JP2014065081A - ドリル - Google Patents

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Abstract

【課題】切削抵抗を大幅に低減することができ、ハンドドリルやボール盤等を使用した人力による穴あけ作業を容易に行うことが可能であるドリルを提供すること。
【解決手段】回転軸対称に形成された2つの切刃を有し、先端部にシンニングが施されているドリルであって、前記切刃が、ドリル先端側から見たとき、チゼルエッジからドリル外周側に向けて曲線を含む形状に延びるシンニング切刃と、前記シンニング切刃の端部からドリル外周端まで直線状に延びる主切刃とからなり、前記主切刃の延びる方向における切刃長さが、前記主切刃の長さをA、前記シンニング切刃の長さをBとしたとき、0<A≦Bを満たすことを特徴とするドリルとする。
【選択図】図1

Description

本発明はドリルに関し、特にハンドドリルやボール盤等を使用して人力で穴をあける際に好適に使用されるドリルに関する。
近年、マシニングセンターなどの工作機械に使用されるドリルについては、工作機械が無人で加工が行われる全自動機が主流となってきていることから、全自動機に対応するドリルが数多く開発され販売されている。
しかし、ハンドドリルやボール盤等の穴あけ時に作業者の力が必要な装置に使用されるドリルについては、積極的な研究開発が行われることがなく、数十年に亘って同じ様な形状のドリルが用いられているのが現状である。
これらハンドドリルやボール盤等で使用されるドリルは、作業者の腕の力を利用して穴あけを行うため、切削抵抗が大きいと穴あけが困難となる。しかし、従来このようなドリルについては、ドリル自体の強度や剛性を確保することが先決であると考えられており、加えてドリルを購入した作業者が自分の好みにドリルを研磨して使用していたという実状もあって、ドリルメーカーにおいて切削抵抗を低減させるための研究は殆どなされていなかった。
一般に、ドリルの切削抵抗を低減させるための方法として、切刃にシンニングを施してチゼル幅を狭くする方法が知られている。(例えば、下記特許文献1参照)
従来のシンニングは、ドリル中心部からヒール部にかけて行われる(図10(a)参照)、或いはドリル中心部の狭い範囲のみに行われる(図10(b)参照)のが普通であった。尚、図10(a)(b)においてシンニング部にハッチングを施し、シンニングにより形成された切刃を(S1)で示す。
このようなシンニングを施したドリルは、シンニング無しのドリル(図10(c)参照)と比べると切削抵抗の低減効果はあるものの、ハンドドリルやボール盤等の人力による穴あけ作業に使用する場合、切削抵抗の低減が充分とは言えず、作業者の腕力にかかる負担が大きい。
本出願人は下記特許文献2において、高硬度の鋼板を使用した自動車の車体のスポット溶接部を剥離するために好適に用いられるドリルを提案している。
このドリルは、回転軸対称に2枚の切刃を有し、先端部にシンニングが施されているドリルであって、チゼル幅が0.05〜0.3mmであり且つシンニングがドリル先端側から見た場合において両切刃の刃先を結んだ直線に対して1〜4°傾いた角度で施されているものである。
このドリルによれば、チゼル幅が狭く且つシンニングが上記角度で形成されていることにより、従来のドリルに比べると、切削時のスラスト抵抗が小さく、作業者が加える力が少なくて済む。
しかしながら、このドリルは、高硬度の鋼板に対応するためにシンニングにより形成されるすくい角を90°より大きく設定している。そのため、中心部の切削力が弱く、ハンドドリルでの穴あけ作業時においてワークが中心から外周刃にかかるまでの間はかなりの力が必要となる。また、チゼル幅が非常に狭いために、使用時に先端が欠けてしまう虞があり、特に粉末高速度鋼を材料とするドリルでは、脆くなるために一層先端が欠け易くなる。
特開2000−271811号公報 特開2006−88267号公報
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、切削抵抗を大幅に低減することができ、ハンドドリルやボール盤等を使用した人力による穴あけ作業を容易に行うことが可能であるドリルを提供するものである。
請求項1に係る発明は、回転軸対称に形成された2つの切刃を有し、先端部にシンニングが施されているドリルであって、前記切刃が、ドリル先端側から見たとき、チゼルエッジからドリル外周側に向けて曲線を含む形状に延びるシンニング切刃と、前記シンニング切刃の端部からドリル外周端まで直線状に延びる主切刃とからなり、前記主切刃の延びる方向における切刃長さが、前記主切刃の長さをA、前記シンニング切刃の長さをBとしたとき、0<A≦Bを満たすことを特徴とするドリルに関する。
請求項2に係る発明は、前記主切刃により形成されたすくい角θと、前記シンニング切刃により形成されたすくい角θが、θ>θ>0°を満たすことを特徴とする請求項1記載のドリルに関する。
請求項3に係る発明は、前記主切刃により形成された刃先角αと、前記シンニング切刃により形成された刃先角αが、α<α<90°を満たすことを特徴とする請求項2記載のドリルに関する。
請求項4に係る発明は、逃げ角βが0°<β≦4°を満たすことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のドリルに関する。
請求項1に係る発明によれば、従来のドリルに比べて切削抵抗を大幅に低減することができ、ハンドドリルや手動のボール盤等を使用した人力による穴あけ作業を容易に行うことが可能なドリルを提供することができる。また、切削抵抗が低減されることで、穴あけ精度が向上し、穴あけ時間が短縮するため作業効率が向上する。更にドリルの寿命を大幅に延ばすことも可能となる。
請求項2に係る発明によれば、主切刃により形成されたすくい角θと、シンニング切刃により形成されたすくい角θが、θ>θを満たすことにより、見掛け上のすくい角が小さくなってワークに食い込む量が少なくなり、ハンドドリルなど人力でワークに押し付ける場合であっても容易に切れるようになる。また、θ>0°とすることにより、θを0°からマイナスとした場合の不具合(切削抵抗が増加して切れ味が悪くなる)が生じない。
請求項3に係る発明によれば、請求項2に規定されたθ>θ>0°に加えて、主切刃により形成された刃先角αと、シンニング切刃により形成された刃先角αが、α<α<90°を満たすことにより、作業者の腕力にて穴あけを行うために適した緩やかなすくい角と大きめの刃先角が創成されることとなる。
請求項4に係る発明によれば、逃げ角βが0°<β≦4°を満たすことにより、ワークに食い込む量が少なくなり、ハンドドリルなど人力でワークに押し付ける場合であっても容易に切れるようになる。
本発明に係るドリルを示す図であって、(a)は上面図(ドリルを先端側から見た図)、(b)は先端部の正面図である。 本発明に係るドリルを図1(b)よりも若干左方向から見た図である。 逃げ角を定義する図である。 シンニング形成時にドリルを砥石に当てる角度を示す図である。 シンニングの角度を示す図である。 (a)はシンニング部に直角な断面を示す図、(b)は(a)の断面部位(A−A断面)を示す図である。 すくい面の縁部形状の別の例を示す図である。 本発明に係るドリルの別の例(スポット溶接剥離用ドリル)を示す先端部の正面図である。 実施例及び比較例のドリルの試験方法を示す図である。 従来のドリルの上面図(ドリルを先端側から見た図)である。
以下、本発明に係るドリルの好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係るドリルを示す図であって、(a)は上面図(ドリルを先端側から見た図)、(b)は先端部の正面図である。
本発明に係るドリルは、回転軸対称に形成された2つの切刃を有し、先端部にシンニングが施されている。
切刃は、ドリル先端側から見たとき、チゼルエッジからドリル外周側に向けて曲線を含む形状に延びるシンニング切刃(1)と、シンニング切刃(1)の端部からドリル外周端まで直線状に延びる主切刃(2)とからなる。
図中、(3)は逃げ面、(4)はチゼル、(5)は主切刃(2)により形成されたすくい面、(6)はシンニングにより形成された新たなすくい面、(W)はチゼル幅である。
主切刃(2)の延びる方向における切刃長さは、主切刃(2)の長さを(A)、シンニング切刃(1)の長さを(B)としたとき、0<A≦Bを満たしている。
シンニング切刃(1)の長さ(B)を、主切刃(2)の長さ(A)と同じかそれ以上に設定することにより、後述する実施例及び比較例に示す如く、A>Bである従来のドリルに比べて切削抵抗を大幅に低減することが可能となる。
切刃長さ全長(A+B)に占めるシンニング切刃(1)の長さ(B)の割合(B/(A+B))が大きいほど切削抵抗が低減されるため、できるだけシンニング切刃(1)の長さ(B)を長くして主切刃(2)の長さ(A)を短くすることが好ましい。しかし、主切刃(2)の長さ(A)が0になると、開けた穴の面精度が低下するため、0<Aとする必要がある。好ましくは、ドリル半径(R)に対してR×0.1≦Aを満たすように設定する。
図2は本発明に係るドリルを正面より若干左方向から見た図である。
主切刃(2)により形成されたすくい角(θ)と、シンニング切刃(1)により形成されたすくい角(θ)は、θ>θ>0°を満たす。
シンニング切刃(1)により形成されたすくい角(θ)が、主切刃(2)により形成されたすくい角(θ)より小さいということは、シンニングを施すことにより見掛け上のすくい角が小さくなる(緩くなる)ことを意味する。
すくい角が大きい(きつい)とワークに食い込む量が多くなり、工作機械など動力源を使用してドリルを回転させる場合には問題ないが、ハンドドリルなど人力でワークに押し付ける場合は負荷に対して人力が負けてしまい、結果として切れないということになる。
本発明では、θ>θを満たすようにシンニング切刃(1)を形成することにより、見掛け上のすくい角が小さくなってワークに食い込む量が少なくなり、ハンドドリルなど人力でワークに押し付ける場合であっても容易に切れるようになる。
θ>0°とするのは、シンニング切刃(1)により形成されたすくい角(θ)が0°からマイナスになると逆に切削抵抗が増加し、却って切れ味が悪くなるためである。因みに、従来のドリルでは、中心部にすくいがあると刃先が欠け易くなるという理由から、すくい角がマイナスになるようなシンニングが施されている。
ドリルの捩れ角はドリルの種類によって様々であるが、概ね30°前後に設定されている。しかし、この角度では切削抵抗が大きいためにハンドドリルなどの人力での穴あけ作業においては不向きである。
捩れ角を小さくすることによりすくい角を小さくして切削抵抗を低減する方法もあるが、捩れ角を変えてドリルを製作するよりも従来の捩れ角を変えずに本発明の如くシンニングのみで見掛けのすくい角を変える方法は極めて簡単に行うことができるという大きな利点がある。
主切刃(2)により形成された刃先角(α)と、シンニング切刃(1)により形成された刃先角(α)は、α<α<90°を満たす。(尚、α,αについて図6参照)
ここで、すくい角と刃先角について補足説明する。
ドリルが本来持っているすくい角(シンニング形成前のすくい角)では、刃先角が鋭すぎて、刃先が楔のようにワークに鋭く食い込むため、切削抵抗が大きくなる。
シンニングを行うことにより、すくい角が減少して刃先角が増大し、これによって切れ味が向上する(切削抵抗が減少する)。特に、本発明に係るドリルに施されるシンニングによれば、作業者の腕力に適した緩やかなすくい角と大きめの刃先角が創成されることとなる。
逃げ角(β)は0°<β<8°を満たすように設定する。好ましくは0°<β≦4°を満たすように設定する。
一般的には、逃げ角を大きくとり、すくい角を大きくすることで、鋭利な刃先を形成することにより、鋭い切れ味が得られると考えられており、市販のドリルは共通してこのような形状を有している。
しかし、逃げ角もすくい角同様に大きくすると刃先が鋭くなってワークに食い込む量が多くなり、ハンドドリルなど人力でワークに押し付ける場合は切れなくなる。
本発明では逃げ角(β)を0°<β≦4°と小さく設定することにより、ワークに食い込む量が少なくなり、ハンドドリルなど人力でワークに押し付ける場合であっても容易に切れるようになる。
ここで、逃げ角(β)は下記(イ)又は(ロ)により定義される。
(イ)半径50mm以上の砥石外周部の砥石水平中心線上に、ドリル先端部の中心を合わせ、ドリル先端部の切刃部を砥石水平中心線と平行(=水平)に当て、ドリル後端部を、ドリル先端部を中心に砥石水平中心線より下降させたときの砥石水平中心線とドリル中心軸線のなす角度。(図3(a)参照)
(ロ)砥石側面(垂直平面)の砥石水平中心線上に、ドリル先端部の中心を合わせ、ドリル先端部の切刃部を砥石水平中心線と平行(=水平)に当て、ドリル後端部を、ドリル先端部を中心に砥石水平中心線より下降させたときの砥石水平中心線とドリル中心軸線のなす角度。(図3(b)参照)
但し、(イ)と(ロ)とでは、図3(a)に示す砥石半径と、ドリル中心から切刃部までの距離:1/2W(W:心厚)とにより生まれる角度分(砥石半径50mmにおいて心厚(W)が2mmの場合、約0.573°、半径100mmにおいては約0.286°、半径150mmにおいては約0.191°)程度の違いが生じる。
そのため、(イ)で求める場合、この差分を加えたものを逃げ角とすることが好ましい。つまり、逃げ角は下式の通りに求めることが好ましい。
(イ)(図3(a))の場合:逃げ角=β+tan−1((1−cos(sin−10.5W/R))R÷0.5W)
(ロ)(図3(b))の場合:逃げ角=β
例えば、逃げ角3°で半径(R)50mmの砥石で研磨する、直径10mm、心厚2mmのドリルの実際の逃げ角は約3.573°となる。
チゼル幅(W)(図1(a)参照)は、ハンドドリルなど人力でワークに押し付ける場合であっても容易に切れるようにするために小さく設定することが好ましい。具体的には、ドリル直径の10%以下に設定することが好ましい。例えば、ドリル直径φが2〜13mmの場合、チゼル幅(W)はドリル直径の増減に応じて0.2〜0.8mmの範囲で増減させて設定する。
本発明では、シンニングの角度を従来のドリルに比べて小さく設定する。
従来のシンニングは、ドリル自体の強度・剛性を優先するために、シンニング形成時にドリルを砥石に当てる角度(θ)を大きめにしていた。(図4(a)参照)
角度(θ)を極力少なくし、砥石の研削面接線上にドリルの中心を近づけると、ドリル中心部のウエブと呼ばれる部分の抵抗を受けなくなるため、切削抵抗は大幅に減少する。(図4(b)参照)
そこで、本発明においては、シンニングの角度を下記(I)及び(II)を満たすように設定することが好ましい。
(I)シンニングを行う砥石の垂直中心線に対してドリル中心軸線のなす角度(図4のθ)が0〜20°
(II)シンニングを行う砥石の幅方向の中心線に対してドリル中心軸線のなす角度が20〜35°(図5参照)
但し、上記(II)のシンニングの角度の範囲は、先端角118°、捩れ角30°の場合に求められたものであり、必ずしも全てのドリルに対して好適とはいえない。理論上は、上記(II)のシンニングの角度の上限値は、ドリルの刃先と平行な位置(=先端角)の1/2の角度(118°の場合は59°)までの範囲に設定することができる。
次に、シンニングの形状について説明する。
図6(a)はドリルのシンニング部に直角な断面(図6(b)のA−A断面)を示す図である。
図6(a)に示す例では、シンニングにより形成されたすくい面(6)の縁部(主切刃(2)により形成されたすくい面(5)との境界部)は、シンニングの半径(R)によって円弧状に形成されている。尚、(R)はドリル溝部の半径である。
図示のように、主切刃(2)により形成されたすくい角(θ)と、シンニング切刃(1)により形成されたすくい角(θ)は、θ>θ>0°を満たす。
また、主切刃(2)により形成された刃先角(α)と、シンニング切刃(1)により形成された刃先角(α)は、α<α<90°を満たす。
本発明において、すくい面の縁部形状は、円弧状に限らず、円弧と直線を組み合わせた形状であってもよい。(図7参照)
本発明者らは、すくい面の縁部形状が円弧状の場合(図6(a))と、円弧と直線を組み合わせた形状の場合(図7)とが、同等の切れ味を有し、切削抵抗に違いが無いことを実験により確認している。
本発明に係るドリルは、図8に示すような形状を有する、スポット溶接剥離用ドリルであってもよい。尚、図8において、図1に示すドリルと同じ構成要素については同じ符号を付している。
この場合も、主切刃(2)の延びる方向における切刃長さは、主切刃(2)の長さを(A)、シンニング切刃(1)の長さを(B)としたとき、0<A≦Bを満たしている。より好ましくは、ドリル半径(R)に対してR×0.1≦Aを満たすように設定する。
また、主切刃により形成されたすくい角(θ)と、シンニング切刃により形成されたすくい角(θ)が、θ>θ>0°を満たすことが好ましい。
更に、主切刃により形成された刃先角(α)と、前記シンニング切刃により形成された刃先角(α)が、α<α<90°を満たすことが好ましい。
加えて、逃げ角(β)が0°<β≦4°を満たすことが好ましい。
以下、本発明に係るドリルの実施例及び比較例のドリルについての試験結果を示すことにより、本発明の効果をより明確なものとする。但し、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<試験1:主切刃の長さ(A)とシンニング切刃の長さ(B)との関係>
直径φ10mm(半径R=5mm)のドリルに対して表1に示す6種類の異なるB寸法のシンニングを行い、実施例及び比較例のドリルを作製した。ドリルの逃げ角は全て4°に設定し、チゼル幅は全て0.5mmとした。
Figure 2014065081
上記実施例及び比較例のドリルを充電式ドリルドライバー(Panasonic社製)に取り付けて、同一作業者が人力で金属板(材質SS400、厚さ9mm)に対して外周刃が沈むまで(図9参照)、切削を行った。
作業者が各ドリルによる切削作業の容易さを以下の基準で評価した。評価結果を表2に示す。
<評価基準>
◎・・・軽い。(切削に殆ど力を要さない。)
○・・・比較的軽い。(切削に少し力を要する。)
×・・・重い。(切削に大きな力を要する。)
Figure 2014065081
表2に示すように、実施例のドリル(0<A≦B)は、比較例のドリル(A>B)に比べて容易に切削することができた。つまり切削抵抗が小さかった。特に、実施例1〜3のドリル(0<A<B)は切削抵抗が非常に小さかった。
<試験2:他社製品等との比較1>
表3に示す4種類のドリル(直径φ8.5mm)を用意した。実施例5のドリルは本発明に係るドリル(図1参照)であり、比較例3〜5のドリルは夫々図10(a)〜(c)に示す形状を有するものである。
Figure 2014065081
上記実施例5、比較例3〜5のドリルを充電式ドリルドライバー(Panasonic社製)に取り付けて、同一作業者が人力で金属板(材質SS400、厚さ9mm)に対して切削を行った。
ドリル先端から外周刃までの約70%の長さがワークに沈んだ時点で一旦切削を停止し、穴の形状を確認した後、更に外周刃が沈むまで切削を続行した。各ドリルについての評価結果を表4及び表5に示す。尚、穴形状を確認した理由は、作業中に切削抵抗が変化すると穴形状が円錐形になりにくいためである。
Figure 2014065081
Figure 2014065081
表4,5から明らかなように、実施例のドリルは、比較例のドリルに比べて切削抵抗が小さく且つ変動が少なく、切削を軽い力で容易に行うことができ、切削時には綺麗な連続切粉が出る。
尚、自動車部品や電気部品など一部品を大量に製造する現場においては、機械の自動化・無人化によって、ドリルに巻きつく虞がある連続切粉は敬遠されている。そのため、ドリルメーカーは連続切粉が出ない自動機械に適したドリルの開発を優先して行ってきた。しかし、ハンドドリルが使用される現場(鉄道車両の艤装等)や手動ボール盤が使用される現場においては、作業者が切粉を除去すればよいため、連続切粉が出ても切れ味が向上することにより作業効率が向上する。また、切粉がドリル溝に沿って排出されることにより、深穴用のドリルとして切粉詰まりの減少がなくなる、
<試験3:他社製品等との比較2>
表6に示す4種類のドリル(直径φ6.5mm)を用意した。実施例6のドリルは本発明に係るドリル(図1参照)であり、比較例6〜8のドリルは夫々図10(a)〜(c)に示す形状を有するものである。尚、ドリル直径φを6.5mmとした理由は、ドリル先端が後述する金属板(厚さ3mm)を貫通する前に、外周刃が金属板に達するようにするためである。
Figure 2014065081
上記実施例6、比較例6〜8のドリルを取り付けたボール盤(北川鉄工所製)を使用して、同一作業者が金属板(材質SUS304、厚さ3mm、幅60mm、長さ320mm)に対して貫通穴をあける作業を行った。作業は連続して行い、ドリルが使用不可(穴あけ不可)となったと作業者が判断した時点で終了し、あけた穴の数によりドリルの耐久性を評価した。結果を表7に示す。
Figure 2014065081
表7から明らかなように、実施例のドリルは、SS材より難切削材であるSUS304に対して比較例のドリルを大きく上回る耐久性を有している。
<試験4:自社の他の発明品との比較>
表8に示す3種類のドリル(直径φ8.2mm)を用意した。実施例7のドリルは本発明に係るドリル(図8参照)であり、比較例9のドリルは特願2010−203777号(本出願人の先願)に記載されたドリル、比較例10のドリルは前記特許文献2に記載されたドリルである。尚、材質による性能の違いは殆どない。実施例6のドリルは、シンニングを入れる砥石とドリル軸心の傾き角は27.5°(20〜35°の中間値)とし、砥石の接線に沿ってドリルのシンニングを行った(シンニング角度(図4参照)θ=0°)
Figure 2014065081
ワーク(ダイハツ・ムーブの交換パネル(高張力鋼板))に対して上記3種類のドリルで穴をあけ、切れ味と耐久性を確認した。穴あけは、折損を避けるために貫通穴とはせずに同程度の深さまで行った。
先ず、上記3種類のドリルを用いて1穴ずつ穴あけを行い、ドリルの切れ味を確認した。結果を表9に示す。
Figure 2014065081
上記実施例7、比較例9〜10のドリルを使用して穴あけ作業を行った。作業は連続して行い、ドリルが使用不可(穴あけ不可)となったと作業者が判断した時点で終了し、あけた穴の数によりドリルの耐久性を評価した。結果を表10に示す。
Figure 2014065081
表10から明らかなように、実施例7のドリルは比較例9,10のドリルとは異なり切れ味と耐久性の両方を兼ね備えていることが分かった。また、各ドリルの先端を拡大観察してみると、比較例9,10のドリルはチゼルエッジが大きく磨耗していたのに対し、実施例6のドリルは穴あけ数が多いにも関わらず、チゼルエッジの磨耗が少なく、刃先全体が同じように磨耗していることが確認された。実施例7のドリルはチゼル幅が最も広いため作業者のドリルを押す力が分散され、比較例9,10のドリルに比べてチゼルエッジが磨耗しにくく数多くの穴あけが可能になったと推測できる。また、チゼル幅を広くしても狭いものと同等の切削力が得られたのは切削に適正なすくい角を有しているためであると考えられる。
本発明に係るドリルは、ハンドドリルやボール盤等を使用した手動の穴あけ作業に用いられるドリルとして好適に使用される。
1 シンニング切刃
2 主切刃
3 逃げ面
4 チゼル
5 主切刃により形成されたすくい面
6 シンニングにより形成されたすくい面
A 主切刃の長さ
B シンニング切刃の長さ
R ドリル半径
θ 主切刃により形成されたすくい角
θ シンニング切刃により形成されたすくい角
α 主切刃により形成された刃先角
α シンニング切刃により形成された刃先角
β 逃げ角
主切刃によるすくい面を形成する半径
シンニングによるすくい面を形成する半径
W チゼル幅
θ シンニング形成時にドリルを砥石に当てる角度
請求項1に係る発明は、回転軸対称に形成された2つの切刃を有し、先端部にシンニングが施されているドリルであって、前記切刃が、ドリル先端側から見たとき、チゼルエッジからドリル外周側に向けて曲線を含む形状に延びるシンニング切刃と、前記シンニング切刃の端部からドリル外周端まで直線状に延びる主切刃とからなり、前記主切刃の延びる方向における切刃長さが、前記主切刃の長さをA、前記シンニング切刃の長さをBとしたとき、0<A≦Bを満たし、前記主切刃により形成されたすくい角θ と、前記シンニング切刃により形成されたすくい角θ が、θ >θ >0°を満たすことを特徴とするドリルに関する。
請求項2に係る発明は、前記主切刃により形成された刃先角α と、前記シンニング切刃により形成された刃先角α が、α <α <90°を満たすことを特徴とする請求項1記載のドリルに関する。
請求項3に係る発明は、逃げ角βが0°<β≦4°を満たすことを特徴とする請求項1又は2記載のドリルに関する。
また、主切刃により形成されたすくい角θと、シンニング切刃により形成されたすくい角θが、θ>θを満たすことにより、見掛け上のすくい角が小さくなってワークに食い込む量が少なくなり、ハンドドリルなど人力でワークに押し付ける場合であっても容易に切れるようになる。また、θ>0°とすることにより、θを0°からマイナスとした場合の不具合(切削抵抗が増加して切れ味が悪くなる)が生じない。
請求項に係る発明によれば、請求項に規定されたθ>θ>0°に加えて、主切刃により形成された刃先角αと、シンニング切刃により形成された刃先角αが、α<α<90°を満たすことにより、作業者の腕力にて穴あけを行うために適した緩やかなすくい角と大きめの刃先角が創成されることとなる。
請求項に係る発明によれば、逃げ角βが0°<β≦4°を満たすことにより、ワークに食い込む量が少なくなり、ハンドドリルなど人力でワークに押し付ける場合であっても容易に切れるようになる。

Claims (4)

  1. 回転軸対称に形成された2つの切刃を有し、先端部にシンニングが施されているドリルであって、
    前記切刃が、ドリル先端側から見たとき、チゼルエッジからドリル外周側に向けて曲線を含む形状に延びるシンニング切刃と、前記シンニング切刃の端部からドリル外周端まで直線状に延びる主切刃とからなり、
    前記主切刃の延びる方向における切刃長さが、前記主切刃の長さをA、前記シンニング切刃の長さをBとしたとき、0<A≦Bを満たすことを特徴とするドリル。
  2. 前記主切刃により形成されたすくい角θと、前記シンニング切刃により形成されたすくい角θが、θ>θ>0°を満たすことを特徴とする請求項1記載のドリル。
  3. 前記主切刃により形成された刃先角αと、前記シンニング切刃により形成された刃先角αが、α<α<90°を満たすことを特徴とする請求項2記載のドリル。
  4. 逃げ角βが0°<β≦4°を満たすことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のドリル。
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