JPH1048342A - 放射能測定方法 - Google Patents

放射能測定方法

Info

Publication number
JPH1048342A
JPH1048342A JP20446196A JP20446196A JPH1048342A JP H1048342 A JPH1048342 A JP H1048342A JP 20446196 A JP20446196 A JP 20446196A JP 20446196 A JP20446196 A JP 20446196A JP H1048342 A JPH1048342 A JP H1048342A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peak
energy
radioactivity
interest
nuclide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20446196A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Kawasaki
智 川崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP20446196A priority Critical patent/JPH1048342A/ja
Publication of JPH1048342A publication Critical patent/JPH1048342A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ドラム缶などの放射性廃棄物の貯蔵容器内の放
射能を非破壊的に測定する放射能測定方法に係り、特
に、貯蔵容器内に複数のγ線放出核種が存在する場合に
それらの放射能を核種毎に定量するのに好適な放射能測
定方法を提供する。 【解決手段】被検体内部に複数の放射性核種が存在しそ
の核種情報が既知である場合、低いエネルギのγ線を放
出する核種のγ線に起因した波高分布のピーク面積を、
そのピークを含み、このエネルギよりも高く、かつ他の
核種の放出するγ線エネルギの存在しない領域の波高分
布をガウスの誤差関数と一次式との線形結合した関数で
フィッティングし、ガウスの誤差関数の係数からピーク
面積とその標準偏差を求め、核種の放射能を演算する。
この時、検出限界放射能はピーク面積の標準誤差の3倍
した値から評価した値とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドラム缶などの放
射性廃棄物貯蔵容器(以下、単に貯蔵容器という)内の放
射能を非破壊的に測定する放射能測定方法に係わり、特
に貯蔵容器内に複数のγ線放出核種が存在する場合にそ
れらの放射能を核種毎に定量するのに好適な放射能測定
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】貯蔵容器などの被検体内の放射能を定量
する方法は、Cooperの方法が知られている(J.A.Coope
r、 Factors Determinating The Ultimate DetectionSen
sitivity of Ge(Li) Gamma−ray Spectrometers、 Nucle
ar Instruments andMethods、Vol.82、 pp.273−277、1
970)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】Cooperの方法は、通
常、測定した波高分布に明確にピークが現れる場合に用
いられており、当該ピーク面積を求めるための着目エネ
ルギ領域としては、ピークエネルギを中心としたエネル
ギ領域が用いられる。したがって、貯蔵容器内に複数核
種の放射能が存在し、高いエネルギをγ線を放出する核
種の放射能が非常に大きい場合には、それよりも低いエ
ネルギのγ線を放出する核種から放出されたγ線は、高
いエネルギのγ線が貯蔵容器内で散乱したγ線がバック
グランドとなり、明確なピークを示さなくなってしま
う。このような場合には、着目ピークの検出限界計数値
以下と判断され、高いエネルギのγ線を放出する核種の
放射能が大きくなるにしたがって、より低いエネルギの
γ線を放出する核種の検出限界放射能は大きくなってし
まう。
【0004】本発明の目的は、貯蔵容器内に複数の放射
性核種が存在している場合に、より低いエネルギのγ線
を放出する核種の検出限界放射能を低くできる放射能測
定方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、貯蔵容器内
で一旦散乱後に透過してくるγ線のエネルギスペクトル
がなだらかであることに着目し、より低いエネルギのγ
線に対するバックグランド成分を最小二乗フィッティン
グして評価することで達成できる。
【0006】着目エネルギに対応したピーク面積の3σ
の検出限界計数値Nは、数1を満足するNで表すことが
できる。
【0007】
【数1】
【0008】GM検出器やシングルチャンネル測定の場
合のようにエネルギスペクトル情報を検知しない場合に
は、出来るだけバックグランド計数値を大きくすること
により相対的に検出限界計数値を小さくしなければなら
ない。一方、Ge検出器の様にエネルギスペクトル情報
を検知する測定の場合には、測定で得たスペクトルをフ
ィッティングすることにより式1のピーク面積の測定誤
差とバックグランド測定誤差を小さくできるので、相対
的に着目するピークの検出限界計数値を小さくすること
ができ、したがって検出限界放射能を低くすることがで
きる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
用いて説明する。
【0010】図1は、本発明の構成を示したものであ
る。1は被検体であり、その被検体から放出されたγ線
はGe検出器等のエネルギスペクトルを測定可能な放射
線検出器2で測定される。放射線検出器2の出力は波高
分析装置に入力され、γ線のエネルギスペクトルに対応
した波高分布を得ることができる。
【0011】測定した波高分布には被検体以外の環境中
の放射能に起因したバックグランド放射線の情報も含ま
れているので、被検体のない状態で測定した値に基づい
て4のバックグランド補正で、測定した波高分布から環
境からのバックグランド成分を減算処理する。被検体内
に含まれている放射性核種やそれらの核種の放出するγ
線に対する検出器の計数効率等の情報は13の核種情報
として予め求められている。この13の核種情報に基づ
いて、もっともエネルギの高い核種に対してはバックグ
ランド成分がほぼない状態になっているので、従来の方
法で放射能を定量する。核種の放出するγ線エネルギよ
りも低いエネルギのγ線に対する波高分布における着目
すべきピークは13の核種情報に基づいて5の着目ピー
ク設定で実施し、その情報に基づいて着目すべきエネル
ギ領域を6の着目エネルギ領域設定で実施する。それぞ
れの着目エネルギ領域で7の波高分布フィッティングで
最小二乗フィッティングを実施する。そのフィッティン
グ係数から8で着目するピーク面積とその誤差(標準偏
差)を演算する。その結果に対して、9でピーク面積が
その誤差の係数倍(通常、=3)よりも大きいかどうか
を判定する。大きい場合には8で求めたピーク面積を測
定ピーク面積とし、小さい場合には10でピーク面積の
誤差の係数倍(通常、=3)を測定ピーク面積とする。
11では測定ピーク面積に基づいて13の核種情報に含
まれている着目ピークの検出効率と測定時間を用いて被
検体1に含まれる核種毎の放射能を演算し、12でCR
T,プリンタ,ハードディスク等に11の結果が出力さ
れる。
【0012】次に、図1の6と7に示した着目エネルギ
領域の設定とその領域内での波高分布のフィッティング
方法について説明する。
【0013】図2は被検体として放射性廃棄物を収納し
たドラム缶をGe検出器で測定した場合の波高分布の例
を示したものである。ドラム缶内にはセメントが充填さ
れており、その中心にCo−60とCs−137が存在
している。P1とP2はCo−60が放出する2種類の
γ線(1.17MeVと1.33MeV)に対応したピー
クであり、明確なピークとして検出されている。一方、
P3はCs−137の放出するγ線(662keV)に
対応したピークが現れるチャンネルであるが、Co−6
0の放射能がCs−137の放射能よりも相対的に大き
いために、明確なピークとして測定できない。これは、
Co−60のγ線が検出器内でのコンプトン散乱したγ
線が存在することと、Co−60のγ線がドラム缶内の
セメントでコンプトン散乱したγ線が存在することに起
因している。すなわち、これらのコンプトン散乱のγ線
の揺らぎによりCs−137のγ線のピークが隠れてし
まっていることになる。図2はCo−60のコンプトン
散乱線のスペクトルはCs−137領域近傍でなだらか
であることを示しており、線源の位置やドラム缶内の充
填材の密度が変化しても、スペクトルの傾きは変わるが
それが一次関数で近似できることがわかった。
【0014】また、Ge検出器における波高分布のピー
クは、ガウスの誤差関数で表現できることが知られてい
る(Glenn F. Knoll著,木村・阪井訳,放射線計測ハン
ドブック 第2版,p.736,日刊工業新聞社,19
91)。
【0015】したがって、数2に示すようにガウスの誤
差関数と一次式との線形結合関数で波高分布をフィッテ
ィングできることになる。
【0016】
【数2】
【0017】数2の第1項の係数y0,x0,σpは着
目するピークのみが存在する条件での測定値から予め求
めておくことができる。このフィッティングは重みつき
の最小二乗フィッティングが適当であり、その重みは図
1の4で得られる波高分布の各チャンネルの測定値の標
準偏差の逆数である。最小二乗フィッティング結果の出
力は数2に示したy0,a,bとそれらの標準偏差であ
り、y0とその標準偏差から数3により着目ピークの面
積とその誤差(標準偏差)を求める。
【0018】
【数3】
【0019】これらの値を測定時間と検出効率で除算す
ることで被検体内の着目核種の放射能を得ることができ
る。
【0020】フィッティングに用いる波高分布の領域は
着目するピークを含むことが必要であり、その上限値は
他のピークが存在せず、かつより高いγ線に起因したバ
ックグランドが一次式で表現可能な出来るだけ高いチャ
ンネルであることが望ましい。図2に示した測定条件
は、原子力発電所から発生した古い廃棄物を模擬したも
のであり、このような廃棄物に存在する可能性のある核
種はCo−60とCs−137であることが経験的に既
知である。この場合には、1600チャンネルまでの高
いエネルギ領域までを着目エネルギ領域とする事ができ
る。また、Cs−137に起因したピークチャンネルは
1323チャンネルであり、そのピークが影響する下限
のチャンネルは1318チャンネルである。したがっ
て、着目エネルギ領域は1318から1600チャンネ
ルとすることができる。フィッティング結果を図3に示
している。図3では、分かりやすくするために横軸のチ
ャンネル幅を拡大して示している。図3の14は測定波
高分布であり、15がフィッティングで得た波高分布で
ある。P3は図2の場合と同様にCs−137のγ線の
ピークに対応している。
【0021】表1は図3に示したフィッティングの結果
得られたピーク面積を従来方法との比較で示したもので
ある。
【0022】
【表1】
【0023】Cs−137の計数値は1318−132
8の積算値である。2列目の測定値は実際の測定では得
ることが出来ないが、従来のCooper法で近似的にピーク
面積を計算するため測定値であり、3列目が従来のCoop
er法を近似的に適用した場合のピーク面積である。本実
施例では、真のピーク面積をより精度良く評価可能であ
り、かつ検出限界放射能を従来法の約1/2にすること
ができることを示している。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、被検体内の複数の放射
性核種が存在する場合、エネルギの低いγ線を放出する
核種の放射能をより精度良く求めることができ、核種に
対する検出限界放射能を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示した放射能測定方法のフ
ローチャート。
【図2】本発明の着目エネルギ領域を説明するための波
高分布の特性図。
【図3】本発明の適用結果を説明するための波高分布の
特性図。
【符号の説明】
1…被検体、2…放射線検出器、14…測定波高分布、
15…フィッティングした波高分布、P1…Co−60
の放出する1.33MeV のγ線に対応したピーク、P
2…Co−60の放出する1.17MeV のγ線に対応
したピーク、P3…Cs−137の放出する662ke
Vのγ線に対応したピーク。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数種の放射性核種の存在が予め既知であ
    る被検体から放出された放射線のエネルギスペクトルを
    波高分布として測定し、波高分布に現れるピークの面積
    から核種毎の放射能を定量する方法において、より低い
    エネルギの放射線を放出する核種の放射能は、着目エネ
    ルギに起因したピークの低エネルギ端からそれよりも高
    エネルギ側にピークエネルギ幅よりも高いエネルギまで
    の着目エネルギ領域を設定し、前記着目エネルギ領域内
    の波高分布を線形関数を用いて最小二乗フィッティング
    し、そのフィッティング係数からピーク面積とその標準
    偏差を求め、前記ピーク面積が前記標準偏差の係数倍よ
    りも大きい場合は前記ピーク面積から着目核種の放射能
    を求め、前記ピーク面積が前記標準偏差の係数倍よりも
    小さい場合は標準誤差の係数倍をピーク面積として、そ
    のピーク面積から着目核種の放射能を求めることを特徴
    とする放射能測定方法。
  2. 【請求項2】波高分布のフィッティング関数はガウスの
    誤差関数と一次式との線形結合とする請求項1の放射能
    測定方法。
  3. 【請求項3】波高分布のフィッティングに使用するエネ
    ルギ領域は着目核種が放出するエネルギに起因するピー
    ク以外のピークを含まないように設定する請求項1の放
    射能測定方法。
JP20446196A 1996-08-02 1996-08-02 放射能測定方法 Pending JPH1048342A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20446196A JPH1048342A (ja) 1996-08-02 1996-08-02 放射能測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20446196A JPH1048342A (ja) 1996-08-02 1996-08-02 放射能測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1048342A true JPH1048342A (ja) 1998-02-20

Family

ID=16490925

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20446196A Pending JPH1048342A (ja) 1996-08-02 1996-08-02 放射能測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1048342A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010517015A (ja) * 2007-01-17 2010-05-20 イノベイティブ アメリカン テクノロジー, インコーポレイテッド スペクトル解析のための高度パターン認識システム
CN107076860A (zh) * 2014-05-28 2017-08-18 索列丹斯弗莱西奈公司 放射性材料测定
CN108375783A (zh) * 2018-02-07 2018-08-07 山东省科学院海洋仪器仪表研究所 一种海水放射性检测的自动寻峰方法
JP2018179537A (ja) * 2017-04-04 2018-11-15 株式会社東芝 放射能測定装置及び放射能測定方法
CN109581468A (zh) * 2019-01-02 2019-04-05 中国工程物理研究院材料研究所 一种环境本底下弱γ放射源识别方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010517015A (ja) * 2007-01-17 2010-05-20 イノベイティブ アメリカン テクノロジー, インコーポレイテッド スペクトル解析のための高度パターン認識システム
CN107076860A (zh) * 2014-05-28 2017-08-18 索列丹斯弗莱西奈公司 放射性材料测定
CN107076860B (zh) * 2014-05-28 2020-03-10 索列丹斯弗莱西奈公司 放射性材料测定
JP2018179537A (ja) * 2017-04-04 2018-11-15 株式会社東芝 放射能測定装置及び放射能測定方法
CN108375783A (zh) * 2018-02-07 2018-08-07 山东省科学院海洋仪器仪表研究所 一种海水放射性检测的自动寻峰方法
CN109581468A (zh) * 2019-01-02 2019-04-05 中国工程物理研究院材料研究所 一种环境本底下弱γ放射源识别方法
CN109581468B (zh) * 2019-01-02 2022-04-22 中国工程物理研究院材料研究所 一种环境本底下弱γ放射源识别方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Lépy et al. Uncertainties in gamma-ray spectrometry
JP5988890B2 (ja) 放射能分析装置および放射能分析方法
Parks The Compton effect-Compton scattering and gamma ray spectroscopy
US4075480A (en) Quench determination in liquid scintillation counting systems
Jäderström et al. True coincidence summing correction and mathematical efficiency modeling of a well detector
Długosz-Lisiecka et al. Fast procedure for self-absorption correction for low γ energy radionuclide 210 Pb determination in solid environmental samples
Curioni et al. Measurements of 55Fe activity in activated steel samples with GEMPix
JP2017161259A (ja) 放射能濃度測定装置及び放射能濃度測定方法
KR102115382B1 (ko) 콘크리트 구조물의 깊이에 따른 방사능 분포 도출 시스템 및 방법
JP6038575B2 (ja) 核燃料燃焼度評価装置、方法およびプログラム
Ingenito et al. Comparative calibration of IP scanning equipment
JPH1048342A (ja) 放射能測定方法
KR101707957B1 (ko) 매질 내 핵종의 깊이 및 방사능 결정 장치 및 방법
Wayne et al. Response of NaI (Tl) to X-rays and electrons
JP7213880B2 (ja) 放射性同位体の量を決定する方法
Yücel et al. Measurement of absolute intensity of 1001 keV gamma-ray of 234m Pa
Caridi et al. A methodological approach to a radioactive sample analysis with low-level γ-ray spectrometry
US11914087B2 (en) Response function of a scintillator
Scott et al. Characterization and application of cerium bromide spectrometers for analysis of γ-ray emitting radionuclides in food matrices
Bae et al. In situ beta‐gamma separation algorithm for cost‐effective assessment of radioactive waste resources
Tikkanen Calibration of a small anode germanium well detector
Shirato et al. Direction of pion‐induced radioactivity by autoradiography and positron emission tomography
Genreith et al. First results of the prompt gamma characterization of 237Np
JPH1090418A (ja) 放射能測定方法
US7429739B2 (en) Providing information