JP2014068369A - 振動片、振動子及び発振器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】励振電極16,18を有する振動部12と、振動部12の両端部に肉薄部13,14を有する水晶振動片10であって、固定部11を有する一方の肉薄部13側の振動部12の端部12bから一方の肉薄部13側の励振電極16,18の端部16b,18bまでの寸法をT1とし、他方の肉薄部14側の振動部12の端部12cから他方の肉薄部14側の励振電極16,18の端部16c,18cまでの寸法をT2とし、水晶振動片10に発生する屈曲振動の波長をλとしたときに、T1−T2=λ×m(但し、T2=(2n−1)λ/2、m及びnは自然数)の関係式を略満たすことを特徴とする。
【選択図】図2
Description
そして、メサ型圧電振動片を備えた圧電デバイスは、メサ型圧電振動片をパッケージ内へ片持ち支持構造で固定する際に、振動部に隣接する固定部を接着剤などの固定部材により固定する。
この際、圧電デバイスは、固定部材が接着剤であることから、固定部材が振動部に近接している励振電極に接近し過ぎると、振動部の振動が阻害されることにより、CI値などの特性が劣化するという問題がある。
加えて、圧電デバイスは、固定部材に導電性接着剤などの導電部材が用いられた場合、固定部材の流出により、固定部材を介して表裏の励振電極同士がショートするなどの不具合が発生するという問題がある。
また、固定部材の流出による励振電極同士のショートを抑制するために、固定部から励振電極の端部までの距離を長くするとメサ型圧電振動片全体の寸法も長くなり、メサ型圧電振動片が大型化するという問題がある。
これにより、メサ型圧電振動片は、例えば、接着剤などの固定部材から励振電極までの距離を長くすることができることから、固定部材の流出に伴う振動部の振動が阻害されることによるCI値などの特性劣化を抑制できる。
加えて、メサ型圧電振動片は、例えば、導電性接着剤などの固定部材が励振電極まで流出しにくくなることから、導電性部材からなる固定部材を介して表裏の励振電極同士がショートするなどの不具合を低減できる。
このことから、メサ型圧電振動片は、上記のように大型化をせず励振電極を偏らせても、屈曲振動の影響を抑制して安定した振動をすることができる。
このことから、圧電デバイスは、内部が気密封止されたパッケージ内に、上記適用例に記載した効果を有するメサ型圧電振動片を備えることにより、安定した周波数特性を得ることができる。
図1は、本実施形態の圧電デバイスの一例としての水晶振動子の概略構成を示す模式図である。図1(a)は平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A線での断面図である。なお、平面図では、理解を容易にするためにリッド(蓋)部を省略し、リッド部の外形を2点鎖線で表している。
ベース部21には、セラミックグリーンシートを成形して積層し、焼成した酸化アルミニウム質焼結体などが用いられている。
ベース部21の底面21aには、マウント電極21b,21cが形成されている。マウント電極21b,21cは、タングステンなどのメタライズ層にニッケル、金などの各被膜をメッキなどにより積層した金属被膜からなる。
これらにより、水晶振動子1のパッケージ20内は、気密封止されている。なお、パッケージ20の内部は、真空状態または窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが封入されている。
なお、本実施形態では、水晶振動片10を厚みすべり振動をするATカット水晶振動片としている。また、水晶振動片10の厚みは、数μm〜100μm程度の範囲で適宜設定される。
なお、水晶振動片10の一方の肉薄部13と他方の肉薄部14とを結ぶ辺(長辺)は、水晶結晶軸のX軸に沿うように形成されている。また、水晶振動片10は、振動部12及び励振電極16,18の上記長辺側の辺も、同様にX軸に沿うように形成されている。
なお、接続電極16aは、他方の主面17側にも回り込んで形成され、接続電極18aは、一方の主面15側にも回り込んで形成されている。これにより、水晶振動片10は、一方の主面15及び他方の主面17のいずれが、ベース部21に対する載置面になってもよい構成になっている。
なお、励振電極16,18、接続電極16a,18aは、クロム、ニッケル、金、銀などの各被膜がスパッタ、蒸着などの方法により積層された金属被膜からなる。
図2は、図1(a)のB−B線での水晶振動片10の断面に、水晶振動片10に発生する屈曲振動の波形を重ね合わせた模式図である。なお、図2では、図面が見易くなるようにハッチングを省略してある。
水晶振動片10の固定部11を有する一方の肉薄部13側の振動部12の端部12b(一方の肉薄部13と振動部12との段差部)から、一方の肉薄部13側の励振電極16,18の端部16b,18bまでの寸法をT1とする。そして、水晶振動片10の他方の肉薄部14側の振動部12の端部12c(他方の肉薄部14と振動部12との段差部)から、他方の肉薄部14側の励振電極16,18の端部16c,18cまでの寸法をT2とする。
ここで、水晶振動片10に発生する不要振動である屈曲振動の波長をλとしたときに、水晶振動片10は、T1−T2=λ×m(但し、T2=(2n−1)λ/2、m及びnは自然数であり、例えば、1,2,3,4,5…などである。)の関係式を略満たす。
なお、λは、以下の公知の式などより求められる(特許文献1参照)。
λ/2=(1.332/f)−0.0024
ここで、fは水晶振動片10の発振周波数(単位:MHz)を表す。例えば、fが26MHzの場合、λは約0.1mmとなる。
これにより、水晶振動片10は、振動部12と励振電極16,18とを、本来の厚みすべり振動の成分と不要振動である屈曲振動の成分とが最も結合しにくい位置関係に設けることができる。
なお、水晶振動片10は、nの値を1に設定することにより、励振電極16,18の端部16c,18cを振動部12の端部12cに最も接近させることができる。このことから、水晶振動片10は、振動部12に対して励振電極16,18のサイズを最大限大きくすることが可能となり、周波数特性を向上させることができる。
なお、nの値は、1に限定するものではなく、発振周波数、振動部12のサイズ、励振電極16,18の必要サイズなどに応じて、後述するmの値とともに適宜設定される。
これによれば、水晶振動片10は、mの値を適宜選択することで振動部12の固定部11側の端部12bから励振電極16,18の固定部11側の端部16b,18bまでの寸法を、従来より長く設定することができる。
なお、水晶振動片10は、mが大きければ大きいほど固定部11から励振電極16,18までの距離が長くなることから、上記の課題に対して顕著な効果が上げられる。しかしながら、水晶振動片10は、mが大きければ大きいほど、振動部12のサイズに対して励振電極16,18のサイズが小さくなることから、CI値などの特性変化が考えられる。
これらのことから、mの値は、課題に対する効果の度合いと望ましいCI値などの特性とのバランスを考慮すると、3程度が好ましい。
これにより、水晶振動片10は、振動部12に対して励振電極16,18が他方の肉薄部14側に偏って形成される。
なお、両者は励振電極形状のみが上記のように異なり、外形形状、振動部の形状、発振周波数、λなど他の仕様は、ともに同一である。なお、発振周波数は約33.6MHz、λは約70μmである。
図3は、横軸が温度、縦軸が周波数の変位量を表している。図3に示すように、両者の周波数温度特性には、有意差がない。このことから、本実施形態の水晶振動片10は、振動部12に対して励振電極16,18が、m=3、n=1となるように従来より小さく、且つ他方の肉薄部14側に偏って形成されていても、周波数温度特性において、実使用上問題がないことが裏付けられた。
図4は、横軸が温度、縦軸がCI値を表している。図4に示すように、両者のCI値温度特性には、有意差がない。このことから、本実施形態の水晶振動片10は、振動部12に対して励振電極16,18が、m=3、n=1となるように従来より小さく、且つ他方の肉薄部14側に偏って形成されていても、CI値温度特性において、実使用上問題がないことが裏付けられた。
これにより、水晶振動片10は、固定部11がベース部21に固定される際に、固定部材30が励振電極16,18まで流出しにくくなることから、固定部材30が励振電極16,18に流出することにより、振動部12の振動が阻害されることで、CI値などの特性が劣化することを抑制できる。
このことから、水晶振動片10は、上記のように励振電極16,18を振動部12に対して偏らせても、屈曲振動の影響を抑制して安定した厚みすべり振動をすることができる。
また、水晶振動片10は、上述したように、従来と比較して各特性を同等に維持しながら上記の効果を得ることができる。
このことから、水晶振動子1は、内部が気密封止されたパッケージ20内に、上記の効果を有する水晶振動片10を備えることにより、安定した周波数特性を得ることができる。
本発明のある形態に係る振動片は、厚み滑り振動を主振動として振動する第1の領域と、前記第1の領域の互いに表裏の関係にある第1の主面及び第2の主面に設けられている励振電極と、前記第1の領域よりも厚さの薄い第2の領域と、を含み、前記主振動の変位方向に沿って前記第1の領域に生じる屈曲振動の振動方向に沿って並んでいる前記第1の領域の一対の端部及び前記励振電極の一対の端部において、前記第1の領域の一方の端部から前記励振電極の一方の端部までの寸法をT1、前記励振電極の他方の端部から前記第1の領域の他方の端部までの寸法をT2、前記屈曲振動の波長をλとしたとき、
T1−T2=λ×m、
T2=(2n−1)×λ/2、
但し、m及びnは自然数
を満足することを特徴とする。
本発明のある別の形態に係る振動片は、前記屈曲振動の腹となる位置に、前記第1の領域の前記一方の端部と、前記励振電極の前記一方の端部と、前記励振電極の前記他方の端部と、前記第1の領域の前記他方の端部とが、それぞれ配置されていることを特徴とする。
本発明のある別の形態に係る振動片は、n=1であることを特徴とする。
本発明のある別の形態に係る振動片は、m=3であることを特徴とする。
本発明のある別の形態に係る振動片は、前記振動片が水晶片であることを特徴とする。
本発明のある別の形態に係る振動片は、前記水晶片がATカット水晶片あることを特徴とする。
本発明のある別の形態に係る振動片は、水晶の結晶X軸に沿って、前記第1の領域の前記一対の端部及び前記励振電極の前記一対の端部が並んでいることを特徴とする。
本発明のある別の形態に係る振動子は、前記振動片と、前記振動片が収容されているパッケージと、を備え、前記振動片の前記第1の領域の前記一方の端部側の前記第2の領域がパッケージに取り付けられていることを特徴とする。
本発明のある別の形態に係る発振器は、前記振動片と、回路と、を備えていることを特徴とする。
Claims (3)
- 励振電極を有する振動部と、前記振動部の両端部に前記振動部より厚みが薄い肉薄部とを有するメサ型圧電振動片であって、
前記肉薄部の一方は、外部に固定される固定部を有し、
前記固定部を有する前記一方の肉薄部側の前記振動部の端部から前記一方の肉薄部側の前記励振電極の端部までの寸法をT1とし、
他方の前記肉薄部側の前記振動部の端部から前記他方の肉薄部側の前記励振電極の端部までの寸法をT2とし、
前記メサ型圧電振動片に発生する屈曲振動の波長をλとしたときに、
T1−T2=λ×m(但し、T2=(2n−1)λ/2、m及びnは自然数)の関係式を略満たすことを特徴とするメサ型圧電振動片。 - 請求項1に記載のメサ型圧電振動片において、前記関係式のnを1とすることを特徴とするメサ型圧電振動片。
- 請求項1または2に記載のメサ型圧電振動片と、前記メサ型圧電振動片を気密封止された内部に収容し、前記メサ型圧電振動片の前記固定部を前記内部に固定するパッケージとを備えたことを特徴とする圧電デバイス。
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