JP2003043183A - 照射燃料の発熱率測定方法 - Google Patents

照射燃料の発熱率測定方法

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JP2003043183A
JP2003043183A JP2001228952A JP2001228952A JP2003043183A JP 2003043183 A JP2003043183 A JP 2003043183A JP 2001228952 A JP2001228952 A JP 2001228952A JP 2001228952 A JP2001228952 A JP 2001228952A JP 2003043183 A JP2003043183 A JP 2003043183A
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curium
rate
neutron
neutron emission
emission rate
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JP2001228952A
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Kiyoshi Ueda
精 植田
Ryohei Ando
良平 安藤
Takeshi Mihashi
偉司 三橋
Kenichi Yoshioka
研一 吉岡
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】使用済燃料が放出している中性子、γ線、及び
発熱量の測定から非破壊的に核種ごとの発熱率を測定す
る。 【解決手段】照射燃料から放出されている中性子の中性
子測定(1)により中性子束の導出(2)を行い、この
中性子束から中性子放出率を導出(3)する。中性子放
出率からCm242の中性子放出率を差し引き(4)、予
め計算で求めたCmを除くその他の超ウラン核種の中性
子放出率とCm244の中性子放出率との比と燃焼度との
相関関係を示す校正曲線(7)、又は中性子放出率と燃
焼度との相関関係を示す校正曲線を用いて前記中性子放
出率を差し引き(5)、Cm244の中性子放出率を求
め、この中性子放出率から照射燃料の燃焼度を求める
(6)。そして、Cm244の放出率からCm244濃度を求
め、Cm244の濃度からCm244の発熱率を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉で照射され
た後、取り出された照射燃料中に含まれる核種ごとの発
熱率を求める照射燃料の発熱率測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ウラン(U)燃料、又はウランとプルト
ニウム(Pu)の混合燃料(U・Pu燃料)を原子炉の
炉心に装荷して中性子照射により燃焼させると、核分裂
生成物(FP)や超ウラン核種(TRU:Trans-Uraniu
m)が生成し、それらは崩壊する際に熱を放出する。こ
の熱を崩壊熱と言う。本発明では、単位時間あたりの崩
壊熱の発生率を発熱率と呼ぶことにする。崩壊熱は中性
子照射終了とともに全体的には減衰していくが、核種に
よっては増大するものもある。
【0003】ウラン燃料では崩壊熱の大部分は核分裂生
成物に起因するが、プルトニウムが主核分裂物質となる
例えばウラン・プルトニウム混合酸化物燃料(MOX:
Mixed-oxide fuel)では、1〜2年も冷却すると核分裂
生成物よりも超ウラン核種からの発熱率が相対的に高く
なり、全体的に見ても、原子炉で照射された使用済混合
酸化物燃料の崩壊熱はウラン燃料の崩壊熱の2〜3倍を
超えることもあることが知られている。
【0004】原子炉で照射されて取り出された使用済燃
料は、2〜5年程度原子力発電所で冷却された後、再処
理されるか、中間的に貯蔵される。いずれにしても使用
済燃料は輸送容器(キャスク)に収納して輸送しなけれ
ばならない。その際、中性子遮蔽がウラン燃料の場合よ
り厳しいことはよく知られているが、崩壊熱問題も非常
に厳しいことがだんだん明らかになってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】今後、混合酸化物(M
OX)燃料の実用化の進行とともに、崩壊熱のより正確
な測定や評価が重要になってくるが、しかしそれらの議
論は見当たらない。使用済混合酸化物燃料を5年ほど冷
却すると、超ウラン核種の崩壊熱は全体の50〜60%に及
び、超ウラン核種の中ではキュリウム244とプルトニウ
ム238の崩壊熱が高く、両者は冷却期間とともに緩やか
に減衰する。
【0006】アメリシウム241の崩壊熱は冷却期間とと
もに増大し、5年冷却の場合には3位であるが、20年も
冷却するとキュリウム244やプルトニウム238の崩壊熱を
超えることが予想される。プルトニウム238の生成は使
用済ウラン燃料の場合には、プルトニウム238生成全体
に占めるキュリウム242のα崩壊で生成する割合は20%
程度であるが、混合酸化物燃料では50%程度になること
が分かった。
【0007】つまり、使用済混合酸化物燃料における崩
壊熱では、キュリウム244の崩壊熱と、キュリウム242の
崩壊で生成するプルトニウム238の崩壊熱は使用済ウラ
ン燃料ではあまり重要でなかったが、使用済混合酸化物
燃料では重要な発熱核種である。冷却期間とともにアメ
リシウム241も重要な要素となる。
【0008】本発明は上記背景に鑑みてなされたもの
で、原子炉で照射された照射燃料、例えば使用済燃料が
放出している中性子γ線、及び発熱量の測定から非破壊
的に精度よく核種ごとの発熱率を測定することができる
照射燃料の発熱率測定方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
照射燃料から放出されている中性子を測定して中性子束
を求め、この中性子束から中性子放出率(ST)を求
め、この中性子放出率(ST)からキュリウム242の中性
子放出率(S2)を差し引き、さらに予め計算で求めた
キュリウムを除くその他の超ウラン核種の中性子放出率
(SO)とキュリウム244の中性子放出率(S4)との比
(SO/S4)と燃焼度との相関関係を示す校正曲線、ま
たは前記中性子放出率(SO)と燃焼度との相関関係を
示す校正曲線を用いて前記中性子放出率(SO)を差し
引いてキュリウム244の中性子放出率(S4)を求め、こ
の中性子放出率(S4)から照射燃料の燃焼度を求める
とともに、キュリウム244の中性子放出率(S4)からキ
ュリウム244の濃度を求め、その濃度からキュリウム244
の発熱率を求めることを特徴とする。
【0010】なお、キュリウムを除くその他の超ウラン
核種の中性子放出率(SO)を形成する核種は主にプル
トニウム(Pu)238、240、242、及びアメリシウム
(Am)241である。この発明によれば、照射燃料から
放出されている中性子の放出率(ST)が測定され、そ
の結果からキュリウム244の中性子放出率(S4)とキュ
リウムを除くその他の超ウラン核種の中性子放出率(S
O)とに分離され、キュリウム244の中性子放出率
(S4)から燃焼度(BU)が求められるとともに、キ
ュリウム244の発熱率を求めることができる。
【0011】照射燃料から放出されている中性子の中性
子放出率(ST)の値は、原子炉停止以降の期間(冷却
期間)によって変化するが、その変化特性はほぼキュリ
ウム242の半減期(163日)とキュリウム244の半減期(1
8年)によって決定されるので、例えば冷却期間の異な
る2回の中性子放出率(ST)の測定結果を利用して、
キュリウム244の中性子放出率(ST)とキュリウムを除
くその他のTRUの中性子放出率(SO)との和と、キ
ュリウム242の中性子放出率(S2)とに分離することが
できる。
【0012】計算を利用して分離することもできる。冷
却期間が約1.5ないし2年以上の場合には、キュリウム2
42の中性子放出率(S2)は無視できるようになるの
で、複数回の測定や計算による補正は必ずしも必要な
い。
【0013】請求項2に係る発明は、照射燃料から放出
されている中性子を測定して中性子束を求め、この中性
子束から中性子放出率(ST)を求め、この中性子放出
率(ST)からキュリウム242の中性子放出率(S2)を
差し引き、さらに予め計算で求めたキュリウムを除くそ
の他の超ウラン核種の中性子放出率(SO)とキュリウ
ム244の中性子放出率(S4)との比(SO/S4)と燃焼
度との相関関係を示す校正曲線、または前記中性子放出
率(SO)と燃焼度との相関関係を示す校正曲線を用い
て前記中性子放出率(SO)を差し引いてキュリウム244
の中性子放出率(S4)を求め、このキュリウム244の中
性子放出率(S4)から照射燃料の燃焼度及びキュリウ
ム244の発熱率を求め、前記キュリウムを除くその他の
超ウラン核種の中性子放出率(SO)からキュリウムを
除くその他の超ウラン核種の濃度を求め、この濃度から
キュリウムを除くその他の超ウラン核種の発熱率を求め
ることを特徴とする。
【0014】この発明によれば、合計の中性子放出率か
らキュリウム244の中性子放出率とキュリウム242の放出
率を差し引くことにより、キュリウムを除くその他の超
ウラン核種の中性子放出率を求めることができ、その中
性子放出率からキュリウムを除くその他の超ウラン核種
の発熱率を求めることができる。
【0015】請求項3に係る発明は、照射燃料から放出
されている中性子を測定して中性子束を求め、この中性
子束から中性子放出率(ST)を求め、この中性子放出
率(ST)からキュリウム242の中性子放出率(S2)を
差し引き、さらに予め計算で求めたキュリウムを除くそ
の他の超ウラン核種の中性子放出率(SO)とキュリウ
ム244の中性子放出率(S4)との比(SO/S4)と燃焼
度との相関関係を示す校正曲線、または中性子放出率
(SO)と燃焼度との相関関係を示す校正曲線を用いて
前記中性子放出率を差し引いてキュリウム244の中性子
放出率(S4)を求め、前記キュリウム244の中性子放出
率(S4)から照射燃料の燃焼度を求めるとともに、キ
ュリウム244の発熱率を求め、前記照射燃料の燃焼度か
ら核分裂生成物のセシウム137及びストロンチウム90の
濃度を求め、これらの濃度からセシウム137及びストロ
ンチウム90の発熱率を求めることを特徴とする。
【0016】この発明によれば、キュリウム244の発熱
率のほかに核分裂生成物のセシウム137とストロンチウ
ム90の濃度をキュリウム244から決定される燃焼度とほ
ぼ比例関係にある性質を利用して、それらの物理定数か
らセシウム137とストロンチウム90の発熱率を求めるこ
とができる。
【0017】請求項4に係る発明は、照射燃料から放出
されている中性子の中性子放出率(ST)を、原子炉停
止から測定開始までの冷却期間を隔てて少なくとも2回
測定して、中性子放出核種の半減期の差異を利用してキ
ュリウム244の中性子放出率(S4)とキュリウムを除く
その他の超ウラン核種の中性子放出率(SO)との和
(S4+SO)と、半減期163日の寿命が比較的短いキュ
リウム242の中性子放出率(S2)とに分離し、予め計算
で求めたキュリウムを除くその他の超ウラン核種の中性
子放出率(SO)とキュリウム244の中性子放出率
(S4)との比(SO/S 4)と燃焼度との相関関係を示
す校正曲線、又はキュリウムを除くその他の超ウラン核
種の中性子放出率(SO)と燃焼度との相関関係を示す
校正曲線を用いてキュリウムを除くその他の超ウラン核
種の中性子放出率(SO)を差し引くことによってキュ
リウム244の中性子放出率(S4)を求め、キュリウム24
4の中性子放出率(S4)から照射燃料の燃焼度を求める
とともに、キュリウム244の中性子放出率(S4)からキ
ュリウム244の濃度を求め、このキュリウム244の濃度か
らキュリウム244の発熱率を求め、さらに、キュリウム2
42の中性子放出率(S2)を用いて、予め計算で求めた
キュリウム242の中性子放出率(S2)とプルトニウム23
8の濃度との相関関係を示す校正曲線を用いてプルトニ
ウム238の濃度を求め、この濃度からプルトニウム238の
発熱率を求めることを特徴とする。
【0018】この発明によれば、キュリウム244の発熱
率の他にキュリウム242の中性子放出率からプルトニウ
ム238の濃度を求め、このプルトニウム238の濃度からプ
ルトニウム238の発熱率を求めることができる。
【0019】請求項5に係る発明は、照射燃料から放出
されている中性子の中性子放出率(ST)を、原子炉停
止から測定開始までの冷却期間を隔てて少なくとも2回
測定して、中性子放出核種の半減期の差異を利用してキ
ュリウム244の中性子放出率(S4)とキュリウムを除く
その他の超ウラン核種の中性子放出率(SO)との和
(S4+SO)と、半減期163日の寿命が比較的短いキュ
リウム242の中性子放出率(S2)とに分離し、予め計算
で求めたキュリウムを除くその他の超ウラン核種の中性
子放出率(SO)とキュリウム244の中性子放出率
(S4)との比(SO/S 4)と燃焼度との相関関係を示
す校正曲線、又はキュリウムを除くその他の超ウラン核
種の中性子放出率(SO)と燃焼度との相関関係を示す
校正曲線を用いてキュリウムを除くその他の超ウラン核
種の中性子放出率(SO)を差し引くことによってキュ
リウム244の中性子放出率(S4)を求め、キュリウム24
4の中性子放出率(S4)から照射燃料の燃焼度を求める
とともに、キュリウム244の中性子放出率(S4)からキ
ュリウム244の濃度を求め、このキュリウム244の濃度か
らキュリウム244の発熱率を求め、さらに、キュリウム
を除くその他の超ウラン核種の中性子放出率(SO)か
ら、予め計算で求めたキュリウムを除くその他の超ウラ
ン核種の中性子放出率(SO)とプルトニウム238との、
またはプルトニウム238を除くその他の超ウラン核種の
濃度との相関関係を示す校正曲線を用いてプルトニウム
238との、またはプルトニウム238を除くその他の超ウラ
ン核種の濃度を求め、この濃度からキュリウムを除くそ
の他の超ウラン核種の発熱率を求めることを特徴とす
る。
【0020】この発明によれば、キュリウム242とキュ
リウム244の半減期の違い(163日と18年)の違う特性の
利用、キュリウム244の濃度に比例するキュリウム244の
中性子放出率(S4)と燃焼度との優れた相関関係、燃
焼度とセシウム137やストロンチウム90との優れた相関
関係、及びプルトニウム238と、あるいはプルトニウム2
38を除くその他の超ウラン核種とキュリウムを除くその
他の超ウラン核種の中性子放出率(SO)との相関関係
を利用することによって目的が達成される。
【0021】請求項6に係る発明は、2サイクル連続照
射した後に炉心から取り出した2サイクル連続照射燃料
の中性子放出率(ST)測定値と、1サイクル照射した
後に1サイクル以上の間炉心から取り出して冷却した
後、次のサイクルで炉心に装荷して1サイクル照射し、
前記連続照射燃料とほぼ同じ燃焼度を達成させた断続照
射燃料の中性子放出率(ST)測定値とを比較してキュ
リウム242の中性子放出率(S2)を求め、キュリウム24
2のα崩壊により生じたプルトニウム238の濃度を求め、
この濃度からプルトニウム238の発熱率を求めることを
特徴とする。
【0022】この発明によれば、1サイクル(通常1年
程度)の間照射を行わないとキュリウム242の濃度は冷
却開始時の20%程度にまで減衰し、両者の差を求めると
キュリウム244は相殺され、キュリウム242は相殺されず
キュリウム242の中性子放出率(S2)に比例するので、
キュリウム242のα崩壊により生じたプルトニウム238の
発熱率を求めることができる。
【0023】請求項7に係る発明は、前記連続照射燃料
の中性子放出率(ST)測定値と、前記連続照射燃料と
ほぼ同じ燃焼度を達成させた前記断続照射燃料の中性子
放出率(ST)測定値とを比較してキュリウム242の中性
子放出率(S2)を求め、キュリウム242のα崩壊により
生じたプルトニウム238の濃度を求め、このプルトニウ
ム238の濃度からプルトニウム238の発熱率を求めること
を特徴とする。
【0024】この発明によれば、ほぼ1年の運転サイク
ルの間、炉心から取り出してキュリウム242を減衰させ
た後、再度装荷した燃料と連続運転でキュリウム242を
生成させ続ける場合の同一燃焼度における合計の中性子
放出率の差が、再装荷前のキュリウム242の濃度に比例
する特性を利用することにより、キュリウム242の発熱
率を求めることができる。
【0025】請求項8に係る発明は、照射燃料中の核分
裂生成物のセシウム137のγ線測定により燃焼度を求
め、この燃焼度と冷却期間とからキュリウム244、キュ
リウム242、セシウム137、ストロンチウム90及びキュリ
ウムを除くその他の超ウラン核種の濃度を求め、これら
の濃度からキュリウム244、キュリウム242、セシウム13
7、ストロンチウム90及びキュリウムを除くその他の超
ウラン核種の発熱率を求めることを特徴とする。
【0026】セシウム137の濃度は燃焼度にほとんど比
例するので、セシウム137が放出するγ線の強度から燃
焼度を決定することができ、燃焼度との相関関係にある
キュリウム244、キュリウム242、セシウム137、及びス
トロンチウム90の発熱率を求めることができる。セシウ
ム137が放出するγ線は、通常ゲルマニウムなどの半導
体検出器を用いて測定され、その際セシウム134やユー
ロピウム154からのγ線も測定されるので、これらのγ
線とセシウム137のγ線との強度比を用いても燃焼度を
求めることができる。
【0027】請求項9に係る発明は、熱量計の測定容器
に照射燃料を収納し、冷却材を前記測定容器の下方から
上方に流し、前記冷却材の流量と温度の測定により全体
の発熱率を直接測定するカロリメトリ法により前記照射
燃料全体の発熱率を測定し、その発熱率測定値に予め計
算で得られた発熱率の核種ごとの割合と対比して、核種
ごとの発熱率を求めることを特徴とする。
【0028】この発明によれば、カロリメトリ法によっ
て全体の発熱率を求め、この発熱率を予め計算で得られ
た核種間の発熱割合で配分する。これにより、主要な核
種ごとの発熱率を求めることができる。
【0029】請求項10に係る発明は、燃料の中性子照射
に伴う燃焼計算で得られたキュリウム244の中性子放出
率(S4)が測定で得られたキュリウム244の中性子放出
率(S4M)と一致するように、アメリシウム243の中性
子捕獲断面積を調節することによって、キュリウム244
の発熱率を求めることを特徴とする。
【0030】アメリシウム243の中性子捕獲断面積はキ
ュリウム244の生成量と概略比例関係にあり、この発明
によれば、その中性子捕獲断面積を調節することによっ
てキュリウム244の発熱率を精度よく求めることができ
る。即ち、中性子捕獲断面積は、中性子放出率(S4
の計算値が限定的に測定される一部のキュリウム244の
中性子放出率測定値(S4M)に一致するように調節され
るので、測定体系以外の広範に行われる計算においても
キュリウム244の濃度を、従ってキュリウム244の発熱率
を精度よく求めることができる。
【0031】請求項11に係る発明は、燃料の中性子照射
に伴う燃焼計算で得られたキュリウム244の中性子放出
率(S4)が測定で得られたキュリウム244の中性子放出
率(S4M)と一致するように、プルトニウム242の中性
子捕獲断面積を調節することによって、キュリウム244
の発熱率を求めることを特徴とする。
【0032】この発明によれば、限定された体系におい
て測定される一部のキュリウム244の中性子放出率(S
4M)に一致するように、プルトニウム242の中性子捕獲
断面積を調節することによって、測定体系以外の広範に
行われる計算においてもキュリウム244の発熱率が正し
く求められる。理論計算によると、プルトニウム242の
中性子捕獲断面積を調節すると、アメリシウム243の場
合より優れた修正ができる。従って、請求項10に係る発
明の場合より若干優れた効果が得られる。
【0033】請求項12に係る発明は、燃焼計算で得られ
たキュリウム244の中性子放出率(S4)が測定で得られ
たキュリウム244の中性子放出率(S4M)と一致するよ
うに、プルトニウム242及びアメリシウム243の中性子捕
獲断面積を調節することによって、キュリウム244の発
熱率を求めることを特徴とする。
【0034】請求項11の発明の場合に、例えばアメリシ
ウム243の中性子捕獲断面積を増加させると、燃焼が進
むにつれてアメリシウム243の濃度が現実より低下する
ため、燃焼が進むにつれて修正の程度が劣化するが、こ
の発明によれば、アメリシウム243の濃度の低下が生じ
ないようにプルトニウム242の中性子捕獲断面積を増大
させることになり、従って優れた修正を行うことができ
る。
【0035】請求項13に係る発明は、燃焼計算で得られ
たキュリウム242の中性子放出率が測定で得られたキュ
リウム242の中性子放出率に一致するように、アメリシ
ウム241の中性子捕獲断面積を調節することによって、
キュリウム242の濃度を求め、キュリウム242の減衰成分
から、減衰で生じたプルトニウム238の発熱率を求める
ことを特徴とする。
【0036】この発明によれば、冷却期間や原子炉運転
中の中性子照射履歴を与えると、キュリウム242濃度と
プルトニウム238濃度とが一定の関係になっているとい
う特性を利用するものであって、請求項11記載の方法に
おけるキュリウム244に対するプルトニウム242の中性子
捕獲断面積を調整する場合と同様の効果を得ることがで
きる。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明に係る実施の形態を説明す
る前に、その根拠になる特性を、特に重要な使用済MO
X燃料を例にして図1から図5により具体的に説明す
る。なお、プルトニウムはPuで、キュリウムはCm
で、アメリシウムはAmで、ストロンチウムはSrで、
セシウムはCsで、ウランはUで、ネプツニウムはNp
で記すことにする。
【0038】図1は、Puの組成(重量%単位)が、P
u238=3%、Pu239=49%、Pu240=29%、Pu241
=10%、Pu242=8%、Am241=1%のものをウラン
に9%富化したもので、比較的近い将来実用されると予
想される沸騰水型原子炉(BWR)用U,Pu混合酸化
物燃料(以下、MOX燃料と記す)を燃焼度45GWd/
tまで燃焼させた後に冷却する場合の、主な核種ごと及
び合計の発熱率の冷却期間依存性を示した一例である。
発熱率は冷却期間5年程度で減衰が非常に緩やかになる
ので、冷却期間5年以内に輸送容器(キャスク)に収納
するのはあまり望ましくないことが分かる。従って冷却
期間5年の場合で発熱率を検討するのが適切であろう。
【0039】この図1を仔細に見ること及び若干の補足
計算によって、SMOX(使用済MOX)燃料からの崩
壊熱の特徴について、以下のことが明らかとなる。即
ち、 (1)SMOXでは、アクチノイドからの発熱率は冷却
期間1年を過ぎると、全体の発熱の半分を超えるので、
アクチノイドからの発熱は特に重要である。一方、SU
2(使用済ウラン酸化物燃料)では、核分裂生成物
(FP)が主流である。
【0040】(2)取り出し以降10年位まではCm244
の発熱率が全体の発熱率の1/3〜1/2程度を占め、Cs13
7とSr90の発熱率はこの期間では大略Cm244濃度に比
例する。Cm244の濃度は5〜10年程度ではほぼ一定と
みなすことができる。なお、Cs137は燃焼度(BU)
に比例し、Cm244はSMOXでは燃焼度(BU)の約
2乗に比例することが分かっている。
【0041】(3)Am241の発熱率は50年後位までは
冷却期間とともに増大し、20年程度でCm244の発熱率
を超える。 (4)冷却5年程度経過すると全体の発熱率の経時変化
は相殺効果により微小なものとなる。従って10年程度ま
では、即ち発熱特性が再処理までの待機や中間貯蔵開始
初期の頃までは、特に重要である。
【0042】(5)Pu238の発熱率はアクチノイドで
はCm244に次いで大きく、SMOXではPu238の生成
のおよそ半分はCm242のα崩壊に起因する。SUO2
はCm242からの生成は20%程度で少ない。発熱率はS
MOXの方が大幅に大きいのでCm242の評価は重要で
ある。 (6)Pu239及びPu240の発熱率は冷却期間に依存せ
ずほぼ一定である。
【0043】(7)Pu241は半減期14.4年でゆっくり
減衰するので、発熱率もゆっくり減衰する。 (8)Pu242は半減期が39万年と長いため、1原子あ
たりの発熱率が低く、濃度も低いため、Pu242の発熱
率はほとんど無視できる。従って、Pu239、240、24
1、及び242の合計発熱率の冷却期間依存性は小さく、か
つPu238の発熱率と比べて大幅に小さい。
【0044】次に、図2を用いて崩壊熱の高いその他の
超ウラン核種(TRU)であるCm244、Pu238及びA
m241の生成について説明する。同図中、太い矢印で示
したのが重要な核変換である。
【0045】Cm244は主にPu242が中性子を吸収して
生成する。まずPu243となり、これは半減期5時間で
Am243となる。これの半減期は約7400年もあるので崩
壊ではなくて中性子吸収によりAm244となる。Am244
は半減期が10時間と短く、中性子吸収反応はほとんど生
じずにCm244に崩壊する。Cm244は半減期18年でゆっ
くりα崩壊する。
【0046】U燃料ではU238が4回の中性子吸収反応
を起こしてPu242が生成するので、時間を要するが、
Pu燃料では初めからPu242が存在し、しかも中性子
照射によりPu239、Pu240、Pu241からも補給され
る。
【0047】Pu238は次のようにして生成する。U燃
料では、U235が2回の中性子捕獲反応を起こす場合
と、U238が(n,2n)反応を起こす場合とでU237が
生成し、これは半減期6.8日で崩壊してNp237となる。
Np237は200万年以上の半減期であるためほとんど崩壊
せず、中性子を捕獲してNp238となる。Np238は半減
期が2.1日であるため崩壊してPu238となる。Pu238
は半減期約88年でゆっくりα崩壊する。
【0048】なお、Pu238はCm242のα崩壊でも当然
生成するが、U238からは2回の中性子との反応とU235
からは3回の中性子との反応とで生成するのに対して、
U238からCm242を経由してPu238が生成する反応で
は4回もの中性子との反応が必要なため、Np237経由
の方が生成し易い。
【0049】一方、MOX燃料ではウランを母材として
Puを富化したものであるためU238も大量に含まれ、
この反応でもPu238は生成するが、一方ではPu241や
Am241もかなり含まれており、Am241は1回の中性子
吸収によりAm242が生成し、これは半減期16時間で崩
壊してCm242となる。Cm242は比較的短い半減期(16
3日)でα崩壊してPu238となる。
【0050】即ち、MOX燃料ではAm242経由の反応
が起こり易いので、U燃料の場合に比べてPu238はか
なり生成し易くなる。Np237経由のPu238の生成率は
U燃料の方が大きいが、Pu燃料とで著しい差異は生じ
ないので、大きな差異が生じる主な原因はAm242経由
のものである。
【0051】Am241はPu燃料に初めから含まれてい
るが、Pu241のβ崩壊(半減期14.4年)によっても生
成し、Am241自体の半減期は433年と長いので蓄積する
ことになる。これがAm241の崩壊熱の冷却期間ととも
に増大する原因である。
【0052】図3は図2を補足的に説明する図であっ
て、太い矢印がCm244及びCm242が生成する主なプロ
セスを示している。両者とも中性子放出率の高いTRU
である。特にCm244は燃焼度(BU)と優れた相関関
係にあり、U燃料ではCm244からの中性子放出特性を
利用して燃焼度を測定する方法が本発明者らによって確
立され、再処理工場において実用化されている。その基
礎的な議論は、Journal ofNuclear Science and Techno
logy,vol.30,p.48(1993)に述べられている。
【0053】使用済MOX燃料におけるCm244の中性
子放出率(S4)を用いる燃焼度(BU)の測定法は、
使用済U燃料の場合よりかなり複雑であるが、その方法
を本発明者らは確立し、特開平10−2989号公報及び特開
平10−10279号公報により開示した。即ち、Cm244の中
性子放出率(S4)測定値から燃焼度(BU)を求める
ことができる。
【0054】使用済MOX燃料におけるCm242の中性
子放出率(S2)を除く中性子放出率(S4O=S4
O)の代表的な相関関係を図4及び図5に示す。図4
はPuフィッサイル濃度(Pu239とPu241濃度の和)
を固定した場合のPu富化度依存性であり、図5はPu
の富化度を固定した場合のフィッサイル核種の組成依存
性である。両者を解析すると、燃焼が15GWd/t程度
以上進めば、中性子放出率(S4O)は燃焼度のおおよそ
2乗になることが分かる。
【0055】Cm242は半減期が比較的短いので、(B
U)と容易に相関づけることはできないが、燃料の初期
組成、中性子照射時の原子炉の運転履歴及び照射終了後
の冷却期間のデータを用いることによって、(BU)と
相関関係をつけることができる。
【0056】通常に燃焼した照射燃料(従って一般に使
用済燃料となっている)からの中性子放出率は90%以上
がCm244とCm242に起因し、冷却期間が1〜2年経過
すればCm242の中性子放出率(S2)は無視できる程度
に減衰する。
【0057】Cm244とCm242を除くその他の中性子放
出核種は、燃焼度があまり進んでいないMOX燃料の場
合ではPu242、Pu240、Pu239、Pu238、Am241
であるが、これらは半減期が長くまた燃焼度の伸長によ
ってもそれらの合計の中性子放出率(SO)の値はあま
り変化しない。
【0058】本発明における中性子放出率の測定ではこ
れらの特性を利用して半減期の違いから、非破壊的には
Cm244とCm242を除くその他のTRUのグループの和
と、Cm242との2つに分離することができる。Cm244
と、Cm242を除くその他のTRUとの非破壊的測定に
よる分析は困難なため、破壊測定や理論計算を用いて分
離することになる。以上の根拠を背景にすると、各々の
請求項に記載した発明は以下のように実施することがで
きる。
【0059】請求項1から5に係る発明では、Cm244
の中性子放出率(S4)と燃焼度(BU)との相関関係
を利用して、Cm244の中性子放出率(S4)測定値から
燃焼度(BU)を求める点で共通している。即ち、請求
項1に係る発明では、Cm244の発熱率はCm244の中性
子放出率(S4)と物理定数で結び付いているので、た
だちにその発熱率を求めることができる。
【0060】請求項2に係る発明では、合計の中性子放
出率(ST)からCm244の中性子放出率(S4)とCm2
42の中性子放出率(S2)を差し引いて求められる中性
子放出率(SO)からキュリウムを除くその他の超ウラ
ン核種の発熱率を求めるものである。この際には、予め
計算等で求めた核種成分情報が必要である。ここで、S
T=S42+SO、S42=S4+S2、S2=Cm242の中性子
放出率、従って、SO=ST−S42=ST−(S4+S2
である。
【0061】請求項3に係る発明では、Cm244の発熱
率の他に、核分裂生成物(FP)核種のCs137とSr9
0の濃度をCm244から決定される燃焼度(BU)とほぼ
比例関係にある性質を利用して決定し、それらの物理定
数からCs137とSr90の発熱率を求めることができ
る。
【0062】請求項4に係る発明では、Cm244の発熱
率の他に、前記S2からPu238の濃度を求め、この濃度
からプルトニウム238の発熱率を求めることができる。
請求項5に係る発明では、Cm244、Cm242、Pu238
及びPu238を除くその他の超ウラン核種の発熱率を求
めることができる。キュリウムを除くその他の超ウラン
核種の中性子放出率(SO)の値は特にMOX燃料では
燃焼度や冷却時間の影響をあまり受けないで、ほぼ初期
の燃料組成で決まるが、Am241は通常燃焼計算値と冷
却期間の条件を用いることになる。
【0063】請求項6及び7に係る発明では、ほぼ1年
の運転サイクルの間、炉心から取り出してCm242を減
衰させた後、再度装荷した燃料と連続運転でCm242を
生成させ続ける場合の同一燃焼度における合計の中性子
放出率(ST)の差が再装荷前のCm242の濃度に比例
し、従ってCm242の発熱率にほぼ比例する特性を利用
してCm242の発熱率を求めるものである。
【0064】以上、請求項1から7に係る発明では、中
性子放出率の測定値から主要核種の崩壊に伴う発熱率を
求める方法であるが、請求項8に係る発明では、Cs13
7が放出するγ線を測定して燃焼度を求める方法であ
り、請求項9に係る発明ではカロリメトリ法によって全
体の発熱率を求め、それを計算で得られた核種間の発熱
率割合で配分することにより、主要な核種ごとの発熱率
を求める。
【0065】Cs137(半減期30年)とSr90(半減期2
8年)はともに実質的に核分裂によって直接生成する核
種である。実際には先行核が存在するが短寿命であるた
め、直接Cs137やSr90が生成するとみなして差し支
えない。Cs137が放出する662keVのγ線を測定して燃
焼度を求める方法は知られている。
【0066】しかし、この方法では、γ線が燃料棒の中
で相当量吸収されるため、測定値だけで燃焼度を決定す
るのはやや適当でないものと考えられるが、燃料集合体
内部で出力分布をなるべく平坦にするという燃料集合体
の設計思想と理論計算値をある程度活用することによっ
て燃焼度を正しく決定することができる。
【0067】γ線は距離や途中の物質により減衰特性が
大きく変化し易いために、測定に当たっては位置等の再
現性に細心の注意が必要である。Cs137のγ線測定の
際には、通常Cs134やEu154が放出するγ線も測定さ
れる。γ線の強度比(Cs134/Cs137)や(Eu154
/Cs137)も燃焼度と優れた相関関係があり、これか
ら燃焼度を求める方法も本発明の一環として含まれる。
【0068】請求項10ないし12に係る発明では、S
4(又はS4O)が測定値と一致するように、理論計算に
おけるPu242やAm243中性子捕獲断面積を調整して、
測定体系以外でもCm244の発熱率を精度よく求めるこ
とができる方法であり、請求項13に係る発明では、S2
が測定値と一致するようにAm241の中性子捕獲断面積
を調整してS2を求め、それから測定体系以外でもPu2
38の発熱率を精度よく求めることができる方法である。
【0069】一部の限定された体系における測定値に対
して、計算値に直接的に影響を与える捕獲断面積を調節
して計算値を規格化するので、類似の広範囲の照射燃料
に対して、中性子放出率を計算により精度よく求めるこ
とができる。
【0070】次に図6により本発明に係る照射燃料の発
熱率測定方法における中性子放出率の測定方法を具体的
かつ詳細に説明する。図6は中性子放出率、燃焼度、及
び実効増倍率K(通常Keffと記載されるが、簡単のた
め、本明細書ではKで示すことにする。)を導出するフ
ローチャートである。
【0071】原子炉から取り出された照射(使用済)燃
料集合体(以下、単に照射燃料という)は著しい放射能
を持っているため、通常水中に保管される。照射燃料の
中にはU235、Pu239、Pu241などの核分裂性核種が
残存している。Cm244、Cm242、Pu238、Pu242、
Pu240、Am241などの中性子放出核種は中性子を放出
しているので、その一部は核分裂性核種に吸収されて核
分裂を誘発しており、中性子増倍体系となっている。
【0072】中性子の実効増倍率Kは沸騰水型原子炉
(BWR)の照射燃料の場合0.4ないし0.5程度、加圧水
型原子炉(PWR)の場合0.6ないし0.7程度である。中
性子放出核種から放出された中性子の数は「1/(1−
K)」倍に増倍されて観測されるので、観測された中性
子の数(又は中性子束)に(1−K)をかけて中性子放
出率(増倍されていない分であり、1次中性子放出率と
呼ばれることもある)を求めることになる。これに対し
て、増倍されて観測されるものは2次中性子放出率と呼
ばれることがある。本発明では中性子放出率は1次中性
子放出率と同義である。
【0073】中性子は照射燃料の外周に感度を校正した
中性子検出器を配置して中性子測定1される。中性子測
定1では金箔を放射化するとよく知られた方法により熱
中性子束の絶対値を測定することができる(中性子束
(φ)の導出2)。
【0074】中性子放出核種の半減期は、Cm244が18
年、Cm242が163日、Pu238が88年、Pu242が39万
年、Pu240が6540年、Am241が14.4年である。燃料の
照射期間と同程度又はその10倍程度の現実的な時間の単
位で見ると、これらは、半減期18年のCm244(中性
子放出率S4)、半減期163日のCm242(中性子放出
率S2)、及びこれらより中性子放出率が一般にかなり
低く、かつ半減期がかなり長いPu238、Pu242、P
u240、Am241(これらの合計の中性子放出率をSO
書く)の3種に分類するのが好都合である。
【0075】原子炉停止後の経過時間(冷却期間)が1.
5ないし2年を過ぎると、半減期163日のCm242の中性
子放出率S2は通常ほかのものと比べて無視できるよう
になるが、その冷却期間より短い場合には無視できない
ので、Cm242だけが減衰するとみなして、冷却期間の
差を3ヶ月ないし1年程度とした、例えば2回の測定に
よりS2と(S4O=S4+SO)とを分離することができ
る。当然計算により分離することもできる。実際には前
述のようにこれらが増倍した2次中性子放出率が観測さ
れる。
【0076】中性子測定1で得られた中性子束(φ)2
は、比例係数をaとすると、 φ=a・ST/(1−K) で表される。比例係数aは計算で求められる。測定条件
を適切に設定すれば、aの値は一定にすることができ
る。中性子束(φ)が既知量であり、STとKが未知数
であるが、両未知数の間には相関関係があり、その相関
関係は燃料の燃焼計算により求めることができる。
【0077】その一例は例えば、Journal of Nuclear S
cience and Technology,vol.30,p.48(1993)の(6)式
と(7)式に示した。超越関数関係にあるため、繰り返
し計算により数値結果を求めることになる。
【0078】図6において、符号3から10の間で繰り返
し計算になっているのはこのためである。測定で得られ
た中性子束(φ)と初期値として与えたKOとからST
初期値が得られる。燃焼度にも代表的な初期値を与え
る。
【0079】次に、計算又は冷却期間を異にする複数回
の測定結果を用いてS2を差し引き(4)、計算で求め
た(SO/S4)比[(SO/S40)比でもよい]と燃焼
度(BU)との相関関係を用いてSOを差し引き、S4
求められる。(SO/S4)比の代りに直接SOと燃焼度
(BU)との相関関係を利用することもできる。S4
らは燃焼度(BU)が求まる(6)。
【0080】燃焼度からKを求めるに当たっては計算で
求めた両者の相関関係を利用する。KOの修正(10)ま
で進んだところで修正されたKと燃焼度を初期値の代り
に使用して繰り返し計算を行う。通常3ないし5回の繰
り返し計算で満足な収束が得られる。フローチャートで
(5F)[S4]、(6F)[BU]、(8F)
[SO]、(10F)[K]で示したものが、収束後に得
られる値である。
【0081】次に、図7から図18により本発明に係る照
射燃料の発熱率測定方法の実施の形態について各請求項
と対応付けて説明する。なお、図7から図18において図
6で説明した部分について繰り返して説明する必要がな
い部分は説明を省略する。
【0082】図7は、請求項1に係る発明の実施の形態
を説明するための手順を示す系統図である。即ち、請求
項1に係る発明はCm244の中性子放出率(S4)から燃
焼度(BU)を求める他に、物理定数(ここでは1原子
核あたりの中性子放出率)を用いてCm244濃度を求
め、物理定数(ここでは1原子核あたりの発熱率)を用
いて、Cm244の発熱率を求めることができる。
【0083】図8は、請求項2に係る発明の実施の形態
を説明するための手順を示す系統図である。即ち、請求
項2に係る発明はCm244の中性子放出率(S4)から燃
焼度(BU)とCm244の発熱率を求める他に、Cmを
除くその他のTRU核種(SO)から物理定数(ここで
は1原子核あたりの中性子放出率)と計算値(ここでは
Pu238、Pu242、Pu240、Am241等の組成比)を用
いて、これらのTRU核種の濃度を求め、物理定数(こ
こでは1原子核あたりの発熱率)からこれらTRU核種
の発熱率を求めることができる。
【0084】図9は、請求項3に係る発明の実施の形態
を説明するための手順を示す系統図である。即ち、請求
項3に係る発明は、Cm244の中性子放出率(S4)から
燃焼度(BU)とCm244の発熱率を求める。また、燃
焼度(BU)から物理定数(ここでは核分裂あたりのC
s137やSr90の生成率)と核分裂性核種の組成比計算
値を用いてCs137とSr90の濃度を求める。そして、
物理定数(ここでは1原子核あたりの発熱率)からCs
137とSr90の発熱率を求めることができる。
【0085】図10は、請求項4に係る発明の実施の形態
を説明するための手順を示す系統図である。即ち、請求
項4に係る発明は、照射燃料の冷却期間が例えば1.5年
より短くCm242の中性子放出率(S2)が十分存在する
場合に、冷却期間を隔てた複数回(この例では2回、冷
却期間1と2)の測定により、両者の中性子の放出率S
T1とST2を求める。
【0086】そして、両者ST1とST2の差を利用してC
m242の中性子放出率(S2)の値を求め(冷却期間1と
2の間の中性子放出率の変化はCm242のみによるとい
う近似を利用する)、これに冷却による減衰効果を補正
して例えば照射終了時点(冷却時間ゼロ)の値とし、そ
の値とPu238濃度との相関を示す計算で求めた校正曲
線からPu238濃度を求め、物理定数(ここでは1原子
核あたりの発熱率)からPu238の発熱率を求めること
ができる。
【0087】他方、Cm244の中性子放出率(S4)とC
mを除くその他のTRU核種の中性子放出率(SO)の
和S4Oを、燃焼度(BU)と(SO/S4)との計算で求
めた相関を示す校正曲線を利用してS4とSOとに分離
し、S4からは燃焼度の他にCm244濃度およびCm244
の発熱率を求めることができる。燃焼度(BU)と(S
O/S4)との関係に代えて燃焼度(BU)とSOとの関
係を利用することも当然できる。
【0088】図11は、請求項5に係る発明の実施の形態
を説明するための手順を示す系統図である。即ち、請求
項5に係る発明は、照射燃料の冷却期間が例えば1.5年
より短くCm242の中性子放出率(S2)が十分存在する
場合に、一方ではCm244の中性子放出率(S4)から燃
焼度(BU)とCm244濃度及びCm244の発熱率を求め
る。
【0089】そして、Cmを除くその他のTRU核種の
中性子放出率(SO)から、予め計算で求めた中性子放
出率(SO)とPu238との、又はPu238を除くその他
のTRU核種の濃度との相関関係を示す校正曲線を用い
てPu238の、あるいはPu238を除くその他のTRU核
種の濃度を求め、その濃度からCmを除くその他のTR
U核種のPu238、Am241、Pu239〜242の発熱率を求
めることができる。
【0090】図12は、請求項6及び7に係る発明の実施
の形態を説明するための手順を示す系統図である。即
ち、請求項6に係る発明は、原子炉照射方式を利用して
Cm242の中性子放出率(S2)を求める方法であり、請
求項7の発明は請求項6の発明を一般化したものであ
り、両者の考え方は同じである。
【0091】燃料は原子炉運転の第(N+1)サイクル
に装荷されてそのサイクルと次の第(N+2)サイクル
の2サイクル連続照射される第1の照射燃料(図12中、
左側)と、原子炉運転の第(N)サイクルに装荷されて
そのサイクルと第(N+2)サイクルの1サイクルの間
原子炉から取り出される方式の2サイクル断続照射され
る第2の照射燃料(図12中、右側)とから、第(N+
1)サイクル照射におけるCm242の中性子放出率
(S2)[第(N+1)サイクルにおけるS2(1)に対
応]を求める方法である。なお、2サイクルあるいはそ
れ以上の間原子炉から取り出す方式としても差し支えな
い。
【0092】この図12では簡単のため、大胆な近似をし
ている。すなわち、原子炉から取り出される1サイクル
の間に、第(N+2)サイクル終了時点では第(N+
1)サイクル終了時点におけるS2(1)の値は消滅すると
近似している。実際には20%程度残存しているが、ここ
では説明を簡単にするため、消滅すると近似するもので
ある。
【0093】このようにすると、第1の照射燃料と第2
の照射燃料との中性子放出率の差から、S2(1)の値を求
めることができる。この値にCm242がα崩壊でPu238
になる因子を掛け、物理定数(ここでは1原子核あたり
の中性子放出率)を用いてS 2(1)に対応するPu238濃
度を求めることができ、また物理定数(ここでは1原子
核あたりの発熱率)を用いてS2(1)に対応するPu238
の発熱率を求めることができる。
【0094】図13は、請求項8に係る発明の実施の形態
を説明するための手順を示す系統図である。即ち、請求
項8に係る発明は中性子測定による方法ではなく、核分
裂生成物が放出しているγ線を測定して照射燃料の主要
な発熱核種ごとに発熱率を求める方法である。
【0095】本実施の形態では、照射燃料中に含まれて
いる核分裂生成物のうち、Cs137のγ線を測定するこ
とによって燃焼度(BU)を求める。そして、燃焼度
(BU)からCm244、Cs137、Sr90の濃度を求め、
物理定数を用いて、Cm244、Cs137、Sr90の発熱率
を求める。
【0096】一方、燃焼度(BU)と冷却期間(Tc)
とを用いてCm242の濃度を求め、物理定数を用いてC
m242の中性子放出率(S2)を求めた後、予め計算で求
めた校正曲線を用いてCm242、Pu238、Am241およ
びPu239〜242の発熱率を求めることができる。
【0097】すなわち、半減期が30年と長いCs137の
濃度は燃焼度(BU)にほとんど比例するので、Cs13
7が放出するγ線の強度から燃焼度(BU)が決定され
る。そして、(BU)と相関関係にあるCm244、Cs1
37、及びSr90の発熱率を求めることができる。
【0098】Cm242の濃度はCm242の半減期が163日
と比較的短いことから、冷却期間(Tc)の補正が必要
であって、その補正を行った後、(BU)の値を用いて
求められる。Cm242の中性子放出率(S2)は、物理定
数(ここでは1原子核あたりの中性子放出率)を用いて
求められる。Cm242の中性子放出率(S2)からは校正
曲線(計算値)を用いて、Cm242、Pu238、Am24
1、及びPu核種(239、240、241、及び242)の発熱率
を求めることができる。
【0099】ところで、Cs137が放出するγ線は、通
常ゲルマニウム(Ge)などの半導体検出器を用いて測
定され、その際、Cs134やEu154からのγ線も測定さ
れるので、これらのγ線とCs137のγ線との強度比で
も燃焼度を求めることができる。
【0100】図14は、請求項9に係る発明の実施の形態
を説明するための手順を示す系統図である。即ち、請求
項9に係る発明は中性子測定による方法でも核分裂生成
物が放出しているγ線を測定する方法でもなく、カロリ
メトリ法により発熱率を直接測定して主要な発熱核種ご
とに発熱率を求める方法である。
【0101】照射燃料は通常水中に保管されているの
で、照射燃料を容器内に収納する。容器は冷却材を下か
ら取り入れ上部から排出することができる構造になって
いる。容器内を流れる冷却材の入口と出口とで流量と温
度を測定するとともに漏洩する熱量を評価する。これに
よって、熱バランスの条件から照射燃料全体の発熱率を
求めることができる。この方法は標準的なカロリメトリ
法と呼ばれている。
【0102】本実施の形態によれば、カロリメトリ法に
より合計の発熱率を測定し、その測定値に計算で得られ
た核種毎の発熱率割合を用いて、核種毎の発熱率を求め
ることができる。つまり、Cm244、Am241、Cs13
7、Sr90が主成分の場合、発熱率を求めることが容易
である。
【0103】次に図15ないし図18により請求項10から13
に対応する発明の実施の形態を説明する。本実施の形態
は、燃料の燃焼特性を計算する「燃焼計算」において、
少数の限定された体系における中性子放出率の測定値を
用いて、計算に用いる特定の核種の中性子捕獲断面積
(σc)を調節することによって多数の計算体系におけ
る発熱率を正しく求める方法である。
【0104】計算値を測定値に規格化する一方法とし
て、キーパラメータである中性子捕獲断面積(σc)を
使用する。燃焼計算の主目的は、ウランやプルトニウム
が原子炉内で中性子照射を受けた場合にどのように核変
換が進行していくかを評価するものであり、特に中性子
スペクトルの特徴に影響を大きく受ける。
【0105】本実施の形態で対象とするCm244やCm2
42の生成消滅評価に対しては、Am243、Pu242、及び
Am241、Am242の中性子捕獲断面積の値が大きな影響
を及ぼすが、これらは本来燃料内の組成比が小さく、ま
た調節幅がせいぜい30%程度であり、中性子スペクトル
への影響は殆どあるいは完全に無視できる。
【0106】図15は、請求項10に係る発明の実施の形態
を説明するための手順を示す系統図である。即ち、請求
項10に係る発明はAm243の中性子捕獲断面積を補正因
子を用いて調整することによって、広範な計算において
Cm244の中性子放出率(S4)を精度よく求め、計算に
よりCm244の発熱率を精度よく求める方法である。
【0107】少数の限定された体系における中性子放出
率の測定値(S4M)を燃焼計算により追跡計算してCm
244の中性子放出率(S4)を求め、測定値と比較して両
者の比が1.00となるようにAm243の中性子捕獲断面積
(σc)の値を調節しながら繰り返し計算を行い、調整
後と調節前のAm243の中性子捕獲断面積(σc)の比
を補正因子とする。
【0108】測定体系に対して求めた補正因子を中性子
捕獲断面積(σc)に掛けて修正済みのAm243の中性
子捕獲断面積(σc)とし、後は類似の体系に対して一
貫して修正済みのAm243の中性子捕獲断面積(σc)
の値を使用して燃焼計算を行う。
【0109】こうして実質的に測定値に一致するCm24
4濃度が得られる。実際にはAm243はAm244となり、
半減期10時間で崩壊してCm244となる。Cm244濃度に
物理定数(ここでは1原子核あたりの中性子放出率)を
用いてCm244の測定値に実質的に規格化された中性子
放出率(S4)[修正済みS4]が求められる。ここで物
理定数(ここでは1原子核あたりの発熱率)を用いてC
m244の発熱率を求めることができる。
【0110】図16は、請求項11に係る発明の実施の形態
を説明するための手順を示す系統図である。即ち、請求
項11に係る発明はPu242の中性子捕獲断面積を補正因
子を用いて調整してAm243からAm244を経てCm244
とし物理定数を加えCm244の中性子放出率(S4)を求
め、修正済みCm244の中性子放出率(S4)に物理定数
を加え、計算によりCm244の発熱率を求めることがで
きる。
【0111】図15に示す実施の形態ではAm243の中性
子捕獲断面積を調節したが、燃料の燃焼が進むとAm24
3の濃度が現実から若干ながらずれるため、燃焼ととも
に誤差が若干増大することが分かった。それを改良する
ため、本実施の形態ではAm243より1つ前の核種であ
るPu242の中性子捕獲断面積を調節するものであり、
若干ながら改良効果が見られた。調整方法は図15の実施
の形態と同様である。
【0112】本実施の形態によれば、Pu242の捕獲断
面積を補正因子を用いて調整することによって広範な計
算においてCm244の中性子放出率S4を精度よく求め、
計算における発熱率を精度よく測定できる。
【0113】図17は、請求項12に係る発明の実施の形態
を説明するための手順を示す系統図である。即ち、請求
項12に係る発明は、Pu242とAm243の中性子捕獲断面
積を補正因子を用いて調整して、広範な計算においてC
m244の中性子放出率(S4)を求め、修正済みS4に物
理定数を加えることによりCm244の発熱率を求めるこ
とができる。
【0114】図16の実施の形態でも燃焼とともに誤差が
わずかに増大することがある。そこで図15と図16の調節
を組み合わせる方法を検討したところ、若干ではあるが
さらに改良効果が確認された。本実施の形態によれば、
Pu242とAm243の捕獲断面積を補正因子を用いて調整
することによって、広範な計算においてCm244の中性
子放出率S4を精度よく求め、計算により発熱率を精度
よく求めることができる。
【0115】図18は請求項13に係る発明の実施の形態を
説明するための手順を示す系統図である。即ち、請求項
13に係る発明は、Am241の中性子捕獲断面積を補正因
子を用いて調整する。Am242の核変換後のCm242に物
理定数を加えてCm242の中性子放出率(S2)を求め、
Cm242のα崩壊で生成するPu238の濃度を求め、計算
によりPu238の発熱率を求めることができる。
【0116】本実施の形態は図15の実施の形態において
Cm244濃度を求める方法をCm242に対して適用し、さ
らにその崩壊で生成するPu238の発熱率を求める。A
m241の先行核はPu241であり、Am241は自然崩壊に
よりPu241から生成するため、図16や図17に示すよう
な方法は適用できない。
【0117】本実施の形態によれば、Am241の捕獲断
面積を補正因子を用いて調整することにより、広範な計
算においてCm242の中性子放出率S2を精度よく求め、
計算により発熱率を精度よく求めることができる。
【0118】
【発明の効果】本発明によれば、照射燃料が放出してい
る中性子、γ線、及び発熱率の測定により、主要な発熱
核種ごとに非破壊的に精度よく発熱率を求めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】使用済MOX燃料における主要核種ごとの発熱
率の冷却期間依存性を示す曲線図。
【図2】ウランを含むTRUの核変換に関する全体的な
核変換図。
【図3】ウランを含むTRUの核変換で特に中性子放出
核種に着目した核分裂系列図。
【図4】使用済MOX燃料におけるCm242の中性子放
出率を除く中性子放出率の燃焼度依存性を示す曲線図。
【図5】使用済MOX燃料におけるCm242の中性子放
出率を除く中性子放出率の燃焼度依存性を示す曲線図。
【図6】本発明に係る実施の形態を総合的に説明するた
めの中性子測定から中性子放出率、燃焼度、及び実効増
倍率kを導出するフローを示す系統図。
【図7】請求項1に係る発明の実施の形態を説明するた
めの系統図。
【図8】請求項2に係る発明の実施の形態を説明するた
めの系統図。
【図9】請求項3に係る発明の実施の形態を説明するた
めの系統図。
【図10】請求項4に係る発明の実施の形態を説明する
ための系統図。
【図11】請求項5に係る発明の実施の形態を説明する
ための系統図。
【図12】請求項6及び7に係る発明の実施の形態を説
明するための系統図。
【図13】請求項8に係る発明の実施の形態を説明する
ための系統図。
【図14】請求項9に係る発明の実施の形態を説明する
ための系統図。
【図15】請求項10に係る発明の実施の形態を説明する
ための系統図。
【図16】請求項11に係る発明の実施の形態を説明する
ための系統図。
【図17】請求項12に係る発明の実施の形態を説明する
ための系統図。
【図18】請求項13に係る発明の実施の形態を説明する
ための系統図。
【符号の説明】
1…中性子測定、2…中性子束の導出、3…中性子放出
率(ST)の導出、4…キュリウム242の中性子放出率の
差し引き、5…キュリウムを除くその他超ウラン核種の
中性子放出率の差し引き、6…S4から燃焼度を求め
る、7…校正曲線(計算値)、8…S4、9…校正曲線
(計算値)、10…kOの補正。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三橋 偉司 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 吉岡 研一 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 Fターム(参考) 2G075 CA38 CA50 DA07 DA20 FA05 FA06 FB09 FB10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照射燃料から放出されている中性子を測
    定して中性子束を求め、この中性子束から中性子放出率
    (ST)を求め、この中性子放出率(ST)からキュリウ
    ム242の中性子放出率(S2)を差し引き、さらに予め計
    算で求めたキュリウムを除くその他の超ウラン核種の中
    性子放出率(SO)とキュリウム244の中性子放出率(S
    4)との比(SO/S4)と燃焼度との相関関係を示す校
    正曲線、または前記中性子放出率(SO)と燃焼度との
    相関関係を示す校正曲線を用いて前記中性子放出率(S
    O)を差し引いてキュリウム244の中性子放出率(S4
    を求め、 この中性子放出率(S4)から照射燃料の燃焼度を求め
    るとともに、キュリウム244の中性子放出率(S4)から
    キュリウム244の濃度を求め、その濃度からキュリウム2
    44の発熱率を求めることを特徴とする照射燃料の発熱率
    測定方法。
  2. 【請求項2】 照射燃料から放出されている中性子を測
    定して中性子束を求め、この中性子束から中性子放出率
    (ST)を求め、この中性子放出率(ST)からキュリウ
    ム242の中性子放出率(S2)を差し引き、さらに予め計
    算で求めたキュリウムを除くその他の超ウラン核種の中
    性子放出率(SO)とキュリウム244の中性子放出率(S
    4)との比(SO/S4)と燃焼度との相関関係を示す校
    正曲線、または前記中性子放出率(SO)と燃焼度との
    相関関係を示す校正曲線を用いて前記中性子放出率(S
    O)を差し引いてキュリウム244の中性子放出率(S4
    を求め、 このキュリウム244の中性子放出率(S4)から照射燃料
    の燃焼度及びキュリウム244の発熱率を求め、前記キュ
    リウムを除くその他の超ウラン核種の中性子放出率(S
    O)からキュリウムを除くその他の超ウラン核種の濃度
    を求め、この濃度からキュリウムを除くその他の超ウラ
    ン核種の発熱率を求めることを特徴とする照射燃料の発
    熱率測定方法。
  3. 【請求項3】 照射燃料から放出されている中性子を測
    定して中性子束を求め、この中性子束から中性子放出率
    (ST)を求め、この中性子放出率(ST)からキュリウ
    ム242の中性子放出率(S2)を差し引き、さらに予め計
    算で求めたキュリウムを除くその他の超ウラン核種の中
    性子放出率(SO)とキュリウム244の中性子放出率(S
    4)との比(SO/S4)と燃焼度との相関関係を示す校
    正曲線、または中性子放出率(SO)と燃焼度との相関
    関係を示す校正曲線を用いて前記中性子放出率を差し引
    いてキュリウム244の中性子放出率(S4)を求め、 前記キュリウム244の中性子放出率(S4)から照射燃料
    の燃焼度を求めるとともに、キュリウム244の発熱率を
    求め、前記照射燃料の燃焼度から核分裂生成物のセシウ
    ム137及びストロンチウム90の濃度を求め、これらの濃
    度からセシウム137及びストロンチウム90の発熱率を求
    めることを特徴とする照射燃料の発熱率測定方法。
  4. 【請求項4】 照射燃料から放出されている中性子の中
    性子放出率(ST)を、原子炉停止から測定開始までの
    冷却期間を隔てて少なくとも2回測定して、中性子放出
    核種の半減期の差異を利用してキュリウム244の中性子
    放出率(S4)とキュリウムを除くその他の超ウラン核
    種の中性子放出率(SO)との和(S4+SO)と、半減
    期163日の寿命が比較的短いキュリウム242の中性子放出
    率(S2)とに分離し、 予め計算で求めたキュリウムを除くその他の超ウラン核
    種の中性子放出率(S O)とキュリウム244の中性子放出
    率(S4)との比(SO/S4)と燃焼度との相関関係を
    示す校正曲線、又はキュリウムを除くその他の超ウラン
    核種の中性子放出率(SO)と燃焼度との相関関係を示
    す校正曲線を用いてキュリウムを除くその他の超ウラン
    核種の中性子放出率(SO)を差し引くことによってキ
    ュリウム244の中性子放出率(S4)を求め、キュリウム
    244の中性子放出率(S4)から照射燃料の燃焼度を求め
    るとともに、キュリウム244の中性子放出率(S4)から
    キュリウム244の濃度を求め、このキュリウム244の濃度
    からキュリウム244の発熱率を求め、 さらに、キュリウム242の中性子放出率(S2)を用い
    て、予め計算で求めたキュリウム242の中性子放出率
    (S2)とプルトニウム238の濃度との相関関係を示す校
    正曲線を用いてプルトニウム238の濃度を求め、この濃
    度からプルトニウム238の発熱率を求めることを特徴と
    する照射燃料の発熱率測定方法。
  5. 【請求項5】 照射燃料から放出されている中性子の中
    性子放出率(ST)を、原子炉停止から測定開始までの
    冷却期間を隔てて少なくとも2回測定して、中性子放出
    核種の半減期の差異を利用してキュリウム244の中性子
    放出率(S4)とキュリウムを除くその他の超ウラン核
    種の中性子放出率(SO)との和(S4+SO)と、半減
    期163日の寿命が比較的短いキュリウム242の中性子放出
    率(S2)とに分離し、予め計算で求めたキュリウムを
    除くその他の超ウラン核種の中性子放出率(SO)とキ
    ュリウム244の中性子放出率(S4)との比(SO/S4
    と燃焼度との相関関係を示す校正曲線、又はキュリウム
    を除くその他の超ウラン核種の中性子放出率(SO)と
    燃焼度との相関関係を示す校正曲線を用いてキュリウム
    を除くその他の超ウラン核種の中性子放出率(SO)を
    差し引くことによってキュリウム244の中性子放出率
    (S4)を求め、 キュリウム244の中性子放出率(S4)から照射燃料の燃
    焼度を求めるとともに、キュリウム244の中性子放出率
    (S4)からキュリウム244の濃度を求め、このキュリウ
    ム244の濃度からキュリウム244の発熱率を求め、 さらに、キュリウムを除くその他の超ウラン核種の中性
    子放出率(SO)から、予め計算で求めたキュリウムを
    除くその他の超ウラン核種の中性子放出率(S O)とプ
    ルトニウム238との、またはプルトニウム238を除くその
    他の超ウラン核種の濃度との相関関係を示す校正曲線を
    用いてプルトニウム238との、またはプルトニウム238を
    除くその他の超ウラン核種の濃度を求め、この濃度から
    キュリウムを除くその他の超ウラン核種の発熱率を求め
    ることを特徴とする照射燃料の発熱率測定方法。
  6. 【請求項6】 2サイクル連続照射した後に炉心から取
    り出した2サイクル連続照射燃料の中性子放出率
    (ST)測定値と、1サイクル照射した後に1サイクル
    以上の間炉心から取り出して冷却した後、次のサイクル
    で炉心に装荷して1サイクル照射し、前記連続照射燃料
    とほぼ同じ燃焼度を達成させた断続照射燃料の中性子放
    出率(ST)測定値とを比較してキュリウム242の中性子
    放出率(S2)を求め、キュリウム242のα崩壊により生
    じたプルトニウム238の濃度を求め、この濃度からプル
    トニウム238の発熱率を求めることを特徴とする照射燃
    料の発熱率測定方法。
  7. 【請求項7】 前記連続照射燃料の中性子放出率
    (ST)測定値と、前記連続照射燃料とほぼ同じ燃焼度
    を達成させた前記断続照射燃料の中性子放出率(S T
    測定値とを比較してキュリウム242の中性子放出率
    (S2)を求め、キュリウム242のα崩壊により生じたプ
    ルトニウム238の濃度を求め、このプルトニウム238の濃
    度からプルトニウム238の発熱率を求めることを特徴と
    する請求項6記載の照射燃料の発熱率測定方法。
  8. 【請求項8】 照射燃料中の核分裂生成物のセシウム13
    7のγ線測定により燃焼度を求め、この燃焼度と冷却期
    間とからキュリウム244、キュリウム242、セシウム13
    7、ストロンチウム90及びキュリウムを除くその他の超
    ウラン核種の濃度を求め、これらの濃度からキュリウム
    244、キュリウム242、セシウム137、ストロンチウム90
    及びキュリウムを除くその他の超ウラン核種の発熱率を
    求めることを特徴とする照射燃料の発熱率測定方法。
  9. 【請求項9】 熱量計の測定容器に照射燃料を収納し、
    冷却材を前記測定容器の下方から上方に流し、前記冷却
    材の流量と温度の測定により全体の発熱率を直接測定す
    るカロリメトリ法により前記照射燃料全体の発熱率を測
    定し、その発熱率測定値に予め計算で得られた発熱率の
    核種ごとの割合と対比して、核種ごとの発熱率を求める
    ことを特徴とする照射燃料の発熱率測定方法。
  10. 【請求項10】 燃料の中性子照射に伴う燃焼計算で得
    られたキュリウム244の中性子放出率(S4)が測定で得
    られたキュリウム244の中性子放出率(S4M)と一致す
    るように、アメリシウム243の中性子捕獲断面積を調節
    することによって、キュリウム244の発熱率を求めるこ
    とを特徴とする照射燃料の発熱率測定方法。
  11. 【請求項11】 燃料の中性子照射に伴う燃焼計算で得
    られたキュリウム244の中性子放出率(S4)が測定で得
    られたキュリウム244の中性子放出率(S4M)と一致す
    るように、プルトニウム242の中性子捕獲断面積を調節
    することによって、キュリウム244の発熱率を求めるこ
    とを特徴とする照射燃料の発熱率測定方法。
  12. 【請求項12】 燃焼計算で得られたキュリウム244の
    中性子放出率(S4)が測定で得られたキュリウム244の
    中性子放出率(S4M)と一致するようにプルトニウム24
    2及びアメリシウム243の中性子捕獲断面積を調節するこ
    とによってキュリウム244の発熱率を求めることを特徴
    とする照射燃料の発熱率測定方法。
  13. 【請求項13】 燃焼計算で得られたキュリウム242の
    中性子放出率が測定で得られたキュリウム242の中性子
    放出率に一致するように、アメリシウム241の中性子捕
    獲断面積を調節することによって、キュリウム242の濃
    度を求め、キュリウム242の減衰成分から、減衰で生じ
    たプルトニウム238の発熱率を求めることを特徴とする
    照射燃料の発熱率測定方法。
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