JP2014066142A - エンジンカバーの取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】弾性体からなる嵌合用マウント部材と嵌合用突起体とが車両前後方向に着脱可能に嵌合する嵌合構造を少なくともエンジンルーム奥側に備えるエンジンカバーの取付構造において、嵌合用マウント部材が取付基部の凹設部に嵌合用マウント部材の中心軸直角方向から挿入されて保持されている場合であっても、エンジンカバーの装着及び脱離時に嵌合用マウント部材が取付基部から脱落しにくいエンジンカバーの取付構造を提供する。
【解決手段】エンジンルーム奥側の取付構造は、取付基部11bと変形規制部11cとを備えている。取付基部11bの凹設部は、嵌合用マウント部材40の外周の2/3周以上を包囲して嵌合用マウント部材40を保持している。変形規制部11cは、嵌合用マウント部材40の嵌合用突起体31が挿入される側と相反する側の端部に当接することにより該端部が取付基部11bから嵌合孔41の中心軸方向に離れる側に変形するのを規制する。
【選択図】図3
【解決手段】エンジンルーム奥側の取付構造は、取付基部11bと変形規制部11cとを備えている。取付基部11bの凹設部は、嵌合用マウント部材40の外周の2/3周以上を包囲して嵌合用マウント部材40を保持している。変形規制部11cは、嵌合用マウント部材40の嵌合用突起体31が挿入される側と相反する側の端部に当接することにより該端部が取付基部11bから嵌合孔41の中心軸方向に離れる側に変形するのを規制する。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両に搭載されたエンジンの上面を覆うように取り付けられるエンジンカバーについて、これを車両に取り付けるための取付構造に関する。
従来より、車両に搭載されるエンジンにおいては、そのシリンダヘッドカバーに装着されるイグニッションコイルやインジェクタを覆って防音効果や意匠効果を高めるべく、エンジンカバーが取り付けられることが多い。そして、このエンジンへのエンジンカバーの取り付けは、これを確実に行うために、通常四本のボルトによってエンジンカバーの四隅がエンジンのヘッドカバー等に締結される。
図5に示すように、エンジンへのエンジンカバーの固定は、作業者がエンジン320に対してエンジンカバー330の位置合わせを行った後、レンチ340によりボルト342を螺入してエンジンカバー330の四隅を締結固定している。この取付構造においては、エンジン320の奥側(エンジンルーム350に対向した時の奥側であり、車両300の後方側)の端部にエンジンカバー330の一端を固定する際に、その固定部に作業者の手が届きにくいという問題がある。特に、オフロード走行を行うような比較的大型の車両300においては、その車高が高く車幅も広くなる傾向にあるためこの問題が顕著である。このため作業者は、車両300の正面方向(前方側)から作業を行うにしても、車両300の側面方向(左右側)から作業を行うにしても、かがんだ姿勢でエンジン320の奥側の端部に手を伸ばして作業をしなければならない。その結果、自ずと作業者の肉体的負担が大きくなるとともに、作業効率の低下も避けられないものとなっている。
このような問題を解決するために、特許文献1には、作業者がエンジンの奥側の端部に手を伸ばして作業することなくエンジンへのエンジンカバーの取り付けを行うことが可能なエンジンカバーの取付構造が開示されている(図6参照)。図6は、エンジンカバーの取付構造を説明する断面図を示している。エンジンカバー101のエンジンカバー本体110は、エンジン120の上部の平面形状にほぼ対応した平面形状を呈しており、エンジン120の上部を覆うように取り付けられる。エンジンカバー本体110の下面のほぼ四隅にあたる位置には、それぞれ下方に向かって突出する左右一対の後方側取付脚部111及び左右一対の前方側取付脚部112が形成されている。一方、エンジン120の上部のほぼ四隅の各後方側取付脚部111及び各前方側取付脚部112に対応した位置には、左右一対の後方側固定用ブラケット130及び左右一対の前方側固定用ブラケット131がそれぞれボルト固定されている。
エンジンルーム奥側の後方側固定用ブラケット130には、嵌合用突起体132が設けられている。嵌合用突起体132は円柱状を呈しており、その先端部には、嵌合用突起体132の外周面から径外方向に向けて突出する抜け止め用の環状凸部133が形成されている。後方側取付脚部111の下方先端部には、嵌合用マウント部材140(一般にグロメットと呼ばれている)を取り付けるための前後方向に貫通した取付孔111aが形成されている。嵌合用マウント部材140はリング状を呈するゴム状弾性部材であり、前後方向に貫通した嵌合孔141と、嵌合孔141の後方側の口縁に形成されたテーパー開口面142と、外周面に凹設された嵌合溝部143とを有している。嵌合用マウント部材140を外周側から押し潰しつつ、嵌合用マウント部材140が取付孔111aに後方から挿入されることにより、嵌合溝部143が取付孔111aに嵌合して嵌合用マウント部材140が後方側取付脚部111に取り付けられている。
前方側取付脚部112の下部には、下方に向かって鉛直に延びる嵌合用突起体113が一体に形成されている。嵌合用突起体113は下方ほど外径が小さい略円錐台状を呈しており、その先端部には、嵌合用突起体113の外周面から径外方向後方に向けて突出する抜け止め用の先端段差部114が形成されている。エンジンルーム手前側の前方側固定用ブラケット131の上部には、嵌合用マウント部材140を取り付けるための上下方向に貫通した取付孔131aが形成されている。嵌合用マウント部材140を外周側から押し潰しつつ、嵌合用マウント部材140が取付孔131aに上方から挿入されることにより、嵌合溝部143が取付孔131aに嵌合して嵌合用マウント部材140が前方側固定用ブラケット131に取り付けられている。
エンジンルーム奥側の嵌合用突起体132と、嵌合用マウント部材140とは、前後方向に互いに着脱可能に嵌合しつつ嵌合部でのエンジンカバー101の回動及び前後方向のスライド操作を可能とする取付機構を構成している。また、エンジンルーム手前側の嵌合用突起体113と、嵌合用マウント部材140とは、上下方向に互いに着脱可能に嵌合しつつ嵌合部でのエンジンカバー101の上下方向のスライド操作を可能とする取付機構を構成している。作業者がエンジン120の上部にエンジンカバー101を取り付ける際には、エンジンカバー101の手前側を持ち上げて、エンジンルーム奥側の嵌合用突起体132と、嵌合用マウント部材140とを当接させた後、エンジンカバー101を後方にスライドさせた後、エンジンカバー101の手前側を下方に回動させることにより、作業者がエンジン120の奥側の端部に手を伸ばして作業することなくエンジン120へのエンジンカバー101の取り付けを行うことが可能となっている。
上述した嵌合用マウント部材140は、剛性が小さいために外周側から径内方向に向けて押し潰すことにより縮径させることが可能であるが、嵌合用マウント部材の剛性が高い場合には、嵌合用マウント部材を大きく縮径させることが困難である。この場合、例えば、図7(a)に示すように、嵌合用マウント部材40を後方側取付脚部211の取付基部211aの凹設部に下方から嵌め込む構成が採用されている。嵌合用マウント部材40は、上述した嵌合用マウント部材140と同様にリング状を呈しており、嵌合孔41と、テーパー開口面42と、嵌合溝部43とを有している。取付基部211aの凹設部の挿入口の開口幅は、嵌合用マウント部材40の嵌合溝部43の溝底の外径よりも狭くなっており(図4に示す凹設部11dと同様の構造)、嵌合用マウント部材40が取付基部211aから脱落しないようになっている。
上述した嵌合用マウント部材40と嵌合用突起体31とを嵌合させるときに、図7(a)に示すように、嵌合用マウント部材40の中心軸と嵌合用突起体31の中心軸とが同軸又は略同軸に揃っている場合には、嵌合用マウント部材40と嵌合用突起体31とをスムーズに嵌合させることができる。ところが、例えば、図7(b)に示すように、嵌合用突起体31の先端拡径部32が嵌合用マウント部材40の中心軸から下方に偏心してテーパー開口面42に当接したり、図7(c)に示すように、エンジンカバーの手前側が持ち上げられて後方側取付脚部211が大きく傾いた状態で嵌合用突起体31の先端拡径部32がテーパー開口面42に当接したりした場合には、嵌合用マウント部材40や取付基部211aが変形して、嵌合用マウント部材40が取付基部211aから脱落する虞がある。
このような嵌合用マウント部材40の脱落は、嵌合用突起体31から嵌合用マウント部材40に偏心荷重が作用したり、嵌合用マウント部材40に軸方向の曲げモーメントが作用したりした場合に発生する。したがって、嵌合用マウント部材40の脱落は、エンジンにエンジンカバーを装着するときのみでなく脱離するときにおいても発生する。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、弾性体からなる嵌合用マウント部材と嵌合用突起体とが車両前後方向に着脱可能に嵌合する嵌合構造を少なくともエンジンルーム奥側に備えるエンジンカバーの取付構造において、嵌合用マウント部材が取付基部の凹設部に嵌合用マウント部材の中心軸直角方向から挿入されて保持されている場合であっても、エンジンカバーの装着及び脱離時に嵌合用マウント部材が取付基部から脱落しにくいエンジンカバーの取付構造を提供することを目的とする。
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
(1)本発明のエンジンカバーの取付構造は、車両に搭載されたエンジンの上面を覆うように取り付けられるエンジンカバーの取付構造において、少なくともエンジンルーム奥側の前記取付構造は、車両前後方向に延びる嵌合孔を有しかつ弾性体からなる嵌合用マウント部材と、該嵌合孔に嵌入されることにより該嵌合用マウント部材と車両前後方向に着脱可能に嵌合する嵌合用突起体と、該嵌合用マウント部材を保持する取付基部と、該嵌合用マウント部材の変形を規制する変形規制部と、を備え、前記取付基部には、前記嵌合用マウント部材を前記嵌合孔の中心軸直角方向から挿入可能な挿入口を有しかつ該嵌合用マウント部材の外周の2/3周以上を包囲することによりに該嵌合用マウント部材を保持する凹設部が形成されており、前記変形規制部は、前記嵌合用マウント部材の嵌合用突起体が挿入される側と相反する側の端部に当接することにより該端部が前記取付基部から前記嵌合孔の中心軸方向に離れる側に変形するのを規制することを特徴とする。
このような構成によると、嵌合用マウント部材の嵌合用突起体が挿入される側と相反する側の端部は、変形規制部と当接することにより取付基部から嵌合孔の中心軸方向に離れる側に変形するのを規制されている。したがって、嵌合用突起体から嵌合用マウント部材に偏心荷重が作用したり、嵌合用マウント部材に軸方向の曲げモーメントが作用したりした場合であっても、嵌合用マウント部材は、軸方向に曲げられにくく、軸方向に圧縮又は伸長変形しやすくなっている。これにより、エンジンカバーの装着及び脱離時に嵌合用マウント部材が取付基部から脱落することを防止することができる。なお、変形規制部は、嵌合用マウント部材に常時当接している構成としてもよいし、嵌合用マウント部材に荷重が作用したときのみ嵌合用マウント部材に当接する構成としてもよい。
(2)前記(1)で述べた本発明のエンジンカバーの取付構造において、好ましくは、前記変形規制部は、前記嵌合孔の中心軸直角方向に広がる面を持つ板部材である。
このような構成によると、簡素な構成で嵌合用マウント部材が取付基部から脱落することを防止することができる。また、嵌合用マウント部材の嵌合用突起体が挿入される側と相反する側の端部が変形規制部により広く覆われるため、エンジンカバーの装着及び脱離時に嵌合用マウント部材が周辺部品等に接触して取付基部から脱落することを防止することもできる。
(3)前記(1)又は(2)で述べた本発明のエンジンカバーの取付構造において、好ましくは、前記取付基部及び前記変形規制部は、前記エンジンカバーと一体成形されている。
このような構成によると、通常、エンジンカバーは合成樹脂製であることから、取付基部及び変形規制部をエンジンカバーと一体成形することにより、取付基部及び変形規制部を効率よく形成することが可能である。
本発明によれば、弾性体からなる嵌合用マウント部材と嵌合用突起体とが車両前後方向に着脱可能に嵌合する嵌合構造を少なくともエンジンルーム奥側に備えるエンジンカバーの取付構造において、嵌合用マウント部材が取付基部の凹設部に嵌合用マウント部材の中心軸直角方向から挿入されて保持されている場合であっても、エンジンカバーの装着及び脱離時に嵌合用マウント部材が取付基部から脱落しにくいエンジンカバーの取付構造を提供することができる。
図1〜4に基づいて、本発明の一実施形態に係るエンジンカバーの取付構造について説明する。説明中における上下左右前後とは、図1〜4に示す上下左右前後のことであり、車両の前進方向を前方、車両の後退方向を後方としたときの車両の上下左右前後方向に対応している。また、説明中における奥側とは、車両前方からエンジンルームに対向した時の奥側であり、車両の後方側に対応している。説明中における手前側とは、車両前方からエンジンルームに対向した時の手前側であり、車両の前方側に対応している。なお、図4における上下方向は紙面平行方向、前方向及び左方向は紙面奥方向、後方向及び右方向は紙面手前方向に向いている。
図1は、本実施形態に係るエンジンカバーを上方から見た平面図を示している。図2は、図1におけるA−A線で切断した断面図を示している。図3は、図1におけるB−B線で切断した断面図を示している。図1に示すように、エンジンカバー1のエンジンカバー本体10は、エンジン20の上部の平面形状にほぼ対応した平面形状を呈している。エンジンカバー1は、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)等の合成樹脂によって形成されている。図2及び3に示すように、エンジン20の上部には、スロットルボデー(図示せず)、エンジン部材等を備えて構成されており、エンジンカバー1は、エンジン20の上部を覆うように取り付けられる。
エンジンカバー本体10の下面のほぼ四隅にあたる位置には、それぞれ下方に向かって突出する左右一対の後方側取付脚部11及び左右一対の前方側取付脚部12がエンジンカバー1と一体成形されている。各後方側取付脚部11及び各前方側取付脚部12には、四個の嵌合用マウント部材40が保持されている。一方、エンジン20の上部のほぼ四隅の各後方側取付脚部11及び各前方側取付脚部12に対応した位置には、四個の嵌合用突起体31が配置されている。四個の嵌合用マウント部材40と四個の嵌合用突起体31とが嵌合することにより、エンジンカバー1がエンジン20の上部に取り付けられる。
まずは、エンジンルーム奥側(後方側)とエンジンルーム手前側(前方側)の取付構造に共通する部品である嵌合用突起体31及び嵌合用マウント部材40の構成及び作用について説明する。嵌合用突起体31は円柱状を呈する金属又は合成樹脂製棒部材であり、その先端部には、嵌合用突起体31の軸部分よりも大径で略球状を呈する抜け止め用の先端拡径部32が形成されている。嵌合用突起体31の基端側にはナット固定用のネジ山(図示せず)が形成されており、嵌合用突起体31をナット固定することが可能となっている。
図2及び3に示すように、エンジンルーム奥側(後方側)に配置される嵌合用突起体31は、エンジン20のエンジン部材の上部にボルト固定されたL字状を呈する後方側固定用ブラケット30を介して、先端拡径部32が前方を向くように固定されている。エンジンルーム手前側(前方側)に配置される嵌合用突起体31は、先端拡径部32が上方を向くようにエンジン部材に直接ねじ込まれて固定されている。
嵌合用マウント部材40(一般にグロメットと呼ばれている)はリング状を呈するゴム状弾性部材であり、嵌合用マウント部材40の中心軸方向に貫通した嵌合孔41と、嵌合孔41の入口側の口縁に形成されたテーパー開口面42と、嵌合用マウント部材40の外周面に凹設された円環状を呈する嵌合溝部43とを有している。図3に示すように、嵌合孔41の内空形状は、嵌合用突起体31の外観形状に対応した形状とされている。したがって、嵌合孔41の一部は、嵌合用突起体31の先端拡径部32に対応して拡径している。
図3及び4に示すように、嵌合用マウント部材40の嵌合孔41に嵌合用突起体31を挿入すると、嵌合孔41が先端拡径部32で押し広げられつつ、やがて嵌合用マウント部材40と嵌合用突起体31とが嵌合する。嵌合用マウント部材40と嵌合用突起体31とが嵌合すると先端拡径部32が嵌合孔41の拡径部に引っ掛かるため、嵌合用突起体31が嵌合孔41から容易に引き抜けることはない。なお、嵌合用マウント部材40のテーパー開口面42は、嵌合用突起体31の先端拡径部32を嵌合用マウント部材40の中心軸方向に導く作用がある。
次に、後方側取付脚部11及び前方側取付脚部12の構成及び作用について説明する。後方側取付脚部11は、上方から見て矩形の平面形状を呈しており(図1参照)、取付脚部本体11aと、取付基部11bと、変形規制部11cとを有している。図4に示すように、取付脚部本体11aは後方が開口した中空立方体状部材であり、エンジンカバー本体10の下面から下方に向かって突出している。取付脚部本体11aの基端側は、三角リブ等により補強されている。
取付基部11bは上下左右方向に広がる面を持つ板部材であり、取付脚部本体11aの下部に一体成形されている。取付基部11bには、前後方向に貫通した円形の内面形状を有しかつ上方に向かって凹設された凹設部11dが形成されている。凹設部11dの内径は、嵌合用マウント部材40の嵌合溝部43の溝底の外径とほぼ等しく、凹設部11dの挿入口11eの開口幅は、嵌合溝部43の溝底の外径よりも狭くなっている。また、凹設部11dの内面で嵌合用マウント部材40の嵌合溝部43の外周の2/3周以上を包囲することが可能とされている。
したがって、取付基部11bの凹設部11dの挿入口11eに、テーパー開口面42を後方に向けた嵌合用マウント部材40の嵌合溝部43を位置合わせした状態で、嵌合用マウント部材40を嵌合孔41の中心軸直角方向から取付基部11bの凹設部11dに下方から嵌め込むことにより、嵌合用マウント部材40が取付基部11bから脱落しないように保持される。嵌合用マウント部材40を取付基部11bの凹設部11dに嵌め込むには、嵌合溝部43が凹設部11dの挿入口11eを通過可能な外径となるまで嵌合用マウント部材40を外周の左右方向から押し潰せばよい。
変形規制部11cは上下左右方向に広がる面を持つ板部材であり、取付脚部本体11aの下部に一体成形されている。変形規制部11cは、取付基部11bと対向しかつ前方に離間した位置に設けられている。取付基部11bと変形規制部11cとの離隔は、嵌合用マウント部材40の嵌合溝部43から嵌合用マウント部材40の前方側の端部44までの距離にほぼ等しい。取付基部11bと変形規制部11cとは、右端同士及び左端同士が補強用のリブで繋がれている。嵌合用マウント部材40が取付基部11bに保持されている状態において、嵌合用マウント部材40の前方側の端部44と変形規制部11cの面とが当接又は極近接している。
前方側取付脚部12は、上方から見て円形又は多角形の平面形状を呈しており(図1参照)、取付脚部本体12aと、取付基部12bと、仕切壁12cとを有している。図2及び3に示すように、取付脚部本体12aは後方が開口した中空円錐台状部材であり、エンジンカバー本体10の下面から下方に向かって突出している。
取付基部12bは前後左右方向に広がる面を持つ板部材であり、取付脚部本体12aの下壁を構成している。取付基部12bには、上述した後方側取付脚部11の取付基部11bの凹設部11dと同一形状の凹設部が形成されている。この凹設部の挿入口は後方に開口している。したがって、取付基部12bの凹設部の挿入口に、テーパー開口面42を下方に向けた嵌合用マウント部材40の嵌合溝部43を位置合わせした状態で、嵌合用マウント部材40を嵌合孔41の中心軸直角方向から取付基部12bの凹設部に後方から嵌め込むことにより、嵌合用マウント部材40が取付基部12bから脱落しないように保持される。
仕切壁12cは前後左右方向に広がる面を持つ板部材であり、取付脚部本体12aの内空を上下に分割するように取付脚部本体12aと一体成形されている。仕切壁12cは、取付脚部本体12aを補強するための部材であり、嵌合用マウント部材40が取付基部12bに保持されている状態において、嵌合用マウント部材40の上方側の端部と仕切壁12cとは当接していない。
エンジンルーム奥側の嵌合用突起体31と、嵌合用マウント部材40とは、前後方向に互いに着脱可能に嵌合しつつ嵌合部でのエンジンカバー1の回動及び前後方向のスライド操作を可能とする取付機構を構成している。また、エンジンルーム手前側の嵌合用突起体31と、嵌合用マウント部材40とは、上下方向に互いに着脱可能に嵌合しつつ嵌合部でのエンジンカバー1の上下方向のスライド操作を可能とする取付機構を構成している。
作業者がエンジン20の上部にエンジンカバー1を取り付ける際には、はじめに、作業者はエンジンカバー1の手前側を持ち上げてその下面側を見ながら、エンジン20に対してエンジンカバー1のおおよその位置合わせを行う。すなわち、エンジンルーム奥側の固定用ブラケット30の上端に固定された嵌合用突起体31の先端拡径部32に対して、エンジンカバー1の下面から下方に向かって突出する後方側取付脚部11に取り付けられた嵌合用マウント部材40のテーパー開口面42を当接させる。このとき、嵌合用マウント部材40のテーパー開口面42は、エンジンカバー1を正確な取付位置に導くガイドとして機能する。また、テーパー開口面42の径は、嵌合用突起体31の先端拡径部32の径よりも充分に大きいため、作業者はこの作業を比較的容易に行うことができる。
このようにして、嵌合用マウント部材40のテーパー開口面42を嵌合用突起体31の先端拡径部32に位置合わせした後、この位置合わせ部を支点としてエンジンカバー1を下方に回動させてエンジンカバー1を略水平とし、エンジンカバー1をエンジンルーム奥側方向にスライドさせることにより、エンジンルーム奥側の嵌合用マウント部材40と嵌合用突起体31とを嵌合させる。この嵌合状態において、嵌合用マウント部材40の弾性により、固定用ブラケット30に対してエンジンカバー1は上下方向への回動が許容された状態となっている。
このようにして、エンジンカバー1の奥側の端部を嵌合取り付けした後、エンジンカバー1の手前側を下方に回動させることにより、エンジンルーム手前側の嵌合用マウント部材40と嵌合用突起体31とが嵌合する。このとき、エンジンルーム手前側の嵌合用マウント部材40のテーパー開口面42は、エンジンカバー1を正確な取付位置に導くガイドとして機能する。
以上のように、作業者がエンジン20の奥側の端部に手を伸ばして作業することなくエンジン20へのエンジンカバー1の取り付けが完了する。取り付けが完了した状態において、エンジンカバー本体10と嵌合用マウント部材40と嵌合用突起体31とは、ガタツキなく取り付けられており、車両に振動が加わった場合であっても、これらの部品がガタついて異音を発生することはない。また、嵌合用マウント部材40の弾性により、関係部品間の製造誤差、取付誤差等のバラツキが許容されるため、無理なくエンジンカバー1を取り付けることができる。
このような本実施形態の構成によると、嵌合用マウント部材40の嵌合用突起体31が挿入される側と相反する側の端部44は、変形規制部11cと当接することにより取付基部11bから嵌合孔41の中心軸方向に離れる側に変形するのを規制されている。したがって、嵌合用突起体31から嵌合用マウント部材40に偏心荷重が作用したり、嵌合用マウント部材40に軸方向の曲げモーメントが作用したりした場合であっても、嵌合用マウント部材40は、軸方向に曲げられにくく、軸方向に圧縮又は伸長変形しやすくなっている。これにより、エンジンカバー1の装着及び脱離時に嵌合用マウント部材40が取付基部11bから脱落することを防止することができる。
また、変形規制部11cが板部材であるため、簡素な構成で嵌合用マウント部材40が取付基部11bから脱落することを防止することができる。また、嵌合用マウント部材40の嵌合用突起体31が挿入される側と相反する側の端部44が変形規制部11cにより広く覆われるため、エンジンカバー1の装着及び脱離時に嵌合用マウント部材40が周辺部品等に接触して取付基部11bから脱落することを防止することもできる。
また、エンジンカバー1は、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)等の合成樹脂によって形成されており、取付基部11b及び変形規制部11cは、エンジンカバー1と一体成形されている。このため、射出成形等の型成形により取付基部11b及び変形規制部11cを効率よく形成することが可能である。
本発明のエンジンカバーの取付構造は、上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができることは言うまでもない。
例えば、本実施形態においては、エンジンルーム手前側の嵌合用突起体31と嵌合用マウント部材40とが上下方向に嵌合する構成としているが、これに限定されない。エンジンルーム手前側の取付構造を嵌合用突起体31と嵌合用マウント部材40とが前後方向に嵌合する構成とすることもできる。また、従来のようにボルトによる締結構造とすることもできる。
また、本実施形態においては、エンジンカバー1側に嵌合用マウント部材40を取り付け、エンジン20側に嵌合用突起体31を取り付けているが、エンジンカバー1側に嵌合用突起体31を取り付け、エンジン20側に嵌合用マウント部材40を取り付ける構成とすることもできる。
また、本実施形態において説明したエンジンカバー1の形状は一例であって、この形状に限定されず種々の形状とすることができる。また、本実施形態においては、エンジンカバー1がエンジンカバー本体10のほぼ四隅にあたる位置の四点で支持される形態について述べたが、エンジンカバーを支持する点数は四点に限定されず、三点又は五点以上の点数で支持することができる。
1 … エンジンカバー 11b … 取付基部
11c … 変形規制部 11d … 凹設部
11e … 挿入口 12b … 取付基部
20 … エンジン 31 … 嵌合用突起体
40 … 嵌合用マウント部材 41 … 嵌合孔
44 … 端部
11c … 変形規制部 11d … 凹設部
11e … 挿入口 12b … 取付基部
20 … エンジン 31 … 嵌合用突起体
40 … 嵌合用マウント部材 41 … 嵌合孔
44 … 端部
Claims (3)
- 車両に搭載されたエンジンの上面を覆うように取り付けられるエンジンカバーの取付構造において、
少なくともエンジンルーム奥側の前記取付構造は、車両前後方向に延びる嵌合孔を有しかつ弾性体からなる嵌合用マウント部材と、該嵌合孔に嵌入されることにより該嵌合用マウント部材と車両前後方向に着脱可能に嵌合する嵌合用突起体と、該嵌合用マウント部材を保持する取付基部と、該嵌合用マウント部材の変形を規制する変形規制部と、を備え、
前記取付基部には、前記嵌合用マウント部材を前記嵌合孔の中心軸直角方向から挿入可能な挿入口を有しかつ該嵌合用マウント部材の外周の2/3周以上を包囲することによりに該嵌合用マウント部材を保持する凹設部が形成されており、
前記変形規制部は、前記嵌合用マウント部材の嵌合用突起体が挿入される側と相反する側の端部に当接することにより該端部が前記取付基部から前記嵌合孔の中心軸方向に離れる側に変形するのを規制することを特徴とするエンジンカバーの取付構造。 - 前記変形規制部は、前記嵌合孔の中心軸直角方向に広がる面を持つ板部材である請求項1に記載のエンジンカバーの取付構造。
- 前記取付基部及び前記変形規制部は、前記エンジンカバーと一体成形されている請求項1又は2に記載のエンジンカバーの取付構造。
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