JP2014070920A - 核燃料燃焼度評価装置、方法およびプログラム - Google Patents

核燃料燃焼度評価装置、方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】形状が不確定であって、さらに残存セシウム量の正確な把握が困難となった核燃料の燃焼度評価技術を提供する。
【解決手段】評価装置20は、核燃料から放出されたガンマ線を検出した検出器12から出力されるPr144のエネルギー固有値2186keVまたは1489keVおよびEu154の2つ以上のエネルギー固有値の計数率を計数する計数部21と、各核種で規定される放射分岐比に基づいてPr144およびEu154の計数率を補正した補正計数率を得る補正部22と、Pr144の補正計数率をEu154の補正計数率で除して放射能比とする除算部25と、放射能比を原子炉の冷却期間による放射能減衰率ηおよび相対測定効率εで調整して調整放射能比Mとする調整部26と、調整放射能比Mを予め保持された相関データと比較して核燃料の燃焼度を評価する比較部27と、を備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、核燃料の非破壊測定による燃焼度評価技術に関する。
核燃料の非破壊測定による核燃料の燃焼度評価技術は、1970年代から1980年代にかけて各国で開発され、これまでに確立されている。
燃焼度とは、炉心に装荷された核燃料物質が核分裂によって発生させたエネルギーを単位ウラン重量当たりに発生したエネルギーで表したもので、1ギガワット(GW)の熱を1日(d)出し続けた場合の熱量の大きさなどを単位とする。
単位は、GWd/t(Giga Watt Day per Tons)またはMWd/MTU(Mega Watt Day per Metric Tons of Initial Uranium)などで表わされる。
この燃焼度は、核燃料の種々の燃焼特性を推定するときの指標であり、核燃料物質の在庫および移動量の計量管理指標となる有用な量である。
燃焼度を管理することにより、核燃料中に残存するウランや生成蓄積されたプルトニウムからなる核燃料物質の量が管理される。
さらに、燃焼度は使用済核燃料の輸送容器や貯蔵設備の臨界安全設計を行う際にも用いられる。
燃焼度の評価には、核燃料物質から放出される複数のガンマ線の計数率を用いる方法や(例えば、特許文献1)、ガンマ線に加え中性子の計数率を用いる方法(例えば、特許文献2)などが知られている。
ガンマ線は、ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線スペクトル法などを利用して測定される。
このガンマ線は、核燃料物質および核燃料中に蓄積されたセシウム137(Cs137)を主とする特定の核分裂生成物(FP:Fission Products)が放出するものである。
複数のガンマ線の計数率から燃焼度を評価する場合、Cs137のガンマ線の計数率と、この計数率に対するセシウム134(Cs134)のガンマ線の計数率の比と、同様にこの計数率に対するユーロピウム154(Eu154)のガンマ線の計数率の比と、の算出が必要となる(例えば、特許文献1)。
一方、ガンマ線に加え中性子を用いて燃焼度を評価する場合、中性子の計数率に対して、測定環境の条件や核燃料の初期濃縮度などの核燃料仕様情報をもとに絶対感度校正を施す必要がある(例えば、特許文献2)。
ところで、原子炉が津波などの被害によって核燃料が溶融し、圧力容器を貫通して格納容器などに達し再固化した場合、燃料デブリを格納容器などから取り出して管理することが必要となる。
燃料デブリを管理する際は、燃料デブリに含まれる核燃料物質の量を推定する必要がある。
この核燃料物質の量を推定するためには、燃料デブリの重量を測定する方法があるが、この方法だけでは正確な推定ができない。
燃料デブリ中に含まれる核燃料物質の含有率が不明であるからである。
そこで、例えば燃焼度など、重量を測定する以外の手段によって核燃料物質の量の多寡を推定することが望まれる。
しかしながら、核燃料が一旦溶融して再固化した燃料デブリに含まれる核燃料物質の燃焼度を評価する際、上述した従来の方法をそのまま利用することはできない。
その理由は、燃焼度評価の基準量として用いられるFPのCs137が、核燃料溶融時に高い割合で核燃料から放出されてしまうからである。
Cs137は、沸点が約670度であるため、核燃料溶融時には蒸発して放出されてしまい、核燃料内に留まらない。
さらに、従来の中性子の計数率を用いる方法では、燃料集合体の形状が維持されているということを前提としているため、形状が不確定である燃料デブリに対しての適用は困難である。
特許第3026455号公報 特許第3103361号公報
上述した核燃料の燃焼度評価技術では、原子炉の事故などによって発生する、形状が不確定で、さらに残存セシウム量の正確な把握が困難となった核燃料の燃焼度評価に適用できないという課題があった。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、形状が不確定であって、さらに残存セシウム量の正確な把握が困難となった核燃料の燃焼度評価技術を提供することを目的とする。
本発明に係る核燃料燃焼度評価装置は、核燃料から放出されたガンマ線を検出した検出器から出力されるPr144のエネルギー固有値2186keVまたは1489keVの信号およびEu154の2つ以上のエネルギー固有値の信号に基づいて計数率を計数する計数部と、各核種で規定される放射分岐比に基づいて前記Pr144および前記Eu154の前記計数率を補正した補正計数率を得る補正部と、前記Eu154の前記エネルギー固有値と前記補正計数率との関係から効率定数を確定させる確定部と、前記効率定数を用いて前記Pr144および前記Eu154の前記エネルギー固有値から前記Pr144および前記Eu154の測定効率を算出する算出部と、前記Pr144の前記補正計数率を前記Eu154の前記補正計数率で除して放射能比とする除算部と、前記放射能比を原子炉の冷却期間による放射能減衰率および前記測定効率の少なくとも一方で調整して調整放射能比を得る調整部と、前記調整放射能比を予め保持された相関データと比較して前記核燃料の燃焼度を評価する比較部と、を備えるものである。
本発明により、形状が不確定であって、さらに残存セシウム量の正確な把握が困難となった核燃料の燃焼度評価技術が提供される。
本発明の各実施形態に係る核燃料燃焼度評価装置を備える燃焼度測定システムの全体図。 使用済核燃料のガンマ線エネルギーのスペクトル線図。 本発明の第1実施形態に係る核燃料燃焼度評価装置の構成図。 検出器の検出エネルギーと測定効率の相関関係を示すグラフ。 燃焼度とEu154、Pr144およびRh106の放射能との相関関係を示すグラフ。 燃焼度と調整放射能比との相関関係を示すグラフ。 本発明の第1実施形態に係る核燃料燃焼度評価方法のフローチャート。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明の各実施形態に係る核燃料燃焼度評価装置20(以下、単に「評価装置20」という)を備える燃焼度測定システム15の全体図である。
燃料デブリ収納容器10に燃料デブリ11が収納されており、ガンマ線(図中では「γ」と記載)を放出している。
本発明に係る評価装置20にはガンマ線検出器12が接続され、燃料デブリ11から放出されるガンマ線を検出する。
バックグラウンド計数を抑制して測定部分を特定するために、ガンマ線検出器12は遮蔽体13で覆われ燃料デブリ収納器10に向けてスリットを備えたコリメータ14が取り付けられている。
コリメータ14を介してガンマ線検出器12に入射したガンマ線が検出される。
ただし、ガンマ線測定を行うタイミングと測定体系は、これに限定するものでない。
また、燃焼度測定システム15は、測定の際に適宜回転や移動ができるものである。
燃料デブリ11に含まれる核燃料は、事故直前まで原子炉で燃焼していたものであり、核燃料中には多量のFPが蓄積されている。
FPには種々の半減期のものがあるが、比較的半減期が長く、しかも測定容易なガンマ線を放出するものはいくつかに限定される。
そのようなFPとして、Cs137(半減期30.1年)、Cs134(2.1年)、Eu154(8.6年)、Ce144(285日)、Ru106(374日)、Nb125(2.8年)、Zr95(64日)などが該当する。
ここで、Ce144およびRu106については、それぞれの娘核種のPr144(17分)およびRh106(30秒)が実測可能なガンマ線を放出する。
そこで各実施形態では、Ce144およびRu106の量の把握に、それぞれの娘核種であるPr144(17分)およびRh106(30秒)が放出するガンマ線を用いる。
図2は、ガンマ線検出器(検出器)12で検出される、原子炉停止から数年ないし10年冷却された使用済核燃料のガンマ線エネルギーのスペクトル線図である。
図2ではガンマ線を放出するFPの主なガンマ線ピークが記載されている。
スペクトル線図の数値は、()内に示された核種が崩壊する際に放出する核種のエネルギー固有値(横軸)を示し、縦軸は各ガンマ線エネルギーに対する計数率の対数値を示している。
(第1実施形態)
図3は本発明の第1実施形態に係る評価装置20の構成図である。
図3に示されるように(適宜、図1および図2参照)、第1実施形態に係る評価装置20は、核燃料から放出されたガンマ線を検出した検出器12から出力されるPr144のエネルギー固有値2186keVまたは1489keVの信号およびEu154の2つ以上のエネルギー固有値の信号に基づいて計数率を計数する計数部21と、各核種で規定される放射分岐比に基づいてPr144およびEu154の計数率を補正した補正計数率を得る補正部22と、Eu154のエネルギー固有値と補正計数率との関係から効率定数m,mを確定させる確定部23と、効率定数m,mを用いてPr144およびEu154のエネルギー固有値からPr144およびEu154の相対測定効率ε(εPr、εEu)を算出する算出部24と、Pr144の補正計数率をEu154の補正計数率で除して放射能比とする除算部25と、放射能比を原子炉の冷却期間による放射能減衰率η(ηPr、ηEu)および相対測定効率ε(εPr、εEu)の少なくとも一方で調整して調整放射能比M(式2)とする調整部26と、調整放射能比Mを予め保持された相関データ(図6)と比較して核燃料の燃焼度を評価する比較部27と、を備える。
計数部21は、核燃料から放出されたガンマ線を検出した検出器12から出力されるPr144のエネルギー固有値2186keVまたは1489keVの信号およびEu154の2つ以上のエネルギー固有値の信号に基づいて計数率を計数する。
燃料デブリ11においては、Cs137とCs134は残存量が不明であるが、Eu154、Pr144、Rh106は蒸発せずに内部に留まっている。
ガンマ線ピークのうちのいくつかは、他のガンマ線と弁別できて単独のピーク強度を精度良く測定することができる。
Eu154は、エネルギー固有値723keV、757keV、873keV、996keV、1005keV、1246keV、1274keVおよび1596keVなどの弁別可能なガンマ線を放出している。
なお、ガンマ線検出器12には、目的とする核種のガンマ線ピークを精度よく弁別して検出するため、ゲルマニウム半導体検出器が好適に用いられる。
補正部22は、各核種で規定される放射分岐比に基づいてPr144およびEu154の計数率を補正した補正計数率を得る。
各核種の1崩壊あたりにおける各エネルギー固有値を持ったガンマ線の放出率である放射分岐比は既知であり、放射分岐比保持部28に保持されている。
計数された各計数率は核種の放出したガンマ線の総量に放射分岐比がかけられたものに相当する。
よって、計数率が対応する放射分岐比で除されることで、その核種が放出したガンマ線の総量である補正計数率へと補正される。
ただし、ガンマ線検出器12の特性などによる後述する測定効率εの影響で、同じ核種に基づく各補正計数率の値は必ずしも一致しない。
確定部23は、Eu154のエネルギー固有値と補正計数率との関係から効率定数m,mを確定させる。
一般的に、ガンマ線検出器は、検出エネルギーによって測定効率に差が生じる。
例えばゲルマニウム半導体検出器は、図4の直線範囲aで示すように、100keV程度から数1000keV程度のエネルギー区間で、ともに対数表示された検出エネルギーと測定効率が直線的な関係になるという特性を持つ。
そこで、確定部23は、まずEu154のエネルギー固有値の対数値とそれに対応する補正計数率の対数値との関係を(式1)で表わされる直線で近似する。
この近似は、計数した少なくとも2つ以上の補正計数率(例えば、図4に示されるEu154のエネルギー固有値723keVおよび1005keVとその補正計数率)を用いてなされる。
そして、直線から効率定数m,mを確定させて相対測定効率εの導出式(式1)を確定する。
LOG(ε)=mLOG(Eγ)+m (式1)
ただし、Eγはエネルギー固有値、LOG( )は常用対数関数または自然対数関数である。
εにはEγに代入するエネルギー固有値に対する補正計数率を代入する。
相対測定効率εは、ガンマ線検出器12の感度に加え、立体角や構造物の遮蔽効果などの測定体系の影響を含めた総合的な補正量である。
算出部24は、効率定数m,mを用いてPr144およびEu154のエネルギー固有値からPr144およびEu154の相対測定効率ε(εPr、εEu)を算出する。
まず、Pr144の1つのエネルギー固有値に対する相対測定効率εPrを算出する。
相対測定効率εPrに用いるPr144のエネルギー固有値は2186keVであるのが望ましい。
同様に、Eu154の計数した2つ以上のエネルギー固有値のうちの1つを(式1)のEγに代入して相対測定効率εEuを算出する。
なお、使用するEu154のエネルギー固有値は、効率定数m,mを導くのに用いたものであってもよい。
相対測定効率εEuの算出のために代入するEu154のエネルギー固有値は1274keVであるのが望ましい。
図2に示されるように、Eu154は数多くのガンマ線ピークを有するので、精度よく計数できる場合は他のエネルギー固有値を用いてもよい。
除算部25は、Pr144の補正計数率をEu154の補正計数率で除して放射能比Eu/Prとする。
同一の測定体系から得られる補正計数率を用い、そしてその比(Eu/Pr)をとることで、測定体系の物理的な影響が相殺され、煩雑な絶対感度校正が不要となる。
絶対感度校正が不要であるので、核燃料の形状が不確定であっても燃焼度を算出することができる。
ところで、図5は、Eu154、Pr144およびRu106の燃焼度に応じた放射能の変化を示す計算例である。
Eu154は、核分裂で生成したEu153が中性子を捕獲して生成するもので、燃焼度の2乗に比例した曲線的に増加していく。
Rh106の親核種ルテニウム106(Ru106)は、燃焼度に比例して生成する。
その一方で、Ru106半減期が374日であるために、崩壊による減衰でRh106の放射能は飽和傾向をもつ。
Pr144の親核種Ce144はさらに半減期が短いため、図5のようにPr144の放射能は上に凸の変化を示す。
図6は、Eu154/Pr144の燃焼度と調整放射能比との相関関係を示したものである。
なお、図6には第2実施形態で用いるEu154/Rh106の燃焼度と調整放射能比との相関関係も合わせて付している。
図6は、図5に基づいて得られる。
各核種はそれぞれの半減期に応じて減衰するので、原子炉の運転を停止してから時間とともに、図5および図6で示されるグラフは時間とともに変化する。
一般的には、原子炉の停止直後の燃焼度と放射能との関係が用いられる。
そこで、図6で示される相関データを用いて燃焼度の評価を行うには、適宜冷却期間による減衰に対して補正をする必要がある。
調整部26は、放射能比Eu/Prを冷却期間による放射能減衰率η(ηEu、ηPr)および相対測定効率ε(εPr、εEu)で調整して(式2)で示される調整放射能比Mを得る。
調整部26は、放射能減衰率保持部29を有し、保持された既知の放射能減衰率ηのデータから適切なものを抽出して調整する。
M=(Eu/Pr)(εPr/εEu)(ηPr/ηEu) (式2)
ただし、ηEuは、冷却期間におけるEu154の放射能減衰率、ηPrはPr144の親核種であるセリウム144(Ce144)の放射能減衰率である。
比較部27は、調整放射能比Mを相関データ保持部30に保持された図6で示される相関データと比較して核燃料の燃焼度を評価する。
図6に示されたEu154/Pr144の縦軸は、調整放射能比Mに相当する。
従って、上述のようにガンマ線スペクトル測定から調整放射能比Mを導出して図6の相関データを用いて燃料デブリ11の燃焼度を評価することができる。
次に、図7の核燃料燃焼度評価方法のフローチャートを用いて燃焼度の評価方法について説明する。
まず、ガンマ線検出器12でガンマ線エネルギーのスペクトルを検出(ステップS11)する。
計数部21は、このエネルギースペクトルにおいてPr144およびEu154の複数(3以上)のガンマ線ピークの信号から計数率を計数し(ステップS12)、計数率を各核種の放射分岐比で除算し補正計数率を得る(ステップS13)。
Eu154の2つ以上のエネルギー固有値およびそれに対応する補正計数率を(式1)に代入し、相対測定効率εの効率定数m,mを確定する(ステップS14)。
確定した効率定数m,mを用いてEu154およびPr144の1組の相対測定効率ε(εEu、εPr)を算出する(ステップS15)。
なお、使用するEu154のエネルギー固有値は、効率定数m,mを導くのに用いたものであってもよい。
なお、Eu154の相対測定効率εEuはエネルギー固有値1274keV、Pr144の相対測定効率εPrはエネルギー固有値2186keVから好適に算出される。
次に、相対測定効率ε(εEu、εPr)を算出したEu154およびPr144のエネルギー固有値の補正計数率を用い、その除算値である放射能比Eu/Prを導出する(ステップS16)。
ただし、補正計数率を導く計数率は、相対測定効率εの算出の際に用いたエネルギー固有値のものを使用する。
よって、Eu154はエネルギー固有値1274keVの、Pr144はエネルギー固有値2186keVの信号がそれぞれ好適に用いられる。
ここで、Eu154の補正計数率は、相対測定効率εに合わせて、エネルギー固有値1274keVのものが好適に用いられる。
そして、放射能比Eu/Prを相対測定効率ε(εEu、εPr)および冷却期間に対応する放射能減衰率η(ηEu、ηPr)で調整した調整放射能比Mを導出する(ステップS17)。
そして、図6で示される相関データを参照して核燃料の燃焼度を評価する(ステップS18)。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る評価装置20は、第1実施形態におけるPr144のエネルギー固有値、計数率、相対測定効率εPrおよび放射能減衰率ηPrの代わりに、Rh106のエネルギー固有値、計数率、相対測定効率εRhおよび放射能減衰率ηRhを用いて調整放射能比Mを導出すること、を特徴とする。
Rh106は、エネルギー固有値1050keV、1562keVなどのガンマ線を放出しており、これらの放射分岐比は知られている。
このような変更に伴い、計数部21はEu154およびPr144のエネルギー固有値の計数率からEu154およびRh106のエネルギー固有値の計数率を計数するものに変更される。
同様に、放射能減衰率保持部29は、Rh106の親核種のRu106の、半減期に応じた、放射能減衰率のデータを保持するものに変更される。
第1実施形態と同様に、放射能減衰率ηRhにはRu106の放射能減衰率が用いられる。
なお、本実施形態は、使用される各種物理量をPr144のものからRh106のものに変更すること以外は、第1実施形態と同じ構造および作動手順を有するので、重複する説明を省略する。
図面においても、各図面で適宜Pr144(またはPr)をRh106(またはRh)に読み換え、重複する説明を省略する。
このように、図6のEu154/Rh106の燃焼度と調整放射能比との相関データを用いることにより、導出した調整放射能比Mから燃料デブリ11における核燃料の燃焼度が評価される。
本実施形態によれば、形状が不確定であって、燃料デブリ11の内部に残存するセシウム量の正確な把握が困難となった場合にも、Eu154およびRh106のガンマ線ピークを用いて核燃料の燃焼度を評価することができる。
以上述べた少なくとも1つの実施形態の評価装置20によれば、Eu154、Pr144またはRh106のガンマ線ピークを用いることにより、形状が不確定であって、さらに残存セシウム量の正確な把握が困難となった核燃料の燃焼度の評価が可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…燃料デブリ収納容器、11…燃料デブリ、12…ガンマ線検出器(検出器)、13…遮蔽体、14…コリメータ、15…燃焼度測定システム、20…核燃料燃焼度評価装置(評価装置)、21…計数部(Eu,Pr計数部、Eu,Rh計数部)、22…補正部、23…確定部(効率定数確定部)、24…算出部(相対測定効率算出部)、25…除算部、26…調整部、27…比較部、28…放射分岐比保持部、29…放射能減衰率保持部、30…相関データ保持部、a…直線範囲。

Claims (7)

  1. 核燃料から放出されたガンマ線を検出した検出器から出力されるPr144のエネルギー固有値2186keVまたは1489keVの信号およびEu154の2つ以上のエネルギー固有値の信号に基づいて計数率を計数する計数部と、
    各核種で規定される放射分岐比に基づいて前記Pr144および前記Eu154の前記計数率を補正した補正計数率を得る補正部と、
    前記Eu154の前記エネルギー固有値と前記補正計数率との関係から効率定数を確定させる確定部と、
    前記効率定数を用いて前記Pr144および前記Eu154の前記エネルギー固有値から前記Pr144および前記Eu154の測定効率を算出する算出部と、
    前記Pr144の前記補正計数率を前記Eu154の前記補正計数率で除して放射能比とする除算部と、
    前記放射能比を原子炉の冷却期間による放射能減衰率および前記測定効率の少なくとも一方で調整して調整放射能比を得る調整部と、
    前記調整放射能比を予め保持された相関データと比較して前記核燃料の燃焼度を評価する比較部と、を備えることを特徴とする核燃料燃焼度評価装置。
  2. 前記Eu154の前記エネルギー固有値は、
    723keV、757keV、873keV、996keV、1005keV、1246keV、1274keVおよび1596keVのうちの少なくとも2つであることを特徴とする請求項1に記載の核燃料燃焼度評価装置。
  3. 前記Pr144の前記エネルギー固有値、前記計数率、測定効率および前記放射能減衰率の代わりに、Rh106の前記エネルギー固有値、前記計数率、測定効率および前記放射能減衰率を用いて前記調整放射能比を求めること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の核燃料燃焼度評価装置。
  4. 前記放射能比の導出にEu154のエネルギー固有値1274keVの前記補正計数率を用いることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の核燃料燃焼度評価装置。
  5. 前記確定部は、Eu154の2つ以上の前記エネルギー固有値の対数値とそれに対応する前記補正計数率の対数値との関係を直線で近似し、前記直線から前記効率定数を確定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の核燃料燃焼度評価装置。
  6. 核燃料から放出されたガンマ線を検出した検出器から出力されるPr144のエネルギー固有値2186keVまたは1489keVの信号およびEu154の2つ以上のエネルギー固有値の信号に基づいて計数率を計数するステップと、
    各核種で規定される放射分岐比に基づいて前記Pr144および前記Eu154の前記計数率を補正した補正計数率を得るステップと、
    前記Eu154の前記エネルギー固有値と前記補正計数率との関係から効率定数を確定させるステップと、
    前記効率定数を用いて前記Pr144および前記Eu154の前記エネルギー固有値から前記Pr144および前記Eu154の測定効率を算出するステップと、
    前記Pr144の前記補正計数率を前記Eu154の前記補正計数率で除して放射能比とするステップと、
    前記放射能比を原子炉の冷却期間による放射能減衰率および前記測定効率の少なくとも一方で調整して調整放射能比を得るステップと、
    前記調整放射能比を予め保持された相関データと比較して前記核燃料の燃焼度を評価するステップと、を備えることを特徴とする核燃料燃焼度評価方法。
  7. コンピュータに、
    核燃料から放出されたガンマ線を検出した検出器から出力されるPr144のエネルギー固有値2186keVまたは1489keVの信号およびEu154の2つ以上のエネルギー固有値の信号に基づいて計数率を計数するステップ、
    各核種で規定される放射分岐比に基づいて前記Pr144および前記Eu154の前記計数率を補正した補正計数率を得るステップ、
    前記Eu154の前記エネルギー固有値と前記補正計数率との関係から効率定数を確定させるステップ、
    前記効率定数を用いて前記Pr144および前記Eu154の前記エネルギー固有値から前記Pr144および前記Eu154の測定効率を算出するステップ、
    前記Pr144の前記補正計数率を前記Eu154の前記補正計数率で除して放射能比とするステップ、
    前記放射能比を原子炉の冷却期間による放射能減衰率および前記測定効率の少なくとも一方で調整して調整放射能比を得るステップ、
    前記調整放射能比を予め保持された相関データと比較して前記核燃料の燃焼度を評価するステップ、を実行させることを特徴とする核燃料燃焼度評価プログラム。
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