JP2014066974A - 着色液体、及び分離液状着色組成物 - Google Patents

着色液体、及び分離液状着色組成物 Download PDF

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由希枝 植村
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Abstract

【課題】 非極性溶媒中に着色剤である色素が添加されたエレクトロウエッティング方式又はエレクトロフルイディック方式のデバイスに使用する着色液体であって、極性溶媒との分離性に優れる着色液体、及びそれを使用した分離液状着色組成物を提供する。
【解決手段】 外部電場によって液体を移動もしくは変形させることにより、色あるいは明るさを変調する光変調方式のデバイスに使用する着色液体であって、前記着色液体が、非極性溶媒及び着色剤を含み、前記着色剤が、顔料(A)表面に、シロキサン結合を有する非水溶媒に可溶なポリマー(B)と、非水溶媒に可溶でありかつ重合後に不溶もしくは難溶になる少なくとも1種の重合性不飽和単量体(C)とを重合することにより得られるポリマー(P)を有する変性顔料である着色液体、及び前記着色液体と前記着色液体とは混和しない極性溶媒とを含有する分離液状着色組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、外部電場を利用して液体を移動させる変調方式、特にエレクトロウエッティングデバイス又はエレクトロフルイディックデバイスに使用する着色液体、及び分離液状着色組成物に関する。
外部電場を利用して液体を移動させる変調方式は、画像表示デバイス、あるいは光学シャッタ、光ピックアップ装置、液体光学レンズ等の光学素子として検討されている。これらの変調方式の代表的なものとしては、電気浸透(electroosmosis)方式、電気泳動(electrophoretic)方式、エレクトロフルイディック(electrofluidic)方式、エレクトロウェッティング(electrowetting)方式等がある。
この中でエレクトロウエッティング方式又はエレクトロフルイディック方式は、高いコントラスト比と広い視野角を有し、フロントライトやバックライトを必要としないため、消費電力のかからない画像表示デバイスとして検討がなされている。その原理は特許文献1及び2に記載されているように、「電気毛管」と呼ばれる概念に基づき、電圧の印加非印加により、非着色液体中に存在する着色液体からなる液滴を拡大ないし縮小(あるいは、着色液体中に存在する非着色液体からなる液滴を拡大ないし縮小)することで、着色画像を形成するものである。
このような、分離液状の非着色液体と着色液体とからなる液体(以下、分離液状着色液体と称す)は、分離即ち混和しない必要があることから、一般に、シリコンオイル等の非極性溶媒と、水やアルコール、エチレングリコール等の極性溶媒とが使用され、そのいずれかに着色剤が添加されている。
例えば極性溶媒中に着色剤を添加する例として、特許文献3には、極性溶媒中に、カチオンとアニオンとを組み合わせた常温溶融塩を含有するイオン性液体と、カルボキシル基、ヒドロキシル基、カルボニル基、スルホン基、水酸基、リン酸基などの官能基を有する自己分散型顔料を添加した着色液体を使用することが開示されている。また特許文献4には、特定の粘度と表面張力を有する極性溶媒中に顔料や染料を添加されてなる、特定の電気伝導度とイオン半径を有する着色液体を使用することが開示されている。
また、非極性溶媒中に着色剤を添加する例として、特許文献5には、デカン、デカリンもしくはテトラリン等の非極性溶媒中に、有機顔料および/または無機顔料、溶媒可溶性のまたは溶媒分散可能なポリマー分散剤、及び、アルデヒド樹脂またはケトン樹脂を添加した着色液体を使用することが開示されている。
特開平10−39800号公報 特開平10−74055号公報 特開2008−203282号公報 WO2011/017446号公報 特表2011−510336号公報
本発明の課題は、非極性溶媒中に着色剤である色素が添加されたエレクトロウエッティング方式又はエレクトロフルイディック方式のデバイスに使用する着色液体であって、極性溶媒との分離性に優れる着色液体、及びそれを使用した分離液状着色組成物を提供することにある。
本発明者らは、使用する着色剤として、樹脂で被覆された色素を使用することで、前記課題を解決することを見出した。
即ち本発明は、外部電場によって液体を移動もしくは変形させることにより、色あるいは明るさを変調する光変調方式のデバイスに使用する着色液体であって、前記着色液体が、非極性溶媒及び着色剤を含み、前記着色剤が、顔料(A)表面に、シロキサン結合を有する非水溶媒に可溶なポリマー(B)と、非水溶媒に可溶でありかつ重合後に不溶もしくは難溶になる少なくとも1種の重合性不飽和単量体(C)とを重合することにより得られるポリマー(P)を有する変性顔料である着色液体を提供する。
また本発明は、前記記載の着色液体、及び、前記着色液体とは混和しない極性溶媒とを含有する分離液状着色組成物を提供する。
また本発明は、前記記載の着色液体の、外部電場によって液体を移動もしくは変形させることにより、色あるいは明るさを変調する光変調方式のデバイスにおける画像を生成するための着色材としての使用を提供する。
本発明により、非極性溶媒中に着色剤である色素が添加されたエレクトロウエッティング方式又はエレクトロフルイディック方式のデバイスに使用する着色液体であって、極性溶媒との分離性に優れる着色液体、及びそれを使用した分離液状着色組成物を提供することができる。
(非極性溶媒)
本発明の着色液体で使用する非極性溶媒は、エレクトロウエッティングデバイス及びエレクトロフルイディックデバイスにおいて通常使用されている非極性溶媒であれば、特に限定はなく公知のものを使用できる。具体的には例えば、非水性の直鎖状および/または分枝状または環状の炭素原子数4〜30のアルカン、好ましくは、ペンタン、ヘキサン、へプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタン、メチルシクロへキサン、特に好ましくは、デカン、テトラデカン、ウンデカンおよびドデカンまたはこれらの任意の比率の混合物;直鎖状および/または分枝状および/または環状の炭素原子数1〜30のハロアルカン、好ましくはジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロシクロヘキサン、およびそれらの位置異性体;炭素原子数6〜22の芳香族化合物、好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、またはこれらの任意の比率の混合物;あるいは水素添加された炭素原子数10〜22の芳香族化合物、好ましくは、テトラリン、シス−デカリンおよびトランス−デカリン、またはこれらの任意の比率の混合物、特に好ましくは、シス−デカリンおよびトランス−デカリン;
ハロゲン化炭素原子数6〜22の芳香族化合物、好ましくは、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、ジクロロベンゼンまたはジフルオロベンゼン、トリクロロベンゼンまたはトリフルオロベンゼン、クロロナフタレンまたはフルオロナフタレン、およびそれらの位置異性体;直鎖状および/または分枝状および/または環状の炭素原子数4〜22のアルコール、好ましくは、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、またはシクロオクタノール、およびそれらの位置異性体;直鎖状および/または分枝状および/または環状のエーテル、好ましくは、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、tert−アミルメチルエーテル、tert−アミルエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジグリム、トリグリム、フラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロメチルフラン、ジオキソラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、メトキシベンゼン、メチルチオベンゼン、エトキシベンゼン、およびそれらの位置異性体;
直鎖状および/または分枝状および/または環状のケトン、好ましくは、アセトン、トリクロロアセトン、ブタノン、ペンタノン、ヘキサノン、ヘプタノン、オクタノン、ノナノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、アセチルアセトン、およびそれらの位置異性体;
直鎖状および/または分枝状および/または環状のニトロアルカン、好ましくは、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロシクロへキサン、およびそれらの位置異性体;
炭素原子数6〜22のニトロ芳香族化合物、好ましくはニトロベンゼン;直鎖状および/または分枝状および/または環状のアミン、好ましくは、tert−ブチルアミン、ジアミノエタン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、N−メチルアニリン、およびN,N−ジメチルアニリン、およびそれらの位置異性体;
ヘキサメチルジシラン、ジフェニルジメチルシラン、クロロフェニルトリメチルシラン、フェニルトリメチルシラン、 フェネチルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、フェニルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、ポリジメチルシロキサン、テトラフェニルテトラメチルトリシロキサン、ポリ(3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキサン)、3,5,7−トリフェニルノナメチルペンタシロキサン、3,5−ジフェニルオクタメチルテトラシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−1,3,3,5−テトラメチル−トリシロキサン、およびヘキサメチルシクロトリシロキサン等のシリコーンオイル;ハイドロフルオロエーテル、クロロジフルオロメタン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、ペンタフルオロエタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1−ジフルオロエタン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、オクタフルオロプロパン、または上記溶媒の任意の比率での混合物が包含される。
中でも、デカン、ドデカン、テトラデカン、デカリン、テトラリン、ポリジメチルシロキサンまたはそれらの混合物、またはそれらの物質を主成分として含むものが特に好ましい。
(着色剤)
本発明で使用する着色剤は、顔料(A)及びシロキサン結合を有する非水溶媒に可溶なポリマー(B)の存在下で、該非水溶媒に可溶でありかつ重合後に不溶もしくは難溶になる少なくとも1種の重合性不飽和単量体(C)を重合させて得る変性顔料であり、具体的には、顔料(A)表面に、シロキサン結合を有する非水溶媒に可溶なポリマー(B)と、非水溶媒に可溶でありかつ重合後に不溶もしくは難溶になる少なくとも1種の重合性不飽和単量体(C)とを重合することにより得られるポリマー(P)を有する変性顔料である。
なお、ポリマー(P)とは、最終的に変性顔料をコートするポリマーを総称したものであり、具体的には、ポリマー(B)と重合性不飽和単量体(C)の重合体とを総称したものである。
(着色剤:顔料(A))
本発明で使用する顔料(A)は、公知慣用の有機顔料あるいは無機顔料の中から選ばれる少なくとも一種の顔料である。また、本発明は未処理顔料、処理顔料のいずれでも適用することができる。
有機顔料としては、例えば、ペリレン・ペリノン系化合物顔料、キナクリドン系化合物顔料、フタロシアニン系化合物顔料、アントラキノン系化合物顔料、フタロン系化合物顔料、ジオキサジン系化合物顔料、イソインドリノン系化合物顔料、イソインドリン系化合物顔料、ジケトピロロピロール系化合物顔料、不溶性アゾ系化合物顔料、溶性アゾ系化合物顔料、縮合アゾ系化合物顔料、アニリンブラック顔料等が挙げられる。有機顔料の具体例を挙げると、例えば次の通りである。
ペリレン・ペリノン系化合物顔料としては、例えばC.I.PigmentViolet 29、C.I.Pigment Red 123、同149、同178、同179、C.I.Pigment Black 31、同32、C.I.Pigment Orange 43等の顔料が挙げられる。
キナクリドン系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Violet 19、同42、C.I.Pigment Red 122、同202、同206、同207、同209、C.I.Pigment Orange 48、同49等の顔料が挙げられる。
フタロシアニン系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、C.I.Pigment Green 7、同36等の顔料が挙げられる。
アントラキノン系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Yellow 24、同108、C.I.Pigment Red 168、同177、C.I.Pigment Orange 40等の顔料が挙げられる。
フタロン系化合物顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 138等の顔料が挙げられる。
ジオキサジン系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Violet 23、同37等の顔料が挙げられる。
イソインドリノン系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Yellow 109、同110、同173、C.I.Pigment Orange 61等の顔料が挙げられる。
イソインドリン系化合物顔料としては、例えばC.I.PigmentYellow 139、同185、C.I.Pigment Orange 66、C.I.Pigment Brown 38等の顔料が挙げられる。
ジケトピロロピロール系化合物顔料としては、例えばC.I.PigmentRed 254、同255等の顔料がある。
不溶性アゾ系化合物顔料としては、例えば C.I.Pigment Yellow 1、同3、同12、同13、同14、同17、同55、同73、同74、同81、同83、同97、同130、同151、同152、同154、同156、同165、同166、同167、同170、同171、同172、同174、同175、同176、同180、同181、同188、C.I.Pigment Orange 16、同36、同60、C.I.Pigment Red5、同22、同31、同112、同146、同150、同171、同175、同176、同183、同185、同208、同213、C.I.PigmentViolet 43、同44、C.I.Pigment Blue 25、同26等の顔料が挙げられる。
溶性アゾ系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Red 53:1、同57:1、同48等の顔料がある。
縮合アゾ系化合物顔料としては、例えば C.I.Pigment Yellow 93、同94、同95、同128、同166、C.I.PigmentOrange 31C.I.Pigment Red 144、同166、同214、同220、同221、同242、同248、同262、C.I.Pigment Brown 41、同42等の顔料がある。
アニリンブラック顔料としては、C.I.Pigment Black 1があげられる。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、硫化亜鉛、鉛白、亜鉛華、リトボン、アンチモンホワイト、塩基性硫酸鉛、塩基性ケイ酸鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、シリカ、カーボンブラック、鉄黒、チタンブラック、コバルトバイオレット、バーミリオン、モリブデンオレンジ、鉛丹、ベンガラ、黄鉛、カドミウムイエロー、ジンククロメート、イエローオーカー、酸化クロム、群青、紺青、コバルトブルー等が挙げられる。
(非水溶媒)
本発明で使用する非水溶媒としては、中でも、シリコーン系溶剤、脂肪族炭化水素溶剤、及び脂環式炭化水素溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの非水溶媒を含むことが好ましい。シリコーン系溶剤としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル等のストレートシリコーンオイル、環状ジメチルシリコーン等の環状ポリシロキサン、もしくは長鎖アルキル変性シリコーンオイル等の非反応性シリコーンオイルが挙げられる。脂肪族炭化水素溶剤や脂環式炭化水素溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ドデカン、イソオクタン、イソノナン、イソデカン、イソドデカン、シェルケミカルズ社製品の「ロウス」、エクソンモービルケミカル社製品の「アイソパーC」、「アイソパーE」、「アイソパーG」、「アイソパーH」、「アイソパーL」、「アイソパーM」、出光興産化学株式会社製品の「IPソルベント1016」、「IPソルベント1620」、「IPソルベント2028」もしくは「IPソルベント2835」、丸善石油化学株式会社製品の「マルカゾール8」等が挙げられる。
前記非水溶媒は、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい、また、本発明の効果を損なわない範囲において、他の有機溶剤を混合して使用してもよい。このような有機溶剤としては、具体的には例えば、トルエンもしくはキシレン等の芳香族炭化水素系溶剤類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−ブチルもしくは酢酸アミル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンもしくはシクロヘキサノン等のケトン類;またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノールもしくはn−ブタノール等のアルコール類が挙げられる。
混合して使用する際には、シリコーン系溶剤、脂肪族炭化水素溶剤、または脂環式炭化水素溶剤の使用量は50質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは60質量%以上である。
(シロキサン結合を有する非水溶媒に可溶なポリマー(B))
本発明で使用するシロキサン結合を有する非水溶媒に可溶なポリマー(B)は、後述の重合性不飽和単量体(C)と重合あるいは架橋させることが可能なことから、より好ましくは前記重合性不飽和基を有することが好ましい。
そのようなポリマーとしてはシロキサン結合(Si−O−)及び重合性不飽和基を含有する樹脂(BF)があげられる。
(非水溶媒に可溶な、シロキサン結合及び重合性不飽和基を含有する樹脂(BF))
本発明で使用する、シロキサン結合(Si−O−)及び重合性不飽和基を含有する樹脂(BF)は、具体的には例えば、後述の(1)〜(3)のいずれかのシロキサン結合を有する樹脂に、重合性不飽和基導入用化合物(X)を反応させて得た樹脂(BF)があげられる。
(1)のシロキサン結合を有する樹脂は、具体的には、公知の、ジメチルシリコーン(ポリジメチルシロキサン等)、メチルハイロドジェンシリコーン、メチルフェニルシリコーン(テトラフェニルテトラメチルトリシロキサン等)等のストレートシリコーンオイルの側鎖や末端に、後述の重合性不飽和基導入用化合物(X)と反応しうる反応性基、例えばアミノ基、エポキシ基、脂環式エポキシ基、メタクリル基、メルカプト基、カルボキシル基、ヒドロキシ基(ヒドロキシ基が末端となったポリエーテル基、カルビノール基、フェノール基、シラノール基等を含む)等の反応性基が導入された反応性シリコーンオイル(市販品としては例えば、信越化学工業株式会社の反応性の変性シリコーンオイルがあげられる。)があげられる。
(2)のシロキサン結合を有する樹脂は、具体的には、前記反応性シリコーンオイルと(メタ)アクリル酸を反応させて得た(メタ)アクリロイル基を有するシリコーンオイルと、汎用のラジカル重合性モノマーと、重合性不飽和基導入用化合物(X)と反応しうる反応性基を有するラジカル重合性モノマーとをラジカル共重合反応させて得た、反応性基及びシロキサン結合を有する(メタ)アクリル共重合体があげられる。
(3)のシロキサン結合を有する樹脂は、具体的には、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系モノマーと、汎用のラジカル重合性モノマーと、重合性不飽和基導入用化合物(X)と反応しうる反応性基を有するラジカル重合性モノマーとをラジカル共重合反応させて(メタ)アクリル共重合体を得、該シラノール基および/または加水分解性シリル基を、必要に応じて汎用のシラン化合物と混合し加水分解縮合反応させて得た、反応性基及びシロキサン結合を有する(メタ)アクリル共重合体があげられる。
前記重合性不飽和基導入用化合物(X)とは、具体的には、(メタ)アクリル酸や、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基と重合性不飽和基を有する化合物や、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基と重合性不飽和基を有する化合物等があげられる。
例えば重合性不飽和基導入用化合物(X)であるグリシジル(メタ)アクリレートと反応しうる、前記反応性基を有するラジカル重合性モノマーとしては、アクリル酸やメタクリル酸等のカルボキシル基含有重合性単量体や、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートやジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のアミノ基含有重合性単量体があげられる。
あるいは、重合性不飽和基導入用化合物(X)であるイソシアネートエチル(メタ)アクリレートと反応しうる、前記反応性基を有するラジカル重合性モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有単量体があげられる。
中でも、前記(2)や(3)の方法において、アクリル酸やメタクリル酸等のカルボキシル基含有単量体、あるいはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートやジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のアミノ基含有単量体を共重合しておき、そのカルボキシル基あるいはアミノ基とグリシジル(メタ)アクリレートを反応させる方法が最も簡便であり好ましい。
また、前記(2)や(3)の方法においては、重合の際にチオグリコール酸を連鎖移動剤として使用して共重合体末端にカルボキシル基を導入し、該カルボキシル基に、グリシジルメタクリレート等のグリシジル基と重合性不飽和基を有する単量体を反応させてもよいし、重合開始剤として、アゾビスシアノペンタン酸等のカルボキシル基含有アゾ開始剤を使用して共重合体にカルボキシル基を導入し、該カルボキシル基にグリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基と重合性不飽和基を有する単量体を反応させてもよい。
前記(3)で使用するシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系モノマーとしては、具体的には、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン等が挙げられる。中でも、加水分解反応を容易に進行でき、また反応後の副生成物を容易に除去することができることからビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
また、前記(3)で使用する汎用のシラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、iso−ブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等の各種のオルガノトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルシクロヘキシルジメトキシシランもしくはメチルフェニルジメトキシシラン等の、各種のジオルガノジアルコキシシラン類;メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシランもしくはジフェニルジクロロシラン等のクロロシラン類が挙げられる。中でも、加水分解反応が容易に進行し、また反応後の副生成物を容易に除去することが可能なオルガノトリアルコキシシランやジオルガノジアルコキシシランが好ましい。
また、前記(1)〜(3)で使用する前記汎用のラジカル反応性モノマーとしては特に限定はなく、公知のモノマーを使用することが可能である。またビニルモノマーも共重合可能である。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、;ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート等のω−アルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル系モノマー類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;クロトン酸メチル、クロトン酸エチル等のクロトン酸のアルキルエステル類;ジメチルマレート、ジ−n−ブチルマレート、ジメチルフマレート、ジメチルイタコネート等の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン等のフルオロオレフィン類;エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテル類;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−ビニルピロリドン等の3級アミド基含有モノマー類等が挙げられる。
また、前記(1)〜(3)における前記ラジカル共重合反応方法としては、溶剤、あるいは重合開始剤にも特に限定はなく、公知の方法によりビニル系重合体セグメントを得ることができる。例えば、塊状ラジカル重合法、溶液ラジカル重合法、非水分散ラジカル重合法等の種々の重合法により、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート等の重合開始剤を使用して得ることができる。
また(3)における加水分解縮合反応は、前記加水分解性基の一部が水などの影響で加水分解され水酸基を形成し、次いで該水酸基同士、あるいは該水酸基と加水分解性基との間で進行する縮合反応をいう。該加水分解縮合反応は、公知の方法で反応を進行させることができるが、前記製造工程で水と触媒とを供給することで反応を進行させる方法が簡便で好ましい。使用する触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、燐酸等の無機酸類;p−トルエンスルホン酸、燐酸モノイソプロピル、酢酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等の無機塩基類;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン酸エステル類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、モノエタノールアミン、イミダゾール、1−メチルイミダゾール等の各種の塩基性窒素原子を含有する化合物類;テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩等の各種の4級アンモニウム塩類であって、対アニオンとして、クロライド、ブロマイド、カルボキシレートもしくはハイドロオキサイドなどを有する4級アンモニウム塩類;ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、オクチル酸錫又はステアリン酸錫など錫カルボン酸塩等が挙げられる。触媒は単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
前記触媒の添加量に特に限定はないが、一般的には前記シラノール基または加水分解性シリル基を有する各々の化合物全量に対して、0.0001〜10重量%の範囲で使用することが好ましく、0.0005〜3重量%の範囲で使用することがより好ましく、0.001〜1重量%の範囲で使用することが特に好ましい。
また、供給する水の量は、前記シラノール基または加水分解性シリル基を有する各々の化合物が有するシラノール基または加水分解性シリル基1モルに対して0.05モル以上が好ましく、0.1モル以上がより好ましく、特に好ましくは、0.5モル以上である。
これらの触媒及び水は、一括供給でも逐次供給であってもよく、触媒と水とを予め混合したものを供給しても良い。またこの時の反応温度は、0℃〜150℃の範囲が適切であり、好ましくは、20℃〜100℃の範囲内である。また、反応の圧力としては、常圧、加圧下又は減圧下の、いずれの条件においても行うことができる。また、前記加水分解縮合反応において生成しうる副生成物であるアルコールや水は、必要に応じ蒸留などの方法により除去してもよい。
(非水溶媒に可溶でありかつ重合後に不溶もしくは難溶になる重合性不飽和単量体(C))
本発明で使用する、該非水溶媒に可溶でありかつ重合後に不溶もしくは難溶になる重合性不飽和単量体(C)とは、具体的には例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレートもしくはi−プロピル(メタ)アクリレート、または(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルもしくはフッ化ビニリデンのようなオレフィン類などの、いわゆる反応性極性基(官能基)をもたないビニル系モノマー類;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドもしくはアルコキシ化N−メチロール化(メタ)アクリルアミド類などのアミド結合含有ビニル系モノマー類;
ジアルキル〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕ホスフェート類もしくは(メタ)アクリロイロキシアルキルアシッドホスフェート類、またはジアルキル〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕ホスファイト類もしくは(メタ)アクリロイロキシアルキルアシッドホスファイト類;上記(メタ)アクリロイロキシアルキルアシッドホスフェート類ないしはアシッドホスファイト類のアルキレンオキシド付加物やグリシジル(メタ)アクリレートやメチルグリシジル(メタ)アクリレートなどエポキシ基含有ビニル系モノマーとリン酸または亜リン酸あるいはこれらの酸性エステル類とのエステル化合物をはじめ、3−クロロ−2−アシッドホスホキシプロピル(メタ)アクリレートなどのリン原子含有ビニル系モノマー類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレートもしくはモノ−2−ヒドロキシエチルモノブチルフマレートまたは、ポリプロピレングリコールもしくは、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、あるいは「プラクセルFM、FAモノマー」(株式会社ダイセル製のカプロラクトン付加モノマー)等の重合性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類またはこれらとε−カプロラクトンとの付加物などをはじめ、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸もしくはシトラコン酸等の不飽和モノ−ないしはジカルボン酸をはじめ、これらのジカルボン酸と1価のアルコールとのモノエステル類などの重合性不飽和カルボン酸類、または前記の重合性不飽和カルボン酸ヒドロキシアルキルエステル類とマレイン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘンゼントリカルボン酸、ベンゼンテトラカルボン酸、テトラクロルフタル酸もしくはドデシニルコハク酸等のポリカルボン酸の無水物との付加物のような各種の不飽和カルボン酸類と「カージュラE」、やし油脂肪酸グリシジルエステルもしくはオクチル酸グリシジルエステル等の1価のカルボン酸のモノグリシジルエステルまたはブチルグリシジルエーテル、エチレンオキシド、もしくはプロピレンオキシド等のモノエポキシ化合物との付加物またはこれらとε−カプロラクトンとの付加物あるいはヒドロキシビニルエーテルのような水酸基含有重合性不飽和単量体類;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類;グリシジル(メタ)アクリレート、(β−メチル)グルシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグルシジルエーテルもしくは重合性不飽和カルボン酸類またはモノ−2−(メタ)アクリロイルオキシモノエチルフタレート等の水酸基含有ビニルモノマーと前記ポリカルボン酸無水物との等モル付加物等の各種の不飽和カルボン酸に、「エピクロン200」、「エピクロン400」、「エピクロン441」、「エピクロン850」もしくは「エピクロン1050」(DIC(株)製のエポキシ樹脂)、または「jER828」、「jER1001」もしくは「jER1004」(三菱化学株式会社製エポキシ樹脂)、または「デナコールEX−611」(ナガセケミテックス株式会社製)のエポキシ化合物等の、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する各種のポリエポキシ化合物を等モル比で付加反応させて得られるエポキシ基含有重合性化合物などのエポキシ基含有重合性不飽和単量体類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−ヘキサメチレンジイソシアネート等モル付加物や、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基とビニル基とを有するモノマーなどのイソシアネート基含有α,β−エチレン性不飽和単量体類;ビニルエトキシシラン、α−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシロキシエチル(メタ)アクリレート等のシリコーン系モノマー類などのアルコキシシリル基含有重合性不飽和単量体類;
そして、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸もしくはシトラコン酸等の不飽和モノ−もしくはジカルボン酸をはじめ、これらのジカルボン酸と1価アルコールとのモノエステル類などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸類、または2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレート、モノ−2−ヒドロキシエチル−モノブチルフマレートもしくはポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のα,β−不飽和カルボン酸ヒドロアルキルエステル類とマレイン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ベンゼントリカルボン酸、ベンゼンテトラカルボン酸、テトラクロルフタル酸もしくはドデシニルコハク酸等のポリカルボン酸の無水物との付加物などのカルボキシル基含有α,β−エチレン性不飽和単量体類などがある。
中でも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等の炭素原子数3以下のアルキル(メタ)アクリレート類の使用が好ましい。さらに、顔料表面の表面特性を変化させ、顔料分散剤あるいは顔料分散樹脂との相互作用を高めるために、少なくとも1種のカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシル基、ジメチルアミノ基等の官能基を含有する重合性不飽和単量体を、共重合する事が好ましい。
また、変性顔料の使用時に顔料からポリマーを溶出させないために、該ポリマーは架橋していると尚好ましい。架橋成分として使用する多官能重合性不飽和単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、あるいは、(メタ)アクリロイル基及びシロキサン結合を有する化合物(例えば信越化学工業株式会社製の「X−22−146」等があげられる)があげられる。
また、少なくとも1種の該非水溶媒に可溶でありかつ重合後に不溶もしくは難溶になる重合性不飽和単量体(C)を必須成分とするポリマーが該非水溶媒系で溶解しない使用範囲において、その他の重合性不飽和単量体を使用してもよい。その他の重合性不飽和単量体としては、例えば前述の炭素原子数4個以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートや前記のアルキル(メタ)アクリレート以外の使用が可能な重合性不飽和単量体が挙げられる。
例えば、炭素原子数6〜25の鎖状炭化水素基、炭素原子数6〜20の環状炭化水素基、ジメチルシロキシ基、トリメチルシロキシ基、及びパーフルオロアルキル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を有するような単量体を使用することも可能である。具体的には、例えば、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートといった鎖状炭化水素基含有単量体や、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートといった環状炭化水素基含有単量体、JNC(株)製品「サイラプレンTM−0701」といったトリメチルシロキシ基を有する単量体、JNC(株)製品「サイラプレンFM−0711」、「サイラプレンFM−0721」といったジメチルシロキシ基を有する単量体や、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル基を有する単量体が挙げられる。
本発明で使用する変性顔料は、前記顔料(A)、前記非水溶媒、及び前記ポリマー(B)の存在下で、該非水溶媒に可溶でありかつ重合後に不溶もしくは難溶になる少なくとも1種の重合性不飽和単量体(C)を重合させることで得られる。
前記顔料(A)と前記ポリマー(B)は、重合を行う前に混合することが好ましい。混合方法としては、例えば、ホモジナイザー、ディスパー、ビーズミル、ペイントシェーカー、ニーダー、ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等を使用することが可能である。本発明においては、使用する顔料の形態は問わず、スラリー、ウエットケーキ、粉体のいずれの形態でもかまわない。即ち、本発明の製造方法においては、ウエットケーキのような水を含む顔料であっても使用可能である。
前記顔料(A)と前記ポリマー(B)の混合後に、前記重合性不飽和単量体(C)および後述の重合開始剤をさらに混合し、重合を行う事で変性顔料が得られる。
その際、前記ポリマー(B)の使用量は目的に応じて適宜最適化されるので特に限定はないが、通常は顔料(A)100部に対して1〜200部を使用し、より好ましくは20〜150部、さらに好ましくは30〜120部である。
また、前記重合性不飽和単量体(C)の使用量も、目的に応じて適宜最適化されるので特に限定はないが、通常は顔料(A)100部に対して1〜200部を使用し、より好ましくは5〜50部、さらに好ましくは5〜30部である。
最終的に顔料にコートされる前記ポリマー(P)の量は、顔料(A)100部に対して、2〜400部が好ましく使用され、より好ましくは25〜200部、さらに好ましくは35〜180部である。その際、前記ポリマー(B)の100部に対して、少なくとも1種の前記重合性不飽和単量体(C)は通常2〜300部の割合で使用することが好ましく、好ましくは5〜200部、さらに好ましくは10〜150部である。
前記顔料(A)、前記非水溶媒、及び前記ポリマー(B)の存在下で、前記重合性不飽和単量体(C)を重合させる方法は、公知慣用の重合方法によって行えばよいが、通常は重合開始剤の存在下で行う。かかる重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチル−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルハイドロパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、またはクメンハイドロパーオキシドなどのラジカル発生重合触媒が単独で、あるいは2種以上の併用の形で用いられる。
重合開始剤は該非水溶媒系に溶解し難いものもあるため、前記重合性不飽和単量体(C)に溶解し、顔料(A)と前記ポリマー(B)の混合系に加える方法が好ましい。
また、前記重合性不飽和単量体(C)あるいは重合開始剤を溶解した前記重合性不飽和単量体(C)は、重合温度に達した状態で滴下法により加えることもできるが、昇温前の常温の状態で加え、充分に混合された後に昇温し、重合させる方法が安定であり好ましい。
重合温度は通常60℃〜130℃の範囲である。また顔料(A)が有機顔料の場合、重合温度があまり高温では該顔料の変質や結晶成長などの形態変化が著しい場合があるため、その場合は70〜100℃で重合することが好ましい。
重合後、ろ過により重合に使用した非水溶媒等を除去し、さらに乾燥、粉砕を行う事で粉体の変性顔料として得ることができる。ろ過方法には、ヌッチェ、フィルタープレス等を使用できる。また乾燥には、箱型乾燥機、真空乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライヤー等の公知の乾燥装置により乾燥することができる。また粉砕には、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等の公知の粉砕装置を使用することができる。
(着色剤:配合量)
前記非極性溶媒に対する前記変性顔料の添加量は1〜50重量%の範囲が好ましく、より好ましくは2〜30重量%の範囲である。
前記変性顔料は、顔料(A)表面に、シロキサン結合を有する非水溶媒に可溶なポリマー(B)と、非水溶媒に可溶でありかつ重合後に不溶もしくは難溶になる少なくとも1種の重合性不飽和単量体(C)とを重合することにより得られるポリマー(P)を有しているので、媒体中に安定に顔料分散させることができ、より色素濃度の高い着色液体とすることができる。従って前記変性顔料を使用した着色液体は、変性させない顔料を使用した場合と比較すると、同じ配合量であってもより高い着色度を得ることができる。
またエレクトロウエッティング用やエレクトロフルイディック用の非極性着色液体に使用する着色剤は導電性ができるだけ低いことが望まれるが、例えばカーボンブラックや鉄黒、弁柄、クロムイエローなどの顔料は高い導電性を有するために、そのまま使用すると得られる着色液体の電気伝導度が高くなりすぎてしまう。本願で使用する前記変性顔料は、ポリマー(P)で使用する顔料(A)の少なくとも一部が被覆されていることから、得られた着色液体の電気伝導度を低減させることができる。特に、顔料(A)がカーボンブラックや鉄黒などの顔料の場合、デバイスを通過する光の明るさを変調するエレクトロウエッティング方式又はエレクトロフルイディック方式のデバイスに有用である。
(その他の添加物)
本発明の着色液体には、その他、本発明の効果を損なわない範囲において、界面活性剤、分散剤、湿潤剤、増粘剤、保存料、粘度安定剤、粉砕助剤、充填剤、沈殿防止剤、光保護剤、酸化防止剤、殺生物剤、脱気剤/消泡剤、発泡抑制剤、ベーキング防止剤等添加剤を加えても良い。これらは、導電率を増加させない程度にとどめておくことが望ましい。例えば使用可能な界面活性剤としては、ポリアルキレングリコール及びそれらの誘導体等が挙げられる。また分散剤としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、polyvinyloxazolidones、ポリスチレン、ポリエポキシド、ポリウレタン、およびポリビニルハロゲン等が挙げられる。市販の分散剤としては、LUBRIZOL社のソルスパース、EVONIK社のTegosperse、BASF社のEFKA、ビックケミー社のDISPERBYK等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(着色液体の製造方法)
本発明の着色液体は、公知の顔料分散体の製造方法によって得ることができる。一例を挙げると、前記樹脂で被覆された色素、及び非極性溶媒、必要に応じ前記添加剤を加えた混合物をビーズミル等の通常の分散機を用いて前記樹脂で被覆された色素を分散することで得ることができる。また、予め、ビーズミル等の通常の分散機を用いて高濃度の分散液(ミルベース)を作製後、更に非極性溶媒で所望の粘度に混合攪拌して、希釈することで調整できる。添加剤の添加のタイミングは、種類によって分散する前や分散する後等、適宜選択することができる。
顔料を分散させるための攪拌・分散装置としては、ビーズミルの他、たとえば超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、ナノマイザーなど、公知慣用の各種分散機を使用することができる。
このようにして得られた着色液体の比誘電率は25未満であることが好ましい。また、低粘度である方が光変調のスイッチングにおける応答速度を向上させることができる。このためには、着色液体の粘度が25℃において300mPa・s未満、より好ましくは100mPa・s未満が好ましい。
(極性溶媒)
本発明の分離液状着色組成物は、前記着色液体、及び、前記着色液体とは混和しない極性溶媒とを含有する。
混和しない極性溶媒としては水、グリコール、アルコール、ポリオール、エーテル、エステル、ケトン、アセタール、ケタール、ラクトン類、炭酸塩、ラクタム、ウレタン(カルバメート)、尿素、ピロリジン、ピロリドン、スルホン、スルホキシド、アミド等であり、具体的には例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセリン、1,4−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、1,2−シクロヘキサンカーボネート、グリセリンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、アセトン、アセトフェノン、ピリジン、ジメチルマロン酸、ジアセトンアルコール、ヒドロキシプロピルカルバメート、β−ヒドロキシエチルカルバメート、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、アセトアセトン、シクロヘキサノン、エチルアセトアセテート、エチル−L−乳酸、ピロール、N−メチルピロール、N−エチルピロール、4H−ピラン−4−オン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、モルホリン、N−エチルモルホリン、N −ホルミルモルホリン、β−プロピオラクトン、β−バレロラクトン、β−ヘキサラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ヘキサラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、δ−バレロラクトン、δ−ヘキサラクトン、δ−ヘプタラクトン、δ−オクタラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、およびそれらの任意の組み合わせ等が挙げられる。
これらの極性溶媒は、着色液体よりも高い比誘電率を示すことが好ましい。またより高い比誘電率を付与する目的で、極性溶媒中でイオン解離をする塩等の電解質を添加することもできる。イオンは、陽イオンであっても陰イオンであってもよい。具体的には、例えば、ピラゾリン、2−イミダゾリン、ピラゾール、イミダゾリン−2−チオン、1,2,3−チアゾール、1,2,4−チアゾール、IH−テトラゾール、オキサゾリン、5−オキサゾロン、イソキサゾール、オキサゾール、2−チアゾリン、イソチアゾール、チアゾール、1,2,3−オキサジアゾすなわち、1,2,4−オキサジアゾすなわち、1,2,5 −オキサジアゾすなわち、1,3,4−オキサジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、LH−ピリジン−2−オン、ピペラジン、ピリジジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、オキサジン、チオモルホリン、オキサジアジン、オキサチアゾン、インドリン、インドール、カルバゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、キノキサリン、フタラジン、1,5−ナフチリジン、フェナジン、ベンゾチアゾール、2H−lの1,4−ベンゾオキサジン、フェノキサジン、フェノチアジン等のカチオンを含む塩を使用することができる。
添加量としては、所望の比誘電率に応じて適宜選択することができる。例えば10重量%以内の範囲内で使用することができる。
(着色剤)
前記極性溶媒は、必要に応じて着色されていてもよい。着色剤は色剤として使用されているものなら特に限定はなく、前述の被覆された色素として使用する有機顔料、無機顔料、染料等が使用できる。
デバイスとして使用する場合は、前記非極性溶媒に使用する色味とは異なる色味の色素を選択することが好ましい。中でも色純度と色濃度が高く、透明性の高いものが好ましい。また、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、必要に応じて緑や白等に着色した液体とし、前記着色液体として黒顔料を使用した変性顔料を使用したブラック(K)に着色した液体をエレクトロウエッティングデバイスのピクセルに導入したものを使用することで、フルカラーの画像表示をさせることも可能である。
また前記極性溶媒には、その他、本発明の効果を損なわない範囲において、界面活性剤、分散剤、湿潤剤、増粘剤、保存料、粘度安定剤、粉砕助剤、充填剤、沈殿防止剤、光保護剤、酸化防止剤、殺生物剤、脱気剤/消泡剤、発泡抑制剤、ベーキング防止剤等添加剤を加えても良い。例えば使用可能な界面活性剤としては、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルカルボン酸塩などのアニオン系界面活性剤、アルキルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などのカチオン系界面活性剤、ポリアルキレングリコールおよびその誘導体などのノニオン系界面活性剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(エレクトロウエッティング方式のデバイス)
本発明の着色液体は、外部電場を利用して着色液体を移動させるエレクトロウエッティング方式のデバイスに好適に使用可能である。特に色素として顔料を使用しているので耐光性等に優れる。中でも、画像表示デバイスに使用すること、本発明の効果である分散安定性により、長期間にわたるデバイスの安定駆動を最大限に発揮でき好ましい。
前記非導電性の着色液体を使用できるエレクトロウエッティング方式のデバイスの一例を挙げる。即ち、電極を設けた層の間に表示用空間を備え、該表示用空間には、前記着色液体、及び、前記着色液体とは混和しない極性溶媒とを含有する分離液状着色組成物が充填されている。
前記表示用空間の表示側の前記層は着色液体が透視できる透明等の層とされる一方、非表示側の前記層は光散乱層とされ、前記着色液体への電圧印加時に前記表示側空間に前記着色液体がエレクトロウエッティング現象で移動され或いは表示側の表面積を増大させて着色表示させる。
前記極性溶媒中に光散乱分子を配合して光散乱流体とすると、前記非表示側の層に光散乱層を配置しない構成とすることができる。
具体的には、表示側となる上部層と、貫通孔を有する光散乱体からなる中間層と、下部層とを備え、上部層と中間層との間に表示側上部空間、中間層と下部層との間に下部空間を設け、下部空間、貫通孔、上部空間を密閉された連通流路からなる液体貯留部とする。液体貯留部に、前記着色液体、及び、前記着色液体とは混和しない極性溶媒とを含有する分離液状着色組成物が充填されている。これら上下空間を前記貫通孔で連通した着色液体の通路を備え、前記着色液体への電圧の印加の有無で表示側上部空間へ着色液体をエレクトロウエッティング方式で流入・流出させる。
流入時には光が透過せずに着色画像が表示され、流出時には光が透過し前記光散乱体の光散乱による白色表示が行われ、即ち通過する光の明るさを変調して表示が行われる。
前記デバイスでは、上部層に電極を配置すると共に、貫通孔の内面に電極を配置した2端子構造とし、該2端子をスイッチを介して接続し、該スイッチをオン・オフすることで前記表示側の上部空間に着色液体を流入させて着色画像を表示すると共に、前記上部空間から着色液体を流出させて白色散乱画面に切り替えることができる。あるいは、前記2端子構造に代えて、3端子構造としてもよい。
前記3端子構造では、上部空間の上面あるいは/および下面に上部電極、下部空間の上面あるいは/および下面に下部電極、前記白色散乱シートの貫通孔の内面に沿って配置される共通電極を設け、共通電極と上部電極、該共通電極と下部電極に接続すると共に回路開閉手段がそれぞれ介設された上部側電源回路と下部側電源回路を備え、上部側電源回路の回路開閉手段と下部側電源回路の回路開閉手段とを交互に開閉させ、前記上部空間への前記着色液体の流入・流出が切り替えられる表示装置としてもよい。
該3端子構造とすると、上部空間への着色液体の流入・流出を上部側電源回路と下部側電源回路との交互の開閉による行うため、上部空間への着色液体の流入・流出速度を迅速に行うことができる。
前記デバイスを前記いずれの構成としても、前記電極の着色液体と接する側には誘電体層を配置することもできる。該誘電体層には、例えば、パリレンあるいは酸化アルミナを含有させ、その層厚を1〜0,1μm程度とすることが好ましい。
また、該誘電体層の表面に、電圧の印加時には親水層となる撥水膜を積層し、着色液体に撥水膜が接触する構成とすると、着色液体を高速で移動あるいは表面積を増減できるため、動画表示として好適とものとできる。
前記デバイスは、前記表示用空間を各画素毎に仕切壁で仕切り、各画素毎に用いる前記着色液体はR,G,Bのいずれかの着色液体あるいはC、M、Y,Kのいずれかの着色液体とし、表示用空間に着色液体が導入されて広がることにより、フルカラーの画像表示をさせ、かつ、該着色液体を高速移動させることで、フルカラーの動画表示を行う構成としている。
また前記デバイスは、前記表示用空間を光が通過する前後において、R,G,BあるいはC、M、Y,Kのいずれかのカラーフィルターを形成し、さらに光変調を行う構成とすることができる。
た。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、下記実施例に何ら制限されるものではない。なお、以下実施例中にあるg、%は質量換算である。
<樹脂合成1 シロキサン結合を有する非水溶媒に可溶なポリマー(B−1)の合成>
温度計、攪拌機、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、酢酸ブチル54g、FM−0721(JNC(株)社製 シロキサン結合及びメタクリロイル基を有する重合性化合物)29.1gを仕込んで80℃に昇温し、同温度に達したところで、更にFM−0721を29.1g、ジメチルアミノエチルメタクリレート1.8g、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)「V-59」(和光純薬工業(株)社製)1.2gを酢酸ブチル36gに溶解させた混合物を3.5時間かけて滴下し、滴下終了後90℃に昇温し、10時間保持して反応を続行した。
反応液の温度を50℃に下げ、t−ブチルピロカテコールの0.05gを酢酸ブチルの0.9gに溶解した溶液を加え、さらにグリシジルメタクリレートの0.1gを加えた後に、80℃まで昇温し、同温度で10時間反応を行った。溶液にストレートシリコーンオイル(KF−96L−2cs;信越化学工業(株)製)の90gを加え、エバポレーターにて酢酸ブチルを除去し、シロキサン結合を有する非水溶媒に可溶なポリマー(B−1)の溶液を得た。得られた樹脂の固形分濃度は50%、ポリスチレン換算の重量平均分子量は22500であった。
<樹脂合成2,3 シロキサン結合を有する非水溶媒に可溶なポリマー(B−2),(B−3)の合成>
樹脂合成1のポリマー(B−1)における原料の種類及びgを表1に記載の通りに変更した以外は樹脂合成1に従い、シロキサン結合を有する非水溶媒に可溶なポリマー(B−2)、(B−3)の溶液を得た。得られた樹脂の固形分濃度は50%、ポリスチレン換算の重量平均分子量は、(B−2)が5070、(B−3)が16120であった。
Figure 2014066974
表中、FM−0711はJNC(株)社製のシロキサン結合及びメタクリロイル基を有する重合性化合物であり、X−22−2426は信越化学工業(株)社製のシロキサン結合及びメタクリロイル基を有する重合性化合物であり、DMAEMAはジメチルアミノエチルメタクリレートを表す。
<参考例1 変性顔料の合成方法1>
カーボンブラック(MA−8;三菱化学(株)製)13.0g、ポリマー(B−1)溶液の21.0g、0.05mmジルコニアビーズの400g、ストレートシリコーンオイル(KF−96L−2cs)の47.7gをポリエチレン広口瓶に入れ、ペイントシェイカー(東洋精機株式会社製)で120分間混合を行った。ストレートシリコーンオイル(KF−96L−2cs)の130.0gで希釈した後、ジルコニアビーズを除去し、顔料混合液を作製した。得られた顔料混合液の191.0gを温度計、攪拌機、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えたセパラブルフラスコに仕込んだ後、メタクリル酸メチルの1.5gおよびエチレングリコールジメタクリレートの0.8gの重合性単量体組成物にV−59の0.5gを溶解したものを加えた。室温で30分攪拌し続けた後、80℃に昇温し、同温度で反応した。6時間後、90℃に昇温し、同温度で8時間反応を続けた。遠心分離等により洗浄を行い、固形分比率約13%の変性顔料(1)のシリコーンオイル分散液を得た。
<参考例2、3>
変性で使用する原料の種類およびgを表2に記載のとおりに変更した以外は、参考例1に従い、変性顔料(2)、変性顔料(3)のシリコーンオイル分散液を得た。
Figure 2014066974
表中、EGDMAは、エチレングリコールジメタクリレートを表す。
(実施例1)
50mlバイアルに、変性顔料(1)のシリコーンオイル分散液の16.6g、およびKF−96L−2csの3.4gを仕込み、超音波分機にて2時間分散を行い、着色液体(1)を得た。
(実施例2,3)
実施例1において、変性顔料(1)を変性顔料(2)、変性顔料(3)に変更した以外は実施例1と同様にして、着色液体(2)、着色液体(3)を得た。
(実施例4)
変性顔料(3)のシリコーンオイル分散液を遠心分離にかけ、変性顔料(3)を沈降させた。50mlバイアルに、変性顔料(3)沈降物0.5g、およびテトラデカン11.3gを仕込み、超音波分機にて2時間超音波分散を行い、着色液体(4)を得た。
(比較例1)
20mlバイアル瓶に、カーボンブラック(MA−8;三菱化学(株)製)0.5g、ストレートシリコーンオイル(KF−96L−2cs;信越化学工業(株)製)9.5gを加えて、超音波分散機で2時間超音波分散を行い、着色液体(H1)を得た。
(比較例2)
比較例1において、シリコーンオイルをテトラデカンに変更した以外は比較例1と同様にして、着色液体(H2)を得た。
(実施例5)
極性溶媒として、エチレングリコールを用いて、10mlバイアルに、エチレングリコール5g、及び、実施例1で得た着色液体(1)0.5gを仕込み、分離液状着色組成物(1)を得た。
(実施例6〜8、比較例3、4)
実施例2〜4で得た着色液体(2)〜(4)、比較例1、2で得た着色液体(H1)、(H2)に対しても、実施例5の方法で、分離液状着色組成物(2)〜(4)、分離液状着色組成物(H1)、(H2)を得た。
(分離液状着色組成物の分離性確認方法)
分離液状着色組成物(1)を手振りで10回攪拌し、24時間後のエチレングリコールと着色液体(1)との分離性を目視で確認した。
分離性は下記の基準で5段階に分けて評価した。結果を表3および4に示す。
5:着色液体とエチレングリコールは分離し、界面は明瞭。
4:着色液体とエチレングリコールは分離し、界面はやや不明瞭。
3:着色液体とエチレングリコールは分離し、界面は不明瞭。
2:着色液体が凝集し、エチレングリコールとの界面は不明瞭。
1:着色液体とエチレングリコールは分離しない。
実施例6〜8で得た分離液状着色組成物(2)〜(4)、比較例3、4で得た分離液状着色組成物(H1)、(H2)に対しても、前記分離性評価を行った。
Figure 2014066974

この結果、変性顔料を使用した実施例5〜8は、いずれの場合においても、極性溶媒等との分離性に優れた分離液状着色組成物が得られた。

Claims (12)

  1. 外部電場によって液体を移動もしくは変形させることにより、色あるいは明るさを変調する光変調方式のデバイスに使用する着色液体であって、
    前記着色液体が、非極性溶媒及び着色剤を含み、前記着色剤が、顔料(A)表面に、シロキサン結合を有する非水溶媒に可溶なポリマー(B)と、非水溶媒に可溶でありかつ重合後に不溶もしくは難溶になる少なくとも1種の重合性不飽和単量体(C)とを重合することにより得られるポリマー(P)を有する変性顔料であることを特徴とする着色液体。
  2. 前記着色剤が、顔料(A)と、非水溶媒と、シロキサン結合を有する非水溶媒に可溶なポリマー(B)を混合した後、少なくとも1種の重合性不飽和単量体(C)をさらに混合し重合させて得る変性顔料である請求項1に記載の着色液体。
  3. 前記シロキサン結合を有する非水溶媒に可溶なポリマー(B)が、シロキサン結合及び重合性不飽和基を含有する樹脂(BF)である、請求項1または2に記載の着色液体。
  4. 前記重合性不飽和単量体(C)が、多官能重合性不飽和単量体を含む請求項1〜3のいずれかに記載の着色液体。
  5. 前記非水溶媒が、シリコーン系溶剤、脂肪族炭化水素溶剤、及び脂環式炭化水素溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの非水溶媒を含む請求項1〜4のいずれかに記載の着色液体。
  6. 前記顔料(A)がカーボンブラックである請求項1〜5のいずれかに記載の着色液体。
  7. 前記光変調方式が、エレクトロウエッティング方式又はエレクトロフルイディック方式である請求項1〜6のいずれかに記載の着色液体。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の着色液体、及び、前記着色液体とは混和しない極性溶媒とを含有することを特徴とする分離液状着色組成物。
  9. 外部電場によって液体を移動もしくは変形させることにより、色あるいは明るさを変調する光変調方式のデバイスに使用する請求項8に記載の分離液状着色組成物。
  10. 前記光変調方式が、エレクトロウエッティング方式又はエレクトロフルイディック方式である請求項8または9に記載の分離液状着色組成物。
  11. 請求項1〜7のいずれかに記載の着色液体の、外部電場によって液体を移動もしくは変形させることにより、色あるいは明るさを変調する光変調方式のデバイスにおける画像を生成するための着色剤としての使用。
  12. 前記変調方式がエレクトロウエッティング方式又はエレクトロフルイディック方式である請求項11に記載の使用。
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