JP2014066493A - 断熱箱体、断熱箱体の製造方法及び冷蔵庫 - Google Patents
断熱箱体、断熱箱体の製造方法及び冷蔵庫 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】外箱に複雑なフランジ形状を必要とせず、外箱と内箱を接合することができる断熱箱体、断熱箱体の製造方法及び冷蔵庫を提供する。
【解決手段】断熱箱体は、発泡体で構成される内箱2と、金属板で構成される外箱3と、内箱と外箱の間に配置される断熱材4よりなり、発泡体は、硬質層23を有し、硬質層は、内箱の表面及び断熱箱体の開口部周縁に配置されるとともに、外箱と接していることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】断熱箱体は、発泡体で構成される内箱2と、金属板で構成される外箱3と、内箱と外箱の間に配置される断熱材4よりなり、発泡体は、硬質層23を有し、硬質層は、内箱の表面及び断熱箱体の開口部周縁に配置されるとともに、外箱と接していることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、断熱箱体、断熱箱体の製造方法、及び該断熱箱体を用いた冷蔵庫に関するものである。
近年、冷蔵庫、冷凍庫、冷凍冷蔵庫には、冷却性能、省エネルギ性能などの機能的な性能に対する要求に加えて、とりわけ、断熱箱体の製造では、歩留まりやタクト時間に関して、製造方法の改良が求められている。
まず、断熱箱体について説明する。断熱箱体は、内箱と外箱との間にできた空間に例えば、発泡ウレタン等の発泡性の断熱材が配置されている。外箱は厚さ約1mmの金属板で形成され、内箱は樹脂で美観よく形成されており、金属製の外箱と樹脂製の内箱それ自体は十分な強度および断熱性を備えていない。このため、断熱箱体では、内箱と外箱の間の空間内に充填される発泡ウレタンにより、冷蔵庫の外装として必要な強度と断熱性を持たせている。
次に、一般的な断熱箱体の製造について説明する。断熱箱体は、内箱と外箱とを嵌合して組み合わせている。内箱と外箱の空間内に発泡ウレタンを注入した後、発泡し、空間内に充填されることにより断熱箱体が形成される。このとき、ウレタンの発泡圧力は、0.1kg/cm2以上といった高い発泡圧力である。上述の通り、内箱や外箱は厚さ1mm程度であり、発泡ウレタンの発泡圧力に耐えることが難しい。
このため、発泡ウレタンの発泡圧力に耐えることができる強度を有する金型(治具)に内箱および外箱が取り付けられた状態で、発泡ウレタンを内箱と外箱の間の空間に注入する方法が採用されている。発泡ウレタンの注入時において、その空間に充填された発泡ウレタンが上述した強度および断熱性を有するように、材料の調合割合、充填圧力、温度、注入量等が制御されている。
上記のような方法にて製造された断熱箱体を用いて、冷蔵庫、冷凍庫、冷凍冷蔵庫が製造される。
図17は、特許文献1に示された冷蔵庫の内箱と外箱の接合部分を示す断面図である。冷蔵庫は、内箱171と、外箱172と、内箱171及び外箱172の間に充填された発泡断熱材173により構成された断熱箱体と、放熱パイプ18を備える。外箱172は、開口縁を内側に折り返して形成した前部フランジ172aと前部フランジ172aと所定の間隔をあけて逆方向に折り返された後部フランジ172bを有しており、この外箱172の前部フランジ172aと後部フランジ172bにより形成された空間に内箱171の開口部171aが挿入されている。このような構成とすることで、製造工程において、外箱172と内箱171の接合部分からのウレタン漏れを防止することができる。
しかしながら、上記特許文献1に示された冷蔵庫では、外箱172の開口縁を内側に折り返した後、所定の間隔をあけて逆方向に折り返すことにより前後フランジを形成しており、外箱172の構造が複雑になる。また、ウレタン漏れを防ぐために、外箱172と内箱171を精度よく勘合させる必要性から、外箱172のフランジを精度よく形成しなければならず、外箱172の加工には、例えば、金属板に対し、高周波を用いた加熱を行い、板を柔らかくしてフランジを形成するなど、高度な技術と設備が必要となり、歩留まりの低下や、コスト面での課題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、外箱に複雑なフランジ形状を必要とせず、外箱と内箱を接合することができる断熱箱体、断熱箱体の製造方法及び冷蔵庫を提供することを目的とする。
本発明に係る断熱箱体は、発泡体で構成される内箱と、金属板で構成される外箱と、前記内箱と前記外箱の間に断熱材が配置された断熱箱体であって、前記発泡体は、硬質層を有し、前記硬質層は、前記内箱の表面及び前記断熱箱体の開口部周縁に配置されるとともに、前記外箱と接している。
また、前記硬質層は、前記断熱箱体の開口部周縁に沿って凸部が設けられていてもよい。
本発明に係る冷蔵庫は、上記のいずれかの断熱箱体を用いて製造されたものである。
また、本発明に係る冷蔵庫は、前記冷蔵庫の扉を閉じた状態において、前記扉のパッキンが前記凸部と隣接していてもよい。
本発明に係る断熱箱体の製造方法は、発泡体で構成される内箱と、金属板で構成される外箱と、前記内箱と前記外箱の間に断熱材が配置された断熱箱体の製造方法であって、固定治具を基準に前記発泡体を配置する内箱形成工程と、前記内箱の外側に前記断熱材を配置する断熱材配置工程と、前記断熱材の外側に外箱を接着する外箱接着工程と、前記内箱の内面を熱成型する内箱形成工程と、前記断熱箱体の開口部周縁を熱成型する周縁部形成工程を含む。
また、前記内箱形成工程は、前記内箱奥面を形成する内箱奥面形成工程を含み、
前記内箱奥面形成工程と、前記周縁部形成工程を同時に行ってもよい。
前記内箱奥面形成工程と、前記周縁部形成工程を同時に行ってもよい。
また、前記内箱形成工程と、前記周縁部形成工程において、前記内箱側面と前記断熱箱体の開口部周縁を共通の金型で熱成型してもよい。
また、前記周縁部形成工程は、前記開口部周縁に凸部を形成する工程を含んでもよい。
本発明によれば、外箱に複雑なフランジ形状を必要とせず、外箱と内箱を接合することができる断熱箱体、断熱箱体の製造方法及び冷蔵庫を提供することが可能となる。
本発明の実施形態について、図面を用いて説明すれば以下の通りである。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分又は相当部分を表わすものとする。
図1は、本発明に係る断熱箱体の製造方法により製造された断熱箱体を用いた冷蔵庫概略図である。ただし、ここでは冷蔵庫1の扉、蒸発器や圧縮機等の冷凍サイクル部品、及び制御基板等の電装部品は図示していない。
冷蔵庫1は、内箱2と、外箱3と、断熱ボード4を備えた断熱箱体から成る。また、冷蔵庫1内部には、食品などを載置するための棚5が設けられ、内箱2には、棚5を支えるための棚受け部6が成型されている。内箱2は、一面が開口している中空の直方体状の箱であり、熱成型されている発泡体の箱体である。詳細は後述するが、熱成型するときに、棚受け部6を成型するための凹凸を有した金型を用いることで、棚受け部6も同時に成型することができ、棚受け部6の表面を含む内箱2の内面全体に硬質層が成型されている。そのため、内箱2の内面は、優れた美観と強度を有している。
内箱2に用いる発泡体は熱可塑性樹脂からなり、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリアミドなどが用いられ、ビーズ発泡法などで成形された独立気泡の発泡体が適している。具体的には、ビーズ発泡ポリプロピレン、ビーズ発泡ポリエチレン等が用いられる。
本実施形態の場合、発泡体は、発泡倍率が5〜30倍程度のものを使用している。また、発泡体の製造時、発泡体を圧縮する力は、発泡体材料、熱成形の金型の温度、発泡倍率により異なる。発泡倍率が20倍のビーズ発泡ポリエチレンの場合で金型の温度が摂氏150度のとき、2kg/cm2のプレス圧力が必要で、発泡倍率が8倍の発泡ポリエチレンで金型の温度が摂氏250度のとき、5kg/cm2のプレス圧力が必要であった。なお、この結果は一例であり、用いる発泡体の材料や発泡体内の気泡形状や大きさなどによっても加工条件は変化する。
外箱3は、冷蔵庫の最外殻を形成するもので、冷蔵庫1の強度を保つ役割があり、ここでは鉄板の曲げ加工品を用いる。
断熱ボード4は、冷蔵庫1に十分な断熱性を持たせるために、内箱2と外箱3の間に配置されるものであり、発泡ポリウレタンが主に採用されている。なお、発泡ポリウレタン以外にも、発泡スチロール樹脂、発泡フェノール樹脂、発泡ユリア樹脂、真空断熱材などを使用することも可能である。
ここでは、2つの内箱2を備える冷蔵庫1を図示しているが、これに限らず、内箱2は1つでもよく、3つ以上でもよい。また、棚5及び棚受け部6の数にも特に制限はなく、いくつ設けられていてもよい。
図2は、図1に示す冷蔵庫1のA−A’線に沿った断面図である。外箱3の内側に断熱ボード4、さらにその内側に内箱2が配置されている。
外箱3は、鉄板を略コの字に曲成したものが用いられ、側面部31及び側面部31から内箱2に向かって略直角に曲折した正面部32より構成される。また、強度を保ち、内箱2との接合面において美観を得るために、正面部32の端部をさらに側面部31に沿う方向に曲折し、内面部33を形成している。なお、内面部33は、形成されていなくてもよい。
内箱2は、断熱ボード4を介して断熱箱体の最も内側に配置されている。内箱2を構成する発泡体は、発泡層22、硬質層23より成る。発泡体の表面を熱成型することにより、表面が溶融し、発泡体の表面に硬質層23が形成され、硬質層23以外の部分は、発泡体よりなる発泡層22となる。
また、熱成形の際に溶融した樹脂は、断熱箱体の内側に当たる内箱2の表面に形成されるだけではなく、断熱箱体の開口部正面にあたる断熱箱体の開口部周縁にも流出し、正面樹脂層23aを形成する。このとき、正面樹脂層23aの端部と外箱3の正面部32の端部が接するように、正面樹脂層23aが形成される。
次に、冷蔵庫に用いられる断熱箱体の製造方法について、図3から図12を用いて説明する。ここでは、わかりやすいように内箱2が1つの断熱箱体の製造方法について説明する。
図3は、断熱箱体の製造方法を説明するためのフロー図である。また、図4、図5は断熱箱体の製造方法を説明するための概略図である。以下、製造方法について図3のフローと関連付けて説明する。なお、図3におけるSは、断熱箱体の製造方法における各ステップを表す。
まず、図4(a)に示すように、ベルトコンベア100上に、パイプフレームからなる固定治具10に沿って3枚の発泡体21を仮組み立てする(図3のS1、以下同様)。固定治具10は、アルミなどの中空の角型パイプやフレーム等により構成され、溶接やブラケットなどで固定して組み立てられる。後の熱成型する工程において、プレスにより発泡体21が圧縮されるため、この分を考慮して、固定治具10は、内箱2内が熱成形される前の内寸法より各辺が0.5〜1mm程度小さく設計される。
固定治具10の仕様は、完成する冷蔵庫のサイズや庫内の仕切りの数により異なり、冷蔵庫のモデル別に固定治具10の種類も複数必要となる。例えば、冷蔵室と冷凍室がそれぞれ1部屋あるようなモデルであれば、各部屋の内寸法に応じた固定治具10が各々で必要となり、それらの固定治具10はベルトコンベア100上を移動するパレット(図示せず)に固定されている。
次に、図4(b)に示すように、発泡体21の接合部21aに対して、熱溶着用工具60を用いて熱溶着し、発泡体21双方を固定する(S2)。本工程においては、溶融、接着する部位は発泡体21の接合部21a全面である必要はなく、内箱2の形状が仮に保たれる状態で固定されておればよい。後に説明する内箱2の熱プレス工程にて発泡体21双方が完全に接着されるためである。
熱溶着方法としては、超音波による振動を加え、摩擦熱によって樹脂同士を溶融・接合する方法や、接合面に加熱した金属板を直接接触させて、溶融した面を直ちに合わせ、冷却するまで圧力で押し付けて接合する方法などがある。また、バリが発生した場合は組立後に除去する必要がある。本実施形態では発泡体21として、ビーズ発泡ポリプロピレンを用いた。ビーズ発泡ポリプロピレンの溶融温度は140〜160℃であり、熱溶着用工具60によりこの温度になるまで発泡体21を加熱し、溶融、接着して固定した。
次に、図4(c)に示すように、冷蔵庫に必要な配管11、配線12を配置する(S3)。配管11、配線12は、アクリル系接着剤などで仮に固定してもよい。
次に、図4(d)に示すように、配管11、配線12の周辺を含む発泡体21の外面に接着剤13を塗布する(S4)。用いる接着剤は、食品を保管する目的で用いるという観点から、安全性を重視し、アクリル系接着剤かホットメルト接着剤が望ましい。
次に、図5(e)に示すように、仮固定された発泡体21の外側に沿って断熱ボード4を貼り合わせる(S5)。本実施形態では、発泡ウレタンボードを用いた。断熱ボード4には、あらかじめ配管11、配線12が収まるように溝が形成されていることが望ましい。このように、固定治具10を用いて発泡体21を貼り合わせて内箱を形成し、内箱の外側に合わせて断熱ボード4を貼り合わせるので、嵌合精度が高く、隙間ができることがない。
次に、図5(f)に示すように、外箱3の内側に接着シート14を仮固定し(S6)、断熱ボード4の外側に沿って外箱3をかぶせる(S7)。接着シート14は、ホットメルト接着剤を用いた。外箱3は、厚み約1mmの鉄板で構成され、図5(f)に示すように断面略コの字形状であり、かつ端面は内側に折り曲げ加工されている。この外箱3を断熱ボード4の外側にかぶせるときは、やや外箱3を反らせてかぶせるようにするとよい。なお、断熱ボード4は発泡ポリウレタン等の柔軟性のある素材であるため、外箱3を断熱ボード4の外側にかぶせると、外箱3の内面部33は、断熱ボード4に隙間なく勘合する。あるいは、外箱3を構成する鉄板を折り曲げ加工せず、断熱ボード4の各面に合わせた複数の鉄板をそれぞれの面に貼りつけ、ねじ止めする方法でもかまわない。
次に、図5(g)に示すように、加熱部材15を用いて、外箱3の外側から加熱し、接着シート14を加熱溶融して外箱3の内側と、断熱ボード4の外側を接着した(S8)。このように、固定治具10を用いて発泡体21を貼り合わせて内箱を形成し、内箱の外側に合わせて断熱ボード4を貼り合わせ、断熱ボード4の外側に合わせて外箱3を貼り合わせるので、嵌合精度が高く、隙間ができることがない。
その後、ホットメルト接着剤が硬化し、断熱ボード4と外箱3が完全に固定されたら、加熱部材15及び固定治具10を取り外し(S9)、図5(h)に示すように断熱箱体の開口部が上になるように上下を反転させる(S10)。
次に、図6から図8を用いて、断熱箱体の内箱2の内面の成型について説明する。内箱2の内面は、成型装置51によって成型される(S11)。成型装置51は、複数の金型52a、52b、52c、52d、52eと、これらを駆動させ、内箱2の内面に押し当てる駆動部53を備えている。
図6(a)、(b)は、内箱2の側面2aの成型を説明するための図であり、図6(a)は、成型前の内箱2と外箱3と断熱ボード4が組み合わされた状態を断熱箱体の開口部側から見た概略を表しており、図6(b)は、図6(a)のI−I’線に沿った断面の概略を表している。側面2aは、金型52aにより成型される。金型52aは、図示しないカートリッジヒータを備えており、金型52aを加熱することができる。また、金型52aの内部には、冷却用のオイルの流路が形成されており、図示しないポンプにより冷却用のオイルを金型52aの内部で循環させることで、金型52aを冷却することができる。成型装置51は、駆動部53によって金型52aを矢印54aの方向へ動かし、側面2aへ押し当てる。
駆動部53は、エアシリンダ、油圧シリンダ、サーボシリンダ等により構成される。エアシリンダによる空圧プレスがコスト的には最も安価である。また、サーボシリンダによるサーボプレスの場合は、圧力などを細かく制御することができる。本実施例では、油圧シリンダを用いた。
外箱3の外側には、外箱3の外面に接するように図示しない支持部材が配置され、支持部材に支持された外箱3及び断熱ボード4と金型52aに挟まれることで、内箱2は圧力が加えられる。
成型装置51による成型方法は、金型52aを加熱し、金型52aを側面2aへ押し当て圧力を加えながら側面2aの発泡樹脂を消泡し、圧力を加えながら金型52aを冷却し、圧力を解放して金型52aを取り外す。圧力を加えながら金型52aを冷却することで、側面2aに金型52aに対応する形状の硬質層を正確に成型することができ、硬質層の泡噛みも防止することができる。
成型装置51による熱成型により、内箱2を構成する発泡体21の表面が溶融樹脂として、一部が断熱箱体の開口部周縁に溶出する。この開口部周縁の溶融樹脂は後の工程で加工される。
図7(a)、(b)は、内箱2の上面2b及び下面2cの成型を説明するための図であり、図7(a)は、成型前の内箱2と外箱3と断熱ボード4が組み合わされた状態を断熱箱体の開口部側から見た概略を表しており、図7(b)は、図7(a)のII−II’線に沿った断面の概略を表している。外箱3の外側には、図示しない支持部材が配置されている。上面2bは金型52bにより成型され、下面2cは、金型52cにより成型される。成型装置51は、駆動部53によって金型52bを矢印54bの方向へ動かし、上面2bへ押し当て、金型52cを矢印54cの方向へ動かし下面2cへ押し当てる。成型装置51による上面2b及び下面2cの成型方法は、側面2aと同様であるため、説明を省略する。成型装置51による熱成型により、内箱2を構成する発泡体21の表面が溶融樹脂として、一部が断熱箱体の開口部周縁に溶出する。この開口部周縁の溶融樹脂は後の工程で加工される。
図8(a)、(b)は、内箱2の奥面2dの成型を説明するための図であり、図8(a)は、成型前の内箱2と外箱3と断熱ボード4が組み合わされた状態を断熱箱体の開口部側から見た概略を表しており、図8(b)は、図8(a)のIII−III’線に沿った断面の概略を表している。外箱3の外側には、図示しない支持部材が配置されている。奥面2dは金型52dにより成型される。成型装置51は、駆動部53によって金型52dを矢印54dの方向へ動かし、奥面2dへ押し当てる。成型装置51による奥面2dの成型方法は、側面2a、上面2b及び下面2cと同様であるため、説明を省略する。
図9は、金型52aの斜視図であり、金型52aの一例を表している。内箱2の内部には、食品などを載置するための棚5を設けることが好ましく、内箱2の側面2aには、棚5を支えるための棚受け部6を成型することが好ましい。そのため、金型52aは、棚受け部6を成型するための凸部55を有することが好ましい。凸部55を有する金型52aを用いることで、側面2aに凹状の棚受け部を成型することができる。金型52aの形状はこれに限らず、例えば、側面2aに凸状の棚受け部を成型するための凹部を有していてもよい。金型52b、52c、52dの形状は、上面2b、下面2c、奥面2dに成型する形状に合わせてそれぞれ任意の形状とすればよく、平面でもよく凹凸を有していてもよい。
以上のように、内面を各面毎に成型することで内箱2を製造でき、圧力を加えながら消泡及び冷却することで、高い強度と優れた美観を有する内箱2を製造することができる。このとき、凹凸を有する金型52aを用いることで、棚5を支えるための棚受け部6も同時に成型することができる。内箱2の各面の成型は、複数の面を同時に行ってもよいが、1つの面毎に行ってもよい。また、各面の成型とは別に、各面の境界やコーナの部分の成型を行ってもよい。
次に、断熱箱体の開口部周縁の成型方法について説明する。
図10(a)、(b)は、断熱箱体の開口部周縁の成型を説明するための図であり、図10(a)は、成型前の内箱2と外箱3と断熱ボード4が組み合わされた状態を断熱箱体の開口部側から見た概略を表しており、図10(b)は、図10(a)のIV−IV’線に沿った断面の概略を表している。外箱3の外側には、図示しない支持部材が配置されている。断熱箱体の開口部周縁である周縁部2eは金型52eにより成型される。周縁部2eには、上述の内箱2の側面2a、上面2b、下面2cの成型時に内箱2を構成する発泡体21の表面が一部、溶融樹脂として溶出しており、この部分に対し、金型52eを加熱してプレスし、成型する。成型装置51は、駆動部53によって金型52eを矢印54eの方向へ動かし、周縁部2eへ押し当てる(S12)。金型52eは、断熱箱体の開口部周縁の形状に合わせてロ型の凸部を有し、該凸部上に、溝56が形成されている。図10(a)では、凸部を破線で示している。このとき、図2に示すように、内箱2の正面樹脂層23aの端部と外箱3の正面部32の端部が接するように、断熱箱体の周縁部2eが熱成型され、金型52eの溝56により、開口部周縁に樹脂による突起が形成される。成型装置51による周縁部2eの成型方法については、側面2a、上面2b及び下面2cと同様であるが、金型52eを加熱し、プレスするときに、溶融樹脂が発泡体21の側面を外箱に接するまで断熱ボード4を覆うように成型する。なお、内箱2の側面2a、上面2b、下面2cの成型後、時間を開けずに周縁部2eの成型を、引き続き行う場合は、開口部周縁に溶出した溶融樹脂は、まだ硬化していない状態であり、この状態で成型しても、溶融樹脂が一度硬化した後に成型してもどちらでも構わない。
このように断熱箱体を内側から組み立てた後に、内箱2の内面及び断熱箱体の開口部周縁を成型することで、外箱3に複雑なフランジ形状を必要とせず、外箱3と内箱2を接合することができる。
図11は、金型52eの斜視図であり、金型52eの一例を表している。金型52eは、断熱箱体の開口部周縁の形状に合わせてロ型の凸部57を有し、該凸部57上に、溝56が形成されている。金型52eによる熱成型時に、溝56により断熱箱体の開口部周縁に凸状の硬質層23が形成される。
図12は、図2に示す冷蔵庫1に扉7が閉じた状態を示した図である。扉7は、断熱材71、外包材72、パッキン73より構成される。断熱材71は断熱箱体を構成する断熱ボード4と同様の材料で構成されている。外包材72は、外箱3と同じ材料で構成されている。パッキン73は、合成ゴムなどで構成され、冷蔵庫1の扉7を閉じた状態において、パッキン73が外箱3の正面部32と隙間なく密着し、冷蔵庫の開口部からの冷気流出及び外気流入を防ぐ。
ここで、内箱2の成型時に形成された突起23bは、冷蔵庫1の扉7に向かって突出しているため、扉7が閉じた状態において、パッキン73の側面と、突起23bが隣接することで、冷蔵庫1の密閉性を高め、パッキン73からの冷気流出及び外気流入をさらに抑制することができる。また、樹脂層23が内箱2の内面から正面に亘って形成されるため、見た目にも滑らかで美しく、かつ強度的にも優れている。
次に、実施例2について説明する。実施例1では、内箱2の熱成型において、まず内箱2の内面を熱成型してから開口部周縁を熱成型したが、本実施例では、これらの工程を一部まとめて行う点が異なる。
本実施例では、図3に示すフローのステップ10までと、その後、図6及び図7に示す内箱2の側面2a、上面2b及び下面2cの成型を行う工程までは、実施例1と同様に行う。
図13は、断熱箱体の奥面2d及び周縁部2eの成型を説明するための図である。金型52eと金型52dは支柱58により連結されている。これらの金型を駆動部53により矢印54dの方向へ動かし、金型52dを奥面2dへ、金型52eを周縁部2eへ押し当てる。成型装置51による奥面2d及び周縁部2eの成型方法については、実施例1と同様であるため、説明を省略する。
このように、金型52dと金型52eを連結させることで、同じ方向への熱成型が同時に行えるため、断熱箱体の奥面2d及び周縁部2eを一度に成型することが可能となる。
次に、実施例3について説明する。実施例1では、内箱2の熱成型において、まず内箱2の内面を熱成型してから開口部周縁を熱成型したが、本実施例では、これらの工程を一部まとめて行う点が異なり、なおかつ上記実施例1、2で用いた金型とは異なる形状の金型を用いる点が上記実施例のいずれとも異なる。
本実施例では、図3に示すフローのステップ10までの工程は、実施例1と同様に行う。
図14〜図16を用いて、本実施例における冷蔵庫1の内箱2の内面の成型について説明する。
図14は、内箱2の側面2aの成型を説明するための図である。側面2aは、金型59aにより成型される。金型59aは、図示しないカートリッジヒータを備えており、金型59aを加熱することができる。また、金型59aの内部には、冷却用のオイルの流路が形成されており、図示しないポンプにより冷却用のオイルを金型59aの内部で循環させることで、金型59aを冷却することができる。成型装置51は、駆動部53によって金型59aを矢印54aの方向へ動かし、側面2aへ押し当てる。外箱3の外側には、外箱3の外面に接するように図示しない支持部材が配置され、支持部材に支持された外箱3及び断熱ボード4と金型59aに挟まれることで、内箱2は圧力が加えられる。
図15は、金型59aの断面図である。金型59aは、断面略L字型の金型であり、内箱2を形成する発泡体21を熱成型するプレス面591及び592を有する。プレプレス面592は側面2aを、プレス面591は周縁部2eをそれぞれ熱成型する。
なお、プレス面592には、棚受け部を成型するための凸部を有していてもよい。金型59aを加熱することにより、内箱2を構成する発泡体21の表面が溶融樹脂として溶け出し、一部が断熱箱体の開口部周縁に溶出する。また、発泡体21の側面からも樹脂が溶融し、これらの部分が発泡体21の側面を外箱3に接するまで断熱ボードを覆い、硬質層23aとなる。
なお、プレス面592には、棚受け部を成型するための凸部を有していてもよい。金型59aを加熱することにより、内箱2を構成する発泡体21の表面が溶融樹脂として溶け出し、一部が断熱箱体の開口部周縁に溶出する。また、発泡体21の側面からも樹脂が溶融し、これらの部分が発泡体21の側面を外箱3に接するまで断熱ボードを覆い、硬質層23aとなる。
次に、内箱2の上面2b及び下面2cの成型を行う。ここで用いる金型は、図15に示すものと同様、断面略L字型の金型を用い、側面2aと同様に成型する。最後に、内箱2の奥面2dの成型を実施例1と同じ金型を用いて同様に行う。
図16は、本実施例で製造された断熱箱体の断面図である。このように断熱箱体を内側から組み立てた後に、内箱2の内面及び断熱箱体の開口部周縁を成型することで、外箱3に複雑なフランジ形状を必要とせず、外箱3と内箱2を接合することができる。さらに、樹脂層23が内箱2の内面から断熱箱体の開口部周縁に亘って形成されるため、見た目にも滑らかで美しく、かつ強度的にも優れている。
以上のように、内箱の内側寸法に合わせて形成された組立治具を基準にして発泡体の板で内箱を形成し、該内箱の外側に断熱ボードを接着し、該断熱材の外側に外箱を接着して、断熱箱体を作成し、内箱の内面及び周縁部を熱成型する方法で製造することで、従来の製造方法においてウレタン漏れを防ぐための外箱3に複雑なフランジ形状を必要とせず、外箱と内箱を接合することができる。
また、大掛かりな金型を必要とせず、また、複雑な製造装置や製造工程を用いることなく、組み立て時の嵌合精度が高く、なおかつ断熱箱体を歩留まりよく成型することができる。
なお、本実施形態では、断熱箱体を用いた冷蔵庫について説明したが、これに限らず、冷暖房器、空気清浄器、エアーコンディショナ、保冷ボックスなどに用いることもできる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 冷蔵庫
2 内箱
3 外箱
4 断熱ボード
5 棚
6 棚受け部
10 固定治具
11 配管
12 配線
13 接着剤
14 接着シート
15 加熱部材
21 発泡体
51 成型装置
52a、52b、52c、52d、52e 金型
53 駆動部
59a 金型
2 内箱
3 外箱
4 断熱ボード
5 棚
6 棚受け部
10 固定治具
11 配管
12 配線
13 接着剤
14 接着シート
15 加熱部材
21 発泡体
51 成型装置
52a、52b、52c、52d、52e 金型
53 駆動部
59a 金型
Claims (5)
- 発泡体で構成される内箱と、金属板で構成される外箱と、前記内箱と前記外箱の間に断熱材が配置された断熱箱体であって、
前記発泡体は、硬質層を有し、
前記硬質層は、前記内箱の表面及び前記断熱箱体の開口部周縁に配置されるとともに、前記外箱と接している断熱箱体。 - 前記硬質層は、前記断熱箱体の開口部周縁に沿って凸部が設けられている断熱箱体。
- 請求項1または2記載の断熱箱体を用いて製造された冷蔵庫。
- 請求項2記載の断熱箱体を用いて製造された冷蔵庫であって、前記冷蔵庫の扉を閉じた状態において、前記扉のパッキンが前記凸部と隣接している冷蔵庫。
- 発泡体で構成される内箱と、金属板で構成される外箱と、前記内箱と前記外箱の間に断熱材が配置された断熱箱体の製造方法であって、
固定治具を基準に前記発泡体を配置する内箱形成工程と、
前記内箱の外側に前記断熱材を配置する断熱材配置工程と、
前記断熱材の外側に外箱を接着する外箱接着工程と、
前記内箱の内面を熱成型する内箱形成工程と、
前記断熱箱体の開口部周縁を熱成型する周縁部形成工程を含む断熱箱体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012213950A JP2014066493A (ja) | 2012-09-27 | 2012-09-27 | 断熱箱体、断熱箱体の製造方法及び冷蔵庫 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012213950A JP2014066493A (ja) | 2012-09-27 | 2012-09-27 | 断熱箱体、断熱箱体の製造方法及び冷蔵庫 |
Publications (1)
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JP2014066493A true JP2014066493A (ja) | 2014-04-17 |
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Family Applications (1)
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JP2012213950A Pending JP2014066493A (ja) | 2012-09-27 | 2012-09-27 | 断熱箱体、断熱箱体の製造方法及び冷蔵庫 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014066493A (ja) |
-
2012
- 2012-09-27 JP JP2012213950A patent/JP2014066493A/ja active Pending
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RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
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