JP2015200361A - 真空断熱材及びこれを用いた冷蔵庫 - Google Patents

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祐志 新井
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一輝 柏原
Kazuteru Kashiwabara
一輝 柏原
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Abstract

【課題】真空断熱材の平面部に形成した立体形状部の隣り合う辺の交叉領域付近の外包材のガスバリヤ機能が損なわれない新規な真空断熱材及びこれを用いた冷蔵庫を提供することにある。【解決手段】真空断熱材の平面部に形成した立体形状部の隣り合う辺の交叉領域付近に真空断熱材の外包材の延びを抑制する膨出部を形成するようにプレス加工を行うようにした。これによれば、立体形状部の隣り合う辺の交叉領域付近で真空断熱材の外包材の無理な引き延ばしが抑制されるので、真空断熱材のガスバリヤ機能が損なわれないようになるものである。【選択図】図7

Description

本発明は真空断熱材及びこれを用いた冷蔵庫に係り、特に真空断熱材の平面部に立体形状部を形成した真空断熱材及びこれを用いた冷蔵庫に関するものである。
地球温暖化を防止する社会の取り組みとして、二酸化炭素(CO)の排出抑制を図るため様々な分野で省エネ化が推進されている。近年の電気製品、特に冷熱関連の家電製品である冷蔵庫においても、消費電力量を低減する観点から断熱性能を向上したものが主流になってきている。そのためには、気密性が高く冷蔵庫内部の冷熱が冷蔵庫の外部に逃げない構造が不可欠である。
一般的には、冷蔵庫は冷蔵庫本体である箱体と、その箱体に設けられる貯蔵室の前面開口部を開閉する貯蔵室扉とで構成されている。そして、冷蔵庫内部の冷熱が冷蔵庫の外部に逃げないようにするためには、箱体と貯蔵室扉の断熱性能を向上させればよく、一般的には真空断熱材と硬質ウレタンフォームを箱体や貯蔵室扉に内装して断熱性能を向上するようにしている。
具体的には、箱体の外箱に平板状の真空断熱材を貼り付け、外箱と内箱の間に硬質ウレタンフォームを充填したり、貯蔵室扉の外板に平板状の真空断熱材を貼り付け、外板と内板の間に硬質ウレタンフォームを充填したりして冷熱の移動を抑制するようにしている。
ところで、箱体や貯蔵室扉の内部には種々の部品が組み込まれており、平面状の真空断熱材を使用する場合は、これらの部品を避けて真空断熱材を外箱や外板に貼り付けている。このため、断熱性能が高い真空断熱材を使用しても、この部品が配置されている領域の断熱性能が上がらず、全体からすると断熱性がまだ不十分であった。
このような問題を解決するため、例えば、特開2009−63064号公報(特許文献1)においては、さまざまな部品や断熱部位の形状に合わせた真空断熱材を提供することを目的として、通気部を有する内包材または結着剤によって芯材を予め立体形状に成形保持するか、或いは発泡材料からなる芯材を金型での発泡によって立体形状に成形保持することで、部品や断熱部位の形状に適合した真空断熱材を得ることを提案している。したがって、真空断熱材を適用する範囲が増加して全体的な断熱性を向上することができるようになると述べている。
特開2009−63064号公報
一般的に真空断熱材に立体形状部を形成する場合は、ガスバリヤ機能を有する外包材に芯材を収納した内包材を封入して真空引きした後に、真空断熱材を金型に載置してプレス加工することで立体形状部を形成するようにしている。これによって、真空断熱材の貼り付け面に部品や立体状の断熱部位があっても、これに適合する立体形状部を真空断熱材に設けることができるので、広い範囲に亘って真空断熱材を貼り付けることができるようになる。
しかしながら、この立体形状部は金型に載置した状態でプレス加工によって形成しているので、立体形状部を構成する隣り合う辺の交叉領域で、外包材の気密性膜が延ばされて薄くなったり、場合によっては破損されてガスバリヤ機能が損なわれてしまうという恐れがあった。以下、この理由を図9、図10に基づき簡単に説明する。
図9は平面部40aに立体形状部40bを形成した真空断熱材40を示しており、平面部40aと立体形状部40bの間は立体形成部40cが形成され、この立体形成部40cによって平面部40aと立体形状部40bが接続されている。立体形状部40bは少なくとも3辺からなり、図9では辺A、B、Cから立体形状部40bが形成されている。
したがって、真空断熱材40を箱体の外箱に貼り付ける場合に、冷蔵庫の部品が存在していても、この立体形状部40bを部品に覆いかぶせることによって、広い範囲に亘って真空断熱材40を配置することができる。
図10は平板状の真空断熱材40に立体形状部40bを形成するプレス加工を行う時の状態を示している。図10は金型を上面からみた図であり、下金型には立体形状部40bを形成するための上側に突出した凸金型部41が形成され、上金型には平面部40aを形成するための下側に突出した凸金型部42が形成されている。そして、真空断熱材40を上金型と下金型の間に介装して上金型を押し下げると、凸金型部41によって立体形状部40bが形成され、凸金型部42によって平面部40aが形成され、図9に示すような真空断熱材40が完成されるものである。
しかしながら、このような真空断熱材40は、立体形状部40bの形状に一致した形状を有する上金型と下金型よりなるプレス機で加工されるので、立体形状部40bの隣り合う辺Aと辺B、及び辺Bと辺Cの交叉領域Oの立体形成部40c付近の真空断熱材40のガスバリヤ層が、上金型と下金型の凸金型部41、42の角部によって引き延ばされて薄くなる現象がある。すなわち、プレス加工した時に凸金型部41、42の角部に位置する真空断熱材40は夫々の角部によって拘束されているため、角部に位置する真空断熱材40には相互に引き離す力がかかってしまい、真空断熱材40の外包材が無理に引き延ばされることになる。このため、真空断熱材40の外包材のガスバリヤ層が破損されてガスバリヤ機能が損なわれてしまうという恐れがあった。
本発明は、真空断熱材の平面部に形成した立体形状部の隣り合う辺の交叉領域付近の外包材のガスバリヤ機能が損なわれない新規な真空断熱材及びこれを用いた冷蔵庫を提供することにある。
本発明の特徴は、真空断熱材の平面部に形成した立体形状部の隣り合う辺の交叉領域付近の立体形成部に真空断熱材の外包材の延びを抑制する膨出部を形成するようにした、ところにある。
本発明によれば、立体形状部の隣り合う辺の交叉領域付近で真空断熱材の外包材の無理な引き延ばしが抑制されるので、真空断熱材のガスバリヤ機能が損なわれないようになるものである。
本発明が適用される冷蔵庫の正面図である。 図1に示す冷蔵庫をA−Aで断面した冷蔵庫の縦断面図である。 真空断熱材の断面を示す断面図である。 本発明の一実施例になる真空断熱材のプレス加工を行う時の方法を示す説明図である。 図4のX-X断面を示す断面図である。 図4のY-Y断面を示す断面図である。 図4に示すプレス加工によって得られた真空断熱材の外観斜視図である。 図4に示すプレス加工によって得られた真空断熱材を貯蔵室扉に適用した例を示す断面図である。 従来のプレス加工によって得られた真空断熱材の外観斜視図である。 従来の真空断熱材をプレス加工を行う時の方法を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
図1及び図2において、冷蔵庫10は上から冷蔵室11、貯氷室12a、上段冷凍室12b、冷凍室13、野菜室14等の貯蔵室を有している。図1にあるように各貯蔵室の前面開口部は扉によって開閉可能に構成されており、上からヒンジ15等を中心に回動する冷蔵室扉16a、6b、貯氷室扉17aと上段冷凍室扉17b、下段冷凍室扉18、野菜室扉19が配置されている。尚、冷蔵室扉16a、16b以外は全て引き出し式の扉であり、これらの引き出し式の扉17乃至扉19は扉を引き出すと、各貯蔵室を構成する容器が扉と共に引き出されてくる構成である。
各扉17乃至扉19の貯蔵室側の面には冷蔵庫本体10を密閉するため、内部に永久磁石を埋設したパッキン20を備え、このパッキン20は各扉17乃至扉19の貯蔵室側の外周縁付近に取り付けられている。
また、冷蔵室11と製氷室12a及び上段冷凍室12bとの間を区画、断熱するために仕切断熱壁21を配置している。この仕切断熱壁21は厚さ30〜50mm程度の断熱壁で、スチロフォーム、発泡断熱材(硬質ウレタンフォーム)、真空断熱材等をそれぞれ単独使用又は複数の断熱材を組み合わせて作られている。
製氷室12a及び上段冷凍室12bと下段冷凍室13の間は、制御温度帯が同じであるため区画、断熱する仕切り断熱壁ではなく、パッキン20の受面を形成した仕切り部材22を設けている。
下段冷凍室13と野菜室14の間には区画、断熱するための仕切断熱壁23を設けており、仕切断熱壁21と同様に30〜50mm程度の断熱壁で、スチロフォーム、或いは発泡断熱材(硬質ウレタンフォーム)、真空断熱材等で作られている。
基本的に冷蔵、冷凍等の貯蔵温度帯の異なる部屋の仕切りには仕切断熱壁21、23を設置している。
尚、冷蔵庫10の本体を構成する箱体24内には上から冷蔵室11、製氷室12a及び上段冷凍室12b、下段冷凍室13、野菜室14の貯蔵室をそれぞれ区画形成しているが、各貯蔵室の配置については特にこれに限定するものではない。
また、冷蔵室扉16a、16b、製氷室扉17a、上段冷凍室扉17b、下段冷凍室扉18、野菜室扉19に関しても回転による開閉、引き出しによる開閉及び扉の分割数等、特に限定するものではない。
冷蔵庫本体10を構成する箱体24は外箱25と内箱26とを備え、外箱25と内箱26とによって形成される空間に断熱部を設けて箱体24内の各貯蔵室と外部とを断熱している。具体的には外箱25と内箱26の間の空間に真空断熱材27a、27b、27dを配置し、真空断熱材27a、27b、27d以外の空間には硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材24aを充填してある。
また、冷蔵庫の冷蔵室11、冷凍室12a、12b、下段冷凍室13、野菜室14等の各室を所定の温度に冷却するために下段冷凍室13の背側には冷却器28が備えられており、この冷却器28は圧縮機29と凝縮機30、図示しないキャピラリーチューブとが接続されて冷凍サイクルを構成している。
冷却器28の上方にはこの冷却器28にて冷却された冷気を冷蔵庫内に循環して所定の低温温度を保持する送風機31が配設されている。
また、冷蔵庫の冷蔵室11と製氷室12a及び上段冷凍室12b、及び冷凍室13と野菜室14を区画する断熱材として夫々仕切断熱壁21、22が配置されている。仕切断熱壁21、22は発泡ポリスチレン32と真空断熱材27Cで構成されており、この仕切断熱壁21、22については硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材を充填しても良く、特に発泡ポリスチレンと真空断熱材に限定するものではない。
また、箱体24の天面後方部には冷蔵庫10の運転を制御するための基板や電源基板等の電気部品33を収納するための収納凹部34が形成されており、これに電気部品33を覆うカバー35が設けられている。
カバー35の高さは外観意匠性と内容積確保を考慮して、外箱25の天面とほぼ同じ高さになるように配置している。特に限定するものではないが、カバー35の高さが外箱の天面よりも突き出る場合は10mm以内の範囲に収めることが望ましい。
これに伴って、収納凹部34は断熱材24a側に電気部品33を収納する空間だけ窪んだ状態で配置されるので断熱厚さを確保するため必然的に内容積が犠牲になってしまう。逆に内容積をより大きくとると収納凹部34と内箱26間の断熱材24aの厚さが薄くなってしまうので、収納凹部34の断熱材24a中に真空断熱材27aを配置して断熱性能を確保、強化している。
本実施例では、真空断熱材27aを前述の庫内灯のケースと電気部品33に跨るように略Z形状に成形した1枚の真空断熱材27aとしている。尚、カバー35は耐熱性を考慮し鋼板製としている。また、箱体24の背面下部に配置された圧縮機29や凝縮機30は発熱量の大きい部品であるため、庫内への熱侵入を防止するため、内箱26側への投影面に真空断熱材27dを配置している。
次に図2に示した真空断熱材27a、27b、27c、27dについて説明するが、以下これらを代表して真空断熱材40と表記して説明する。図3において、真空断熱材40は、芯材43とこの芯材43を圧縮状態に保持するための内包材44、この内包材44で圧縮状態に保持した芯材43を被覆するガスバリヤ層を有する外包材45から構成してある。尚、芯材43の内部にはガス吸着材46が収納されている。
外包材45は真空断熱材40の両面を形成するように同じ大きさのラミネートフィルムの稜線から一定の幅の部分を熱溶着により貼り合わせた袋状に形成されている。本実施例において、芯材43についてはバインダ等で接着や結着していない繊維集合体の積層体として平均繊維径4μmのグラスウールを用いている。
芯材43については、無機系繊維材料の積層体を使用することによりアウトガスの発生を少なくできて断熱性能的に有利である。ただ、特にこれに限定するものではなく、例えばセラミック繊維やロックウール、グラスウール以外のガラス繊維等の繊維集合体等でもよい。
また、無機繊維集合体を用いているが、有機系樹脂繊維材料とすることも可能である。有機系樹脂繊維の場合、耐熱温度等をクリヤーしていれば特に使用に際しては制約されるものではない。具体的には、ポリスチレンやポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等をメルトブロー法やスパンボンド法等で1〜30μm程度の繊維径になるように繊維化するのが一般的であるが、繊維化できる有機系樹脂や繊維化方法であれば特に問うものではない。このように、本実施例の芯材43は繊維同士が結合していないため、真空断熱材40の形状を成型するために曲げ加工をしても、真空断熱材内で繊維が移動しやすくなり、曲げ加工での応力も少なく容易に任意の形状を成型することが可能である。
内包材44には低密度ポリエチレンから成るフィルムを用いているが、芯材43を覆い熱溶着可能であればポリプロピレンやポリエステル等も使用可能であり、特に限定するものではない。
外包材45のラミネート構成についてはガスバリヤ性を有し、熱溶着可能であれば特に限定するものではないが、本実施形態においては、表面保護層、第1ガスバリヤ層、第2ガスバリヤ層、熱溶着層の4層構成からなるラミネートフィルムとしている。
表面層は保護材の役割を持つ樹脂フィルムとし、第1ガスバリヤ層は樹脂フィルムに金属蒸着層を設け、第2ガスバリヤ層は酸素バリヤ性の高い樹脂フィルムに金属蒸着層を設け、第1ガスバリヤ層と第2ガスバリヤ層は金属蒸着層同士が向かい合うように貼り合わせている。
熱溶着層については表面層と同様に吸湿性の低いフィルムを用いた。具体的には、表面層を二軸延伸タイプのポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の各フィルムとし、第1ガスバリヤ層をアルミニウム蒸着付きの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムとし、第2ガスバリヤ層をアルミニウム蒸着付きの二軸延伸エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルム又はアルミニウム蒸着付きの二軸延伸ポリビニルアルコール樹脂フィルム、或いはアルミ箔とし、熱溶着層を未延伸タイプのポリエチレン、ポリプロピレン等の各フィルムとした。
これらの4層構成のラミネートフィルムの層構成や材料については特にこれらに限定するものではない。例えば第1、第2ガスバリヤ層として、金属箔、或いは樹脂系のフィルムに無機層状化合物、ポリアクリル酸等の樹脂系ガスバリヤコート材、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等によるガスバリヤ膜を設けたものを用いても良い。
また、熱溶着層には例えば酸素バリヤ性の高いポリブチレンテレフタレートフィルム等を用いても良い。
更に、表面層については第1ガスバリヤ層の保護材であるが、真空断熱材の製造工程における真空排気効率を良くするためにも、好ましくは吸湿性の低い樹脂を配置するのが良い。
また、第2ガスバリヤ層に使用する金属箔以外の樹脂系フィルムは、吸湿することによってガスバリヤ性が悪化してしまうため、熱溶着層についても吸湿性の低い樹脂を配置することで、ガスバリヤ性の悪化を抑制すると共に、ラミネートフィルム全体の吸湿量を抑制できるようになる。これにより、先に述べた真空断熱材41の真空排気工程においても、外包材45が持ち込む水分量を小さくできるため、真空排気効率が大幅に向上し、断熱性能の高性能化につながっている。
尚、各フィルムのラミネート(貼り合せ)は、二液硬化型ウレタン接着剤を介してドライラミネート法によって貼り合わせるのが一般的であるが、接着剤の種類や貼り合わせ方法には特にこれに限定するものではなく、ウェットラミネート法、サーマルラミネート法等の他の方法によるものでも何ら構わないものである。
次に、本実施例になる真空断熱材を形成するプレス加工方法について、図4乃至図7を用いて説明する。図4は真空断熱材のプレス加工を行う時の方法を示す説明図であり、図5は図4のX-X断面を示す断面図、図6は図4のY-Y断面を示す断面図である。
図4は金型を上面からみた図であり、下金型には真空断熱材40の立体形状部40bを形成するための上側に突出した凸金型部47が形成され、上金型には平面部40a-1、40a-2を形成するための下側に突出した凸金型部48、49、50が形成されている。凸金型部48、49は図7に示す2つの平面部40a-1を形成するためのものであり、これらは架橋部51(図6に示している)によって接続された1つの金型から構成されている。また、凸金型部50は平面部40a-2を形成するためのものであり、本実施例では凸金型部48、49を構成する金型とは別になっている。
凸金型部47と凸金型部48、49の間の領域Q、凸金型部47と凸金型部50の間の領域Q、及び両領域Qの交叉部は、平面部40a-1、40a-2と立体形状部40bとを接続するための立体形成部40cを形成するための領域である。
また、従来では図10に示すように凸金型部50と凸金型部48、49は連続して一体的に形成されたものであったが、本実施例では凸金型部50は凸金型部48、49とは所定の距離を置いて分離されているのを特徴としている。この分離している領域Pは、プレス加工した時に真空断熱材40に引き離す力がかかり、真空断熱材40の外包材45が無理に引き延ばされるのを避けるための逃げ領域である。領域Pは、立体形状部40bの隣り合う辺の交叉領域付近に形成されており、立体形成部40cを形成する領域Qと連続して形成されている。
そして、この領域Pは図7に示されているように、真空断熱材40に膨出部52を形成するための領域40a-3に対応しているものである。プレス加工することによって、真空熱材40の領域40a-3には立体形成部40cの形成に伴って膨出部52が連続して形成されるものであり、図4に示した破線は真空断熱材40に形成される膨出部52を仮想的に示したものである。
以上のような構成の上金型と下金型を有するプレス機で真空断熱材40をプレス加工する場合は、図5、図6にあるように、夫々の金型の凸金型部47、48、49、50の間に真空断熱材40を介装して上金型を押し下げると、凸金型部47によって立体形状部40bが形成され、凸金型部48、49によって平面部40a-1が形成され、凸金型部50によって平面部40a-2が形成されるようになる。
そして、このプレス加工によって平面部40a-1、40a-2と立体形状部40bとを接続するための立体形成部40cが平面部40a-1、40a-2から立ち上がるように形成される。ここで、本実施例では凸金型部48、49及びこれとは別体の凸金型部50が存在しない領域Pがあるため、この部分で真空断熱材40の領域40a-3は、凸金型部48、49及びこれとは別体の凸金型部50に拘束されないで比較的自由な状態になっている。
この結果、凸金型部48、49及びこれとは別体の凸金型部50の間の領域Pに対応した真空断熱材40の領域40a-3には、プレス加工に伴って膨出部52が形成されて引き離し力が緩和されるようになる。したがって、プレス加工した時に凸金型部48、49及び凸金型部50の角部の間に位置する真空断熱材40に作用する相互に引き離す力が従来のものに比べて小さくなり、真空断熱材40の外包材45のガスバリヤ機能を維持することが可能となるものである。
図7にあるように、立体形状部40bの隣り合う辺の交叉領域付近の立体形成部40cには膨出部52が連続して形成されている。この膨出部52は図4に示すプレス加工によって、立体形状部40bと立体形成部40cの形成と同時に形成されるものである。したがって、この膨出部52を形成することで、プレス機の凸金型部47,48,49,50の角部によって真空断熱材40に加わる引き離し力が緩和されるようになる。これによって、真空断熱材40に無理な引き離し力が作用するのを抑制できるので、真空断熱材40のガスバリヤ性能を維持することが可能となる。
本実施例の具体的な寸法を以下に説明する。本実施例では真空断熱材40の幅は300mm、長さは300mm、厚みは12mmの真空断熱材40を使用している。そして、真空断熱材40に形成する立体形状部40bを幅100mm、長さ50mm、厚さ方向に50mmとした時、下金型の凸金型部47の寸法は幅100mm、長さ50mm、厚さ方向に70mmとし、上金型の凸金型部48、49の寸法は幅70mm、長さ50mm、厚さ方向に70mmとし、上金型の凸金型部50の寸法は幅300mm、長さ220mm、厚さ方向に70mmとした。
このような金型を用いて、厚み方向に58mmだけ加圧することで、立体形状部40bの厚み方向に50mmの凹形状を成形した。これは、金型の厚みを立体形状部40bよりも大きくすることで、加圧後にスプリングバックすることを考慮している。また、58mmの加圧を行ったときに各金型の凸金型部との間は30mmの隙間としている。また、本実施例においては、凸金型部48,49と凸金型部50の間の領域Pの隙間を溝状にして30mm設けているが、領域Pを十分に設けられる形状であれば、どのような構成であっても良く、凸金型部48,49と凸金型部50を架橋部によって一体的に構成しても良いものである。
以上説明した実施例において、真空断熱材40の外包材45を構成するガスバリヤ層はアルミの蒸着層としているが、アルミ箔層でも良いことは言うまでもない。ただ、アルミ箔層を用いた場合に比べてアルミの蒸着層を設ける場合は、プレス加工時に引き延ばされてもアルミの蒸着層が破損する恐れが少なく、外包材45のガスバリヤ性能をより強く保つことができる。
また、立体形状部40bは直線を組み合せた矩形の形状に形成されているが、これに限ることなく特許文献1のように円弧の組み合せによる立体形状部、或いは直線と円弧の組合せによる立体形状部であっても良く、要は少なくとも2辺(円弧を含む)が交差する領域に膨出部が形成されるようにプレス加工されていれば良いものである。
図8は上述した方法によって得られた立体形状部40bを有した真空断熱材40を用いて、冷蔵室扉16aの外板53に張り付けた例を示している。冷蔵室扉16aには冷蔵室11内の温度を調節する制御基盤や、扉を開くための電動機の制御基盤が収納された制御箱54が設置されている。したがって、冷蔵室扉16aに制御箱54が設置されている場合、真空断熱材40に形成した立体形状部40bを制御箱54に被せて平面部40aを外板53に張り付けることで、制御箱54を避けることなく真空断熱材40を配置することができる。
また、立体形状部40bの内面には接着剤が設けられており、制御箱54との接着性を高くしている。接着剤にはホットメルトや両面テープが用いられているがこれに限定するものではない。このように、真空断熱材40の立体形状部40bと制御箱54を密着させることで、箱体の強度を向上することや、制御箱54と真空断熱材40の立体形状部40bの隙間に空気層が形成されるのを抑制することができる。
尚、図8に示す適用例とは別に以下に説明するような例にも本実施例の真空断熱材40を用いることができ、真空断熱材40の貼り付け面積を大きくして断熱性能を向上することができる。
例えば、冷蔵庫における冷凍室13や野菜室14の扉18、19においては、引き出し用の取手部が設けられている。取手部は扉の厚み方向の内側に向けて設置されることから、取手部の設置領域においては硬質ウレタンフォーム等の断熱材の厚みが薄くなってしまい冷熱の移動が大きくなる。そこで、本実施例の真空断熱材の立体形状部40bを取手部の形状に成形し、断熱材の厚みが薄い部分に立体形状部40bが位置するように真空断熱材40を設置することで、断熱性能を高くすることができる。
また、冷蔵庫の冷蔵室11においては、庫内を照らすための庫内灯が設置されている。この庫内灯は、冷蔵庫箱体の内部側に埋め込まれていることから、庫内灯の設置領域においては硬質ウレタンフォーム等の断熱材の厚みが薄くなってしまい冷熱の移動が大きくなる。そこで、本実施例の真空断熱材の立体形状部40bを庫内灯の形状に成形し、断熱材の厚みが薄い部分に立体形状部40bが位置するように真空断熱材40を設置することで、断熱性能を高くすることができる。
また、冷蔵庫の野菜室14においては、冷蔵庫を冷却するための圧縮機29が背面側に配置されていることから、圧縮機で発生する熱を断熱することが重要となる。圧縮機29の外観形状は球状であるため、野菜室を断熱する箱体の形状も球状のくぼみを有している。そこで、本実施例の真空断熱材の立体形状部40bを球状のくぼみに成形し、箱体のくぼみ部分に立体形状部40bが位置するように真空断熱材40を設置することで、断熱性能を高くすることができる。
更に、冷蔵庫の各貯蔵室には設定の温度に調整するために温度センサが取り付けられている。温度センサは貯蔵室に保存される食品と接触しないようにするために、箱体の内側に配置されている。このためこの部分で箱体の断熱厚みが薄くなってしまう。また、温度センサは室外からの温度に影響されないように断熱性を高くしなければならない。そこで、本実施例の真空断熱材の立体形状部40bを温度センサの形状に成形し、断熱材の厚みが薄い部分に立体形状部40bが位置するように真空断熱材40を設置することで、断熱性能を高くすることができる。
以上述べた通り、本発明は真空断熱材の平面部に形成した立体形状部の隣り合う辺の交叉領域付近の前記立体形成部に真空断熱材の外包材の延びを抑制する膨出部を形成するようにした。これによれば、立体形状部の隣り合う辺の交叉領域付近で真空断熱材の外包材の無理な引き延ばしが抑制されるので、真空断熱材のガスバリヤ機能が損なわれないようになるものである。
尚、以上に示した実施例や適用例は、冷蔵庫を対象に説明したが、冷蔵庫の他にも給湯器、自動販売機、自動車等の断熱性が必要である製品においても使用することが可能である。例えば、給湯器においては給湯タンクの周囲に給湯配管が用いられているが、真空断熱材に給湯配管の形状に合わせて立体形状部を形成して被せることでより効率的に断熱することができるようになる。
10…冷蔵庫、11…冷蔵室、12a…製氷室、12b…上段冷凍室、13…下段冷凍室、14…野菜室、15…扉用ヒンジ、16a…冷蔵室扉、16b…冷蔵室扉、17a…製氷室扉、17b…上段冷凍室扉、18…下段冷凍室扉、19…野菜室扉、20…パッキン、21、23…仕切断熱壁、22…仕切り部材、24…箱体、24a…断熱材、25…外箱、26…内箱、28…冷却器、29…圧縮機、30…凝縮機、31…送風機、40…真空断熱材、40a-1、40a-2…平面部、40b…立体形状部、40c…立体形成部、47,48,49,50…凸金型部、52…膨出部。

Claims (6)

  1. 柔軟性を有する状態の繊維集合体から成る芯材を収納した内包材を外包材に封入して減圧した真空断熱材に、平面部及び前記平面部から立ち上がる立体形成部及び前記立体形成部によって所定の形状に形成された立体形状部を形成した真空断熱材において、
    前記平面部に形成した前記立体形状部の隣り合う辺の交叉領域付近の前記立体形成部に前記外包材の延びを抑制する膨出部を形成したことを特徴とする真空断熱材。
  2. 請求項1に記載の真空断熱材において、
    前記膨出部はプレス加工を行うことによって形成されることを特徴とする真空断熱材。
  3. 請求項1或いは請求項2に記載の真空断熱材において、
    前記立体形状部は隣り合う直線、或いは隣り合う異なる円弧、或いは隣り合う直線と円弧とを有し、これらの交叉領域付近の前記立体形成部に前記外包材の延びを抑制する膨出部を連続して形成するようにプレス加工を行うことを特徴とする真空断熱材。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか記載の真空断熱材において、
    前記膨出部は、前記プレス加工において前記立体形状部を形成する金型と前記平面部を形成する金型が存在しない領域で前記真空断熱材に形成されることを特徴とする真空断熱材。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の真空断熱材において、
    前記外包材を構成するガスバリヤ層にはアルミの蒸着層が形成されていることを特徴とする真空断熱材。
  6. 外箱と内箱とによって形成される断熱箱体、或いは外板と内板によって形成される貯蔵室扉に真空断熱材を配設した冷蔵庫において、
    前記真空断熱材は、
    柔軟性を有する繊維集合体から成る芯材を収納した内包材を外包材に封入して減圧した真空断熱材に、平面部及び前記平面部から立ち上がる立体形成部及び前記立体形成部によって所定の形状に形成された立体形状部を形成する過程で、プレス加工によって、前記平面部に形成した前記立体形状部の隣り合う辺の交叉領域付近の前記立体形成部に前記外包材の延びを抑制する膨出部が形成されており、
    前記真空断熱材の前記立体形状部が前記段熱箱体、或いは貯蔵室扉に内装された部品に覆い被さるように、前記真空断熱材を前記断熱箱体の外箱、或いは貯蔵室扉の外板に張り付けたことを特徴とする冷蔵庫。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020235434A1 (ja) * 2019-05-23 2020-11-26 Agc株式会社 断熱内装部材、断熱内装部材の製造方法及び断熱内装部材を備えた車両用天井材
WO2021059929A1 (ja) * 2019-09-26 2021-04-01 Agc株式会社 断熱部材の製造方法

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