JP2014066035A - 地盤改良構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】地盤の拘束力を効果的に高めることで、所定領域の地盤の変形を抑えることができ、拘束される地盤と枠型改良壁との一体化を図ることで地盤上の建物または構造物を支えることができるうえ、改良構造の軽量化を図ることで、不等沈下を抑制することができる。
【解決手段】掘削した地盤Gに地盤改良材を混合させて攪拌することにより平面視で正方形状に形成され、複数が縦横に等間隔で配列された枠型改良壁2を備え、枠型改良壁2のそれぞれは、対向する壁同士の壁間スパンDが深さ寸法の2倍以下となるように設けられ、複数の枠型改良壁2同士の縦横の配列スパンdが縦横それぞれの配列方向に沿う壁間スパンDと同じ長さ寸法となる構成の地盤改良構造1を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば建物または構造物を下方から支持したり、工場や倉庫といった広い面積を有する土間コンクリートなどの不等沈下を防止することができる地盤改良構造に関する。
従来、ロッドの先端に掘削翼を備えた地盤改良装置を使用し、地盤をブロック状あるいは壁状に掘削し、ほぐされた状態の地盤に地盤改良材を混合して攪拌することにより地盤改良壁を施工し、建物を下方から支持する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような地盤改良壁は、平面視で建物の外周部に沿った形状、或いは前記外周部を囲繞する形状で設けられているのが一般的となっている。
特開平11−217820号公報
しかしながら、従来の地盤改良壁では、以下のような問題があった。
すなわち、形成する地盤改良壁の高さ(深さ寸法)が不足している場合、前記地盤を囲う地盤改良壁の水平方向の間隔(壁間スパン)が大きい場合、或いは建物の位置や形状に対応した地盤改良体になっていない場合には、地盤改良壁の内側の地盤の拘束力が小さいことから変形が生じるおそれがあり、地震時や液状化によっては建物を効果的に支持することができないという問題があった。
また、例えば工場や倉庫などの敷地面積が大きい場合等には、その敷地の全域にわたってコンクリートを打設した土間コンクリートを設けたり、表層地盤改良を施すことにより板状固化体を形成することが一般的に行われている。
板状固化体が土間コンクリートの場合には、打設するコンクリートの荷重が増加し、総重量が大きくなることから、不等沈下が生じ易くなるという問題があった。
また、板状固化体が表層地盤改良体の場合も、セメント等を掘削地盤に混合して置換することによる改良となるので、上記土間コンクリートの場合と同様に、当該表層地盤改良体自体の総重量が増えて不等沈下を助長するおそれがあり、その点で改善の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、地盤の拘束力を効果的に高めることで、所定領域の地盤の変形を抑えることができ、拘束される地盤と枠型改良壁との一体化を図ることで地盤上の建物または構造物を支えることができる地盤改良構造を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、改良構造の軽量化を図ることで、不等沈下を抑制することができる地盤改良構造を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る地盤改良構造では、掘削した地盤に地盤改良材を混合させて攪拌することにより平面視で矩形状に形成され、複数が縦横に等間隔で配列された枠型改良壁を備え、前記枠型改良壁のそれぞれは、対向する壁同士の壁間スパンが深さ寸法の2倍以下となるように設けられ、前記複数の枠型改良壁同士の縦横の配列スパンは、該縦横それぞれの配列方向に沿う前記壁間スパンと同じ長さ寸法となることを特徴としている。
本発明では、複数の枠型改良壁が例えば建物または構造物(以下、建物等という)の直下の対象地盤において、その地盤の一部(壁内地盤)を囲うように設けられるとともに、複数の枠型改良壁同士の間に位置する範囲の地盤(壁外地盤)においてもその周囲に枠型改良壁が配置された状態となるので、対象地盤における地盤全域の水平方向への移動が拘束された状態となって剛性を増すことになる。そのため、地盤上に設けられる建物等の不等沈下を防止するとともに、地震時における建物等の揺れを低減させることができる。
すなわち、枠型改良壁の壁間スパンを枠型改良壁の深さ寸法の2倍以下とすることで、平面視で地表面における枠型改良壁内の中心部から斜め下方に向けて45度の位置に枠型改良壁が存在することになる。また、隣り合う枠型改良壁同士の配列方向に沿った配列スパンを、枠型改良壁の深さ寸法の2倍以下とすることで、平面視で地表面における枠型改良壁同士の間の対角線方向に位置する領域の中心部から斜め下方に向けて45度の位置に枠型改良壁が存在することになる。
そのため、対象地盤内において地表面から地盤内に対して45度の方向に分散される建物等の荷重を、枠型改良壁によって囲まれる壁内地盤、および隣り合う枠型改良壁同士の間の壁外地盤によって支持することが可能となる。つまり、本発明の地盤改良構造では、建物等の全荷重を、枠型改良壁で拘束された対象地盤を介して枠型改良壁で受けもたせることができる。
また、地震による水平力が建物等に作用すると、その建物等とともに地盤中の複数の枠型改良壁にも同一方向の水平力が作用する。つまり、枠型改良壁の外面側から内面側に向けて内向きの水平力がかかる一方の改良壁においては、拘束地盤のうち壁下端から壁内地盤内の地表面に向けて45度の範囲の拘束地盤領域(第1拘束地盤領域)が前記改良壁に作用する水平力に対する水平抵抗となる。さらに、壁内地盤において、第1拘束地盤領域の地表面部分から、一方の改良壁と対向位置に配置される他方の改良壁へ向けて斜め下方45度の範囲に第2拘束地盤領域が形成される。この第2拘束地盤領域は、第1拘束地盤領域によって他方の改良壁部側へ押されて水平方向に移動するように作用するが、その移動は他方の改良壁によって規制されることになる。つまり、枠型改良壁の壁間スパンが深さ寸法の2倍以下であるので、枠型改良壁よりも外側に向けて水平方向に移動しようとする第2拘束地盤領域の全体を他方の改良壁によって確実に押さえることができる。これにより、地震時に枠型改良壁に水平力が作用しても壁内地盤が変形するのを抑制することができる。さらに、壁外地盤においても、複数の枠型改良壁が縦横に等間隔で配列されているので、壁内地盤と同様に地震時に枠型改良壁に作用する水平力による変形を抑えることができる。
したがって、前記壁内地盤および壁外地盤のそれぞれが拘束されているので、それらの地盤において地震時のせん断変形を抑制することができ、液状化を防止することができるうえ、建物等の不等沈下を防止することができる。
このように本発明に係る地盤改良構造では、対象地盤上から受ける下向きの荷重に対しては枠型改良壁の内外面での地盤との摩擦力によって抵抗し、枠型改良壁の外面が受ける土圧に対しては壁内地盤の抵抗力によって抵抗し、枠型改良壁の内面に作用する土圧に対しては外面が受ける土圧が抵抗力となる。そのため、本地盤改良構造では、内外面の抵抗力によって傾きやねじれが防止された枠型改良壁によって建物等を支持することができる。
そして、本発明では、枠型改良壁によって囲まれる壁内地盤のみでなく、その枠型改良壁同士の間に位置する壁外地盤においても、前記壁内地盤と同様の効果が得られる。そのため、対象地盤全域にわたって格子状に地盤改良壁を形成する必要がなく、前記配列スパンを枠型改良壁の深さ寸法の2倍以下にして枠型改良壁を配列すれば良いので、改良範囲を少なくすることができ、コストや工期の低減を図ることができる。しかも、改良範囲を減らすことで、地盤改良部分の軽量化を図ることができるので、枠型改良壁を設けることによる沈下の増大を抑制することができる。
また、本発明に係る地盤改良構造では、地表面に沿って所定厚さで設けられ、前記複数の枠型改良壁の上端同士を連設する板状固化体が設けられていてもよい。
この場合には、各枠型改良壁が板状固化体の直下の地盤の一部(壁内地盤)を囲うように設けられるとともに、複数の枠型改良壁同士の間に位置する範囲の地盤(壁外地盤)においてもその周囲に枠型改良壁が配置された状態となるので、板状固化体の直下における地盤全域の水平方向への移動が拘束された状態となって剛性を増すことになり、板状固化体の不等沈下を防止するとともに、地震時における板状固化体上の建物等の揺れを低減させることができる。
そのため、板状固化体の直下の地盤に対して45度の方向に分散される板状固化体の荷重を、枠型改良壁の内外の地盤によって支持することが可能となり、板状固化体の全荷重を、枠型改良壁で拘束された壁内地盤、及び枠型改良壁同士によって拘束された壁外地盤を介して枠型改良壁で受けもたせることができる。
また、本発明の地盤改良構造では、枠型改良壁と板状固化体とが連設されているので、前記壁内地盤および壁外地盤が地震によって液状化した場合であっても、これら壁内地盤内および壁外地盤内に含有される水が地上(板状固化体の上側)へ噴出するのを防ぐことができる。したがって、噴出する水とともに地盤内の砂が流出することがなくなり、前記壁内地盤および壁外地盤が変形するのを抑制することができ、地盤の拘束力の低下を防ぐことができる。そのため、液状化した場合であっても、地盤による板状固化体の支持力を確保することが可能となり、板状固化体が沈下して傾くのを抑制することができる。
また、本発明に係る地盤改良構造では、枠型改良壁は、板状固化体の下面から下方に位置する部分の深さ寸法であることが好ましい。
この場合、平面視で板状固化体における枠型改良壁内の下面の中心部から斜め下方に向けて45度の位置に枠型改良壁が確実に存在することになる。また、平面視で板状固化体における枠型改良壁同士の間における対角線方向に位置する領域の下面の中心部から斜め下方に向けて45度の位置に枠型改良壁が確実に存在することになる。そのため、板状固化体の直下の地盤に対して45度の方向に分散される板状固化体の荷重を枠型改良壁の内外の地盤によって確実に支持することが可能となる。
本発明の地盤改良構造によれば、地盤の拘束力を効果的に高めることで、所定領域の地盤の変形を抑えることができ、拘束される地盤と枠型改良壁との一体化を図ることで地盤上の建物または構造物を支えることができる。
また、本発明の地盤改良構造によれば、改良構造の軽量化を図ることで、不等沈下を抑制することができる効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態による地盤改良構造の平面図である。 図1に示すA−A線断面図であって、地盤改良構造の側断面図である。 図1に示すB−B線断面図であって、地盤改良構造の側断面図である。 地盤改良構造の拡大側断面図である。 図4に示す枠型改良壁の水平断面図である。 地盤改良構造の作用を説明するための側断面図であって、(a)は壁内地盤の作用を示す図、(b)は壁外地盤の作用を示す図である。 地盤改良構造の他の作用を説明するための側断面図である。 本発明の第2の実施の形態による地盤改良構造の側断面図であって、図3に対応する図である。 地盤改良構造の拡大側断面図であって、図4に対応する図である。 図8に示す地盤改良構造の作用を説明するための側断面図であって、(a)は壁内地盤の作用を示す図、(b)は壁外地盤の作用を示す図である。 地盤改良構造の他の作用を説明するための側断面図である。 地盤改良構造の他の作用を説明するための側断面図である。 変形例による地盤改良構造の平面図である。
以下、本発明の実施の形態による地盤改良構造について、図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1乃至図3に示すように、本実施の形態による地盤改良構造1は、所定の対象地盤(図1に示す二点鎖線で囲まれた領域)において、掘削した地盤に地盤改良材を混合させて攪拌することにより形成されるとともに、複数が縦横に等間隔で配列された枠型改良壁2を備えている。
図4および図5に示すように、枠型改良壁2は、図示しない地盤改良装置を用いて形成され、掘削した地盤Gに地盤改良材を混合させて攪拌することで、地盤Gにおいて平面視で正方形状に形成されている。各枠型改良壁2は、対向する壁同士の離間(壁間スパンD)が深さ方向の長さ寸法(改良壁長L)の2倍以下(D≦2×L)となるように設けられている。
枠型改良壁2を施工するための前記地盤改良装置は、例えばバックホウ等の作業機のアーム先端にアタッチメントとして装着して使用され、複数配列されたロッドの各下端に備えた掘削翼を回転させながら地盤G中を鉛直方向下方に移動させて掘削し、その掘削土に地盤改良材を添加して混合し、攪拌することにより前記枠型改良壁2を施工するものが採用される。上記地盤改良装置として、例えば、特開2011−226254号公報に記載の3軸の掘削翼を備えた装置を使用することができる。
ここで、掘削土に添加される地盤改良材として、地盤改良の目的に応じて、例えばセメントミルク等の液状の材料や、粉体状の材料などの適宜な薬剤を採用することができる。
また、図1乃至図3に示すように、複数の枠型改良壁2同士の縦横の配列スパンdは、縦横それぞれの配列方向に沿う上述した枠型改良壁2の壁間スパンDと同じ長さ寸法で設けられている。
土間コンクリート3は、地上部において所定厚さ寸法で複数の枠型改良壁2の上端2dに載置させた状態で設けられている。
なお、図1乃至図3に示す符号Pは、枠型改良壁2同士の間の位置における土間荷重を示している。
次に、上述した地盤改良構造1の作用について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1乃至図3に示すように、本実施の形態の地盤改良構造1では、各枠型改良壁2が建物または構造物(以下、建物等という)の直下の対象地盤において、その地盤Gの一部(これを壁内地盤G1という)を囲うように設けられるとともに、複数の枠型改良壁2同士の間に位置する範囲の地盤(これを壁外地盤G2という)においてもその周囲に枠型改良壁2が配置された状態となるので、対象地盤における地盤G全域の水平方向への移動が拘束された状態となって剛性を増すことになり、地盤上に設けられる建物等の不等沈下を防止するとともに、地震時における土間コンクリート3上の建物等(図示省略)の揺れを低減させることができる。
すなわち、図4に示すように、枠型改良壁2の壁間スパンDを枠型改良壁2の深さ寸法の2倍以下とすることで、平面視で地表面Gaにおける枠型改良壁2内の中心部O1から斜め下方に向けて45度の位置に枠型改良壁2が存在することになる。
また、図3に示すように、隣り合う枠型改良壁2同士の配列方向に沿った配列スパンdを、枠型改良壁2の改良壁長Lの2倍以下とすることで、平面視で地表面Gaにおける枠型改良壁2同士の間の対角線方向に位置する領域の中心部O2から斜め下方に向けて45度の位置に枠型改良壁2が存在することになる。
そのため、対象地盤内において地表面Gaから地盤G内に対して45度の方向に分散される建物等の荷重を、枠型改良壁2の内外の地盤G1、G2によって支持することが可能となる。つまり、建物等の全荷重を、枠型改良壁2で拘束された対象地盤を介して枠型改良壁2で受けもたせることができる。
また、図6(a)に示すように、地震による水平力F0(図6(a)の紙面で右向きの力)が地盤G上の建物等に作用すると、その建物とともに地盤G中の枠型改良壁2にも同一方向の水平力F1が作用する。つまり、枠型改良壁2の外面2b側から内面2a側に向けて内向きの水平力F1が作用する一方の第1壁部2Aにおいては、壁内地盤G1のうち壁下端2cから壁内地盤G1内の地表面Gaに向けて45度の範囲(符号θ1)の第1内部拘束領域G1aが第1壁部2Aに作用する水平力F1に対する水平抵抗(符号F2)となる。
このとき、第1内部拘束領域G1aよりも第1壁部2Aと対向位置に配置される他方の第2壁部2B側の壁内地盤G1において、第1内部拘束領域G1aの地表面部分から第2壁部2Bへ向けて斜め下方に向けて45度の範囲(符号θ2)に、第1内部拘束領域G1aによって第2壁部2B側へ押されて水平方向に移動するように作用(図6(a)で矢印F1’)する第2内部拘束領域G1bが形成されるが、この第2内部拘束領域G1bの移動は第2壁部2Bによって規制されることになる。
つまり、枠型改良壁2の対向する壁部2A、2B同士の壁間スパンD(図4参照)が改良壁長Lの2倍以下(D≦2×L)であるので、枠型改良壁2よりも外側に向けて水平方向に移動しようとする第2内部拘束領域G1bの全体を第2壁部2Bによって押さえることができる。これにより、地震時に枠型改良壁2に水平力が作用しても壁内地盤G1が変形するのを抑制することができる。
なお、例えば壁間スパンDが改良壁長Lの2倍を超える場合(D>2×L)には、第2内部拘束領域G1bの下端部分が第2壁部2Bより下方となり、この第2壁部2Bによって移動しようとする第2内部拘束領域G1bを押さえることができず、壁内地盤G1に変形が生じてしまうことになる。
したがって、対象地盤上から受ける下向きの荷重に対しては枠型改良壁2の内外面での地盤との摩擦力によって抵抗し、枠型改良壁2の外面2bが受ける土圧に対しては壁内地盤G1の抵抗力によって抵抗し、枠型改良壁2の内面2aに作用する土圧に対しては外面2bが受ける土圧が抵抗力となる。地震時に上記建物より受ける水平力を枠型改良壁2が受けても、内外面が抵抗力を受けることで剛性が高められ、建物の地震時の揺れを低減することができるうえ、枠型改良壁2に傾きやねじれが生じるのを防止することができる。
図6(b)に示すように、枠型改良壁2の外側の壁外地盤G2における作用は、枠型改良壁2の内面2a側から外面2b側に向けて外向きの水平力F3が作用する第2壁部2Bにおいては、壁外地盤G2のうち壁下端2cから壁外地盤G2内の地表面Gaに向けて45度の範囲(符号θ1)の第1外部拘束領域G2aが第2壁部2Bに作用する水平力F3に対する水平抵抗(符号F4)となる。
このとき、第1外部拘束領域G2aよりも第2壁部2Bと対向位置に配置される他方の第1壁部2A側の壁外地盤G2において、第1外部拘束領域G2aの地表面部分から第1壁部2Aへ向けて斜め下方に向けて45度の範囲(符号θ2)に、第1外部拘束領域G2aによって第1壁部2A側へ押されて水平方向に移動するように作用(図6(b)で矢印F3’)する第2外部拘束領域G2bが形成されるが、この第2外部拘束領域G2bの移動は第2壁部2Bによって規制されることになる。
なお、隣り合う枠型改良壁2同士の間に位置における土間コンクリート3の土間荷重Pについても、中心点O2から一方の枠型改良壁2の第1壁部2A及び他方の枠型改良壁2の第2壁部2Bへ向けて斜め下方に向けて45度の範囲θ1、θ2に分布する。
つまり、本実施の形態では、枠型改良壁2によって囲まれる壁内地盤G1のみでなく、その枠型改良壁2同士の間に位置する壁外地盤G2においても、壁内地盤G1と同様の効果が得られる。そのため、対象地盤全域にわたって格子状に地盤改良壁を形成する必要がなく、配列スパンdを枠型改良壁2の深さ寸法の2倍以下にして枠型改良壁2を配列すれば良いので、改良範囲を少なくすることができ、コストや工期の低減を図ることができる。
しかも、改良範囲を減らすことで、地盤改良部分の軽量化を図ることができるので、枠型改良壁2を設けることによる沈下の増大を抑制することができる。
また、図7に示すように、建物等から受ける下向きの荷重Kに対しては枠型改良壁2の内面2a、および外面2bでの地盤G1、G2との摩擦力P1によって抵抗し、枠型改良壁2の外面2bが受ける土圧P2に対しては壁内側で拘束されている壁内地盤G1の土圧P3が抵抗力となり、枠型改良壁2の内面2aに作用する土圧P3に対しては壁の外面2bが受ける土圧P2が抵抗力となる。
このように本地盤改良構造1では、内面2aおよび外面2bの抵抗力によって傾きやねじれが防止された枠型改良壁2によって建物を支持することができる。
上述のように本実施の形態による地盤改良構造では、所定領域の地盤Gの変形を抑えることができ、拘束される地盤と枠型改良壁2との一体化を図ることで地盤上の建物または構造物を支えることができる。
また、本実施の形態の地盤改良構造では、改良構造の軽量化を図ることで、不等沈下を抑制することができる効果を奏する。
次に、本発明の地盤改良構造による他の実施の形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1の実施の形態と異なる構成について説明する。
(第2の実施の形態)
図8および図9に示すように、第2の実施の形態による地盤改良構造1Aは、例えば工場や倉庫等の土間コンクリート3(板状固化体)の不等沈下を防止するために、その土間コンクリート3の直下に設けられている。すなわち、地盤改良構造1Aは、掘削した地盤に地盤改良材を混合させて攪拌することにより形成されるとともに、複数が縦横に等間隔で配列された枠型改良壁2と、地表面Gaに沿って所定厚さで設けられ、複数の枠型改良壁2の上端2d同士を連設する前記土間コンクリート3と、を備えている。
ここで、本実施の形態の改良壁長L(図9)は、土間コンクリート3の下面3aから下方に位置する部分の深さ寸法である。
本第2の実施の形態では、図9に示すように、平面視で土間コンクリート3における枠型改良壁2内の下面3aの中心部O1から斜め下方に向けて45度の位置に枠型改良壁2が確実に存在することになる(図10(a)参照)。
また、図10(b)に示すように、平面視で土間コンクリート3における枠型改良壁2同士の間における対角線方向に位置する領域の下面3aの中心部O2から斜め下方に向けて45度の位置に枠型改良壁2が確実に存在することになる。そのため、土間コンクリート3の直下の地盤Gに対して45度の方向に分散される土間コンクリート3の土間荷重Pを枠型改良壁2の内外の地盤G、G2によって確実に支持することが可能となる。
このように、本実施の形態では、各枠型改良壁2が土間コンクリート3の直下の地盤の一部(壁内地盤G1)を囲うように設けられるとともに、複数の枠型改良壁2同士の間に位置する範囲の地盤(壁外地盤G2)においてもその周囲に枠型改良壁2が配置された状態となるので、土間コンクリート3の直下における地盤全域の水平方向への移動が拘束された状態となって剛性を増すことになり、土間コンクリート3の不等沈下を防止するとともに、地震時における土間コンクリート3上の建物等の揺れを低減させることができる。
そのため、土間コンクリート3の直下の地盤に対して45度の方向に分散される土間コンクリート3の荷重を、枠型改良壁2の内外の壁内地盤G1、及び壁外地盤G2によって支持することが可能となり、土間コンクリート3の全荷重を、その壁内地盤G1、及び壁外地盤G2を介して枠型改良壁2で受けもたせることができる。
また、図11に示すように、土間コンクリート3から受ける下向きの荷重Kに対しては枠型改良壁2の内面2a、および外面2bでの地盤G1、G2との摩擦力P1によって抵抗し、枠型改良壁2の外面2bが受ける土圧P2に対しては壁内側で拘束されている壁内地盤G1の土圧P3が抵抗力となり、枠型改良壁2の内面2aに作用する土圧P3に対しては壁の外面2bが受ける土圧P2が抵抗力となる。
このように本地盤改良構造1Aでは、内面2aおよび外面2bの抵抗力によって傾きやねじれが防止された枠型改良壁2によって建物を支持することができる。
また、図12に示すように、本実施の形態の地盤改良構造1Aでは、枠型改良壁2と土間コンクリート3とが連設されているので、壁内地盤G1および壁外地盤G2が地震によって液状化した場合であっても、これら壁内地盤G1内および壁外地盤G2内に含有される水Wが地上(土間コンクリート3の上側)へ噴出するのを防ぐことができる。したがって、噴出する水とともに地盤G内の砂が流出することがなくなり、壁内地盤G1および壁外地盤G2が変形するのを抑制することができ、地盤Gの拘束力の低下を防ぐことができる。そのため、液状化した場合であっても、地盤Gによる土間コンクリート3の支持力を確保することが可能となり、土間コンクリート3が沈下して傾くのを抑制することができる。
以上、本発明による地盤改良構造の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の第2の実施の形態では板状固化体として上部に工場の建屋や倉庫などが構築されている土間コンクリート3を対象としているが、これに限定されることはなく、表層改良体であってもかまわない。すなわち、板状固化体は、置換、充填、又は地盤改良によって施工されているものを適用対象とすることができる。
また、板状固化体として、上部に建屋などの荷重がかかっているものに限定されることはなく、例えば工場などの敷地内の車両が通行する舗装部分などもその対象とすることが可能である。
また、本実施の形態では、平面視で正方形状に形成された枠型改良壁2としているが、正方形であることに限定されることはなく、矩形状であれば良いのであって、例えば図13に示すように長方形状としてもよい。この場合も、平面視長方形状の枠型改良壁2A同士の縦横の配列スパンd、d1は、縦横それぞれの配列方向に沿う壁間スパンD、D1と同じ長さ寸法となる。つまり、枠型改良壁2Aの短辺方向(横方向、図13の紙面で左右方向)の壁間スパンDと、その横方向の配列スパンdは同じ長さ寸法に設定され、枠型改良壁2Aの長辺方向(縦方向、図13の紙面で上下方向)の壁間スパンD1と、その縦方向の配列スパンd1は同じ長さ寸法に設定されている。これにより、上述した実施の形態と同様に、所定領域の地盤の変形を抑えることができ、拘束される地盤と枠型改良壁2Aとの一体化を図ることで地盤上の建物または構造物を支えることができる。
なお、本実施の形態では、枠型改良壁2の上端2dに土間コンクリート3が載っただけで非接合構造としているが、接合、固定されていても良い。
さらにまた、枠型改良壁2を施工するための地盤改良装置4の具体的な構成については、とくに制限されるものではない。つまり、回転軸、掘削翼、攪拌翼などの位置、数量、形状などは任意に設定することが可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 地盤改良構造
2 枠型改良壁
3 土間コンクリート(板状固化体)
4 地盤改良装置
D、D1 壁間スパン
d、d1 配列スパン
L 改良壁長(深さ寸法)
G 地盤
Ga 地表面
G1 壁内地盤
G2 壁外地盤

Claims (3)

  1. 掘削した地盤に地盤改良材を混合させて攪拌することにより平面視で矩形状に形成され、複数が縦横に等間隔で配列された枠型改良壁を備え、
    前記枠型改良壁のそれぞれは、対向する壁同士の壁間スパンが深さ寸法の2倍以下となるように設けられ、
    前記複数の枠型改良壁同士の縦横の配列スパンは、該縦横それぞれの配列方向に沿う前記壁間スパンと同じ長さ寸法となることを特徴とする地盤改良構造。
  2. 地表面に沿って所定厚さで設けられ、前記複数の枠型改良壁の上端同士を連設する板状固化体が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の地盤改良構造。
  3. 前記枠型改良壁は、前記板状固化体の下面から下方に位置する部分の深さ寸法であることを特徴とする請求項2に記載の地盤改良構造。
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