JP5924537B2 - 自動車用ガラスラン - Google Patents

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Description

本発明は、ドアガラスの昇降を案内するとともにドアガラスをシールし、直線状部とコーナー部を有するガラスランに関するものである。
図6に示すように、自動車のドア1のドアフレーム2の内周にドアガラス5の昇降を案内するガラスラン110が取付けられている。
従来、ガラスラン110は、図6に示すように、ドアフレーム2のチャンネル103内に取付けられて、ドアガラス5の昇降を案内するとともにドアガラス5とドアフレーム2との間をシールしている。
さらに、ガラスラン110は、図5に示すように、押出成形により成形された直線状部111と、この直線状部111を接続し型成形により成形されたガラスランコーナー部112とからなり、直線状部111はガラスラン上辺部113とガラスランフロント側縦辺部114とガラスランリヤ側縦辺部115を形成している。
ガラスラン上辺部113はドアフレーム上辺部2bに取付けられ、ガラスランフロント側縦辺部114はフロント側のドアフレーム縦辺部2aに取付けられ、ガラスランリヤ側縦辺部115はリヤ側のドアフレーム縦辺部2aに取付けられている。ガラスラン上辺部113とガラスランフロント側縦辺部114及びガラスランリヤ側縦辺部115は型成形によってドアフレームコーナー部2hの形状に合わせて形成されたガラスランコーナー部112で接続している。
なお、ドア1と車体との間のシールは、ドアパネルおよびドアフレーム2の外周に取付けられたドアウエザストリップ(図示せず)および/または車体の開口部のフランジに取付けられたオープニングトリムウエザストリップ(図示せず)によりなされている。
ガラスラン110の本体の直線状部111は、図7に示すように、車外側側壁120と、車内側側壁130と、底壁140からなる断面略コ字状をなしている。車外側側壁120の先端付近から車外側シールリップ121が本体の断面略コ字状の内側に向けて延出するように設けられている。また、車内側側壁130にもその先端付近から車内側シールリップ131が断面略コ字状の内側に向けて延出するように設けられている。さらに、車外側側壁120の先端付近から車外側側壁120の外面に並行に車外側カバーリップ123が形成され、車内側側壁130の先端付近から車内側側壁130の外面に並行に車内側カバーリップ133が形成されている。
ガラスラン110の本体の車外側側壁120、車内側側壁130と底壁140はドアフレーム2のドアアウターパネル2c、ドアインナーパネル2dおよびドア補強パネル2eの間にはめ込まれる(例えば、特許文献1参照。)。
このとき、ドアアウターパネル2cのフランジ部分は、車外側側壁120と車外側カバーリップ123の間に挿入され、ドアインナーパネル2dのフランジ部分は、車内側側壁130と車内側カバーリップ133の間に挿入される。底壁140はドア補強パネル2eの平面部分で保持される。
そして、図8に示すように、ドアフレームコーナー部2hにおいて、ドアガラス5が昇降すると、ガラスラン210のガラスラン上辺部213がガラスラン縦辺部214側にずれて、ガラスランコーナー部212がドアフレーム2から外れる恐れがあるため、ドア補強パネル2eに係止される底壁係止片243が設けられているものがある(例えば、特許文献2参照。)。
また、図9に示すように、ガラスラン310のガラスランコーナー部312において、ガラスラン上辺部313側とガラスラン縦辺部314側のそれぞれ先端部分に底壁係止片343、344をそれぞれ設けて、底壁係止片343をドアフレーム2の上辺部のドア補強パネル2eの先端に係止し、底壁係止片344をドアフレーム2の縦辺部のドア補強パネル2eの先端に係止したものがある(例えば、特許文献3参照。)。
特開2007−203767号公報 特開2003−118372号公報 特許第3385984号公報
しかしながら、これらの場合には、ドアガラス5が昇降を繰り返すうちに、底壁係止片243、343、344の剛性が不十分であるため、ドア補強パネル2eの端面から受ける力に負けて、底壁係止片243、343、344がガラスラン210、310の底壁から切断したり、変形してドアフレーム2から外れたりするという問題があった。
そこで、本発明は、コーナー部においてガラスラン上辺部がずれても、ガラスランコーナー部が変形することのない、見栄えの優れたガラスランを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、自動車ドアのドアフレームの内周に取付け、ドアガラスの昇降を案内する自動車用ガラスランであって、ガラスランは、ドアフレームの上辺に装着される上辺部と、ドアフレームの縦辺に装着される縦辺部と、上辺部及び縦辺部を接続し、ドアフレームのコーナー部に装着されるコーナー部を有する自動車用ガラスランであり、
上辺部、縦辺部及びコーナー部は、底壁と底壁の車外側側縁部から延びる車外側側壁と、底壁の車内側側縁部から延びる車内側側壁とからなる断面略コ字形をなすガラスランの本体を備え、
少なくとも一方の縦辺部には、縦辺部の底壁の外面側に当接するドア補強パネルを、ガラスランのコーナー部まで達するように設け、
ドア補強パネルと当接するコーナー部の縦辺部側の底壁の外面側に、底壁係止片を作成し、底壁係止片は、略四角形状の底壁係止片本体部と底壁係止片本体部のコーナー部側に一体的に三角形状に形成された底壁係止片補強部から形成され、
底壁係止片補強部は、底壁係止片本体部の側部上端からガラスランのコーナー部まで連続する傾斜辺を有し、傾斜辺は、ガラスランのコーナー部の曲面の頂点と接線状に連続して形成され、
底壁係止片本体部の側辺に、ドアフレームが当接するとともに、底壁係止片本体部の縦辺部側の底辺にドア補強パネルの上端部が当接するよう形成した自動車用ガラスランである。
請求項1の本発明では、上辺部、縦辺部及びコーナー部は、底壁と底壁の車外側側縁部から延びる車外側側壁と、底壁の車内側側縁部から延びる車内側側壁とからなる断面略コ字形をなすガラスランの本体を備えている。
このため、ドア閉時に、ドアフレーム上辺部、ドアフレーム縦辺部及びドアフレームコーナー部において車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる本体の断面略コ字状のガラスランの内側に、ドアガラスの先端を収納することができ、ドアガラスを確実に保持することができる。
少なくとも一方の縦辺部には、縦辺部の底壁の外面側に当接するドア補強パネルを、ガラスランのコーナー部まで達するように設けたため、ガラスランがドアフレームの縦辺部において、底壁を支えて、底壁が外面方向に変形することを防止して、見栄えを向上させるとともに、ドアガラスのスムースな昇降をさせることができる。
ドア補強パネルと当接するコーナー部の縦辺部側の底壁の外面側に、底壁係止片を作成したため、ガラスラン上辺部がドアガラスの昇降等により、コーナー部の方向にずれてきた場合に、そのずれを底壁係止片がドア補強パネルに当接することにより押さえて、ガラスランコーナー部が変形することを防止して、ガラスランコーナー部の見栄えが低下することを防止できる。
底壁係止片は、略四角形状の底壁係止片本体部と底壁係止片本体部のコーナー部側に一体的に三角形状に形成された底壁係止片補強部から形成され、底壁係止片補強部は、底壁係止片本体部の側部上端からガラスランのコーナー部まで連続する傾斜辺を有し、傾斜辺は、ガラスランのコーナー部の曲面の頂点と接線状に連続して形成されている。このため、底壁係止片がドア補強パネルに当接したときに、底壁係止片補強部が、底壁係止片本体部の剛性と耐久性を増加させて、底壁係止片が変形することを長期間防止できる。
また、底壁係止片補強部は、底壁係止片本体部の側部上端からガラスランのコーナー部まで連続する傾斜辺を有し、斜辺は、ガラスランのコーナー部の曲面の頂点と接線状に連続して形成された。このため、底壁係止片本体部が変形するときに、底壁係止片補強部の傾斜辺がガラスランのコーナー部に対して、強く突っ張ることができ、底壁係止片の変形を防止できる。
底壁係止片本体部の側辺に、ドアフレームが当接するとともに、底壁係止片本体部の縦辺部側の底辺にドア補強パネルの上端部が当接する。このため、底壁係止片を2辺で保持して、ガラスラン上辺部がドアガラスの昇降等により、コーナー部の方向にずれてきた場合に、ガラスランのコーナー部の変形を防止できる。
請求項2の本発明は、底壁係止片の片面側に底壁係止片溝部が形成された自動車用ガラスランである。
請求項2の本発明では、底壁係止片の片面側に底壁係止片溝部が形成されたため、底壁係止片の肉厚が厚くなっても、底壁係止片の表面のヒケを防止できるとともに、底壁係止片の剛性を低下させることなく、重量を軽減することができる。
請求項3の本発明は、底壁係止片補強部は、底壁係止片本体部よりも肉厚が薄く形成され自動車用ガラスランである。
請求項3の本発明では、底壁係止片補強部は、底壁係止片本体部よりも肉厚が薄く形成されているため、底壁係止片本体部の剛性を補強する効果を維持するとともに、底壁係止片の重量を軽減することができる。
請求項4の本発明は、底壁係止片本体部の側辺は、ドアフレームのコーナー部の形状に沿って形成された自動車用ガラスランである。
請求項4の本発明では、底壁係止片本体部の側辺は、ドアフレームのコーナー部の形状に沿って形成されたため、底壁係止片本体部の側辺がドアフレームのコーナー部に広い面積で当接することができ、ガラスランのコーナー部の変形を防止できる。
請求項5の本発明は、ガラスランの本体は、車外側側壁と車内側側壁の先端には、それぞれ本体の断面略コ字状の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設けるとともに、それぞれガラスランの本体の外側に向かって延出する車外側カバーリップと車内側カバーリップを設け、車外側シールリップと車内側シールリップによりドアガラスの車外側面及び車内側面をシールし、車外側カバーリップと車内側カバーリップによりドアフレームの先端を覆う自動車用ガラスランである。
請求項5の本発明では、ガラスランの本体は、車外側側壁と車内側側壁の先端には、それぞれ本体の断面略コ字状の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設けている。このため、車外側シールリップと車内側シールリップにより、ドアガラスの昇降に応じて、両方のシールリップがドアガラスに当接し、車外側シールリップと車内側シールリップによりドアフレームとドアガラスとの間のシールをすることができる。
それぞれガラスランの本体の外側に向かって延出する車外側カバーリップと車内側カバーリップを設け、車外側カバーリップと車内側カバーリップによりドアフレームの先端を覆っている。このため、車外側側壁と車外側カバーリップによりドアフレームのドアアウターパネルのフランジ部分を挟持し、車内側側壁と車内側カバーリップによりドアフレームのドアインナーパネルのフランジ部分を挟持し、ガラスランをドアフレームに保持することができる。
ドア補強パネルと当接するコーナー部の縦辺部側の底壁の外面側に、底壁係止片を作成したため、ガラスラン上辺部がドアガラスの昇降等により、ずれてきた場合に、そのずれを押さえて、ガラスランコーナー部が変形することを防止することができる。
底壁係止片は、略四角形状の底壁係止片本体部と底壁係止片本体部のコーナー部側に一体的に三角形状に形成された底壁係止片補強部から形成されているため、底壁係止片補強部が、底壁係止片本体部の剛性と耐久性を増加させることができる。また、底壁係止片補強部は、底壁係止片本体部の側部上端からガラスランのコーナー部まで連続する傾斜辺を有し、斜辺は、ガラスランのコーナー部の曲面の頂点と接線状に連続して形成された。このため、底壁係止片本体部が変形するときに、底壁係止片補強部の傾斜辺がガラスランのコーナー部に対して、強く突っ張ることができ、底壁係止片の変形を防止できる。
底壁係止片本体部の側辺に、ドアフレームのコーナー部が当接するとともに、底壁係止片本体部の縦辺部側の底辺にドア補強パネルの上端部が当接するため、底壁係止片を2辺で保持して、ガラスランのコーナー部の変形を防止できる。
本発明の実施の形態のガラスランのコーナー部の正面図である。 本発明の実施の形態のガラスランのコーナー部の裏面図である。 本発明の実施の形態のガラスランのコーナー部において、ドアパネルとドア補強パネルに底壁係止片が当接する状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態のガラスランの上辺部の断面図であり、図5におけるA−A線に沿った断面図である。 本発明の実施の形態のガラスランの正面図である。 自動車ドアの正面図である。 従来のガラスランをドアフレーム上辺部に装着した状態の断面図である。 従来の他のガラスランのコーナー部の断面図である。 従来の他のガラスランのコーナー部の正面図である。
本発明の実施の形態を、図1〜図6に基づき説明する。
図6は、自動車のフロントのドア1の正面図であり、図5は、ドア1のドアフレーム2に取付けるフロントドアのガラスラン10の正面図である。図6に示すように、ドア1の上部にはドアフレーム2が設けられ、ドアガラス5が昇降自在に取付けられる。すなわち、ドアフレーム2の内周には、ガラスラン10が取付けられ、ドアガラス5の昇降を案内するとともに、ドアガラス5とドアフレーム2との間をシールしている。
ガラスラン10は、図5に示すように、全体として押出成形で形成された直線部11と、ドアフレーム2のドアフレームコーナー部2hに取付けられ、上記の直線部11を接続し、型成形で形成されるガラスランコーナー部12からなる。
直線部11は、ドアフレーム2のドアフレーム上辺部2bに取付けられるガラスラン上辺部13と、フロント側のドアフレーム縦辺部2aに取付けられるガラスランフロント側縦辺部14と、ドアフレーム2のリヤ側のドアフレーム縦辺部2aに取付けられるガラスランリヤ側縦辺部15とからなる。
これらの押出成形部分をドアフレーム2に対応した形状となるように、フロント側とリヤ側のそれぞれのコーナー部分において、型成形により成形してガラスラン上辺部13とガラスランフロント側縦辺部14とを接続してガラスランコーナー部12が形成され、型成形により成形してガラスラン上辺部13とガラスランリヤ側縦辺部15とを接続してガラスランコーナー部12が形成されている。
本発明について以下に、フロント側のドア1のリヤ側縦辺部であるドアフレーム縦辺部2aとドアフレーム上辺部2bとでなすリヤ側のコーナー部であるドアフレームコーナー部2hに装着されるガラスラン上辺部13、ガラスランリヤ側縦辺部15およびガラスランコーナー部12を例に取り説明する。
まず、本発明の実施の形態のガラスラン10の直線部11の形状について、ガラスランリヤ側縦辺部15を例にとり説明する。
ガラスラン10のガラスランフロント側縦辺部14は、図4に示すように、本体が車外側側壁20と、車内側側壁30と、底壁40とから断面略コ字状に形成されている。後述のように、車内側側壁30が車外側側壁20よりも大きく、厚肉に形成され、断面略コ字形は、車内側が大きな非対称形に形成されている。
ガラスラン10の本体は、ドアフレーム上辺部2bに取付けられるガラスラン上辺部13もドアフレーム縦辺部2aに取付けられる、ガラスランリヤ側縦辺部15も基本的には、ほぼ同様な断面略コ字形の断面形状を有している。
ガラスラン10の車外側側壁20は、断面略板状に形成される。
車外側側壁20の先端付近から車外側シールリップ21が、上記本体の断面略コ字状の内側に向けて延設されている。また、車外側カバーリップ23が車外側側壁20の先端から車外方向に、車外側側壁20と平行に延設されて、ドアアウターパネル2cの先端を覆うように長く形成されている。
このため、車外側カバーリップ23は、ドアアウターパネル2cの先端を覆い、車外側から見た場合にドアアウターパネル2cが目立つことがなく、見栄えがよい。また、車外側側壁20と車外側カバーリップ23でドアアウターパネル2cのフランジ部分を挟持して、保持することができる。
車外側側壁20の外面には車外側保持リップ24が形成されている。ドアアウターパネル2cのフランジ部分は、屈曲部が形成され、屈曲部に車外側保持リップ24が係止され、車外側カバーリップ23と車外側保持リップ24で、車外側側壁20をドアアウターパネル2cに保持することができる。
このため、車外側側壁20を確実にドアアウターパネル2cに係止することができるとともに、車外側側壁20とドアアウターパネル2cとの間をシールすることができる。
上述のように、車外側側壁20の内側には、車外側シールリップ21がガラスラン10の本体の内側に向けて斜めに延設されている。
ドアガラス5が上昇して、ドアガラス5の上端がガラスラン10の本体の上辺部の内部に侵入したときに、ドアガラス5の上端の車外側の両面に、この車外側シールリップ21と後述する車内側シールリップ31が弾力的に当接して、ドアガラス5の先端とドアフレーム2の間をシールする。
車外側シールリップ21と車内側シールリップ31の表面には低摺動部材を設けることができる。この場合は、ドアガラス5が昇降して、縦辺部のガラスラン10を摺動するときにドアガラス5と、ガラスラン10との接触面積や摩擦抵抗が少なくなり、摺動抵抗を減少させることができ、異音の発生を防止し、スムースな昇降を確保することができる。さらに、ドアガラス5が昇降時にドアガラス5の湾曲や、走行時の負圧により車外側に移動したり、撓んで、強く車外側シールリップ21に押付けられたりしても、ドアガラス5の摺動抵抗を増加させることなく、スムースな昇降を確保することができる。
底壁40は、略板状に形成され、車内側側壁30および車外側側壁20との連続部分では屈曲が容易にできるように溝部が形成されている。
底壁40のガラスラン10の本体の断面略コ字形の内面の側端には、車内側側壁30および車外側側壁20の根元に当接する底壁保持リップ41、41が形成され、車内側側壁30と車外側側壁20がガラスラン10の本体の断面略コ字形の内側に倒れることを防止している。
底壁40の外面には底壁シールリップ42、42が長手方向に形成され、底壁シールリップ42、42は、ドア補強パネル2eに当接して、底壁40とドア補強パネル2eとの間をシールしている。
底壁40の内面には、車外側シールリップ21と車内側シールリップ31と同様に低摺動部材を押出成形したり、ウレタン樹脂等の低摺動部材が塗布されたりしている。このため、ドアガラス5との摺動抵抗を減少させることができる。
車内側側壁30は、車外側側壁20よりも肉厚で大きく形成されている。このため、ガラスラン10をドアフレーム2の側面に保持することができる。
車内側側壁30の先端から、車内側カバーリップ33が車内側側壁30の外面側、即ち、車内方向に車内側側壁30と平行に延設されている。この車内側カバーリップ33と車内側側壁30で、ドアインナーパネル2dの先端とドア補強パネル2eの先端が接合されたフランジ部分を挟持している。
車外側側壁20と同様に、車内側側壁30の先端からガラスラン10の本体の内部方向に斜めに車内側シールリップ31が延設されている。車内側シールリップ31は、車外側シールリップ21よりも長く、厚肉に形成されているため、ドアガラス5がガラスラン10内に侵入したときに、ドアガラス5を車外側に位置させることができ、ドアフレーム2とドアガラス5の段差を少なくすることができる。このため、空気抵抗や風切音が減少し、デザイン的にも好ましい。
車内側側壁30の内面から車内側シールリップ31の裏面方向に車内側サブシールリップ32が延設されている。ドアガラス5が車内側シールリップ31を車内側側壁30側に押圧したときに、車内側シールリップ31の先端を保持して、車内側シールリップ31のシール性を向上させるとともに、車内側シールリップ31が車内側側壁30に密着することを防止している。
車内側側壁30の外面には、底壁40との連続部分の付近に車内側保持リップ34が形成されている。ドアフレーム2のドア補強パネル2eには、凸部2jが屈曲して形成され、この凸部2jに車内側保持リップ34が係止される。このため、ガラスラン10をドアフレーム2に保持することができる。
ガラスランコーナー部12の説明を図1〜図3に基づき説明する。
ガラスランコーナー部12は、ガラスラン上辺部13とガラスランフロント側縦辺部14及びをガラスラン上辺部13とガラスランリヤ側縦辺部15を型成形により接続している。ガラスランコーナー部12においても、車外側側壁20、車外側シールリップ21、車外側カバーリップ23は、ガラスランリヤ側縦辺部15とほほ同じである。車内側側壁30、車内側シールリップ31、車内側カバーリップ33も、ガラスランリヤ側縦辺部15とほほ同じである。底壁40も同様に同じである。
そのため、車外側側壁20、車外側シールリップ21、車外側カバーリップ23、車内側側壁30、車内側シールリップ31、車内側カバーリップ33と底壁40のそれぞれは、ガラスランコーナー部12において、それぞれのガラスラン上辺部13とガラスランリヤ側縦辺部15の部分の形状が同様であるため、容易に接続することができる。
但し、車外側カバーリップ23と車内側カバーリップ33は、ドアフレームコーナー部2hを覆うために、コーナー部の曲がり部分が長く形成されている。
図4に示すように、ガラスランリヤ側縦辺部15には、ガラスランリヤ側縦辺部15の底壁40の外面側に当接するドア補強パネル2eを設けた。ドア補強パネル2eは、ガラスランコーナー部12の湾曲部分まで達するように、即ち、底壁40の湾曲が始まる部分まで延設される。
ガラスランコーナー部12のガラスランリヤ側縦辺部15の底壁40の外面側に、底壁係止片43を形成した。
底壁係止片43は、略四角形状の底壁係止片本体部44と、底壁係止片本体部44のガラスランコーナー部12側に一体的に三角形状に形成された底壁係止片補強部45から形成されている。このため、底壁係止片43は全体として、台形をなしている。
図3に示すように、ガラスラン10がドアフレームコーナー部2hに取付けられると、底壁係止片本体部44の側辺(図3における左側の辺)である底壁係止片側辺48は、ドアインナーパネル2dの側面と当接している。そして、底壁係止片本体部44の底辺(図3における下側の辺)である底壁係止片底辺47は、ドア補強パネル2eの先端と当接している。なお、このとき底壁係止片側辺48とドアインナーパネル2dとの間、及び底壁係止片底辺47とドア補強パネル2eの先端との間は、0.5mm程度の隙間を空けることができる。それにより、ガラスラン10のズレを防止するとともに、底壁係止片43の永久変形を防止することができる。
このため、底壁係止片43を底壁係止片側辺48と底壁係止片底辺47の2辺で保持して、ガラスラン上辺部13がドアガラス5の昇降等により、ガラスランコーナー部12の方向にずれてきた場合に、底壁係止片43がそのズレを止めて、ガラスランコーナー部12が変形したり、外れたりすることを防止でき、ガラスランコーナー部12の見栄えが低下することを防止できる。
また、底壁係止片43は、三角形状の底壁係止片補強部45が底壁係止片本体部44とガラスランコーナー部12の底壁40とを連結して保持している。このため、ガラスラン上辺部13がドアガラス5の昇降等により、ガラスランコーナー部12の方向にずれてきて、底壁係止片底辺47がドア補強パネル2eに押圧されたときに、底壁係止片補強部45が、底壁係止片本体部44を支えて、底壁係止片本体部44の剛性と耐久性を増加させて、底壁係止片43が変形することを防止できる。従って、長期間、ガラスラン上辺部13がガラスランコーナー部12の方向にずれて、底壁係止片43を押圧しても、底壁係止片本体部44が千切れたり、変形したりすることがない。
底壁係止片補強部45は、底壁係止片本体部44よりも肉厚が薄く形成することができる。例えば、底壁係止片補強部45の肉厚を、底本の肉厚の1/2〜2/3程度にすることができる。この場合には、底壁係止片本体部44の剛性を補強する効果を維持するとともに、底壁係止片43の重量を軽減することができる。
図3に示すように、底壁係止片本体部44の底壁係止片側辺48は、ドアフレーム2のドアインナーパネル2dのコーナー部の形状に沿って形成することができる。この場合には、底壁係止片側辺48がドアインナーパネル2dのコーナー部に沿って、広い面積で当接することができ、安定して、ガラスランコーナー部12を保持して、その変形を防止できる。
三角形状に形成された底壁係止片補強部45は、底壁係止片本体部44の側部上端からガラスランコーナー部12まで連続する傾斜辺である底壁係止片傾斜辺49を有している。そして、底壁係止片傾斜辺49は、ガラスランコーナー部12の曲面の頂点と接線状に連続して形成された。このため、ガラスラン上辺部13から押されて、底壁係止片本体部44が変形するときに、底壁係止片補強部45の底壁係止片傾斜辺49がガラスランコーナー部12に対して、強く突っ張ることができ、底壁係止片43の変形を防止できる。
図2に示すように、底壁係止片43の裏面側に、底壁係止片溝部46を形成することができる。底壁係止片溝部46は、主に、底壁係止片本体部44に形成されるが、底壁係止片補強部45にも連続して形成することができる。底壁係止片溝部46を形成した場合には、底壁係止片43の肉厚が厚くなっても、底壁係止片43の表面のヒケを防止できるとともに、底壁係止片43の剛性を低下させることなく、底壁係止片43の重量を軽減することができる。
次に、ガラスラン10の製造方法について説明する。
直線部11の成形においては、成形材料は、合成ゴム、熱可塑性エラストマーが使用され、例えば合成ゴムでは、EPDMゴム、熱可塑性エラストマーでは、ポリオレフィン系エラストマー等が使用される。
合成ゴムの場合は、押出成形後に加硫槽に搬送されて、熱風や高周波等により加熱されて加硫が行われる。熱可塑性エラストマーの場合は、冷却され固化される。その後所定の長さに切断されて、押出成形部分は製造される。
次に、ガラスランコーナー部12の型成形部分の成形は、上記により製造された押出成形部材を所定寸法に長手方向とは略直角に切断して、その切断した押出部分の端部を、型成形部分を成形する金型に挟持して、その金型のキャビティーに型成形部分を形成するソリッド材を注入する。型成形部分の断面形状は押出成形部分の断面形状と略同じである。成形材料は、押出成形部分に使用した材料と同じ種類のものを使用することが好ましい。熱可塑性エラストマーの場合は、金型に注入されたときに注入材料は溶融されているため、その熱と圧力とで押出成形部分と型成形部分は一体的に融着される。
2 ドアフレーム
2e ドア補強パネル
10 ガラスラン
11 直線部
12 ガラスランコーナー部
13 ガラスラン上辺部
20 車外側側壁
30 車内側側壁
40 底壁
43 底壁係止片
44 底壁係止片本体部
45 底壁係止片補強部
46 底壁係止片溝部

Claims (5)

  1. 自動車ドアのドアフレームの内周に取付け、ドアガラスの昇降を案内する自動車用ガラスランであって、上記ガラスランは、上記ドアフレームの上辺に装着される上辺部と、上記ドアフレームの縦辺に装着される縦辺部と、上記上辺部及び縦辺部を接続し、上記ドアフレームのコーナー部に装着されるコーナー部を有する自動車用ガラスランであり、
    上記上辺部、縦辺部及び上記コーナー部は、底壁と該底壁の車外側側縁部から延びる車外側側壁と、上記底壁の車内側側縁部から延びる車内側側壁とからなる断面略コ字形をなすガラスランの本体を備え、
    少なくとも一方の上記縦辺部には、上記縦辺部の底壁の外面側に当接するドア補強パネルを、上記ガラスランのコーナー部まで達するように設け、
    上記ドア補強パネルと当接する上記コーナー部の縦辺部側の底壁の外面側に、底壁係止片を作成し、該底壁係止片は、略四角形状の底壁係止片本体部と該底壁係止片本体部の上記コーナー部側に一体的に三角形状に形成された底壁係止片補強部から形成され、
    上記底壁係止片補強部は、上記底壁係止片本体部の側部上端から上記ガラスランのコーナー部まで連続する傾斜辺を有し、該傾斜辺は、上記ガラスランのコーナー部の曲面の頂点と接線状に連続して形成され、
    上記底壁係止片本体部の側辺に、上記ドアフレームが当接するとともに、上記底壁係止片本体部の上記縦辺部側の底辺に上記ドア補強パネルの上端部が当接するよう形成した自動車用ガラスラン。
  2. 上記底壁係止片の片面側に底壁係止片溝部が形成された請求項1に記載の自動車用ガラスラン。
  3. 上記底壁係止片補強部は、上記底壁係止片本体部よりも肉厚が薄く形成された請求項1又は請求項2に記載の自動車用ガラスラン。
  4. 上記底壁係止片本体部の側辺は、上記ドアフレームのコーナー部の形状に沿って形成された請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の自動車用ガラスラン。
  5. 上記ガラスランの本体は、上記車外側側壁と車内側側壁の先端には、それぞれ本体の断面略コ字状の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設けるとともに、それぞれ上記ガラスランの本体の外側に向かって延出する車外側カバーリップと車内側カバーリップを設け、上記車外側シールリップと車内側シールリップによりドアガラスの車外側面及び車内側面をシールし、上記車外側カバーリップと車内側カバーリップによりドアフレームの先端を覆う請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の自動車用ガラスラン。
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