JP2014069565A - 加飾シート、およびそれを用いた繊維強化複合成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明による加飾シートは、第1離型紙と、前記第一離型紙の一方の面に設けられた装飾層と、樹脂層と、をこの順に備えてなる加飾シートであって、該樹脂層が、エポキシ系樹脂と、硬化剤と、硬化触媒と、を少なくとも含む。
【選択図】図1
Description
前記樹脂層が、エポキシ系樹脂と、硬化剤と、硬化触媒と、を少なくとも含んでなることを特徴とするものである。
未硬化又は半硬化状態の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を強化繊維に含浸させてなるプリプレグに、上記した加飾シートの樹脂層側が対向するように、前記加飾シートを貼り合わせて積層体とし、
前記積層体を、加圧下で加熱して成形を行い、プリプレグおよび樹脂層を硬化させて繊維強化複合成形体を形成する、
ことを含んでなることを特徴とするものである。
未硬化又は半硬化状態の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を強化繊維に含浸させてなるプリプレグを加圧下で加熱して、繊維強化プラスチックを形成し、
前記繊維強化プラスチックの表面に、上記した加飾シートの樹脂層側が対向するように、前記加飾シートを貼り合わせて積層体とし、
前記積層体の前記樹脂層を硬化させて、繊維強化複合成形体を形成する、
ことを含んでなることを特徴とするものである。
強化繊維からなるシートに、上記した加飾シートの樹脂層側が対向するように、前記加飾シートを貼り合わせて積層体とし、
前記積層体を成形型内に配置して、加圧下で未硬化の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を前記成形型内に射出して、強化繊維に前記熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含浸させ、
前記熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を硬化させて繊維強化複合成形体を形成する、
ことを含んでなることを特徴とするものである。
本発明による加飾シートは、装飾層と、樹脂層と、を備えてなるものであり、少なくともいずれか一方の表面に、離型紙をさらに備えてもよい。加飾シートは部材表面への加飾に用いられ、繊維強化複合成形体の加飾に好適に使用することができる。特に、インモールド成形により、加飾シートの装飾層を被転写体上に転写して加飾を行うことが好ましい。
本発明の第一の実施態様による繊維強化複合体成型体の製造方法は、1)未硬化又は半硬化状態の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を強化繊維に含浸させてなるプリプレグに、加飾シートの樹脂層側が対向するように、前記加飾シートを貼り合わせて積層体とする工程、2)前記積層体を加圧下で加熱して成形を行い、プリプレグおよび樹脂層を硬化させて繊維強化複合成形体を形成する工程、を含むものである。
<樹脂層形成用組成物の調製>
下記の表1に示す組成に従って、エポキシ系樹脂に硬化剤、硬化促進剤、紫外線吸収剤、および光安定剤を添加して攪拌機により混合した後、混合物にアクリル系樹脂を添加して混合することにより、樹脂層形成用組成物を調製した。なお、下記の表1中、
JER828、JER1001およびJER1009は、三菱化学社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂を、
M22Nは、アルケマ社製の極性基が導入された変性メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−メチルメタクリレートの2元共重合体を、
QX40は、三菱化学社製のチオール系硬化剤を、
MT−PE−1は、昭和電工社製のチオール系硬化剤を、
DICY7は、三菱化学社製のジシアンジアミトを、
アミキュアMY−Hは、味の素ファインテクノ社製のアミンアダクトを、
UCAT−3513Nは、サンアプロ社製の脂肪族ジメチルウレアを、
チヌビン400、479、477は、BASF社製の紫外線吸収剤を、
チンビン123は、BASF社製のラジカル捕集剤(光安定剤)を、
ホスタビン3058は、クラリアント社製のラジカル捕集剤(光安定剤)を、
KBM−403は、信越シリコーン社製のシランカップリング剤を、それぞれ表す。
基材フィルム(「F99(品番)」,厚さ:50μm,東レ株式会社製)上に、メラミン樹脂系離型剤(メラミン樹脂の固形分比0.5%の酸触媒(パラトルエンスルホン酸)を添加)を塗工量2g/m2でグラビア印刷し、150℃のオーブン内で60秒間加熱処理して離型層を形成した上に、グラビアリバースコート法によって、下記組成のハードコート層用インキを塗工量12g/m2で塗工して、ハードコート層を形成した。そして、該ハードコート層に水銀燈から紫外線を照射して、未反応のアクリレート(アクリロイル)基が残る程度に架橋硬化させた。
<ハードコート層用インキ1の組成>
・紫外線硬化樹脂(成分:ウレタンアクリレート系プレポリマー、 大日精化(株)製、商品名:セイカビーム EXF−HT−S) 60質量部
・反応性無機粒子(反応性コロイダルシリカ粒子、平均粒子径d50:44nm、日産化学工業(株)製、商品名:MIBK−SD−L) 40質量部
・多官能イソシアネート系硬化剤(成分:ヘキサンメチレンジイソシアネート、大日精化(株)製、商品名:PTC−RC3 硬化剤): 10質量部
<アンカーコート層用インキの組成>
・アクリルポリオール系樹脂(大日精化(株)製、商品名:TM−VMAC):
60質量部
・多官能イソシアネート系硬化剤(成分:ヘキサンメチレンジイソシアネート、大日精化(株)製、商品名:PTC−RC3 硬化剤): 25質量部
・塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(DNPファインケミカル(株)製、商品名:SAニス) 15質量部
<受容層用インキ1の組成>
・アクリルポリオール系樹脂(大日精化(株)製、商品名:TM−VMAC):
80質量部
・塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(DNPファインケミカル(株)製、商品名:SAニス) 20質量部
加飾シートの一方の面のセパフィルムを剥離し、樹脂層の面を、未硬化のカーボンプリプレグ(F6347B−05K、東レ社製)に貼り付けた。次いで、精密プレス機により、約2.5kgf/cm2、130℃の加圧条件にて2時間プレスを行い、カーボンプリプレグおよび樹脂層を硬化させた。その後、剥離PETを剥離することにより繊維強化複合成形体1を作製した。
未硬化のカーボンプリプレグ(F6347B−05K、東レ社製)を精密プレス機により、約2.5kgf/cm2、130℃の加圧条件にて2時間プレスを行い繊維強化プラスチックを作製した。次いで、加飾シートの一方の面のセパフィルムを剥離し、樹脂層の面を得られた繊維強化プラスチックの表面に貼り付け、精密プレス機により、約2.5kgf/cm2、130℃の加圧条件にて2時間プレスを行い、樹脂層を硬化させた。その後、剥離PETを剥離することにより繊維強化複合成形体2を作製した。
未硬化のカーボンプリプレグ(F6347B−05K、東レ社製)を精密プレス機により、約2.5kgf/cm2、130℃の加圧条件にて2時間プレスを行い繊維強化プラスチックを作製した。次いで、加飾シートの一方の面のセパフィルムを剥離し、樹脂層の面を得られた繊維強化プラスチックの表面に貼り付け、熱オーブンにより130℃で2時間加熱して、樹脂層を硬化させた。その後、剥離PETを剥離することにより繊維強化複合成形体3を作製した。
加飾シートの初期粘着性を評価するため、以下のようにして試験サンプルを作製した。上記した加飾シートの作製工程において、装飾層上に樹脂層形成用組成物をコーティングする代わりに、PETフィルム(E−5100、東洋紡社製)のコロナ処理面にコーティングした以外は、上記した接着シートと同様にして試験片を作製した。得られた試験片を、23℃、50%RHの環境下に24時間静置した後、25mm×250mmに裁断し、セパフィルムを剥離して樹脂層を露出させて、その樹脂層部分に、表面を洗浄したアルミ板(6061)を載置し、その上から、手動式圧着装置(JIS0237)を用いて、圧着速度約5mm/秒で1往復させて、接着シートとアルミ板とを貼り合わせて試験サンプルを得た。
得られた繊維強化複合成形体について、下記のサイクルで、UV照射合計時間が1500時間となるような加速劣化試験を行った。なお、照射条件として、365nmの紫外線を60mW/cm2で照射した。また、比較のため、繊維強化複合成形体3の作製時に使用した繊維強化プラスチックについても、同様の加速劣化試験を行った。
(1)UV照射:20時間(63℃、50%RH)
(2)シャワー:30秒
(3)結露:4時間(63℃、98RH%)
初期粘着性の評価に使用した試験サンプルと同様のものを、23℃、50%RHの環境下に1月間静置した後、セパフィルムを剥離した樹脂層表面のタックの有無を調べた。タックの有無は、上記した初期粘着性の評価と同様にして行い、試験サンプル作製後の初期粘着力に対して、50%以上の初期粘着性を有しているものをタック有り(○)とした。評価結果は、下記の表2に示される通りであった。
成型後の表面を目視にて観察し、印刷の抜けなど不良部がないか確認した。不良部なしを○、不良部ありを×とした。
表1に示す組成に従って、実施例1と同様にして樹脂組成物の調製を行い、実施例1と同様にして、実施例2〜19の繊維強化複合成形体を作製した。また、未硬化のカーボンプリプレグ(F6347B−05K、東レ社製)を精密プレス機により、約2.5kgf/cm2、130℃の加圧条件にて2時間プレスを行って、比較例1の繊維強化プラスチックを作製した。続いて、実施例2〜19の繊維強化複合成形体および比較例1の繊維強化プラスチックについて、実施例1と同様に、初期粘着性、耐候性、保存安定性、および外観の各評価を行った。評価結果は、下記の表2に示される通りであった。
2 繊維強化複合成型体
3 繊維強化複合材
11 樹脂層
12 装飾層
13 ハードコート層
14 アンカーコート層
15 受容層
21A 第1離型紙
21B 第2離型紙
Claims (17)
- 装飾層と、樹脂層と、を備えてなる加飾シートであって、
前記樹脂層が、エポキシ系樹脂と、硬化剤と、硬化触媒と、を少なくとも含んでなることを特徴とする、加飾シート。 - 少なくともいずれか一方の表面に、離型紙をさらに備えてなる、請求項1に記載の加飾シート。
- 前記硬化剤がチオール系化合物からなり、前記硬化触媒が脂肪族系ジメチルウレアからなる、請求項1または2に記載の加飾シート。
- 前記エポキシ系樹脂がビスフェノール型エポキシ樹脂である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の加飾シート。
- 前記ビスフェノール型エポキシ樹脂が、常温で液状のビスフェノール型エポキシ樹脂およびガラス転移温度が50〜170℃の範囲にある常温で固体のビスフェノール型エポキシ樹脂の2種のビスフェノール型エポキシ樹脂からなる、請求項4に記載の加飾シート。
- 前記常温で液状のビスフェノール型エポキシ樹脂と、前記常温で固体のビスフェノール型エポキシ樹脂とが、0:64.3〜14.8:44.5の割合で含まれている、請求項5に記載の加飾シート。
- 前記硬化剤が、前記エポキシ系樹脂に対して0.59〜1.08phr含まれる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の加飾シート。
- 前記硬化触媒が、前記エポキシ系樹脂の合計質量に対して0.1〜3.0%含まれる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の加飾シート。
- 前記樹脂層が、アクリル系樹脂をさらに含んでなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の加飾シート。
- 前記アクリル系樹脂が、メチルメタクリレート系共重合体を含んでなる、請求項9に記載の加飾シート。
- 前記装飾層上に、受容層と、アンカーコート層と、ハードコート層と、をこの順にさらに備えてなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の加飾シート。
- 繊維強化複合成形体の加飾に用いられる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の加飾シート。
- 前記加飾が、インモールド成形により前記装飾層を転写して行われる、請求項12に記載の加飾シート。
- 繊維強化複合成形体の製造方法であって、
未硬化又は半硬化状態の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を強化繊維に含浸させてなるプリプレグに、請求項1〜13のいずれか一項に記載の加飾シートの樹脂層側が対向するように、前記加飾シートを貼り合わせて積層体とし、
前記積層体を、加圧下で加熱して成形を行い、プリプレグおよび樹脂層を硬化させて繊維強化複合成形体を形成する、
ことを含んでなることを特徴とする、繊維強化複合成形体の製造方法。 - 繊維強化複合成形体の製造方法であって、
未硬化又は半硬化状態の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を強化繊維に含浸させてなるプリプレグを加圧下で加熱して、繊維強化プラスチックを形成し、
前記繊維強化プラスチックの表面に、請求項1〜13のいずれか一項に記載の加飾シートの樹脂層側が対向するように、前記加飾シートを貼り合わせて積層体とし、
前記積層体の前記樹脂層を硬化させて、繊維強化複合成形体を形成する、
ことを含んでなることを特徴とする、繊維強化複合成形体の製造方法。 - 繊維強化複合成形体の製造方法であって、
強化繊維からなるシートに、請求項1〜13のいずれか一項に記載の加飾シートの樹脂層側が対向するように、前記加飾シートを貼り合わせて積層体とし、
前記積層体を成形型内に配置して、加圧下で未硬化の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を前記成形型内に射出して、強化繊維に前記熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含浸させ、
前記熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を硬化させて繊維強化複合成形体を形成する、
ことを含んでなることを特徴とする、繊維強化複合成形体の製造方法。 - 請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法により得られた繊維強化複合成形体。
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