JP2014069284A - 保持パッド - Google Patents

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Abstract

【課題】被研磨物の平坦性を向上させ、被研磨物の安定した保持力を確保することができる保持パッドを提供する。
【解決手段】保持パッド10は、湿式成膜法により、基材6上に塗工された樹脂溶液が凝固し形成されたポリウレタンシート2を備えている。基材6は、ポリウレタンシート2側に略平坦な表面を有している。ポリウレタンシート2は、スキン層2aを有しており、スキン層2aの表面により保持面Sが構成されている。ポリウレタンシート2は、発泡が連続状に形成されており、厚さの平均値が0.2〜0.8mmの範囲、厚さの標準偏差が0.01mm以下に調整されている。ポリウレタンシート2では、保持面Sに、保持面Sの1cmあたりに50mgの割合で水を滴下し一定時間放置したときに、水の吸収される割合が0.1%以下を示す。平坦な保持面Sが構成され、被研磨物が平坦に保持される。
【選択図】図1

Description

本発明は保持パッドに係り、特に、湿式成膜法により発泡が形成され被研磨物を保持するための保持面側にスキン層を有する軟質樹脂シートと、保持面の背面に対向するように配された樹脂製基材とを備えた保持パッドに関する。
従来半導体ウェハ、ガラス基板、磁気ディスク等の材料(被研磨物)では、高精度な平坦性が要求されるため、研磨パッドを用いた研磨加工が行われている。通常、これらの被研磨物の研磨加工には、被研磨物の両面を同時に研磨加工する両面研磨機や被研磨物を片面ずつ研磨加工する片面研磨機が使用されている。
片面研磨機では、保持定盤に保持パッドを介して被研磨物の一面側を保持させ、研磨定盤に貼付した研磨パッドにより、研磨液(スラリ)を供給しながら被研磨物の他面側(加工表面)に研磨加工が行われる。通常、保持パッドには、湿式成膜法により製造された軟質樹脂シートが用いられている。この軟質樹脂シートでは、表面側にスキン層を有しており、スキン層より内側に発泡が連続状に形成されている。このスキン層は、緻密な微多孔構造を有しており、被研磨物との接触性に優れるため、被研磨物の保持が可能となる。被研磨物を保持させるときは、保持パッドの表面(保持面)に水等の液体を含ませ、液体の表面張力の作用により吸着保持させる。研磨加工後には、被研磨物が取り外されるが、被研磨物、特にガラス基板が薄型化しており、取り外し作業が難しくなっている。すなわち、保持パッドに対する吸着力が強すぎると、被研磨物の取り外し時に、被研磨物を破損させることがある。このため、保持パッドには、研磨加工時の被研磨物保持性を確保しつつ、取り外しが容易にできることが求められている。
このような保持パッドでは、保持面に被研磨物を吸着保持させることから、保持面の平坦性を高めるほど、すなわち、厚さのバラツキを低減するほど、被研磨物の平坦性向上が期待される。ところが、湿式成膜法による軟質樹脂シートでは、樹脂溶液を塗工するときの塗工ムラや凝固再生過程における発泡ムラに起因して、厚さバラツキが生じてしまう。スキン層を残しつつ、軟質樹脂シートの厚さバラツキを低減するために、例えば、軟質樹脂シートのスキン層と反対の面側、つまり、保持面の背面側にバフ処理を施す技術が開示されている(特許文献1参照)。また、バフ処理を行わずに厚さバラツキを低減する方法として、軟質樹脂シートを2枚の平滑部材で挟み込み、加熱加圧処理を施す技術が開示されている(特許文献2参照)。
特許第4455230号公報 特開2011−156634号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、バフ処理により背面に発泡の開孔が形成されることがあり、軟質樹脂シートと基材や研磨機との接着面積が減少するため、接着力が弱くなり、剥離することがある。また、特許文献2の技術では、加熱加圧処理により軟質樹脂シートの表面が硬質化してしまうため、被研磨物の加工面における微細な凹凸を吸収しにくくなり、被研磨物の平坦性向上が難しくなることがある。一方、軟質樹脂シートの保持面の平坦性を向上させると、被研磨物との密着性が高まることから、被研磨物を保持するときに、液体の表面張力による吸着力が高くなりすぎることがある。このため、研磨加工後に被研磨物を取り外すときに被研磨物を破損させる可能性がある。また、湿式成膜法による軟質樹脂シートでは、樹脂溶液の塗工厚さを厚くするほど、凝固再生過程で形成される発泡の大きさにバラツキが大きくなる。この結果、得られる軟質樹脂シートの厚さバラツキが大きくなり、被研磨物の平坦性向上が難しくなることもある。従って、バフ処理や加熱加圧処理を行うことなく、保持面における平坦性と、被研磨物を吸着保持させるときの保持力とをバランスよく確保することが、被研磨物、とりわけ、薄型のガラス基板等の研磨加工には重要となる。
本発明は上記事案に鑑み、被研磨物の平坦性を向上させ、被研磨物の安定した保持力を確保することができる保持パッドを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、湿式成膜法により発泡が形成され被研磨物を保持するための保持面側にスキン層を有する軟質樹脂シートと、前記軟質樹脂シートの前記保持面の背面に対向するように配され、前記背面に対向する面側に略平坦な表面を有する樹脂製基材と、を備え、前記軟質樹脂シートは、厚さの平均値が0.2mm〜0.8mmの範囲、厚さの標準偏差が0.01mm以下であり、前記軟質樹脂シートは、前記基材上に塗工された樹脂溶液の凝固により形成されたものであり、前記保持面に該保持面の1cmあたりに50mgの割合で水を滴下し一定時間放置したときに、吸収された水の質量の滴下した水の質量に対する割合が0.1%以下であることを特徴とする保持パッドである。
この場合において、軟質樹脂シートの厚さの最大値と最小値との差で表される厚さ範囲を0.02mm〜0.08mmとすることができる。軟質樹脂シートの保持面に水を介してガラス基板を吸着させたときの吸着力を250N〜390Nの範囲とすることができる。また、軟質樹脂シートをポリウレタン樹脂製としてもよい。このとき、ポリウレタン樹脂の100%モジュラスを4MPa〜10MPaの範囲とすることができる。また、基材の略平坦な表面の表面粗さRaを0.4μm〜0.7μmの範囲としてもよい。このとき、基材の厚さの平均値を0.1mm〜0.5mmの範囲としてもよい。
本発明によれば、軟質樹脂シートが略平坦な表面を有する基材上に塗工された樹脂溶液の凝固により形成されたものであり、厚さの平均値が0.2mm〜0.8mmの範囲のため、形成される発泡の大きさのバラツキが小さくなることで、厚さの標準偏差が0.01mm以下となり平坦な保持面が構成されるので、研磨加工により被研磨物の平坦性を向上させることができ、保持面に滴下した水の吸収される割合が0.1%以下のため、被研磨物を保持させるときに保持面内における水分の偏在が抑制されることで被研磨物の安定した保持力を確保することができる、という効果を得ることができる。
本発明を適用した実施形態の保持パッドを模式的に示す断面図である。 保持パッドの吸着力を評価するときの保持パッド、定盤および被研磨物の位置関係を模式的に示し、(A)は断面図、(B)は平面図である。
以下、図面を参照して、本発明を適用した保持パッドの実施の形態について説明する。
(構成)
図1に示すように、本実施形態の保持パッド10は、湿式成膜法によりポリウレタン樹脂で形成された軟質樹脂シートとしてのポリウレタンシート2を備えている。ポリウレタンシート2は、湿式成膜時に、略平坦な表面を有する基材6上に塗工された樹脂溶液が凝固しポリウレタン樹脂が再生し形成されたものである。
ポリウレタンシート2は、湿式成膜法で表面側に形成されたスキン層2aを有している。スキン層2aの表面により、被研磨物を保持するための保持面Sが構成されている。スキン層2aは、図示を省略した緻密な微多孔状に形成されている。スキン層2aより内側のポリウレタンシート2の内部には、ポリウレタンシート2の厚さ方向に沿って丸みを帯びた断面三角状(円錐状)の発泡3が形成されている。発泡3の孔径は、保持面S側の大きさが保持面Sの背面側より小さく形成されている。発泡3は、ポリウレタンシート2の厚さ方向の長さにバラツキを有しているものの、概ね均一な大きさを有している。発泡3同士の間のポリウレタン樹脂中には、発泡3より孔径が小さな図示しない発泡が形成されている。発泡3および図示しない発泡は不図示の連通孔で立体網目状に連通している。換言すれば、ポリウレタンシート2は、発泡が連続状に形成された連続発泡構造を有している。
ポリウレタンシート2は、厚さの平均値が0.2〜0.8mmの範囲、厚さの標準偏差が0.01mm以下に調整されている。ポリウレタンシート2の厚さの最大値と、最小値との差で表される厚さ範囲Rは、0.02〜0.08mmである。ポリウレタンシート2の厚さは湿式成膜時に塗工する樹脂溶液の塗工量により調整することができる。また、ポリウレタンシート2では、保持面Sに、保持面Sの1cmあたりに50mgの割合で水を滴下し一定時間放置したときに、吸収された水の質量の滴下した水の質量に対する割合が0.1%以下を示す。ポリウレタンシート2に吸収された水の質量は、水滴下前と放置後とにおけるポリウレタンシート2の質量変化で求めることができる。
また、ポリウレタンシート2では、保持面Sに水を介してガラス基板を吸着保持させたときの吸着力が250〜390Nの範囲に調整されている。吸着力は次のようにして求めたものである。すなわち、保持面Sに水を吹き付けスキン層2aに水を浸潤させた後、ガラス基板を一定の圧力で押し付けて吸着させる。ガラス基板を水平方向に引っ張り、保持面Sからガラス基板がずれたときの力を吸着力として求めたものである。
基材6は、厚さの平均値が0.1〜0.5mmの範囲に設定されている。基材6は、ポリウレタンシート2側に略平坦な表面を有しており、その表面における表面粗さRaが0.4〜0.7μmの範囲のものである。基材6は、本例では、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する。)製で可撓性を有している。保持パッド10では、この基材6の略平坦な表面上に樹脂溶液が塗工されポリウレタンシート2が形成されたものであり、換言すれば、ポリウレタンシート2が湿式成膜法により基材6と一体化するように形成されたものである。
また、図1に示すように、保持パッド10は、基材6のポリウレタンシート2と反対の面に、研磨機に保持パッド10を装着するための両面テープ7が貼り合わされている。両面テープ7は、例えば、PET製フィルム等の可撓性フィルムのテープ基材(不図示)の両面にアクリル系粘着剤等の図示しない粘着剤層が形成されている。両面テープ7は、テープ基材の一面側の粘着剤層で基材6と貼り合わされており、他面側(基材6と反対側)の粘着剤層が不図示の剥離紙で覆われている。
(製造)
保持パッド10の製造では、湿式成膜法により基材6上にポリウレタンシート2を作製し、基材6のポリウレタンシート2と反対の面に両面テープ7を貼り合わせる。湿式成膜法では、有機溶媒にポリウレタン樹脂を溶解させた樹脂溶液を基材6に連続的に塗工し、水系凝固液中で樹脂溶液を凝固させてポリウレタン樹脂をシート状に再生させ、洗浄後乾燥させて帯状(長尺状)のポリウレタンシート2を基材6と一体の状態で作製する。以下、工程順に説明する。
準備工程では、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂を溶解可能な水混和性の有機溶媒を混合してポリウレタン樹脂を溶解させる。ポリウレタン樹脂には、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系等の樹脂の中から、100%モジュラスが4〜10MPaの範囲の軟質のものを用いる。有機溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記する。)やN,N−ジメチルアセトアミド等を用いることができるが、本例では、DMFを用いる。ポリウレタン樹脂は、濃度が20〜50%となるように溶解させる。ポリウレタン樹脂の濃度が20%に満たないと、得られるポリウレタンシートのかさ密度が低くなり、反対に50%を超えると、粘性が高くなりすぎて所望の厚さや平坦性が得られなくなるので好ましくない。また、樹脂溶液には、発泡3の大きさや量(個数)を調整し発泡形成を安定化させるカーボンブラック等の顔料、発泡を促進させる親水性活性剤、ポリウレタン樹脂の凝固再生を安定化させる疎水性活性剤等の添加剤を添加することができる。得られた溶液を減圧下で脱泡して樹脂溶液を得る。
塗工工程では、準備工程で調製された樹脂溶液を常温下でナイフコータ等の塗工装置により帯状の基材6に塗工する。このとき、塗工装置の間隙(クリアランス)を調整することで、樹脂溶液の塗工厚さ(塗工量)を調整する。本例では、塗工厚さを0.20〜0.80mmの範囲に調整する。塗工厚さが0.20mmに満たないと、均一な厚さとなるように塗工することが難しくなり、反対に、塗工厚さが0.80mmを超えると、樹脂溶液が水系凝固液に浸漬される前に液垂れや塗工ムラが生じやすくなるうえに、発泡ムラが生じやすくなる。
凝固再生工程では、塗工工程で基材6に塗工された樹脂溶液を、ポリウレタン樹脂に対して貧溶媒である水を主成分とする凝固液(水系凝固液)に浸漬する。凝固液中では、まず、樹脂溶液の表面側に厚さ数μm程度のスキン層2aが形成される。DMFと凝固液との置換の進行により、樹脂溶液が凝固し、ポリウレタン樹脂が基材6上にシート状に再生する。すなわち、DMFが樹脂溶液から脱溶媒し、DMFと凝固液とが置換することにより、スキン層の内側(ポリウレタン樹脂中)に発泡3および図示しない発泡が形成され、発泡3および図示しない発泡を立体網目状に連通する図示を省略した連通孔が形成される。PET製の基材6が水を浸透させないため、スキン層2a側で脱溶媒が生じて基材6側がスキン層2a側より大きな発泡3が形成される。
ここで、発泡3の形成について説明する。一般に、湿式成膜法により形成されるポリウレタンシートでは、樹脂溶液の塗工厚さを厚くするほど、凝固再生時に形成される発泡の大きさにバラツキが大きくなる。これは、塗工した樹脂溶液の厚さを大きくした分で、DMFと凝固液との置換に時間がかかるためと考えられる。本例では、樹脂溶液の塗工厚さが0.20〜0.80mmの範囲に調整されている。このため、DMFと凝固液との置換が比較的短時間に進行するので、スキン層2aより内側のポリウレタン樹脂内部には、概ね均一な大きさの発泡3が均等に分散するように形成される。
洗浄・乾燥工程では、凝固再生工程で基材6上に凝固再生したポリウレタンシート2を、水等の洗浄液中で洗浄することでポリウレタンシート2内に残留するDMFを除去する。洗浄後、ポリウレタンシート2を熱風乾燥機を通過させることで乾燥させる。熱風乾燥機では、内部に熱風が循環供給されており、基材6上に形成されたポリウレタンシート2をテンタ等の幅出し装置で幅方向が固定された状態で通過させることで乾燥させる。
ラミネート加工工程では、基材6のポリウレタンシート2と反対側の面と、両面テープ7とを貼り合わせる。そして、円形等の所望の形状に裁断し、汚れや異物等の付着がないことを確認する等の検査を行い保持パッド10を完成させる。
得られた保持パッド10で被研磨物の研磨加工を行うときは、片面研磨機の保持定盤に保持パッド10を装着し、保持面Sに水を介して被研磨物を当接させて保持させる。保持パッド10の装着時には、両面テープ7の剥離紙を剥離し露出した粘着剤層で貼着する。また、被研磨物を保持させるときは、保持パッド10の保持面Sに適量の水を含ませて被研磨物を押し付ける。保持面S側のスキン層2aに浸潤した水の表面張力が保持パッド10及び被研磨物間に作用するため、被研磨物が保持される。研磨加工時には、保持定盤と対向配置された研磨定盤に研磨パッドを装着し、被研磨物及び研磨パッド間に研磨粒子を含む研磨液(スラリ)を供給するとともに、被研磨物に圧力をかけながら研磨定盤ないし保持定盤を回転させることで、被研磨物の加工面を研磨加工する。
(作用等)
次に、本実施形態の保持パッド10の作用等について説明する。
本実施形態の保持パッド10では、ポリウレタンシート2が基材6上に塗工された樹脂溶液の凝固により形成されたものであり、厚さの平均値が0.2〜0.8mmの範囲に調整されている。このため、内部に形成される発泡3の大きさのバラツキが小さくなることで、ポリウレタンシート2の厚さを標準偏差が0.01mm以下のバラツキ範囲に形成することができる。これにより、平坦な保持面Sが構成されるので、被研磨物が平坦に保持されることから、研磨加工により被研磨物の平坦性を向上させることができる。
また、本実施形態の保持パッド10では、基材6の表面粗さRaが0.4〜0.7μmの範囲を有している。この基材6の略平坦な表面上にポリウレタンシート2が直接形成されるため、基材6およびポリウレタンシート2の全体として厚さの均一化を向上させることができる。これにより、被研磨物の平坦性向上を図ることができる。
更に、本実施形態の保持パッド10では、保持面Sに滴下した水の吸収される割合が0.1%以下に調整されている。このため、保持面S側に吸収される水の量が少なくなることで、当該水の表面張力の作用により被研磨物を保持させるときに、保持面S上に存在する水分が面内で偏在し難くなるため、吸着ムラが生じにくく、保持力を安定化させることができる。水の吸収される割合が大きくなると、ポリウレタンシート2の保持面S上に存在する水分が面内で偏在しやすく、この結果、吸着力のバラツキが生じることがある。保持面Sの保持力の安定性を考慮すれば、水の吸収される割合を0.06%以下とすることが好ましい。
また更に、本実施形態の保持パッド10では、ポリウレタンシート2の厚さの標準偏差が上述した範囲に調整されることに加え、厚さの最大値と最小値との差で表される厚さ範囲Rが0.02〜0.08mmの範囲に調整されている。このため、保持面Sの平坦性が向上することで、研磨加工により被研磨物の平坦性向上を図ることができる。
更にまた、本実施形態の保持パッド10では、ポリウレタンシート2の保持面Sに水を介してガラス基板を吸着させたときの吸着力が250〜390Nの範囲を示す。このため、研磨加工中には、被研磨物が適正な吸着力で保持されるので、被研磨物の脱落を抑制することができる。
また、ポリウレタンシート2の厚さを上述した範囲としたことで、研磨加工時に研磨圧をかけても、被研磨物の保持パッド10側への沈み込みが抑制される。このため、被研磨物の表面の凹凸にポリウレタンシート2が追従しすぎることが抑制されるので、ポリウレタンシート2および被研磨物間の密着度が制限される。これにより、被研磨物の取り外し作業を容易にすることができる。さらに、本実施形態の保持パッド10では、ポリウレタンシート2の作製に100%モジュラスが4〜10MPaの範囲のポリウレタン樹脂が用いられている。このため、保持パッド10が上述した厚み範囲を有し被研磨物の保持パッド10側への沈み込みが抑制されても、ポリウレタンシート2が軟質であることから、被研磨物の表面凸部を保持面Sで吸収することができる。
なお、本実施形態では、ポリウレタンシート2の厚さの平均値を0.2〜0.8mmの範囲とする例を示した。厚さの平均値が0.2mmに満たないと湿式成膜法により均一な厚さとすることが難しくなり、反対に、0.8mmを超えると発泡ムラが生じやすくなる。厚さの均一化と発泡ムラの抑制を考慮すれば、厚さの平均値を0.2〜0.4mmの範囲とすることが好ましい。また、ポリウレタンシート2の厚さの標準偏差を0.005mm以下とすれば、研磨加工による被研磨物の平坦性を一層向上させることができる。
また、本実施形態では、ポリウレタン樹脂製のポリウレタンシート2を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。ポリウレタン樹脂以外で使用可能な樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂等を挙げることができ、100%モジュラスを4〜10MPaの範囲とすれば、上述したポリウレタンシート2と同様に、保持面における平坦性と、被研磨物の保持性とをバランスよく確保することができる。
更に、本実施形態では、基材6のポリウレタンシート2と反対側の面に、テープ基材の両面に粘着剤層を有する両面テープ7を貼り合わせる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、テープ基材を使用せず粘着剤のみで構成することも可能である。また、本実施形態では、基材6をPET製とする例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。基材6としては、厚さや表面粗さRaが上述した範囲であればよく、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等を使用してもよい。
また更に、本実施形態では、樹脂溶液の塗工にナイフコータを例示したが、例えば、リバースコータ、ロールコータ等を用いてもよく、基材6に略均一な厚さに塗工可能であれば特に制限されるものではない。また、本実施形態では、ポリウレタン樹脂の乾燥に熱風乾燥機を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、シリンダ乾燥機等を用いてもよい。
以下、本実施形態に従い製造した保持パッド10の実施例について説明する。なお、比較のために製造した比較例の保持パッドについても併記する。
(実施例1)
実施例1では、ポリウレタン樹脂として、100%モジュラスが6MPaのポリエステルMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)ポリウレタン樹脂を用いた。ポリウレタン樹脂を30質量%で溶解させたDMF溶液の100部に対して、粘度調整用のDMFの47部、顔料のカーボンブラックを20%含むDMF分散液の20部を混合して樹脂溶液を調製した。下表1に示すように、得られた樹脂溶液をPET製の基材6に塗工する際に塗工装置のクリアランスを0.50mmに設定した。基材6は、厚さが0.25mm、表面粗さRaが0.47μmのものを用いた。洗浄、乾燥させた後、両面テープ7と貼り合わせて保持パッド10を製造した。
Figure 2014069284
(実施例2〜実施例5)
表1に示すように、実施例2〜実施例4では、塗工装置のクリアランスを変えること以外は、実施例1と同様にして保持パッド10を製造した。クリアランスは、実施例2では0.55mm、実施例3では0.77mm、実施例4では0.90mm、実施例5では1.02mmにそれぞれ設定した。
(比較例1〜比較例2)
表1に示すように、比較例1〜比較例2では、塗工装置のクリアランスを変えること以外は、実施例1と同様にして保持パッドを製造した。クリアランスは、比較例1では0.42mm、比較例2では1.21mmにそれぞれ設定した。
(評価)
実施例及び比較例の保持パッドについて、厚さ、吸水割合及び吸着力を測定した。厚さは、シックネスゲージ(最小目盛り0.001mm)を使用し荷重100g/cmをかけて測定した。縦1m×横1mの保持パッドを縦横10cmピッチで読み取り、厚さの平均値、標準偏差σ、及び、最大厚さと最小厚さとの差を範囲Rとして求めた。吸水割合は、各保持パッドから10cm×10cmに裁断した測定試料を用い、以下の方法で測定した、すなわち、予め吸水前の質量を測定した測定試料の保持面Sに蒸留水の5g(5ml)を滴下し、5分間放置した。保持面S上の水分を拭き取り、吸水後の質量を測定した。蒸留水を滴下する前後の質量の差を求め、滴下した蒸留水の質量に対する割合を百分率で算出した。また、吸着力は、以下の方法で測定した。図2(A)、(B)に示すように、保持パッド10を両面テープ7の粘着剤層で、表面が略平坦な定盤81に装着した。保持パッド10の保持面Sに水をスプレで吹き付けた後、表面の水をワイパで軽く除いた。次に、保持面S上に縦10cm×横10cmのガラス板82を載置した。ガラス板82には、1辺の中央部に5cmの間隔をあけてワイヤが取りつけられている。ガラス板82の上面全面に均等に75g/cmの荷重がかかるようにおもり83を載せ、1分間放置した後、おもり83を外し、保持パッド10およびガラス板82間のエアの貯留状況を目視にて判定した。エアの貯留が認められたときは、ガラス板82を取り外してやり直した。エアの貯留がないことを確認した後、ガラス板82をワイヤで横(水平)方向(矢印A方向)に引張り、ガラス板82が保持パッド10からずれるときの引張力のピーク値(最大値)を測定した。測定は3回行い、平均値を算出して吸着力とし、被研磨物保持性を評価した。厚さ、吸水割合及び吸着力の測定結果を表1に合わせて示した。
表1に示すように、塗工時のクリアランスを0.42mmに設定した比較例1では、厚さの平均値、標準偏差σ、範囲Rがそれぞれ0.149mm、0.0021mm、0.013mmであり、吸着力が247Nであった。このため、比較例1の保持パッドでは、厚さバラツキが小さく被研磨物を平坦に保持できるものの、ポリウレタンシートの厚みが小さすぎ、クッション性に乏しかった。この結果、ガラス板82の凹凸に追従することができず、吸着力が低下したため、容易にガラス板82が剥離してしまった。これに対し、実施例1〜実施例5では、クリアランスを0.50〜1.02mmと比較例1より厚く設定した。これに伴い、厚さの平均値、標準偏差σ、範囲R、吸着力がいずれも比較例1より大きい値となった。厚さバラツキが比較例1より大きくなったものの、保持パッドとして十分な平坦性が備わっており、ガラス板82を平坦に保持することができた。また、吸着力も比較例1より大きく、適度な吸着力を有していたため、ガラス板82の着脱も容易であった。
一方、クリアランスを1.21mmに設定した比較例2では、厚さの平均値、標準偏差σ、範囲R、吸着力がいずれも各実施例より大きい値となったものの、3回の吸着力試験における吸着力測定結果の最大値と最小値との差が大きかった。比較例2の厚さバラツキが実施例1〜実施例5より大きくなったことで平坦性の精度が低くなり、かつ、実施例1〜実施例5と比べてポリウレタンシートが厚くなったため、クッション性が発揮され、吸着力が高くなった。このため、ガラス板82に対する吸着が強くなり、着脱が難しくなった。また、比較例2では吸水割合が0.12%となり、比較例1および実施例1〜実施例5と比較して高くなった。この原因として、標準偏差σおよび範囲Rが大きく、保持面の凹みの部分に留まる水分量が多くなったものと考えられる。このため、保持面上に存在する水分が場所によって異なり、その結果、吸着力にバラツキが生じた。保持パッドの保持力安定性を考慮すれば、吸水割合を0.06%以下とすることが好ましい。
本発明は被研磨物の平坦性を向上させ、被研磨物の安定した保持力を確保することができる保持パッドを提供するため、保持パッドの製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
S 保持面
2 ポリウレタンシート(軟質樹脂シート)
2a スキン層
3 発泡
6 基材
10 保持パッド

Claims (7)

  1. 湿式成膜法により発泡が形成され被研磨物を保持するための保持面側にスキン層を有する軟質樹脂シートと、
    前記軟質樹脂シートの前記保持面の背面に対向するように配され、前記背面に対向する面側に略平坦な表面を有する樹脂製基材と、
    を備え、
    前記軟質樹脂シートは、厚さの平均値が0.2mm〜0.8mmの範囲、厚さの標準偏差が0.01mm以下であり、
    前記軟質樹脂シートは、前記基材上に塗工された樹脂溶液の凝固により形成されたものであり、前記保持面に該保持面の1cmあたりに50mgの割合で水を滴下し一定時間放置したときに、吸収された水の質量の滴下した水の質量に対する割合が0.1%以下であることを特徴とする保持パッド。
  2. 前記軟質樹脂シートは、厚さの最大値と最小値との差で表される厚さ範囲が0.02mm〜0.08mmであることを特徴とする請求項1に記載の保持パッド。
  3. 前記軟質樹脂シートは、前記保持面に水を介してガラス基板を吸着させたときの吸着力が250N〜390Nの範囲であることを特徴とする請求項2に記載の保持パッド。
  4. 前記軟質樹脂シートは、ポリウレタン樹脂製であることを特徴とする請求項1に記載の保持パッド。
  5. 前記ポリウレタン樹脂は、100%モジュラスが4MPa〜10MPaの範囲であることを特徴とする請求項4に記載の保持パッド。
  6. 前記基材は、前記略平坦な表面の表面粗さRaが0.4μm〜0.7μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の保持パッド。
  7. 前記基材は、厚さの平均値が0.1mm〜0.5mmの範囲であることを特徴とする請求項6に記載の保持パッド。
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