JP2006112804A - 照射燃料集合体の中性子放出率測定方法及び測定評価プログラム - Google Patents

照射燃料集合体の中性子放出率測定方法及び測定評価プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 照射燃料集合体を解体する必要がなく、照射(使用済)燃料からの中性子放出率を極めて能率よく測定出来、非常に高価なキャスクに過剰な裕度を持たせること無く効率的に照射(使用済)燃料を収納することが出来るようにする中性子の放出率測定方法を得ること。
【解決手段】 原子炉の中で中性子に照射された燃料集合体の内部に生成した中性子放出核種から放出される中性子の放出率測定方法に関する。燃料集合体を構成する或る位置の燃料棒(i)で発生する中性子すなわち中性子源強度(N)に基づく、燃料集合体の側面に配置された中性子検出器の位置(j)に形成される中性子束(fij)として定義される応答因子Wijを求める。そして、燃料集合体内の中性子源強度分布に基づく燃料棒(i)の想定中性子源強度Sと上記応答因子Wijとの積の全燃料棒の和Σ[S×Wij]に対する、上記燃料集合体の外部位置(j)に配置された中性子検出器により検出された中性子束(φ)の比 φ/Σ[S×Wij]から該燃料集合体の中性子放出率(Sas)を求める。
【選択図】 図1

Description

本発明は、照射燃料集合体の中性子放出率を測定する方法及び測定評価プログラムに関する。
原子炉の中で中性子に照射された照射燃料集合体(以下照射燃料という)の中には中性子を放出する超ウラン核種(中性子放出核種という)、特にキュリウム(Cm)244、242等が生成している。放出されている中性子は、原子炉の再起動の際の中性子源としての利用、燃焼度測定(放出中性子測定法)や未臨界度測定(自発中性子増倍法)等への利用という活用方法がある一方で、照射燃料を輸送したり、容器に収納して貯蔵したり、再処理を行う場合などには中性子を遮蔽しなければならないという問題を提起する。
中性子放出率で特に重要なものはCm244からの中性子放出率である。ウランを燃料とする照射燃料(U照射燃料)の場合には、U238の6回の中性子吸収によってCm244が生成するのでCm244の生成量は比較的少ないが、プルトニウム(Pu)を含む燃料(代表例は酸化ウランと酸化プルトニウムを混合した混合酸化物燃料でMOX燃料と呼ばれている)の場合には、Cm244は主にPuに含まれているPu242のわずか2回の中性子吸収により生成するので、中性子放出率はMOX照射燃料の方がU照射燃料より数倍ないし10倍以上高いことが知られている。また中性子放出率の燃焼度依存性はU照射燃料の場合燃焼度の4乗程度、MOX照射燃料の場合には燃焼度の2乗程度で増大することも本発明者らによって明らかにされている。しかし通常の使用済みとなった照射燃料でも中性子放出率は、使用済U燃料に比べて使用済MOX燃料の方が3〜7倍程度大きい。つまり、使用済MOX燃料から放出されている中性子を遮蔽するためには使用済U燃料の場合の3〜7倍もの中性子遮蔽能力が必要である。
注:中性子放出核種には次のものがある。()の中の数値は半減期を示す:
Cm244(18y)、Cm242(163d)、
Pu238(88y)、Pu240(6537y)、
Pu242(38万年)、Am241(432y)
なお、これらからの中性子放出率Sを本発明では次のように記号で示す。
=[Cm244]、S=[Cm242]、
=[Pu238+Pu240+Pu242+Am241]、
4p=S+S、[xx]はxxからの中性子放出率であることを示す。
*Cm242は半減期が短いので、照射終了後1.5〜2年冷却するとSの値は通常 は無視できる程度に小さくなる。
また、Sの燃焼度依存性は比較的小さく、かつ通常Sよりかなり小さい。
特開平10−30543号公報 特開2002−250268号公報
現在使用されている使用済燃料輸送容器等の容器(キャスクとも呼ばれている)は通常使用済U燃料を収納するために設計されており、あまり過剰の中性子遮蔽能力は持たされていない。しかもキャスクの価格は非常に高価なものである。したがってこのようなキャスクに使用済MOX燃料を収納しようとするとキャスクの改造等の配慮が必要となり、収納容量が大幅に低下することになる。この様な問題を緩和するためには、しっかりした多くの測定データを蓄積して、設計計算コードの過剰な設計裕度を明らかにすることが極めて重要である。ところが照射(或いは使用済)MOX燃料からの中性子放出率に関する測定データは極めて少ない。
従来までにわずかに存在するこの種のデータは、燃料集合体を解体して燃料棒を1本ずつ測定したり、中性子源を用いた複雑な方法により得られたもので、多くの測定データを収集するには適していない。本発明者らも、旧く燃料集合体から一部の燃料棒のみを取り出して測定する方法を特開昭53−92099号公報で開示したが、燃料集合体を部分的に解体することが不可欠であった。
本発明は、上記のような背景の下になされたものであり、非常に高価なキャスクに過剰な裕度を持たせること無く効率的に照射(使用済)燃料を収納することが出来るように、設計計算コードの信頼性を広範囲な測定データで検証すべく、照射燃料集合体を解体する必要がなく、照射(使用済)燃料からの中性子放出率を極めて能率よく測定出来る測定方法及び測定評価プログラムを提供することを目的とする。
第1の発明は、請求項1記載のように、原子炉の中で中性子に照射された燃料集合体の内部に生成した中性子放出核種から放出される中性子の放出率測定方法において、燃料集合体を構成する或る位置の燃料棒(i)で発生する中性子すなわち中性子源強度(N)に基づく、燃料集合体の側面に配置された中性子検出器の位置(j)に形成される中性子束(fij)として定義される応答因子Wijを求め、燃料集合体内の中性子源強度分布に基づく燃料棒(i)の想定中性子源強度Sと応答因子Wijとの積の全燃料棒の和Σ[S×Wij]に対する、上記燃料集合体の外部位置(j)に配置された中性子検出器により検出された中性子束(φ)の比 φ/Σ[S×Wij]から該燃料集合体の中性子放出率(Sas)を求めることを特徴とする。
すなわち、本発明の特徴は、燃料棒から発生する中性子と燃料集合体外側の熱中性子を相関付ける「応答因子」を用いることにより、燃料集合体を解体することなく、燃料集合体全体の中性子放出率を求めることにある。応答因子を物理的に考察すると、或る燃料棒発生した高速中性子は、減速材による散乱、吸収材による吸収消滅、核分裂性物質による核分裂といった反応を起こす。減速材としては水、吸収材としては炭化硼素やハフニウムからなる制御棒、核分裂性物質としてはウラニウム235が代表的であるが、水においても散乱だけでなく吸収消滅は起こり得る。ウラニウム235においても核分裂だけでなく散乱や吸収は起こり得る。これらの反応は全て確率的に決定されるものである。
上記の或る燃料棒から発生した中性子はこれらの確率的な反応を繰り返し、吸収消滅をしなければ、やがて燃料集合体の外側に到達する。この到達した中性子は必ずしも、最初に発生した中性子ではないかもしれない。それは途中で核分裂性物質により吸収され核分裂反応により新たに生成した中性子、いわば最初の発生中性子を「親」とするならば、「子」の中性子、さらに「孫」の中性子であるかもしれない。到達した中性子は減速が少なければ高速中性子であり、十分減速されていれば熱中性子である。応答因子とは或る位置の燃料棒で発生した「親」の中性子により作られる親自身及びその子孫が燃料棒の外側に到達し、さらにその時点で熱中性子である確率と言える。
第2の発明は、燃料集合体を挟んで配置した中性子検出器位置(j)と中性子検出器位置(k)における中性子束(φ)と(φ)との平均値と、想定した中性子源強度Sの燃料棒相互間の一様な、あるいは簡単な相対分布を用いて求められる燃料集合体全体の中性子放出率に基づく測定位置(j)及び(k)に形成される中性子束への応答因子(A及びA)と、別途求めた測定体系の実効増倍率(keff)とから、該燃料集合体の中性子放出率(Sas)を求めることを特徴とする。
この発明によれば、燃料棒毎の応答因子を用いずに、燃料集合体全体の応答因子を用いるにもかかわらず、燃料集合体を挟んで配置した中性子検出器位置(j)の中性子束(φ)と中性子検出器位置(k)の中性子束(φ)とを平均することによって燃料棒毎の応答因子の平均化が達成される特性を利用するので、簡単ながら比較的精度よく中性子放出率を求めることができる。
本発明によれば、照射(使用済)燃料集合体を解体することなしに、集合体全体の軸方向単位長さ当たりの中性子放出率を測定することができるので、解体する方法等の従来の方法に比べて著しく簡単に、しかも非常に能率的に大量の測定データを高い精度で取得することができる。照射(使用済)MOX燃料集合体では中性子放出率の測定データは現在ごく少数しか存在しないが、本発明を実施することによって大量の測定データを収集することができ、設計計算方法の信頼度を系統的に評価することが可能となり、照射(使用済)MOX燃料集合体の輸送・貯蔵容器(キャスク)設計において過剰の設計裕度を取る必要がなくなり、特に使用済MOX燃料集合体の輸送・貯蔵容器に関わる費用を大幅に低減出来ることになる。
本発明は、燃料集合体を構成する燃料棒(i)で発生する中性子すなわち中性子源強度Nとその中性子に基づいて燃料集合体外の中性子検出器位置(j)に形成される熱中性子束(fij)との比(fij/N)からなる応答因子Wijを求めるとともに、燃料集合体内部の中性子源強度分布に基づく燃料棒(i)の想定中性子源強度Sと上記応答因子Wijとの積を各燃料棒毎に求め、全燃料棒についての想定中性子源強度Sと上記応答因子Wijとの積の和Σ[S×Wij]と上記燃料集合体の外側に設けられた中性子検出器で検出された中性子束(φ)との比によって当該燃料集合体外の中性子放出率(Sas)を求めるものである。
すなわち、形状及び寸法が異なるごとに燃料集合体の燃焼計算(高温 Hot:の運転条件を入力した燃焼依存の中性子スペクトル計算)を行い、得られた燃料組成を用いて室温(水温、cold)における燃料集合体の中性子スペクトル計算を行い、拡散計算を行うための群定数を求め、中性子源強度を入力する固定線源計算を行って、各燃料棒ごとの単位中性子源強度が燃料集合体側面に配置された中性子検出器位置の中性子束にいかに寄与するかを表す応答因子を求め、別途与えられた燃料集合体内の中性子源強度分布と幾つかの相関関係式を用いて、中性子束の測定値から該燃料集合体の中性子放出率(Sas)を求めることを特徴とする。
燃料集合体内の燃料棒iにおける単位中性子放出率に起因する、燃料集合体の側面に配置された中性子検出器の位置に形成される熱中性子束として定義される応答因子を計算によって求める手順を、以下図1に基づいて説明する。
図1に於いて、10に示す燃料集合体諸元(形状、寸法、組成)と燃焼条件(出力密度、ボイド率或いはボロン濃度、運転期間)を用いて、11に於いて運転状態を模擬した燃料集合体の燃焼計算(Hot状態)を行う。燃料集合体諸元及び燃焼条件は、燃料設計及び炉心設計時に決められた値で既知である。この計算は通常「燃料集合体設計計算コード」を用いて行われる燃焼依存の中性子スペクトル計算であり、上記11における燃焼計算の結果、燃料集合体内の核種組成分布12が燃焼度依存量として求められる。ここで、組成とは、Cm242,Cm244、Pu239、Pu240等の比率を表す同位体組成のことである。また、中性子スペクトル計算とは、中性子エネルギーを群に分割し、燃料の材質や幾何学的配置により変化する中性子エネルギー分布を計算するものである。核燃料の燃焼は、この中性子エネルギー分布の変化により大きく変化する。したがって、まず、中性子エネルギー分布を計算し、この中性子エネルギー分布を用いて、核燃料の燃焼計算を行う。核燃料の燃焼とは、核燃料が中性子を吸収することにより、他の核種に変換し、核燃料であるU235やPu239が減少していくことである。燃焼により、核種の変換が起こると、またここで中性子スペクトルが変化するので、再度、中性子スペクトル計算を行う必要がある。この過程を繰り返し、燃焼が進んでいくことになる。
上記燃料集合体内の核種組成分布を用いて、13において室温(水温、Cold状態)に対する計算を前記燃料集合体設計計算コードを用いて再度行い、室温に対する中性子拡散計算に必要な群定数14を求め、それを用いて、15において燃料集合体を1体水中に設置した測定体系の固定中性子源増倍計算を行い、燃焼度依存の応答因子16を求める。応答因子は、前述のように、或る位置iに与えた中性子源強度と計算の結果求められた或る位置jの中性子束を用いて、
応答因子=(或る位置jの中性子束)/(或る位置iに与えられた中性子源)
という関係にある。
11及び13における計算手法自体は同じ中性子スペクトル計算であるが、13における計算は冷温の水状態であり、これに対し11における計算は運転時であるため高温の水状態であるという違いがある。その他の燃料集合体諸元については同じである。また、13における計算では燃焼計算は行わず、中性子スペクトル計算のみを1回行う。ここで行う中性子スペクトル計算とは固定中性子源増倍計算15と異なり、中性子源強度を与えない計算で「固有値計算」と呼ばれる。
前記15で行う固定中性子源増倍計算は中性子源強度を与えて中性子束を求めるものであり、上記固定中性子源増倍計算の入力となるものは、燃料集合体諸元と、中性子源となる燃料棒の位置と燃料集合体外側面の測定位置である。燃料集合体諸元は形状、寸法に関しては10と同じである。そして、上記固定中性子源増倍計算により燃料集合体外側面の測定位置の中性子束が出力され、これにより前記応答因子が計算される。上記固定中性子源増倍計算は拡散計算に基づいて行う。拡散計算の代わりにより高度の輸送計算を行ってもよいが通常は拡散計算で十分である。
しかして、上記固定中性子源増倍計算で算出された応答因子Wijと、中性子源強度分布に基づく中性子源強度Si、および中性子測定値φとにより、中性子放出率が算出される。
この例では、前述のように応答因子Wijは理論計算によって求めるものを示したが、測定によって求めることもできる。すなわち、応答因子Wijを、水中に設置された未燃焼燃料集合体において測定し、測定結果に実効増倍率の燃焼による変化の影響分を補正して照射燃料集合体における応答因子Wijを求め、該応答因子Wijを用いて該燃料集合体の中性子放出率(Sas)を求めるものである。この場合、実測定体系を模擬した未燃焼の新燃料を用いて燃料集合体を構成して応答因子Wijを実験的に求める。ただし、模擬体系の実効増倍率(keff)が実測定燃料集合体と若干異なるため、増倍率の違いを理論計算により補正する。keffの値は水中に1体の照射燃料集合体を配置した場合、BWR燃料で0.35〜0.45程度、PWR燃料では0.5〜0.7程度であり、特にMOX燃料集合体ではkeffの燃焼度依存性が比較的小さいため、『1/(1−keff)』として補正する場合のkeffの変化に伴う誤差の影響は通常無視できる程度に小さい。
中性子束の測定値から中性子放出率(増倍効果を除いたもので、一次中性子放出率と呼ばれることもある)を求める原理は、概念として、未臨界体系における一点炉中性子束(φ)の式
φ=aS/(1−keff)、
a:比例係数。集合体全体の応答係数Aは、A=a/(1−keff)、
S:中性子放出率、
eff :実効増倍率、
を用いて理解することができる。
本発明で用いる燃料棒i毎の応答因子Wiと中性子放出率Siを用いると、
φ=Σ(Wi×Si)
となる。Wiは上記keff に相当する増倍効果を固定中性子源増倍計算の中で既に含むため、上式では、keffは現れないが、Siが分布を持たず一定であるとすると、一点炉中性子束の式におけるAは
A=Σ(Wi)
の関係にある。
上記の通り、燃料集合体の11における燃焼計算(Hot operating条件)により燃焼度依存の燃料集合体内組成(分布)が得られ、一方ではそれらより物理定数を用いてCm244、Pu238〜242、Cm242、Cm244及びPu238〜242の核種ごとの燃焼度依存中性子放出率(S、S、S、S4p)が得られる。Cm244及びPu238〜242による中性子放出率S4pを S4p=S+S で定義し、ここで、中性子放出率依存の燃焼度、すなわちBU(S4p)17を求める。
また、前記の室温に対する中性子拡散計算に必要な群定数14を用いて、18において測定体系をモデル化した体系に入力して固有値計算を行い、燃焼度依存の実効増倍率(keff (BU))が求められる。
ところで、燃料棒毎あるいは燃料集合体全体の応答因子を計算する場合にも燃料集合体(Cold)計算で得られた燃焼度依存群定数を用いて拡散計算を行うが、この際には固定線源条件を用い、keffではなく中性子束(φ)を求める。
前記の通り、燃料集合体の外側に設けられた中性子検出器で検出された、20の中性子束(φ)に線源分布(中性子放出率分布)21と前記燃焼度依存応答因子16とにより、22で中性子放出率計算を行い、中性子放出率(S)23を求めるが、測定時期が比較的、炉停止から近く、測定の際にCm242からの中性子放出率が無視できない場合には、24でS 補正を行い、S4p(Cm242を除く核種からの中性子の放出率)25を求める。Cm242は半減期が163日と短く、使用済燃料の輸送の際などでは通常無視できるので、S 補正は計算により行うか、半減期の違いを利用して複数回の測定によりCm242からの中性子放出率(S)を差し引くことになる。ここで、前述のように、応答因子には増倍効果が含まれているが、増倍効果は燃焼度により変化するので、BU(0)初期値を与えて使用した。
ここで、中性子放出率依存燃焼度17を用いて、S4pからBU(i)を求める。S4pとBU(i)の関係については、本発明者らの論文「Journal of Nuclear Science and Technology vol.30, p.48(1993)」で詳しく開示している。このBU(i)とBU(i−1)が等しくない場合、次のループに入る。BU(i+1)を新しい入力値とし、新しい応答因子を用いてS4p を再計算し、BUが収束するまで繰り返す。おおよそ、5回程度繰り返し計算を行うと通常満足なS4p(収束値)が得られる。
以上の説明から分かるように、上記中性子の放出率測定方法では、原子炉の中で中性子に照射された燃料集合体の内部に生成したキュリウム244(Cm244)等の中性子放出核種から放出される中性子の放出率測定方法において、燃料集合体の外周に中性子検出器を配置し、燃料集合体を構成する燃料棒(i)に中性子源強度(N)を与えることによって中性子検出器位置(j)に形成される中性子束(fij)の比(fij/N)を応答因子Wijと定義し、燃料棒(i)の想定中性子源強度Sと応答因子Wijとの積[S×Wij]の全燃料棒の和に対する中性子検出器位置(j)の中性子束(φ)の比から該燃料集合体の中性子放出率(Sas)が求めることができる。本測定法では、形状及び寸法が異なるごとに燃料集合体の燃焼計算(高温Hot:の運転条件を入力した燃焼依存の中性子スペクトル計算)を行い、得られた燃料組成を用いて室温(水温、cold)における燃料集合体の中性子スペクトル計算を行い、拡散計算を行うための群定数を求め、中性子源強度を入力する固定線源計算を行って、各燃料棒毎の単位中性子源強度が燃料集合体側面に配置された中性子検出器位置の中性子束にいかに寄与するかを表す応答因子を求め、別途与えられた燃料集合体内の中性子源強度分布と幾つかの相関関係式を用いて、中性子束の測定値から該燃料集合体の中性子放出率(Sas)が求められる。相関関係式は通常燃焼計算によって求められる。すなわち、燃料棒(i)の想定中性子源強度S の相対中性子源強度分布(燃料棒相互間の相対値)は、燃料集合体の燃焼計算により燃焼度依存量として求め、中性子測定から求められる燃焼度ないし与えられた燃焼度に対応する想定中性子源強度Sの燃料棒相互間の相対値(相対中性子源強度分布)を用いて該燃料集合体の中性子放出率(Sas)を求める。なお、相対中性子源強度分布を燃焼計算で求めるステップを省略し、簡単な分布を仮定してもよい。また、ウラニウム燃料棒とプルトニウム燃料棒とで組み立てられた燃料集合体の場合には、燃料棒(i)の想定中性子源強度Sの燃料棒相互間の相対値(相対中性子源強度分布)を、プルトニウム燃料棒に対してはウラニウム燃料棒の3倍ないし10倍程度で近似することができる。上記手法により精度の高い中性子放出率が燃料集合体を解体することなく、能率的に求めることができる。
図2は本発明に関わる第2の実施の形態を図1の場合と同様な形で説明したものであり、図1と異なる点は、燃料集合体を挟んで両側面(面jと面k)における中性子測定値(φ、φ)に対して両側面の応答因子(A、A)を用いて中性子放出率(S、S)を求めた後、Sjとを平均する点にある。本実施例は、燃料集合体を挟んだ両側面(面jと面k)の応答因子(A、A)は、燃料棒毎の応答因子で見た場合、おおよそ面対称になっているため平均操作を行うことによりどの燃料棒に対してもおおよそ一様な応答因子になるという後述の特性を利用している点に特徴がある。燃料集合体が正方形の場合には対向する面の組み合わせが2個あるため、それぞれの組み合わせで平均した後、さらに2組の平均操作をすればさらに測定精度が向上する。平均の方法としては単純な算術平均と幾何平均が利用できる。
図3は本発明に関わる第3の実施の形態であり、図2と同様に示している。図2と異なる点は、燃料集合体を挟んで両側面(面jと面k)における中性子測定値(φ、φ)を直接平均し、集合体全体の応答因子を用いない点にある。本実施の形態でも、燃料集合体を挟んだ両側面(面jと面k)の応答因子(A、A)は、燃料棒毎の応答因子で見た場合、おおよそ面対称になっているため平均操作を行うことによりどの燃料棒に対してもおおよそ一様な応答因子になるという後述の特性を利用している点に特徴がある。「どの燃料棒に対してもおおよそ一様な応答因子になる」ので、両側面(面jと面k)の応答因子(A、A)はほぼ同じになることになり、一様な応答因子であるということは、相対中性子源強度分布の影響が小さくなる。したがって単純に一点炉に対する前述の未臨界中性子束の式における比例係数(a)を用いている。平均中性子束から燃料集合体全体の軸方向単位長さ当たりの中性子放出率(S4p)を導く手順は図1、2の実施の形態と同じであるため、詳細な説明は省略している。
すなわち、燃料集合体を挟んで配置した中性子検出器位置(j)と中性子検出器位置(k)における中性子束(φ)と(φ)との平均値を分子とし、上記中性子検出器位置(j)における応答因子Wijと上記想定中性子源強度Sとの積[S×Wij]の全燃料棒の和と、上記中性子検出器位置(k)における応答因子Wik と上記想定中性子源強度Sとの積[S×Wik]の全燃料棒の和との平均値を分母として応答因子を求め、その応答因子を用いて該燃料集合体の中性子放出率(Sas)を求める。
次に、実燃料を模擬した計算結果について説明する。
制御棒を挿抜する燃料集合体相互間の水ギャップが挿抜しない水ギャップより広い設計の「D格子」と呼ばれているBWR炉心の中央付近で集合体平均燃焼度約26GWd/tまで燃焼(照射)させた後、原子炉から取り出して2700日冷却した使用済MOX燃料集合体が測定対象の燃料集合体である。この燃料集合体は、集合体内部にPuOをUOに添加したMOX燃料棒を、周辺部にUO燃料棒を配置した「アイランド型」と呼ばれているMOX燃料集合体である。使用済(照射済)燃料になると、中性子放出率はUO燃料棒に比べて、MOX燃料棒の方が数倍大きいので、中性子放出率は燃料集合体内部で大きくなっている。また、冷却期間が2700日と非常に長いことから、Cm242に基づく中性子放出率は完全に無視できる状態になっている。
図4は対象とした燃料集合体であって、(a)は原子炉内で照射された燃料集合体の燃料棒配置を説明する図である。燃料集合体外周の水ギャップに対応して、燃料集合体は十字型制御棒の中心軸に近接したコーナと水ギャップが狭い側の交点に対応するコーナを結ぶ直線に対して鏡対称となるように設計されている。線源分布が複雑な場合でも本発明が適用できることを確かめるために、一部燃料が抜けている図4(b)に示す不完全な燃料集合体で計算を行った。(×)印を付した場所が燃料棒がない位置であり、水とした。通常、測定は熱中性子測定を行うと考えられるので、水中に設定された燃料集合体の側面A、B、C、Dの熱中性子束を計算した。熱中性子束計算位置は熱中性子束分布がピークになる位置である。このようにして、燃料集合体を解体しないで集合体の中性子放出率を求める方法の妥当性を、真の中性子放出率の和として求めた集合体の中性子放出率と比較検証する。
図5は、対象とした燃料集合体の軸方向中央付近における軸方向1cm長当たりの中性子放出率である。この図の数値は集合体周辺部のUO燃料棒の平均値が1.00となるように規格化して示したものであり、集合体内部のMOX燃料棒の中性子放出率はUO燃料棒の平均値の7〜8倍となっていることが分かる。UO燃料棒の間では特に小さい一部のものを除き、2倍程度の開きがあることが分かる。燃焼度がこの例より低いと7〜8倍という比率は大きくなり、燃焼度が進むと小さくなる。現実的には、この比率は概して3〜10倍の範囲になる。各cellは燃料棒を中心とした周りの水減速材を隣接の燃料棒と等しく分け合うように含む部分であって、本計算体系における寸法は約16mm×16mmである。
なお、このような中性子放出率の相対分布は、燃焼計算により通常適切に求められる。より高度の中性子放出率の相対分布を本発明に利用する場合には、この分布が燃焼度により変化する特性を念頭において、燃焼度依存量として利用することになる。冷却期間も必要に応じて考慮することになる。
図6は燃料集合体を解体しないで集合体全体の中性子放出率を求める方法を開発する第1段階として燃料棒ごとの応答因子を求めたものであり、面Aに中性子検出器(ここでは金箔)を配置した場合に、各燃料棒で放出された中性子がこの金箔位置に如何に寄与するかを示す応答因子(相対値)の分布である。図7はこの金箔と各燃料棒との直線距離を横軸にとって図6の応答因子(相対値)の値をプロットしたものである。距離の対数に対してほぼ直線的に(距離に対して指数関数的に)減衰していることが分かる。図8はこの特性に着目して検討したものである。面Aと燃料集合体をはさんで反対側の面Cからみた応答因子を考え、前者と算術平均してみた。その結果を(a)に示す。*印を付したものは燃料棒が存在しないため、存在するとして推定した。(b)は(a)の平均値が1.00となるように規格化したものである。(b)から明らかなように、面Aと面Cの応答因子を平均することによりかなり一様な応答が得られることが分かる。即ち、燃料集合体を挟んだ平均の重要性が理解できる。コーナ部や面BとDの応答因子が小さく、面AとCの応答因子が大きめとなることが分る。このため面BとDの平均値も作成し、面AとCの平均値と平均してみた。得られた結果を(c)に示す。このことは4面の平均によりコーナ部を除いて燃料棒毎の応答因子は更に均一化されることを示している。
図9も類似の操作を試みた結果である。図8と異なる操作は(a)において幾何平均を行った点にある。同図(c)から燃料棒ごとの応答因子はかなり平均化されることが分る。コーナ部で小さく、内部で大きくなる傾向は中性子が集合体周辺からの方が内部からよりも漏れやすいためと考えられる。この検討からも、集合体を挟んだ面における複数の測定値の平均操作が如何に有用かが理解できる。
次ぎに、燃料集合体内部の中性子源強度(相対)分布によって、集合体側面から中性子束を測定して集合体全体の中性子放出率を求めようとする場合にどの様な誤差が生じるかを検討した。集合体を解体しないで集合体全体の中性子放出率を求めようとする場合には、燃料集合体内部の中性子源強度(相対)分布は理論計算で求めるか適当に仮定せざるを得ないのでこの検討は非常に重要なものである。
図10はこの目的で検討した3種の単純で典型的な中性子源分布のモデルであって、(a)はウラン(U)燃料棒とMOX燃料棒の中性子放出率が全て一様の場合(モデル1:一様モデル)、(b)はMOX燃料棒の中性子放出率がU燃料棒のそれの10倍でそれぞれ一様の場合(モデル2:MOX10倍モデル)、(c)は(b)においてU燃料棒の中性子放出率分布に極く大まかに現実を想定して変化を持たせ、MOX燃料棒の中性子放出率の比を大まかに5倍程度とした場合(モデル3:概略分布モデル)である。
図6相当の応答因子と図10のモデル1、2、3を用い、測定面A、B、C、Dにおける中性子束測定値から求めた集合体全体の中性子放出率が正解(図5に示した相対分布に816を掛けて絶対値化した集合体の中性子放出率(燃料棒毎の中性子放出率の和)からどれだけずれたかを示した結果を図11に示す。例えば、測定面Aの中性子束とモデル3の相対中性子源分布を用いた場合には、正解から+側に0.5%ずれたこと、面Aと面Cの平均値では−側に0.5%ずれたこと、全体を平均すると−側に0.4%ずれたことを示している。モデル1を用いるとずれが比較的大きく、平均操作を行わないとずれは大きくなるが平均操作によりある程度ずれが小さくなること、などが分かる。平均操作を行うとずれが小さくなく点は図8、9で説明した理由による。
次ぎに、水中に設定された照射(使用済)燃料集合体の中性子束を測定する装置について説明する。いずれも本発明者らが以前に実開昭53−47499号公報や特開昭61−176876号公報において開示したもの、或いはその変形例である。
図12は水中に設置された燃料保持台31(発電所で常設されているものは燃料準備機と呼ばれることがある)に燃料集合体32(照射燃料あるいは使用済燃料)が乗せられ、その頂部に箔支持装置33をフック34を介してその燃料集合体32に装着した状態を示したものである。(a)は横断面図、(b)は(a)のB−B矢視図、(c)は(a)C−C線上の熱中性子束分布の概念を示す図である。中性子検出器として箔(例えば金箔)35が熱中性子束がピークpになる位置に取り付けられている。ピーク位置に箔35が配置されているので、若干の設定位置ずれが生じても測定誤差は殆ど生じない。箔支持装置33には、燃料集合体32を抱き込むアーム36が設けられており、箔支持装置33の下端部に設けられた錘37の利用により重心位置を調節して、フック34と重心位置を利用した弱い回転力を発生させることによって、軸方向全長に渡って箔35と燃料集合体32との水平方向距離が正しく設定されるように設計されている。
図13は図12(a)と対応する他の実施例であって、特徴的な点は本発明で特に重要な、対向する2面を同時に測定することができるようにしたものである。箔支持装置33にはその軸方向全長に渡ってフレーム38が剛体的に延在され、それに2個の箔保持アーム39が取り付けられており、その箔支持アーム39の互いに対向する内面に中性子検出器としての箔35が取り付けられている。この箔保持アーム39は軸方向に長い連続体であっても断続体であってもよい。上記箔支持アーム39には燃料集合体32の隅角部にパッド40を介して接する位置決め用のアーム41が箔支持装置の上部と下部位置に設けられる。なお、この図から容易に想像できるように、3面を同時に測定するように設計変更することもできる。
図14は図13の変形実施例であって、中性子検出器として箔ではなくてカウンタ(計数管)42を装着した例である。この例では、ガンマ線遮蔽体は殆ど取り付けていないか、取り付けていても小規模であるため核分裂計数管を使用する場合に適している。照射燃料集合体は非常に強いガンマ線放出体であるため、核分裂計数管の場合を除いて、計数管の回りにかなり大掛かりなガンマ線遮蔽体を取り付けなければならない。核分裂計数管は箔より大きいため、その中心を熱中性子束ピーク位置に正確に設定することは困難な場合が多いが、若干離れても熱中性子束の分布形を考慮すれば大して問題ないことが容易に分かる。
図15はかなり大規模のガンマ線遮蔽体を取り付ける必要のあるカウンタ(例えば、B10カウンタ、BF3カウンタ、He3カウンタ、等)をカウンタ容器43に収容し、燃料集合体32の1面を1点ずつ測定する場合の装置である。カウンタ容器43がかなり大きくなるため、図12(c)に示す反射体ピーク位置にカウンタ中心を設定することは通常出来ないが、ガンマ線遮蔽体に鉛を用いると、形状を適切に決定して鉛を熱中性子誘導体として利用することが可能であり、カウンタの中心位置が前述のピーク位置から大幅に離れても測定誤差の増大をある程度緩和することができる。また、測定装置がこの場合重量物となるため、燃料集合体に対して静かに当接させて測定を実施することが重要になる。燃料集合体の軸方向の中性子束分布を測定する場合には燃料保持台31を上下に移動させることになる。なお、測定装置はプール壁の頂部に設けられた測定装置吊り44でワイヤ45を介して支持され、またカウンタ容器43内のカウンタからはケーブルホース46を通して電気信号が図示しない計測回路へ送られる。
図16は、ある程度大掛かりなガンマ線遮蔽体で取り囲まれたカウンタを燃料集合体32の対向する2面に正確に配置して中性子束を測定する装置の実施例であって、(a)は全体の側面図、(b)は要部拡大図である。測定装置本体47は駆動装置48で上下駆動する事ができ、燃料集合体32は燃料支持装置49に吊り下げられており、燃料支持装置49を上下に駆動することにより上下軸方向の測定ができる。この実施例で一つの特徴的な点は、カウンタ容器43の後方に空気室50が取り付けられており、中性子を計測する際には給排気機構51を通じて給気されてローラ52が燃料集合体に当接し、測定しないときは排気されてカウンタ容器が重力により燃料から離間するように設計されていることである。カウンタ容器43が燃料集合体32に当接した状態で滑らかに軸方向の移動が出来るように、そして燃料集合体とカウンタとの距離を正確に決定するためにローラが取り付けられている。
本発明による照射(使用済)燃料集合体の中性子放出率測定方法の第1の実施の形態を示す流れ図。 本発明に係る照射(使用済)燃料集合体の中性子放出率測定方法の第2の実施の形態を示す流れ図。 本発明に係る照射(使用済)燃料集合体の中性子放出率測定方法の第3の実施の形態を示す流れ図。 本発明の対象とした燃料集合体であって、(a)は原子炉内で照射された燃料集合体の燃料棒配置を説明する概略平面図、(b)は実際に中性子束を測定した不完全な燃料集合体を示す概略平面図。 対象とした燃料集合体の軸方向中央付近における軸方向1cm長当たりの燃料棒毎の中性子放出率分布を示す説明図。 面Aから見た燃料棒毎の応答因子を示す分布(計算値)図。 図6の応答因子の値を測定面Aの放射化箔と燃料棒との距離に対してプロットした特性図。 燃料棒毎の図6相当の応答因子の測定面相互間の算術平均の計算例であって、(a)は面AとCの平均値、(b)は(a)の平均値が1.00となるように規格化した値、(c)は(a)に対応した面BとDの平均値を(b)に対応して規格化した後、(b)と平均したもので、4面平均値に対応するものを示す分布図。 燃料棒毎の図6相当の応答因子の測定面相互間の平均の計算例であって、(a)は面AとCの幾何平均値、(b)は(a)の規格化値、(c)は(a)に対応した面BとDの幾何平均値を(b)に対応して規格化した後(b)と算術平均したもので、4面平均値に対応するものを示す分布図。 本発明で検討した中性子源強度(相対)分布のモデルであって、(a)はウラン(U)燃料棒とMOX燃料棒の中性子放出率を全て一様とした場合(モデル1:一様モデル)、(b)はMOX燃料棒の中性子放出率がU燃料棒のそれの10倍でそれぞれ一様とした場合(モデル2:MOX10倍モデル)、(c)は(b)においてU燃料棒の中性子放出率分布に極く大まかに現実を想定して変化を持たせ、MOX燃料棒の中性子放出率の比を大まかに5倍程度とした場合(モデル3:概略分布モデル)を示す説明図。 本発明により求めたる中性子放出率が正解からどれだけずれたかを示す説明図。 水中に配設された燃料集合体に対する中性子検出装置の装着状態を示す図であって、(a)は主要部の横断面図、(b)は(a)におけるB−B矢視図、(c)は(a)のC−C面の熱中性子束分布の概念を示す特性図。 図12(a)と対応する他の実施例であって、対向する2面を同時に測定することができる測定装置の横断面図。 図13の変形実施例であって、中性子検出器としてカウンタ(計数管)を装着した実施例を示す横断面図。 かなり大規模のガンマ線遮蔽体を取り付ける必要のあるカウンタをカウンタ容器に収容し、燃料集合体の1面を1点ずつ測定する場合の装置の実施例を示し、(a)は側面図、(b)は要部拡大側面図。 ある程度大掛かりなガンマ線遮蔽体で取り囲まれたカウンタを燃料集合体の対向する2面に正確に配置して中性子束を測定する装置の実施例であって、(a)は全体の側面図、(b)は主要部を拡大して示す正面図。
符号の説明
31 燃料保持台
32 燃料集合体
33 箔支持装置
34 フック
35 箔
36 アーム
37 錘
38 フレーム
39 箔支持アーム
40 パッド
41 位置決め用アーム
42 カウンタ
43 カウンタ容器
46 ケーブルホース
47 測定装置本体
50 空気室
52 ローラ

Claims (11)

  1. 原子炉の中で中性子に照射された燃料集合体の内部に生成した中性子放出核種から放出される中性子の放出率測定方法において、燃料集合体を構成する或る位置の燃料棒(i)で発生する中性子すなわち中性子源強度(N)に基づく、燃料集合体の側面に配置された中性子検出器の位置(j)に形成される中性子束(fij)として定義される応答因子Wijを求め、燃料集合体内の中性子源強度分布に基づく燃料棒(i)の想定中性子源強度Sと応答因子Wijとの積の全燃料棒の和Σ[S×Wij]に対する、上記燃料集合体の外部位置(j)に配置された中性子検出器により検出された中性子束(φ)の比 φ/Σ[S×Wij]から該燃料集合体の中性子放出率(Sas)を求めることを特徴とする、照射燃料集合体の中性子放出率測定方法。
  2. 燃料集合体を構成する或る位置の燃料棒(i)に或る中性子源強度(N)を与えることにより、計算の結果上記中性子源強度(N)に対応して燃料集合体の外部の中性子検出器位置(j)に形成される中性子束(fij)を算出し、その中性子束(fij)と中性子源強度(N)との比(fij/N)によって応答因子Wijを求めることを特徴とする、請求項1記載の照射燃料集合体の中性子放出率測定方法。
  3. 前記応答因子Wijを、燃焼計算により求めた燃焼度依存の組成を用いて、水中に設置された孤立の燃料集合体をモデルとして固定線源条件を用いた拡散計算等の理論計算を用いて燃焼度依存量として求めることを特徴とする、請求項1記載の照射燃料集合体の中性子放出率測定方法。
  4. 前記応答因子Wijを、水中に設置された未燃焼燃料集合体において測定し、測定結果に実効増倍率の燃焼による変化の影響分を補正して照射燃料集合体における応答因子Wijを求め、該応答因子Wijを用いて該燃料集合体の中性子放出率(Sas)を求めることを特徴とする、請求項1記載の照射燃料集合体の中性子放出率の測定方法。
  5. 燃料集合体を挟んで配置した中性子検出器位置(j)と中性子検出器位置(k)における中性子束(φ)と(φ)との平均値を分子とし、上記中性子検出器位置(j)における応答因子Wijと上記想定中性子源強度Sとの積[S×Wij]の全燃料棒の和と、上記中性子検出器位置(k)における応答因子Wik と上記想定中性子源強度Sとの積[S×Wik]の全燃料棒の和との平均値を分母として応答因子を求め、その応答因子を用いて該燃料集合体の中性子放出率(Sas)を求めることを特徴とする、請求項1記載の照射燃料集合体の中性子放出率測定方法。
  6. 燃料棒(i)の想定中性子源強度S の相対中性子源強度分布(燃料棒相互間の相対値)を、燃料集合体の燃焼計算により求めることを特徴とする、請求項1記載の照射燃料集合体の中性子放出率測定方法。
  7. 燃料棒(i)の想定中性子源強度Sの相対中性子源強度分布(燃料棒相互間の相対値)を、燃料集合体の燃焼計算により燃焼度依存量として求め、中性子測定から求められる燃焼度ないし与えられた燃焼度に対応する想定中性子源強度Sの燃料棒相互間の相対値(相対中性子源強度分布)を用いて該燃料集合体の中性子放出率(Sas)を求めることを特徴とする、請求項1記載の照射燃料集合体の中性子放出率測定方法。
  8. ウラニウム燃料棒とプルトニウム燃料棒とで組み立てられた燃料集合体の場合には、燃料棒(i)の想定中性子源強度Sの燃料棒相互間の相対値(相対中性子源強度分布)を、プルトニウム燃料棒に対してはウラニウム燃料棒の3倍ないし10倍程度で近似することを特徴とする、請求項1記載の照射燃料集合体の中性子放出率測定方法。
  9. 燃料集合体を挟んで配置した中性子検出器位置(j)と中性子検出器位置(k)における中性子束(φ)と(φ)との平均値と、想定した中性子源強度Sの燃料棒相互間の一様な、あるいは簡単な相対分布を用いて求められる燃料集合体全体の中性子放出率に基づく測定位置(j)及び(k)に形成される中性子束への応答因子(A及びA)と、別途求めた測定体系の実効増倍率(keff)とから、該燃料集合体の中性子放出率(Sas)を求めることを特徴とする、照射燃料集合体の中性子放出率測定方法。
  10. 燃料集合体を構成する或る位置の燃料棒(i)で発生する中性子源強度(N)と、その中性子源強度(N)に対応して燃料集合体の外部の中性子検出器位置(j)に形成される中性子束(fij)との比(fij/N)からなる応答因子Wijを求め、燃料集合体内の中性子源強度分布に基づく燃料棒(i)の想定中性子源強度Sと応答因子Wijとの積[S×Wij]の全燃料棒の和に対する、上記燃料集合体の外部位置(j)に配置された中性子検出器により検出された中性子束(φ)の比 φ/Σ[S×Wij]から該燃料集合体の中性子放出率(Sas)を求める手順を組み込んだことを特徴とする、照射燃料集合体の中性子の放出率測定評価プログラム。
  11. 燃料集合体を挟んで配置した中性子検出器位置(j)と中性子検出器位置(k)における中性子束(φ)と(φ)との平均値と、想定した中性子源強度Sの燃料棒相互間の一様な、あるいは簡単な相対分布を用いて求められる燃料集合体全体の中性子放出率に基づく測定位置(j)及び(k)に形成される中性子束への応答因子(燃料集合体応答因子)(A及びA)と、別途求めた測定体系の実効増倍率(keff)とから、該燃料集合体の中性子放出率(Sas)を求める手順を組み込んだことを特徴とする、照射燃料集合体の中性子の放出率測定評価プログラム。
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