JP2014065374A - 自動車用ガラスラン - Google Patents

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Abstract

【課題】ドアガラスの昇降によってもカバーリップとドアパネルとの間に隙間が生じないガラスランを提供する。
【解決手段】自動車用ガラスランにおいて、ガラスラン上辺部13は、底壁40、車外側側壁20、車内側側壁30、車外側シールリップ21、車内側シールリップ31、車外側カバーリップ23と車内側カバーリップ33が形成される。車外側側壁20と車外側カバーリップ23の間に形成された車外側保持溝27にドアフレーム2のドアアウターパネルフランジ部2fを保持する。車内側側壁30と車内側カバーリップ33の間に形成された車内側保持溝37にドアフレーム2のドアインナーパネルフランジ部2jを保持する。車外側保持溝27と車内側保持溝37の少なくとも一方の奥にフランジ部の先端を係止する係止突起部35を形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、ドアフレームの上辺部に取付けられて、ドアガラスの昇降を案内する自動車用ガラスランに関するものである。
図5に示すように、自動車のドア1のドアフレーム2の内周にドアガラス5の昇降を案内するガラスラン110が取付けられている。
従来、ガラスラン110は、図5に示すように、ドアフレーム2のチャンネル103内に取付けられて、ドアガラス5の昇降を案内するとともにドアガラス5とドアフレーム2との間をシールしている。
さらに、ガラスラン110は、図4に示すように、押出成形により成形された直線部111と型成形によってドアフレーム2のコーナー部2hの形状に合わせて形成されたガラスランコーナー部112から形成されている。
直線部111は、ドアフレーム2の上辺部2bに取付けられるガラスラン上辺部113と、ドアフレーム2のフロント側の縦辺部2aに取付けられるガラスランフロント側縦辺部114と、ドアフレーム2のリヤ側の縦辺部2aに取付けられるガラスランリヤ側縦辺部115から構成されている。
なお、ドア1と車体との間のシールは、図3に示すように、ドアパネルおよびドアフレーム2の外周に取付けられたドアウエザストリップ150および/または車体の開口部のフランジに取付けられたオープニングトリムウエザストリップ(図示せず)によりなされている。
ガラスラン110の本体のガラスラン上辺部113は、図6に示すように、車外側側壁120と、車内側側壁130と、底壁140からなる断面略コ字状をなしている。車外側側壁120の先端付近から車外側シールリップ121が本体の断面略コ字状の内側に向けて延出するように設けられている。また、車内側側壁130にもその先端付近から車内側シールリップ131が断面略コ字状の内側に向けて延出するように設けられている。さらに、車外側側壁120の先端付近から車外側側壁120の外面に並行に車外側カバーリップ123が形成され、車内側側壁130の先端付近から車内側側壁130の外面に並行に車内側カバーリップ133が形成されている。
ガラスラン110の本体の車外側側壁120、車内側側壁130と底壁140はドアフレーム2のドアアウターパネル2c、ドアインナーパネル2dのフランジ部分にはめ込まれる(例えば、特許文献1参照。)。
このとき、ドアアウターパネル2cのフランジ部分は、車外側側壁120と車外側カバーリップ123の間に挿入され、ドアインナーパネル2dのフランジ部分は、車内側側壁130と車内側カバーリップ133の間に挿入される。底壁140はドア補強パネル2eの平面部分で保持される。
しかしながら、図4に示すように、ドア補強パネル2eは、ドアフレーム2の上辺において、ドア補強パネル2eを全面的に装着することが困難であり、重量も増加するため、部分的に装着されているのみである。
このため、図7に示すように、ドアガラス5が上昇して、ドアガラス5の先端が底壁140に当接して、底壁140を押し上げたときに、ドア補強パネル2eが装着されていないドアフレーム2の上辺部2bに取付けられたガラスラン110の底壁140は、ドアガラス5の先端に押し上げられて、車外側側壁120と車内側側壁130が引っ張られて、車外側カバーリップ123と車内側カバーリップ133がドアアウターパネル2cとドアインナーパネル2dから浮き上がり、隙間(図7におけるX)が生じ、見栄えが低下するという問題があった。
特開2010−173512号公報
そこで、本発明は、ドアガラスの昇降によってもカバーリップとドアパネルとの間に隙間が生じないガラスランを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、自動車ドアのドアフレームの内周に取付け、ドアガラスの昇降を案内する自動車用ガラスランであって、ガラスランは、押出成形により成形されドアフレームの上辺部に装着されるガラスラン上辺部と、ドアフレームの縦辺部に装着されるガラスラン縦辺部と、型成形により成形されガラスラン上辺部とガラスラン縦辺部を接続し、ドアフレームのコーナー部に装着されるコーナー部を有する自動車用ガラスランにおいて、
ガラスラン上辺部は、底壁と該底壁の車外側側縁部から延びる車外側側壁と、底壁の車内側側縁部から延びる車内側側壁とからなる断面略コ字形をなすガラスランの本体を備え、車外側側壁と車内側側壁には、それぞれ本体の断面略コ字状の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設け、車外側シールリップと車内側シールリップによりドアガラスの車外側面及び車内側面をシールし、車外側側壁の先端から断面略コ字形に対する外面側に車外側カバーリップが形成され、車内側側壁の先端から断面略コ字形に対する外面側に車内側カバーリップが形成され、
車外側側壁と車外側カバーリップの間に形成された車外側保持溝にドアフレームのアウターパネルの先端のフランジ部を保持し、車内側側壁と車内側カバーリップの間に形成された車内側保持溝にドアフレームのインナーパネルの先端のフランジ部を保持し、
車外側保持溝と車内側保持溝の少なくとも一方の奥にフランジ部の先端を係止する係止突起部を形成したことを特徴とする自動車用ガラスランである。
請求項1の本発明では、ガラスラン上辺部は、底壁と該底壁の車外側側縁部から延びる車外側側壁と、底壁の車内側側縁部から延びる車内側側壁とからなる断面略コ字形をなすガラスランの本体を備えている。このため、ドア閉時に、ドアフレームの上辺部において車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる本体の断面略コ字状のガラスランの内側に、ドアガラスの先端を収納することができ、ドアガラスを確実に保持することができる。なお、ここで車外側及び車内側とは、ドアを閉じた状態での車輌における車室外側及び車室内側である。
車外側側壁と車内側側壁には、それぞれ本体の断面略コ字状の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設け、車外側シールリップと車内側シールリップによりドアガラスの車外側面及び車内側面をシールしている。このため、上辺部において、車外側シールリップと車内側シールリップにより、ドアガラスが上昇したときに、両方のシールリップがドアガラスに当接し、車外側シールリップと車内側シールリップによりドアフレームとドアガラスとの間のシールをすることができる。
車外側側壁の先端から断面略コ字形に対する外面側に車外側カバーリップが形成され、車内側側壁の先端から断面略コ字形に対する外面側に車内側カバーリップが形成されている。このため、車外側カバーリップでドアアウターパネルのフランジ部をカバーして、車内側カバーリップでドアインナーパネルのフランジ部をカバーすることができ、フランジ部をカバーリップで覆うことができ、見栄えが良い。
車外側側壁と車外側カバーリップの間に形成された車外側保持溝にドアフレームのアウターパネルの先端のフランジ部を保持し、車内側側壁と車内側カバーリップの間に形成された車内側保持溝にドアフレームのインナーパネルの先端のフランジ部を保持する。このため、車外側保持溝でドアアウターパネルのフランジ部を保持し、車内側保持溝でドアインナーパネルのフランジ部を保持することができ、ガラスランを確実にフランジに保持することができる。
車外側保持溝と車内側保持溝の少なくとも一方の奥にフランジ部の先端を係止する係止突起部を形成したため、ドアガラスの先端が底壁を押し上げて、車外側側壁と車内側側壁を引っ張っても、係止突起部がフランジ部の先端により係止されて、係止突起部の形成された側のカバーリップが引っ張られることがなく、カバーリップとドアパネルとの間に隙間が生じることがない。
請求項2の本発明は、係止突起部は、山形で一方の面は傾斜面に形成され、ドアフレームのフランジ部の先端に屈曲部を形成し、屈曲部と上記傾斜面は平面的に当接する自動車用ガラスランである。
請求項2の本発明では、係止突起部は、山形で一方の面は傾斜面に形成され、ドアフレームのフランジ部の先端に屈曲部を形成し、屈曲部と傾斜面は平面的に当接する。このため、フランジ部の先端の屈曲部と傾斜面は強く当接して、当接面積も大きく、係止突起部がフランジ部の屈曲部から離れることがないため、カバーリップが引っ張られることがなく、カバーリップとドアパネルとの間に隙間が生じることがない。
請求項3の本発明は、係止突起部を形成した車外側保持溝又は車内側保持溝の奥から若干開口側の車外側側壁又は車内側側壁に抜け止め突起部を形成した自動車用ガラスランである。
請求項3の本発明では、係止突起部を形成した車外側保持溝又は車内側保持溝の奥から若干開口側の車外側側壁又は車内側側壁に抜け止め突起部を形成した。このため、ガラスランがドアフレームの上辺部のフランジ部から下方にずれる場合でも、抜け止め突起部にフランジ部の先端が係止されて、ガラスランがドアフレームから外れることがない。
請求項4の本発明は、係止突起部は、車内側側壁と車内側カバーリップの間に形成された車内側保持溝に形成された自動車用ガラスランである。
請求項4の本発明では、係止突起部は、車内側側壁と車内側カバーリップの間に形成された車内側保持溝に形成されたため、車外側カバーリップよりも大きく形成された車内側カバーリップが変形することなく、車内側カバーリップとインナーパネルとの間に隙間が生じることがない。
請求項5の本発明は、ドアフレームの上辺部は、一部にドア補強パネルが取付けられて、ガラスラン上辺部の底壁がドア補強パネルに当接した自動車用ガラスランである。
請求項5の本発明では、ドアフレームの上辺部は、一部にドア補強パネルが取付けられて、ガラスラン上辺部がドア補強パネルに当接したため、ドア補強パネルにガラスランの底壁が保持されて、ドアガラスが上昇して、底壁がドアフレーム内に大きく押し込まれることがない。
車外側保持溝にアウターパネルの先端のフランジ部を保持し、車内側保持溝にインナーパネルの先端のフランジ部を保持するため、ガラスランを確実にフランジに保持することができる。
車外側保持溝と車内側保持溝の少なくとも一方の奥にフランジ部の先端を係止する係止突起部を形成したため、ドアガラスの先端が底壁を押し上げても、係止突起部がフランジ部の先端により係止されて、係止突起部の形成された側のカバーリップが引っ張られることがなく、カバーリップとドアパネルとの間に隙間が生じることがない。
本発明の実施の形態であるガラスランをドアフレームの上辺部に装着した状態の断面図であり、図4におけるA−Aに沿った断面図である。 本発明の実施の形態であるガラスランをドアフレームの上辺部に装着し、ドアガラスの先端が底壁を押し上げた状態の断面図であり、図4におけるA−Aに沿った断面図である。 本発明の実施の形態であるガラスランとドアウエザストリップをドアフレームの上辺部に装着し、車体開口部周縁に当接させた状態の断面図である。 本発明の実施の形態であるガラスランの正面図である。 自動車ドアの正面図である。 従来のガラスランを上辺部に装着した状態の断面図である。 従来のガラスランを上辺部に装着し、ドアガラスの先端が底壁を押し上げた状態の断面図である。
本発明の実施の形態を、図1〜図5に基づき説明する。
図5は、自動車のフロントのドア1の正面図であり、図4は、ドア1のドアフレーム2に取付けるフロントドアのガラスラン10の正面図である。図5に示すように、ドア1の上部にはドアフレーム2が設けられ、ドアガラス5が昇降自在に取付けられる。すなわち、ドアフレーム2の内周には、ガラスラン10が取付けられ、ドアガラス5の昇降を案内するとともに、ドアガラス5とドアフレーム2との間をシールしている。
ガラスラン10は、図4に示すように、全体として押出成形で形成された直線部11と、ドアフレーム2のコーナー部2hに取付けられ、上記の直線部11を接続し、型成形で形成されるコーナー部12からなる。
直線部11は、ドアフレーム2の上辺部2bに取付けられるガラスラン上辺部13と、ドアフレーム2のリヤ側の縦辺部2aに取付けられるガラスランリヤ側縦辺部15と、ドアフレーム2のフロント側の縦辺部2aをなすディビジョンサッシュに取付けられるとガラスランフロント側縦辺部14からなる。
これらの押出成形部分をドアフレーム2に対応した形状となるように、フロント側とリヤ側のそれぞれのコーナー部分において、型成形により成形して直線部11を接続してコーナー部12が形成されている。なお、ガラスラン10のコーナー部12は、ドアフレーム2のコーナー部2hの部分に装着される。
なお、ドア1と車体の車体開口部周縁6との間のシールは、図3に示すように、ドアパネルおよびドアフレーム2の外周に取付けられたドアウエザストリップ50が車体開口部周縁6に当接してシールして、ドアフレーム2とドアガラス5の間は、ガラスラン10でシールしている。
図3に示すように、プレスドアのドアフレーム2の上辺部2bにおいては、ドアアウターパネル2cとドアインナーパネル2dの先端であるドアアウターパネルフランジ部2fとドアインナーパネルフランジ部2jにガラスラン10が取付けられている。
そして、図4に示すように、ドアフレーム2の上辺部2bは、一部にドア補強パネル2eが取付けられている。上辺部2bにガラスラン上辺部13が装着されると、ドア補強パネル2eが取付けられている部分は、ドア補強パネル2eにガラスラン10の底壁40が保持されて、ドアガラス5が上昇して、底壁40を押しても、底壁40がドアフレーム2内に大きく押し込まれることがない。
ドアフレーム2の上辺部2bのドア補強パネル2eが取付けられていない部分では、底壁40はドア補強パネル2eで保持されていない。この場合では、ドアガラス5が上昇したときに、ドアガラス5の先端が底壁40を押したときに、車外側側壁20と車内側側壁30が引っ張られて、車外側カバーリップ23と車内側カバーリップ33がドアインナーパネル2dとドアインナーパネル2dから浮き上がる恐れがある。
ドアフレーム2の上辺部2bに取付けられるガラスラン10のガラスラン上辺部13の断面形状は、図1に示すように、底壁40と底壁40の車外側側縁部から底壁40に対して略垂直又は若干鈍角に下方(図1における下方)に延びる車外側側壁20と、底壁40の車内側側縁部から底壁40に対して略垂直又は若干鈍角に下方に延びる車内側側壁30とからなる断面略コ字形に形成されている。後述のように、車内側側壁30が車外側側壁20よりも大きく、厚肉に形成され、断面略コ字形は、車内側が大きな非対称形に形成されている。
ガラスラン10の本体である車外側側壁20、車内側側壁30と底壁40は、ドアフレーム2の上辺部2bに取付けられる部分も縦辺部2aに取付けられる部分も基本的には、ほぼ同様な断面略コ字形の断面形状を有している。
なお、上記において、車外側及び車内側とは、ドアを閉じた状態での車輌における車室外側及び車室内側を示すものであり、上方、下方等における上下とは、車輌の上下方向を示すものである。
まず、車内側側壁30の部分について説明する。
車内側側壁30は、車外側側壁20よりも肉厚で大きく形成されている。このため、ガラスラン10をドアフレーム2の側面に保持することができる。
車内側側壁30の先端から断面略コ字形に対する外面側に車内側カバーリップ33が形成されている。このため、車内側カバーリップ33でドアインナーパネル2dの先端のドアインナーパネルフランジ部2jを覆うことができ、見栄えが良い。
車内側側壁30と車内側カバーリップ33の間に車内側保持溝37が形成されている。車内側保持溝37には、ドアインナーパネルフランジ部2jが挿入され、保持される。図1に示すように、ドアインナーパネルフランジ部2jの先端は、車外方向に若干屈曲して屈曲部2kが形成されている。
車内側カバーリップ33の付け根部分は、車内側側壁22から車内方向に若干延設された後に、上方に屈曲して断面L字形に形成されている。このため、車内側保持溝37は、奥の部分に平面状の空間を有している。この車内側保持溝37の奥の平面状の部分に、車内側係止突起部35が形成されている。
車内側係止突起部35は、山形に形成され、車内側側壁30側の面は,屈曲して形成されたドアインナーパネルフランジ部2jの屈曲部2kに当接する車内側係止突起当接面35aを形成する。車内側係止突起当接面35aは、平面状に傾斜面として形成されている。そして、ドアインナーパネルフランジ部2jの屈曲部2kの屈曲角度と車内側係止突起当接面35aの傾斜角度を、車内側保持溝37にドアインナーパネルフランジ部2jを挿入したときに、略同じに形成することが好ましい。
この場合には、図2に示すように、ドアインナーパネルフランジ部2jの屈曲部2kと車内側係止突起当接面35aは、平面的に当接する。このため、屈曲部2kと車内側係止突起当接面35aは、当接する面積が大きくなり、強く当接して、車内側係止突起部35からドアインナーパネルフランジ部2jが離れることがないため、ドアガラス5の先端が底壁40を押して、車内側側壁30が引っ張られても、車内側カバーリップ33が引っ張られることがなく、車内側カバーリップ33とドアインナーパネル2dとの間に隙間が生じることがない。
車内側係止突起部35は、車内側側壁30と車内側カバーリップ33の間に形成された車内側保持溝37に形成されたため、車外側カバーリップ23よりも大きく形成された車内側カバーリップ33が変形することなく、車内側カバーリップ33とドアインナーパネル2dとの間に大きな隙間が生じることがない。
車内側保持溝37の奥から若干開口側の車内側側壁30に抜け止め突起部36が形成されている。ガラスラン10がドアフレーム2の上辺部2bのドアインナーパネルフランジ部2jから下方にずれる場合でも、抜け止め突起部36にドアインナーパネルフランジ部2jの屈曲部2kが係止されて、車内側側壁30が下方にずれるのを止めて、ガラスラン10がドアフレーム2から外れることを防止できる。
車内側カバーリップ33の先端と対応する車内側側壁30の外面に車内側保持リップ34を形成した。車内側保持リップ34と車内側カバーリップ33でドアインナーパネルフランジ部2jの根元部分を挟持する。このため、ガラスラン10の車内側側壁30側がドアインナーパネル2dに保持される。
車内側側壁30の先端からガラスラン10の本体の断面略コ字状の内部方向に斜めに車内側シールリップ31が延設されている。車内側シールリップ31は、後述する車外側シールリップ21よりも長く、厚肉に形成されているため、ドアガラス5がガラスラン10内に侵入したときに、ドアガラス5を車外側に位置させることができ、ドアフレーム2とドアガラス5の段差を少なくすることができる。このため、空気抵抗や風切音が減少し、デザイン的にも好ましい。
次に、車外側側壁20の部分について説明する。
ガラスラン上辺部13の車外側側壁20は、断面略板状に形成される。
車外側側壁20の先端付近から車外側シールリップ21が、上記本体の断面略コ字状の内側に向けて延設されている。車外側側壁20は、車内側側壁30よりも肉薄で小さく形成されている。
また、車外側カバーリップ23が車外側側壁20の先端から車外側側壁20の上記断面略コ字状の外側に向けて、即ち、車外方向で車外側側壁20に沿って平行に延設されている。
このため、車外側カバーリップ23でドアアウターパネル2cの先端のドアアウターパネルフランジ部2fを覆うことができ、見栄えが良い。
車外側側壁20と車外側カバーリップ23の間に車外側保持溝27が形成されている。車外側保持溝27には、ドアアウターパネルフランジ部2fが挿入され、保持される。図1に示すように、本実施の形態では、ドアアウターパネルフランジ部2fの先端は、ドアインナーパネルフランジ部2jの先端とは異なり、屈曲して形成されていないが、ドアインナーパネル2dと同様に、屈曲部を設けてもよい。
ドアアウターパネルフランジ部2fの先端に屈曲部を設ける場合には、車内側保持溝37と同様に、車外側保持溝27に係止突起部を形成することもできる。この場合には、車内側係止突起部35と同様に、ドアアウターパネルフランジ部2fの屈曲部に係止突起部が平面的に当接して、係止突起部からドアアウターパネルフランジ部2fが離れることがないため、ドアガラス5の先端が底壁40を押しても、車外側カバーリップ23が引っ張られることがなく、車外側カバーリップ23とドアアウターパネル2cとの間に隙間が生じることがない。
車外側側壁20の外面側には、車外側第1保持リップ24と車外側第2保持リップ25が形成される。車外側第1保持リップ24と車外側第2保持リップ25は、ドアアウターパネルフランジ部2fに当接して、車外側側壁20を確実にドアアウターパネルフランジ部2fに係止することができるとともに、車外側側壁20とドアアウターパネルフランジ部2fとの間をシールすることができる。
車外側側壁20の内側には、車外側シールリップ21がガラスラン10の本体の断面略コ字状の内側に向けて斜めに延設されている。
ドアガラス5が上昇して、ドアガラス5の上端がガラスラン10の本体のガラスラン上辺部13の内部に侵入したときに、ドアガラス5の上端の両面に、この車外側シールリップ21と車内側シールリップ31が弾力的に当接して、ドアガラス5の先端とドアフレーム2の間をシールする。車外側シールリップ21の表面には摺動抵抗を減少させるために、低摺動部材や突条を形成することができる。
底壁40は、略板状に形成され、車内側側壁30および車外側側壁20との連続部分では屈曲が容易にできるように底壁溝部42が形成されている。底壁溝部42に隣接して、底壁保持リップ41、41が底壁40の内面側に形成されている。底壁保持リップ41、41は、それぞれ車外側側壁20と車内側側壁30の根元付近に当接して、車外側側壁20と車内側側壁30が断面略コ字状の内部方向に倒れることを防止している。
ガラスラン10の直線部11の成形においては、成形材料は、合成ゴム、熱可塑性エラストマーが使用され、例えば合成ゴムでは、EPDMゴム、熱可塑性エラストマーでは、ポリオレフィン系エラストマー等が使用される。
合成ゴムの場合は、押出成形後に加硫槽に搬送されて、熱風や高周波等により加熱されて加硫が行われる。熱可塑性エラストマーの場合は、冷却され固化される。その後所定の長さに切断されて、押出成形部分は製造される。
次に、ガラスラン10のコーナー部12の型成形部分の成形は、上記により製造された押出成形部材を所定寸法に長手方向とは略直角に切断して、その切断した押出部分の端部を、型成形部分を成形する金型に挟持して、その金型のキャビティーに型成形部分を形成するソリッド材を注入する。型成形部分の断面形状は押出成形部分の断面形状と略同じである。成形材料は、押出成形部分に使用した材料と同じ種類のものを使用することが好ましい。熱可塑性エラストマーの場合は、金型に注入されたときに注入材料は溶融されているため、その熱と圧力とで押出成形部分と型成形部分は一体的に融着される。
ガラスラン10の直線部11がEPDMゴムで形成される場合は、ガラスラン10のコーナー部12は、EPDMゴム又はオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成することが好ましい。ガラスラン10の直線部11がオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成される場合は、ガラスラン10のコーナー部12は、オレフィン系熱可塑性エラストマーで形成する。この場合は、同種の材料であり、ガラスラン10の直線部11とコーナー部12の接着性がよい。また、いずれもオレフィン系の材料であり、耐候性がよく、同時に粉砕処理ができ、リサイクル容易な製品を得ることができる。オレフィン系熱可塑性エラストマーの場合は、加硫が不要のため、製造が容易である。
合成ゴムの場合は、金型に注入した後に金型を加熱して加硫する。このとき、押出成形部分と型成形部分は同じ材料あるいは同種類の材料を使用しているため、加硫接着をすることができ、一体的に固着することができる。
2 ドアフレーム
2d ドアインナーパネル
2j ドアインナーパネルフランジ部
10 ガラスラン
20 車外側側壁
30 車内側側壁
33 車内側カバーリップ
35 車内側側壁突起
37 車内側保持溝
40 底壁

Claims (5)

  1. 自動車ドアのドアフレームの内周に取付け、ドアガラスの昇降を案内する自動車用ガラスランであって、上記ガラスランは、押出成形により成形され上記ドアフレームの上辺部に装着されるガラスラン上辺部と、上記ドアフレームの縦辺部に装着されるガラスラン縦辺部と、型成形により成形され上記ガラスラン上辺部とガラスラン縦辺部を接続し、上記ドアフレームのコーナー部に装着されるコーナー部を有する自動車用ガラスランにおいて、
    上記ガラスラン上辺部は、底壁と該底壁の車外側側縁部から延びる車外側側壁と、上記底壁の車内側側縁部から延びる車内側側壁とからなる断面略コ字形をなすガラスランの本体を備え、上記車外側側壁と車内側側壁には、それぞれ上記本体の断面略コ字状の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設け、該車外側シールリップと車内側シールリップにより上記ドアガラスの車外側面及び車内側面をシールし、上記車外側側壁の先端から上記断面略コ字形に対する外面側に車外側カバーリップが形成され、上記車内側側壁の先端から上記断面略コ字形に対する外面側に車内側カバーリップが形成され、
    上記車外側側壁と上記車外側カバーリップの間に形成された車外側保持溝に上記ドアフレームのアウターパネルの先端のフランジ部を保持し、上記車内側側壁と上記車内側カバーリップの間に形成された車内側保持溝に上記ドアフレームのインナーパネルの先端のフランジ部を保持し、
    上記車外側保持溝と車内側保持溝の少なくとも一方の奥に上記フランジ部の先端を係止する係止突起部を形成したことを特徴とする自動車用ガラスラン。
  2. 上記係止突起部は、山形で一方の面は傾斜面に形成され、上記ドアフレームのフランジ部の先端に屈曲部を形成し、該屈曲部と上記傾斜面は平面的に当接する請求項1に記載の自動車用ガラスラン。
  3. 上記係止突起部を形成した上記車外側保持溝又は車内側保持溝の奥から若干開口側の車外側側壁又は車内側側壁に抜け止め突起部を形成した請求項1又は請求項2に記載の自動車用ガラスラン。
  4. 上記係止突起部は、上記車内側側壁と上記車内側カバーリップの間に形成された車内側保持溝に形成された請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の自動車用ガラスラン。
  5. 上記ドアフレームの上辺部は、一部にドア補強パネルが取付けられて、上記ガラスラン上辺部の上記底壁が上記ドア補強パネルに当接した請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の自動車用ガラスラン。
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