JP2014064658A - 組立棚 - Google Patents

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英二郎 三浦
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Abstract

【課題】ビスや工具がなくても簡単に組み立てができることは勿論、組立後の書籍等の重量物収納や長期間使用することのできる組立棚100を提供すること。
【解決手段】各連結部材30に形成した各係止突起31を各板材10に形成した各係止部14に係止したとき、各交点部材20と各板材10との係合を保持するようにしたこと。
【選択図】図3

Description

本発明は、組み立てて構成する棚に関し、特に、組み立てにあたって、ビスや工具を一切必要としない組立棚に関するものである。
「棚」は、物を収納したり飾ったりするために使用されるものであり、部屋の片付けや飾り付けが効果的に行えるため、収納部分の組み換えや増設を接続部品の交換により容易に行えるようにした独立したものが重宝されている。
独立した「棚」は、設置場所に合わせたものに形成できればより使用勝手がよくなり、使用者自身が組み立てや構成ができれば、なお良い。そのような「棚」としては、例えば特許文献1にて提案されているような「組立棚」がある。
実用新案登録第3097992号掲載公報
特許文献1にて提案されている「組立棚」は、「簡便に組み立てることができ、剛性の高い組立棚を提供する」ことを目的として、図19〜図21に示すように、「複数枚の棚板11と、これらの棚板11を略水平な状態で支持する支持板12と、棚板11と支持板12とを接続する接続部品20A、20B、30とから構成される組立棚1であって、棚板11にはその幅方向に複数の通路13が形成され、支持板12にはその縦方向に複数の通路13が形成され、この接続部品20A、20B、30は、棚板11及び支持板12の端面に当接して、棚板11と支持板12とを略直角に、棚板11同士については略水平に、支持板12同士については上下方向にそれぞれ保持する位置決め部21と、この位置決め部21から延設され棚部11の通路13および支持板12の通路13にそれぞれ圧入される突起部23とを有する」ものである。
しかしながら、図19及び図21に示すように、この特許文献1の「棚部11の通路13」は、当該文献の段落0018にも記載されているように、「その長さ方向に延びるように通路13が複数平行に形成され」たものであり、また、「通路13にそれぞれ圧入される突起部23」は、当該文献の例えば段落0021に記載されているように、「位置決め部21の隣接する二側面には突起部23が角筒状に延設」されているものであり、突起部23やこれが圧入される通路13が、変形や破損が発生し易くなるため、当該組立棚1は、書籍等の重量物収納や長期使用に耐えられないと考えられる。
また、この特許文献1の「組立棚1」の組み立ては、当該文献の段落0026に記載され、図21にも示されているように、「接続部品20A、20B、30の突起部23を、棚板11及び支持板12の通路13に圧入し、支持板12及び通路13の端面を位置決め部21に当接させ、その後、貫通孔41及び係止部43に固定ピン45を圧入することにより行う」ものであり、同段落0025に記載されているように、「係止部43」は、「接続部品20A、20B、30の突起部23、33には、その突起部23、33が延びる方向の略中央部の一端側に略半円状に欠けるような形状の係止部43が形成」されているものである。このため、組立後において、係止部43や貫通孔41と、固定ピン45との間に「ガタ」が生じ易いと考えられる。この「ガタ」は、上記突起部23やこれが圧入される通路13が破損し易くなる理由となると考えられ、結局、当該組立棚1は長期使用に耐えられないと考えられる。
さらに、「固定ピン45」は、単に圧入されているだけであるため自然に抜け出易く、かつ、その頭部が収納空間内に突出しているものであるため、書籍等をキッチリと収納できないだけでなく、当該組立棚1への書籍等の重量物収納や、長期使用を不可能にすると考えられる。
この特許文献1に係る「組立棚1」での上記問題が発生するのは、棚板同士の位置決めと、これら棚板の抜け止めとを、同一場所(係止部43や貫通孔41)で同一部材(固定ピン45)によって行おうとしているからだと考えられる。
すなわち、本発明者等が、この種の、「ビスや工具を必要としないで組み立て、組み換えや増設が接続部品の交換により容易に行える棚」において、組立後における書籍等の重量物収納や長期間使用によっても「ガタ」の発生を極力小さくできて、耐久性に優れたものとするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、棚板(以下の本発明では板材という)同士の位置決めと、板材同士の抜け止めとを全く別の位置で行うのが、加わる力の方向を異ならせるという意味で効果的となることに気付き、本発明を完成したのである。
すなわち、本発明の目的とするところは、各板材の位置決めを交点部材で行い、各板材の抜け止めを交点部材の外端に取り付ける連結部材で行うようにして、ビスや工具がなくても簡単に組み立てができることは勿論、組立後の書籍等の重量物収納や長期間使用によってもガタが発生しないようにすることのできる組立棚を提供することにある。
以上の課題を解決するために、まず、請求項1に係る発明の採った手段は、後述する最良形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「両端部に差込突起11aまたは差込部11bを有した複数の板材10と、これらの板材10の差込突起11aが差し込まれる差込部21b、または板材10の差込部11bに差し込まれる差込突起21aを有した複数の交点部材20と、これらの交点部材20を介して複数の板材10の固定を行う複数の連結部材30とからなる組立棚100であって、
各連結部材30に形成した各係止突起32を各板材10に形成した各係止部14に係止したとき、各交点部材20と各板材10との係合を保持するようにしたことを特徴とする組立棚100」
である。
この請求項1に係る組立棚100は、図1に示すように、複数の板材10と交点部材20とを、板材10に形成した差込突起11aまたは交点部材20に形成した差込突起21aを交点部材20の差込部21bまたは板材10の差込部11bに差し込んで、互いに位置決めし、複数の連結部材30によって、各交点部材20を介して複数の板材10の固定を行うことにより、ビスや工具なしで組み立てるものである。
勿論、板材10側の差込突起11aは、図18に示すように、交点部材20側の差込突起21aに代えられることがあり、同時に、交点部材20側の差込部21bは、板材10側の差込部11bに代えられることもある。つまり、「差込突起」と呼ぶものは、板材10側に形成されること(図1〜図17に示す場合)も交点部材20側に形成されること(図18に示す場合)もあるものであり、同時に、「差込部」と呼ぶものは、交点部材20側に形成されること(図1〜図17に示す場合)も板材10側に形成されること(図18に示す場合)もあるものであるが、以下では、図1〜図17に示す場合を中心に説明することとする。
本発明に係る組立棚100は、複数の板材10を使用するとともに、形状に合わせたタイプの交点部材20を採用することによって、図1の(a)〜(c)等に示す種々な形態のものとすることができるものであり、使用者の好みに応じて自在に設計できるものである。
各板材10は、図1〜図7に示すように、組立棚100としたときに左右両側となる辺から突出した差込突起11aを有するものであり、この差込突起11aの厚さは、板材10自体の厚さより僅かに薄くしたものであり、この差込突起11aの外側には、図4〜図7に示すように、後述する連結部材30の係止突起32が係止される係止部14が形成してある。なお、図18に示す例では、上記差込突起11aに代えて差込部11bが形成されることは前述した通りであるが、この差込部11bの外側に係止部14を形成することは共通している。
各交点部材20は、図8の(a)及び図9に示すL型のもの、図11の(a)及び図12に示すT型のもの、及び図14の(a)及び図15に示す十字型のもの、の3種類が用意されるが、何れも、各板材10側の差込突起11aが差し込まれる差込部21bを有することは共通している。なお、図18に示す例では、この差込部21bに代えて差込突起21aが形成されることは前述した通りである。
また、これらの交点部材20の、各差込部21bが形成してある部分の厚さは、各板材10の厚さと同じにしてある。換言すれば、各板材10を当該交点部材20に組み付けたとき、各差込部21bが形成してある部分の表面と各板材10の表面とが物を出し入れし易く、かつ安定して置けるように平坦にしてある。
各連結部材30は、図8、図11及び図14の各(b)にも示すように、図8、図11及び図14の各(a)に示す上記各交点部材20の外端部に嵌合される嵌合凹部31を有するものであり、その各板材10の係止部14に対向する部分に、図8、図11及び図14の各(b)にも示すような係止突起32を形成したものである。
以上のような板材10、交点部材20、及び連結部材30が、本発明に係る組立棚100を組み立てるに使用される部品であり、その他に、これらを連結するための例えばビスのような固定部品はない。なお、固定部品ではないが、当該組立棚100の開口を覆う「扉」や「背板」を部品とすることはある。
以上の板材10、交点部材20、及び連結部材30を組み立てて組立棚100とするには、例えば、図3に示すように、各板材10の差込突起11aを、使用すべきタイプの交点部材20の差込部21bに差し込むのである。これにより、各板材10と交点部材20とは完全に位置決めされるのであり、差込突起11aの差込部21bへの差込方向(図3中ではその方向を一点鎖線にて表示してある)以外にズレることが少ない状態となる。
ここで、後述する実施形態におけるように、各板材10の差込突起11a全体の幅が各板材10のそれとほぼ同じであることが望ましい。何故なら、各板材10に掛かる力を、当該差込突起11aを介して交点部材20全体に分散し、当該差込突起11aの変形や破損を招くことになる局所的な力とはしないようにするからである。
各板材10の差込突起11aを交点部材20の差込部21bに差し込んで、各板材10と交点部材20とを位置決めした後に、各交点部材20に対して、図3〜図5中の一点鎖線にて示す方向に、各交点部材20とタイプの合った連結部材30を嵌合させるのであるが、これらの連結部材30の各交点部材20への嵌合方向は、差込突起11aの差込部21bへの差込方向に対して直交したものとなっている。そして、当該連結部材30をさらに押し込んで、その係止突起32を各板材10に形成した各係止部14に係止させるのである。これにより、各交点部材20と各板材10との係合が保持されることになる、つまり、各板材10の交点部材20に対する抜け止めがなされるのである。
ここで、連結部材30の各交点部材20への嵌合方向と、差込突起11aの差込部21bへの、つまり各板材10の交点部材20への差込方向とが互いに直交したものとなっていることには、次の重要な意味がある。例えば、図1に示した各組立棚100に対して図示横方向の力が加わった場合、各板材10と交点部材20とを引き抜こうとする方向の力になるが、この力の方向は連結部材30の各交点部材20への嵌合方向と直交しているため、各連結部材30の各交点部材20との嵌合状態を解除する力にはならない。逆に、図1に示した各組立棚100に対して図示前後方向の力が加わった場合、各連結部材30の各交点部材20との嵌合状態を解除しようとする方向の力になるが、この力の方向は各板材10の交点部材20への差込方向と直交しているため、各板材10と交点部材20とを引き抜こうとする力にはならない。
そして、各板材10と交点部材20とを引き抜こうとする方向の力と、各連結部材30の各交点部材20との嵌合状態を解除する方向の力との両方が同時に掛かることは想定できないため、書籍等の重量物収納や長期間使用によっても、当該組立棚100にはガタが発生しない。
従って、この請求項1に係る組立棚100は、各板材10の位置決めを交点部材20で行い、各板材10の抜け止めを連結部材30で行うのであるため、ビスや工具がなくても簡単に組み立てができることは勿論、組立後の書籍等の重量物収納や長期間使用ができるものとなっている。
また、上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、上記請求項1に記載の組立棚100について、
「板材10側の各差込突起11aまたは交点部材20側の各差込突起21aに、差込方向に平行な板材10側の嵌合溝12または交点部材20側の嵌合溝22を形成するとともに、これら各嵌合溝12または22に嵌入される交点部材20側の仕切り板23または板材10側の仕切り板を13、板材10側の差込部11b内または交点部材20側の差込部21b内に形成して、
板材10側の各差込突起11aを交点部材20側の各差込部21bに、または交点部材20側の各差込突起21aを板材10側の各差込部11bに差し込んだとき、各嵌合溝12または22に各仕切り板23または13を差し込むようにしたこと」
である。
すなわち、この請求項2の組立棚100は、上述した請求項1の組立棚100について、板材10側の各差込突起11aまたは交点部材20側の各差込突起21aに、差込方向に平行な板材10側の嵌合溝12または交点部材20側の嵌合溝22を形成するとともに、これら各嵌合溝12または22に嵌入される交点部材20側の仕切り板23または板材10側の仕切り板13を、板材10側の差込部11b内または交点部材20側の差込部21b内に形成したものである。
勿論、上述したように、板材10側の差込突起11aは、図18に示すように、交点部材20側の差込突起21aに代えられることがあり、同時に、交点部材20側の差込部21bは、板材10側の差込部11bに代えられることもある。つまり、「嵌合溝」と呼ぶものは、板材10側に形成されること(図1〜図17に示す場合)も交点部材20側に形成されること(図18に示す場合)もあるものであり、同時に、「仕切り板」と呼ぶものは、交点部材20側に形成されること(図1〜図17に示す場合)も板材10側に形成されること(図18に示す場合)もあるものであるが、以下では、図1〜図17に示す場合を中心に説明することとする。
以上のように、各板材10の差込突起11aに嵌合溝12が形成してあり、この差込突起11aが差し込まれるべき交点部材20側の差込部21bに仕切り板23が形成してあることによって、各差込突起11aを差込部21bに差し込んだとき、各嵌合溝12に各仕切り板23も差し込まれることになる。このため、各板材10と交点部材20とは、その各差込突起11aと仕切り板23とによって隙間なく嵌合されることになるのである。
特に、各仕切り板23は、差込部21bに1または複数個設けてあるから、差込部21bを形成している側面部を内側から支えるものとなっていて、これらの差込部21bの側面部に「ヒケ」や「ソリ」が発生するのを防止するものとなっているのである。
従って、この請求項2の組立棚100は、上記請求項1のそれと同様な機能を発揮する他、各板材10と交点部材20とを嵌合し得るものとなっているのである。
さらに、上記課題を解決するために、請求項3に掛かる発明の採った手段は、上記請求項1または請求項2に記載の組立棚100について、
「各板材10の長さ方向の端面のそれぞれに係止部14を、各交点部材20の長さ方向の端面のそれぞれに嵌合部24を形成し、各連結部材30に、交点部材20の嵌合部24が嵌合される嵌合凹部31と、各板材10の係止部14に係止される係止突起32を形成して、各連結部材30を各嵌合部24に嵌合して各係止突起32を各係止部14に係止したとき、各交点部材20と各板材10との係合を保持するようにしたこと」
である。
すなわち、この請求項3の組立棚100は、各板材10の長さ方向の端面のそれぞれに係止部14を形成することは勿論、各交点部材20の長さ方向の端面のそれぞれに嵌合部24を形成し、各連結部材30に交点部材20の嵌合部24が嵌合される嵌合凹部31を形成したものである。
各連結部材30に形成した嵌合凹部31は、当該連結部材30が嵌合されるに適したタイプの交点部材20の端部に確実に嵌合されるようにするために、図8、図11、及び図14の各(b)に示すように、L型の交点部材20についてはL型のもの、T型の交点部材20についてはT型の、そして十字型の交点部材20については十字型のものに形成されていることは当然である。これにより、各連結部材30は、これに応じたタイプの交点部材20の端部に対して嵌合され、嵌合された後にはその嵌合方向以外の力に対して動ずることはないものとなる。
このため、この請求項3の組立棚100では、各連結部材30をその嵌合凹部31にて各嵌合部24に嵌合して各係止突起32を各係止部14に係止させれば、各交点部材20と各板材10との係合がしっかりと保持されることになるのである。
従って、この請求項3の組立棚100は、上記請求項1または請求項2のそれと同様な機能を発揮する他、各板材10と交点部材20とをより一層「ガタ」なく嵌合し得て、各交点部材20と各板材10との係合をしっかりと保持し得るものとなっているのである。
以上、説明した通り、本発明においては、
「両端部に差込突起11aまたは差込部11bを有した複数の板材10と、これらの板材10の差込突起11aが差し込まれる差込部21b、または板材10の差込部11bに差し込まれる差込突起21aを有した複数の交点部材20と、これらの交点部材20を介して複数の板材10の固定を行う複数の連結部材30とからなる組立棚100であって、
各連結部材30に形成した各係止突起31を各板材10に形成した各係止部14に係止したとき、各交点部材20と各板材10との係合を保持するようにしたこと」
にその構成上の主たる特徴があり、これにより、各板材10の位置決めを交点部材20で行い、各板材10の抜け止めを連結部材30で行うことができて、ビスや工具がなくても簡単に組み立てができることは勿論、組立後の書籍等の重量物収納や長期間使用することのできる組立棚100を提供することができるのである。
本発明に係る組立棚100を、(a)〜(c)の3種類で示した斜視図である。 十字型の交点部材20を採用した同組立棚100の、交点部材20を中心に拡大して示した部分斜視図である。 図1中の(b)で示した組立棚100の一部分解斜視図である。 T型及び十字型の交点部材20を採用した同組立棚100の、交点部材20を中心に示した部分分解斜視図である。 図4の一部を拡大した分解斜視図である。 同組立棚100の板材10の斜視図である。 同板材10を示すもので、(a)は一部を破断した平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。 交点部材20と連結部材30を示すもので、(a)はタイプがL型の交点部材20の斜視図、(b)はこのタイプの交点部材20に適した2つの連結部材30の斜視図である。 図8に示した交点部材20を示すもので、(a)は部分破断正面図、(b)は側面図、(c)は縦断面図である。 図8に示した交点部材20に適した連結部材30を拡大して示すもので、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は平面図、(d)は側面図、(e)は縦断面図である。 交点部材20と連結部材30を示すもので、(a)はタイプがT型の交点部材20の斜視図、(b)はこのタイプの交点部材20に適した2つの連結部材30の斜視図である。 図11に示した交点部材20を示すもので、(a)は部分破断正面図、(b)は側面図、(c)は縦断面図である。 図11に示した交点部材20に適した連結部材30を拡大して示すもので、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は平面図、(d)は側面図、(e)は縦断面図である。 交点部材20と連結部材30を示すもので、(a)はタイプが十字型の交点部材20の斜視図、(b)はこのタイプの交点部材20に適した2つの連結部材30の斜視図である。 図14に示した交点部材20を示すもので、(a)は部分破断正面図、(b)は側面図、(c)は縦断面図である。 図14に示した交点部材20に適した連結部材30を拡大して示すもので、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は平面図、(d)は側面図、(e)は縦断面図である。 板材10側の係止部14に連結部材30側の係止突起32が係合した状態を示すもので、(a)は係止溝14a内に突起14bを有する場合を、(b)は係止穴14cが係止突起32を包み込む場合を示す部分拡大断面図である。 板材10側に差込部11bを、交点部材20側に差込突起21aを形成した例を示す、図5に対応した部分分解斜視図である。 特許文献1に示された組立棚100の分解斜視図である。 特許文献1に示された各部品の斜視図である。 特許文献1に示された固定方法を示す分解斜視図である。
以上のように構成した各請求項に係る発明を、図面に示した実施の形態である組立棚100について説明すると、図1には、本実施例に係る組み立て後の組立棚100の各種形態が例示してある。この図1の(a)は、収納部分が一箇所の元も簡単な組立棚100を、(b)は4つの収納部分を縦横2列ずつ設けた組立棚100を、(c)は4つの収納部分を縦に並べて設けた組立棚100を示している。そして、これらの組立棚100は、それぞれの収納部分を構成するのに適した数の板材10と、これらの板材10を連結する交点部材20と、これらの交点部材20の表裏両面に取り付けられて、各交点部材20と各板材10との係合を保持する連結部材30とからなっているものである。
また、これら各板材10、交点部材20及び連結部材30は、その全てを合成樹脂を材料として成形したものである。
さらに、後述する板材10側の差込突起11aは、図18に示したように、交点部材20側の差込突起21aに代えられることがあり、同時に、交点部材20側の差込部21bは、板材10側の差込部11bに代えられることもある。つまり、以下で「差込突起」や「差込部」と呼ぶものは、板材10側に形成されること(図1〜図17に示す場合)も交点部材20側に形成されること(図18に示す場合)もあり、さらには「差込突起」と「差込突起」との間に「差込部」を形成する等の組み合わせも行われるが、以下では、図1〜図17に示す場合を中心に説明することとする。
各板材10は、図1〜図7に示したように、組立棚100としたときに左右両側となる辺から突出した差込突起11aを有するものである。また、この差込突起11aの外側には、図4〜図7に示したように、後述する連結部材30の係止突起32が係止される係止部14が形成してある。なお、図18に示した例では、上記差込突起11aに代えて差込部11bが形成されることは前述した通りであるが、この差込部11bの外側に係止部14を形成することは共通している。
これら各板材10の内部は、図7の(a)に示したように、リブを立てて大きな空間が存在し得るようにして、材料の省略が行えるようにしてある。そのようにする方法としては、当該板材10の厚さ方向に半分となる半割体を射出成形しておいて、両者をつき合わせて振動溶着することや、ブロー成形、組み合わせ接着等がある。このことは、後述する各交点部材20についても同様である。また、各板材10の表面は、ゴミを溜まりにくくしたり、両面とも使用できるようにするために、平滑なものとすることが好ましいが、表面が平滑で裏面に補強のためのリブを立てるように実施してもよい。
勿論、各板材10の表面は、これによって組立棚100の収納空間を形成するため、平坦であることが望ましい。つまり、特許文献1の技術におけるような、ピン圧入のための「穴」は存在しないのである。
各板材10の差込突起11aには、主として図6に示したように、当該差込突起11aの差込方向に平行な嵌合溝12が形成してある。これら各嵌合溝12には、後述する交点部材20側の仕切り板23が差し込まれるものである。
さらに、当該板材10に形成した係止部14については、図5〜図7、及び図17に示したように、この係止部14の内奥に、係止溝14a(図17の(a)の場合)、あるいは係止穴14c(図17の(b)の場合)を形成すようにしてある。
図17の(a)に示したような、係止部14の内奥に係止溝14aを形成した場合には、係止部14の入り口近傍に、突起14bを形成するとよい。この突起14bは、係止溝14a内に挿入された係止突起32先端の膨出部の抜け止めを果たすことになるため、板材10と連結部材30との連結を確実にすることになる。
図17の(b)に示したような、係止部14の内奥に係止穴14cを形成した場合には、この係止穴14cの入り口部分が弾性力を有する係止部となる。このため、この係止穴14cは、その中に強制嵌入された係止突起32先端の膨出部の抜け止めを、スナップボタンのように果たすことになるため、板材10と連結部材30との連結を確実にすることになる。
各交点部材20は、図8の(a)及び図9に示したL型のもの、図11の(a)及び図12に示したT型のもの、及び図14の(a)及び図15に示した十字型のもの、の3種類が用意されるが、何れも、各板材10側の差込突起11aが差し込まれる差込部21bを有することは共通している。なお、図18に示す例では、この差込部21bに代えて差込突起21aが形成されることは前述した通りである。
また、これらの交点部材20の、各差込部21bが形成してある部分の厚さは、各板材10の厚さと同じにしてある。換言すれば、各板材10を当該交点部材20に組み付けたとき、各差込部21bが形成してある部分の表面と各板材10の表面とが物が出し入れし易く、かつ安定して置けるように平坦にしてある。
さらに、各交点部材20の差込部21b内には、図8、図11及び図14の各(a)に示したように、板材10側の差込突起11aの差込方向と平行な複数(本実施形態では二枚)の仕切り板23が形成してあり、これら各仕切り板23の先端は、図8、図11及び図14の各(c)に示したように、差込部21bから僅かに突出した突出部分23aとしてある。
各仕切り板23に形成してある突出部分23aは、当該仕切り板23を板材10側の各嵌合溝12内に差し込む際の案内となるもので、板材10側の各差込突起11aを、交点部材20側の差込部21b内に差し込む作業を容易にするものである。つまり、この突出部分23aは、板材10側の各差込突起11aを交点部材20側の差込部21b内に差し込むにあたって、これを差込突起11aに形成してある嵌合溝12の入り口に係合させてそのまま入れることにより、各板材10の交点部材20に対する位置決めと、各仕切り板23の嵌合溝12内への挿入を案内するものなのである。なお、これらの仕切り板23及び突出部分23aは、図18に示した例の場合には、図示した通りの仕切り板13及び突出部分13aとなることは言うまでもない。
各連結部材30は、図8、図11及び図14の各(b)に示したように、図8、図11及び図14の各(a)に示した上記各交点部材20の外端部に嵌合される嵌合凹部31を有するものであり、その各板材10の係止部14に対向する部分に、図8、図11及び図14の各(b)に示したような係止突起32を形成したものである。
以上のような板材10、交点部材20、及び連結部材30が、本発明に係る組立棚100を組み立てるに使用される部品であり、その他に、これらを連結するための例えばビスのような固定部品はない。なお、固定部品ではないが、当該組立棚100の一方の開口を覆う「背板」を部品とすることもある。
以上のように、本発明に係る組立棚100は、これを構成している板材10、交点部材20、及び連結部材30について、合成樹脂の弾性を有効に利用した嵌合方法を採用しながら、これらの寸法精度を良くして隙間が少なくなるようにすることにより、組立、組み換えを繰り返し行っても、ガタを少なくできるのである。
100 組立棚
10 板材
11a 差込突起
11b 差込部
12 嵌合溝
13 仕切り板
13a 突出部分
14 係止部
14a 係止溝
14b 突起
14c 係止穴
20 交点部材
21a 差込突起
21b 差込部
22 嵌合溝
23 仕切り板
23a 突出部分
24 嵌合部
30 連結部材
31 嵌合凹部
32 係止突起

Claims (3)

  1. 両端部に差込突起または差込部を有した複数の板材と、これらの板材の前記差込突起が差し込まれる差込部、または前記板材の差込部に差し込まれる差込突起を有した複数の交点部材と、これらの交点部材を介して複数の前記板材の固定を行う複数の連結部材とからなる組立棚であって、
    前記各連結部材に形成した各係止突起を各板材に形成した各係止部に係止したとき、前記各交点部材と各板材との係合を保持するようにしたことを特徴とする組立棚。
  2. 前記板材側の各差込突起または交点部材側の各差込突起に、差込方向に平行な板材側の嵌合溝または交点部材側の嵌合溝を形成するとともに、これら各嵌合溝に嵌入される交点部材側の仕切り板または板材側の仕切り板を、前記板材側の差込部内または交点部材側の差込部内に形成して、
    前記板材側の各差込突起を前記交点部材側の各差込部に、または前記交点部材側の各差込突起を板材側の各差込部に差し込んだとき、前記各嵌合溝に前記各仕切り板を差し込むようにしたことを特徴とする請求項1に記載の組立棚。
  3. 前記各板材の長さ方向の端面のそれぞれに係止部を、前記各交点部材の長さ方向の端面のそれぞれに嵌合部を形成し、前記各連結部材に、前記交点部材の嵌合部が嵌合される嵌合凹部と、前記各板材の係止部に係止される係止突起を形成して、前記各連結部材を前記各嵌合部に嵌合して前記各係止突起を前記各係止部に係止したとき、前記各交点部材と各板材との係合を保持するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の組立棚。
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