに落胆する反面、大当りの終了後に確変状態になるという喜びや安心感を得る。ところが、偽装態様が終わっても、そのラウンド内では大入賞口は再び開放せず、従って、確変口に遊技球を到達させることはできない。そして次のラウンド(前記例では6ラウンド)に移行する。これを体験した遊技者は、ラウンド数が多い(前記例では10ラウンド)ことに喜びながらも、最終ラウンドは、大入賞口が非確変態様で動作するかもしれないという不安感に駆られるという遊技興趣を持ったものとなる。なお、一度この体験をした遊技者は、標準大当りの最終ラウンドと同じラウンド(前記例では5ラウンド)において、大入賞口が開閉動作を繰り返すと、それが確変態様か偽装態様かのスリルを味わうことができる。なお、どちらの態様を望むかは遊技者次第である。ラウンド数が少なくてもいいから早い時点で確変が確定して欲しいと願う遊技者は、確変態様であることを望むだろうし、ラウンド数が多い方が良い等と思う遊技者は、偽装態様であることを望むと考えられる。
なお、多ラウンド大当り、標準大当り以外の第3の大当り遊技が存在してもよい。こうしたものとして、ラウンド数は多ラウンド大当りと同じだが、偽装態様を行なわないものを例示できる。この態様では、標準大当りの最終ラウンドと同じラウンド(前記例では5ラウンド)において、偽装態様も確変態様も行なわれなかった場合に、多ラウンド大当りであることが確定する。従って、大当り遊技のラウンド数は多い方が良いと願う遊技者は、その時点で喜びを感じることができる。また、標準大当りの最終ラウンドと同じラウンドの直前に、「偽装態様も確変態様も起きないでくれ」とか「偽装態様なら良いが、確変態様は起きないでくれ」と願う(確変確定は早い方がいいと考える遊技者は「確変態様が起きてくれ」と願う)遊技興趣も生まれる。
また第3の大当り遊技として、多ラウンド大当りよりも更にラウンド数の多い大当り遊技(例えばラウンド数が15ラウンド)が存在しても良い。そして大入賞口を確変態様にて動作させるラウンドを、その最終ラウンド(前記例では15ラウンド)のみとしておく。そして、標準大当りの最終ラウンドと同じラウンド(前記例では5ラウンド)では偽装態様を行なっても良い。こうすると、偽装態様が行なわれた場合に5ラウンドで終わるか15ラウンドまで伸びるかのスリルを味わうことができる。また更に、多ラウンド大当りの最終ラウンドと同じラウンド(前記例では10ラウンド)でも偽装態様を行なっても良い。こうすると、同様のスリルを2回(1回目においては、5ラウンド、10ラウンド、15ラウンドの何れであるか。2回目においては10ラウンド、15ラウンドの何れであるか。何れも前記例の場合)も味わえる可能性がある。もちろん、ここで例示したラウンド数以外のラウンド数からなる大当り遊技を搭載した遊技機に本発明を適用しても構わない。
請求項2に記載の遊技機のように構成すると、最大時間が経過するよりも早い時点で、大入賞口への入球数を規定数に到達させることにより、該ラウンドは早い時点で終了し、それと共にシャッターの開閉動作も終了するので、大当り遊技が短時間ですみ、また大当り遊技の途中で間延びするのも防止することができる。特に、ラウンドの開始とともに長時間(具体的には、各ラウンドに対して設定された最大時間の1/2程度)大入賞口が開放した場合は、そのラウンドは確変態様ではないことが確定するので、大入賞口へ入球するように遊技球を発射し、規定数に到達すれば、該ラウンドを速やかに終了し、次のラウンドに移行(終了したラウンドが最終ラウンドだった場合には、その大当り遊技自体を終了)することができる(許可期間が本発明に反して各ラウンドの前半にあると、非確変態様で大入賞口が動作するラウンドの前半では、大入賞口が殆ど(「全く」を含む)開かないことになり、この間は大入賞口への入球数を規定数に到達させることはできない。従って、そのラウンドを早い時点で終わらせる効果は小さくなる)。また、開閉動作を繰り返す大入賞口にも入球する可能性があるので、規定数に到達しないように遊技球を発射する。例えば規定数が8個であれば、大入賞口に5,6個入球するまで発射し、一旦、遊技球の打ち出しを停止し、該ラウンドの後半に大入賞口が長時間開放するのを待って打ち出しを再開し、大入賞口への入球数を規定数まで到達させる。こうすると、ラウンドの前半にて大入賞口が開閉動作を繰り返す場合(すなわち確変態様の場合)に、規定数の早期到達と、大当り終了後の確変状態発生の双方を狙うことができる。また同様の発射を行なうと、偽装態様だった場合に、ラウンドの後半では大入賞口が開放しないので、入球は5,6個で終わってしまうが、非確変態様のラウンドでは規定数の早期到達を狙うことができる。
本発明の参考例のパチンコ機の遊技盤1の正面図 (a)は振分羽根105が閉鎖されたときの特定役物100、(b)は振分羽根105が開放されたときの特定役物100を示す各説明図 パチンコ機の電気構成図 参考例の主制御装置80で実行される始動入賞確認処理の概要を示すフローチャート 参考例の主制御装置80で実行される当否判定処理の概要を示すフローチャート1 参考例の主制御装置80で実行される当否判定処理の概要を示すフローチャート2 参考例の主制御装置80で実行される当否判定処理の概要を示すフローチャート3 参考例の主制御装置80で実行される当否判定処理の概要を示すフローチャート4 当り図柄と該当り図柄にて当選した際に生起する大当り遊技で実行される開放パターンとの関係を示すテーブル (a)は第1実施例の当り図柄群と該当り図柄群にて当選した際に生起する大当り遊技で実行される開放パターンとの関係を示すテーブル、(b)は第2実施例の当り図柄群と該当り図柄群にて当選した際に生起する大当り遊技で実行される開放パターンとの関係を示すテーブル
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[参考例]
図1は、本発明の参考例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。図1に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり擬似図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。
センターケース5の右方には、ゲート17と第2始動口12とがユニット化された複合入賞装置が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は規制部材40に阻害され、第2始動口12に入球できない構成となっている。
複合入賞装置の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、センターケース5の下には第1始動口11が配置され、その左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、及び第3左入賞口33が設けられ、大入賞口14の右側には右入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
大入賞口14の下方には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄表示装置9・第2特別図柄表示装置10、第1特別図柄保留数表示装置18、および第2特別図柄保留数表示装置19が配置されている。
また第1始動口11の下方には特定役物100が配置されている。特定役物100の拡大図を図2に示す。特定役物100の内側上部にはワープ出口101が設けられており、大入賞口14に入球した遊技球は全てワープ出口101から特定役物100内に流れ込む。そして、ワープ出口101から流出した遊技球は擂鉢状のクルーン102に到達し、何度かクルーン102上を周回して図示しない孔から落下し、振分け口103から流出する。振分け口103の下方には一対の振分羽根105が設けられており、大入賞口14が開閉される際に動作する。振分羽根105が開放されているときに振分け口103から流出した遊技球は、特定領域106に入球し、これが確率変動作動スイッチ106a(図3も参照)に検出されると、大当り終了後の遊技状態を高確率状態(通常の当り確率よりも高確率の状態。確変状態ともいう)となる。振分羽根105が閉鎖されているときに振分け口103から流出した遊技球は、ハズレ口104に到達して高確率状態にならない。なお、遊技球が大入賞口14に入球してから振分羽根105に到達するまでの所要時間は4秒以内となるように特定役物100内をはじめとする各部が構成されている。また、図2(a)は振分羽根105が閉鎖している状態を示し、図2(b)は振分羽根105が開放している状態を示す。
このパチンコ機50の電気的構成は、図3のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本参考例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a、特定領域106に入球した遊技球を検出する確率変動作動スイッチ106aの検出信号が入力される。なお、入賞口スイッチ31aの符号は第1左入賞口31に対応しているが、前記各一般入賞口、すなわち第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34に対してそれぞれ入賞口スイッチが設けられており、各一般入賞口に遊技球が入ったことを個別に検出可能に構成されている。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、及び普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。また、振分羽根ソレノイド105aを制御することで振分羽根105を規則的に開閉させる。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本参考例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出センサ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出センサ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81は裏配線中継端子板75を介して払出中継端子板76と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払い出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してCRユニット56と交信する。CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお本参考例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。 また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67やジョグダイヤル68が接続されている。これらはいずれも遊技機前面に設けられ、遊技者からの操作を受けるためのものであり、遊技者がこれらを操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、擬似図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
主制御装置80が実行する始動入賞確認処理の概要を図4に示す。当処理はタイマ割込みにより起動されるメインルーチン(図示省略)のサブルーチンの一つとして起動され、該起動が行なわれると、まず第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1特別図柄の保留記憶(第1保留記憶または第1保留ともいう)が満杯(本参考例では4個)か否かを判断する(S105)。
第1保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を第1保留として記憶し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯態様を1増加させる(S110)。なお、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19は、それぞれ4個のLEDの点灯または消灯させることにより保留記憶されている数を表すものである。また、S110では第1特別図柄の保留個数が更新されたことを示すコマンド(保留個数コマンド)をサブ統合制御装置83に送信し、S115に移行する。第1始動口11に遊技球が入球していない場合(S100:no)、又は第1保留が満杯の場合(S105:yes)は、そのままS115に移行する。
S115では、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する。肯定判断なら(S115:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2特別図柄の保留記憶(第2保留記憶または第2保留ともいう)が満杯(本参考例では4個)か否かを判断する(S120)。
第2保留記憶が満杯でなければ(S120:no)、上記の各乱数を第2保留として記憶し、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯態様を1増加させる(S125)。また、S125では第2特別図柄の保留個数が更新されたことを示すコマンド(保留個数コマンド)をサブ統合制御装置83に送信し、当処理を終了(リターン)する。第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S115:no)、又は第2特図(特別図柄のこと。以下同様)の保留記憶が満杯の場合(S120:yes)は、そのまま当処理を終了する。
主制御装置80により実行される当否判定処理の内、特別図柄に係る当否判定などを行なう処理の概要を、図5〜8に示す。主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S200)。S200の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S205:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S210:no)、図6のS250に移行し、第2特図の保留記憶(S125による保留記憶)があるか否かを判断する。この保留記憶があれば(S250:yes)、第2特図の保留記憶数をデクリメントし(S255)、S270に進む。第2保留がない場合(S250:no)は、S260に進み、第1特図の保留記憶(S110による保留記憶)があるか否かを判断する。この保留記憶があれば(S260:yes)、第1特図の保留記憶数をデクリメントし(S265)、S270に進む。S270では保留記憶の中で最も古いもの(但し第2保留が存在する場合は、第1保留の方が古い場合でも第2保留を優先)を読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率遊技状態であることを意味する。肯定判断であれば(S270:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S275)。ここで当り値の数は10で、7〜16である。大当り決定用乱数の値域が0〜299であれば、当たり確率は1/30となる。S270が否定判断された場合(S270:no)は、S280にて当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する。ここで当り値は7のみである。つまり当たり確率は1/300となる。
S275またはS280の判定が行なわれると、S285にて大当りか否かを判定(当否判定)し、肯定判定であれば(S285:yes)、大当り図柄決定用乱数によって大当り図柄(当り図柄ともいう)を決定する(S290)。次に変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S295)、大当り設定処理を行う(S300)。大当り設定処理とは、S290で決定した当り図柄に応じて、大当り遊技の内容(大入賞口14の開放パターンなど)を決定する処理である。なお、S285において外れと判定された場合は、変動パターン決定用乱数等によって変動パターンを決定し(S305)、ハズレ設定処理(S310)を行なう。S310のハズレ設定処理では、遊技状態が確変または開放延長の状態であれば、各々のカウンタの値を減算する処理が行なわれる。具体的には、確変状態であれば、確変における最大の変動回数(例えば10000)から減算し、開放延長状態であれば、開放延長における最大の変動回数(例えば100)から減算する。
S300、又はS310に続いては、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当り、確変大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し(S315)、特別遊技処理に移行する。なお、S315の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄を設定し、その変動表示を開始するが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。また、特別図柄が変動する際には必ず演出図柄も変動され、且つ演出図柄が変動されるときには特別図柄も変動されるので、これらの図柄が変動することを単に「図柄が変動する」とも言う。
図5において特別図柄が変動中(S205:yes)と判定された場合には、図7のS350に移行し、図柄変動時間(S295、又はS305の変動パターンに基づく)が経過したか否かを判定する。否定判断(S350:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断(S350:yes)であれば確定図柄表示処理(S355)を行なってから特別遊技処理を行う。
図5において確定図柄を表示中と判定された場合(S210:yes)には、図8のS400に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判断(S400:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断であれば確定図柄表示終了処理(S405)を行なってから大当りになる組合せや否かを判定する(S410)。肯定判断なら確変フラグが1か否かを判定し(S415)、肯定判断なら(S415:yes)確変フラグを0にし(S420)、S425に移行する。否定判断なら(S415:no)そのまま、S425に移行する。
S425では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S425:yes)、S430にて時短フラグを0にし、S435に移行する。時短フラグが1でなければ(S425:no)、そのままS435に移行する。時短フラグを1にすると本参考例では特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物12の開放延長機能をセットする。
S435では、条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。そしてS440にて役物連続作動装置を作動させ、S445にて大当り開始演出処理を行なう。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。
S410で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は、S450に移行して確変フラグが1か否かを判定する。肯定判断(S450:yes)であれば、確変回数が0か否かを判定する(S455)。確変回数が0であれば(S455:yes)、S460にて確変フラグを0にし、S465に進む。確変フラグが1でないとき(S450:no)、または確変回数が0ではないとき(S455:no)は、そのままS465に移行する。S465では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S465:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S470)。時短回数が0であれば(S470:yes)、S475にて時短フラグを0にしてS480に進む。時短回数が0ではないとき(S470:no)又は時短フラグが1でないとき(S465:no)はそのままS480に移行する。S480では、現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、特別遊技処理を実行する。
次に、大当り図柄と大入賞口14の開放パターンの関係について図9を用いて説明する。
図9(a)は第1特図について、S290で決定された当り図柄と、それに応じてS300で決定される開放パターンの関係を示したものである。第1特別図柄の当り図柄は図柄1〜10の10種類あり、当り図柄として図柄1〜5が選択された場合には、大入賞口14の開放パターンは第1開放パターンとなる。一方、当り図柄として図柄6〜10が選択された場合には、大入賞口14の開放パターンは第2開放パターンとなる。各当り図柄の振分(選択率)は各10%となっており、大入賞口14の開放パターンが第1開放パターンとなる確率、および第2開放パターンとなる確率は、いずれも50%となっている。
図9(b)は第2特図について、当り図柄と開放パターンの関係を図9(a)と同様に示したものである。第2特別図柄の当り図柄も図柄1〜10の10種類あるが、大入賞口14の開放パターンは第1開放パターンとなるのは、当り図柄として図柄1〜8が選択された場合となっている。そして残りの図柄9〜10が当り図柄として選択された場合には、大入賞口14の開放パターンは第3開放パターンとなる。各当り図柄の振分は第1特図と同様、各10%となっており、大入賞口14の開放パターンが第1開放パターンとなる確率、および第3開放パターンとなる確率は、それぞれ80%および20%となっている。
大入賞口14の各開放パターンについて図9(c)および図9(d)を用いて説明する。図9(c)は1回の大当りにおける各開放パターンの内容を示したものであり、図9(d)は、各開放パターンを構成する大入賞口14の動作を示したタイムチャートで、各グラフを成すパルス波のHレベルが大入賞口14の開放中、Lレベルが大入賞口14の閉鎖中を示す。なお、図9(d)では、振分羽根105の動作も併せて記しており、大入賞口14の動作と同様にHレベルが振分羽根105の開放中、Lレベルが振分羽根105の閉鎖中を示している。振分羽根105は、各ラウンド(Rとも記す)が開始(ここでは各ラウンドで最初に大入賞口14が開放する時点を、そのラウンドの「開始」と呼ぶものとする)されるごとに開放し(時点P)、0.3秒後に閉鎖する。そして18秒後に再び開放し(時点Q)、そこから6.7秒経過すると閉鎖する(時点R)。なお、各ラウンドには規定数および大入賞口14の開放時間が設定されており、各ラウンド中に大入賞口14に入球した遊技球数が前記規定数に到達すると、前記開放時間の経過前であっても、後述する大入賞口14の動作の完遂を待たずに該ラウンドを終了する。このように動作が中断された場合には、振分羽根105の動作も完遂することなく中断し、次のラウンドの開始を待つ。中断されたラウンドが最終ラウンドだった場合には、そのまま大当りを終了する。また、図9(d)のパターンDは他の実施例に関するものであり、これについては後述する。
本参考例のパチンコ機は複数の大当り態様を備えており、それらのいずれも16ラウンドからなる。そして開放パターンとして第1開放パターンが選択された大当りでは、1〜15ラウンドは、各ラウンドにおいて大入賞口14がパターンAという動作を行ない、16ラウンドすなわち最終ラウンドではパターンBという動作を行なう。パターンAとは、図9(d)に示すように、時点Pにおいて大入賞口14が開放し、14秒後に閉鎖し(時点S)、該ラウンド中は再び開放することがない動作となっている。前述のように前記14秒が経過する前に規定数(例えば9個)の遊技球が大入賞口14に入球すると時点Sに到達する前に大入賞口14は閉鎖する。また時点Sは時点Qよりも4.3秒早くなっている。遊技球が大入賞口14に入球してから振分羽根105に到達するまでの所要時間は4秒以内であったから、たとえ大入賞口14が14秒、フルオープンしても、大入賞口14に入球した遊技球が開放された振分羽根105に到達することはない。また、振分羽根105の1回目の開放は、わずか0.3秒であるから、大入賞口14に入球した遊技球が開放された振分羽根105に到達することは無理である。
パターンBでは、時点Pにおいて大入賞口14が開放し、0.3秒後に閉鎖し、1秒後に再び開放するという開閉動作を8回繰り返し、9回目の開放(時点T)を行なった後、14.6秒後に閉鎖(時点R)する動作となっている。パターンBによれば、時点Tまでは短時間の開閉を繰り返すものの、振分羽根105が閉鎖されているため、特定領域106に入球することはできない。しかし9回目の開放中に振分羽根105が開放され、しかも両者の開放時間は十分長いため、大入賞口14に入球した遊技球はほぼ確実に特定領域106に到達することができる。従って、第1開放パターンが選択された場合には、1〜15ラウンドにおいて特定領域106に入球させるのは不可能だが、16ラウンドにおいては遊技球はほぼ確実に特定領域106に到達し、パチンコ機の遊技状態は大当り終了後に高確率状態となる(16ラウンドにおいて、大入賞口14に遊技球が入らなかったとか、遊技者が大入賞口14に入球させる努力をしなかった等の特殊なケースは除く。以下の説明では、こうした特殊なケースは起きないものとする)。
第2開放パターンが選択された大当りでは、図9(c)に示すように、1〜15の各ラウンドは、大入賞口14がパターンAで動作し、16ラウンドではパターンCという動作を行なう。パターンCでは、時点Pにおいて大入賞口14が開放し、0.3秒後に閉鎖し、該ラウンド中は再び開放することがない動作となっている。かかるパターンCでは、大入賞口14の開放時間がわずか0.3秒であるため、大入賞口14に入球させることが困難である。しかもこの0.3秒の間のみ、振分羽根105が開いているので、大入賞口14に入った遊技球が振分羽根105に到達するのはほぼ不可能である。そして1〜15ラウンドのパターンAにおいて振分羽根105に入球させるのも不可能である。従って、第2開放パターンが選択された場合には、パチンコ機の遊技状態は大当り終了後に高確率状態とならない。しかも16ラウンドでは大入賞口14に入球させること自体が困難であるため、賞球が望めず、実質的に大当り1回で15ラウンド分の賞球となる。
つまり第1特別図柄で当った際に、第1開放パターンが行なわれる図柄1〜5が決定される確率が50%、第2開放パターンが行なわれる図柄6〜10が決定される確率も50%であったから、大当り終了後に遊技状態が高確率状態となる可能性は50%となる。
第2特別図柄で当り、図柄9〜10が選択された場合に行なわれる第3開放パターンは、図9(c)に示すように、1〜16の全ラウンドにおいて大入賞口14がパターンAで動作する。この結果、大当り終了後に遊技状態が高確率状態となることは望めないが、第2開放パターンとは異なり、16ラウンドにおいて大入賞口14が最長14秒開くので、賞球を期待することができる。そして第1開放パターンが行なわれる図柄1〜8が決定される確率が80%、第3開放パターンが行なわれる図柄9〜10が決定される確率が20%であったから、第2特別図柄で当った場合、大当り終了後に遊技状態が高確率状態となる可能性は80%となる。しかも高確率状態とならない場合も、大当りによって得られる賞球数が第1特別図柄に比べて多いという遊技者にとって有利な内容となっている。
以上のように構成された遊技機によれば、大入賞口14が1個であるにも係わらず、大入賞口14の開放パターンを変化させることにより、終了後に確変となる大当りと、終了後に確変とならない大当りとを生起させることができる。しかも、いずれの大当りを生起するかを、図柄(図柄1〜10の何れであるか、および第1特図・第2特図の何れであるか)に応じて切り替えるので、第1特図と第2特図とで、大当り終了後に確変となる確率を異ならせることができる(当参考例では第1特図が50%。第2特図が80%)。
また、パターンBでは大入賞口14は、時点Tまで0.3秒間の開放を多数(当参考例では8回)繰り返すので、遊技者は大入賞口14の該動作をパターンAではないと認識することができる。これに反し、パターンBを、例えば時点Pから時点Rまで大入賞口14を開放させる動作としても、特定領域106に入球させることは可能であるが、遊技者がこれをパターンAと勘違いする可能性がある。すると、時点Qに到達する前に入球数が規定数に達して、大入賞口が閉鎖してしまう虞がある。これでは終了後に確変するはずの大当りが確変しなくなってしまう。パターンBをパターンAと異なる動作にすることにより、こうした遊技者の不利益を防ぐことができる。また、パターンBは時点Tまで短時間の開放を繰り返すことにより、通常の開放(例えばパターンA)に比べて大入賞口14に入球させることが困難となっている。これにより、16ラウンドが1〜15ラウンドとは異なる開放態様で大入賞口14が動作していることに遊技者が気付かなかったとしても、時点Qに達する前に大入賞口14への規定数に到達するのも防止することができる。
[実施例1]
本発明の第1実施例について図10(a)を用いて説明する。なお、本実施例は参考例と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。第1実施例においては、第1特図、第2特図ともに参考例の各特図よりも数が多くなっており(ここでは各100個とする)、それぞれ複数個の特図からなる複数の図柄群を成している。そして参考例では何れの大当りも16ラウンドであったが、第1実施例においては8ラウンド、12ラウンド、16ラウンドの3種類のラウンド数が存在する。
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。S110およびS125の処理が本発明の「乱数抽出手段」に相当し、S270〜S285の処理が本発明の「当否判定手段」に相当し、S290の処理が本発明の「図柄決定手段」に相当し、特定領域106が本発明の「確変口」に相当し、確率変動作動スイッチ106aが本発明の「確変口到達検出手段」に相当し、振分羽根105が本発明の「シャッター」に相当し、パターンAおよびパターンCが本発明の「非確変態様」に相当し、パターンBが本発明の「確変態様」に相当し、S300の処理が本発明の「開閉態様決定手段」に相当する。
各図柄群と大当りの内容の関係を図10(a)に示す。なお、図中、A、B,Cと示されているのは、前述のパターンA、パターンB、パターンCを略記したものである。また「C/A」と示されているのは、第1特図では大入賞口14がパターンCにて動作し、第2特図では大入賞口14がパターンAにて動作することを示している。なお、「−」とあるのは、対応する当り図柄が選択された場合には、そのラウンドが存在しないことを示している。例えば、第1図柄群を成す図柄のいずれかで当った場合に生起される大当りには、9〜16ラウンドは存在せず、8ラウンドで終了することを示している。第1図柄群は、図柄1〜図柄12の12個からなり、当り図柄としてこれらの内のいずれかが選択された場合には、8ラウンドからなる大当りが発生し、その1〜7ラウンドでは各ラウンドにおいて大入賞口14がパターンAで動作し、8ラウンドすなわち最終ラウンドではパターンC(第1特別図柄の場合。第2特別図柄の場合はパターンA)で動作する。つまり第1図柄群で当った場合には、大当り終了後に高確率状態とならず、第1特図の場合には第2特図の場合よりも8ラウンドの分だけ賞球が少ない大当りとなる。
第2図柄群は、図柄13〜図柄24の12個からなり、当り図柄としてこれらの内のいずれかが選択された場合には、8ラウンドからなる大当りが発生し、その1〜7ラウンドでは各ラウンドにおいて大入賞口14がパターンAで動作し、8ラウンド(最終ラウンド)ではパターンBで動作する。つまり第2図柄群で当った場合には、第1特図か第2特図かを問わず、大当り終了後に高確率状態となる。なお、図10(a)の「当りの種類」の欄において「確変可8R」とあるのは、大当りが8ラウンドから成り、最終ラウンド(第2図柄群の場合、8ラウンド)において大入賞口14に入球させれば大当り終了後に高確率状態になるが、大入賞口14に入球させなければ大当り終了後に高確率状態にならないことを示している。大入賞口14がパターンBで動作したにも拘らず、遊技球が特定領域106に到達しないのは前述した特殊なケースであるから、以下、「確変可」の大当りでは、その終了後に高確率状態になるものとして説明する。
第3図柄群は、図柄25〜図柄56の32個からなり、当り図柄としてこれらの内のいずれかが選択された場合には、12ラウンドからなる大当りが発生し、その1〜11ラウンドでは各ラウンドにおいて大入賞口14がパターンAで動作し、12ラウンド(最終ラウンド)ではパターンC(第1特別図柄の場合。第2特別図柄の場合はパターンA)で動作する。つまり第3図柄群で当った場合には、大当り終了後に高確率状態とならず、第1特図の場合には第2特図の場合よりも12ラウンドの分だけ賞球が少ない大当りとなる。
第4図柄群は、図柄57〜図柄88の32個からなり、当り図柄としてこれらの内のいずれかが選択された場合には、12ラウンドからなる大当りが発生し、その1〜11ラウンドでは各ラウンドにおいて大入賞口14がパターンAで動作し、12ラウンド(最終ラウンド)ではパターンBで動作する。つまり第4図柄群で当った場合には、第1特図か第2特図かを問わず、大当り終了後に高確率状態となる。
第5図柄群は、図柄89〜図柄94の6個からなり、当り図柄としてこれらの内のいずれかが選択された場合には、16ラウンドからなる大当りが発生し、その1〜15ラウンドでは各ラウンドにおいて大入賞口14がパターンAで動作し、16ラウンド(最終ラウンド)ではパターンC(第1特別図柄の場合。第2特別図柄の場合はパターンA)で動作する。つまり第5図柄群で当った場合には、大当り終了後に高確率状態とならず、第1特図の場合には第2特図の場合よりも16ラウンドの分だけ賞球が少ない大当りとなる。
第6図柄群は、図柄95〜図柄100の6個からなり、当り図柄としてこれらの内のいずれかが選択された場合には、16ラウンドからなる大当りが発生し、その1〜15ラウンドでは各ラウンドにおいて大入賞口14がパターンAで動作し、16ラウンド(最終ラウンド)ではパターンBで動作する。つまり第6図柄群で当った場合には、第1特図か第2特図かを問わず、大当り終了後に高確率状態となる。
そして何れの特図も当る場合には、図柄1〜図柄100の100個の図柄は均等な振分で選択されるものとする。従って、大当りの終了後に高確率状態となる確率は、第2図柄群、第4図柄群、第6図柄群の図柄数(12+32+6=50)から50%となる。そして大当りのラウンド数が8ラウンドとなるのは第1図柄群、第2図柄群の図柄数(12+12=24)から24%となり、大当りのラウンド数が12ラウンドとなるのは第3図柄群、第4図柄群の図柄数(32+32=64)から64%となり、大当りのラウンド数が16ラウンドとなるのは第5図柄群、第6図柄群の図柄数(6+6=12)から12%となる。
このように構成された遊技機によれば、異なるラウンドの複数種類の大当りを生起することができ、且つ該複数種類の大当りの生起確率を、大当りごとに異ならせることができる。
[実施例2]
本発明の第2実施例について図9(d)および図10(b)を用いて説明する。なお、本実施例は実施例1と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。第2実施例においては、16ラウンドの大当りの内容が更に細分化されており、これに合わせて第5図柄群および第6図柄群を、改めて第5図柄群〜第10図柄群に細分化している。第1実施例では第5図柄群は6個の当り図柄から成っていたが、これを第5図柄群、第7図柄群、第9図柄群に分化し、それぞれ2個の当り図柄から構成している。同様に第6図柄群も第1実施例では6個の当り図柄から成っていたが、これを第6図柄群、第8図柄群、第10図柄群に分化し、それぞれ2個の当り図柄から構成している。
そして第5図柄群および第6図柄群の各開放パターンは、図10(b)に示すように第1実施例の同名の図柄群の各開放パターンとそれぞれ同じである。すなわち第5図柄群を成す2図柄のいずれかが選択された場合には、16ラウンドからなる大当りが発生し、その1〜15ラウンドでは各ラウンドにおいて大入賞口14がパターンAで動作し、16ラウンド(最終ラウンド)ではパターンC(第1特別図柄の場合。第2特別図柄の場合はパターンA)で動作する。そして第6図柄群を成す2図柄のいずれかが選択された場合には、16ラウンドからなる大当りが発生し、その1〜15ラウンドでは各ラウンドにおいて大入賞口14がパターンAで動作し、16ラウンド(最終ラウンド)ではパターンBで動作する。
第7図柄群および第8図柄群の各開放パターンは、第5図柄群および第6図柄群のそれと比べ、何れも8ラウンドのみが異なっている。第7図柄群を第5図柄群と比較すると、第5図柄群の8ラウンドは、その前後のラウンドと同様、パターンAだったのに対して、第7図柄群の8ラウンドは、パターンDとなっている(第8図柄群を第6図柄群と比較しても同様)。パターンDの大入賞口に動作を図9(d)に示す。パターンDでは、時点Pにおいて大入賞口14が開放し、0.3秒後に閉鎖し、1秒後に再び開放するという開閉動作を8回繰り返す動作となっている。同図に示すパターンBと比較すると、9回目の開放がない点のみが異なる。この結果、パターンBでは9回目の開放時に入球した遊技球が特定領域106に到達する可能性が高いのに対して、パターンDでは振分羽根105が開放される前に、大入賞口14の8回目の(つまり最後の)閉鎖が行なわれて、そのラウンド中は2度と大入賞口14は開放されないので、遊技球が特定領域106に到達することはない。
8ラウンドにおいて大入賞口14がパターンDの動作を行なうと、大入賞口14の動作のみを見る遊技者は、これをパターンBと勘違いし、「この大当りは8ラウンドで終了する(当り図柄は第2図柄群(図10(a)参照)だった)」と誤解する可能性がある。実際には、8ラウンドにおける9回目の開放が行なわれず、9ラウンドに移行することが分かった時点で、更に賞球が得られるという喜びを遊技者に付与することができる。また、大入賞口14の動作がパターンBであったとすると、大当りが終了する反面、大当り終了後に高確率状態となることが確約される。これに反して8ラウンドがパターンDであったことは、大当り終了後に高確率状態にならない可能性を再発させたことになり、スリルのある遊技興趣を持った遊技機となる。なお、この遊技興趣を創出するために、当該大当りが幾つのラウンドから構成されるかを演出図柄表示装置6などに明示しないことが好ましい。
同様のことを8ラウンドではなく12ラウンドにおいて行なうのが、第9図柄群および第10図柄群である(第9図柄群が大当り終了後に非確変、第10図柄群が大当り終了後に確変)。これら何れの図柄群も、12ラウンドにて大入賞口14がパターンDにて動作するので、遊技者は、「この大当りは12ラウンドで終了し、大当り狩猟後に確変する」と誤解する可能性がある。実際には、12ラウンドにおける9回目の開放が行なわれず、13ラウンドに移行することが分かった時点で、「16ラウンド確定」という喜びと、「確変しないかもしれない」という不安とを遊技者に付与することができる。ここで、第1図柄群または第2図柄群(図10(a)参照)にて当った場合に発生される大当り遊技が本発明の「標準大当り」に相当し、第7図柄群または第8図柄群にて当った場合に発生される大当り遊技が本発明の「多ラウンド大当り」に相当し、パターンD(図9(d)参照)が本発明の「偽装態様」に相当する。なお、第3図柄群または第4図柄群(図10(a)参照)にて当った場合に発生される大当り遊技が本発明の「標準大当り」に相当し、第9図柄群または第10図柄群にて当った場合に発生される大当り遊技が本発明の「多ラウンド大当り」に相当すると解釈することもできる。また、第3図柄群または第4図柄群(図10(a)参照)の8ラウンドで大入賞口14がパターンDの開閉動作を行なうように構成し直すと、第1図柄群または第2図柄群(図10(a)参照)にて当った場合に発生される大当り遊技が本発明の「標準大当り」に相当し、第3図柄群または第4図柄群にて当った場合に発生される大当り遊技が本発明の「多ラウンド大当り」に相当し、第5図柄群または第6図柄群にて当った場合に発生される大当り遊技が「多ラウンド大当りよりも更にラウンド数の多い大当り」に相当する。
[他の実施例]
前記いずれの実施例においても、特定領域106は、大入賞口14とは別途、設けられた特定役物100の内部に設けられていたが、特定領域106を別の箇所に設けてもよい。具体例としては、大入賞口14内に、カウントスイッチ14aへ遊技球を導く穴(賞球用穴という)と、特定領域106に遊技球を導く穴(確変用穴という)とを形成しておく。そして確変用穴には開閉動作をするシャッター(前記実施例の振分羽根105に相当)を設け、該シャッターが開放した状態においてのみ確変用穴に入球可能で、該シャッターが閉鎖した状態では、賞球用穴に入球するように構成する。また、確変用穴への入球についても、賞球が払い出され、且つ規定数との比較対象となるように構成しておく。なお、このように特定領域106の位置を変更すると、大入賞口14に入球してから特定領域106に到達するまでの所要時間が前記実施例とは異なる可能性が高い(クルーン102等がない分、短時間で特定領域106に到達すると考えられる)。前記所要時間が異なる場合には、前記シャッターの開閉動作や大入賞口14の開閉動作を変更すべきである。また、前記のように確変用穴を形成するのではなく、賞球用穴に入った遊技球がカウントスイッチ14aに検出された後、前記シャッターを経て確率変動作動スイッチ106aに到達する構成でも良い。
なお、このような特定領域106の位置の変更をする・しないに係わらず、振分羽根105(前記シャッターを含む)の動作や大入賞口14の動作を変更しても良い。例えば、パターンBやパターンDにおいて、大入賞口14は0.3秒の開放を8回繰り返すものであったが、繰り返しの回数を異ならせても良い。また開放時間や、大入賞口14の閉鎖から開放までの時間を変更しても良い。いずれにしてもパターンBならば、時点Qから時点Rまでに特定領域106に入球させることが可能な振分羽根105および大入賞口14の動作にし、パターンDならば特定領域106に入球させることができない振分羽根105および大入賞口14の動作であればよい。例えば、振分羽根105が時点Pで行なう0.3秒間の開放動作はなくてもよい。
また、前記実施例ではいずれも、最終ラウンドで、パターンAかパターンCの何れを行なうかは、その大当りが第1特図か第2特図かの何れによって発生したかにより決定したが、これ以外の要因(例えば乱数による抽選や遊技状態)により大当りの都度、変更しても良い。乱数で開放パターンを変更すると、第1図柄であっても16ラウンドで1〜15ラウンド並みに賞球を得られる場合が発生したり、逆に第2図柄であっても16ラウンドで賞球を得られない場合が発生したりする。また、前記いずれの実施例においても、特定領域106に入球可能なのは最終ラウンドであったが、別のラウンドにおいて特定領域106に入球可能に構成しても良い。また、特定領域106に入球可能な動作を大入賞口14がするラウンドが複数あってもかまわない。こうすれば、特定領域106に入球可能な第1のラウンドで、何らかの理由により特定領域106に入球させることに失敗しても、特定領域106に入球可能な第2のラウンドで特定領域106への入球を狙うことができる。
また、前記いずれの実施例においても、ラウンド内で大入賞口14への入球数が規定数に到達すると、そのラウンド自体を終了して次のラウンドへ移行(「そのラウンド」が最終ラウンドだった場合は大当り自体を終了)し、振分羽根105の動作も中断していたが、振分羽根105の動作は完遂するように構成し直しても良い(大入賞口14の動作は中断して閉鎖する)。こうすると、大入賞口14が閉鎖している期間が長くなる懸念があるが、振分羽根105に一定の動作を行わせることができる。
第1実施例では、第1特図と第2特図のそれぞれが、大当り終了後に高確率状態となる確率は、ともに50%であったが、これを第1特図と第2特図とで異ならせても構わない。これには、第1特図と第2特図でそれぞれ図柄群を構成する図柄の数を異ならせる等の方法がある。例えば第1実施例では第1図柄群および第2図柄群を構成する図柄群は第1特図・第2特図とも各12個であったが、これを第2特図のみ第1図柄群は図柄1〜4、第2図柄群は図柄5〜24等とすればよい。この場合、第1特図については当然、第1実施例と同じ割合(すなわち50%の確率)で大当り終了後に高確率状態となるが、第2特図については、(24−4)/24=約83.3%の確率で大当り終了後に高確率状態となる。第2実施例においても同様に、第5図柄群〜第10図柄群を成す図柄数を第1図柄と第2図柄とで異ならせても良い。また、第5図柄群〜第10図柄群を成す図柄数は全て同じ(各2個)であったが、これについても不均一にしてもよい。
第1実施例では、第1特図が第1図柄群、第3図柄群、または第5図柄群で当った場合には、パターンCで終了していたが、パターンDで終了させても構わない。パターンCで大入賞口が動作すると、その時点でこのラウンドでその大当りは終わりであり、しかも大当り終了後に高確率状態にならないことが確定してしまうが、パターンDで大入賞口が動作すると、大当りはそのラウンドで終わるものの、大当り終了後に高確率状態になるかもしれないという期待を遊技者に持たせることができる。また、第2実施例で示した、第1特図が第5図柄群、第7図柄群、または第9図柄群で当った場合も、パターンCで終了しているのをパターンDに変更しても良い。この場合も、大当り終了後に高確率状態になるかもしれないという期待を遊技者に持たせることができる。
11:第1始動口
12:第2始動口
14:大入賞口
105:振分羽根
105a:振分羽根ソレノイド
106:特定領域
106a:確率変動作動スイッチ
80:主制御装置
82:演出図柄制御装置

Claims (2)

  1. 遊技領域に設けられた第1始動口と、
    前記遊技領域に設けられ、前記第1始動口とは異なる第2始動口と、
    前記第1始動口または前記第2始動口への入賞に起因して当否乱数および図柄乱数を抽出する乱数抽出手段と、
    前記当否乱数に基づいて、複数のラウンドからなる大当り遊技を生起するか否かの当否判定を、通常遊技状態または該通常遊技状態よりも当選確率の高い高確率状態の何れかの遊技状態で行なう当否判定手段と、
    前記図柄乱数に基づいて前記大当り遊技を生起するか否かを報知する図柄を決定する図柄決定手段と、
    前記遊技領域に設けられ、前記大当り遊技において、前記ラウンドの発生に同期して開閉動作を行なう大入賞口と、
    少なくとも前記大入賞口への入球に対して賞球を払い出す払出制御装置と、
    前記大入賞口に入球した遊技球が到達可能な確変口と、
    前記大入賞口の内部から確変口に至る経路に介在して、前記ラウンドの発生に同期して該経路の開閉動作をする部材であって、当該部材が開放すると前記確変口へ遊技球が到達可能となり、当該部材が閉鎖すると前記確変口へ遊技球が到達不可能となるシャッターと、
    前記確変口への遊技球の到達を検出する確変口到達検出手段と、
    該確変口到達検出手段により前記確変口への遊技球の到達が検出されると、前記大当り遊技後を前記高確率状態とし、1回の大当り遊技において前記確変口への遊技球の到達が検出されないと前記大当り遊技後を前記通常状態とする確率制御手段と、
    前記大当り遊技における前記大入賞口の開閉動作の態様を決定する開閉態様決定手段と、
    を備え、
    該開閉態様決定手段により決定される前記開閉動作の態様には、開放された大入賞口に入球した遊技球が開放された前記シャッターを経て確変口に入球可能な確変態様と、開放された前記大入賞口に入球した遊技球が閉鎖された前記シャッターに阻まれて確変口に入球不可能な非確変態様とが存在し、
    前記開閉態様決定手段は、
    前記図柄に応じ、前記確変態様および前記非確変態様の何れを前記大入賞口の開閉動作の態様にするかを決定するものであり、
    前記シャッターの動作は、各ラウンドに対応する期間を前後に2分してなる許可期間と禁止期間とを有し、前記確変態様は、前記許可期間に遊技球が到達可能なタイミングで前記大入賞口が開放するものであり、前記非確変態様では、前記許可期間に遊技球が到達不可能なタイミングで大入賞口が開放するものであり、
    前記許可期間は、前記各ラウンドに対応する期間の後半に位置し、前記確変態様は、該許可期間に対応する期間、大入賞口を開放するものであり、
    前記確変態様は、前記各ラウンドに対応する期間の前半において開閉動作を繰り返すものであり、
    前記図柄決定手段により決定された図柄の演出用の図柄を表示する演出図柄表示装置を備え、
    大当り遊技は当該大当り遊技を構成するラウンド数の異なるものが複数種類存在し、該複数種類の大当り遊技の中には、
    大当り遊技の最終ラウンドでのみ確変態様を行なう可能性のある標準大当りと、
    該標準大当りよりも多いラウンド数からなり、最終ラウンドでのみ確変態様を行なう可能性のある多ラウンド大当りと
    が存在し、
    更に該多ラウンド大当りでは、前記標準大当りの最終ラウンドと同じラウンドにおいて、該ラウンドに対応する期間の前半では開閉動作を繰り返し、該期間の後半では大入賞口を開放しない開放態様を行ない、
    前記演出図柄表示装置には、生起された大当り遊技が前記標準大当りか前記多ラウンド大当りの何れであるかが、報知されないことを特徴とする遊技機。
  2. 前記各ラウンドは、最大時間および規定数が設定されており、当該ラウンドにおける大入賞口への入球数が前記規定数に達すると、前記最大時間の経過を待たず、且つ前記開閉態様決定手段によって決定された開閉態様に係わらず、前記大入賞口を閉鎖状態として該ラウンド中は再び大入賞口を開放せず、
    前記シャッターの開閉動作は、各ラウンドにおける大入賞口への入球数が前記規定数に達すると、動作を中断することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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