まず、本発明の基本的な実施例1について説明する。この実施例は、全体のシステムにおいて自店メダルと他店メダルとを判定する基本的な実施例となっている。
図1は、実施例1での遊技店のシステムを示す概念図である。図1に示すように、遊技店のシステムは、複数の遊技機を有する遊技島2、3及び管理装置100を有する。遊技島2には、島コントローラ20と、複数の遊技機290と、複数の遊技機290に各々対応して設けられた台間カード処理機200とが設置される。同様に、遊技島3には、島コントローラ30と、複数の遊技機390と、複数の遊技機390に各々対応して設けられた台間カード処理機300とが設置される。ここで、遊技機290、390は、メダルを遊技媒体として用いるスロットマシンであり、台間カード処理機200、300はメダルの貸出等を行なう装置である。
管理装置100は、母回線4(回線4という)及びこの回線4に繋がる遊技島2、3の分岐回線42、43(回線42、43という)を介して遊技島2、3の各装置に接続される。ここで、管理装置100は回線4を介して店舗内の全ての機器を管理するものであり、島コントローラ20、30は、管理装置100の下位に位置し、それぞれ回線42、43を介して各島2、3の遊技機290、390および台間カード処理機200、300を管理するものである。
図1に示したシステムで玉貸しを行なう場合の玉貸処理について説明する。遊技客が台間カード処理機200又は300に対して玉貸操作を行なうと、台間カード処理機200又は300は、管理装置100のローカルIPアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機200又は300に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機200又は300を特定するIPアドレス若しくは任意の識別情報と、玉貸要求とを含む。
管理装置100は、玉貸要求を含む電文を受信すると、該電文内のカードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値(例えば、100円=1度数の場合に5度数)減算してカード管理データを更新し、玉貸許可を送信元の台間カード処理機200又は300に送信する。玉貸許可を受信した台間カード処理機200又は300は、減算したプリペイド価値に対応する数(例えば25枚)のメダルを払い出す。
次に、図1に示したシステムで持メダルの再プレイを行なう場合の持メダル再プレイ処理について説明する。台間カード処理機200及び300は、一般カードあるいは会員カードの挿入を受け付けた場合に、管理装置100のローカルIPアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機200又は300に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機200又は300を特定するIPアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機200又は300のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
管理装置100は、台間カード処理機200又は300からカード挿入通知を受信した場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた持メダル口座のうち、該電文により特定されたレートの持メダル口座の残高を台間カード処理機200又は300に通知する。
台間カード処理機200又は300は、管理装置100から受信した持メダルの残高を記憶する。そして、カードID及びレートを特定する情報と、持メダル減算要求とを含む電文を管理装置100に送信する。管理装置100は、持メダル減算要求を受信した場合には、カードID及びレートにより特定される持メダル口座の残高をゼロにクリアする。台間カード処理機200又は300は、持メダル再プレイ操作を受け付けた場合には、記憶した持メダルの残高を所定数減算し、対応する数のメダルを払い出す。
台間カード処理機200又は300は、カード返却操作を受け付けた場合には、管理装置100に対して持メダル加算要求を含む電文を送信する。この電文は、排出するカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機200又は300を特定するIPアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機200又は300のレートを特定するための情報と、持メダルの残高と、持メダル加算要求とを含む。
管理装置100は、持メダル加算要求を受け付けた場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた持メダル口座のうち、該電文により特定されたレートの持メダル口座の残高を受信した残高の値に更新する。その後、台間カード処理機200又は300は、管理装置100にカード排出通知を送信し、カードを排出制御する。
次に、図1に示したシステムで貯メダルの再プレイを行なう場合の貯メダル再プレイ処理について説明する。台間カード処理機200又は300は、カードの挿入後、最初に貯メダル再プレイ操作を受け付けた場合、若しくは会員カードとして使用可能な携帯端末からカードIDに対応する識別情報を読み取った場合に、管理装置100のローカルIPアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機200又は300に挿入されているカードのカードID(若しくは携帯端末から読み取ったカードIDに対応する識別情報。以降、カードIDという)と、送信元である台間カード処理機200又は300を特定するIPアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機200又は300のレートを特定するための情報と、貯メダル再プレイ要求とを含む。また、貯メダル再プレイに際して暗証番号の入力を要求する場合には、電文の送信前に暗証番号の入力を要求しておき、入力された暗証番号を電文に含めてもよい。
管理装置100は、貯メダル再プレイ要求の電文を受信した場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた貯メダル口座のうち、該電文により特定されたレートの貯メダル口座の残高を所定値減算し、減算後の残高とともに貯メダル再プレイ許可を台間カード処理機200又は300に送信する。
台間カード処理機200又は300は、貯メダル再プレイ許可を受信したならば、所定数のメダルを投出し、貯メダル残高の更新を行なう。
次に、閉店処理における持メダルからの貯メダルへの移行について説明する。管理装置100は、閉店処理時に持メダル口座の残高を確認し、持メダルの残高が「0」より大きい持メダル口座が存在する場合には、該持メダル口座の残高を対応する貯メダル口座の残高に加算し、持メダル口座の残高をゼロにクリアする。
次に、図1に示した遊技機290、390及び台間カード処理機200、300の外観構成について説明する。なお、遊技機290と遊技機390は同一の構成を有し、台間カード処理機200と台間カード処理機300とは同一の構成を有するので、遊技機290及び台間カード処理機200について詳細に説明し、遊技機390及び台間カード処理機300については説明を省略する。図2は、図1に示した遊技機及び台間カード処理機の外観構成を示す図である。
遊技機290は、遊技媒体であるメダルをメダル投入口に投入して、3個のドラムを回転させるとともに、ストップボタンを順次押して絵柄をそろえることにより遊技を行うスロットマシンである。遊技機290は、メダル投入口63と、ドラムの回転を開始させるとともに抽選の契機となるスタートレバー64と、3つのドラム65〜67と、各ドラムの回転をストップさせるストップボタン68〜70と、クレジット残数を表示するクレジット表示部71と、3枚掛け〜1枚掛け用の掛け枚数設定ボタン72〜74と、3つのドラムの絵柄が揃った際に獲得したメダル数が表示される払い出し表示部75と、スロットマシン内部から払い出される賞メダル及び貸メダルを受け入れる受け皿76とを有する。
遊技機290は、メダル投入口63にメダルを投入してスタートレバー64を操作すると、3つのドラム65〜67がそれぞれ回転し、各ドラムのストップボタン68〜70を押下すると、それぞれのドラム65〜67が停止する。また、クレジット表示部71にメダル枚数が残っている場合には、例えば掛け枚数設定ボタン72を押下してスタートレバー64を操作すると、メダル投入口63に3枚のメダルを投入してスタートレバー64を操作した場合と同様のゲームが開始される。すなわち、3枚のメダルを投入する3枚掛けのゲームでは、横3列及び斜め2列の合計5列が有効ラインとなる。
そして、3つのドラム65〜67の有効ラインに一定の絵柄が揃うと、払い出し表示部75には絵柄の種類に応じた獲得メダル(賞メダル)枚数が表示されると共に、この獲得メダル枚数が払い出される。具体的には、このメダルは直ちに受け皿76に払い出されるわけではなく、クレジットとして内部留保(メダル数を電子的に記憶)され、クレジット表示部71の表示内容がメダル枚数分だけ加算される。クレジットとして内部留保可能な数には上限があり、獲得メダル枚数を加算した結果、クレジット数の上限を超える場合には、超過分が遊技機290のホッパから受け皿76に払い出される。
遊技機290に隣接して設置される台間カード処理機200は、メダル貸し機80及びメダル計数機90を有する。メダル貸し機80の前面パネルには、カード及び現金の受付可能状態を遊技者に報知するカードランプ81及び現金ランプ82と、紙幣を受け入れる紙幣投入口83と、投入した貨幣の返却操作を受け付ける返却レバー84と、メダルの貸出操作を受け付ける貸出ボタン85aと、カードの返却操作を受け付ける返却ボタン85bと、操作する度に貸し出されるメダルの枚数(貸出単位)を遊技者が設定する金額設定ボタン86と、貸出結果が表示される金額表示部87と、カードを受け付けるカード挿入口88とを有する。
メダル計数機90には、前面パネルの一部にあって、計数のためのメダルが投入される受け皿91と、この受け皿91の下側に開口する計数メダル投入口92と、詳細は後述するがこの台間カード処理機200に合致したメダルの計数結果を表示する計数枚数表示部93と、後述の登録モードの際に点灯される表示灯94とが備えられる。そして、メダル計数機90は、遊技によって獲得した賞メダル(獲得メダル)などのメダルを投入すると、その投入を受け付けて計数し、その計数値を内蔵の記憶媒体に記録し、更にはその計数値を島コントローラ20や管理装置100に台番号と共に通知するものである。
本実施例では、店舗内の1台の台間カード処理機200あるいは300のメダル計数機90を用いて運用対象のメダルの登録情報を取得し、この登録情報を用いて店舗内の台間カード処理機200、300全台のメダル計数機90に運用対象のメダルと運用対象外のメダルとの判定機能を持たせることが主眼である。したがって、台間カード処理機200、300のメダル計数機90は、投入されたメダルの枚数を計数するという働きの外に、少なくとも1台に運用対象のメダルの登録情報を取得する機能を持たせるとともに、取得した登録情報にて獲得メダルの種別判定をする機能を全台に持たせる。
ここで、運用対象のメダルの登録情報を取得する機能は1台の台間カード処理機200あるいは300のメダル計数機90のみが行うので、店舗内のある特定の1台の台間カード処理機200あるいは300を決めてそのメダル計数機90にこの機能を持たせてもよいが、店舗内の台間カード処理機200、300の数台、あるいは場合によっては台間カード処理機200、300全台のメダル計数機90にこの機能を持たせても良い。複数台にこの機能を持たせた場合には、運用対象のメダルの登録情報の取得に際しては1台の台間カード処理機200あるいは300のメダル計数機90を選択し特定することになる。
また、運用対象のメダルの登録情報を取得する機能は、店舗の営業時(実運用時)での運用対象のメダルと運用対象外のメダルとの判定機能の前提となる機能であるため、店舗の非営業時例えば開店前又は閉店後に実行される。この場合、運用対象のメダルの交換は通常頻繁には行われないので、例えば新装開店時、あるいは運用対象のメダルの磨耗が無視できなくなった時、あるいは間隔をおいて、運用対象のメダルの登録情報の取得機能を実行することになる。
したがって、運用対象のメダルの登録情報の取得機能を有する少なくとも1台の台間カード処理機200あるいは300のメダル計数機90は、運用対象のメダルの登録情報を取得する登録モードと、運用対象のメダルと運用対象外のメダルとの判定機能を持たせた判定モードとのモード切替機能を有する。そして、この登録モードは、店舗の非営業時に台間カード処理機200あるいは300のメダル計数機90自体にて運用対象のメダル画像の特徴量に相当する運用対象の正規(真)の基準メダル情報である登録情報を取得し、その登録情報を島コントローラ20、30や管理装置100に通知する(図1の点線ルート表示)というモードである。
少なくとも1台の台間カード処理機200あるいは300のメダル計数機90を登録モードに切替えるためには、例えば図1に示すような従業員が所持するリモートコントローラ(リモコンという)5が用いられる。このリモコン5の操作によって1台の台間カード処理機200あるいは300のメダル計数機90が常時判定モードになっている状態から登録モードに切替る。モード切替の対象となる台間カード処理機200あるいは300のメダル計数機90が、複数台用意されている場合にはモードを切替える1台を指定して切替操作をする。
なお、登録モードは真贋判定に必要な基準メダル情報の登録情報取得に係わるので、特定の従業員のみの切替え操作を可能とすべく設定者権限認証を設定しても良い。この場合には、台間カード処理機200、300のメダル計数機90及び島コントローラ20、30や管理装置100に、予め設定対象となる上書き項目に対応して設定可能な権限者を特定した設定者権限情報を記録し確認できるようにしておくことが必要である。また、リモコン5による従業員操作の外にも該当する台間カード処理機200あるいは300のメダル計数機90内部への手動操作、あるいは管理装置100や島コントローラ20あるいは30からの切替指令送信操作、あるいはこれらの重複操作によりモード切替を可能としても良い。また、登録モードから判定モードに戻る場合には、切替操作を行うようにしても良いが、通常の営業状態(実運用時)である判定モードへの切替えであるので設定時間の経過にて自動復帰するようにしても良い。
一方、店舗内の台間カード処理機200、300全台のメダル計数機90は、通常運用対象のメダルと運用対象外のメダルとの判定機能を持たせる判定モードとなっており、投入される獲得メダルの真贋を判別する機能を備えている。そのために判定モードは、実運用時に投入されるメダル情報と基準メダル情報とを比較して真贋判定を行い、運用対象のメダルの場合にはそれを計数し、不要(贋)な排除すべき運用対象外のメダルの場合もそれを計数するというモードとなっている。そして、それら運用対象のメダル並びに運用対象のメダルの両計数値は島コントローラ20、30や管理装置100に台番号と共に通知する。
次に、図1に示した台間カード処理機200の内部構成について説明する。図3は、図1に示した台間カード処理機200の内部構成を示すブロック図である。なお、ここでは、登録モードと判定モードとの切替えが可能な台間カード処理機200の構成を示す。また、台間カード処理機300については、台間カード処理機200と同様の構成を有するので説明を省略する。
図3に示すように、台間カード処理機200は、計数メダル投入口92からメダルの投入が受け付けられる投入受付部202と、操作部203と、表示部204と、記憶部205と、制御部210とを備える。
操作部203は、投入した貨幣の返却操作を受け付ける返却レバー84と、メダルの貸出操作を受け付ける貸出ボタン85aと、カードの返却操作を受け付ける返却ボタン85bと、メダルの貸出単位を設定する金額設定ボタン86と、リモコン5の操作に係わる操作受付部とを含む。
表示部204は、カードの受付可能状態を報知するカードランプ81と、現金の受付可能状態を報知する現金ランプ82と、貸出結果を表示する金額表示部87と、計数枚数表示部93と、登録モードの際に点灯される表示灯94とを含む。
記憶部205は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部205は、運用対象のメダルの画像データを登録情報205aとして記憶する。また、登録情報205aの他、プログラム、設定者権限情報、運用対象のメダル数、運用対象外のメダル数等のデータを記憶する。
制御部210は、台間カード処理機200を全体制御する制御部であり、カード処理部210a、切替部211、特徴量取得部212、メダル情報登録部213、判定部214、計数部215を有する。
カード処理部210aは、カードが挿入された場合に、カードIDを含むカード挿入通知を管理装置100に送信する。また、カード処理部210aは、管理装置100から有価価値(プリペイド価値、持メダル数及び貯メダル数の少なくともいずれか)を受信した場合に、受信した有価価値を記憶する。カード処理部210aは、記憶した有価価値を適宜表示制御する。また、カード処理部210aは、持メダルを受信した場合には、管理装置100に対して持メダル減算要求を送信し、管理装置100が管理する持メダル口座の残高をゼロにクリアさせる。
また、カード処理部210aは、紙幣が挿入された場合には、該紙幣に対応する入金額とカードIDとを含む入金通知を管理装置100に送信する。また、カード処理部210aは、遊技客によりメダル貸し操作が行なわれた場合に、カードIDを含むメダル貸要求を管理装置100に送信する。このメダル貸要求への応答としてメダル貸許可を受信したならば、カード処理部210aは、所定数のメダルを払い出し、プリペイド価値の残高を所定数減算する。
また、カード処理部210aは、遊技客により持メダル再プレイ操作が行なわれた場合に、自装置が管理する持メダル数を所定数減算し、対応する数のメダルを払い出す。また、カード処理部210aは、遊技客により貯メダル再プレイ操作が行なわれた場合に、カードIDを含む貯メダル再プレイ要求を管理装置100に送信する。この貯メダル再プレイ要求への応答として貯メダル再プレイ許可を受信したならば、カード処理部210aは、所定数のメダルを払い出す。
また、カード処理部210aは、遊技客によりカード返却操作が行なわれた場合に、カードIDと持メダル数を含む持メダル加算要求を管理装置100に送信し、自装置の持ちメダル数をゼロにクリアした後、カードIDを含むカード排出通知を管理装置100に送信し、カードを排出制御する。
なお、図示を省略したが、台間カード処理機200は、払出用のメダルを貯留する貯留部を有しており、カード処理部210aがメダルの払出しを行なう場合には、貯留部に貯留したメダルが払い出されることとなる。
また、貯留部に貯留したメダル数については、センサ等を用いて、エンプティ、ニアエンプティ、フル、ニアフルを検知し、報知することができる。エンプティは、貯留部内にメダルが貯留されていない状態を示し、ニアエンプティは、貯留部内のメダルが少なく、貯留部が空になる可能性があることを示す。また、フルは、貯留部が貯留可能な最大数のメダルが貯留されていることを示し、ニアフルは、最大数に近い数のメダルが貯留されていることを示す。
貯留部にメダル自動補給機構が接続されている場合には、ニアエンプティを検知したときにメダル自動補給機構に補給要求信号を送信することで、メダルを補給することが可能である。また、貯留部にメダル自動回収機構が接続されている場合には、計数したメダルを自動回収機構に排出することができる。
切替部211は、リモコン操作等に伴う操作部203による切り替え信号にて判定モードから登録モードに切替え、また必要に応じて逆の切替えを行う処理部である。
特徴量取得部212は、投入受付部202にて受け付けられたメダル(登録モードの場合は計数メダル投入口92からの基準メダル、判定モードの場合はスロットマシンからの獲得メダルおよび計数メダル投入口92からのメダル)の画像の特徴量を取得する処理部である。また、特徴量取得部212は、図示していないが、メダル表面の模様(凹凸形状)を判定する機能を持つ第1の特徴量取得ユニット212Aと、メダルの色彩を判定する機能を持つ第2の特徴量取得ユニット212Bの入れ替えにより、いずれかの基準にて特徴量を判定する機能を持つものであり、第1の特徴量取得ユニット212Aと第2の特徴量取得ユニット212Bは、台間カード処理機200から他の機能とは別にユニット単位で取外し可能であり、互いに入れ替え可能なように同一形状に構成される。台間カード処理機200からは、特徴量取得部212として第1の特徴量取得ユニット212Aを有しているか、第2の特徴量取得ユニット212Bを有しているかを上位装置(例えば管理装置100)に通知する構成とすることが好ましい。この場合、特徴量取得ユニットの種別を通知するタイミングとしては、台間カード処理機の電源がONとなったタイミング、管理装置100において開店処理を行ったタイミング、従業員が通知指示操作を行った場合等が考えられるが、特に限定されない。
メダル情報登録部213は、登録モードにあって特徴量取得部213により取得された特徴量を登録情報205aとして記憶部205に格納する処理部である。
判定部214は、実運用時の判定モードにあって基準メダルの特徴量(登録情報205a)と獲得メダルの特徴量とを比較し、運用対象のメダルか運用対象外のメダルかを判定する処理部である。
計数部215は、実運用時の判定モードにあってメダルを計数する処理部である。計数部215は、メダルの計数結果を持メダル数に加算する。また、運用対象のメダルの計数結果と運用対象外のメダルの計数結果とをそれぞれ記憶部205に格納してもよい。
ここで、登録モードにおいて得られた運用対象のメダルの基準メダルの登録情報205aは、管理装置100に回線42又は43及び4を介して送信され(図1の点線ルート表示)、管理装置100では情報記憶部(図示省略)に記憶される。そして、この情報記憶部に記憶された基準メダルの登録情報205aは、台間カード処理機200、300全台のメダル計数機に配信される(図1の破線ルート表示)。
基準メダルの登録情報205aを配信された台間カード処理機200、300は、受信した登録情報205aが所定の条件を満たすかを判定し、所定の条件を満たす場合には、受信した登録情報205aを自装置の記憶部205に登録する。また、台間カード処理機200、300は管理装置100等の上位装置からの指示により、登録情報205aをクリアする機能を備えている。登録情報205aが記憶されていない状態では、メダルの計数・判別制御は停止される。
所定の条件としては、受信した登録情報205aが、既に記憶している登録情報205aよりも新しいこと、受信した登録情報205aが権限者により登録されたものであること、登録情報205aの書き換えが可能なタイミングであること、等を用いることができる。この条件は、上記したうちの1つを選択的に用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。特に、複数を用いた場合には、不正な登録作業が行なわれる蓋然性をより低減することができるという効果を生じる。
なお、受信した登録情報205aが、既に記憶している登録情報205aよりも新しいか否かは、登録情報205aに付された識別番号を比較することにより判定することができる。また、権限者により登録されたものであるか否かは、登録情報205aの取得時に、登録モードへの切替を行なった設定者権限情報を関連付けることで判定することができる。また、登録情報205aの書き換えが可能なタイミングとは、遊技客の遊技への障害や、不正な登録作業の可能性を鑑みれば開店前や閉店後など、営業時間外とすることが好適である。
次に、登録モードにおける台間カード処理機200の処理手順について説明する。図4は、登録モードにおける台間カード処理機200の処理手順を示すフローチャートである。図1に示したリモコン5により、赤外線非接触通信にて1台の台間カード処理機200に切替指令を送ると、認証処理を条件にこの台間カード処理機200(図1の斜線で示した台間カード処理機)のメダル計数機90が登録モードに切り替えられ、登録モード中であることの表示が表示灯94にて行われる(ステップS101)。リモコン5には、個々のリモコンを識別するための識別IDが記憶されているとともに、使用者を特定するためのコード(使用コード)が記憶されており、この識別IDと使用コードに基づいた認証用情報が記憶されている。リモコン5は、管理装置100あるいは管理装置100に接続される端末(登録端末)において使用登録を行なうことで、使用可能になる。この使用登録に際しては、登録端末において使用コードと従業員情報の選択が行なわれた状態で、登録端末とリモコン5を通信させ、リモコン5において登録操作をすると、登録端末側で、受信したリモコンIDと使用コード、従業員情報を結びつけたデータが作成されるとともに、受信したリモコンIDと使用コードを用いて所定の暗号化処理が行われ、認証用情報が作成される。この認証用情報はリモコン5に送信され、リモコン5の記憶部に登録される。管理装置100は、営業の開始にあたって、リモコンIDと認証用情報を対応づけた形のデータを各台間カード処理機200及び300に配信している。台間カード処理機200又は300は、リモコン5からの指令を受けると、指令に含まれる認証情報とリモコンIDについて、自己が記憶しているものと比較を行い、一致(対応関係が正当)であれば正当な指令として指令通りに作動するが、正当でないという結果の場合はエラー情報を表示する。また、リモコン5による指令を受けた場合は、随時あるいは所定時間ごとにまとめて、操作が行われたリモコンIDを管理装置100に通知するため、管理装置100は、リモコンIDおよび認証情報から特定される使用コードに基づいてどの従業員が操作を行ったかを特定して管理することができる。この認証処理は、他のセキュリティを要する行為、例えば台間カード処理機の貨幣貯留部の解錠、台間カード処理機200及び300のメダル貯留部の解錠などにも用いられる。なお、メダルの認識データの登録、貨幣貯留部の解錠、メダル貯留部の解錠にそれぞれ権限による制限を設け、リモコン登録時に管理装置100からの情報(従業員情報から判断される権限)に基づいて、リモコン5における使用機能の有効・無効を制御してもよい。
ついで、この台間カード処理機200のメダル計数機90の受け皿91に基準メダルを流し込むとそのメダルの投入が受け付けられる(ステップS102)。メダルが受け付けられたならば、特徴量取得部212は、メダルの表裏画像について特徴量を取得する(ステップS103)。ついで、メダル情報登録部213は、複数枚(たとえば5枚や10枚)の基準メダルの特徴量の中から代表する特徴量を決定し、該特徴量を登録情報205aとして登録し(ステップS104)、登録情報205aを管理装置100に送信して(ステップS105)、処理を終了する。ここで、特徴量の取得を複数枚の基準メダルにて行うのは、確実な基準メダル情報を得るためであり、例えば複数の特徴量の標準値を代表として得ることで確実な特徴量を得ることができる。
管理装置100では、登録モードとなっている台間カード処理機200から送られてきた台番号と登録情報205aとが記憶される。そして、この管理装置100では設定者権限情報がある場合にはそれが確認・認定され、また、台番号と登録情報205aとが確認・認定される。そして、この確認情報に問題が無ければ、登録情報205aは、台間カード処理機200、300全台に配信される。台間カード処理機200、300全台のメダル計数機90では、その登録情報205aを図3に示す記憶部205に記憶し基準メダル情報として台間カード処理機200、300での獲得メダルの真贋判定に用いる。この場合、各台間カード処理機200から、特徴量取得部212として第1の特徴量取得ユニット212Aを有しているか、第2の特徴量取得ユニット212Bを有しているかを管理装置100が受信する構成としている場合において、各特徴量取得ユニットに対応した登録情報が配信される。つまり、登録モードとなっている台間カード処理機200から送られてきた登録情報205aが第1の特徴量取得ユニット212Aを有している台間カード処理機である場合、または登録情報205aにメダルの模様判別用データであることを示す識別情報が付されている場合には、第1の特徴量取得ユニット212Aを有している台間カード処理機全台を対象として配信処理が行われる。この構成により、第1・第2の特徴量取得ユニットが混在している場合にもデータの混乱が生じないという効果を奏する。
なお、基準メダル情報を登録情報205aとして管理装置に送信した1台の台間カード処理機200では、既に登録情報205aが記憶部205に存在するので、管理装置100からの確認信号のみにて記憶部205に記憶された登録情報205aをこの台間カード処理機200の獲得メダルの真贋判定に用いることができる。もっとも、管理装置100にて設定者権限情報が確認・認定できないとか、台番号と登録情報205aとが確認・認定できない場合には登録情報205aの配信が行われず、図4に示す登録モードが管理装置100に送信した台間カード処理機200への確認信号も配信されない。ここでは、図4に示す再度の登録モードのステップを繰り返すことになる。
次に、判定モードにおける台間カード処理機200の処理手順について説明する。図5は、判定モードにおける台間カード処理機200の処理手順を示すフローチャートである。なお、台間カード処理機300の処理手順についても同様であるので、ここでは台間カード処理機200の処理手順について説明し、台間カード処理機300の処理手順については説明を省略する。
実運用時に獲得メダルが台間カード処理機200のメダル計数機90に投入されると、その獲得メダルが受け付けられる(ステップS201)。特徴量取得部213は、この受け付けられた獲得メダル画像の特徴量を取得する(ステップS202)。判定部214は、配信され記憶された基準メダルの特徴量である登録情報205aとこの獲得メダルの特徴量とを比較し、一致するかを判定する(ステップS203)。
比較の結果、登録情報205aと獲得メダルの特徴量とが一致した場合(ステップS203;Yes)、「獲得メダルは基準メダルと同じである」と判定されるので、計数部215は、獲得メダルを運用対象のメダルとして計数する(ステップ204)。該計数の後、計数部215は、メダルをメダル流通経路又は受け皿76に排出し(ステップS205)、処理を終了する。
一方、登録情報205aと獲得メダルの特徴量とが一致しない場合(ステップS203;No)には、「獲得メダルは基準メダルでない」と判定されるので、計数部215は、獲得メダルを運用対象外のメダルとして計数する(ステップS206)。該計数の後、計数部215は、メダルをメダル流通経路に戻すことなく、例えばメダル排除箱に区分けして排出し(ステップS207)、処理を終了する。メダルの区分けは、例えばメダル排出路に扉を設け、制御部によるこの扉の開閉制御にて、運用対象のメダルであればメダル流通経路に、運用対象外のメダルであればメダル排除箱にそれぞれ選別することが可能である。
台間カード処理機200のメダル計数機90によって計数される獲得メダル中には、多数の運用対象外のメダルが混入されることも考えられる。運用対象外のメダルが時間をおいて検出され計数される場合には「運用対象外のメダル除去の見落とし」などの場合も考えられるが、多数の運用対象外のメダルが短時間で検出され計数されたときには、遊技者が故意に混入したことも考えられる。
そこで、計数部215は、運用対象のメダルと運用対象外のメダルの計数結果を用いて、混入の監視を行なう。図6は、計数部215による混入監視の処理手順を示すフローチャートである。図6に示すように、計数部215は、運用対象のメダル並びに運用対象外のメダルの計数処理の結果から、運用対象外のメダルの頻度検出を行い(ステップS301)、運用対象のメダルの枚数に対して運用対象外のメダルの枚数の割合がどのくらいあるかを検出する。
計数部215は、この頻度検出値と混入閾値とを比較し(ステップS302)、頻度検出値が閾値を超えている場合(ステップS302;Yes)には、警報及び台間カード処理機の遊技者を撮像する(ステップS303)。警報及び撮像の終了後、もしくは頻度検出値が混入閾値以下である場合(ステップS302;No)、計数部215は、混入監視の処理を終了する。なお、混入閾値は、今までの経験から「故意の混入」の値とみなすか否かを示す頻度の基準値であり、予め設定し、台間カード処理機200及び300により記憶されている。
なお、実運用時、図5に示した獲得メダルの真贋判定に際し、ステップS202にて獲得メダルの特徴量を得ることになるが、ここでは多数の獲得メダルの特徴量をサンプリングして計数枚数に対応付けて記憶しておくことが好ましい。運用対象外のメダルの混入など不正の可能性があって管理装置100により獲得メダルのデータ解析をする場合には、計数枚数に対応付けてサンプリングした特徴量を記憶することによって、多数のメダルにおける特徴量の正誤の確認が容易になる。この場合、図6に示したステップS301での頻度検出値、言い換えれば運用対象外のメダルの混入率と合わせてこのサンプリングした特徴量を記憶することで、データ解析が更に容易になり解析精度も向上する。
さて、遊技店にて遊技機の遊技メダルを交換する時期は、例えば新装開店時などであることを前に述べた。このため、台間カード処理機200、300のメダル計数機90による図4に示すような登録モードの処理は、この遊技メダル交換時には必要不可欠である。しかし、遊技店の営業にて日々多量の遊技メダルを取り扱い、店内を流通させると、この遊技メダルが汚れ模様や文字が磨耗しメダル研磨作業にてこの磨耗が更に進む事態となる。この場合、図5に示した判定モードの処理にあって、ステップS203に示した登録情報205aと獲得メダルの特徴量との比較の精度が落ちあるいは誤りが発生する恐れがある。すなわち、図5に示す判定モードにあってステップS203にて登録情報205aと獲得メダルの特徴量とが一致せず、運用対象のメダルにも拘わらず運用対象外のメダルと判定してしまうことが起こり得る。この問題は、画像・凹凸等を識別する場合だけでなく、色・光沢などを識別して正規メダルを判別する場合にも起こりうる問題である。
このようなことを防止するため、登録情報205aに精度の順位の異なる複数の特徴量データを持たせてもよい。例えば順位Aを新品メダルあるいは新品メダル同様の特徴量データ、順位Bを磨耗がみられるがデータ比較には何ら問題ない特徴量データ、順位Cを磨耗が進んでデータ比較には誤りなどの問題が発生する可能性がありメダル交換が近い特徴量データとし、順位A〜Cの特徴量データを用いて比較を行なうことで、摩耗などによる誤判定の発生を防ぐことができる。
図7は、複数の特徴量データを用いた判定の処理手順を示すフローチャートである。図5に示した特徴量の取得(ステップS202)の後、図7のフローチャートでは、まず判定部214は、獲得メダルの特徴量と順位Aの特徴量データとを比較する(ステップS401)。この比較の結果、獲得メダルの特徴量と順位Aの特徴量データとが一致する場合(ステップS401;Yes)には、判定部214は、記憶部205に記憶した順位Aの計数値を加算し(ステップS402)、図5に示したステップS204に移行する。
獲得メダルの特徴量と順位Aの特徴量データとが一致しない場合(ステップS401;No)には、判定部214は、獲得メダルの特徴量と順位Bの特徴量データとを比較する(ステップS403)。この比較の結果、獲得メダルの特徴量と順位Bの特徴量データとが一致する場合(ステップS403;Yes)には、判定部214は、記憶部205に記憶した順位Bの計数値を加算し(ステップS404)、図5に示したステップS204に移行する。
獲得メダルの特徴量と順位Bの特徴量データとが一致しない場合(ステップS403;No)には、判定部214は、獲得メダルの特徴量と順位Cの特徴量データとを比較する(ステップS405)。この比較の結果、獲得メダルの特徴量と順位Cの特徴量データとが一致する場合(ステップS405;Yes)には、判定部214は、記憶部205に記憶した順位Cの計数値を加算し(ステップS406)、図5に示したステップS204に移行する。そして、獲得メダルの特徴量と順位Cの特徴量データとが一致しない場合(ステップS405;No)には、判定部214は、図5に示したステップS206に移行する。
このように、獲得メダルの特徴量と順位A〜Cの特徴量データとを順に比較することで獲得メダルの磨耗程度に応じて、運用対象のメダルか運用対象外のメダルかを高精度に判定することができる。
なお、順位A及びBの計数値に対する順位Cの計数値の比率が高くなってきた場合には、その比率を検出してメダル交換時期を表示するようにしても良い。
これまでの説明は、管理装置100が登録情報205aの記憶及び配信を行なう場合について説明してきた。しかしながら、この管理装置100が何らかの原因にてオフラインとなり、各遊技島との通信が不通になったときこの管理装置100の代わりに島コントローラ20又は30に同様の機能を持たせても良い。すなわち、管理装置100の記憶機能及び全台配信機能を島コントローラ20、30に持たせ、その遊技島で登録された登録情報205aの取得と、その遊技島の台間カード処理機200又は300への配信と、判定モードへの実行許可とを、島コントローラ単位で行うようにしても良い。また、島コントローラ20、30同士が通信可能な場合には、他の遊技島への台間カード処理機200あるいは300への配信を行うこともできる。この場合には、従業員の権限に応じて、オフラインでの登録モードの実行可能性や配信に差を持たせて一部の従業員のみに登録モードの実行許可や配信権限を持たせてもよい。
また、この島コントローラ20、30の使い方として、店舗内の遊技機が少数台しかない少数台稼動の場合には、台間カード処理機200、300のメダル計数機90に割り当てられた判定モードでの特徴量の比較(図5のステップS203)や計数(図5のステップS204、S206)をこの島コントローラ20、30の機能としても良い。この場合、少なくとも1台の台間カード処理機200あるいは300のメダル計数機90での登録モードによって取得された登録情報205aは島コントローラ20、30に登録される一方、台間カード処理機200、300のメダル計数機90での判定モードによる獲得メダルの特徴量データも島コントローラ20、30に送信され、この島コントローラ20、30にて特徴量の比較や計数等を行うようにしても良い。
更に、以上の説明は管理装置100や島コントローラ20、30の存在を前提として、1台の台間カード処理機200あるいは300のメダル計数機90による運用対象のメダルの登録情報を用いて店舗内の台間カード処理機200、300全台のメダル計数機90に運用対象のメダルと運用対象外のメダルとの判定機能を持たせることであったが、このことは必ずしも管理装置等を経なくとも可能である。すなわち、データの送配信や授受、管理装置の確認・記憶機能は、管理装置を介することなく台間カード処理機200、300を含むユニットにて受け持ち、このユニット同士の通信にて登録情報の確認や配信を行うこともできる。この場合、暗号・復号ルールをユニット同士で取り決めてデータの安全を図り、更には従業員認証を各ユニットで確認して更なる安全を図ることが好ましい。すなわち、暗号化・復号化に基づくデータ認証と従業員認証とを通すことにより、他のユニットからのデータを正規の真贋判定用のデータとして取り扱うようにすることができる。
上述してきたように、本実施例1では、遊技店に設けた台間カード処理機200及び300のうち少なくとも一台に、基準となるメダルの特徴を登録情報205aとして取得する機能を持たせ、該登録情報205aを遊技店に設けた台間カード処理機200及び300で共有し、判定モードにおいて受け付けたメダルの特徴量を登録情報205aと比較して運用対象のメダルと運用対象外のメダルとを峻別するよう構成した。このため、専用装置や店舗以外の場所にて煩雑な作業を必要とすることなく基準となるメダルの特徴を効率的に取得することができる。
実施例1では、獲得メダルの判定として運用対象のメダルと運用対象外のメダルとの判定を説明した。しかし、遊技店によっては同じ店舗内でも遊技種が異なり、例えば5円レートの遊技島、20円レートの遊技島という具合に異なる遊技種が存在する。この場合の遊技種とは遊技媒体単数あたりの貸与時の価値が異なる種別はもちろん、貸与時の価値が同一であっても交換時の価値が異なる場合や付加価値の付与率が異なる場合など、運営上遊技に用いる遊技媒体を相互に分別して扱うべきものと定められている種別を含む意味である。この場合、自店で運用しているメダルでも遊技種(例えばレート)の異なるメダルはその色あるいは模様等を異ならせており、遊技店内に設けた区画などによって使用するべき適正なメダルを定めている。従って、メダルを区別する際に、自店舗で運用し、かつ適正な区画で使用されたメダルであるか、自店舗で運用しているが不適正な区画で使用されたメダルであるか、自店舗で運用していないメダルであるか、を区別することが求められる。そこで、本実施例2では、複数の遊技種に対応した構成について説明する。なお、以下の説明では、レートの異なる複数の遊技種にそれぞれ色あるいは模様等が異なるメダルを使用する場合について説明を行なう。また、自店舗で運用しているメダルを自店メダルと称し、自店舗で運用していないメダルを他店メダルと称する。さらに、自店メダルのうち、区画も適正なメダルを自レートメダル、自店メダルであるが区画が不適正なメダルを他レートメダルと称する。
図8は、実施例2での遊技店のシステムを示す概念図である。なお、実施例1と同一の構成要素には同一の符号を付し、遊技島2と遊技島3とは異なるレートの島を想定している。本実施例2では、店舗内の1台の台間カード処理機200又は300のメダル計数機90を用いて登録モードによる自店メダルの自レートメダル又は他レートメダルの登録情報を取得し、この登録情報を用いて店舗内の台間カード処理機200、300全台のメダル計数機90に判定モードによる自レートメダル・他レートメダルと他店メダルとの判定機能を持たせている。
図8の例では、遊技島2に登録情報取得可能な1台の台間カード処理機200(斜線表示)、異なるレートの遊技島3に登録情報取得可能な1台の台間カード処理機300(斜線表示)を表示する。
このように、登録情報取得機能を有する台間カード処理機を遊技島毎に設けた場合には、台間カード処理機200は遊技島2のレートのメダルを登録し、台間カード処理機300は遊技島3のレートのメダルを登録することができる。また、台間カード処理機200又は300が自装置の属する遊技島以外のレートのメダルを登録することもでき、この場合には登録情報取得機能を有する台間カード処理機は1台であってもよい。
また、本実施例2では、1台のリモコン5の指令によって異なるレートについて判定モードから登録モードへの切替操作を可能としている。
次に、実施例2における登録モードの処理手順について説明する。図9は、実施例2における登録モードの処理手順を示すフローチャートである。図8に示すようにリモコン5にて1台の台間カード処理機200のメダル計数機に切替指令を送るとこの台間カード処理機200(図1の斜線で示した台間カード処理機と同じ)のメダル計数機90が登録モードになり、登録モード中である表示が行われる(ステップS501)。
ついで、この台間カード処理機200のメダル計数機90に基準メダルを流し込むとそのメダル投入が受け付けられる(ステップS502)。メダルが受け付けられたならば、特徴量取得部213は、メダルの表裏画像について特徴量を取得する(ステップS503)。
メダル情報登録部213は、投入されたメダルが自レートの基準メダルであるか、他レートの基準メダルであるかの指定をリモコン5等により受け付けており、自レートのメダルであるならば(ステップS504;Yes)、複数枚(たとえば5枚や10枚)の基準メダルの特徴量の中から代表する特徴量を決定し、該特徴量を自レートメダルの登録情報として登録し(ステップS505)する。一方、他レートのメダルであるならば(ステップS504;No)、複数枚(たとえば5枚や10枚)の基準メダルの特徴量の中から代表する特徴量を決定し、該特徴量を他レートメダルの登録情報として登録する(ステップS506)。そして、登録情報を管理装置100に送信して(ステップS507)、処理を終了する。代表する特徴量の決定方法としては、複数枚の基準メダルのうちの1枚をサンプリングする方法、特徴量が平均に近い1枚を抽出する方法、複数枚の基準メダルの特徴量の平均出力値を算定する方法などが考えられるが、特に限定されない。
管理装置100では、図8の点線ルート表示のように送られてきた遊技島2の台番号情報と登録情報及び遊技島3の台番号情報と登録情報とが記憶される。管理装置100では、台番号情報(台間カード処理機200又は300を個々に特定するための情報)が管理されている。そして、台番号情報はグループ分けされており、それぞれの台番号情報は、グループを識別するグループ識別情報とともに管理されている。このグループ分けの単位は、遊技島あるいは、複数の遊技島にまたがる遊技コーナーなどとなっており、遊技店として一つの運用(レート、遊技方式など)で運用する単位として任意に設定されるものである。このグループの設定は、設定後も変更が可能である。また、各グループには、遊技種(例えばレート)が対応付けて記憶されている。そして、この管理装置100では設定者権限情報がある場合にはそれが確認・認定され、また、台番号情報と登録情報とが確認・認定される。そして、この確認情報に問題が無ければ、管理装置にて各レートに対応するグループが特定され、各レートの登録情報は、対応するグループごとに台間カード処理機200又は300に配信される。
なお、ここでは遊技店が使用する基準メダルが2種類であることを想定し、基準メダルを自レートと他レートに区別して処理を行なう処理を示したが、3種類以上の基準メダルを使用する場合には、レートを特定する情報を受け付けておき、レートを登録情報に関連付けて登録することが好ましい。この場合、登録時にレートを指定する情報を受け付けた場合には、指定されたレートに対応するグループの台間カード処理機を対象として登録情報が配信される。一方、登録時にグループを指定する情報を受け付けた場合には、指定されたグループの台間カード処理機を対象として登録情報が配信される。この場合、単一の登録設定作業中において、グループを対象として登録情報が配信された時点で、既にレートを対象とした登録情報が配信されている場合には、グループを対象とした登録情報によって登録情報が上書きされる。一方、レートを対象として登録情報が配信された時点で、既にグループを対象とした登録情報が配信されている場合は、当該グループについては登録情報の配信対象から除外されるか、登録情報の上書きが禁止される。この制御は、レートが同じであっても特定のコーナーだけを別の遊技媒体を用いようとする店舗の運用を円滑にすすめるための制御である。この場合、無条件に上書き・上書き禁止を行なうのではなく、登録情報の配信が重複した場合には警告表示を行い、確認操作が行われることを条件に配信を行っても良い。この場合、配信の重複は管理装置が判定するが、配信を受けた側の台間カード処理機が判定を行っても良い。
次に、実施例2における判定モードの処理手順について説明する。図10は、実施例2における判定モードの処理手順を示すフローチャートである。実運用時に獲得メダルが台間カード処理機200のメダル計数機90に取り込まれると、その獲得メダル投入が受け付けられる(ステップS601)。特徴量取得部212は、この受け付けられた獲得メダルの特徴量を取得する(ステップS602)。
判定部214は、自店の自レート、すなわち自装置の遊技島のレートの基準メダルの特徴量と獲得メダルの特徴量とを比較し、一致するかを判定する(ステップS603)。比較の結果、自店の自レートの基準メダルの特徴量と獲得メダルの特徴量とが一致した場合(ステップS603;Yes)、「獲得メダルは自店自レートの基準メダルと同じである」と判定されるので、計数部215は、獲得メダルを自店自レートメダルとして計数する(ステップ605)。該計数の後、計数部215は、メダルをメダル流通経路又は受け皿76に排出し(ステップS606)、処理を終了する。
一方、自店自レートの基準メダルの特徴量と獲得メダルの特徴量とが一致しない場合(ステップS603;No)には、判定部214は、自店の他レート、すなわち自店の他の遊技島のレートの基準メダルの特徴量と獲得メダルの特徴量とを比較し、一致するかを判定する(ステップS604)。比較の結果、自店の他レートの基準メダルの特徴量と獲得メダルの特徴量とが一致した場合(ステップS604;Yes)、「獲得メダルは自店他レートの基準メダルと同じである」と判定されるので、計数部215は、獲得メダルを自店他レートメダルとして計数する(ステップ607)。該計数の後、計数部215は、メダルをメダル流通経路に戻すことなく、例えばメダル排除箱に区分けして排出し(ステップS608)、処理を終了する。
一方、自店他レートの基準メダルの特徴量と獲得メダルの特徴量とが一致しない場合(ステップS604;No)には、「獲得メダルは自店のメダルでない」と判定されるので、計数部215は、獲得メダルを他店メダルとして計数する(ステップS609)。該計数の後、計数部215は、メダルをメダル流通経路に戻すことなく、例えばメダル排除箱に区分けして排出し(ステップS610)、処理を終了する。なお、自店他レートのメダルと他店メダルとは、同一のメダル排除箱に区分けしてもよいが、メダル排除箱を異ならせることとしてもよい。
実施例1では、図6に示すようにメダルの頻度を検出することで警報や撮像をする説明をしたが、実施例2でも同様に自店自レートメダル、自店他レートメダル及び他店メダルの計数値から自店他レートメダルや他店メダルの頻度検出割合を得ることができ、混入閾値との比較にて警報あるいはその台の遊技者の撮像をする。
また、実施例1では、複数の特徴量データを用いた判定により判定精度の向上を行なう場合を説明したが、本実施例2でも同様に複数の特徴量データを用いることで、判定精度を向上することができる。また、また、メダルの交換時期の検出が可能となる点も実施例1と同様である
その他、本実施例2においても、実施例1にて述べた事柄を選択的に適用することができる。なお、台間カード処理機200、300のメダル計数機90は、管理装置にて台番号とレートを記憶している場合には台番号のみにてレートが特定されることになるので、自らのレートを記憶していなくても良い。
また、管理装置を介さずにユニット同士で通信する場合には、ユニット自らのレートが記憶されている場合、他のユニットから受け取った識別データのうち自レートに対応するものを特定して記憶することができる。
さらに、管理装置100がオフラインであって島コントローラ20、30にて管理する場合、島コントローラ同士が通信可能か否かで、登録データに差異を持たせても良い。例えば、島コントローラが通信できる場合には、複数のレートを登録可能とし、通信できない場合には自レートのみの登録としても良い。また、オフラインでの登録の可否は、従業員権限により差異を付けても良い。また、本実施例2では、各台間カード処理機について同一のグループが設定される範囲と、同一のレートが設定される範囲とが必ずしも同じでない場合を示しているが、これらが必ず一致するよう運用してもよい。また、台間カード処理機には、貨幣貯留部の解錠処理を一括で行うためのグループが設定されているが、このグループ設定と、登録データの登録のためのグループ設定とを範囲を一致させるようにしてもよい。
さらに、管理装置100においては、運用するレートを設定で記憶しているが、この運用レートの設定と、レートごとの登録情報(メダルを識別するための情報)を関連づけておき、店舗の方針で該当するレートの運用が停止された場合(例えば運用レートの設定の一部が休眠設定あるいは削除された場合)には、該当するレートの登録情報の削除を台間カード処理機に指示してもよい。さらに、運用レートが増加された場合(例えば新たに運用レートの設定がなされた場合)には、該当するレートの登録情報の設定が行なわれているか否かを確認し、行なわれていなければ報知出力等を行なう構成としてもよい。この報知出力は例えば管理装置100の設定画面で行なうことが考えられる。
上述してきたように、本実施例2では、遊技店が複数種類のメダルを使用する場合に、登録モードにおいて複数種類のメダルを区別して効率的に登録し、判定モードにおいてメダルの種類の判別が可能である。
実施例1及び2では、台間カード処理機200及び300が遊技機290との通信を行なわない構成について説明を行なったが、台間カード処理機が遊技機と通信を行なう構成にて本発明を適用しても良い。そこで、本実施例3では、台間カード処理機が遊技機と通信を行なう構成について説明する。
図11は、実施例3に係る台間カード処理機1200及び遊技機1290の外観構成を示す図である。図11に示すように貸出ボタン85a及び返却ボタン85bは、台間カード処理機1200ではなく遊技機1290に設けられている。その他の構成については、図2に示した台間カード処理機200及び遊技機290と同様であるので、説明を省略する。
次に、図11に示した台間カード処理機1200の内部構成について説明する。図12は、図11に示した台間カード処理機1200の内部構成を示すブロック図である。なお、遊技機1290については、台間カード処理機1200の動作に関連する箇所のみ破線にて示している。
図12に示すように、貸出ボタン85a及び返却ボタン85bは、遊技機1290の筐体に設けられているものの、台間カード処理機1200の制御部1210に直結されている。台間カード処理機1200は、遊技機1290と通信するためのインタフェース201と、メダル払出部206とをさらに備えるとともに、制御部1210内に遊技機連携部216をさらに備える。その他の構成及び動作については、図2に示した台間カード処理機200と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
インタフェース201は遊技機1290と遊技媒体貸与処理関係の信号を送受信するものであり、遊技機1290の制御部1291と接続され、制御部1291からPRDY信号、EXS信号を受信し、また、インタフェース201は、遊技機1290に対してBRDY信号、BRQ信号を送信する。また、遊技機1290との間には、接続線L1が設けられており、当該接続線L1からメダルの出入り、ボーナス等の情報を受信する。
PRDY信号は、遊技機1290が台間カード処理機200からのメダル払出指示を受け入れ可能な状態であるか否かを示す貸出可能信号である。このPRDY信号は、Lレベルである場合にメダルの払出しが可能であることを示し、Hレベルである場合にメダルの払出しが不可能であることを示す。
メダルの出入りは、遊技機1290の遊技によってメダルの消費や獲得が行なわれた場合に、消費したメダル数や獲得したメダル数を台間カード処理機1200に通知するものである。また、ボーナスは、遊技機1290の遊技によってレギュラーボーナスやビックボーナス等、遊技者にとって有利な抽選結果が得られたことを示す。
BRDY信号は、台間カード処理機1200が遊技機1290に対してメダルの払出しを指示する状態にあるか否かを示す貸出状態信号である。このBRDYは、通常はHレベルであって、貸出ボタン85aが操作された場合に度数があり、PRDY信号がLレベルであることを条件としてLレベルに反転する。BRQ信号は、遊技機1290に対して遊技媒体の貸出を要求する信号であり、BRDYをLレベルとした後にLレベルに切替えられる。EXS信号は、遊技機1290が遊技媒体の投出を完了したことを示す信号であり、BRQ信号のLレベルを受けてLレベルに反転し、これを受けてBRQ信号はHレベルに復帰する。また、EXS信号は遊技媒体の1度数の投出が完了すると、Hレベルに復帰する。これを受けて、BRQ信号は再びLレベルに反転する。BRQ信号のLレベルへの反転が、1貸出単位(例えば5度数)完了するまで、BRDY信号はLレベルに維持され、完了するとHレベルに復帰する。この制御により遊技媒体の払出しが行われる。
遊技機連携部216は、遊技機1290と台間カード処理機1200を連携して動作させる処理部である。台間カード処理機1200は、貸出によるメダルの投出と、貯遊技媒体(貯メダル)の再プレイによるメダルの投出について、投出の方法を選択設定する機能を備えており、通常の設定の場合、貸出によるメダルの投出と、再プレイによるメダルの投出を異なる方法で行なう。具体的には、メダルの貸出を行なう場合には、遊技機連携部216は、PRDYがLレベルであることを条件に、BRDYをLレベルに反転させ、遊技機1290のメダル払出部1292にメダルの払出しを行なわせる。一方、再プレイを行なう場合には、遊技機連携部216は、台間カード処理機1200のメダル払出部206を用いてメダルの払い出しを行なう。また、再プレイによる投出を遊技機1290から行わせる設定も可能である。貸出あるいは再プレイ(計数メダル、貯メダル)について即投出(現金あるいはカードの挿入により、貸出操作を行わずに投出を行なう)設定がONになっている場合であって、設定によりこれらの投出が遊技機1290からの投出に設定されている場合において、PRDYがHレベルである場合は、台間カード処理機1200のメダル払出部206からメダルの投出を行なうことを可能にしてもよい。
また、遊技機連携部216は、他店メダルや自店他レートメダルの計数を所定以上検出した場合には、メダルの貸出や再プレイによる払出しを禁止する。さらに、遊技機連携部216は、メダルの出入り、ボーナスの情報を受信している時には、その後所定期間において切替部211による登録モードへの切替を禁止する。同様に、BRDYがHレベルの時にもその後所定期間において切替部211による登録モードへの切替を禁止する。この制御は、遊技中において不正操作によってメダル識別用の登録情報が書き換えられることを防止するためのものである。
上述してきたように、本実施例3では、台間カード処理機1200は、遊技機1290と連携することにより、メダルの払出しや登録モードへの切替を遊技機1290の状態に応じて制御することが可能である。また、実施例1及び実施例2に記載したものと同様の効果を奏することができる。
なお、上述した各実施例では、他店メダルと自店メダルを判別する例を示しているが、必ずしも他店メダルを判別する機能は必須ではなく、自店の他レートメダル(当該台間カード処理機で処理する対象外のメダル)と自レートメダル(当該台間カード処理機での処理対象のメダル)を判別する場合も本発明に含まれる。
なお、上述した実施例では、メダルの画像(凹凸パターンなど)を判別する例を示しているが、メダルの識別方法はこれに限定されず、反射率データあるいは反射波長データなど色あるいは光沢などを識別する方法、内蔵したタグを識別する方法などを用いてもよく、運用対象と運用対象外のメダルを識別可能であれば特に限定されない。
なお、上述の各実施例では、判定モードにおいて、メダルを1枚ずつ登録情報205aと比較して判定する場合について説明したが、一度に複数のメダルを投入された場合には、所定枚数(例えば5枚)に1枚の割合で登録情報205aとの比較を行なうように構成してもよい。
また、上述の各実施例では、カードの形態についての詳細な説明を省略したが、かかるカードには、磁気カード、ICカード等が含まれる。また、ここでは説明の便宜上「カード」を例にとって説明したが、かかるカード以外に、チップ、スティック、携帯端末等を用いる場合に本発明を適用することもできる。特に、ICチップ付携帯端末を媒体として用いる場合は、当該携帯端末のICチップから非接触にて取得可能な識別情報を用いて携帯端末を一意に識別できるため、当該識別情報に関連付けて遊技媒体数を管理することができる。
また、図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。