JP2014069564A - 樹脂シート、およびそれを用いた繊維強化複合成形体の製造方法 - Google Patents

樹脂シート、およびそれを用いた繊維強化複合成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】洗浄や研磨等が必要なく、またコーティング塗装を行うことなく耐候性に優れたFRP成形体が得られる、FRP成形体の表面保護層を形成するのに好適な熱硬化性樹脂シートを提供する。
【解決手段】本発明による樹脂シートは、第一離型紙と、前記第一離型紙の一方の面に設けられた樹脂層と、を備えてなる樹脂シートであって、前記樹脂層が、エポキシ系樹脂と、硬化剤と、硬化触媒と、紫外線吸収剤と、光安定剤と、を少なくとも含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維強化プラスチック等の表面保護層を形成するのに好適な樹脂シート、および、プリプレグから繊維強化プラスチックを作製する際または繊維強化プラスチックを作製した後に、当該樹脂シートを用いて繊維強化プラスチックの表面に樹脂層を設けた繊維強化複合成形体を製造する方法に関する。
近年、CO削減の観点から、自動車等の輸送機関の分野では、従来の内燃機関を採用する車体に代えてハイブリッド車や電気自動車等が普及し始めており、それに伴い、車体の軽量化が益々重要な課題となってきている。このような課題に対して、車体自体を従来の鋼材に代えてアルミや繊維強化プラスチック(以下、FRPとも言う)を使用することが進められている。
樹脂に炭素繊維等の強化用繊維材を混入させて成形したものであるFRPは、軽量かつ高強度であることから、航空機、自動車、船舶等の分野をはじめ、建設産業等の広い分野で使用されている。このようなFRPは、繊維束からなる織布に樹脂を含浸させて硬化させたものや、同一方向に配列した繊維束からなる面材どうしを互いの繊維配列方向が異なるように積層したものに樹脂を含浸させて硬化させたものが知られている。
上記したようなFRP成形体は、プレプリグと呼ばれるエポキシ樹脂等に炭素繊維等の強化用繊維材を混入させたシートを重ね合わせ、成形金型内で加熱・加圧されることにより所望の形状にプリプレグを硬化させて成形されるのが一般的である。また、成形金型から硬化後のプリプレグを取り出し易くするため、通常は、成形金型の内側にシリコーン等の離型剤を塗布してプリプレグの成形を行うため、得られたFRPの表面には離型剤が残存している場合がある。
ところで、FRPは、硬化性樹脂として汎用的なエポキシ樹脂等が使用されているため、それを車体等に使用する場合には、紫外線や風雨による変色や強度低下を防止するため、通常は、FRP成形体の表面を保護するために、塗装等によりコーティングを行う必要がある。しかしながら、上記したように、FRP成形体の表面には離型剤が残存している場合もあることから、コーティングを行う際には、先ずFRP成形体を洗浄した後に、表面の研磨を行い、プライマー塗装等を行ってから、紫外線吸収剤等を含有する塗料によりコーティングを行う必要があった。
上記の問題に対して、特開2006−044264号公報(特許文献1)には、FRP成形体の表面に熱可塑性樹脂層を含むフィルムを設けて、成形体の表面を加飾することが提案されている。この方法によれば、上記したような工程を経ることなく、FRP成形体の耐候性を向上させることも可能であると考えられる。
特開2006−044264号公報
上記したように、従来のFRP成形体では、プリプレグを所望の形状に成型した後、上記のような一連の工程を経て、その表面に塗装を行うと工程数が増えるためコストの上昇を招く。また、特開2006−044264号公報に記載の方法であっても、ポリアミド等の熱可塑性樹脂では耐候性に劣るため、FRP成形体の耐候性を向上させるためには、加飾フィルムに、別途コーティング等を施す必要がある。さらに、熱可塑性樹脂からなる加飾フィルムをFRP表面に設けた場合、表面硬度が低下して耐擦過性が低下し、FRP本来の性質を損なってしまうことも考えられる。また、塗装コーティング等のようなFRP表面に薄膜の保護層を設けたような成形体が希求されている用途においては、加飾フィルムを用いると肉厚になるといった問題があった。
本発明者らは、上記のような課題に対して、鋭意検討した結果、プリプレグからFRPを作製する際またはFRPを作製した後に、特定の成分を含有する熱硬化性樹脂シートをFRPの表面に載置しておき、樹脂シートを硬化させることにより、FRPと樹脂シートとが一体化した繊維強化複合成形体が得られることを見出した。そして、このような樹脂シートによれば、FRP成形体の表面に保護層を形成することができ、その結果、洗浄や研磨等が必要なく、またコーティング塗装を行うことなく、耐候性に優れたFRP成形体が得られるとの知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
したがって、本発明の目的は、洗浄や研磨等が必要なく、またコーティング塗装を行うことなく耐候性に優れたFRP成形体が得られる、FRP成形体の表面保護層を形成するのに好適な樹脂シートを提供することである。
また、本発明の別の目的は、樹脂シートを用いてFRP成形体の表面に保護層が一体的に形成された繊維強化複合成形体を提供することである。
本発明による樹脂シートは、第一離型紙と、前記第一離型紙の一方の面に設けられた樹脂層と、を備えてなる樹脂シートであって、
前記樹脂層が、エポキシ系樹脂と、硬化剤と、硬化触媒と、紫外線吸収剤と、光安定剤と、を少なくとも含んでなることを特徴とするものである。
また、本発明の態様によれば、前記紫外線吸収剤が、樹脂層中に、固形分換算で1〜30質量%含まれていてもよい。
また、本発明の態様によれば、前記光安定剤が、樹脂層中に、固形分換算で0.5〜20質量%含まれていてもよい。
また、本発明の態様によれば、前記硬化剤がチオール系化合物でもよく、また、前記硬化触媒が脂肪族系ジメチルウレアであってもよい。
また、本発明の態様によれば、前記エポキシ系樹脂がビスフェノール型エポキシ樹脂であってもよい。
また、本発明の態様によれば、前記ビスフェノール型エポキシ樹脂が、常温で液状のビスフェノール型エポキシ樹脂およびガラス転移温度が50〜170℃の範囲にある常温で固体のビスフェノール型エポキシ樹脂の2種のビスフェノール型エポキシ樹脂からなるものであってもよい。
また、本発明の態様によれば、前記常温で液状のビスフェノール型エポキシ樹脂と、前記常温で固体のビスフェノール型エポキシ樹脂とが、0:64.3〜14.8:44.5の割合で含まれていてもよい。
また、本発明の態様によれば、前記硬化剤が、前記エポキシ系樹脂に対して0.59〜1.08phr含まれていてもよい。
また、本発明の態様によれば、前記硬化触媒が、前記エポキシ系樹脂の合計質量に対して0.1〜3.0%含まれていてもよい。
また、本発明の態様によれば、前記樹脂層が、アクリル系樹脂をさらに含んでいてもよい。
また、本発明の態様によれば、前記アクリル系樹脂が、メチルメタクリレート系共重合体を含んでいてもよい。
本発明の別の態様による繊維強化複合成形体の製造方法は、
未硬化又は半硬化状態の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を強化繊維に含浸させてなるプリプレグに、上記した樹脂シートの樹脂層側が対向するように、前記樹脂シートを貼り合わせて積層体とし、
前記積層体を加圧下で加熱して成形を行い、プリプレグおよび樹脂層を硬化させて繊維強化複合成形体を形成する、
ことを含んでなることを特徴とするものである。
また、本発明の別の態様による繊維強化複合成形体の製造方法は、
未硬化又は半硬化状態の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を強化繊維に含浸させてなるプリプレグを加圧下で加熱して、繊維強化プラスチックを形成し、
前記繊維強化プラスチックの表面に、上記した樹脂シートの樹脂層側が対向するように、前記樹脂シートを貼り合わせて積層体とし、
前記積層体の前記樹脂層を硬化させて、繊維強化複合成形体を形成する、
ことを含んでなることを特徴とするものである。
さらに、本発明の別の態様による繊維強化複合成形体の製造方法は、
強化繊維からなるシートに、請求項1〜11のいずれか一項に記載の樹脂シートの樹脂層側が対向するように、前記樹脂シートを貼り合わせて積層体とし、
前記積層体を成形型内に配置して、加圧下で未硬化の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を前記成形型内に射出して、強化繊維に前記熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含浸させ、
前記熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を硬化させて繊維強化複合成形体を形成する、
ことを含んでなることを特徴とする
本発明によれば、洗浄や研磨等が必要なく、またコーティング塗装を行うことなく耐候性に優れたFRP成形体が得られる、FRP成形体の表面保護層を形成するのに好適な樹脂シートを実現することができる。
本発明による樹脂シートの一実施態様による断面概略図である。 本発明による樹脂シートの別の実施態様による断面概略図である。 本発明による繊維強化複合成形体の一実施態様による断面概略図である。
<樹脂シート>
本発明による樹脂シート1は、図1に示すように、第1離型紙21Aの一方の面に樹脂層11が設けられている層構成を有する。また、本発明の実施態様においては、図2に示すように、樹脂層11の、第1離型紙21Aが設けられている側とは反対の側に、第2離型紙21Bが設けられていてもよい。なお、本明細書では、第1離型紙21Aと第2離型紙21Bとを合わせて離型紙21と呼称する。以下、本発明による樹脂シートを構成する各層について説明する。
本発明による樹脂シートを構成する樹脂層は、後記するように加熱により硬化する層であり、エポキシ系樹脂と、硬化剤と、硬化触媒と、紫外線吸収剤と、光安定剤とを必須成分として含む。
樹脂層に含まれるエポキシ系樹脂は、少なくとも1つ以上のエポキシ基を有するプレポリマーが、硬化剤との併用により架橋重合反応により硬化するものを意味する。このようなエポキシ系樹脂としては、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂等が挙げられ、またフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾールフェノール樹脂等のフェノール樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂等が挙げられる。これらエポキシ系樹脂の中でも、本発明においては、ビフェニル骨格、ビスフェノール骨格、スチルベン骨格などの剛直構造を主鎖に持つエポキシ樹脂が好ましく、より好ましくは、ビスフェノール型エポキシ樹脂、特に好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である。
上記したビスフェノールA型エポキシ樹脂は、ビスフェノール骨格の繰り返し単位の数によって、常温で液体のものと、常温で固体のものが存在する。主鎖が0〜1のビスフェノールA型エポキシ樹脂は常温で液体、主鎖が2〜10のビスフェノールA型エポキシ樹脂は常温で固体である。このような比較的低分子量のビスフェノールA型エポキシ樹脂は結晶性があり、常温で結晶化して固体のものも、融点以上の温度になると、急速に融解して低粘度の液状に変化する。したがって、後記するようにプレプリグまたは繊維強化プラスチックの表面に樹脂層を設ける工程において、加熱によって樹脂組成物がプレプリグまたは繊維強化プラスチックに密着し、固化することによって樹脂層と繊維強化プラスチックとが強固に接着するため、接着強度を高めることができる。また、このような比較的低分子量のビスフェノールA型エポキシ樹脂は、架橋密度が高くなるため、機械的強度が高く、耐薬品性がよく、硬化性が高く、吸湿性(自由体積が小さくなるため)が小さくなる特徴もある。
本発明においては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、上記したような常温で固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、常温で液体のビスフェノールA型エポキシ樹脂とを併用して使用することが好ましい。常温で固体のものと液体のものとを併用することにより、機械的強度を保ちつつ、柔軟性を得ることが出来るため、樹脂が本来有する機械的強度を維持しつつ、柔軟性を得ることができる。その結果、樹脂層を表面に設けた繊維強化複合成形体は、表面の耐擦性等が向上するとともに、表面にクロス目や陥没孔のない外観意匠性に優れた繊維強化複合成形体を実現できる。常温で固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、機械的強度および耐熱性の観点から、ガラス転移温度が50〜70℃の範囲にあるものが好ましい。具体的には、常温で液体である主鎖が0〜1のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン社製、JER828が、常温で固体である主鎖が2〜10のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン社製、JER1001などが例示できる。
常温で液体のビスフェノールA型エポキシ樹脂と常温で固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂との配合割合は、繊維強化複合成形体の使用用途にもよるが、質量基準において、0:100〜75:25の割合で含まれていることが好ましい。両者の配合割合を上記の範囲とすることによって、より外観意匠性に優れる繊維強化複合成形体とすることができる。
本発明においては、樹脂層として、上記したエポキシ系樹脂以外の樹脂として、アクリル系樹脂が含まれていてもよい。アクリル系樹脂を含有することにより、樹脂シートに初期粘着性を付与することができる。また、被着体である繊維強化プラスチックとの接着強度を維持しながら樹脂層に靱性を付与できるため、CFRP等の繊維強化複合成形体の表面に樹脂層を設けることにより、その表面を保護する機能を付与することができる。
本発明において使用できるアクリル系樹脂としては、後記するエポキシ樹脂と架橋反応し得るものであれば、特に制限なく使用することができ、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、これらアクリル酸エステルモノマーと、マレイン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、n−ブトキシ−N−メチロールアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ソーダ、ジアセトンアクリルアミド、(メタ)アクリル酸グリシジル等の官能基含有モノマーや、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチルビニルエーテル等のモノマーとを共重合して得られるアクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
上記の共重合体の中でも、メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−メチルメタクリレートの2元共重合体またはその変性物を好適に使用できる。このようなメタアクリル酸エステル重合体ブロック(以下、MMAと略す場合がある)と、アクリル酸ブチル重合体ブロック(以下、BAと略す場合がある)とからなる2元ブロック共重合体が好ましい。 MMA−BA−MMAの2元共重合体は、MMA部分が「硬い」セグメントとなり、BA部分が「柔らかい」セグメントとなる。エポキシ系樹脂に、アクリル系樹脂を添加することにより靱性(柔軟性)を付与することができるが、耐熱性や透明性が低下する場合がある。上記のような「硬い」セグメントと「柔らかい」セグメントとを併せ持つアクリル系樹脂であれば、「硬い」セグメント部分が耐熱性に寄与し、「柔らかい」セグメント部分が、靱性ないし柔軟性に寄与するため、靱性を有し、かつ、高温環境下においても優れた強度を保持できるものと考えられる。
上記したMMA−BA−MMAの2元共重合体は、一般的なリビングラジカル重合を用いて製造することができる。このうち、重合反応の制御の容易さの点などから、原始移動ラジカル重合によって好適に製造することができる。原子移動ラジカル重合法は、有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、金属錯体を触媒とする重合法である。リビングラジカル重合法によりMMA−BA−MMAの2元共重合体を製造する場合、モノマー単位を逐次添加する方法、あらかじめ合成した重合体を高分子開始剤として次の重合体ブロックを重合する方法、別々に重合した重合体ブロックを反応により結合する方法などが挙げられるが、モノマー単位の逐次添加による方法によってMMA−BA−MMAの2元共重合体を製造することが好ましい。
モノマー単位の逐次添加によりMMA−BA−MMAの2元共重合体を製造する方法においては、MMAブロックを構成するメタアクリル酸エステルと、BAブロックを構成するアクリル酸ブチルとの添加順序について、先にメタアクリル酸エステルモノマーを重合した後にアクリル酸ブチルモノマーを追加する方法と、先にアクリル酸ブチルモノマーを重合した後にメタアクリル酸エステルモノマーを追加する方法が挙げられるが、先にアクリル酸ブチルモノマーを重合して、BAブロックの重合末端からMMAブロックを重合させる方が、重合制御が容易である。
MMAとBAとの比率は、リビングラジカル重合反応させる際のモノマーの投入量によって制御することができる。MMA−BA−MMAの2元共重合体におけるMMAブロックとBAブロックとの割合は、BAブロックの割合が増加すると、硬化後の樹脂(即ち、樹脂層)の靱性や柔軟性が向上し、一方、MMAブロックの割合が増加すると、樹脂層の耐熱性が向上する。本発明においては、樹脂層の靱性および耐熱性の観点から、MMAブロックとBAブロックとの割合は、モノマー単位の数において、1:1〜50:1であることが好ましい。
上記したMMA−BA−MMAの2元共重合体は、BAブロックまたはMMAブロックの一部に、カルボン酸、水酸基、アミド基等の官能基を導入した変性物であってもよい。このような変性物を使用することにより、より耐熱性が向上するとともに、上記したエポキシ系樹脂との相溶性も向上するため、繊維強化複合成形体の保護層としての機能がより向上する。
上記したエポキシ系樹脂にMMA−BA−MMA2元共重合体を添加すると、MMAブロック部分がエポキシ系樹脂と相溶し、BAブロック部分がエポキシ系樹脂と相溶しないため、エポキシ系樹脂をマトリックスとした自己組織化が起こる。その結果、樹脂硬化前の段階で、エポキシ系樹脂が海、アクリル系樹脂が島である海島構造が発現する。また、MMA−BA−MMA2元共重合体に上記のような官能基が導入されている場合、エポキシ系樹脂とアクリル系樹脂との相溶性が向上するため、島部分が小さくなり、見かけ上、両者が相溶した状態となる。このような海島構造や見かけ上の相溶状態が発現されることにより、界面破壊を避けることができ、繊維強化複合成形体表面との密着性に優れ、かつ保護層としての機能を向上することができる。また、形成された海島構造の大きさが、ナノオーダーとなるため、透明性に優れた保護層を形成することができる。
上記のような海島構造を発現させるには、エポキシ系樹脂と変性アクリル系樹脂(MMA−BA−MMA2元共重合体)とを、質量基準において、97.5:2.5〜77.0:23.0の割合で配合することが好ましい。上記のような割合で両者を配合すると、エポキシ系樹脂(海)中に、ナノオーダーレベルの微粒子状にアクリル系樹脂(島)が分散し、見かけ上の相溶状態を発現させることができる。
上記のような海島構造を有する場合、エポキシ系樹脂中にアクリル系樹脂が相溶ないし分散するため、組成物を硬化させて樹脂とした場合にも透明性が損なわれない。そのため、後記するように、繊維強化複合成形体の表面に樹脂層を設けた場合であっても、繊維強化材料特有の外観を損なうこともない。
アクリル系樹脂とエポキシ系樹脂とが加熱等により反応が進行して樹脂層が硬化するが、本発明においては、硬化反応を促進するために樹脂層中に硬化剤が含まれる。硬化剤としては、エポキシ系樹脂に一般的に使用される公知の硬化剤を使用できるが、本発明においては、チオール系化合物を好ましく使用できる。一般的に、エポキシ樹脂の硬化剤としてはアミン系硬化剤や酸無水物系硬化剤等が用いられるが、これらの硬化剤は、樹脂層を白濁させたり、黄変させたりする場合がある。また、これら硬化剤では、ポットライフも短くなる。本発明においては、上記したアクリル系樹脂およびエポキシ系樹脂の硬化剤としてチオール系化合物を使用することにより、樹脂シートのポットライフを長くでき、かつ硬化後の透明性も維持できる。
チオール系化合物としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、エステル結合型、脂肪族エーテル結合型、芳香族エーテル結合型等が挙げられ、これらのなかでもエステル結合型のチオール系化合物をより好適に使用できる。エステル結合型のチオール系化合物として、より具体的には、カレンズMTPE1(昭和電工株式会社製)、アデカカードナーシリーズ(旭電化株式会社製)、エピキュアQX40(三菱化学株式会社製)等を好適に使用することができる。
硬化剤は、エポキシ樹脂に対して0.59〜1.08phrの範囲で含まれることが好ましい。硬化剤の配合比がこの範囲とすることにより、透明性に優れ、かつ保存安定性に優れた樹脂シートを実現できる。なお、硬化剤の添加量が少ないと硬化性が悪化して被着体との接着強度が低下するのは言うまでもない。一方、硬化剤の含有量が多くなると、透明性やポットライフが低下するとともに、樹脂層が硬化した後も未反応の硬化剤が残留することで、樹脂層とFRPとの接着強度が低下する場合もある。
樹脂層は、上記成分に加えて硬化触媒を含む。硬化触媒としては、脂肪族ジメチルウレアを好適に使用することができる。一般的に、エポキシ樹脂の硬化促進剤(硬化触媒)としては、アミン系触媒、イミダゾール系触媒、尿素系触媒等が使用されるが、本発明においては、上記したエポキシ系樹脂と硬化剤としてチオール系化合物とを含む樹脂層に、硬化触媒として脂肪族系ジメチルウレアを添加することにより、樹脂シートの保存安定性を向上させることができるとともに、樹脂層の硬化後においても高い透明性を維持しつつ優れた接着強度を保持することが可能となる。
本発明において使用できる脂肪族ジメチルウレアとしては、ジメチルウレイドが脂肪族基に結合した構造の化合物であれば特に制限はなく、例えば、イソホロジンイソシアネートとジメチルアミンとから得られるジメチルウレアや、キシリレンイソシアネートとジメチルアミンとから得られるジメチルウレア、ヘキサメチレンジイソシアネートとジメチルアミンとから得られるジメチルウレア等が挙げられる。これら脂肪族系ジメチルウレアは、市販のものを使用してもよく、例えば、サンアプロ株式会社製のUCAT−3513N等を好適に使用することができる。
樹脂シートの樹脂層には、紫外線吸収剤および光安定剤が必須成分として含まれる。このような成分を含むことにより、被着体である繊維強化プラスチックを紫外線等から保護することができ、耐候性に優れた繊維強化複合形成体を実現することができる。
紫外線吸収剤としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物等の有機系化合物、微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム等からなる無機系化合物からなるものが挙げられる。紫外線吸収剤は、樹脂層中に固形分換算で1〜30質量%含まれていることが好ましく、より好ましくは5〜20質量%である。紫外線吸収剤の含有量が1質量%未満であると、耐候性を向上させることができない場合があり、一方、30質量%を超える量で紫外線吸収剤を添加しても、耐候性がそれ以上向上することが期待できず、製造コストの上昇を招く。
また、光安定剤としては、例えば、2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1−ウンデカンオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネート等のヒンダートアミン系光安定剤、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系光安定剤、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系光安定剤、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(ヘキシル)オキシ〕フェノール等のトリアジン系光安定剤等が挙げられるが、これらのなかでもヒンダートアミン系光安定剤を好適に使用することができる。
光安定剤は、樹脂層中に固形分換算で0.5〜20質量%含まれていることが好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。光安定剤の含有量が0.5質量%未満であると、耐候性を向上させることができない場合があり、一方、20質量%を超える量で光安定剤を添加しても、耐候性がそれ以上向上することが期待できず、製造コストの上昇を招く。
樹脂シートを構成する樹脂層には、必要に応じて、例えば、加工性、耐熱性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、例えば、滑剤、可塑剤、充填剤、フィラー、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、架橋剤、酸化防止剤、染料、顔料等の着色剤、その他等を添加してもよい。また、必要に応じて、さらにシラン系、チタン系、アルミニウム系などのカップリング剤を含むことができる。これにより樹脂と被着体および樹脂と後述する芯材との密着性を向上させることができる。
樹脂シートは、上記した各成分を混合し、必要に応じて混練、分散したものを適当な溶剤に溶解させて塗布液とし、離型紙に塗布し、乾燥させた後、他方の離型紙を貼り合わせることにより製造することができる。混合ないし分散方法は、特に限定されるものではなく、通常の混練分散機、例えば、二本ロールミル、三本ロールミル、ペブルミル、トロンミル、ツェグバリ(Szegvari)アトライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、デスパー、高速ミキサー、リボンブレンダー、コニーダー、インテンシブミキサー、タンブラー、ブレンダー、デスパーザー、ホモジナイザー、および超音波分散機などが適用できる。硬いエポキシ系樹脂として複数種を用いる場合は、先にこれらを混合撹拌し、次に硬化剤を混合撹拌し、溶媒で希釈した後に、軟かいエポキシ系樹脂を混合撹拌し、次いで、アクリル系樹脂を混合撹拌することが好ましい。
離型紙へ塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ロールコート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、ロッドコ−ト、ブレードコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ダイコート、リップコート、ディップコートなどが適用できる。熱硬化性樹脂組成物を、第1離型紙21Aの離型面へ、上記のコーティング法で塗布して、乾燥した後に、第2離型紙21Bを貼り合わせればよい。
樹脂層は、上記した各成分を含む樹脂組成物からのみ構成されていてもよいが、芯材に樹脂組成物を含浸したものであってもよい。芯材としては、織布または不織布が好ましく、従来公知の種々の織布または不織布を使用できる例えば、液晶ポリマーなどの耐熱性のあるプラスチックの繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維などが例示でき、これらで構成した織布、不織布が使用できる。また、透明性を高めるために芯材としてナノファイバー等を使用することもできる。
離型紙としては、離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、セパ紙、剥離フィルム、剥離紙等の従来公知のものを好適に使用できる。また、上質紙、コート紙、含浸紙、プラスチックフィルムなどの離型紙用基材の片面または両面に離型層を形成したものを用いてもよい。離型層としては、離型性を有する材料であれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂などがある。これらの樹脂は、エマルジョン型、溶剤型または無溶剤型のいずれもが使用できる。
離形層は、離形層成分を分散および/または溶解した塗液を、離型紙用基材フィルムの片面に塗布し、加熱乾燥および/または硬化させて形成する。塗液の塗布方法としては、公知で任意の塗布法が適用でき、例えば、ロールコート、グラビアコート、スプレーコートなどである。また、離形層は、必要に応じて、基材フィルムの少なくとも片面の、全面または一部に形成してもよい。
また、図2に示すような、樹脂層11の両面に第1離型紙21Aおよび第2離型紙21Bを設けた樹脂シートとする場合は、第1離型紙21Aと第2離型紙21Bは同じものでも異なったものを用いてもよい。
第1および第2離型紙の剥離力は、樹脂シートに対し、1〜2000mN/cm程度、さらに100〜1000mN/cmであることが好ましい。離形層の剥離力が1mN/cm未満の場合は剥離力が弱く、剥がれたり部分的に浮いたりする。また、2000mN/cmより大きい場合は、離形紙の剥離力が強く、剥離しにくくなる。安定した離形性や加工性の点で、ポリジメチルシロキサンを主成分とする付加および/または重縮合型の剥離紙用硬化型シリコーン樹脂を用いて離型層を形成することが好ましい。
<繊維強化複合体成型物の製造方法>
本発明の第一の実施態様による繊維強化複合体成型体の製造方法は、1)未硬化又は半硬化状態の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を強化繊維に含浸させてなるプリプレグに、樹脂シートの樹脂層側が対向するように、前記樹脂シートを貼り合わせて積層体とする工程、2)前記積層体を加圧下で加熱して成形を行い、プリプレグおよび樹脂層を硬化させて繊維強化複合成形体を形成する工程、を含むものである。
上記した(2)の硬化成形工程において、プレプリグと樹脂シートとを積層したものを、成形金型に配置して、加圧下で加熱することにより、プレプリグおよび樹脂シートの樹脂層を硬化させ、繊維強化プラスチックの表面に樹脂層が形成された一体化した繊維強化複合形成体を形成することができる。また、成型金型に代えてオートクレーブバッグで包装し、該オートバック包装内を真空に保ち、オートクレーブ装置により熱硬化させてもよい。使用するプレプリグは1層であっても複数層重ね合わせたものであってもよい。
また、(2)の硬化成形工程においては、樹脂シートを貼り合わせた積層体から、樹脂シートの離型紙を全て剥離した後に、樹脂の硬化成形を行ってもよく、また、樹脂硬化成形後に、硬化した樹脂層から離型紙を剥離してもよい。
本発明の第二の実施態様による繊維強化複合体成型体の製造方法は、1)未硬化又は半硬化状態の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を強化繊維に含浸させてなるプリプレグを加圧下で加熱して、繊維強化プラスチックを形成する工程、2)前記繊維強化プラスチックの表面に、樹脂シートの樹脂層側が対向するように、前記樹脂シートを貼り合わせて積層体とする工程、3)前記積層体の前記樹脂層を硬化させて、繊維強化複合成形体を形成する工程、を含むものである。第一の実施態様による繊維強化複合体成型体の製造方法が、プレプリグと樹脂シートを重ね合わせて、プリプレグと樹脂層とを一体的に硬化させるのに対して、第二の実施態様では、先にプレプレグを硬化させて繊維強化プラスチックを形成しておき、その表面に樹脂シートを貼り合わせて樹脂層を硬化させることにより、繊維強化プラスチックと樹脂層とが一体化した繊維強化複合成形体を形成するものである。
第二の実施態様による繊維強化複合体成型体の製造方法においても、第一の実施態様と同様、樹脂シートを貼り合わせた積層体から、樹脂シートの離型紙を全て剥離した後に、樹脂の硬化成形を行ってもよく、また、樹脂硬化成形後に、硬化した樹脂層から離型紙を剥離してもよい。
また、本発明の第三の実施態様による繊維強化複合体成型体の製造方法は、1)強化繊維からなるシートに、上記した樹脂シートの樹脂層側が対向するように、樹脂シートを貼り合わせて積層体とする工程、2)前記積層体を成形型内に配置して、加圧下で未硬化の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を前記成形型内に射出して、強化繊維に前記熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含浸させる工程、3)前記熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を硬化させて繊維強化複合成形体を形成する工程、を含むものである。上記した第一および第二の実施形態による製造方法はプリプレグを使用するものであるのに対し、第三の実施態様による製造方法は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含浸させていない強化繊維からなるシートを用いて樹脂トランスファー成形を行う際に、強化繊維からなるシートに予め樹脂シートを積層しておき、その積層体を用いて樹脂トランスファー成形を行うことにより、FRP成形体の表面に樹脂層が一体的に形成された繊維強化複合成形体を得ることができるものである。なお、強化繊維からなるシートは、樹脂が全く含浸されていないものを使用することもできるが、型付けのために少量の樹脂を含浸させたものを用いてもよい。また、第一および第二の実施態様と同様、樹脂シートを貼り合わせた積層体から、樹脂シートの離型紙を全て剥離した後に、樹脂の硬化成形を行ってもよく、また、樹脂硬化成形後に、硬化した樹脂層から離型紙を剥離してもよい。
上記した第一ないし第三の実施態様による繊維強化複合体成型体の製造方法は、樹脂シートとして、図1に示したような一方の面にのみ離型紙を設けたものを用いたものであるが、図2に示したような両面に離型紙を設けた樹脂シートを使用できることは言うまでもない。その場合、プリプレグまたは強化繊維に樹脂シートを貼り合わせる前に、一方の面側の離型紙を剥離すればよい。
プレプリグを構成する強化繊維としては特に限定されるものではなく、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、スチール繊維などを使用することができる。なかでも炭素繊維は、成型後の機械的特性がよく、好適である。炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル(PAN)系の炭素繊維およびピッチ系の炭素繊維などがある。また、強化繊維の形態や配列なども特に限定されず、長繊維を一方向に引き揃えたシートや、クロス(織物)、トウ、マット、ニット、スリーブの形態がある。
上記した強化繊維に含浸させる熱硬化性樹脂も特に限定されるものではなく、例えばエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジンなどがあるが、エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂としては、例えば2官能樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂や、或いはこれらを組み合わせた樹脂などが好適に用いられる。さらに、3官能以上の多官能性エポキシ樹脂でもよく、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、テトラグリシジルアミンのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタンやトリス(グリシジルオキシメタン)のようなグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、またはこれらの組み合わせが好適に用いられる。
熱硬化性樹脂には性能に影響のない範囲で、硬化剤、樹脂粘度の制御やプリプレグ取扱い性の制御を目的として熱可塑性樹脂、ゴム粒子、可溶性のゴム、コアシェル構造のゴムなどの添加剤などを配合してもよい。硬化剤としては、ジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンのような芳香族アミン、脂肪族アミン、イミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミン、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物のようなカルボン酸無水物、カルボン酸ヒドラジド、カルボン酸アミド、ポリフェノール化合物、ノボラック樹脂、ポリメルカプタン、三フッ化硼素エチルアミン錯体のようなルイス酸錯体などの硬化剤を添加することが好ましい。
上記のようにして得られた繊維強化複合成型体2は、図2に示すように、繊維強化複合材3の表面に樹脂層11を有しており、樹脂層には、紫外線吸収剤および光安定剤が含まれているため、耐候性に優れた繊維強化複合成型体とすることができる。したがって、従来のように、成形後の繊維強化プラスチックの表面を洗浄、研磨後にコーティング塗装を行うことなく、プレプリグの硬化成形工程と同時に、またはそれに続いて樹脂層を形成できるため、安価かつ簡易に耐候性に優れた繊維強化複合成型体を得ることができる。
本発明を、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例の内容に限定されるものではない。なお、各層の各組成物は溶媒を除いた固形分の質量部である。
実施例1
<樹脂層形成用組成物の調製>
下記の表1に示す組成に従って、エポキシ系樹脂に硬化剤、硬化促進剤、紫外線吸収剤、および光安定剤を添加して攪拌機により混合した後、混合物にアクリル系樹脂を添加して混合することにより、樹脂組成物を調製した。なお、下記の表1中、
JER828、JER1001およびJER1009は、三菱化学社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂を、
M53は、アルケマ社製のメチルメタクリレート−ブチルアクリレート−メチルメタクリレートの2元共重合体を、
M22Nは、アルケマ社製の極性基が導入された変性メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−メチルメタクリレートの2元共重合体を、
QX40は、三菱化学社製のチオール系硬化剤を、
MT−PE−1は、昭和電工社製のチオール系硬化剤を、
DICY7は、三菱化学社製のジシアンジアミトを、
アミキュアMY−Hは、味の素ファインテクノ社製のアミンアダクトを、
UCAT−3513Nは、サンアプロ社製の脂肪族ジメチルウレアを、
チヌビン400、479、477は、BASF社製の紫外線吸収剤を、
チンビン123は、BASF社製のラジカル捕集剤(光安定剤)を、
ホスタビン3058は、クラリアント社製のラジカル捕集剤(光安定剤)を、
KBM−403は、信越シリコーン社製のシランカップリング剤を、それぞれ表す。
Figure 2014069564
<樹脂シートの作製>
上記のようにして得られた樹脂組成物を、基材として厚さ38μmのシリコーン処理のされている剥離PET(SP−PET 03BU、東セロ社製)に、乾燥後の重量が50g/mになるように、コンマコーターにて塗布し、100℃で3分間乾燥して樹脂層を形成した後に、軽剥離のセパフィルム(SPーPET 01BU、東セロ製)を貼り合わせることにより、樹脂シートを作製した。
<繊維強化複合成形体1の作製>
樹脂シートの一方の面のセパフィルムを剥離し、樹脂層の面を、未硬化のカーボンプリプレグ(F6347B−05K、東レ社製)に貼り付けた。次いで、精密プレス機により、約2.5kgf/cm、130℃の加圧条件にて2時間プレスを行い、カーボンプリプレグおよび樹脂層を硬化させた。その後、剥離PETを剥離することにより繊維強化複合成形体1を作製した。
<繊維強化複合成形体2の作製>
未硬化のカーボンプリプレグ(F6347B−05K、東レ社製)を精密プレス機により、約2.5kgf/cm、130℃の加圧条件にて2時間プレスを行い繊維強化プラスチックを作製した。次いで、樹脂シートの一方の面のセパフィルムを剥離し、樹脂層の面を得られた繊維強化プラスチックの表面に貼り付け、精密プレス機により、約2.5kgf/cm、130℃の加圧条件にて2時間プレスを行い、樹脂層を硬化させた。その後、剥離PETを剥離することにより繊維強化複合成形体2を作製した。
<繊維強化複合成形体3の作製>
未硬化のカーボンプリプレグ(F6347B−05K、東レ社製)を精密プレス機により、約2.5kgf/cm、130℃の加圧条件にて2時間プレスを行い繊維強化プラスチックを作製した。次いで、樹脂シートの一方の面のセパフィルムを剥離し、樹脂層の面を得られた繊維強化プラスチックの表面に貼り付け、熱オーブンにより130℃で2時間加熱し樹脂層を硬化させた。その後、剥離PETを剥離することにより繊維強化複合成形体3を作製した。
<初期粘着性の評価>
樹脂シートの初期粘着性を評価するため、以下のようにして試験サンプルを作製した。上記した樹脂シートの作製工程において、一方のセパフィルムに代えて、PETフィルム(E−5100、東洋紡社製)のコロナ処理面を貼り合わせた以外は、上記した樹脂シートと同様にして試験片を作製した。得られた試験片を、23℃、50%RHの環境下に24時間静置した後、25mm×250mmに裁断し、セパフィルムを剥離して樹脂層を露出させて、その樹脂層部分に、表面を洗浄したアルミ板(6061)を載置し、その上から、手動式圧着装置(JIS0237)を用いて、圧着速度約5mm/秒で1往復させて、樹脂シートとアルミ板とを貼り合わせて試験サンプルを得た。
上記で得られた試験サンプルを、テンシロン(オリエンテック製RTA−1T)を用いて、180°、300mm/minでピール引き剥がし強度(N/cm)を測定した。評価結果は、下記の表2に示される通りであった。
<耐候性評価>
得られた繊維強化複合成形体について、下記のサイクルで、UV照射合計時間が1500時間となるような加速劣化試験を行った。なお、照射条件として、365nmの紫外線を60mW/cmで照射した。また、比較のため、繊維強化複合成形体3の作製時に使用した繊維強化プラスチックについても、同様の加速劣化試験を行った。
(1)UV照射:20時間(63℃、50%RH)
(2)シャワー:30秒
(3)結露:4時間(63℃、98RH%)
加速劣化試験後の繊維強化複合成形体の表面を、表面光沢計(PG−1、日本電色社製)を用いて、60°での反射光沢度を測定した。測定結果は、下記の表2に示される通りであった。
<保存安定性の評価>
初期粘着性の評価に使用した試験サンプルと同様のものを、23℃、50%RHの環境下に1月間静置した後、セパフィルムを剥離した接着層表面のタックの有無を調べた。タックの有無は、上記した初期粘着性の評価と同様にして行い、試験サンプル作製後の初期粘着力に対して、50%以上の初期粘着性を有しているものをタック有り(○)とした。評価結果は、下記の表2に示される通りであった。
<透明性の評価>
初期粘着性の評価に使用した試験サンプルと同様のものを、濁度計(HAZEMETER HM−50、Murakami Color Reserch Laboratory製)を用いて、樹脂層の光線透過率を測定した。透明性評価において、全光線透過率が90%以上のものを○、80%以上、90%未満のものを△、80%未満のものを×とした。評価結果は、下記の表2に示される通りであった。
実施例2〜16
表1に示す組成に従って、実施例1と同様にして樹脂組成物の調製を行い、実施例1と同様にして繊維強化複合成形体を作製し、初期粘着性、耐候性、および保存安定性の各評価を行った。評価結果は下記の表2に示される通りであった。また、比較のため、繊維強化複合成形体の作製時に使用した繊維強化プラスチックと同様のものについても、上記と同様にして耐候性評価を行った。評価結果は下記の表2に示される通りであった。
Figure 2014069564
1:接着シート
11:接着層
13:接着剤
15:芯材
21:離型紙
21A:第1離型紙
21B:第2離型紙

Claims (15)

  1. 第一離型紙と、前記第一離型紙の一方の面に設けられた樹脂層と、を備えてなる樹脂シートであって、
    前記樹脂層が、エポキシ系樹脂と、硬化剤と、硬化触媒と、紫外線吸収剤と、光安定剤と、を少なくとも含んでなることを特徴とする、樹脂シート。
  2. 前記紫外線吸収剤が、樹脂層中に、固形分換算で1〜30質量%含まれる、請求項1に記載の樹脂シート。
  3. 前記光安定剤が、樹脂層中に、固形分換算で0.5〜20質量%含まれる、請求項2に記載の樹脂シート。
  4. 前記硬化剤がチオール系化合物からなり、前記硬化触媒が脂肪族系ジメチルウレアからなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂シート。
  5. 前記エポキシ系樹脂がビスフェノール型エポキシ樹脂である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂シート。
  6. 前記ビスフェノール型エポキシ樹脂が、常温で液状のビスフェノール型エポキシ樹脂およびガラス転移温度が50〜170℃の範囲にある常温で固体のビスフェノール型エポキシ樹脂の2種のビスフェノール型エポキシ樹脂からなる、請求項5に記載の樹脂シート。
  7. 前記常温で液状のビスフェノール型エポキシ樹脂と、前記常温で固体のビスフェノール型エポキシ樹脂とが、0:64.3〜14.8:44.5の割合で含まれている、請求項6に記載の樹脂シート。
  8. 前記硬化剤が、前記エポキシ系樹脂に対して0.59〜1.08phr含まれる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂シート。
  9. 前記硬化触媒が、前記エポキシ系樹脂の合計質量に対して0.1〜3.0%含まれる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂シート。
  10. 前記樹脂層が、アクリル系樹脂をさらに含んでなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の樹脂シート。
  11. 前記アクリル系樹脂が、メチルメタクリレート系共重合体を含んでなる、請求項10に記載の樹脂シート。
  12. 繊維強化複合成形体の製造方法であって、
    未硬化又は半硬化状態の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を強化繊維に含浸させてなるプリプレグに、請求項1〜11のいずれか一項に記載の樹脂シートの樹脂層側が対向するように、前記樹脂シートを貼り合わせて積層体とし、
    前記積層体を加圧下で加熱して成形を行い、プリプレグおよび樹脂層を硬化させて繊維強化複合成形体を形成する、
    ことを含んでなることを特徴とする、繊維強化複合成形体の製造方法。
  13. 繊維強化複合成形体の製造方法であって、
    未硬化又は半硬化状態の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を強化繊維に含浸させてなるプリプレグを加圧下で加熱して、繊維強化プラスチックを形成し、
    前記繊維強化プラスチックの表面に、請求項1〜11のいずれか一項に記載の樹脂シートの樹脂層側が対向するように、前記樹脂シートを貼り合わせて積層体とし、
    前記積層体の前記樹脂層を硬化させて、繊維強化複合成形体を形成する、
    ことを含んでなることを特徴とする、繊維強化複合成形体の製造方法。
  14. 繊維強化複合成形体の製造方法であって、
    強化繊維からなるシートに、請求項1〜11のいずれか一項に記載の樹脂シートの樹脂層側が対向するように、前記樹脂シートを貼り合わせて積層体とし、
    前記積層体を成形型内に配置して、加圧下で未硬化の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を前記成形型内に射出して、強化繊維に前記熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含浸させ、
    前記熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を硬化させて繊維強化複合成形体を形成する、
    ことを含んでなることを特徴とする、繊維強化複合成形体の製造方法。
  15. 請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法により得られた繊維強化複合成形体。
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