以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[参考例]
図1は、本発明の参考例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。図1に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり擬似図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。
センターケース5の右方には、ゲート17と第2始動口12とがユニット化された複合入賞装置が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は規制部材40に阻害され、第2始動口12に入球できない構成となっている。
複合入賞装置の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、センターケース5の下には第1始動口11が配置され、その左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、及び第3左入賞口33が設けられ、大入賞口14の右側には右入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
大入賞口14の下方には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄表示装置9・第2特別図柄表示装置10、第1特別図柄保留数表示装置18、および第2特別図柄保留数表示装置19が配置されている。
また第1始動口11の下方には特定役物100が配置されている。特定役物100の拡大図を図2に示す。特定役物100の内側上部にはワープ出口101が設けられており、大入賞口14に入球した遊技球は全てワープ出口101から特定役物100内に流れ込む。そして、ワープ出口101から流出した遊技球は擂鉢状のクルーン102に到達し、何度かクルーン102上を周回して図示しない孔から落下し、振分け口103から流出する。振分け口103の下方には一対の振分羽根105が設けられており、大入賞口14が開閉される際に動作する。振分羽根105が開放されているときに振分け口103から流出した遊技球は、特定領域106に入球し、これが確率変動作動スイッチ106a(図3も参照)に検出されると、大当り終了後の遊技状態を高確率状態(通常の当り確率よりも高確率の状態。確変状態ともいう)となる。振分羽根105が閉鎖されているときに振分け口103から流出した遊技球は、ハズレ口104に到達して高確率状態にならない。なお、遊技球が大入賞口14に入球してから振分羽根105に到達するまでの所要時間は4秒以内となるように特定役物100内をはじめとする各部が構成されている。また、図2(a)は振分羽根105が閉鎖している状態を示し、図2(b)は振分羽根105が開放している状態を示す。
このパチンコ機50の電気的構成は、図3のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本参考例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a、特定領域106に入球した遊技球を検出する確率変動作動スイッチ106aの検出信号が入力される。なお、入賞口スイッチ31aの符号は第1左入賞口31に対応しているが、前記各一般入賞口、すなわち第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34に対してそれぞれ入賞口スイッチが設けられており、各一般入賞口に遊技球が入ったことを個別に検出可能に構成されている。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、及び普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。また、振分羽根ソレノイド105aを制御することで振分羽根105を規則的に開閉させる。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本参考例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出センサ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出センサ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81は裏配線中継端子板75を介して払出中継端子板76と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払い出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してCRユニット56と交信する。CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお本参考例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。 また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67やジョグダイヤル68が接続されている。これらはいずれも遊技機前面に設けられ、遊技者からの操作を受けるためのものであり、遊技者がこれらを操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、擬似図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
主制御装置80が実行する始動入賞確認処理の概要を図4に示す。当処理はタイマ割込みにより起動されるメインルーチン(図示省略)のサブルーチンの一つとして起動され、該起動が行なわれると、まず第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1特別図柄の保留記憶(第1保留記憶または第1保留ともいう)が満杯(本参考例では4個)か否かを判断する(S105)。
第1保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を第1保留として記憶し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯態様を1増加させる(S110)。なお、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19は、それぞれ4個のLEDの点灯または消灯させることにより保留記憶されている数を表すものである。また、S110では第1特別図柄の保留個数が更新されたことを示すコマンド(保留個数コマンド)をサブ統合制御装置83に送信し、S115に移行する。第1始動口11に遊技球が入球していない場合(S100:no)、又は第1保留が満杯の場合(S105:yes)は、そのままS115に移行する。
S115では、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する。肯定判断なら(S115:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2特別図柄の保留記憶(第2保留記憶または第2保留ともいう)が満杯(本参考例では4個)か否かを判断する(S120)。
第2保留記憶が満杯でなければ(S120:no)、上記の各乱数を第2保留として記憶し、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯態様を1増加させる(S125)。また、S125では第2特別図柄の保留個数が更新されたことを示すコマンド(保留個数コマンド)をサブ統合制御装置83に送信し、当処理を終了(リターン)する。第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S115:no)、又は第2特図(特別図柄のこと。以下同様)の保留記憶が満杯の場合(S120:yes)は、そのまま当処理を終了する。
主制御装置80により実行される当否判定処理の内、特別図柄に係る当否判定などを行なう処理の概要を、図5〜8に示す。主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S200)。S200の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S205:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S210:no)、図6のS250に移行し、第2特図の保留記憶(S125による保留記憶)があるか否かを判断する。この保留記憶があれば(S250:yes)、第2特図の保留記憶数をデクリメントし(S255)、S270に進む。第2保留がない場合(S250:no)は、S260に進み、第1特図の保留記憶(S110による保留記憶)があるか否かを判断する。この保留記憶があれば(S260:yes)、第1特図の保留記憶数をデクリメントし(S265)、S270に進む。S270では保留記憶の中で最も古いもの(但し第2保留が存在する場合は、第1保留の方が古い場合でも第2保留を優先)を読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率遊技状態であることを意味する。肯定判断であれば(S270:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S275)。ここで当り値の数は10で、7〜16である。大当り決定用乱数の値域が0〜299であれば、当たり確率は1/30となる。S270が否定判断された場合(S270:no)は、S280にて当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する。ここで当り値は7のみである。つまり当たり確率は1/300となる。
S275またはS280の判定が行なわれると、S285にて大当りか否かを判定(当否判定)し、肯定判定であれば(S285:yes)、大当り図柄決定用乱数によって大当り図柄(当り図柄ともいう)を決定する(S290)。次に変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S295)、大当り設定処理を行う(S300)。大当り設定処理とは、S290で決定した当り図柄に応じて、大当り遊技の内容(大入賞口14の開放パターンなど)を決定する処理である。なお、S285において外れと判定された場合は、変動パターン決定用乱数等によって変動パターンを決定し(S305)、ハズレ設定処理(S310)を行なう。S310のハズレ設定処理では、遊技状態が確変または開放延長の状態であれば、各々のカウンタの値を減算する処理が行なわれる。具体的には、確変状態であれば、確変における最大の変動回数(例えば10000)から減算し、開放延長状態であれば、開放延長における最大の変動回数(例えば100)から減算する。
S300、又はS310に続いては、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当り、確変大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し(S315)、特別遊技処理に移行する。なお、S315の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄を設定し、その変動表示を開始するが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。また、特別図柄が変動する際には必ず演出図柄も変動され、且つ演出図柄が変動されるときには特別図柄も変動されるので、これらの図柄が変動することを単に「図柄が変動する」とも言う。
図5において特別図柄が変動中(S205:yes)と判定された場合には、図7のS350に移行し、図柄変動時間(S295、又はS305の変動パターンに基づく)が経過したか否かを判定する。否定判断(S350:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断(S350:yes)であれば確定図柄表示処理(S355)を行なってから特別遊技処理を行う。
図5において確定図柄を表示中と判定された場合(S210:yes)には、図8のS400に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判断(S400:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断であれば確定図柄表示終了処理(S405)を行なってから大当りになる組合せや否かを判定する(S410)。肯定判断なら確変フラグが1か否かを判定し(S415)、肯定判断なら(S415:yes)確変フラグを0にし(S420)、S425に移行する。否定判断なら(S415:no)そのまま、S425に移行する。
S425では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S425:yes)、S430にて時短フラグを0にし、S435に移行する。時短フラグが1でなければ(S425:no)、そのままS435に移行する。時短フラグを1にすると本参考例では特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物12の開放延長機能をセットする。
S435では、条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。そしてS440にて役物連続作動装置を作動させ、S445にて大当り開始演出処理を行なう。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。
S410で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は、S450に移行して確変フラグが1か否かを判定する。肯定判断(S450:yes)であれば、確変回数が0か否かを判定する(S455)。確変回数が0であれば(S455:yes)、S460にて確変フラグを0にし、S465に進む。確変フラグが1でないとき(S450:no)、または確変回数が0ではないとき(S455:no)は、そのままS465に移行する。S465では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S465:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S470)。時短回数が0であれば(S470:yes)、S475にて時短フラグを0にしてS480に進む。時短回数が0ではないとき(S470:no)又は時短フラグが1でないとき(S465:no)はそのままS480に移行する。S480では、現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、特別遊技処理を実行する。
次に、大当り図柄と大入賞口14の開放パターンの関係について図9を用いて説明する。
図9(a)は第1特図について、S290で決定された当り図柄と、それに応じてS300で決定される開放パターンの関係を示したものである。第1特別図柄の当り図柄は図柄1〜10の10種類あり、当り図柄として図柄1〜5が選択された場合には、大入賞口14の開放パターンは第1開放パターンとなる。一方、当り図柄として図柄6〜10が選択された場合には、大入賞口14の開放パターンは第2開放パターンとなる。各当り図柄の振分(選択率)は各10%となっており、大入賞口14の開放パターンが第1開放パターンとなる確率、および第2開放パターンとなる確率は、いずれも50%となっている。
図9(b)は第2特図について、当り図柄と開放パターンの関係を図9(a)と同様に示したものである。第2特別図柄の当り図柄も図柄1〜10の10種類あるが、大入賞口14の開放パターンは第1開放パターンとなるのは、当り図柄として図柄1〜8が選択された場合となっている。そして残りの図柄9〜10が当り図柄として選択された場合には、大入賞口14の開放パターンは第3開放パターンとなる。各当り図柄の振分は第1特図と同様、各10%となっており、大入賞口14の開放パターンが第1開放パターンとなる確率、および第3開放パターンとなる確率は、それぞれ80%および20%となっている。
大入賞口14の各開放パターンについて図9(c)および図9(d)を用いて説明する。図9(c)は1回の大当りにおける各開放パターンの内容を示したものであり、図9(d)は、各開放パターンを構成する大入賞口14の動作を示したタイムチャートで、各グラフを成すパルス波のHレベルが大入賞口14の開放中、Lレベルが大入賞口14の閉鎖中を示す。なお、図9(d)では、振分羽根105の動作も併せて記しており、大入賞口14の動作と同様にHレベルが振分羽根105の開放中、Lレベルが振分羽根105の閉鎖中を示している。振分羽根105は、各ラウンド(Rとも記す)が開始(ここでは各ラウンドで最初に大入賞口14が開放する時点を、そのラウンドの「開始」と呼ぶものとする)されるごとに開放し(時点P)、0.3秒後に閉鎖する。そして18秒後に再び開放し(時点Q)、そこから6.7秒経過すると閉鎖する(時点R)。なお、各ラウンドには規定数および大入賞口14の開放時間が設定されており、各ラウンド中に大入賞口14に入球した遊技球数が前記規定数に到達すると、前記開放時間の経過前であっても、後述する大入賞口14の動作の完遂を待たずに該ラウンドを終了する。このように動作が中断された場合には、振分羽根105の動作も完遂することなく中断し、次のラウンドの開始を待つ。中断されたラウンドが最終ラウンドだった場合には、そのまま大当りを終了する。また、図9(d)のパターンDは他の実施例に関するものであり、これについては後述する。
本参考例のパチンコ機は複数の大当り態様を備えており、それらのいずれも16ラウンドからなる。そして開放パターンとして第1開放パターンが選択された大当りでは、1〜15ラウンドは、各ラウンドにおいて大入賞口14がパターンAという動作を行ない、16ラウンドすなわち最終ラウンドではパターンBという動作を行なう。パターンAとは、図9(d)に示すように、時点Pにおいて大入賞口14が開放し、14秒後に閉鎖し(時点S)、該ラウンド中は再び開放することがない動作となっている。前述のように前記14秒が経過する前に規定数(例えば9個)の遊技球が大入賞口14に入球すると時点Sに到達する前に大入賞口14は閉鎖する。また時点Sは時点Qよりも4.3秒早くなっている。遊技球が大入賞口14に入球してから振分羽根105に到達するまでの所要時間は4秒以内であったから、たとえ大入賞口14が14秒、フルオープンしても、大入賞口14に入球した遊技球が開放された振分羽根105に到達することはない。また、振分羽根105の1回目の開放は、わずか0.3秒であるから、大入賞口14に入球した遊技球が開放された振分羽根105に到達することは無理である。
パターンBでは、時点Pにおいて大入賞口14が開放し、0.3秒後に閉鎖し、1秒後に再び開放するという開閉動作を8回繰り返し、9回目の開放(時点T)を行なった後、14.6秒後に閉鎖(時点R)する動作となっている。パターンBによれば、時点Tまでは短時間の開閉を繰り返すものの、振分羽根105が閉鎖されているため、特定領域106に入球することはできない。しかし9回目の開放中に振分羽根105が開放され、しかも両者の開放時間は十分長いため、大入賞口14に入球した遊技球はほぼ確実に特定領域106に到達することができる。従って、第1開放パターンが選択された場合には、1〜15ラウンドにおいて特定領域106に入球させるのは不可能だが、16ラウンドにおいては遊技球はほぼ確実に特定領域106に到達し、パチンコ機の遊技状態は大当り終了後に高確率状態となる(16ラウンドにおいて、大入賞口14に遊技球が入らなかったとか、遊技者が大入賞口14に入球させる努力をしなかった等の特殊なケースは除く。以下の説明では、こうした特殊なケースは起きないものとする)。
第2開放パターンが選択された大当りでは、図9(c)に示すように、1〜15の各ラウンドは、大入賞口14がパターンAで動作し、16ラウンドではパターンCという動作を行なう。パターンCでは、時点Pにおいて大入賞口14が開放し、0.3秒後に閉鎖し、該ラウンド中は再び開放することがない動作となっている。かかるパターンCでは、大入賞口14の開放時間がわずか0.3秒であるため、大入賞口14に入球させることが困難である。しかもこの0.3秒の間のみ、振分羽根105が開いているので、大入賞口14に入った遊技球が振分羽根105に到達するのはほぼ不可能である。そして1〜15ラウンドのパターンAにおいて振分羽根105に入球させるのも不可能である。従って、第2開放パターンが選択された場合には、パチンコ機の遊技状態は大当り終了後に高確率状態とならない。しかも16ラウンドでは大入賞口14に入球させること自体が困難であるため、賞球が望めず、実質的に大当り1回で15ラウンド分の賞球となる。
つまり第1特別図柄で当った際に、第1開放パターンが行なわれる図柄1〜5が決定される確率が50%、第2開放パターンが行なわれる図柄6〜10が決定される確率も50%であったから、大当り終了後に遊技状態が高確率状態となる可能性は50%となる。
第2特別図柄で当り、図柄9〜10が選択された場合に行なわれる第3開放パターンは、図9(c)に示すように、1〜16の全ラウンドにおいて大入賞口14がパターンAで動作する。この結果、大当り終了後に遊技状態が高確率状態となることは望めないが、第2開放パターンとは異なり、16ラウンドにおいて大入賞口14が最長14秒開くので、賞球を期待することができる。そして第1開放パターンが行なわれる図柄1〜8が決定される確率が80%、第3開放パターンが行なわれる図柄9〜10が決定される確率が20%であったから、第2特別図柄で当った場合、大当り終了後に遊技状態が高確率状態となる可能性は80%となる。しかも高確率状態とならない場合も、大当りによって得られる賞球数が第1特別図柄に比べて多いという遊技者にとって有利な内容となっている。
以上のように構成された遊技機によれば、大入賞口14が1個であるにも係わらず、大入賞口14の開放パターンを変化させることにより、終了後に確変となる大当りと、終了後に確変とならない大当りとを生起させることができる。しかも、いずれの大当りを生起するかを、図柄(図柄1〜10の何れであるか、および第1特図・第2特図の何れであるか)に応じて切り替えるので、第1特図と第2特図とで、大当り終了後に確変となる確率を異ならせることができる(当参考例では第1特図が50%。第2特図が80%)。
また、パターンBでは大入賞口14は、時点Tまで0.3秒間の開放を多数(当参考例では8回)繰り返すので、遊技者は大入賞口14の該動作をパターンAではないと認識することができる。これに反し、パターンBを、例えば時点Pから時点Rまで大入賞口14を開放させる動作としても、特定領域106に入球させることは可能であるが、遊技者がこれをパターンAと勘違いする可能性がある。すると、時点Qに到達する前に入球数が規定数に達して、大入賞口が閉鎖してしまう虞がある。これでは終了後に確変するはずの大当りが確変しなくなってしまう。パターンBをパターンAと異なる動作にすることにより、こうした遊技者の不利益を防ぐことができる。また、パターンBは時点Tまで短時間の開放を繰り返すことにより、通常の開放(例えばパターンA)に比べて大入賞口14に入球させることが困難となっている。これにより、16ラウンドが1〜15ラウンドとは異なる開放態様で大入賞口14が動作していることに遊技者が気付かなかったとしても、時点Qに達する前に大入賞口14への規定数に到達するのも防止することができる。
[実施例1]
本発明の第1実施例について図10(a)を用いて説明する。なお、本実施例は参考例と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。第1実施例においては、第1特図、第2特図ともに参考例の各特図よりも数が多くなっており(ここでは各100個とする)、それぞれ複数個の特図からなる複数の図柄群を成している。そして参考例では何れの大当りも16ラウンドであったが、第1実施例においては8ラウンド、12ラウンド、16ラウンドの3種類のラウンド数が存在する。
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。S110およびS125の処理が本発明の「乱数抽出手段」に相当し、S270〜S285の処理が本発明の「当否判定手段」に相当し、S290の処理が本発明の「図柄決定手段」に相当し、特定領域106が本発明の「確変口」に相当し、確率変動作動スイッチ106aが本発明の「確変口到達検出手段」に相当し、振分羽根105が本発明の「シャッター」に相当し、パターンAおよびパターンCが本発明の「非確変態様」に相当し、パターンBが本発明の「確変態様」に相当し、S300の処理が本発明の「開閉態様決定手段」に相当する。
各図柄群と大当りの内容の関係を図10(a)に示す。なお、図中、A、B,Cと示されているのは、前述のパターンA、パターンB、パターンCを略記したものである。また「C/A」と示されているのは、第1特図では大入賞口14がパターンCにて動作し、第2特図では大入賞口14がパターンAにて動作することを示している。なお、「−」とあるのは、対応する当り図柄が選択された場合には、そのラウンドが存在しないことを示している。例えば、第1図柄群を成す図柄のいずれかで当った場合に生起される大当りには、9〜16ラウンドは存在せず、8ラウンドで終了することを示している。第1図柄群は、図柄1〜図柄12の12個からなり、当り図柄としてこれらの内のいずれかが選択された場合には、8ラウンドからなる大当りが発生し、その1〜7ラウンドでは各ラウンドにおいて大入賞口14がパターンAで動作し、8ラウンドすなわち最終ラウンドではパターンC(第1特別図柄の場合。第2特別図柄の場合はパターンA)で動作する。つまり第1図柄群で当った場合には、大当り終了後に高確率状態とならず、第1特図の場合には第2特図の場合よりも8ラウンドの分だけ賞球が少ない大当りとなる。
第2図柄群は、図柄13〜図柄24の12個からなり、当り図柄としてこれらの内のいずれかが選択された場合には、8ラウンドからなる大当りが発生し、その1〜7ラウンドでは各ラウンドにおいて大入賞口14がパターンAで動作し、8ラウンド(最終ラウンド)ではパターンBで動作する。つまり第2図柄群で当った場合には、第1特図か第2特図かを問わず、大当り終了後に高確率状態となる。なお、図10(a)の「当りの種類」の欄において「確変可8R」とあるのは、大当りが8ラウンドから成り、最終ラウンド(第2図柄群の場合、8ラウンド)において大入賞口14に入球させれば大当り終了後に高確率状態になるが、大入賞口14に入球させなければ大当り終了後に高確率状態にならないことを示している。大入賞口14がパターンBで動作したにも拘らず、遊技球が特定領域106に到達しないのは前述した特殊なケースであるから、以下、「確変可」の大当りでは、その終了後に高確率状態になるものとして説明する。
第3図柄群は、図柄25〜図柄56の32個からなり、当り図柄としてこれらの内のいずれかが選択された場合には、12ラウンドからなる大当りが発生し、その1〜11ラウンドでは各ラウンドにおいて大入賞口14がパターンAで動作し、12ラウンド(最終ラウンド)ではパターンC(第1特別図柄の場合。第2特別図柄の場合はパターンA)で動作する。つまり第3図柄群で当った場合には、大当り終了後に高確率状態とならず、第1特図の場合には第2特図の場合よりも12ラウンドの分だけ賞球が少ない大当りとなる。
第4図柄群は、図柄57〜図柄88の32個からなり、当り図柄としてこれらの内のいずれかが選択された場合には、12ラウンドからなる大当りが発生し、その1〜11ラウンドでは各ラウンドにおいて大入賞口14がパターンAで動作し、12ラウンド(最終ラウンド)ではパターンBで動作する。つまり第4図柄群で当った場合には、第1特図か第2特図かを問わず、大当り終了後に高確率状態となる。
第5図柄群は、図柄89〜図柄94の6個からなり、当り図柄としてこれらの内のいずれかが選択された場合には、16ラウンドからなる大当りが発生し、その1〜15ラウンドでは各ラウンドにおいて大入賞口14がパターンAで動作し、16ラウンド(最終ラウンド)ではパターンC(第1特別図柄の場合。第2特別図柄の場合はパターンA)で動作する。つまり第5図柄群で当った場合には、大当り終了後に高確率状態とならず、第1特図の場合には第2特図の場合よりも16ラウンドの分だけ賞球が少ない大当りとなる。
第6図柄群は、図柄95〜図柄100の6個からなり、当り図柄としてこれらの内のいずれかが選択された場合には、16ラウンドからなる大当りが発生し、その1〜15ラウンドでは各ラウンドにおいて大入賞口14がパターンAで動作し、16ラウンド(最終ラウンド)ではパターンBで動作する。つまり第6図柄群で当った場合には、第1特図か第2特図かを問わず、大当り終了後に高確率状態となる。
そして何れの特図も当る場合には、図柄1〜図柄100の100個の図柄は均等な振分で選択されるものとする。従って、大当りの終了後に高確率状態となる確率は、第2図柄群、第4図柄群、第6図柄群の図柄数(12+32+6=50)から50%となる。そして大当りのラウンド数が8ラウンドとなるのは第1図柄群、第2図柄群の図柄数(12+12=24)から24%となり、大当りのラウンド数が12ラウンドとなるのは第3図柄群、第4図柄群の図柄数(32+32=64)から64%となり、大当りのラウンド数が16ラウンドとなるのは第5図柄群、第6図柄群の図柄数(6+6=12)から12%となる。
このように構成された遊技機によれば、異なるラウンドの複数種類の大当りを生起することができ、且つ該複数種類の大当りの生起確率を、大当りごとに異ならせることができる。
[実施例2]
本発明の第2実施例について図9(d)および図10(b)を用いて説明する。なお、本実施例は実施例1と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。第2実施例においては、16ラウンドの大当りの内容が更に細分化されており、これに合わせて第5図柄群および第6図柄群を、改めて第5図柄群〜第10図柄群に細分化している。第1実施例では第5図柄群は6個の当り図柄から成っていたが、これを第5図柄群、第7図柄群、第9図柄群に分化し、それぞれ2個の当り図柄から構成している。同様に第6図柄群も第1実施例では6個の当り図柄から成っていたが、これを第6図柄群、第8図柄群、第10図柄群に分化し、それぞれ2個の当り図柄から構成している。
そして第5図柄群および第6図柄群の各開放パターンは、図10(b)に示すように第1実施例の同名の図柄群の各開放パターンとそれぞれ同じである。すなわち第5図柄群を成す2図柄のいずれかが選択された場合には、16ラウンドからなる大当りが発生し、その1〜15ラウンドでは各ラウンドにおいて大入賞口14がパターンAで動作し、16ラウンド(最終ラウンド)ではパターンC(第1特別図柄の場合。第2特別図柄の場合はパターンA)で動作する。そして第6図柄群を成す2図柄のいずれかが選択された場合には、16ラウンドからなる大当りが発生し、その1〜15ラウンドでは各ラウンドにおいて大入賞口14がパターンAで動作し、16ラウンド(最終ラウンド)ではパターンBで動作する。
第7図柄群および第8図柄群の各開放パターンは、第5図柄群および第6図柄群のそれと比べ、何れも8ラウンドのみが異なっている。第7図柄群を第5図柄群と比較すると、第5図柄群の8ラウンドは、その前後のラウンドと同様、パターンAだったのに対して、第7図柄群の8ラウンドは、パターンDとなっている(第8図柄群を第6図柄群と比較しても同様)。パターンDの大入賞口に動作を図9(d)に示す。パターンDでは、時点Pにおいて大入賞口14が開放し、0.3秒後に閉鎖し、1秒後に再び開放するという開閉動作を8回繰り返す動作となっている。同図に示すパターンBと比較すると、9回目の開放がない点のみが異なる。この結果、パターンBでは9回目の開放時に入球した遊技球が特定領域106に到達する可能性が高いのに対して、パターンDでは振分羽根105が開放される前に、大入賞口14の8回目の(つまり最後の)閉鎖が行なわれて、そのラウンド中は2度と大入賞口14は開放されないので、遊技球が特定領域106に到達することはない。
8ラウンドにおいて大入賞口14がパターンDの動作を行なうと、大入賞口14の動作のみを見る遊技者は、これをパターンBと勘違いし、「この大当りは8ラウンドで終了する(当り図柄は第2図柄群(図10(a)参照)だった)」と誤解する可能性がある。実際には、8ラウンドにおける9回目の開放が行なわれず、9ラウンドに移行することが分かった時点で、更に賞球が得られるという喜びを遊技者に付与することができる。また、大入賞口14の動作がパターンBであったとすると、大当りが終了する反面、大当り終了後に高確率状態となることが確約される。これに反して8ラウンドがパターンDであったことは、大当り終了後に高確率状態にならない可能性を再発させたことになり、スリルのある遊技興趣を持った遊技機となる。なお、この遊技興趣を創出するために、当該大当りが幾つのラウンドから構成されるかを演出図柄表示装置6などに明示しないことが好ましい。
同様のことを8ラウンドではなく12ラウンドにおいて行なうのが、第9図柄群および第10図柄群である(第9図柄群が大当り終了後に非確変、第10図柄群が大当り終了後に確変)。これら何れの図柄群も、12ラウンドにて大入賞口14がパターンDにて動作するので、遊技者は、「この大当りは12ラウンドで終了し、大当り狩猟後に確変する」と誤解する可能性がある。実際には、12ラウンドにおける9回目の開放が行なわれず、13ラウンドに移行することが分かった時点で、「16ラウンド確定」という喜びと、「確変しないかもしれない」という不安とを遊技者に付与することができる。ここで、第1図柄群または第2図柄群(図10(a)参照)にて当った場合に発生される大当り遊技が本発明の「標準大当り」に相当し、第7図柄群または第8図柄群にて当った場合に発生される大当り遊技が本発明の「多ラウンド大当り」に相当し、パターンD(図9(d)参照)が本発明の「偽装態様」に相当する。なお、第3図柄群または第4図柄群(図10(a)参照)にて当った場合に発生される大当り遊技が本発明の「標準大当り」に相当し、第9図柄群または第10図柄群にて当った場合に発生される大当り遊技が本発明の「多ラウンド大当り」に相当すると解釈することもできる。また、第3図柄群または第4図柄群(図10(a)参照)の8ラウンドで大入賞口14がパターンDの開閉動作を行なうように構成し直すと、第1図柄群または第2図柄群(図10(a)参照)にて当った場合に発生される大当り遊技が本発明の「標準大当り」に相当し、第3図柄群または第4図柄群にて当った場合に発生される大当り遊技が本発明の「多ラウンド大当り」に相当し、第5図柄群または第6図柄群にて当った場合に発生される大当り遊技が「多ラウンド大当りよりも更にラウンド数の多い大当り」に相当する。
[他の実施例]
前記いずれの実施例においても、特定領域106は、大入賞口14とは別途、設けられた特定役物100の内部に設けられていたが、特定領域106を別の箇所に設けてもよい。具体例としては、大入賞口14内に、カウントスイッチ14aへ遊技球を導く穴(賞球用穴という)と、特定領域106に遊技球を導く穴(確変用穴という)とを形成しておく。そして確変用穴には開閉動作をするシャッター(前記実施例の振分羽根105に相当)を設け、該シャッターが開放した状態においてのみ確変用穴に入球可能で、該シャッターが閉鎖した状態では、賞球用穴に入球するように構成する。また、確変用穴への入球についても、賞球が払い出され、且つ規定数との比較対象となるように構成しておく。なお、このように特定領域106の位置を変更すると、大入賞口14に入球してから特定領域106に到達するまでの所要時間が前記実施例とは異なる可能性が高い(クルーン102等がない分、短時間で特定領域106に到達すると考えられる)。前記所要時間が異なる場合には、前記シャッターの開閉動作や大入賞口14の開閉動作を変更すべきである。また、前記のように確変用穴を形成するのではなく、賞球用穴に入った遊技球がカウントスイッチ14aに検出された後、前記シャッターを経て確率変動作動スイッチ106aに到達する構成でも良い。
なお、このような特定領域106の位置の変更をする・しないに係わらず、振分羽根105(前記シャッターを含む)の動作や大入賞口14の動作を変更しても良い。例えば、パターンBやパターンDにおいて、大入賞口14は0.3秒の開放を8回繰り返すものであったが、繰り返しの回数を異ならせても良い。また開放時間や、大入賞口14の閉鎖から開放までの時間を変更しても良い。いずれにしてもパターンBならば、時点Qから時点Rまでに特定領域106に入球させることが可能な振分羽根105および大入賞口14の動作にし、パターンDならば特定領域106に入球させることができない振分羽根105および大入賞口14の動作であればよい。例えば、振分羽根105が時点Pで行なう0.3秒間の開放動作はなくてもよい。
また、前記実施例ではいずれも、最終ラウンドで、パターンAかパターンCの何れを行なうかは、その大当りが第1特図か第2特図かの何れによって発生したかにより決定したが、これ以外の要因(例えば乱数による抽選や遊技状態)により大当りの都度、変更しても良い。乱数で開放パターンを変更すると、第1図柄であっても16ラウンドで1〜15ラウンド並みに賞球を得られる場合が発生したり、逆に第2図柄であっても16ラウンドで賞球を得られない場合が発生したりする。また、前記いずれの実施例においても、特定領域106に入球可能なのは最終ラウンドであったが、別のラウンドにおいて特定領域106に入球可能に構成しても良い。また、特定領域106に入球可能な動作を大入賞口14がするラウンドが複数あってもかまわない。こうすれば、特定領域106に入球可能な第1のラウンドで、何らかの理由により特定領域106に入球させることに失敗しても、特定領域106に入球可能な第2のラウンドで特定領域106への入球を狙うことができる。
また、前記いずれの実施例においても、ラウンド内で大入賞口14への入球数が規定数に到達すると、そのラウンド自体を終了して次のラウンドへ移行(「そのラウンド」が最終ラウンドだった場合は大当り自体を終了)し、振分羽根105の動作も中断していたが、振分羽根105の動作は完遂するように構成し直しても良い(大入賞口14の動作は中断して閉鎖する)。こうすると、大入賞口14が閉鎖している期間が長くなる懸念があるが、振分羽根105に一定の動作を行わせることができる。
第1実施例では、第1特図と第2特図のそれぞれが、大当り終了後に高確率状態となる確率は、ともに50%であったが、これを第1特図と第2特図とで異ならせても構わない。これには、第1特図と第2特図でそれぞれ図柄群を構成する図柄の数を異ならせる等の方法がある。例えば第1実施例では第1図柄群および第2図柄群を構成する図柄群は第1特図・第2特図とも各12個であったが、これを第2特図のみ第1図柄群は図柄1〜4、第2図柄群は図柄5〜24等とすればよい。この場合、第1特図については当然、第1実施例と同じ割合(すなわち50%の確率)で大当り終了後に高確率状態となるが、第2特図については、(24−4)/24=約83.3%の確率で大当り終了後に高確率状態となる。第2実施例においても同様に、第5図柄群〜第10図柄群を成す図柄数を第1図柄と第2図柄とで異ならせても良い。また、第5図柄群〜第10図柄群を成す図柄数は全て同じ(各2個)であったが、これについても不均一にしてもよい。
第1実施例では、第1特図が第1図柄群、第3図柄群、または第5図柄群で当った場合には、パターンCで終了していたが、パターンDで終了させても構わない。パターンCで大入賞口が動作すると、その時点でこのラウンドでその大当りは終わりであり、しかも大当り終了後に高確率状態にならないことが確定してしまうが、パターンDで大入賞口が動作すると、大当りはそのラウンドで終わるものの、大当り終了後に高確率状態になるかもしれないという期待を遊技者に持たせることができる。また、第2実施例で示した、第1特図が第5図柄群、第7図柄群、または第9図柄群で当った場合も、パターンCで終了しているのをパターンDに変更しても良い。この場合も、大当り終了後に高確率状態になるかもしれないという期待を遊技者に持たせることができる。