JP2014067523A - 非水電解液二次電池用カーボン電極、非水電解液二次電池、および非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池用カーボン電極、非水電解液二次電池、および非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高性能かつ高寿命な非水電解液二次電池用カーボン電極を容易に低コストで製造する製造方法を提供する。
【解決手段】通気性を有するカーボン集電体11上に、所定のパターン状にカーボン系活物質層12を形成する非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法であって、パターンを形成するための凸部を有する母型に液状樹脂を塗工し、液状樹脂を硬化させることで、凸部の形状を転写した凹部112を有する樹脂版110を作製する工程と、樹脂版の凹部にカーボン系活物質を含む活物質層形成用スラリー12aを充填させ、活物質層形成用スラリーにカーボン集電体を接合させる工程と、活物質層形成用スラリーを乾燥させてカーボン系活物質層とした後で、カーボン系活物質層から樹脂版を剥離する工程と、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池用カーボン電極、非水電解液二次電池、および非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池はエネルギー密度が高く、非水系電解質を用いるため高い電圧を得ることができ、さらにニッカド電池等の二次電池と比較してメモリー効果が小さいという特徴がある。このため、リチウムイオン二次電池について、ノートパソコンや携帯電話などの電源、また電気自転車、電気自動車などの次世代電気産業製品への応用に向けた研究・開発が進められている。
リチウムイオン二次電池に代表される電池は、一般に集電体と呼ばれる金属箔上に活物質、バインダー樹脂および導電補助剤を主体としたスラリーを塗工した電極を短絡防止用のセパレータを介して、正極と負極が対向するように積層し、積層体を形成する。そして、積層体を電解液に満たした状態で集電体を端子に接続して電流を取り出す構造となっている。そして、この積層体をさらに積層し、角型及び円筒型の金属缶に封入あるいはフレキシブルなフィルムにパッケージすることで電池を構成する。
角型及び円筒型のリチウムイオン二次電池では、非水電解液二次電池用正極とセパレータと層状の負極を扁平形状あるいは円筒状に巻いた巻回型となる。また、ラミネート型は、非水電解液二次電池用正極と層状の負極を、層状のセパレータを介して交互に積層した形状となる。
集電体には電気を取り出すための端子が設けられる。抵抗の増加による電池性能の低下や、巻回時の応力負荷による活物質の脱落を防止するため、集電体上には前記スラリーが塗工されていないことが望ましい。このため、前記スラリーは、集電体上に所定のパターン状に塗工される。
前記スラリーは、体積あたりの電池容量を増加させるため、活物質に対するバインダー樹脂および導電補助剤の体積比を少なくし、塗工に適した粘度に希釈して作製される。塗工したままの状態では、空孔率が大きく、導電性、膜強度、および集電体との密着性が不足しているため、電極のプレスを行うことが多い。
電池を構成するにあたり、一般的には正極と負極の容量はほぼ等しく設計される。負極容量が正極容量よりも少ない場合、充電反応時に正極活物質から電解液中に放出されたリチウムイオンが、負極の活物質層間に全て挿入することができず、過剰になったリチウムイオンがリチウム金属となって負極の電極板上にデンドライト状に析出する。この析出物は、正極と負極との間に存在するセパレータを突き破り正極と負極を短絡したり、あるいは電解液中に脱落することで、電池性能を劣化させたり、リチウム金属の急激な反応による異常発熱が発生したりする恐れがある。
また、負極容量が正極容量よりも多い場合、充電反応時に正極活物質から放出されたリチウムイオンの多くが負極活物質に不可逆な状態として吸蔵されるため、サイクル容量が低下する。また、正極活物質と負極活物質は対向していない部位では反応が進行しないため、積層の際は両極を精度良く位置合わせさせることも、良好な電池性能を発揮するために重要である。
電池容量は集電体上に設けられた活物質の量に依存するため、容量を増加させることを目的として、積層枚数を増やす、あるいはスラリーの目付量つまりは活物質層の膜厚を増やす手法がとられる。しかし、積層枚数を増やす方法では本来不要な集電体の体積が加算される(集電体の枚数が増えてしまう。)ため、前記スラリーの目付量(単位面積当たりの重量。)を上げる方法が効率的である。このスラリー塗膜は非常に厚く、乾燥後で100μm以上の厚みとなる。
前記電極の作製方法として、スクリーン印刷法、金属溶射法、メッキ法、蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法またはプラズマ化学気相被着法による方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。しかし、ほとんどの方法で厚膜形成、パターン塗布が困難であるため、良好な電池容量および電池性能を得るのが困難である。中でもスクリーン印刷法では、パターン塗工が可能であり、スラリーの固形分を増加させることにより厚膜形成が可能であるが、固形分を増やすことにより、版の目詰まりの頻度が増加し、膜形成不良が多くなる懸念がある。
また、インクジェット法、スプレー法、グラビア印刷法、熱転写法、凸版印刷法、凹版印刷法およびオフセット印刷法での同様の作製方法も提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。これらはパターン塗工が可能であるが、100μm以上まで厚膜塗布をするには、複数回重ね塗りをする必要がある。この場合、塗布回ごとの位置合わせが煩雑であり、工程数が増え、製造コストが増えるといった問題がある。
また、一回の塗布量を増やすとスラリーのレベリング効果により、塗工中央部に対して塗工端部の厚さが小さくなり、これにより巻回時に隙間が生じ、電池性能が低下する原因となる。仮に、電極のプレス工程によって、前記膜厚差が改善できても、目付量が異なるため、塗工部内での活物質の反応状態が異なり、結果として電池寿命が低下する原因となる。同時に、集電体へのスラリーの濡れの進行により、所定のパターン形状から経時変形してしまうため、正極と負極を並行に対向させることが困難となる。その結果、両極の活物質の利用効率が低下し、電池容量が低下する問題がある。
また、負極容量の少ない個所においては、負極上へのリチウム金属の析出も起こる可能性があるため危険である。
ダイコーターによる塗工方式も提案されている(例えば、特許文献3を参照。)。この方式では100μm以上のパターン塗工が可能であるが、前記した方法とは反対に塗工端部の厚さが大きくなることが多い。それにより結果として前記と同様の問題が生じる。
また、パターン形状を良好にするため、集電体にマスク層を形成後、印刷法により活物質層を形成後、マスク層を除去する方法が提案されている(例えば、特許文献4を参照。)。しかし、この方法では、マスク形成工程が追加され、工程が多くなり、さらにマスク材料とマスク上に塗工したスラリーが廃棄されることになり、製造コストが高くなる。
また、金型を使用し、金型に充填し乾燥させたスラリーを、接着層を用いて集電体に転写して、金型形状の活物質層を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献5を参照。)。しかし、この方法では、通気性の乏しい金型を使用しているため、硬化した活物質層と集電体とを接着するための層を必要としており、前記層を形成する分、工程が煩雑である。
また、高価な金型を随時使用する必要があり、製造コストが高くなる。また、柔軟性のない金型を使用しているため、転写後の金型剥離が困難であり、所定形状とした活物質層が剥離時に破壊されてしまうことが懸念される。
特開平01−132064号公報 特開2011−119144号公報 特開平7−94171号公報 特開2006−120445号公報 特開2008−016581号公報
本発明の第1の目的は前述した背景技術における問題点を考慮し、高性能かつ高寿命な非水電解液二次電池用カーボン電極、および、この非水電解液二次電池用カーボン電極を備える非水電解液二次電池を提供することである。また、本発明の第2の目的は、そのような非水電解液二次電池用カーボン電極を容易に低コストで製造する製造方法を提供することである。
本発明者等は、前記問題を解決すべく鋭意検討を行った結果、樹脂版の凹部のみに活物質を含むスラリーを充填し、このスラリーに集電体を接合して硬化することにより、カーボン集電体上に目的とする所定のパターンの活物質層を形状精度良く転写することで、高性能かつ高寿命な非水電解液二次電池用カーボン電極を低コストで提供できることを見出し、本発明をなすに至った。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法は、通気性を有するカーボン集電体上に、所定のパターン状にカーボン系活物質層を形成する非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法であって、前記パターンを形成するための凸部を有する母型に液状樹脂を塗工し、前記液状樹脂を硬化させることで、前記凸部の形状を転写した凹部を有する樹脂版を作製する工程と、前記樹脂版の前記凹部にカーボン系活物質を含む活物質層形成用スラリーを充填させ、前記活物質層形成用スラリーに前記カーボン集電体を接合させる工程と、前記活物質層形成用スラリーを乾燥させて前記カーボン系活物質層とした後で、前記カーボン系活物質層から前記樹脂版を剥離する工程と、を備えることを特徴としている。
また、上記の非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法において、前記液状樹脂は、シリコン樹脂であることがより好ましい。
また、上記の非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法において、前記活物質層形成用スラリーは、前記カーボン系活物質、導電補助剤、バインダー樹脂、および分散媒の混合物であることがより好ましい。
また、上記の非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法において、前記カーボン集電体が、多孔質材料で形成されていることがより好ましい。
また、上記の非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法において、前記カーボン集電体が、カーボンペーパー、カーボンクロス、およびカーボン不織布の少なくとも1つであることがより好ましい。
また、上記の非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法において、前記カーボン系活物質は、アモルファスカーボン、グラファイト、メゾカーボンマイクロビーズ、天然黒鉛、および人造黒鉛の少なくとも1つ、もしくはこれらの混合物からなることがより好ましい。
また、本発明の非水電解液二次電池用カーボン電極は、通気性を有するカーボン集電体と、前記カーボン集電体上に配置され、所定のパターン状に形成されたカーボン系活物質層と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の非水電解液二次電池は、上記に記載の非水電解液二次電池用カーボン電極と、前記非水電解液二次電池用カーボン電極の前記カーボン系活物質層に対向するように配置された第二活物質層を有し、前記非水電解液二次電池用カーボン電極とともに積層もしくは巻回された第二電極と、前記カーボン系活物質層と前記第二活物質層との間に配置されたセパレータと、を備えることを特徴としている。
また、本発明の非水電解液二次電池は、上記に記載の非水電解液二次電池用カーボン電極を備え、前記非水電解液二次電池用カーボン電極の前記カーボン集電体において前記カーボン系活物質層が形成されていない部分を、外部への電気取り出し端子とすることを特徴としている。
本発明の非水電解液二次電池用カーボン電極および非水電解液二次電池によれば、高性能かつ高寿命なものにすることができる。また、本発明の非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法によれば、そのような非水電解液二次電池用カーボン電極を容易に低コストで製造することができる。
本発明の一実施形態の非水電解液二次電池の側面の断面図である。 同非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法を説明する母型の側面の断面図である。 同非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法を説明する母型で樹脂版を作製した状態の側面の断面図である。 同非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法を説明する樹脂版の凹部に活物質層形成用スラリーを充填させた状態の側面の断面図である。 同非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法を説明する活物質層形成用スラリーにカーボン集電体を接合させた状態の側面の断面図である。 同非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法で製造された非水電解液二次電池用カーボン電極の側面図である。
以下、本発明に係る非水電解液二次電池(以下、単に「二次電池」とも略称する。)の一実施形態を、図1から図6を参照しながら説明する。
図1に示すように、本二次電池1は、負極である本発明の二次電池用カーボン電極10と、正極である第二電極20と、二次電池用カーボン電極10と第二電極20との間に配置されたセパレータ30とを備えている。
本実施形態では、二次電池用カーボン電極10、第二電極20、およびセパレータ30は、金属などで形成された外装体40内に収容されている。外装体40内には、図示はしないが電解液が満たされている。
二次電池用カーボン電極10は、通気性(ガス透過性)を有するカーボン集電体11と、カーボン集電体11上に配置されたカーボン系活物質層12とを備えている。
この例では、カーボン集電体11はカーボン(炭素)を含有する多孔質材料で形成されている。ここで言う多孔質材料とは、厚さ方向の一方の外面から他方の外面まで連通する孔が多数形成されている材料のことを意味する。この孔は、気体は透過させるが、液体は透過させない程度の大きさであることが好ましい。
カーボン集電体11には、良導電性の材料を用いることが好ましい。導電性が乏しいと、電池全体の抵抗が上がり特性が低下する。具体的には、カーボン集電体11として、カーボンペーパー、カーボンクロス、およびカーボン不織布のいずれか1つを用いたり、カーボンペーパー、カーボンクロス、およびカーボン不織布の2つ以上を用いたりすることができる。
通気性の面から見ると、カーボン集電体11に占める孔の割合(以下、「空孔率」と称する。)は大きい方が好ましい。しかし、空孔率が大きくなるとカーボン集電体11の強度が低下するので、空孔率はカーボン集電体11の使用に問題の無い範囲内で大きく設定することが好ましい。
カーボン系活物質層12を構成するカーボン系活物質は、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な化合物であれば特に限定することなく用いることができる。カーボン系活物質としては、具体的には、アモルファスカーボン、グラファイト、メゾカーボンマイクロビーズ(MCMB)、天然黒鉛、および人造黒鉛などの少なくとも1つ、また、アモルファスカーボン、グラファイト、メゾカーボンマイクロビーズ、天然黒鉛、および人造黒鉛などの混合物を好適に用いることができる。これらの中でも、コストが安価で扱いやすいことから、人造黒鉛や天然黒鉛が特に好適に用いられる。
本実施形態では、カーボン系活物質層12は、カーボン集電体11の厚さ方向Dに見たときに所定のパターン状、例えば矩形状に形成されるとともに、カーボン集電体11の外形より小さく形成されている。カーボン系活物質層12は、厚さ方向Dに見たときにカーボン集電体11の中央部に形成されている。
カーボン集電体11においてカーボン系活物質層12が形成されていない部分である縁部11aは、カーボン系活物質層12で発生した電流が取り出される電気取り出し端子となっている。縁部11aにはリード線16の一端が接続され、リード線16の他端は外装体40を通して外部に引き出されている。
第二電極20は、公知の正極の構成を有していて、第二集電体21と、第二集電体21上に配置された第二活物質層22とを有している。第二活物質層22は、厚さ方向Dに見たときにカーボン系活物質層12と同形状であって、第二集電体21の外形より小さく形成されている。
第二集電体21において第二活物質層22が形成されていない部分である縁部21aは、電気取り出し端子とされている。縁部21aにはリード線26の一端が接続され、リード線26の他端は外装体40を通して外部に引き出されている。
第二電極20は、第二活物質層22が二次電池用カーボン電極10のカーボン系活物質層12に対向するように配置された状態で、カーボン系活物質層12と第二活物質層22との間にセパレータ30を挟んで積層されている。
セパレータ30は公知の構成のものであり、電子を電動させずイオンのみを伝導させる機能を有している。
このように構成された二次電池1は、二次電池用カーボン電極10のカーボン系活物質層12と第二電極20の第二活物質層22とを反応させることで、カーボン系活物質層12と第二活物質層22との間に電流が発生する。この電流は、集電体11、21、リード線16、26を介して外部に取り出される。
次に、以上のように構成された二次電池用カーボン電極10を製造する本実施形態の二次電池用カーボン電極10の製造方法について説明する。
(樹脂版の製造工程)
まず、図2に示すように、凸部101を有する母型100を用意する。この凸部101は、カーボン系活物質層12のパターンを形成するためのものであり、このカーボン系活物質層12と同一の形状に形成されている。
母型100を形成する材料としては、表面が平滑であり、硬く変形しづらく、後述するように母型100に塗布する液状樹脂111に侵食されにくいものが好ましい。表面が平滑であり、硬く変形しづらい材料を選択することにより、後述する樹脂版110の形状精度が向上し、良好なカーボン系活物質層12の形成が可能となる。また、液状樹脂111に侵食されないことにより、樹脂版110の剥離が容易となり、1つの母型100から繰り返し樹脂版110を作製でき、製造コストを低減できる。樹脂材料によらず汎用的に選択できる母型100の材料としては、ステンレス等の金属、ガラスが挙げられる。
母型100の凸部101の形成方法としては、母型100に使用される材料によるが、切削、エッチングが挙げられる。ここで、エッチング方法を採用する場合には、サイドエッチングにより、材質平面に対して垂直な側面を有する凸部101が形成できない可能性があるため、適宜選択する必要がある。また、使用する液状樹脂111によっては、フォトリソグラフィ法によりレジストを凸形状に形成させて、凸部101を形成してもよい。
続いて、図3に示すように、母型100の凸部101が形成されている側の面に、凸部101を含む範囲に液状樹脂111を塗工する。液状樹脂111を硬化させることで、後述する樹脂版110が作製される。
液状樹脂111の形態としては、樹脂そのものが液状であるもの、溶媒に溶解させて液状としたもの、熱可塑性樹脂を熱により液状としたものなどを使用することかできる。ただし、熱変化により硬化する形態のものは、母型100の変形を招いたり、後述する活物質層形成用スラリー12aの乾燥温度が限定されたりするため好ましくない。以上、材質を含め考慮すると、液状樹脂111には、室温での自己硬化およびUV硬化が可能である液状のシリコン樹脂を好適に用いることができる。
なお、液状樹脂111は、硬化時にゴム弾性を有するものを用いることが好ましい。
液状樹脂111を母型100に塗布する方法としては、ダイコート、スリットコート、リップコート、ダイレクトコート等の各種塗布方法が挙げられるが、特に限定されない。いずれの方法によっても、母型100の凸部101の高さよりも十分大きい膜厚で液状樹脂111を塗布することにより、液状樹脂111のレベリング作用により、母型100の凹部(凸部101の周辺部分。)に液状樹脂111が浸透し、母型100の凸部101の形状を確実に転写することが可能である。
なお、樹脂版110の形状を安定させ、ハンドリング性を良好とするために、後述する樹脂版110の凹部112の厚みは1mm以上であることが好ましい。
母型100に塗布した液状樹脂111を冷却することなどにより硬化させて、液状樹脂111から樹脂版110を作製する。この樹脂版110には、母型100の凸部101の形状を転写した凹部112が形成される。
樹脂版110に使用される材料としては、適度な柔軟性および通気性があれば、特に限定されない。樹脂版110が柔軟性を有することで、母型100およびカーボン系活物質層12からの剥離性が良好となり、成形性が向上する。しかし、樹脂版110の柔軟性が高すぎると、樹脂版110が変形してカーボン系活物質層12の形状が不安定となる恐れがある。また、樹脂版110の通気性が乏しいと、後述する活物質層形成用スラリー12aの乾燥時間が長くなり、生産性が低下する。
次に、作成した樹脂版110を母型100から剥離する。
(カーボン系活物質層の転写工程)
図4に示すように、樹脂版110を凹部112が上方を向くように載置し、凹部112のみに活物質層形成用スラリー12aを充填する。
活物質層形成用スラリー12aは、カーボン系活物質、導電補助剤、バインダー樹脂、および分散媒の混合物からなるスラリーである。スラリーの混合には、高せん断を付与することの出来る混練機を使用することが好ましい。混練機は、具体的には、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、超音波分散機等の分散機、プラネタリーミキサー、ニーダー、ホモジナイザー、超音波穂ホモジナイザー、ディスパージャー等のブレード型攪拌機が挙げられる。
導電補助剤は、電極材料である集電基材の導電性を確保でき、かつ、充放電反応において化学反応を起こさない物質を適宜選択する必要がある。また、少量で効率良く電子を伝導するか、活物質やバインダーとの馴染み具合により適宜選択するとよい。
導電補助剤として、具体的には、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンウィスカー、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンナノ粒子およびナノチューブ、酸化チタン、酸化ルテニウム、アルミニウム、ニッケル等の金属粉やファイバーおよびこれらの混合物が挙げられる。この中でもアセチレンブラック、ケッチェンブラックが特に好ましい。
バインダー樹脂は、分散媒に対して化学的に安定な高分子を適宜選択する必要がある。バインダー樹脂として具体的にはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、芳香族ポリアミド等の樹脂系高分子、スチレン・ブタジエンラバー(SBR)、エチレン・プロピレンラバー等のゴム系高分子、ポリアクリル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、エポキシ樹脂、ベークライト、フッ素系高分子等が挙げられる。フッ素系高分子としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−塩化3フッ化エチレン(CTFE)共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレンフッ素ゴム、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンフッ素ゴム、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテルフッ素ゴム等が挙げられる。
これらの中でも、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系高分子やスチレン・ブタジエンラバー(SBR)、エチレン・プロピレンラバー等のゴム系高分子が好ましい。中でも、加工工程での熱量を抑えられる、水系の溶媒を用いることが可能であり、工業的に用いる場合、環境負荷の低減、分散媒回収が不必要でありコスト低減が図れることから、低融点のSBRを使用することがより好ましい。
分散媒は、使用する固形分が分散しやすい材料を適宜選択する必要がある。具体的には、水や、水にエタノール、N−メチルピロリドン(NMP)等を混合した水系分散媒、NMP等の環状アミド系、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の直鎖上アミド系、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
活物質層形成用スラリー12a中の各固形分の配合比については、使用される材料によるが、導電材は、活物質100質量部に対し、0.5質量部以上20質量部以下、好ましくは1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。また、バインダー樹脂に関しては、活物質100質量部に対し、5質量部以上20質量部以下、好ましくは1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。結着材が前記の上限以上では、活物質の割合が減り、電池容量の低下が起こり、下限以下では活物質同士や活物質と集電基材の密着性の劣化が起こる恐れがある。また、分散媒に対する固形分濃度は、使用する材料にもよるが、50質量%以上が好ましく、さらに好ましい条件としては40質量%以上、55質量%以下である。上限以上では固形分の凝集が起こり、下限以下では固形分の沈降が起こる恐れがある。
樹脂版110の凹部112に活物質層形成用スラリー12aを充填する方法は、母型100に液状樹脂111を塗布する方法と同様に、ダイコート、スリットコート、リップコート、ダイレクトコート等の各種塗布方法が挙げられる。これらの塗布方法を用いた場合は、樹脂版110の凸状部(凹部112の縁部を形成する部分。)の表面をスキージで掻くことにより凹部112以外に塗布された活物質層形成用スラリー12aを除去する工程が必要となる。
除去された活物質層形成用スラリー12aは、回収することで再度使用することが可能である。活物質層形成用スラリー12aのロスがないことで、低コストで二次電池用カーボン電極10を製造できる。
スキージの材質としては、使用する樹脂版110の材料により適宜選択する必要があり、樹脂版110の表面を傷つけないために、樹脂版110のよりも硬度が低い材質が好ましい。また、ディスペンサー等により、樹脂版110の凹部112に直接スラリーの充填する方法は、前記の樹脂版110の凸状部の表面をスキージで掻く工程が省略でき、大変有効である。
続いて、図5に示すように、充填させた活物質層形成用スラリー12aとカーボン集電体11とが接合(接触)するように、樹脂版110の凹部112側の面にカーボン集電体11を積層する。
活物質層形成用スラリー12aが充填された樹脂版110の凹部112とカーボン集電体11とを接合する方法は、金属ロールプレス法、ゴムロールプレス法、平板プレス法が挙げられる。押し付け圧およびギャップを調整することにより、凹部112の形状を保持した状態で、かつ接合時に凹部112とカーボン集電体11との間に混入する空気を押し出し、強固に接着させることが可能である。
この状態で活物質層形成用スラリー12aを乾燥させてカーボン系活物質層12とした後で、カーボン集電体11およびカーボン系活物質層12から樹脂版110を剥離する。これにより、カーボン系活物質層12をカーボン集電体11に転写する
活物質層形成用スラリー12aを乾燥させる方法は、温風乾燥、熱風乾燥、真空乾燥、遠赤外乾燥、恒温高湿乾燥が挙げられる。樹脂版110の凹部112とカーボン集電体11とを接合した状態で乾燥させることにより、樹脂版110の凹部112の形状を保持した状態で、カーボン集電体11の空孔から溶媒が効率的に除去され、均一に乾燥が行われるため、形状精度の良好なカーボン系活物質層12を形成することが可能である。また、さらに乾燥時間を早めるため、樹脂版110の凹部112とカーボン集電体11とを接合する前に、ある程度活物質層形成用スラリー12aの乾燥を行っても良いが、過剰に乾燥が進行すると、カーボン集電体11に対して活物質層形成用スラリー12aの濡れ性が悪くなり、転写不良が起きる懸念がある。
カーボン系活物質層12から樹脂版110を剥離する工程は、カーボン集電体11の主面に対して平行に近い方向に樹脂版110を巻き取らせるように剥離するのが好ましい。垂直方向(カーボン集電体11の厚さ方向。)に近い方向に剥離を行うと、カーボン系活物質層12の角部に対してかかる応力が大きくなり、カーボン系活物質層12を破壊してしまう恐れがある。また、比較例としてカーボン集電体が箔である場合は、カーボン集電体を巻き取らせるように剥離することが可能であるが、カーボン系活物質層12の付近にかかる応力が大きくなり、箔が折れ、電池設計上で不具合が生じる可能性がある。
以上の工程により、図6に示すように、カーボン集電体11上に、所定のパターン状のカーボン系活物質層12が形成された二次電池用カーボン電極10を製造することができる。
なお、このように製造された二次電池用カーボン電極10を用いて、さらに以下の工程を行うことで本発明の二次電池1が製造される。
すなわち、二次電池用カーボン電極10の縁部11aに、リード線16の一端を接続する。公知の方法で製造された第二電極20の縁部21aに、リード線26の一端を接続する。二次電池用カーボン電極10と第二電極20とを、二次電池用カーボン電極10のカーボン系活物質層12と第二電極20の第二活物質層22とがセパレータ30を挟んで対向するように積層させる。積層させた二次電池用カーボン電極10、セパレータ30、および第二電極20を、電解液を満たした状態で外装体40内に収容する。
以上説明したように、本実施形態の二次電池用カーボン電極10、二次電池1、および二次電池用カーボン電極10の製造方法によれば、活物質層形成用スラリー12aを乾燥させてカーボン系活物質層12とするときに、カーボン集電体11は通気性を有しているため、活物質層形成用スラリー12a中の溶媒がカーボン集電体11の空孔を通して効率的に外部に除去される。したがって、活物質層形成用スラリー12aの乾燥が均一に行われて乾燥後のカーボン系活物質層12の硬度も均一になり、カーボン系活物質層12に脆くて欠けやすい部分が生じるのを抑制することができる。これにより、カーボン系活物質層12が長期間にわたり所期の性能を維持することができるようになり、高性能かつ高寿命な二次電池用カーボン電極10および二次電池1とすることができる。
また、カーボン系活物質層12が欠けやすくなるのが抑制されるため、カーボン系活物質層12を安定して製造することができ、二次電池用カーボン電極10を低コストで製造することができる。これにより、比較的厚いカーボン系活物質層12であっても容易かつ安定的に製造することができ、二次電池用カーボン電極10の容量を大きくすることができる。
さらに、二次電池用カーボン電極10および二次電池1に生産性を向上させることができる。
液状樹脂111としてシリコン樹脂を用いることで、液状樹脂を硬化させる際に母型100が変形するのを抑えたり、活物質層形成用スラリー12aの乾燥温度が限定さるのを抑制したりすることができる。
カーボン集電体11が多孔質材料で形成されているため、カーボン集電体11の全体にわたり通気性がより均一に高められる。このため、活物質層形成用スラリー12aの乾燥をより均一に行うことができる。
カーボン集電体11の縁部11aに設けられた電気取り出し端子は電気抵抗が小さいため、カーボン系活物質層12から外部に電流を取り出す際の損失を低減させることができる。
本発明の二次電池用カーボン電極の製造方法では、所定のパターンの凸部101を有する母型100に、液状樹脂111を塗工後、硬化し、凹部112を有する樹脂版110を作製する工程と、前記樹脂版110の凹部112のみに活物質層形成用スラリー12aを充填し、その充填した活物質層形成用スラリー12aにカーボン集電体11を接触させることで当該カーボン集電体11と接合させる工程と、活物質層形成用スラリー12aを乾燥させた後に前記樹脂版110を剥離し、カーボン系活物質層12を上記カーボン集電体11に転写する工程を用いることにより、カーボン集電体11上に所定のパターン状に形成されたカーボン系活物質層12を形状精度よく、かつ厚膜で一括形成することが可能である。
これにより、高容量の両極の活物質が効率的に利用され、高性能かつ高寿命な二次電池用カーボン電極10を提供できる。さらには、安価で繰り返し利用が可能である樹脂を使用すること、またスラリーのロスがないことから、低コストで二次電池用カーボン電極10を提供できるようになる。
前記のように作製した二次電池用カーボン電極10は、エネルギー密度や導電性の向上のため、必要に応じてプレスを行ってもよい。プレス方法としては、金属ロールプレス法、ゴムロールプレス法、平板プレス法が挙げられる。
プレス後の活物質塗膜、すなわちカーボン系活物質層12の嵩密度は、1.0g/cm以上3.0g/cm以下であることが好ましい。嵩密度が上述の範囲を越えると、カーボン系活物質層12に空隙がほとんど存在しなくなり、有機電解液がカーボン系活物質層12に浸透できず、電池性能の低下を招く。また、嵩密度が上述の範囲未満であると、結着材が集電基材付近にほとんど存在できないため、カーボン系活物質層12と集電基材との密着不良の原因となる。
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更なども含まれる。
たとえば、前記実施形態では、カーボン集電体11は多孔質材料で形成されているとした。しかし、例えば、シート状のカーボン集電体に、細径の孔が形成されたパンチングメタルのように多数の孔を後加工により形成することで、カーボン集電体が通気性を有するように構成してもよい。特に前記実施形態の場合には、活物質層形成用スラリー12aの上方にカーボン集電体11を配置した状態で活物質層形成用スラリー12aを乾燥させるため、カーボン集電体11に形成した孔から活物質層形成用スラリー12aが外部に流れ出ることはないので有効である。
前記実施形態では、二次電池用カーボン電極10と第二電極20とが積層されて二次電池1を構成しているとした。しかし、二次電池用カーボン電極10と第二電極20とが巻回されて二次電池を構成しているとしてもよい。
前記実施形態では、所定のパターン状とは、厚さ方向Dに見たときに矩形状であるとしたが、この形状に限定されない。例えば、厚さ方向Dに見たときに、所定のパターン状が円形状、縞状、格子状などであってもよい。
(実施例)
以下、本発明の実施例を説明する。但し、実施例が本発明を制限するものではない。
200mm角、厚さ3mmのステンレス板(日立金属株式会社製、SUS304)の中央100mm角を残して外側を深さ200μmで切削加工を施し、100mm角の凸部101を有する母型100を作製した。
続いて、液状樹脂111として、シリコーンゴムTSE3402(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアル・ジャパン合同会社製。)の主剤と硬化剤を混合し、十分撹拌したもの用意した。この液状樹脂111を母型100上にダイコーターにより塗布し、平面性の良好な場所に静置し、25℃で48時間放置し樹脂を硬化させて樹脂版110を作製した。最後に、母型100から樹脂版110を剥離することで、母型100の凸部101とは逆形状の凹部112を有する樹脂版110が得られた。
得られた樹脂版110は、中央に100mm角、深さ200μmの凹部112を有し、樹脂版110の全体の厚みは2mmであった。
次に、樹脂版110の凹部112に、ディスペンサーを用いて活物質層形成用スラリー12aを凹部112が完全に埋まるまで充填した。
活物質層形成用スラリー12aは、活物質として天然黒鉛(日立化成工業株式会社製 SMG)90質量部、導電補助材として人造黒鉛(ティムカル・グラファイト・アンド・カーボン社製 SFG−6)10質量部、バインダー樹脂としてPVDF(PolyVinylidene DiFluoride、ポリフッ化ビニリデン、株式会社クレハ製 #7200)3質量部に、分散媒としてNMP(N−メチル−2−ピロリドン(N−methylpyrrolidone、三菱化学株式会社製)を固形分60質量部になるように適宜添加し、プラネタリーミキサーで120分、混合することで作製した。
続いて、樹脂版110の活物質層形成用スラリー12aを充填した凹部112側上に、カーボン集電体11を平行に配して所定位置に合わせ、ロールラミネータにより活物質層形成用スラリー12aとカーボン集電体11とを接合した。カーボン集電体11としてカーボンペーパー EC−TP1−030(東レ株式会社製、厚さ30μm。)を用い、ラミネート条件は、ロール間ギャップ2mm、25℃、0.3MPaで行った。
次に、前記接合体を熱風式オーブンに投入して、120℃で活物質層形成用スラリー12aを乾燥させた後、樹脂版110を剥離し、カーボン集電体11の所定位置に厚さ200μmのカーボン系活物質層12が形成された二次電池用カーボン電極10を得た。
(比較例)
実施例で用いたカーボン集電体11に代えて、厚さ12μmの銅箔(三井金属鉱業株式会社製)を用いた構成とし、前記銅箔以外は実施例と同様に二次電池用カーボン電極を作製した。
(評価)
実施例は比較例に比べて、乾燥時間を短縮することができた。具体的には、比較例に対して実施例は、乾燥時間が30%程度短縮された。
また、カーボン系活物質層のパターン形状を観察したところ、実施例、比較例ともに端部の直線性が良好であり、所定のパターンと同形状の100mm角の正方形状パターンであった。しかし、比較例では端部において一部欠損が確認された。すなわち、比較例においては、実施例より長く乾燥させてもカーボン系活物質層の一部に欠損が生じていた。
以上により、実施例の二次電池用カーボン電極10は所定のパターンに対して形状精度の良好なカーボン系活物質層12を有しており、カーボン系活物質が均一に有効利用され、高性能かつ高寿命となる。
1 二次電池(非水電解液二次電池)
10 二次電池用カーボン電極(非水電解液二次電池用カーボン電極)
11 カーボン集電体
11a 縁部(電気取り出し端子)
12 カーボン系活物質層
12a活物質層形成用スラリー
20 第二電極
22 第二活物質層
30 セパレータ
100 母型
101 凸部
110 樹脂版
111 液状樹脂
112 凹部

Claims (9)

  1. 通気性を有するカーボン集電体上に、所定のパターン状にカーボン系活物質層を形成する非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法であって、
    前記パターンを形成するための凸部を有する母型に液状樹脂を塗工し、前記液状樹脂を硬化させることで、前記凸部の形状を転写した凹部を有する樹脂版を作製する工程と、
    前記樹脂版の前記凹部にカーボン系活物質を含む活物質層形成用スラリーを充填させ、前記活物質層形成用スラリーに前記カーボン集電体を接合させる工程と、
    前記活物質層形成用スラリーを乾燥させて前記カーボン系活物質層とした後で、前記カーボン系活物質層から前記樹脂版を剥離する工程と、
    を備えることを特徴とする非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法。
  2. 前記液状樹脂は、シリコン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法。
  3. 前記活物質層形成用スラリーは、前記カーボン系活物質、導電補助剤、バインダー樹脂、および分散媒の混合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法。
  4. 前記カーボン集電体が、多孔質材料で形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法。
  5. 前記カーボン集電体が、カーボンペーパー、カーボンクロス、およびカーボン不織布の少なくとも1つであることを特徴とする請求項4に記載の非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法。
  6. 前記カーボン系活物質は、アモルファスカーボン、グラファイト、メゾカーボンマイクロビーズ、天然黒鉛、および人造黒鉛の少なくとも1つ、もしくはこれらの混合物からなることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池用カーボン電極の製造方法。
  7. 通気性を有するカーボン集電体と、
    前記カーボン集電体上に配置され、所定のパターン状に形成されたカーボン系活物質層と、
    を備えることを特徴とする非水電解液二次電池用カーボン電極。
  8. 請求項7に記載の非水電解液二次電池用カーボン電極と、
    前記非水電解液二次電池用カーボン電極の前記カーボン系活物質層に対向するように配置された第二活物質層を有し、前記非水電解液二次電池用カーボン電極とともに積層もしくは巻回された第二電極と、
    前記カーボン系活物質層と前記第二活物質層との間に配置されたセパレータと、
    を備えることを特徴とする非水電解液二次電池。
  9. 請求項7に記載の非水電解液二次電池用カーボン電極を備え、
    前記非水電解液二次電池用カーボン電極の前記カーボン集電体において前記カーボン系活物質層が形成されていない部分を、外部への電気取り出し端子とすることを特徴とする非水電解液二次電池。
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